chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
ケ・セラ・セラ http://noritama2525.blog.fc2.com/

類つくを書いてます。 Perdre la vue ビスクドール投稿中!

アメブロでMIMOSAという 類つくのお話のブログを持ってます。 旧Yahooブログから引っ越しました。 お気に入り登録して頂ければお話は読めます。 どうぞ宜しくお願いします。

noritama
フォロー
住所
未設定
出身
未設定
ブログ村参加

2015/01/18

arrow_drop_down
  • ビスクドール145

    クリスの仕事はいつも的確だ、それに仕事が早い。類が何度もあきらに、リダイアルしてる間に美作家御一行がいる場所を探し出した。「奥様、分かりました・・美作の奥様と双子のお嬢様方は牧野様を連れて、パリにあるテーマパーク‥夢の国にいらっしゃいます。」「クリスそれ本当なの?」「ええ、間違いはございません。」「あきらの名前が出て来なかったけど、あきらは一緒じゃないの?」「何でも、ヘリコプターの人数制限があり先...

  • ビスクドール144

    「ねぇ、類何かあったの?」「‥母さん今起きたの?」「ええ、つくしちゃんは起きてるの?朝食を一緒にしましょう?」「牧野は居ないよ。」「えっ?」「朝早くに、あきらの処の夢乃さんが無理やり連れて行った。」「まあ、類は一体何をしていたの?」「何って寝てたに決まってるじゃない?決まりきった事聞かないでよ。」「でも、普通気づく筈でしょう?」「自分だって寝てた癖に、母さんも気付かなかったんだから俺のせいにしない...

  • ビスクドール143

    類はあきらに直ぐに電話を掛けるが電源が入ってない。「お客様のお掛けになられた電話番号は電源が入っておりません・・・」わざと、電源切ってるの?その頃つくしは・・・。「夢乃さん、一体こんな朝早くから何処に行くんですか?」「あら、早く行かないと混むのよ?」「だから何処へ?」「夢の国よ!!」「夢乃さんの国って?」「いやだわ、つくしちゃん。夢乃の国じゃ無く、夢の国よ!」「???夢の国って何処にあるんですか?...

  • ビスクドール142

    仕方ないので、類は電話が切れた後PCに向かいキーを叩く・・検索してるのはパリのテーマパーク ネズミと言うキーワードを入れたらいとも簡単に探してたものが見つかった。「夢の世界//へえっ、噂には聞いてたけど凄く人気があるんだ・・・。」公式サイトのページを捲り、人気のアトラクションやショー等の時間の確認やチケット購入、それから一番良さそうなレストランを予約して、必要なものは何枚もプリントアウトして満足そうに...

  • ビスクドール141

    「ねぇ、それでさ・・あきらどうしたらいい?」「まあ、事情は分かったけど・・牧野は普通の女とは違うからな・・普通俺達F4の誰かに告白されて、ムードが無いって言えるのは‥牧野だけかもな?そう考えれば、類は凄い女を好きになったって事だが、あいつは、記憶を失くした司に猛烈にアタックされたから・・恋愛の感覚が麻痺してるのかもな?」「司の事は、今、関係ないだろう?」分かってるさ、牧野が司に好きだと告白された時傍...

  • ビスクドール140

    「もしもし‥類か?」「やっと電話に出た、あきら今何処なのさ?」「何だよ、闇から棒に‥挨拶ぐらい無いのかよ?」「あきら、元気だよね?これでいい?あきら、今フランスに来てるんでしょう?」何だよ、その投げやりな挨拶は・・。「あゝだが、お前が居るパリじゃないぞ?俺達が今いるのは、リヨンだ。」「リヨン?」「あゝ双子達がギニョル劇場の人形劇見たいんだとさ。」人形劇?そんなの見なくてもいいじゃん・・。「いつ、それ...

