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  • 教育大国シンガポール~日本は何を学べるか 中野円佳 2023

    シンガポール政府は教育(とりわけ試験)を重視している。コロナ禍でもできるだけ休校を避け、同時にオンライン対応の準備を進め、ソフトロックダウン発動時にはスムーズに移行が進んだ。シンガポールの教育は、国家へのアイデンティティと謙信の精神を身につけさせることと経済発展の持続を達成することを目的としている。教育を媒介として能力ある人材=学歴エリートを官僚、そして政府に引き入れる。優秀な高校卒業生数百名には奨学金を出して米英に送り込み、帰国後には一定期間政府機関で働くことを義務づけている。国際調査TIMSSやPISAにおいて、シンガポールは世界トップクラスの高成績を得ている。その一方で、シンガポールの教育は、競争過熱によるストレスが親子ともに大きい。小学校終了時の試験PSLEでで進むコースが振り分けられる。教育は早...教育大国シンガポール~日本は何を学べるか中野円佳2023

  • 理系思考入門 高橋洋一 2022

    著者が過去に書いた「消費増税」と「戦後経済史」と「官僚とマスコミ」に関する3冊の本の内容を収録再編したもの。よって、第1部第2部は経済学をベースにした税財政と日本経済に関するかなりオーソドックスな論考、第3部は財務省と官邸の内幕話。タイトルの理系思考に関する記述は探してもなかなか見つからない。辛うじて見つかった理系思考と関連していそうな記述箇所をメモ。p37財政投融資の金利変動リスクを算定するにはALM=資産と負債の総合管理が必要だが、それを行うにはコンピュータのプログラムを書いてシステムをつくらねばならず、文系官僚には無理で、それができたのは数学科出身の著者だけだった。それをつくる過程で政府全体のバランスシートをつくったので、日本政府は借金も大きいが資産も大きく、破綻することはあり得ないとわかっていた。...理系思考入門高橋洋一2022

  • 歴史を読み解く城歩き 千田嘉博2022

    意外にもこの本の1章は日本を離れて世界の城の話となった。シュリーマンが発掘したミケーネの城は巨石を積んで城壁が築造され、紀元前13世紀にライオンのレリーフを掲げたゲートが成立した。徳川大坂城のように人工的に形を整えた石材が隙間なく積み上げられている。石垣の「算木積み」や「屏風折れ」、城内道が直角に折れ曲がる「桝形」と同じ構造は、世界の城に共通する普遍的な防御のしくみであり、ミケーネと同時期のティンリスは既にそれを取り入れていた。紀元前600年頃イギリスのケルト人が築いたメドウィン・カッスルは三重の堀と高い城壁、「馬出し」と同じで入口を備え、日本の戦国の城ろ比較しても遜色ない。沖縄のグスクは14世紀ごろから石垣を用い、15世紀以降は桝形と呼ぶ複雑な出入り口を持っていた。大和スタイルの城より圧倒的に早く、江戸...歴史を読み解く城歩き千田嘉博2022

  • 住宅団地 記憶と再生~ドイツと日本を歩く 多和田栄治 2021

    ドイツ語で住宅団地をSiedlungジードルングと呼ぶ。1850年代以降、ルール地方では企業が工場労働者のための団地アルバイタージードルングを建設した。ベルリンではワイマール時代に行政が主導し非営利組織が建設管理する団地が多く建設された。うち6つの団地はモダニズム住宅団地として世界遺産登録され、しかも現在も住民が居住している。日本でも有名なブルーノ・タウトが設計した小規模な団地ファルケンベルクは各戸が40㎡台と狭く規格化されているが、多様なデザイン、住棟の列の変化、色彩の魔術により住戸ごとの個別化を演出している。ブリッツの大団地は、シンボルとなる馬蹄形の住棟と多くの2~3階建ての長屋からなる。住民インタビューをしているが、長く満足して住み続ける人が多く、近所づきあいも密接のようだ。旧西ベルリンで1960年...住宅団地記憶と再生~ドイツと日本を歩く多和田栄治2021

  • 2035年の世界地図—失われる民主主義 破裂する資本主義

    「世界最高の知性」4人へのインタビューとそれに基づく対談をまとめたもの。短いインタビューなのでそれぞれの発言の背景根拠は今一よくわからないところがある。1.エマニュエル・トッド民主主義は後退あるいは破壊され続けており、まもなく寿命を迎える。民主主義のリーダーである米国は不平等でカネがあまりにも重要な国になった。中国は権威主義であるけれども平等主義的な価値観がある。グローバル化は格差を生み出し夢はなくなった。しかし米国がグローバル化から抜け出し工業国に戻ることはできない。先進国は新興国を自らの陣営に引き入れるようなことは控えなければならない。西洋は傲慢であり、新興・途上国が「私たちを好きである」と仮定するのは大間違いだ。2.マルクス・ガブリエル新型コロナに対し民主主義国はロックダウンすべきではなかった。しか...2035年の世界地図—失われる民主主義破裂する資本主義

  • 流山がすごい 大西康之2022

    流山在住の元日経記者が書いた流山を賛美する本。つくばエクスプレス開通がきっかけとなって大きく発展、人口増加率6年連続1位となったが、それだけではないことを示している。送迎保育ステーション。駅前ビルに設置され、朝子どもを預けると市内各所の保育園に連れて行ってくれ、夕方は6時まで(8時まで延長可)預ってくれる。保育士に就労奨励金や家賃補助を与えて保育士を確保し「保育の楽園」になった。流山市にだけある課①マーケティング課②流山本町・利根運河ツーリズム推進課おおたかの森駅前のSCはニコタマと同じ会社、東神開発が落札し、市長の要望を踏まえ、デパ地下、大型シネコン、大型書店、大規模な緑化のある開発を行った。2022に開業した大和ハウス工業による第2のSCは、日常生活必需品が揃うファミリー層向けの店に絞った。流れ山イン...流山がすごい大西康之2022

  • 地域学入門 山下祐介2021

    江戸時代より前に形成された古い村には暮らしていくための資源がすべてある。明治初期の村地図を見る。境界線。水源になる川。肥料・馬のエサ・薪・山菜のとれる山林。一方、江戸後期に低湿地を改良して形成された新田村は、渇水時の水源や薪炭林、畑が十分でない。それぞれの集落に固有の歴史がある。それぞれの村は、基礎となる生業の上に、様々な副業があった。城下町には、城を築く盤石な土地、水源となる川と用水、食料やエネルギー資源を運ぶ供給路がある。都市は多くの街道が入り込み、都にもつながっていた。家は生活協同集団であり、必ずしも血族集団ではない。家は婚姻によって他の家々と繋がっていた。婚姻は家格で行うので、大きい家はしばしば遠距離で結び、それ以外の家は村内や近くの村との婚姻が多かった。村(自然村)は、①自治集団、②生産協同集団...地域学入門山下祐介2021

  • ドローン空撮で見えてくる日本の地理と地形 藤田哲史 2021

    地理の本によくある自然地理や村落、歴史都市とは異なる、人下の営み、特に土木技術史と関わりの深い空撮写真が多く紹介されている。堤防、分水路、瀬替え、新田開発、畑の地割、山上の大規模住宅地、採掘場と炭鉱跡、二重ループの山岳道路、高速道路の線形。地図の色彩について、山地が緑色、低地が茶色に塗られていることにちょっと違和感。ドローン空撮で見えてくる日本の地理と地形藤田哲史2021

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