■「山部赤人の歌」窪田空穂著(日本の名随筆62「万葉2」作品社1987年刊)「日本の名随筆62万葉2」に収録された「山部赤人の歌」(山部は山辺とも書く)が、近来になくおもしろかった(´◡`)「万葉1」「万葉3」と3冊ある。わたしが持っているのは、この(2)だけ。いずれも中西進さん編集で、ほかにも24篇収めてあるため、一篇一篇は短くまとめられている。窪田空穂の文章は、はじめて読んだ。窪田空穂には大部な「万葉集評釈」があるようだが、とてもじゃないけど、手が出ない。本編「山部赤人の歌」は1951年の講演筆記だそうである。(1)田児の浦ゆうち出でてみれば真白にぞ富士の高嶺に雪はふりける(318)(2)み吉野の象山(さきやま)の際(ま)木末(こぬれ)には幾許(ここだ)もさわぐ鳥の声かも(924)(3)若の浦に潮みち...赤人の“感動”を論ずる