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  • 撤退を否定したバイデン その真意は

    バイデン大統領がテレビ討論会でトランプ前大統領に惨敗した。81歳のこの老人は大統領選から撤退すべきだ、との声が民主党内からも出ている。きのうは新聞もテレビも、この話題で持ちきりだった。きょうの朝日新聞によれば、バイデン大統領は次のように述べて、撤退の意思を否定したという。「仕事を全力で成し遂げられると心から信じていないのなら、再び立候補することなどあり得なかった」(朝日新聞6月30日)バイデン大統領は今、(トランプとではなく)自らの〈老い〉と戦っていると言えるだろう。「見た目」(フィジカル)の老いと戦い、見えない内面(メンタル)の老いと戦っている。上の発言は、「私はフィジカルでは老いたが、メンタルではまだまだ元気だ」と言おうとしているのだろう。だが、これに対しては、次のように言いたがる人も少なくないに違い...撤退を否定したバイデンその真意は

  • テレビ討論会 人は見た目が

    きのうの午前10時頃だった。テレビをつけると、ちょうどアメリカ大統領選のテレビ討論会が始まるところだった。HNKの画面には、演壇に立つバイデン大統領とトランプ前大統領の姿が映された。私は気が短い。チャンネルを民放に切り替えると、討論会はすでに始まっているらしく、同時通訳の女性のかん高い声が飛び込んできた。その早口の日本語は私の頭には入らなかったが、大統領候補の二人はどうやら政策論争を交わしているらしい。「うらやましいな・・・」。私は先日、日本の国会で交わされた退屈極まる党首討論を思い出した。役人が作った原稿を読みあげる岸田首相の、気の抜けたビールのようなとぼけた姿。それに比べると、こちらの二人は、原稿を読み上げることもなく、それぞれ自分の言葉で真剣に政策論争を交わしていた。ただ、いかんせん言葉の壁がある。...テレビ討論会人は見た目が

  • 老いを噛みしめる日々

    人には寿命がある。人は必ず老い、そして死ぬ。だが我々は、ある日突然フッと寿命が尽き、ピンピンコロリと亡くなるわけではない。亡くなる前の数カ月、あるいは数年の間に、老いが我々の身体にこっそりと忍び込み、我々の身体を否応なく蝕み始める。蝕まれるのは目や、耳や、口といった諸器官である。私は数年前に口がやられた。歯がぼろぼろと抜けはじめ、今では入れ歯が欠かせない。デイサの送迎車で一緒になることが多い私の(年上の)知り合いは、目がやられた。数日後に白内障の手術を受けるのだそうだ。入れ歯や白内障の手術程度なら、まだ良い。数年前から、私は起床に難儀するようになった。ベッドから起きようとすると、腰が激しく痛む。だから地雷を避けるように、そろ〜り、そろ〜りと、時間をかけてゆっくり、ゆっくり上体を起こすしかない。毎朝のように...老いを噛みしめる日々

  • 2つの性犯罪

    きのうのことだが、スマホで「朝日新聞紙面ビューアー」を開くと、2つの見出しが目に飛び込んできた。最初に飛び込んできたのは、「米兵、少女に性的暴行か沖縄、3月に起訴不同意性交罪」という見出しだった。「またか!」私の中に言いようのない怒りが湧き上がった。記事には「沖縄では戦後、米軍関係者による事件・事故が繰り返されてきた歴史があり、地元は強く反発している」とあり、また、「玉城デニー知事は25日、記者団に『基地と隣り合わせの生活を余儀なくされている県民に強い不安を与え、女性の尊厳を踏みにじるもの。強い憤りを禁じ得ない』と述べた」と書かれていた。全くその通りだ。基地と相即不離の米兵の性犯罪、ーーこうした卑劣な犯罪をなくすには、基地そのものをどうにかしなければならない。日本はいつまでアメリカの占領下におかれているの...2つの性犯罪

