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閑人の絵日記 https://saitotomonaga.blogspot.com/

1. パステル画や水彩画などの自作品紹介 2. 絵画、映画、デザインなどに関する論評

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2015/08/14

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  • AI は「頭のいいバカ」

     Artificial Intelligence AI とは?について議論が盛んだが、AI の声を神の声のように崇拝する人と、逆に人間が AI に支配されるのではと恐れる人、に二分されるようだ。どちらも AI の知能は人間を超えるという前提に立っている。しかし個人的には、口は悪い...

  • 瀬戸内のアートの島 犬島

     Inushima Art この間の NHK のプロジェクトX (5 / 17)で「アートでよみがえった瀬戸内海」をやっていた。衰退しつつあった瀬戸内の小島をアートの島にしてよみがえらせたプロジェクトだ。ちょうど10 年前の 2015 年にこれらの島を訪れた時を思い出した。番組で...

  • グーグルと AI

     Google & AI 直近のここ1ヶ月くらいから新しい変化(異変?)が Google に起こっている。何かの検索すると「AIによる概要」が検索結果順位の第1番目に表示されるようになった。なぜなのか不思議に思っていたが、タイミングよく日経新聞(5 / 11)に関連記事が出て、そ...

  • 大阪万博の経済効果とウーブンシティ

     Expo Osaka 2025 大阪万博の総来場者数は 2800 万人に想定されていたが、それは1日あたりにすると 15 万人だという。ところが実際は GW 期間を含めても1日平均 10万人程度だそうだ。 もともと大阪万博は、知事と市長が政治利用のために誘致したとして批判が多か...

  • 国連の「国際デー」

    International Days  国連が制定した「国際デー」というのがある。一年 365 日ほとんど毎日が何らかの日になっている。国連の広報 HP にそれらすべてがのっているので見ると面白い。(右表はその一部) ちなみに昨日の5月16 日は、「平和に共存する国際デー」という...

  • 映画「ミッドサマー」の尊厳死

    「Mid-summer」 前回、「安楽死」について書いたが、その続き。 「安楽死」とは、治癒の見込みのない人を、本人が望めば、医師が薬を投与して死なせることを意味する。しかし日本では「安楽死」は違法で、直る見込みがなくても、人工呼吸や人工透析や胃ろうなど、あらゆる延命医療を続ける...

  • 安楽死「自分の死は自分で決める」

     Euthanasia 先日、イギリスの議会で、安楽死法案が可決されたというニュースがあった。直る見込みのない病気の人が、本人が望めば、医師による薬の投与で死ぬことができる。 「自分の死は自分で決める」(My Death,  My Decision)という国民の世論に押されて法案...

  • 過去を消す「ダムナティオ・メモリアル」

      NEXUS : A Brief History of Information Network from Stone Age to AI 「情報の人類史」の中に、ローマ帝国の皇帝たちが行った「ダムナティオ・メモリアル」という面白い話がでてくる。それは競争相手や敵の記憶を抹殺する...

  • 「映像の世紀」

    Is Paris Burning ほとんどが面白くない NHK の番組の中で、ドキュメンタリー番組の「映像の世紀  バタフライ・エフェクト」だけは毎回必ず見ている。「バタフライ・エフェクト」とは、蝶が羽根を揺るがしただけのような取るに足らない小さな出来事がやがて世界を揺るがすよう...

  • 「スター・ウォーズの日」とトランプ大統領

     Star Wars Day 5月4日は日本では「みどりの日」」だが、アメリカでは「スーター・ウォーズの日」だ。映画のなかの有名なセリフ「May the Force be with you」(フォースと共にあらんことを)からきている。「May」を「5月」に、「Force」を「4日...

  • 落語「抜け雀」とだまし絵

     Trompe-loeil 落語に「抜け雀」という話がある。ある宿場町の宿屋にみすぼらしい男が泊まる。ところが男は毎日一日中部屋に閉じこもって酒ばかり飲んでいる。一週間ほどたって帰ることになるが、宿泊料を払う金がない。代わりにといって男は襖に5羽のスズメの絵を描く。すると翌朝スズ...

  • 映画「1984」

     「1984」 「1984」をあらためて見た。強権専制国家の恐怖政治を描く SF ディストピア映画で、何度見ても恐ろしい。この映画はヒトラーやスターリンを下敷きにした、ジョージ・オーウェルの小説「1984年」をもとにしている。 この古い映画が最近、いろいろな論評で引き合いに出され...

  • AI が面接?

