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ただいま読書中 https://blog.goo.ne.jp/mxd00665

おかだ 外郎という乱読家です。mixiに書いている読書日記を、こちらにも出しています。

おかだ外郎
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2015/01/19

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  • 二の次

    「自助共助公助」ということは、「公助」は「二の次」ということですね。「自助」「共助」の「次」ですから。【ただいま読書中】『河童よ、きみは誰なのだ──かっぱ村村長のフィールドノート』大野芳著、中央公論新社(中公新書1534)、2000年、660円(税別)「河童は本当にいるのか?」と“常識的”な判断をしていた著者は、『遠野物語』で衝撃を受け、実際に遠野に出かけてさらに衝撃を受けました。目撃者がいたのです。そこから著者の「河童探し」が始まりました。呼び名は地方ごとにまちまちですが、その分布図を見たら、北は北海道から南は沖縄まで日本全国に「河童」は伝承されています。古文書には、目撃談だけではなくて、河童と相撲を取ったとか、脚を掴まれて水に引き込まれそうになったという体験談もあります。「河童の頭蓋骨」「河童のミイラ」とい...二の次

  • パンデミック

    COVID-19によって「百年前のパンデミック(世界的流行)」が改めて注目されています。「スペイン風邪」の大流行です。この時人類は大損害を出しましたが、それと同時に「教訓」もたくさん得ていました。その教訓を今回生かせなかったら、「百年前の死者」は「犬死に」をしたということになってしまうのでしょうか。【ただいま読書中】『インフルエンザ・ハンター──ウィルスの秘密解明への100年』ロバート・ウェブスター著、田代眞人・河岡義裕監訳、岩波書店、2019年、2000円(税別)第一次世界大戦さなかの1918年4月、大西洋を渡ってヨーロッパに投入されたアメリカの大軍は、ヨーロッパに「新型インフルエンザ」も持ち込みました。はじめは「普通のインフルエンザ」でしたが、8〜9月にウイルスが「凶悪なタイプ」に変貌し、致死率がどんと上昇...パンデミック

  • 汚した水

    トリチウムによる汚染水は薄めれば安全だ、と主張する人がいます。そんなに安全なら、その水でお風呂を仕立てて入浴してみてもらえません?ちなみに、本人だけではなくて家族もね。赤の他人はともかく、親しい家族だったら簡単にその安全性を説得できますよね?ところで、地中の凍結壁で汚染水はもう増えない、と言っていたのは、あれは結局「嘘」だったんですか?「嘘」だったのだとしたら、そういった「嘘つき」が言うことは、あまり信用できません。だから「ことば」ではなくて「行動」を見たいと思います。【ただいま読書中】『砂漠のキャデラック──アメリカの水資源開発』マーク・ライスナー著、片岡夏美訳、築地書館、1999年、6000円(税別)アメリカ西部で組織的に灌漑によって砂漠を緑化した最初の実例はユタ州に移住してきたモルモン教徒でした。以後砂漠...汚した水

  • 重症者のまわり

    現在のコロナ禍で「人工心肺」とか「ECMO」という言葉が普通にマスコミに登場するようになりました。ということは、その機械一台一台に、医師・看護師・介護士・薬剤師・栄養士などで構成されたチームが24時間張りついているわけです。そして、本日の本のテーマである臨床工学技士も。【ただいま読書中】『臨床工学技士になるには』岩間靖典著、ぺりかん社、2019年、1500円(税別)最近の医療現場には、人工心肺・人工透析器・人工呼吸器などの複雑な「機械」がたくさん入っています。臨床工学技士はそういった「機械」を扱う専門職で、国家試験の合格が必要な国家資格です。心臓カテーテル検査の時には、3Dマッピング装置を操作して、カテーテルを操作している医師にカテーテルの位置を知らせたりもします。うっかりすると「機械オタク」に見えるかもしれま...重症者のまわり