  • ビスクドール139

    頭がこんがらがって、今の状況が呑み込めない。告白に//仕切り直しってあるの?類が私を大好きだと言ってくれた。じゃあ、それ以上何を望むの?ムードが無いなんて言ったけど、それは恥ずかしくて誤魔化しただけで・・本当は嬉しかった。本当は、類に飛びついて嬉しいと素直に言えれば良かった。どうせ、道明寺と同じ二の前を踏む事になる事くらい・・私にだってわかってる。例え、類の気持ちが本気でも住む世界が違うのに、将来...

  • ビスクドール138

    「はあーっ」「何よ、今の凄い溜息は?」「だって・・・」「だって、何?」「溜息‥吐きたくもなると思わない?勇気出して、牧野に告白したのにさ。」「だって・・全然そう聞こえなかったもん。」「酷いな。」「だって‥ムードも何も無いじゃない・・」「えっ?」「告白って‥場所とかタイミングとか‥色々あるじゃない?」「色々って?」「えっ?色々は色々よ。」「ごめん・・俺告白とかした事ないから、分からなかった。」「嘘・・だ...

  • ビスクドール137

    類は不思議そうな顔をして、つくしを見てる。「牧野って、鈍感だよね?」「鈍感って、私が?」「そうだよ。」「何故そんな事言うのよ?」「だってそうだろう?俺の気持ち気付かないなんてさ。」「…どういう意味よ。」「だから、俺牧野が大好きだよ。」「それは、友達としてでしょう?」「///だから、鈍感だって言うんだよ。何度も態度に示して来たつもりだけど?」「態度って何?」「本当に分からない?」「分かんないよ。」「...

  • ビスクドール136

    類はつくしの食欲旺盛な姿を、満面の笑みで見ていた。その視線に気付いた、つくし。「類、そんな笑顔でじっと見るのは止めてくれない?恥ずかしくて、食事が出来ないよ?」「ぷっ、そう?随分豪快な食べっぷりだけど?」「それは・・お腹空いてたから・・もう意地悪言わないでよね?」「ごめんごめん・・まだ足りないようなら持って来るよ?」「ううん、もうお腹は満たされたよ・・。けど、料理が美味しくてついつい、手が出ちゃう...

  • ビスクドール135

    「類、つくしちゃんの様子はどうなの?」「気が付いて今、食事を追加で頼んだ処。」「じゃあ、食欲はあるのね?」「あゝチキンスープだけじゃ足りないってさ。」「良かったわ。ちゃんとどうしてこんな事になったのか調べて、きちんと謝罪させるわ。つくしちゃんに謝っておいてね?」「母さん、牧野はそれを望んではいないみたいだよ。大袈裟にしないで、マリアも叱らないでくれって今言われた。」「まあ、何故?」「それが、牧野な...

  • ビスクドール134

    それから暫くして、つくしが目を覚ました。つくしが目を開けると、類が心配そうにつくしを見てる。あまりにも顔が近すぎて、思わずつくしは叫んだ。「ぎゃあ、類?何で‥顔が近すぎるっ~。」「牧野、あんた・・それは無いんじゃない?俺、心配してたのに・・。」「ご、ごめん。だって・・目を覚ましたらいきなり類の顔があるんだもん。」「あんたが、急に倒れたから・・。脱水症状だって・・食事もしてなかった?」「…だって、マリ...

  • ビスクドール133

    「医者を直ぐに呼んで。」類の声で、使用人達は慌てて騒ぎ出した。「類、どうしたの?一体何の騒ぎなの・・?つくしちゃん・・?どうしたの・・意識が無いわ・・何があったの?」「部屋に鍵が‥きっと、閉じ込められたんだよ。それより医者に診せないと・・。」「クリス、お医者様を早く呼んで頂戴。」「はい、今お呼びしております。」「どういう事?つくしちゃんは大事なお客様なのよ?つくしちゃんに何かあったら、許さないわよ...