     NEXUS : A Brief History of Information Network from Stone Age to AI 最近、企業が業務に AI を活用することが増えている。先日も学生の採用にまで AI を使い始めた企業のニュースがあった。学生がオンラインで A...

  • 情報社会の「真実と秩序」とは

      NEXUS : A Brief History of Information Network from Stone Age to AI 前回、「NEXUS 情報の人類史」について書いたが、今回はその具体的内容についてごく一部だけだが紹介してみたい。 「情報」の役割について、普...

  • 「NEXUS 情報の人類史」

     NEXUS : A Brief History of Information Network from Stone Age to AI 世界的超ベストセラー「サピエンス全史」のユヴァル・ノア・ハラリの新著「NEXUS 情報の人類史」が出た。待望の一冊だ。 石器時代からシリコン時...

  • 「万博見てきただ」

     EXPO OSAKA 1970 TVer で「万博見てきただ」というのをやっていた。1970 年の大阪万博の時の映像のをそのまま再放映している。万博を見に行った田舎のおじいちゃんとおばあちゃんに密着取材したドキュメンタリーだ。 旅行会社の農協様ご一行向けの万博見学ツアーに参加し...

  • 万博の「ミライ人間洗濯機」

     EXPO  OSAKA ある TV 番組の大阪万博の紹介で、「ミライ人間洗濯機」なるものが出展されていると知った。写真は大阪市長が自ら体験使用するデモの様子だそうだ。失敗万博と批判されているなかで、なんとか盛り上げようと苦心している。 1970 年の大阪万博で「人間洗濯機」が大...

  • プロレス大好きのトランプ大統領

     Pro-Wrestling & Trump トランプ大統領はプロレスが大好きだという。だからプロレス方式で、全世界を相手に殴る蹴るの乱暴を働いている。 プロレスの試合観戦が好きで、時にリングに上がって”参戦”し、負けた選手の髪の毛をバリカンで切ってしまうパーフォーマンスをやった...

  • 「デジタル敗戦」と大阪万博

     Osaka Expo 2025 大阪万博の最大の目玉だったドローンタクシーの商用運行を断念して、デモフライトだけになったようだ。一方で、中国ではこの6月から人間を乗せたドローンタクシーの商用運行を始めるという報道があった。技術の「未来を見せる」はずの万博だが、「未来」どころか、...

  • Google への規制強化

      先日 Google が、独占禁止法違反で、公正取引委員会から排除命令を受けたという報道があった。自社の検索ブラウザを強制的にスマホにインストールさせ、アクセス数を増やして広告の収益を上げるという同社のビジネスモデルが問題にされた。同じような問題が Google だけでなく、「...

  • 「デジタル・ネイティブ」と「デジタル移民」

     Digital Native & Digital Immigrant 「デジタル・ネイティブ」・「デジタル移民」の言葉が生まれたのはスマホが普及し始めた 20 年くらい前だった。生まれた時からゲームなどのデジタルが当たり前の世代が「デジタル・ネイティブ」で、その反対に大人になっ...

  • 大阪万博が始まったが

     EXPO 万博とはもちろん「万国」の「博覧会」だが、この古臭い名前の由来を歴史でたどると、万博とはなにかがわかってくる。 万博の始まりは、170 年前の第1回ロンドン万博だった。産業革命を成し遂げた世界最大の工業国の、産業振興と国威発揚の場だった。だから、展示物は工業製品や発明...

  • AI と チューリングテスト

     Turing Test ウエブサイトにログインするときに、パズルを解くことを求められることがある。ねじれた文字をなんと読むかを答えさせたり、一連の写真の中から横断歩道が写っているものを選ばせるなどがある。どれもすぐに答えることができる簡単な問題で、指示されたとうりに従っていたが...

  • AI 絵画

    AI  Painting 日経新聞( 3 / 22 )の文化欄に興味深い記事があった。  AI に絵を描かせる実験の話だ。 記事が紹介している実験は、人間が指示する代わりに、ネズミの脳波を生成 AI に入力して描かせたというもの。その結果、上の写真の女性の顔が描かれたそうだ。だか...

  • 近代写真の父 アルフレッド・スティーグリッツ

     Alfred Stieglitz 19 世紀末、アルフレッド・スティーグリッツは、「芸術としての写真」で、写真家として国際的な評価を得た。 多くはニューヨークの風景をモチーフにして撮った。冬の澄んだ空気の中でそびえ立つビルや、濡れた雨の歩道に映る光や、樹木や人物のシルエットな...