  • たった一年前

    ラグビーワールドカップで日本代表が日本中のファンやにわかファンを熱狂させたのは、昨年の今頃のことです。あのとき数箇月後に世界が今のようになるとは、誰も予想していませんでした。ということは、来年の今頃にも「一年前にはこうなるとは予想できなかった」と言っているのかな?その場合には現在より良い世界になっていることを切に希望します。【ただいま読書中】『ラグビーの世界史──楕円球をめぐる二百年』トニー・コリンズ著、北代美和子訳、白水社、2019年、5800円(税別)エリス少年がサッカーボールを手に持って、のラグビー発祥物語は今から200年前の事です。しかし本書は1973年のある中学校の泥んこのグラウンドから始まります。この個人的な物語によって「ラグビー」がラグビーをする人にとっていかに身近な存在か、よくわかります。そして...たった一年前

  • ジャイアン+スネ夫

    知識人を嫌う存在として、たとえば「スターリン」「ナチスドイツ」「クメール・ルージュ」「中国共産党(特に文革の時)」などを私は思い出しますが、学術会議に対する態度を見ると現在の自民党の人たちも知識人を嫌っている様子です。だけど知識人ほどのインテリジェンスがないものだから、「ジャイアン+スネ夫」のやり口(強引な力の行使と底の浅い屁理屈)しかできていないのが残念です。【ただいま読書中】『池の水ぜんぶ“は”抜くな──外来種はみんなワルモノなのか』池田清彦監修、月刊つり人編集部編、つり人社、2019年、1000円(税別)テレビで池の水を全部抜いて「外来種」を退治する、という人気番組があります。本書ではそれに対して「外来種という言うだけで敵視して良いのか?」「外来種は本当にワルモノなのか?」「そもそも外来種の定義は?」とい...ジャイアン+スネ夫

  • 日本人

    「日本人は単一民族」説の人にとって、三浦按針の子孫は日本人なのでしょうか?ナチスの「先祖に一人でもユダヤ人がいたら、その人はユダヤ人」(ライヒ世襲農場法)と同じ発想かな?違うのかな?【ただいま読書中】『三浦按針──その生涯と時代』森良和著、東京堂出版、2020年、2700円(税別)1564年は、ミケランジェロの没年であり、ガリレオ・ガリレイの誕生年でもあります。著者はこの時代を「ルネサンスから科学革命にうつっていく時代」と表現します。そして、この年に、ウィリアム・アダムスも生まれていました。大航海時代や宗教改革について、著者はゆるゆると解説をしていきます。ウィリアム・アダムズが育った時代に“(西洋人の)世界”がどのようなものだったか、を読者に知ってもらおう、というねらいでしょう。1564年の日本では、謙信と信玄...日本人

  • 政府による強姦

    「誰が養ってやっていると思っているんだ」と言って妻に無理やり何かを強要する駄目亭主の行為と、「10億円も出しているんだぞ」と言って学術会議に何かを強要しようとする政府の役人たちの行為と、どこか本質的に違います?もしも駄目亭主が妻に対して望まないセックスを強要しているのだったら、政府も学術会議を強姦している、と言えそうです。【ただいま読書中】『科学アカデミーと「有用な科学」──フォントネルの夢からコンドルセのユートピアへ』隠岐さや香著、名古屋大学出版会、2011年、7400円(税別)科学史の世界では、17世紀は科学革命、18世紀はアカデミーの世紀、だそうです。パリ王立アカデミーは「科学の有用性」を訴えることで、王と社会の支持を得ようとしていました。ただしこの「有用性」ということば、一筋縄ではいきません。たとえば「...政府による強姦

  • ベトナム戦争後

    菅首相がベトナム訪問をしているニュースを見て、昔のベトナム戦争のことを思い出しました。ところで戦後、アメリカや韓国は「軍隊を派遣してベトナムの国土を破壊し人びとを殺したこと」をきちんと謝罪してましたっけ?【ただいま読書中】『なぜ元公務員はいっぺんにおにぎり35個を万引きしたのか』北尾トロ著、プレジデント社、2019年、1300円(税別)「プレジデントオンライン」から「ビジネスマンが起こした事件の裁判の傍聴記を書いて欲しい」と依頼を受けた著者は、少し戸惑います。裁判冒頭の人定手続きでは「職業」は「現在のもの」なので、事件がきっかけで解雇されたビジネスマンは「無職」と答えることになります。だから「ビジネスマンの事件」かどうかは審理をきちんと聞き込むしかありません。しかしそうやってじっくりと裁判と向き合っていて、著者...ベトナム戦争後