  • 日本経済の凋落 その原因は何か

    「ああ、そういえばマツダもそうだったな」きのうNHKのニュースを見ながら、私は独りごちた。「国の認証試験で不正が明らかになったマツダは25日、株主総会を開き、毛籠勝弘社長が陳謝したうえで、再発防止に取り組むことを説明しました。」(NHKNEWEWEB6月25日配信)新車の認証試験で不正をしていたことが明らかになったのは、マツダだけではない。メーカーによる不正は、トヨタ、ホンダ、スズキ、ヤマハでも明らかになり、このことは以前、マスコミで大きく報じられた。「ブルータス、おまえもか!」半導体もそうだが、「技術立国日本」をリードしてきた自動車産業がこんな体たらくでは、もうどうしようもない。「俺たちが日本を背負っているのだ!」という「ものづくり精神」の矜持は、一体どこに行ったのか。「事勿(なか)れ」の発想からくる気...日本経済の凋落その原因は何か

  • 暑い、暑い!

    暑い、暑い!うだるような暑さだ。テレビのニュース番組を見ても、「暑い、暑い!」の話題尽くし。たしかに、これは異常だ。やはり地球は温暖化(warming)を越えて、沸騰化(boiling)しつつあるのではないか。昨夜などは暑い、暑い!でろくに眠れなかった。仕方がないので、スマホを取りだし、アマゾンの動画サイトで昔のテレビドラマ「恋に落ちたおひとりさま〜スタンダールの恋愛論〜」、「ごめんね青春!」を見た。感想の一つでも書きたいところだが、暑さのために完全思考停止。ブログのアップも、同じく断念せざるを得ない。ネタが降ってこないのに、無理矢理ひねりだそうとするのは愚かだ。ましてきょうは午後からデイサ通い。ブログ書きの時間が限られているとなれば、なおさらである。ふう〜、それにしても、暑い、暑い!熱中症対策を心掛けね...暑い、暑い!

  • フュージョンエネルギー

    きょうの朝日新聞を読んで、「フュージョンエネルギー」という夢のようなエネルギー技術があることを知った。「フュージョンとは核融合。海水にも含まれる重水素を燃料として核融合発電できれば、二酸化炭素を排出せず、原発のような高レベル放射性廃棄物も出ない。エネルギーや環境課題に朗報となる。」(朝日新聞6月24日)重水素を燃料として核融合を起こし、発電を行う。この発電技術が実現すれば、「二酸化炭素を排出せず、原発のような高レベル放射性廃棄物も出ない」というのだから、地球温暖化の抑止に役立ち、エネルギー問題の解決にも役立つのだから、願ったり叶ったりではないか。問題は、この技術の安全性である。フクシマのような大事故を起こす可能性があるのでは、元も子もない。ネットで調べてみた。次のような記事が見つかった。「原子炉と比較した...フュージョンエネルギー

  • 国を守る

    国家とは、領土と、そこに暮らす国民であり、国家を守るとは、基本的にその領土を保全することにほかならない。それは隙を狙って襲いかかる隣国・敵国の、その侵略行為をはねのけようとする日々の軍事的攻防から成り立っている。国家の領土は、何もせずに保全されるといった、確固不動のものではないのである。そのことを今更のように思い知ったのは、次のニュースを聞いたからである。「フィリピンが南シナ海で実効支配するセカンド・トーマス礁の海域では、今月17日、フィリピン軍の船が軍の拠点へ補給活動を行った際、中国側に妨害を受けて海警局の船と衝突し兵士1人が大けがをしました。中国側は違法な運搬を取り締まったなどと主張し非難の応酬となり、フィリピンと中国の緊張が一段と高まっています。」(NHKNEWSWEB6月22日配信)国家防衛の活動...国を守る

  • 人生いろいろ

    なんでそんなことを考えたのか、自分でもよく解らない。先日、デイサであの爺さんと談笑したからだろうか。この爺さん、これまで同じテーブルで何度となく顔を合わせてはいたが、談笑したのはこの日が初めてだった。爺さんが語る与太話を聞きながら、私は、「この爺さん、ボケてはいるが、只者ではなさそうだぞ。この人はどんな人生を歩んできて、今、ここにいるのだろう?」と考えたのだった。昨夜は昨夜で、以前テレビで放映されたドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」をアマゾンの動画サイトで久々に見た。色恋とは無縁そうな主人公・平匡(星野源)の姿に、私は自分を重ね合わせ、そして思ったのである。「その気になれば、自分にもこんな人生があったのかもしれないなあ・・・」そんな心の経験がどれだけ影響しているのか、自分でもよく解らない。私は久々に高校時代...人生いろいろ

