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2015/05/16

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  • 読書案内「JR上野駅公園口」 柳 美里著 ②

    読書案内「JR上野駅公園口」柳美里著②カズが故郷に戻った7年後、カズは妻・節子を亡くした。雨の激しく降る夜だった。隣の布団に寝ていたカズが気づいたとき節子はすでに冷たい体になって、死後硬直が始まっていた。節子・享年65歳、カズ67歳。雨の夜だった。カズはわが身に降りかかる不幸に声をあげて泣いたに違いない、と思う反面働いて働いて、これから、というときに訪れたわが身の不幸に、泣くことさえ忘れてしまったのかもしれない。と、わたしは感情移入を膨らまし、この悲しい物語の先を読み進んだ。著者はカズの気持ちを次のように描写している。「なんでこんな目にばっかり遭うんだべ」、と悲憤の怒りが胸底に沈められ、もう泣くことはできなかった。「おめえはつくづく運がねぇどなあ」、浩一が死んだときお袋が言った言葉をかみしめ、独りぼっちになって...読書案内「JR上野駅公園口」柳美里著②

  • 読書案内「JR上野駅公園口」 柳 美里著 ①

    読書案内「JR上野駅公園口」柳美里著①米国で最も権威のある文学賞「全米図書賞」が18日夜(日本時間19日午前)発表され、翻訳文学部門で福島県在住の作家、柳美里さんの小説「JR上野駅公園口」の英訳版が選ばれた。河出文庫2017.2.7刊(写真)単行本初出は2014年哀しくて、切なくて、どうにもならない人生の孤独が、ひしひしと胸に迫ってくる。2014年にリアルタイムで読んだ小説です。当時のブログにも読後感を掲載しましたが、格差社会の中でどこにも身の置き所を失くし、社会の底辺にうずもれて行ってしまう男の人生の孤独が感じられ、いたたまれない気持ちになった記憶が残っています。受賞を機会に再読しました。以下の記事は過去記事(2014.05.31記)を訂正・加筆して再掲しました。カズは福島の貧しい農家の長男として、1933(...読書案内「JR上野駅公園口」柳美里著①

  • 読書案内「黒澤止幾子伝と渾沌」 -時代に創られた偉人- ③

    読書案内「黒澤止幾子伝と渾沌」-時代に創られた偉人-③止幾子江戸に護送、そして故郷の錫高野へ黒澤止幾子への容疑は、水戸の殿様・徳川斉昭九代将軍(十五代将軍・徳川慶喜の実父)の無実を訴えるための『長歌』を献上し、その下書きが露見したことに起因する。その長歌の内容はどんな内容だったのだろうか。長歌の冒頭を見てみよう。千早振る神代の昔神々のしつめ玉ひし秋津島実にも貴き日の本の清き光は古も今も千歳の末までもかはらぬ君が御代なるを…雰囲気を味わうために原文を載せましたが、理解するのに苦労を要します。現代文に直すと次のようになります。神代の昔、神々がお鎮めなさった、まことに気高いこの日本の国は、昔も今も更に千年の後の世までも、変わることのない君が御代であるはずなのに、こんな有様では、まことに訳の分からないご時世だ…(長歌の...読書案内「黒澤止幾子伝と渾沌」-時代に創られた偉人-③

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