  • 高度成長期の社内結婚

    高度成長期、日本の会社は「大きな家族」でした。すると社内結婚は、疑似近親相姦ということに?あ、だから寿退職が当然のこととされていたのでしょう。疑似とは言え近親相姦は社会的には隠さなければなりませんから。【ただいま読書中】『犯人IAのインテリジェンス・アンプリファー』早坂吝著、新潮社(新潮文庫)、2018年、630円(税別)『探偵AIのリアル・ディープラーニング』で目立った言葉遊びが、続編の本書では目次から全開です。いやもう、遊ぶ遊ぶ。しかし、「AIのような人間」「人間のようなAI」だけではなくて別のタイプの人間やAIも次々登場、その中身について考えていると、頭が痛くなりそうです。「密室殺人事件」については、もちろんスジは通っていますが、ちょっと無理やりです。まあ「無理のない密室」を期待する方が推理小説の読者とし...高度成長期の社内結婚

  • 重要なのは「感」?

    GoToに関して「不公平感」とか「公平感」ということばがよく報道に登場しますが、必要なのは「感」ではなくて「公平な制度」と「公平な運用」では?【ただいま読書中】『探偵AIのリアル・ディープラーニング』早坂吝著、新潮社(新潮文庫)、2018年、630円(税別)人工知能の研究者である父親が不審な急死、その“遺産”である「探偵相以(あい=AI)」を受け継いだ高校生の息子合尾輔(あいおたすく:I/Oとタスクというわかりやすい名前です)は父の死の真相を知ろうとAIのディープ・ラーニングにとり組みます。父親はもともと、探偵だけではなくて犯人役のAI(名前は「犯人以相(いあ)」)も開発、捜査資料を基に仮想空間で以相が起こした事件を相以が解く、という自己対局型の“ディープラーニング”を延々と繰り返すことで両者を進化させていまし...重要なのは「感」?

  • コロナ禍での心構え

    コロナ禍での人の行動を見ると、「他人に自分が感染させられるかもしれない」と考えて動いている人と「自分がもし感染していた場合でも、他人に感染させないように」と考えて動いている人とがいるようです。もちろん何も考えていない人もいるようですが。【ただいま読書中】『ルビンのツボ──芸術する体と心』齋藤亜矢著、岩波書店、2019年、1600円(税別)日常でふと感じた「!」。これを「学の言葉」で追求するとサイエンスになりますが、感覚や技法で追って表現しようとするとアートになります。著者は、京大理学部を卒業して医学研究科の修士課程に進み、博士後期課程では東京芸術大学で博士(美術)の学位を取得。その後野生動物研究センター、教育学部を経て京都造形芸術大学へ。なんとも色んな(異論な)分野を渡り歩いた経歴で、文系と理系、サイエンスとア...コロナ禍での心構え

  • 掛け算と足し算

    「5×3」を足し算で表現すると「5+5+5」になります。「3×5」は「3+3+3+3+3」。掛け算の場合「5×3=3×5」というのは直感的に納得できますが、足し算で「5+5+5=3+3+3+3+3」は私の場合きちんと計算しないと納得できません。なぜでしょう?【ただいま読書中】『戦時下の経済学者──経済学と総力戦』牧野邦昭著、中央公論新社、2020年、1400円(税別)河上肇はドイツに留学中、第一次世界大戦勃発でドイツ経済が即座に総力戦体制に切り替わり、圧倒的に国力に差がある英国を相手にその後何年も戦いを続けたことに強い印象を受けました。そこで河上は「国外への(奢侈製品への)投資をやめて国内に投資したら、国は富み貧乏という社会問題も解決できる」と考えるようになります。これは第一次世界大戦後にケインズが『貨幣改革論...掛け算と足し算