  • ビスクドール132

    つくしは部屋に閉じ込められた。電話を掛けても、掛からない。ドアを何度叩いても、返事はない。類っ‥何処にいるのよ?お腹空いたよ・・・。「クリス、今日は牧野は何をしてたか聞いてくれる?」「マリアに話を聞きましたが、お部屋からは出て居なくてお部屋の方にいらっしゃるようです。何度も起こたそうですが、良く寝てらしていると報告を受けております。」「・・・一度も起きなかったの?食事は?」「マリアには運ぶように言...

  • ビスクドール131

    つくしは、結局一睡も出来ずに朝を迎えた。お腹空いたな。でも、自分から食事を催促できないと思い、誰かが呼びに来てくれるまで待った。だが、何時になっても誰も声を掛けてくれない。その内、昼過ぎても誰も来なくてつくしは、そのまま爆睡した。次に、つくしが目を覚ましたのは夜中の12時を回った頃だった。私あのまま、寝ちゃったんだ。お腹空いた‥流石に我慢できない。マリアさんに言われた内線7番に電話する。「あっ、すみま...

  • ビスクドール130

    「クリス、牧野を部屋に案内して。牧野部屋で休むといいよ。今日は疲れたでしょう?」「あゝそうね、つくしちゃんゆっくり休んで頂戴ね?」「はい、ありがとうございます。」「類様畏まりました。マリア、牧野様をお部屋に案内してください。」「はい。牧野様、マリアと申します。こちらにご滞在の間牧野様のお世話をさせていただきますので、どうぞよろしくおねがいします。」「あゝこちらこそお願いします。」20歳ぐらいのメイ...

  • ビスクドール129

    「類様、お邸に到着いたしました。」クリスに起こされて、類が目を開ける。「牧野・・」「うんっ~着いたの?」「うん降りるよ。」「分かった。」つくしは、類に手を借りながらヨロヨロと車を降りた。目の前には立派なお城。「類‥私まだ寝惚けてる?ここ・・お城に見えるんだけど?」「言って無かったっけ?フランスでは花沢はこのお城が邸になってるんだ。」「ふーん・・お城が邸ね・・えええっ・・このお城がお家なの?」「そう...

  • ビスクドール128

    あんなに酷い格好で寝ていたのに、ワンスピースは辛うじて、皺が目立たないから助かったけど・・。流石花沢家の選んでくれた服だわね。化粧室に置いてあった、ドライヤーで素早く寝ぐせの跳ねた処を直した。リップクリームを塗ってどうにか、サングラス無しでも見られるようになると安心して、トイレに行き・・類の待ってるラウンジに急いだ。大きなL字型のソファーに類は座って居る。つくしが近づいても、類は目を開けない。まさ...

  • ビスクドール127

    類は夜の9時になって、漸く目を覚ました。あゝ良く寝た。何か、小腹空いた・・。客室乗務員に連絡する。「悪いけど、サンドイッチか何かと珈琲ある?」「はい、ただいまお持ちします。」後3時間ちょっとか・・・今頃は牧野は寝てるかな?サンドイッチと珈琲を食べて飲み終わると類はまたウトウトしだした・・。もうひと眠りするか?類はつくしが全然寝ていないなんて知らない。午前0時20分定刻通りにパリに着いた。優雅に降り...

  • ビスクドール126

    「うっ・・可哀想。ツクシ・・メイちゃんが居なくなったわ。ねぇ、見つかるのかしら?」ビスクちゃんは、トトロに夢中だ。「あっ、猫バスだわ。これで助けに行くのね?流石トトロね?」最初にとなりのトトロを見た時私も感激したっけ・・まだ、子供だったから余計感動したのを思い出した。猫バスが不気味なような、可愛いような。だって、猫がバスになるなんて・・・発想が流石・・宮崎駿さんだよね?ねぇ、猫バスって本当にあるの...

  • ビスクドール124

    「ねぇ、ビスクちゃんそろそろ私寝たいんだけど?」「ねぇ、ビスクちゃん?」今、感動の場面なんだからツクシうるさい!!黙って、大きな声出さないで!!ビスクちゃん、その恰好はレディとして失格じゃないの?暑いからって、裾をそんなに持ち上げて・・パンツ見えてるけど?あれから、ビスクちゃんはトイストーリーの1~3まで見て今は4の最後らしい・・・。私は最初に4を見たからこれで2度目・・・正直もう、目が疲れたし休みた...