  • 岸田自民と公明党の末路

    「改正政治資金規正法は与党として合意形成に努力し、野党の主張を可能なかぎり取り入れながら成立を図った上、ほかの重要な法案も着実に成立させており、不信任を問われるいわれはない。岸田総理大臣も『今は先送りできない課題に着実に取り組むことしか考えていない』という明確な意思を示しており、内閣不信任決議案は否決すべきだ。」これは、立憲民主党が提出した内閣不信任決議案に対して、反対の意見を述べたものである。発言の主は自民党議員ではない。な、なんと公明党の山口代表なのである。この発言は、きのうの「NHKニュース7」で大きく取り上げられた。その映像を見て、私は、「ああ、公明党はもう終りだな」と思ったのである。なにしろ岸田自民党は、今や転覆しつつある泥舟も同然。都知事選で再選をねらう小池おばさんですらが「自民党の応援はあり...岸田自民と公明党の末路

  • ロ朝と中国 その化学反応のゆくえ

    社会の爪弾き者同士が手を結び、結束を固めようとする、ーーこれを一種の心理現象とみるべきなのか、それとも物理的な化学反応とみるべきなのだろうか。きょうの朝日新聞に、次のような記事がのっていた。「ロシアのプーチン大統領と北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)総書記が19日、平壌で会談し、安全保障や経済など幅広い分野で協力する条約に署名した。プーチン氏は、一方が攻撃を受けた場合の『相互支援』の規定があると強調。核・ミサイル開発を進める北朝鮮との軍事面での協力強化をさらに加速させる構えだ。」(朝日新聞6月20日)ウクライナ侵攻で国際社会を敵にまわしたプーチンのロシアと、国際社会の孤児ともいえる金正恩の北朝鮮。この二国が手を結ぶのは、ある意味必然だったといえるだろう。問題は、ロ朝のこの「協力強化」のセレモニーが、次にどの...ロ朝と中国その化学反応のゆくえ

  • 「父の日」は「ウナギの日」

    「父の日のプレゼント、送ったよ。」東京に住む娘からのLINEで、6月16日は「父の日」だと知った。毎年、6月の第3日曜日は「父の日」なのだという。「父の日」はなぜ6月の第3日曜日なのかーー。そういう疑問をいだくのは、デイサで毎回行われる「脳トレクイズ」がその類のものばかりだからである。「母の日」はいつか、とか、「母の日」の由来はどうか、とか・・・。その類のクイズに、これまで私は正しく答えられた例(ためし)がない。さて、「父の日」はなぜ6月の第3日曜日なのか。その答えはネットで調べると、簡単にわかる。ネットにこんな記述が見つかった。「父の日は、母の日と同じくアメリカ発祥の祝日です。誕生したきっかけは、ソノラ・スマート・ドッドという女性の嘆願によるもの。ソノラの父親は軍人で、南北戦争から復員した後に男手ひとつ...「父の日」は「ウナギの日」

  • 生ゴミから都市ガス⁉

    この記事を新聞で見たとき、「むむ、こういつは素晴らしい!」と思った。だが、この記事に何度か目を通すうち、私の中に「う〜む、実際はどうなのだろうなあ」と迷う気持ちが芽生えはじめた。「こいつは案外、食わせものなのかもしれない・・・」。その記事には、こんな見出しが付けられていた。「燃やすのに脱炭素?生ゴミから都市ガスメタン合成、大阪ガスが万博隣接の設備」(朝日新聞6月18日)この見出しがいうように、問題の技術は、生ゴミ(バイオマス)から(そこに含まれる水素とCO2を合成して)都市ガスと同じ成分の「e―メタン」を製造する技術である。言ってみれば「地産地消型」のエネルギー製造の技術である。都市ガスを燃やせばCO2が排出されるが、それと同量のCO2が「e―メタン」の合成過程で使われるから、排出CO2は使用CO2と相殺...生ゴミから都市ガス⁉