  • プロレスの差

    日本とアメリカ(WWE)のプロレスをテレビで観ていると、明らかに技術面(技の切れ、多彩さ、受け身の上手さなど)は日本のレスラーの方が上だ、と私は感じます。しかし、「プロレス」として面白いのは、WWEの方。これは「演技力の差」だと私は思っています。それも、レスラーだけではなくて他のスタッフも含めての。リングアナ、レフェリー、解説者などもアメリカのはきっちり“演技”をしています。つまりは「プロレスはリング上で格闘技を用いての演劇(エンターテインメント)」という認識をスタッフ全員が(さらには観客も)共有している、ということなのでしょうね。【ただいま読書中】『プロレスラーは観客に何を見せているのか』TAJIRI著、草思社、2019年、1600円(税別)21世紀初め、著者はアメリカのプロレス団体WWEで活躍していました。...プロレスの差

  • ○日本

    「東日本」と呼ばれている部分、本州が折れ曲がっているから実は「北日本」じゃないです?【ただいま読書中】『弟子から見たショパン──そのピアノ教育法と演奏美学』ジャン=ジャック・エーゲルディンゲル著、米谷治郎・中島弘二訳、音楽之友社、2020年、5800円(税別)「ショパンの真の意図を知りたい」が本書の出発点です。資料として使われているのは「ショパンの手帳」「ショパンとジョルジュ・サンドの書簡集」「『ピアノ奏法』の草稿」「弟子や親しかった人が注釈を書き込んだ楽譜」「直接の弟子たちの証言」です。そこから著者は「ショパンのピアノ教育についての(完全とは言えないまでも)一貫したヴィジョンが得られた」そうです。20世紀末頃だったかな、古楽器ブームがありました。「その曲」が「クラシック」ではなくて「その時代の音楽」であったと...○日本

  • 虐殺の必要性

    虐殺って歴史的に見ると大体「やった者勝ち」の傾向があります。だけど、安心して殺すことができるのだったら、自分は優位の立場にいるのですから、最初から殺さなくても良いのでは?【ただいま読書中】『聖バルテルミーの大虐殺』フィリップ・エルランジェ著、磯見辰典編訳、白水社、1985年、1800円16世紀フランス、フランソワ一世は危険なシーソーゲームに疲れていました。宿敵の神聖ローマ皇帝カール五世をカトリック陣営のトップに置きたくはありませんが、それでローマ教皇と対立もしたくありません。国内で勢力を伸ばしつつあるプロテスタントに対して寛容でありたいしドイツのプロテスタント諸侯を支援するのはハプスブルク家を押さえるために必要ですが、国内で“異端”を増やすのは国内を不安定にして危険です。その後を襲ったアンリ二世もきわどいバラン...虐殺の必要性

  • ミス

    「将棋はミスのゲームだが、最後にミスをした方が大体負ける」は渡辺さん(現在の名人)が言ったと記憶していますが、戦争もまたミスに関しては似たところがあるようです。日本軍がいかにミスをしたか、はけっこう知られていますが、アメリカ軍もまたけっこうミスをしていたことが今日の本でわかりました。となると、勝敗を決定的に分けた「ミス」は?【ただいま読書中】『マッカーサー大戦回顧録』ダグラス・マッカーサー著、津島一夫訳、中央公論新社(中公文庫)、2003年(14年改版)、1400円(税別)「敗北」から本書は始まります。1941年12月、「真珠湾」直後に日本軍はフィリピンにも襲いかかりました。アメリカ軍には「レインボー5号」という基本計画(太平洋戦争が始まったら、海軍はまず補給線を維持、数箇月フィリピンのアメリカ軍が持ちこたえて...ミス

  • アポロ計画

    「月着陸はなかった」の本を以前読んだことがありますが、義務教育レベルの理科も理解していない記述にうんざりして途中で読むのをやめてしまいました。最後まで読んでないからその手の本を安易に否定することはできませんが、そういった本を書いた人って理科の教科書やアポロに関する資料をどのくらい読み込んでそれを否定しているのか、と思うことはあります。【ただいま読書中】『3つのアポロ──月面着陸を実現させた人びと』的川泰宣著、日刊工業新聞社、2019年、1800円(税別)タイトルの「3つ」は「科学者」「技術者」「宇宙飛行士」のことです。さらに言うなら「政治家(特にケネディー大統領)」の存在も大きかったのですが。ロケット研究は、第二次世界大戦前から行われていました。ソ連の固体燃料ロケット研究は兵器としてのカチューシャ(ドイツ軍から...アポロ計画

  • 介護は更生のツール?