  • ポストモダン建築

     Post-Modernism Architecture 地元にある商業ビルだが、見るたびに気になる。てっぺんに巨大な青いモノが乗っていて、正面の壁には何やら目立つ出っ張りがある。典型的な「ポスト・モダニズム」建築なので、このビルの築年を調べたら 1990 年ごろだったので、やは...

  • 映画「風の遺産」とアメリカの文化戦争

    Culture War  トランプ大統領が再選された時の選挙の争点は、「妊娠中絶」「移民」「気候変動」だった。経済や外交の問題ではなく、こういう「価値観」の問題でアメリカの世論がまっ二つに分裂している。その衝突は「文化戦争」(Culture War)と呼ばれている。 「文化戦争」...

  • ファンタジーアート展

    Fantasy Art ファンタジーアート展(横浜  アソビル)を見た。ゲームやアニメのキャラククターのデザインを手掛けいる天野喜孝の個展だ。繊細かつ精緻で浮世絵の美人画の流れを感じる。 ゲームやアニメでよくある SF 的未来都市だが、これもどこか日本的な感じがする。 アメリカの...

  • 「ユリシーズ」の山本容子の挿画

     「Ulysses」and illustrations ジェイムズ・ジョイスの「ユリシーズ」を何十年ぶりかに新訳版で読んでいる。旧訳版にはなかった挿画が入っていて、版画家の山本容子が描いている。ジョイスと山本容子とは意外な組み合わせだが、言葉遊びのような言葉が連発する、都会的で洒...

  • 「情報」とは?

     「Information」 「情報」とは何か?、について一般的な定義では、①ある物事についての知らせ ②それを通してなんらかの知識が得られるもの、とされている。ネットメディアの普及で、誰でもが「情報」を発信できる時代だが、そこで発せられる「情報」は、上記の定義に照らしたとき、本...

  • 実写版「白雪姫」

     Snow White 今月公開された実写版の「白雪姫」を観たが、なかなかの出来だ。しかしこの映画は物議を醸している。ネット上で炎上していて、新聞(日経新聞  3 / 23)までがこの問題を大々的に取り上げている。 問題とされている最大の点は、白雪姫役にヒスパニック系の女性を起用...

  • ヤマガミ ユキヒロの フォト・リアリズム

     Photo-Realism 「フォト・リアリズム」は、写真をもとにして、細密描写をする超写実主義の絵画だが、必ずしもただ写真のとうりに描くだけではない。ヤマガミ  ユキヒロという人は、写真を使いながら、新しい視覚体験を生み出すことを試みている。 これは絵のもとにする写真だが、同...

  • 映画「トゥルーマン・ショウ」

     「The Truman Show」 主人公のトゥルーマンは、ある離島の街に暮らしている。彼は保険会社のセールスマンとして平凡だが平和な毎日を過ごしている。ところが彼は孤児で、生まれた時からテレビ局のプロデューサーの養子になったのだが、大きくなっても本人はそのことを知らない。 そ...

  • フォト・リアリズム

     Photo-Realism 「アメリカン・リアリズムの系譜」という本の表紙が、銀座の風景の絵だったので、作者を調べたら、ヤマガミ ユキヒロという日本人だった。超精密描写のフォト・リアリズム絵画だが、こんな作家がいるとは知らなかった。 この表紙絵には、面白い試みがされている。表紙...

  • ノーマン・ロックウェルのイラストレーション

     Norman Rockwell 「アメリカン・リアリズム」の絵画は、日本では、アンドリュー・ワイエス以外は、ほとんど関心を持たれていない。しかしアメリカ人は大好きだ。だからイラストレーションでも、「アメリカン・リアリズム」の流れを汲んだイラストレーションの人気が高い。 自らもア...

  • 線画の見え方

    J. J. Gibson 認知心理学者のギブソンの「生態学的視覚論」は、人間が世界をどう知覚しているかを研究した名著だが、その中に「画像による表現」という章がある。 そこに「線画の原理」ということが書かれている。線画を見た時、人間は、線そのもので形を理解しているのではなく、 線と...

  • 絵画の教科書「カラー&ライト」

     James Gurney「Color & Light」 前回、ジェームス・ガーニーのファンタジーアート絵本「ダイナトピア」の紹介をしたが、彼はイラストレーターであると同時に画家でもある。その画風は徹底した写実主義の、いわゆる「アメリカン・リアリズム」だ。 彼は「カラー&ライト」...

