chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
日々の便り https://blog.goo.ne.jp/hansyoodll84

男女を問わず中高年者で、暇つぶしに、居住地の四季の移り変わりや、趣味等を語りあえたら・・と。

老若男女を問わず、人夫々に出逢いの縁が絆の始まりとなり、可愛く幼い”蒼い”恋・情熱的な”青い恋”・円熟した”緑の”恋を辿って、人生観を形成してゆくものと思慮する そんな我が人生を回顧しながら、つれずれなるままに、出合った人々の懐かしい想い出を私小説風にブログに記してみた

日々の便り
フォロー
住所
秋葉区
出身
大田区
ブログ村参加

2015/11/08

arrow_drop_down
  • 雪に戯れて (29)

    『親愛なる大助君に先日は、地震のお見舞い電話を下さいまして、本当にありがとうございました。電話を頂けるなんて夢にも思っておりませんでしたので、地震の恐怖も忘れ、嬉しさが心の底から込み上げてきて、思わず泣いて取り乱してしまい済みませんでした。この飯豊山麓の町も、TVでは震度3と放送しておりましたが、その後、余震が数え切れないほどあり、最近では、私も地震慣れした様で騒ぎたてしませんが、これがいけないことは充分に判っております。然し、最初の揺れは、心がちじみあがるほど怖かったです。大きな揺れを感じた直後、お爺さんは棚に飾っておいた愛玩のガラスの花瓶が落ちて壊れたのが癪にさわったのか、わたし達に当たり散らすように、大きな声で怒鳴る様に指示したので、ママと二人して咄嗟にテーブルの下に身を隠しましたが、そのとき、お爺...雪に戯れて(29)

  • 雪に戯れて (28)

    キャサリンは、ホテルで早く起床すると身支度を整え、朝食時、美代子に対し「あなた、昨晩から、何故、そんなに不機嫌なの?。母さんも切なくなるゎ」と、節子さんの手助けを得て、気にかけていた城家への挨拶も滞りなく終えてホット息抜きしているのに、彼女の動作が遅く気になったので声をかけると、彼女は「ベツニナンデモナイヮ」と素っ気無く答えたので、やっぱり大助君とのことで悩んでいるのかと思いながらも、病院や家事が気になり「学校を見学したあと早く帰りましょう」「母さんもお爺さんやお仕事が心配になので・・」と促して、せきたてるように彼女を連れてミッションスクールを見学して簡単な説明を受けたあと、急ぎ足で帰郷の新幹線に乗った。新潟に向かう途中、美代子はキャサリンの問いかけにも満足に答えず、ボンヤリと窓外の景色を見ていた。キャサ...雪に戯れて(28)

  • 雪に戯れて (27)

    美代子やタマコとの話に夢中になっている大助に、廊下から珠子が「大ちゃ~ん。そろそろ、美代子さんのお母さんと節子小母さんがお帰りになるわよ~」と、手招きして呼んだので、大助達三人がワイワイお喋りしながら家に入り、彼がキャサリンと節子さんに笑顔で挨拶すると、キャサリンは大助に高校入学の祝意を述べたあと「春の連休には是非遊びに来て下さいね」「お爺さんも、貴方が来られる日を楽しみにして待っているわ」「もしも来られないと、お邪魔したのに君をお誘いしなかったのか。と、私がお爺さんに怒られてしまうゎ」と、笑いながら話すと、タマコちゃんがすかさず、ピョコンと頭を下げてお辞儀をして、はにかんだ顔で「小母さんの金色の髪と宝石のような青い目が、映画やグラビヤの写真で見る様に素敵ダヮ」と、ウットリとした目で見つめながら、見た感じ...雪に戯れて(27)

  • 雪に戯れて (26)

    大助は、隣に寝そべって漫画本に笑い転げているタマコちゃんの愛用の布袋からお菓子を取ろうとして、漫画本に夢中になって布袋に手を伸ばしたところ、彼女の胸をまさぐる様に偶然手が当たり、不意をつかれた彼女がビックリして「ナニヨッエッチ!」と声を上げて彼の頭を叩いたので、彼は「イテテッマチガッチャッタゴメンヨ」と彼女の手を払い、彼女が「今度は、何が欲しいの、もう、お煎餅しかナイヮ」と言ってお煎餅を出して渡すと、彼は相変わらず本を見ながら美味そうにパリパリと音をたてて食べていた珠子は、二人の仕草を見ていて呆れてしまい、美代子の顔を覗き気まずそうに苦笑して「ホレッ!ごらんの通りで、高校に進学するとゆうのに、あの有様ょ」「なんだか、頼りないようで悲しくなっちゃうゎ」と呟くと、美代子は「そんなことないゎ」「わたしには、歳下...雪に戯れて(26)

  • 雪に戯れて (25)