  • ビスクドール123

    類の客席の前に客室乗務員が一人「コンコン、お客様お食事をお持ちしました。」「・・・・」「コンコン、お客様・・お食事のお時間です。」「・・・」「寝ているにかしら?後にしましょう。」「コンコン、お客様お食事をお持ちしました。」「はーい、ビスクちゃんお食事だって!」…この部屋・・あゝリズが言ってた部屋だわ。サラが部屋の中に入ると、やはりビスクドールが置いてあった。「お客様、お食事をこちらに置きますね?」...

  • ビスクドール122

    「さて・・お待たせビスクちゃん。窮屈だったでしょう?もう安心してね?誰も居ないからのんびりと寛いでね?」「・・・・」「喋っても平気だよ?誰も来ないしさ。」「・・・・」「んっ?どうかしたの?」「・・・・・・」「ねぇ、ビスクちゃん映画見よう・・何がいい?ジブリ映画もあるよ?ピクサー映画も見放題だよねぇねぇ、どれにする?」「んっ?あなた‥本当にあのビスクちゃん?」つくしは、ビスクドールを持ち上げて隅々ま...

  • ビスクドール121

    つくしは、目を丸くしていた。乗務員さんに案内された席は想像しててものを遥か上にあったのだ。「花沢様のお席はこちらです。」「ありがとう。」「類・・席が・・」「何?どうかした?」「一人ひとりなんだ・・それも離れているしパーティションで遮られて隣が見えない・・。」「長旅でしょう、これなら隣の声も聞こえないから安眠出来る。」類はそうなのかもしれないけど私は、飛行機の中で類と話すのを楽しみにしてたのに。遠す...

  • ビスクドール120

    「牧野、こっち。」類が手を振ってくれてる。人混みで恥ずかしいだろうに、あんな類ってレアだよね?「お待たせ、類。ごめんね?」「いいよ、はぐれなかったから・・。こっちだから・・。」類が私の肩を抱いて誘導してくれる。背の高い類について歩いていく。目立つ容姿の類を皆が見てる。F4は皆目立つから何故か私達の前にまるでモーゼの道が拓ける。「ねぇ、ここは?」「ファーストクラスのラウンジだよ?」「ここが‥凄い一流ホ...

  • ビスクドール119

    羽田国際空港に着いた、類とつくし手荷物以外は全て預けた。類のトランクの中はビスクドールが3体つくしは手荷物以外は全てもうフランスに送ってあるらしくバック一つだけ。珍しく類が手荷物だと言うバックを持ってた。確か何時も、手ぶらだった筈の類が珍しいなと思って「類、このバックの中身何なの?類が手荷物なんて‥初めてじゃない?」「あゝこれね。」類がルイヴィトンのキーポル・トリアングル50を開けて見せてくれた。「...

  • ビスクドール118

    つくしは、このままてっきり空港に直行すると思ってたが車が到着したのは何故か花沢邸。「類、忘れ物したの?」「いや・・」車のがドアが開くと同時にはな枝さんと花沢のメイドさんが待ってて一斉にニッコリ笑ったと思ったら、つくしは挨拶もろくに出来ないままいつの間にか車を降ろされていて、車を振り返ると類が同情の表情をした後に、つくしにバイバイって手を振った。「えっ?どう言う事???類っー」邸に入ると広間が様変わ...

  • ビスクドール117

    翌朝、つくしは夢乃の予告通りに5時半になる2分前にメイドによって起こされた。5時半丁度にはお風呂場で着替えていた。つくしはまだ寝惚け眼の状態で薔薇の花の浮かぶバスタブに入れさせられ、メイド達に身体の隅々まで洗われた。つくしが自分でできると言うのに、その言葉は今日は生憎時間がありませんのでの一言で遮られた。バスタブを出ると頭皮マッサージとシャンプ―&トリートメント頭にシャワ―キャップをしたまま、今度は全...