  • ジェームス・ガーニーのファンタジーアート「ダイノトピア」

    James Gurney ジェームス・ガーニーはファンタジーアートの第一人者で、絵本「ダイノトピア」は有名だ。人間と恐竜が共存する恐竜国の物語だが、 ジェームス・ガーニーの画力がすごい。この本は映画化もされた。 アメリカのイラストレーターは、ほとんどが美術大学で絵画を学んでいて、...

  • 東日本大震災から14 年

     HUKUSHIMA 東日本大震災から14 年だが、まだ ”過去の出来事” になっている訳ではない。常磐自動車道の福島県を走っていると、そのことを実感する。ところどころに、 現在の 放射線量を示す表示板が立っている。 そして、道路両脇のあちこちに黒いビニール袋に入った汚染土が積み...

  • 映画「アノーラ」

    「Anora」 今年のアカデミー賞受賞作「アノーラ 」をさっそく観た。 性風俗店で働くアノーラが若者の客と出会う。軽薄な若造だが、豪邸に住んでいて、連日馬鹿騒ぎのパーティをやっている。そしてアノーラは彼と”専属契約” を結ぶ。そして豪華な ”プレゼント攻勢” に目がくらみ、”イン...

  • 「鯖を読む」

      「鯖を読む」とは、年齢などを自分に都合よく変えてしまう、というお馴染みの言い回しだ。その由来は、痛みやすい鯖は市場で手早く売り買いしなければならないので、どさくさ紛れに数を誤魔化してしまうことから来ているという。 実際、寿司屋でも鯖は〆鯖ばかりで、生鯖はほとんど出てこない。し...

  • エッシャーの「画廊」

     Escher  「Print Gallery」 エッシャーの「画廊」は複雑かつ不思議な絵だが、どういう原理で出来ているかを「エッシャー完全解読」(近藤滋)が読み解いている。著者は理系の科学者なので、エッシャーがどうやってこの絵を描いたのか、その思考と制作の過程を自らシミュレーシ...

  • エッシャーの「爬虫類」

     Escher  「Reptiles」 エッシャーの有名な名作はいろいろあるが、この「爬虫類」もそのひとつだ。スケッチブックに描かれたトカゲのような爬虫類が立体になって画面から抜け出し歩き出す。そして最後に再び平面化して、スケッチブックの中に戻っていく。「2次元と3次元の間の連続...

  • エッシャーの「描く手」のトリック

    M. C. Escher  "Drawing Hands" 「だまし絵」の名作として知られるエッシャーの「描く手」のトリックを「エッシャー完全解読」(近藤滋)が明かしている。  画用紙から二つの手が立体化し、互いに相手を描く様子が描かれている。この絵の面白さは、「描くもの→描かれ...

  • 映画「ミッドサマー」

     Midsummer 5年くらい前のスエーデン映画だが「ミッドサマー」は衝撃的だった。スエーデンのある小さい村が舞台で、夏至(ミッドサマー)の日に祝祭が行われる。白装束の村人たちが集まり宴会をしたり、儀式めいたダンスが行われる。明るい光景だがどこか異様な感じがする。するとクライマ...

  • 「小田原評定」

     The Congress dances, but it doesn't progress よく行く小田原だが、小田原城を見るたびに「小田原評定」の言葉を思い出す。「評定」(ひょうじょう)とは「会議」のことで、豊臣秀吉が攻めてきた時、小田原城で北條家の家臣たちが、籠城するか反撃す...

  • 映画「伝説の映画監督 ハリウッドと第二次世界大戦」

    「Five Came Back」  この映画は、ハリウッドの巨匠監督5人の第二次大戦中の活躍を描いたドキュメンタリーだ。5人はいずれも志願して戦場へ行って映画を撮った。それらの戦争ドキュメント映画や戦争プロパガンダ映画は、戦争に無関心だったアメリカ人の戦意高揚に大きな役割を果たし...

  • インテリア デザイナーが主人公の映画 3選

     Interior designer in movie 映画のシーンで、インテリアデザインが重要な役割を果たしている例は多い。登場人物のキャラクラーを説明するのにインテリアが使われたりする。インテリアは、そこに住む人の生き方や価値観と密接に関係しているからだ。そういう映画のなかで...

  • 映画「フェイブルマンズ」

    Fabelmans 2年前のスピルバーグの映画を、もう一度ネット配信で見た。スティーブン・スピルバーグ監督の自伝的映画で、子供の頃に親からもらった8ミリカメラで 遊んでいた時代から、青年になって映画監督の助手に採用されるまでを描いている。後に傑作を次々に生み出していくスピルバーグ...