    2月の末にしては珍しく続いた晴天も、3月に入ると寒気が舞い戻り、雪深い飯豊山麓にある美代子の住む街は、連日、重苦しい鉛色の雲が空を覆い、朝晩の冷え込みも例年並に厳しい。診療所の朝は、春夏秋冬変わることなく毎朝5時、お爺さんが二階の仏間でリズミカルに打ち鳴らす団扇太鼓と鐘の響きにあわせて読経する”南妙法蓮華経”の朗々とした声を、まるで合図にした様に皆が動き出す。卒業式を間じかに控えた日曜日の朝。読経を終えたお爺さんは、キャサリンと美代子を仏間に呼びよせ、何時もの厳しい顔つきで、緊張して正座しているキャサリンと美代子の前に、二通の白い封書を大事そうにだした。その一通には、自分の晩年において、キャサリンと美代子の二人の人生に夢と希望を叶えさせるべく尽力することが、自分の余生に残された責任と願望であり、日夜、彼女...雪に戯れて(25)

  • 雪に戯れて (24)

    健太郎夫婦は、老医師の外見からは伺い知れぬ、人生や家族問題等の秘めたる苦悩を聞かされて強い衝撃を受け、適切な返事を返せぬまま、健太郎は「ハイハイ」とか、ときには「ウ~ン」と深い溜め息を漏らし、只管、一方的に聞くのみで、節子さんは、目を合わせることもなく、俯いて静かに聞き入っていた。健太郎は、節子さんが座をはずした隙に、沈んだ雰囲気の間を埋めるように、これ迄人に対して口にしたことのない、自分達夫婦の若き日の出会いと、結婚にいたるまでの不運な出来事を、年配の老医師に告白する様にポツポツと回顧する様に話していた。節子さんは、重苦しい雰囲気を少しでも和らげ様と思い、老医師の好物であるお酒とブリの刺身に野沢菜漬けを用意してきて、二人にお酌をしてあげながら「先生、あまり思いつめない方がよろしいですヮ」と静かに言いなが...雪に戯れて(24)

  • 雪に戯れて (22)

    大助達が帰京する日の朝。外は厳しい冷気に満ちていたが風もなく、雲一つない透き通る様な快晴で、美代子は母親のキャサリンと節子さんと共に、彼を見送るために温泉宿に向かった。途中で、美代子はキャサリンの肩に手を当てて促すように笑顔で「お母さん、ほら、珍しくダイアモンドダストがキラキラと瞬間的に輝いて綺麗だヮ」「大ちゃんにもう一晩泊まってもらい、この美しいダイアモンドダストを見せてあげたかったゎ」と、昨夕彼を宿に帰したことを残念がり、感嘆しているうちに宿に到着すると、寅太達の三人組が上着を脱いで鉢巻姿で顔を紅潮させて、入り口の除雪や健ちゃん達の車を洗車していていた。彼等は、車から降りた彼女を見るや明るい笑顔で元気よく朝の挨拶をしてくれたが、美代子はチョコット頭を下げて笑顔をも見せず無言でキャサリンと節子さんの後に...雪に戯れて(22)

  • 雪に戯れて (21)

    美代子は、お爺さんの話を渡りに船と、戸惑う大助を連れて二階に行くと、自室の隣の座敷に用意されていた布団を丸めて運び出して、自分の部屋のベットの脇に敷き、彼に「ハイッ朋子さんが、洗濯しておいてくれた君の下着ョ。着替えテェ~」と差し出したので、大助は「少しの間、隣の部屋に行っていてくれないか」「女性の前で着替えるのは嫌だなぁ~」と、きまり悪そうに呟くと、彼女は顔をくもらっせて「そんなことを言はないでぇ~」「わたし、外の方を見ているから、早くしなさいョ」と言って窓の方を向いたので、彼は素早く着替え終わると、チラット盗み見していた彼女はニコッと笑いながら「大ちゃん、運動しているためか、腿と腰の筋肉が発達していて頼もしいヮ」と言ったので、彼は「コラッ!約束違反だぞ」「淑女らしく約束をまもれよ」と照れ隠しを言うと、彼...雪に戯れて(21)

  • 雪に戯れて (20)

    大助は、美代子が朝食を知らせてくれたが、これまでに彼女の家で食事をしたことは無く、堅苦しい雰囲気の中での食事も嫌で、ベットで寝転がり思案していたら、再度、彼女が迎えに来たので「僕、宿に帰ってからにするよ」「だいいち、僕は入院患者で、お客ではないし・・」と告げたら、彼女は「ナニイッテイルノヨ朝から、難しい理屈を言って困らせないでョ」「君は、この家と、わたしにとっては、将来がかかった、大切なお客様なのョ」「お爺さんも、君とお食事をするのを楽しみにして、待っていてくれているのに・・」と誘ったが、彼は動こうとせず頑なに嫌がって、彼女をてこずらせていたいたら、看護師の朋子さんが顔を出して、爽やかな笑顔で「お爺様が早く呼んで来なさい言っているゎ」「貴方のカルテは作っていなし、患者さんではないので、病室にお食事を用意す...雪に戯れて(20)

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、日々の便りさんをフォローしませんか?

ハンドル名
日々の便りさん
ブログタイトル
日々の便り
フォロー
日々の便り

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用