  • 少子化と夢の世界

    少子化の危機が叫ばれて久しい。その影響がこんなところにまで及んでいるときょうの新聞で知り、自分の無知に愕然とした。「5月9日の参院外交防衛委員会。元陸上自衛官の佐藤正久氏(自民)は海上自衛官から届いた勤務環境改善を求める手紙を読み上げ、『人的有事だ』と語気を強めた。『防衛力の抜本強化と言っても人がいないと、骨太ではなく骨細の自衛隊になりかねない』答弁に立った木原稔防衛相は『あらゆる産業で深刻な人手不足社会を迎え、人材獲得競争は熾烈(しれつ)』と現状の厳しさを認めた上で『隊員確保に尽力する』と答えた。」(朝日新聞6月17日)少子化の影響で、深刻な人手不足に陥っている自衛隊。人手不足の現状では、国防体制の弱体化は免れない。その窮状を乗り越えるには、ではどうすればよいのか。同じく少子化に悩む欧州では、「徴兵制の...少子化と夢の世界

  • 原発の増設だって⁉

    この国の政府は、一体何を考えているのか。フクシマの原発事故以来、政府は「原発依存度を可能な限り低減する」との方針をかかげ、しばらくは原発の再稼働や増設に慎重な姿勢をとり続けてきた。ところがこのたびの「エネルギー基本計画」の改定では、原子力を最大限活用するとし、「次世代革新炉の開発・建設に取り組む」と記すとともに、原発の増設を認める検討に入ったという。「国のエネルギー政策の方向性を示す『エネルギー基本計画(エネ基)』の改定にあたり、経済産業省は、原発の増設を認める検討に入った。老朽原発の廃炉を条件に、その分だけ別の原発でも原子炉を増やせるようにする。国内の原発の総数は増えないという理屈だが、これまでのエネ基では『原発依存度を可能な限り低減する』との方針を掲げており、整合性が問われる。」(朝日新聞6月16日)...原発の増設だって⁉

  • 医師と働き方改革

    最近はニュースを聞くとき、(別のことを考えながら)漫然とアナウンサーの言葉を聞き流していることが多い。きのうがそうだった。NHKの「ニュース7」をつけながら、夕飯をとっていると、「そんなことになったら、外科のお医者さんなんか、どうするのかしら」妻が言う。「え?」と、上の空の私。「働き方改革の話よ。病院が働き方改革を導入したら、外科のお医者さんは困るのではないかしら。手術を途中で止めるわけにはいかないわけだし・・・」「うむ。困るのは医者というより、患者のほうではないのかな。『時間ですので、私はこれで帰らなければなりません』などとオペの途中で言われたら、目も当てられない」答えながら、私は去年の正月のことを思い出していた。東京で保険会社に勤めている長男が、半年ぶりに帰省したときのことである。「*男が正月に帰って...医師と働き方改革

  • たかがヒグマ、されど・・・

    デイサから帰宅し、チューハイで喉を潤しながらテレビをつけると、夕方のニュース番組が次のように伝えた。ヒグマの目撃が相次ぐ町で、クマが出没しても町が猟友会に連絡をしない異例の事態が続いています。このニュースを上の空で聞きがら、私は「ははあ、あれだな」と思った。町の当局者はきっと動物保護団体の抗議を恐れて、猟友会への連絡を控えたのだろう。ヒグマが住民を襲えば、大変なことになる。それを知っていながら、人命よりもヒグマの命を優先するなんて、本末転倒もはなはだしい。アホらしい話だ。私は腹が立って、チャンネルを切り替えた。チャンネルを切り替えたあとで、「待てよ、こんな話でも、あしたのブログのネタにはなるかもしれない」と思い直した。問題の町は、北海道にある「奈井江町」だという。さっそくネットで事の顛末を調べてみた。こん...たかがヒグマ、されど・・・