  • 「80 歳の壁」の読み方

    3年前に、和田秀樹という医師が書いた「80 歳の壁」が超ベストセラーになり、その後も女性向けの続編が出てまたヒットしている。なぜこんなに人気なのか、それは今まで出ている”高齢者向け健康ハウツー本” のたぐいと全く違う視点で書かれているからだ。 普通の本が「健康で長生きするためには...

  • 製鉄会社の工場見学

    Steel factory tour  日本製鉄の US スチール買収計画が政治問題化してゴタゴタが続いている。それで、数年前に製鉄工場の見学をしたことを思い出した。湾岸道路を走っていると、川崎のあたりで JFE の大きな工場が見える。いつか見に行ってみたいと思っていたら、チャン...

  • 「エッシャー完全解読」その2

    M.C.Escher  前回の続き。「エッシャー完全解読」の第2章で、有名な「物見の塔」を解析している。 この絵は、「ネッカーの立方体」を元ネタにしているというのは有名だが、絵の左下に「ネッカーの立方体」をいじっている若者を描くことで、エッシャー自身もそのことを認めている。しかし...

  • 「エッシャー完全解読」

     M. C. Escher 「エッシャー完全解読」というすごい本が出た。著者によれば、エッシャーの絵には、よく知られている程度のトリックではなく、もっと複雑な仕掛けがあり、エッシャーはそのことを生涯隠し続けていたという。医学者である著者は科学的な方法でその謎を解き明かしている。 ...

  • 今日は「建国記念の日」

      今日 2 / 11 は「建国記念の日」だ。「建国記念日」でなく、あいだに『の』が入った奇妙な記念日だ。どこの国にも建国記念日はある。アメリカはイギリスから独立した「独立記念日」、フランスはフランス革命の「革命記念日」、中国は毛沢東の共産主義政権成立の「国慶節」など、革命や独立...

  • 「肌理(きめ)の遠近法」を使った絵画

    Texture perspective 人間は環境を「視知覚」で認識しているが、J. J. ギブソンの名著「生態学的視覚論」は、そのメカニズムを詳しく研究している。その中に「肌理(きめ)」の話が出てくる。ガラスのように均質で滑らかな面の物質は例外的で、ほとんどの物質の表面は細かい...

  • 相関関係と因果関係の混同

    Correlation & Causation  例えば 『 朝食を摂らない子供は、学校の成績が悪い傾向がある』 は「相関関係」で、 『 朝食を摂らないと、子供の成績が悪くなる』 は「因果関係」だ。 つまり 『統計的にみて、朝食を摂る / 摂らないが、子供の成績に影響している傾向...

  • 絵本「猫と悪魔」

    「 The Cat and the Devil」 大昔、子供が小さい頃に買った「猫と悪魔」という絵本が出てきてびっくりした。こんな本があったことはすっかり忘れていたが、著者がジェームス・ジョイスだったということにまたびっくりした。 20 世紀文学に革命を起こしたジョイスが絵本を書...

  • 建築家が主人公の映画 3選

    Architect in movie 新しく公開される「ブルータリスト」は、建築家が主人公の映画だ。そこで、建築家が主人公の映画で、強く印象に残っている作品を3つあげてみる。  「摩天楼」 ラストは 自分が設計した建物の 屋上に 「どうだ!」という ポーズ ですっくと 立っていて...

  • 映画と A I

    Butalist   今年のアカデミー賞の最有力候補にノミネートされている「ブルータリスト」が、日本では今月(2月)公開されるようだ。面白そうなのでぜひ観ようと思う。 それは別にして、この映画で A I が使われていることが問題になっている。制作スタッフが自らそのことを認めている...

  • ルドンの「グラン・ブーケ」

     Odilon Redon 三菱1号館美術館にルドンの「グラン・ブーケ」が常設展示されている。パステル画家のルドンの代表作のひとつだ。ここの展示はレプリカで、原画どうりの高さ 2 .5 m の大きさで、ガラスに印刷したものを裏からバックライト照明している。だからパステル画の色の鮮...

  • 映画「愛と哀しみの旅路」

     「COME SEE THE PARADISE」 一昨日の1/27 は「ハワイ移民出発の日」という記念日だそうで、どんな日かネットで調べたが、通り一遍で大事なことが書かれていない。 日本が真珠湾攻撃した時、ハワイに住む日本人移民が、真珠湾のアメリカ海軍の動静を調べて、それを日本に...