    かつて酒井法子さんが裁判で「これからは介護の仕事に専念」をアピールすることで執行猶予をつけてもらったことを私は腹立たしく思いました。だって介護の仕事は犯罪者の更生のためのツールではありませんもの。そんなに簡単にできる安直なものではありませんもの。私が介護職だったら、ものすごく馬鹿にされた気分がしたでしょうね。【ただいま読書中】『介護職がいなくなる──ケアの現場で何が起きているのか』結城康博著、岩波書店(岩波ブックレット1008)、2019年、620円(税別)この数年、介護現場では人材不足が顕在化しています。ヘルパー事業所の登録者が減少し続けているのです。訪問介護のヘルパーはほとんどが非常勤ですが、連休などでそういった人たちが出勤できない、と言うと、もう介護サービスは回らなくなります。「訪問が難しいのなら、施設に...介護は更生のツール?

  • 学者よりエラい人からの上から目線

    「学問のことは学者の方がよくわかるでしょう。どの学者が優秀なのか、教えて下さい」は謙虚な姿勢と言えます。「俺たちの方が学者の評価ができる」と言うのは傲慢な姿勢と言えます。そういえば最近連発されている「俯瞰的」って「上から見る」態度ですね。かつて学者が言った「(学問的な意味での)俯瞰的」とはずいぶん違うような。昔の日本だったら「非国民はここから出ていけ」と言う場面じゃないかな。【ただいま読書中】『屋上のテロリスト』知念実希人著、光文社(光文社文庫)、2017年、620円(税別)h三発の原爆をくらい、北海道にソ連軍が、九州と伊豆に連合軍が上陸した「日本」。無条件降伏は「この日本」では1945年11月15日のことでした。そして、2017年。西(大統領制の資本主義国の「日本」)では「東(社会主義の「日本」)」との緊張が...学者よりエラい人からの上から目線

  • 驚きは隠すべきもの?

    最近のテレビでよく「○○さんは驚きを隠せなかった」と言っています。驚きって隠さなきゃいけないものだったんです?わざわざ隠そうとしてそれを失敗している、とややこしい言い方をしなくても、単に「驚いた様子だった」ではいけないのかしら?そう言えば「泣く」もネットではやたらと「号泣」が“流行って”ますが、こういった妙に大げさな言い方に偏していたら、繊細な感情表現がやせ細っていくばかりではないかなあ。【ただいま読書中】『鎌倉浄土教の先駆者法然』中井真孝著、吉川弘文館、2020年、1700円(税別)平安時代の浄土教は天台宗にありました。鎌倉時代との大きな違いは「貴族のための浄土教」であったこと。貴族化した天台宗から距離を置いた源信は『往生要集』で「往生のための念仏」を唱えますが、ここでの念仏はまだ観念的なもので凡夫の救済には...驚きは隠すべきもの?

  • コロナと政治

    トランプ大統領はコロナウイルスをずいぶん侮っている様子ですが、あまり甘く見ない方が良いのではないか、と私は思っています。そう言えばアメリカではずいぶんたくさんの新型コロナ感染者が出ていますが、共和党支持者と民主党支持者で、感染率に差がある、なんてことはないのでしょうか?【ただいま読書中】『ドクトル・ジバゴ(下巻)』ボリス・パステルナーク著、江川卓訳、新潮社(新潮文庫)、1989年、621円(税別)ジバゴは農作業に精を出し、時に医者の仕事もする生活に落ちつきます。しかし町の図書館でラーラと運命的な再会。戦死したと思われていたラーラの夫はどうやら生きているらしく、そしてジバゴは妻を愛しているのに、ジバゴはラーラの家にお泊まりをする仲になってしまいます。しかしジバゴはパルチザン部隊に強制徴募をされ、ラーラとの仲を引き...コロナと政治