  • ビスクドール116

    フランスに行く日が来た。羽田発11時40分シャルルドゴール空港に着くのは17時10分の予定だ。美作家では朝から大変だった。同じ便で夢乃達も行く予定にしていたが、仕事の事情で2日後に行く事になった。つくしに8時には迎えに行くからと類から電話があったのは昨日の夜の9時だった。「11時の飛行機なのにどうして8時なの?」「なんか、行く前に話があるそうです‥。何だろう?」「仕方ないわ、明日は6時に起きてね、つくし...

  • ビスクドール115

    つくしの気持ちは沈んだまま、美作家に着いた。「お帰りなさいませ、まあ‥牧野様ギブスが取れて良かったですわね?」「ええ、ありがとう・・ございます。」「つくしちゃん、戻ったのね?どうかしたの、浮かない顔して?」「・・いえ、別になんでもありません。」「そう?」「少し疲れたのでお部屋で休んでていいですか?」「いいわ・・ゆっくりおやすみなさいな。」「ありがとうございます、夢乃さん。」つくしが部屋に戻ると夢乃...

  • ビスクドール114

    「類・・どうしよう。道明寺が‥私が殴ったせいで・・・」「牧野、まだ牧野のせいだと決まった訳じゃないから。」「でも、きっと私のせいだよ。」つくしの肩が震える。「仕方ないじゃないか‥司も殴られるような事をしたんだ。自業自得。そんなのは、牧野のせいじゃない。」「でも、やっぱり私のせいだよ・・・。」「牧野つくしさん、2番診察室にお入りください。」「ほら、呼ばれたよ。話は診察の後にしよう。」「うん・・。」つく...

  • ビスクドール113

    「司?」「道明寺?」「あゝ類か・・お前こんな処でどうした?」「俺はこいつの付添。」「誰だ、その女。類の女か?」道明寺の奴‥私の事また忘れた振り?それとも、この間私が頭を殴ったから、嫌がらせのつもり?それともまた記憶喪失になったとでも?ふん、そんなに、都合よく忘れられてたまるか?あゝもしかして、仕返しに忘れた振りして私を揶揄ってるの?そっちがその気なら‥私だって・・・「初めまして、道明寺さん。私は牧野...

  • ビスクドール112

    美作に戻ってベッドに入って漸くつくしは大事な事を類に言って無い事に気付いた。そうだった・・・。洋服の事だ。言わないといけないって思ってたけどビスクちゃんの事を話すので一生懸命だったから・・・忘れてしまってたんだ・・・。早くしないと、はな枝さんがフランスに荷物送ってしまったら困るから、明日こそ必ず類に話さなきゃ・・・。明日はまたあの病院。そういえば、道明寺はあの女の人とNYへ行ったのかな?・・・・もう...

  • ビスクドール111

    「はあ~何だか安心した。」「そう良かった。」「うん、本当は私の言う事も信じて貰えなくて笑われると思ってたし、ビスクちゃんの事も美作さんの処に行かさせてあげたい何て、本当は言っていいものかどうかも悩んでたの。類が分かってくれた事が本当に嬉しかった。」「うん。」「牧野、フランスに行く前にギブスが取れるかどうか、病院に行ってみるでしょう?」「あゝ、そうだね?ギブス取れるといいな?」「そうだね?いつにする...

  • ビスクドール110

    牧野は俺に話せたことで隠し事が無くなって安心した顔をしてたが、突然、難しい顔で何やらブツブツと一人ごとを言ってる。「牧野?」「あっ、ごめん・・。」「それで、何か他にも話したい事あるんじゃない?」「えっ?あっ・・あのね?ビスクちゃんは・・美作さんの家で暮らしたいみたいなんだ・・。」「あのビスクドールそう言ってるの?」「それは‥あのね、ビスクちゃんはまた箱に仕舞われて暗い納戸に閉じ込められるのが嫌みた...