  • エシカル就活について

    「エシカル就活」という言葉をご存知だろうか。「エシカル」は、英語で「倫理的」を意味する。これが「就活」と結びつくと、「企業の規模や知名度ではなく、環境問題や社会問題への取り組み、自分と企業の価値観がどれだけ合致するかなどを重視した企業選びのスタイルを指す造語」になるという(NHKNEWSWEB6月7日配信)。なるほど、今の「就活生」は、大企業かどうか、安定企業かどうかではなく、その企業が環境問題に取り組んでいるかどうか、社会問題に取り組み、社会に役立っているかどうか等々で就職先を決める傾向があるらしいのだ。悪いことではない。自分の安定した暮らしよりも、「地球環境のため」とか、「社会のため」を優先する生き方は、むしろ素晴らしいことだと言えるだろう。ーーと、まあ、ここまではよいのだが、考えなければならないのは...エシカル就活について

  • 地球沸騰化⁉

    暑い!きょうは朝から途轍もなく暑い。暑さにやられて頭がくらくらと機能停止を起こしているときに、次のニュースを聞いた。朝ドラが始まる前の「おはよう日本」の時間である。「夏の全国高校野球の地方大会の日程が各地で発表され、このうち千葉では暑さへの対策として、午後から始まる第3試合を原則として開催しないことになりました。(中略)暑さ対策を巡っては、甲子園球場で行われる夏の全国高校野球でも、開幕から3日間、試合を午前と夕方に分けて行う2部制がことし初めて導入されることになっています。」(NHKNEWSWEB6月12日配信)とにかく暑い!肌で暑さを直に感じていると、機能停止を起こした頭でも「地球は温暖化しているのではないか、ーーいや、沸騰化しているのではないか?warmingではなく、boilingなのではないのか?...地球沸騰化⁉

  • イスラエルの人質救出作戦と米軍の関与

    目的のためには手段を選ばず。それが相も変わらぬ米軍の性(さが)なのだろうか。それとも、〈軍〉という戦闘組織は、しょせんそういう性を持っているのだろうか。きのうの朝日新聞は、イスラエルの人質救出作戦に米軍が関与していたと報じている。この作戦によって救出された人質は4人、対してガザ地区の一般市民の犠牲者は274人に上ったという。4人の救出のために、274人の住民の命を奪うことを厭わない、ーーこれでは、米軍が戦争に勝つために、ヒロシマ、ナガサキに原爆を落として14万人の日本人住民の命を奪ったのと変わらないではないか。イスラエルの人質救出作戦に米軍が関与したとの衝撃的な情報は、きのうの朝日新聞によるものだが、きのうはあいにく新聞休刊日。「号外」にのせられた情報に基づいている。きょうの朝日には、もっと詳しい情報が出...イスラエルの人質救出作戦と米軍の関与

  • 洪水の記憶

    去年7月、記録的な大雨による土石流で3人が亡くなるなど大きな被害を受けた佐賀県唐津市のある地区では、大雨に備えて住民たちが取るべき防災行動を時系列でまとめた「タイムライン」が完成し、これをもとに8日、住民たちが避難のタイミングなどを確認したという。私に関係があるのは、さしずめ「ステージ3」だろうか。「『ステージ3』は、大雨警報や線状降水帯の半日前の予測、高齢者等避難の情報のいずれかが発表された場合で、災害時に支援が必要な障害者や高齢者などの『要支援者』は避難を始めるほか、それ以外の人たちも避難の準備を始めます。」(NHKNEWSWEB6月9日配信)いや、そんなことはどうでもいい。私の住まいは水害などとはおよそ無縁の高台の平地にある。NHKの「ニュース7」で流されたこの話を、私は夕餉の食卓に座り、ご飯を口に...洪水の記憶

  • 「虎に翼」と戦争は

    毎朝、NHKの朝ドラ「虎に翼」を興味深く見ている。これまでに二度、印象深いシーンが出てきた。傷痍軍人が道端に座り、ハモニカを吹いている姿である。私は小学生の頃、不具になった軍人たちのそういう姿を実際に見たことがある。小学4年生か5年生だった頃、学校で上野動物園に遠足に行ったとき、私はそういう傷痍軍人たちの痛ましい姿を見たのだった。朝ドラ「虎に翼」を見て、このシーンが印象に残ったのは、その後の私の著述活動と関係がある。ある本の執筆段階で、私はこの(傷痍軍人の痛ましい姿を見た)体験について書いたのだが、その箇所は編集者によって削除するように要求された。察するにこの「傷痍軍人」という言葉は、「屠殺場」や「養老院」といった言葉と同様、「公にするのは不適切」とされたのだろう。敗戦後50年あまりが経ち、だれもが忘れた...「虎に翼」と戦争は