  • 革命の後

    フランス革命では、皇帝を倒した後にはナポレオンが登場しました。ロシア革命ではスターリン、中国では毛沢東(など)。結局何のために革命が起きたんでしたっけ?【ただいま読書中】『ドクトル・ジバゴ(上巻)』ボリス・パステルナーク著、江川卓訳、新潮社(新潮文庫)、1989年、583円(税別)ロシア革命の嵐が近づいてきている時代のお話です。ロシア文学の伝統に則ってか、まずは悠々と登場人物が紹介されます。最初はジバゴ家の少年なので、彼が主人公だろう、と見当はつきますが、その後から次々少年少女(とその保護者たち)が登場するものですから、一体誰が物語の軸になるのだろう、ということがわからないまま私はページをめくることになります。ただ目立つのは、片親あるいは両親とも欠けた家庭が目立つこと。さらにラーラは、母の愛人と関係を持っていま...革命の後

  • バリアフリー住宅

    住宅展示場に行くと、会社によっては「床がすべてフラットだから“バリアフリー”」と主張するところもありました。だけどその住宅、2階建てだったら階段もあるわけで、階段は“フラット”ではありませんよね。そもそも玄関に上がり框がありますし。【ただいま読書中】『三大テノール──その華麗なる舞台裏』マーシャル・ルイス著、石川武夫訳、ヤマハミュージックメディア、1998年、2600円(税別)プラシド・ドミンゴ、ホセ・カレーラス、ルチアーノ・パヴァロッティ。この三人は、トップクラスのテノールであるだけではなくて、オペラの舞台の“外”で活動することで、世界に広く名前を知られるようになりました。では彼らは実際にはどんな人なのか、その“舞台裏”を覗いてみよう、という本です。取材は広範に行われていることがわかります。彼らの生育歴とか華...バリアフリー住宅

  • 夕暮れ時は美しい

    昼が短くなり、夜が少しずつ早くやって来るようになってきました。職場から帰宅しようとすると、きれいな夕焼けを拝めるチャンスも増えてきています。こんなとき私が好きなのは、太陽が没してでもまだ空が明るい瞬間です。さらに望めるなら、小高いところに立っていて、空にはボリュームのある雲がいくつも浮かんでいるのが良いな。地平線の向こうから届いた日光が空の高いところの雲を明るく染めて、ゆるりと闇に沈もうとする地表との明暗と色彩の対比が一望できたら、それだけで幸せな気分に満たされます。【ただいま読書中】『阿・吽(9)』おかざき真里作、小学館、2019年、648円(税別)空海は唐から帰国(国が定めた期間より先に勝手に帰国したので、重罰相当の行為です)。最澄は「比叡山」の確立に苦闘しています。そして世間では「藥子の変」。空海は静かに...夕暮れ時は美しい

  • 性犯罪被害に関して女は嘘をつく

    と杉田議員は述べたそうですが、「そんな発言はしていない」→「発言はしたが真意は違う(男も女も嘘をつく)」→「“誤解”を与えたのなら謝罪すれば良いだろう」と“梯子”を一段ずつ上がって逃げ切る気満々ですね。私が感じる疑問は、最初に会議でそれを聞いた自民党の爺さまたちが大喜びしていたかどうか、です。問題は「嘘つきは女か男か」ではなくてその発言が置かれた全体の「文脈」でしょう。【ただいま読書中】『最古の世界地図を読む──『混一疆理歴代国都之図』から見る陸と海』村岡倫編、宝藏館、2020年、3200円(税別)李氏朝鮮時代の「世界最古の世界地図の一つ」『混一疆理歴代国都之図(こんいっきょうりれきだいこくとのず。略称「混一図」、龍谷大学所蔵の物は特に「龍谷図」)』についての本です。何年か前にこの地図がニュースになっていて、そ...性犯罪被害に関して女は嘘をつく

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