  • 直感的ユーザー・インターフェース

     Intuitive interface 去年のことだが、いつも利用している市立図書館の WEB サイトのシステム変更が行われた。そのとき、新システムの試行期間があり、それに対する利用者のパブリック・コメントを募集していた。なかなか良心的だ。それで、蔵書検索や貸し出し予約の「使い...

  • 猫の脱走

    Affordans  知り合いが飼い猫を連れて我が家にきた時、文字どうり ”借りてきた猫” 状態だったが、スキをみて窓の外へ飛び出し、ベランダの手すりに飛び乗った。そこから下へ飛び降りようとしたが下を見てあきらめた。いくらジャンプが得意な猫でも、さすがに2階の高さからでは無理だと...

  • 「THE VISUAL ARTS TODAY」

    「THE VISUAL ARTS TODAY」は、絵画、彫刻、建築、写真、映画、など現代美術全般にわたる各分野の専門家の論考集。編著者のジョージ・ケペシュは、IIT や MIT の教授を務めた現代美術の理論家だ。各章のタイトルは 「仕事、余暇、創造性」 「象徴主義の起源」 「身体...

  • ピサロの雪景色

     Pissarro 1/ 20 は「大寒」というそうだ。初雪はまだないが、たしかに本格的に寒くなってきた。それで改めてピサロの雪景色の絵を鑑賞。ピサロは、住んでいたパリ郊外のルーヴシエンヌという村で、雪景色を描いた。ピサロは、印象派の ”お父さん” と呼ばれるくらい温厚な性格だっ...

  • 絵のために、PHOTOSHOP を利用してみる

      PHOTOSHOP 街を歩いていたらこんな工事中のビルを見かけた。光と影の構成が面白くて、絵にしたくなった。この素材をどう料理するか考えているなかで、頭の中のイメージ作りに役にたつのではないかと、 PHOTOSHOP を使ってみた。元画像をいろいろ加工してみるとヒントが得られ...

  • 阪神淡路大震災から 30 年

     Huge earthquake 今日は、 1995.1.17. の阪神淡路大震災から 30 年だった。この間の能登半島地震は、 2024.1.1. で、東日本大震災が 2011.3.11.  だった。どうも「1.1.」のゾロ目の日に悪いことが起きるようだ。(そういえばアメリカの...

  • 学生レポートのいろいろ

     Student report 学生のレポート課題は、社会人になったときに必要な「考える力」の訓練のために果す。だから例えば、「⚪︎⚪︎ の現状について考え、その問題点を記せ」などというかたちで出題する。それでも「コピペレポート」が絶えない。ネットで検索して、使えそうなネタをその...

  • プロダクションデザイナーの仕事

    Production Designer 以前、映画の「プロダクション・デザイナー」について書いたが、その続き。 「プロダクション・デザイナー」は 映画のビジュアルに関わるデザインを総合的に行うのが仕事で、特にセットのデザインは重要だ。 「映画美術から学ぶ「世界」のつくり方」で、ハ...

  • 映画「アイリッシュマン」

     「Irishman」 「アイリッシュマン」(2019  NETFLIX)は、スコセッシ監督の傑作のひとつだと思う。ロバート・デ・ニーロや、アル・パチーノなどが出演する3時間半に及ぶ大作だ。1950 年代アメリカで、マフィアが暗躍していた時代の実話に基づいている。労働組合指導者の...

  • 日鉄の USS 買収

     Nippon Steel's Attempt to acquire U.S. Steel 日本製鉄の US スチール買収が政治問題化してきた。バイデン現大統領が買収禁止を決めて、訴訟に発展している。 現在の鉄鋼業の世界シェアを調べると、1位が中国、2位がインド、3位が日本で、ア...

  • 映画の上映時間

     Running time for movie NETFLIX などのネット配信の映画は上映時間は長い。シリーズ化されている作品が多く、10 時間超えは当たり前だ。データによれば、興行収入上位 30 位の映画の平均上映時間は 132 分と、10 年前より13 分長くなっているとい...

  • 「ミュシャ展」

    Mucha 「ミュシャ展」をギリギリ最終日に鑑賞した。(横浜そごう美術館) アールヌーボー美術の先駆者といわれ、ポスターが有名だが、今回は、本の挿絵、パッケージデザイン、香水のビン、装飾品、などの展示があり、ミュシャのマルチタレントぶりに焦点を当てた企画になっている。知らなかった...

  • ピンクの歴史

    History of Pink 日経新聞の文化欄の「なるほど!ルーツ調査隊」(2024.11.18)という特集の「ピンク色の歴史」の記事が面白かった。同記事によれば、「男の子は青、女の子はピンク」というジェンダーバイアスが生まれたのは新しく、第二次世界大戦後だというのが意外だった...