  • イスラエルとアメリカ 戦争犯罪の責任はどうなのか

    きのうの夕食時、NHKの「ニュース7」を見ていた。テレビの画面には、瓦礫の中で呆然とたたずむ少年の姿が映され、アナウンサーのこんなナレーションが続いた。「イスラエルとイスラム組織ハマスがガザ地区で戦闘を始めてから7日で8か月です。イスラエル軍は新たに大勢の住民が避難していた学校を空爆し、子どもを含む多数の死傷者が出ていて、停戦と人質解放に向けた交渉についても、依然進展は見通せない状況です。」(NHKNEWSWEB6月7日配信)このニュースを聞きながら、私はふと80年前の東京大空襲の惨事を思い浮かべた。この空襲では、26万7000戸の家屋が全焼し、約8万4,000人の死者が出たとされている。私は思った。イスラエル軍のガザ地区攻撃が国際法を蹂躙する重大な戦争犯罪なら、アメリカ軍による東京大空襲も重大な戦争犯罪...イスラエルとアメリカ戦争犯罪の責任はどうなのか

  • 規制法改革案 自民党の末路を見た

    きょうの朝日新聞は、いってみれば「規制法改革案」祭り。自民党が提出し、衆院を通過した「規制法改革案」関連の記事が第1面、第2面を大きく占めている。記事を貫いているのは、この改革案が「抜け穴」だらけで、「改革」とは名ばかり、この問題に対する自民党の後ろ向きの姿勢が際立っているとの見立てである。私が今、問題にしたいのは、この改正案を提出することにより、岸田首相がとろうとしている政権延命のための「自分中」の姿勢についてである。岸田首相はこの法案を国会で通すことが政権維持の必須要件と考え、そのために公明、維新を取り込みにかかった。取り込むために、両党の要求を丸飲みし、「パー券購入者の公開基準額」を「5万円超」に引き下げるとともに、政策活動費について「10年後の領収書の公開」を盛り込んだ。これらの条件、とりわけ「5...規制法改革案自民党の末路を見た

  • 母に会いに行く

    備忘のために書いておく。きのうは母が入所している有料老人ホームに出かけた。私が住むT市から、車で40分ほどのI市にある。妻が運転する車に乗って出かけた。コロナ禍もあり、母とは長らく会っていなかったが、「もうそろそろかも」と妻が言う。きのうのことである。その老人ホームの看護師さんから妻の携帯に電話があり、「胃ろうの食事が残るようになってきている」と報告を受けたという。母は99歳。生物には寿命というものがある。仕方のないことだ。母もいよいよ、ということなのだろう。母は最近、眠っていることが多く、ほとんどの時間、意思の疎通がとれない状態だということだったが、最後にひと目だけでも、という思いから、私は出かけたのである。母の居室に入ったとき、母はベッドに横になり、身体を丸めて眠っていた。「**さ〜ん、息子さんですよ...母に会いに行く

  • 60年安保とは何だったのか

    録画しておいたNHKの番組「バタフライエフェクト安保闘争燃え盛った政治の季節」(6月3日放送)を見た。1950年生まれの私にとって、「60年安保」は伝説上の神話のような出来事だが、この番組を見て、この神話に対する私の印象はがらりと変わり、疑問符の「?」だけが残った。なぜ「?」なのか。日米安全保障条約は1951年、当時の首相・吉田茂が署名した片務条約だった。これによって日本は米軍に基地を提供する義務を負うが、米軍は日本を防衛する義務を負わない。そういう不公平な(占領状態に等しい)状態を是正すべく、当時の首相・岸信介が1960年に結んだのが、(新)安保条約だった。この新条約の締結に対して、全国民を巻き込む激しい反対運動が巻き起こった。それが「60年安保」の政治状況である。今考えてみて、そうした反対運動が巻き起...60年安保とは何だったのか