  • 映画「バービー」のピンク色

     Barbie and Pink-color 前回のアカデミー賞の有力候補だったが受賞を逃した「バービー」をあらためて見た。映画としては駄作だが、正面から「ジェンダー」をテーマにしている点では面白い。 「男社会」の現実世界と真逆の「女社会」が舞台で、さまざまな職業のバービー人形た...

  • ミラノ空港での思い出

    Lod Airport Massacre  昨今の、イスラエル対パレスチナの終わらない戦争を見ていると、 50 年くらい前の経験を思い出す。 仕事でイタリアのミラノへ出張した時のことだが、空港でいきなり銃を持った警備の兵士3人に囲まれた。そして別室へ連行され尋問を受けた。スーツケ...

  • カンディンスキーと「青騎士」、そして「蒼騎展」の思い出

     Kandinsky「Die Blaue Reiter」 カンディンスキーは 20 世紀初頭に、表現主義絵画の運動を起こした。それは、印象主義のように、外界を写しとるのではなく、人間の内面を表現する絵画で、革命的だった。その運動の理念を表明するために、カンディンスキーは雑誌「青騎...

  • 「データ」を「情報」に変える

    Data and Information  厚生労働省による平均健康寿命の調査結果が報道されていた。「男性は⚪︎⚪︎歳、女性は⚪︎⚪︎歳で、前年より⚪︎⚪︎歳伸びた」などの「データ」を見て「自分もそろそろ健康寿命になるから健康に気を付けよう」などと思ったりする。 しかし国レベルと...

  • 映画「月世界旅行」

    「A Trip to the Moon」  初の民間宇宙ロケットがまたしても失敗したようだが、ほとんど報道されない。今やたくさんの大学が自主開発したロケットを打ち上げている時代で、ロケットは特別に高度な技術でなくなっているからだ。打ち上げ実験にかつてのようなワクワク感がない。 す...

  • 焼酎「百年の孤独」

     「One Hundred Years of Solitude」 映画「百年の孤独」を見たのを機に、焼酎の「百年の孤独」を入手して初めて飲んでみた。ウィスキーと同じく樽で5年間熟成させているそうで、さすがに味は普通の焼酎とは違う。値段も高級ワイン並みで、入手も難しい。 酒造会社の...

  • 映画「百年の孤独」

     One Hundred Years of Solitude 「百年の孤独」がついに映画化されて、NETFLIX で今月(12 / 11)から配信を始めた。原作はガブリエル・ガルシア=マルケスの「百年の孤独」で、ノーベル文学賞を受賞した名作だ。 ある家族の 100 年間にわたる長...

  • 高校の頃 附属美術館にて

     Museum of art in high school 出身の高校には、高校にしては珍しい付属美術館がある。開校した明治時代から現代まで、画家になった卒業生たちの作品を展示している。自分と同時期に在学していた仲間の作品もあり、訪れると昔のことが蘇る。 芸大を目指す優秀な人たち...

  • 大塚国際美術館

    Otsuka Museum of Art  大塚国際美術館(徳島)は世界の名画を集めた大規模な美術館だが、それらは原画でなくすべてレプリカだ。しかしレプリカといっても精巧で、原画とまったく見分けがつかない。これらの本物を見ようとすれば、世界中の数百もの美術館を巡らなければならない...

  • 映画「WW Ⅱ 最前線」の「 ヒロシマ」

    WW II,  HIROSHIMA 「WW Ⅱ 最前線 カラーで甦る第二次世界大戦」(NETFLIX, 2009) は記録映像によるドキュメンタリー映画だが、シリーズの最終回が、「ヒロシマ」だ。 日本の敗戦がはっきりしてきたころ、日本は本土決戦という”集団自決”の決心をする。一方...

  • セルフレジのインターフェース

    User-interface of Self-checkout 飲食店やスーパーでセルフレジが増えてきた。それ自体は悪いことではないが、機械の使い勝手が悪い。慣れている店ならいいが、初めての店ではシステムが違うので戸惑う。この間もある店でもたついていたら、真面目そうな高校生のアル...

  • SNS 依存症

    SNS 交流と情報共有が目的の SNS だが、そのことを利用して、Social (SNS のS) でない Anti-Social な SNS サイトが横行している。しかし問題は情報を受け取る側にある。ネットからしか情報を得ることをしない(できない)人たちは、SNS の情報をすぐに...