  • 石破氏の発言を理解しようとすれば

    物事を理解しようとする場合、我々はそれを別の物事に喩えて理解することが多い。たとえば、満身創痍の最近の自民党を、私は、沈没しかかった「泥舟」に喩えた。そういうふうにイメージの補助線を引いたほうが、物事は理解しやすくなる。もっとも、物事を何に喩えるかによって理解は異なる。喩え方を間違えれば、我々はその物事を誤解することになるから、注意が必要だ。たとえば、政治資金規正法の改正案について喧々諤々の議論がなされた去る5月17日の自民党総務会で、石破茂元幹事長は次のような意見を吐いたという。「どんな案にしても批判はある。ただ全額公開なんて言ったら困る議員もいる」(=意見A)。(朝日新聞5月18日)この意見を私は、改革のやる気を殺ぐ後ろ向きの意見ととらえたが、このような理解が正しかったのかどうか、今の私は迷いはじめて...石破氏の発言を理解しようとすれば

  • シャングリラ・ダイアローグ 「対話」の難しさ

    シャングリラ・ダイアローグ。ダイアローグ(対話)を通して地域の軍事的緊張を緩和し、平和を実現しようとする試みである。その思いは解らないではないが、これが実現には程遠い、ある意味、虚しく不毛な企てであることを、きょうの朝日新聞の記事は伝えている。「(シャングリラ・ダイアローグ2024)中国、埋めがたい溝国防相、司会者遮り台湾問題繰り返すシンガポールで開かれた『アジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)』で2日、中国の董軍国防相が初めて演説し、台湾統一に向けた中国の立場を一方的に主張した。台湾の民進党政権や米国を念頭に『台湾独立分子』『外国勢力』と繰り返し、会議に参加した国との埋めがたい溝が際立った。『中国の国防政策は、和をもって貴しとなすだ』。董氏は34分間の演説で、台湾や南シナ海などの問題で中国の立...シャングリラ・ダイアローグ「対話」の難しさ

  • シャングリラ・ダイアローグ その意味はいかに

    今、シンガポールのシャングリラホテルで「アジア安全保障会議」が開かれている。この会議は開催されるホテルの名にちなみ、「シャングリラ・ダイアローグ」と呼ばれる。ダイアローグ(対話)を通して、アジア太平洋地域の緊張緩和をはかろうとする試みである。我が国からは、木原防衛相が参加している。この企てに参加するため、シンガポールを訪れた我が木原防衛相は、さっそく韓国のシン・ウォンシク国防相や、中国の董軍国防相と会談し、ダイアローグ(対話)の実践に取りかかった。韓国の国防相との間では、6年前の自衛隊機へのレーダー照射問題をめぐって対話が交わされ、その再発防止策を検討することで意見の一致をみた。中国の国防相との間では、木原防衛相が沖縄県の尖閣諸島など東シナ海での中国の海洋進出に対して懸念を伝えた。その一方で両者は、防衛当...シャングリラ・ダイアローグその意味はいかに

  • 泥舟自民の沈没なのか

    「正義はなされよ、たとえ世界は滅ぶとも」という(西洋由来の)格言がある。岸田首相は、この格言に従おうとしたのだろうか。きょうの朝日新聞は、次のように伝えている。「首相は首相官邸で公明の山口那津男代表と会談。政治資金パーティー券購入者の公開基準額について、自民案の『10万円超』から、公明が求める『5万円超』へ引き下げる意向を伝えた。会談後、山口氏は『我々の考え方がほぼ実現する見通しが立ったことを多としたい。大きな決断を示してもらった』と記者団に語った。首相は、維新の馬場伸幸代表とも会談。現在は公開義務のない政策活動費について、大まかな項目で使途を公開する自民案に加え、維新が要求する『10年後の領収書公開』を盛り込む方向で合意した。馬場氏も記者団に、賛成する考えを示した。」(朝日新聞6月1日)岸田首相は、大胆...泥舟自民の沈没なのか

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