  • 裏目の看板たち

     Red color fading 重要な文字は目立つ赤色に、という担当者の真面目な配慮が裏目に出た看板たち。 ドライバーからよく見えるようにと配慮した大きな文字の痕跡がかすかに見える。 あるスーパーの入り口。 大きな駐車場で、いつも迷わされる。 全滅。

  • ”AI が受賞した” 今年のノーベル賞

     Nobel Prize 2024 今年のノーベル賞の物理学賞と化学賞は、ともに Google の AI 研究者が受賞した のには驚いた。その記事が日経新聞(11 / 22)に載っていた。 記事によれば、化学賞受賞のハサビス氏が来日して、囲碁の井山王座と記念対局をしたという。囲碁...

  • 「回想」で物語る名作映画

      映画の回想シーンは、「フラッシュバック」と呼ばれるように、映画の途中で挿入されることが多い。だが物語全体が回想として語られる「回想形式」の映画もある。そこでは「過去」と「現在」の間に「時間の流れ」があることと、しかもその二つの時間のあいだの「つながり」が重要な意味を持っている...

  • 工場の風景

    Painting Factory  溶鉱炉 崩れゆく神殿 廃炉幻想 残照 要塞

  • 映画の「省略法」

     "Omission" of movie NETFLIX はシリーズドラマが多く、10 回連続もざらだ。視聴者を最後まで飽きさせないためにいろいろな工夫をしている。回ごとに新しい登場人物を出したり、物語を複雑化したりする。しかし長すぎて間伸びしている失敗例も多い。 改めて「映画」...

  • 反ワクチン運動

    Anti-Vaccine movement ”またトラ” の閣僚人事が物議を醸しているが、そのひとりが厚生長官に起用されたロバート・ケネディ・ジュニアで、ケネディ元大統領の甥だ。この人は反ワクチン運動家として有名で、コロナのパンデミックの時も反ワクチン情報を SNS で発信し続け...

  • 古い機械

     Old machine 重要文化財、氷川丸のエンジンルーム 1918 年製の技術遺産、造船所で使われていたエア・コンプレッサー 工事現場の錆びたパワーシャベル

  • 廃れたものの風景

    Abandoned 廃屋になった漁師小屋(北海道 日高地方) 大破した漁船(オホーツク) 石切り場の廃トラック(宇都宮  大谷石採石場跡) 残雪、元水産加工場の廃屋(北海道 日高地方)

  • 雨の風景、霧の風景

     Rainy day,  Foggy day 水浸しになった森の林道(大沼公園) 晩秋の冷雨(印旛沼) 郊外の夕方の雨(幕張) 朝霧の川のほとり(シリベツ川) 高原の朝霧(伊豆高原) 夏の早朝、朝もやの森(ニセコ)

  • ホロドモールと映画「赤い闇」

    Holodomor 先日(11 / 16)のNHKニュース で、東京の教会で在日ウクライナ人たちによる「ホロドモール追悼式」を報じていた。 「ホロドモール」とは 90 年前、ウクライナがソ連によって穀物を収奪されて、大飢饉におちいった事件だ。穀倉地帯のウクライナにもかかわらず、数...

  • 公募展のこと

      公募展に参加して 18 年になる。一般応募で初めて応募したのは 2006 年だった。それから現在まで 18 年たった。振り返ってみると、会員になるまで 10 年かかっている。 一般応募4年間 → 会友5年間 → 準会員1年間 → 会員(現在まで8年間)→計 18 年間 会員...

  • 「Whisper Dishes」ささやきの皿

     Whisper Dishes TV の旅番組で、どこかの国の 「Whisper Dishes」の紹介をしていた。公園にパラボラアンテナのような大きなお皿を向かい合わせに設置してある。1人がお皿の前で小さな声でささやくと、遠くのお皿の前にいるもう1人にその声がはっきりと届く。パラ...

  • 「情報の歴史 21」の読み方(前回の続き)

    How to read the「The Longest Chronicle」  松岡正剛の「情報の歴史 21」は情報の内容と手段が時代とともにどう変化してきたかを人類史的なスケールのなかで示している。情報に関係した出来事を1年分だけで 500 くらいが見開き2ページに小さい字でび...

  • 松岡正剛の「情報の歴史 21」

    「The Longest Chronicle」  今年の夏、松岡正剛氏が亡くなったのを機に、改めて改訂版の「情報の歴史 21」を読んでいる。「形象文字から仮想現実まで」のキャッチフレーズ通り、人類史のなかで「情報」の内容と手段がどう進化してきたかを総覧できる壮大な本だ。改訂版では...

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