  • ビスクドール109

    牧野の話は普通で考えると摩訶不思議な話で、普通なら信じられない事だとは思うがビスクドールが偽物だと、エマ・ウエストウッグ女史に言われた後の事を思い出すと‥・・確かにおかしな事は幾つもあった。ビスクドールが何と無く違う様に感じた時もあったし何故か泣いてる事も・・・あの時は、湿気か何かかと思ったけど・・・牧野の話を聞けばそうだったのかと思える。あきらや総二郎に話しても、人間がビスクドールに身体を奪われ...

  • ビスクドール108

    食事を終えると、また類の部屋に行く。そこには、ビスクちゃんがいる。何と無くビスクちゃんの方をつくしは見るがビスクちゃんは何も言わない。ビスクちゃん、ごめんね。花沢類には全部話すことにするよ?「牧野・・話して?」「うん・・こんな事、類にしか話しても信じてはくれない気がしてね?美作さんにも西門さんも、話せなかったんだ。何処から話せばいいのか分からないから、長くなるけど・・最初はね‥道明寺に花瓶を投げつ...

  • ビスクドール107

    類との夕食自分の気持ちに気付いた私は食事が喉を通らない。胸がいっぱいで、お腹も空かない。「どうかした?牧野食事進まないけど?あんたが食べ物を前にして、食べないって・・お腹でも痛いの?」「ううん、なんかお腹減って無くて・・。胸がいっぱいで・・お腹までいっぱいなの。」「胸がいっぱいでお腹までいっぱい?」「あっ‥そう、見た映画が感動的でさ・・それに、ほら・・ポップコーンが美味しくて食べ過ぎたから。」「あ...

  • ビスクドール106

    類と2人で見る映画が殊の外楽しくて・・時間はあっという間に過ぎて行った。もう夕食の時間だ。帰らなきゃと思うが何だか名残惜しい。まるで、英徳の非常階段で初めて類に逢った時の様に・・私の心臓がドキドキしてる。類を見てるだけで顔が赤くなる。何だろう、この気持ち・・。「ねぇ、牧野・・・。」「えっ、何・・花沢類?」「夕飯食べて帰れば?」「えっ、流石にそれは・・・」「遅くなったし・・あきらの家には電話すればい...

  • ビスクドール105

    部屋の灯りを消して、映画始まる。類と隣り合わせでカウチに座ってみる。類の部屋にはいつの間にか、2人掛けのカウチとテーブルがセットで用意されている。テーブルにポップコーンを置き、飲み物を二人分。類はアイス珈琲、つくしはオレンジジュース。本当はコーラーって頼みたかったけど花沢家には無いだろうって思ってた・・・。「良かったらコーラーもあるよ?」「えっ?コーラーがあるの?」「うん。」類は部屋の冷蔵庫からコ...

  • ビスクドール104

    類の部屋に入ると類は壁のスイッチを入れた。「おおっ‥何これ‥凄い!!」壁に白いスクリーンが降りて来た。壁に内蔵されたスピーカー?「映画見る為に付けたんだ。」「…映画の為だけにこれをつけたの?」お金持ちって、やる事がすご過ぎよね?映画館で見た方がいいんじゃない?流石・・・出不精の花沢類だね?人混み嫌いで出掛けるを嫌うもんね?道明寺なら映画館全部を貸し切ってしまうんだろうけどそんなのさえ、花沢類は面倒く...

  • ビスクドール103

    「それでは、これで準備させて頂きますね?」「あの、はな枝さん本当に私困りますから。」「牧野様、お疲れでしょう?今冷たいデザートを用意いたしますわね?」「だから、はな枝さん・・。」「これとこれをフランスの荷物の中にええ、類様の荷物とご一緒にね?」「はい。」「これは、当日のですから、ハンガーに掛けておいてくださいね。あゝこのバックと靴も一緒にね。後はデパートの外商に返すものだから、納戸に片付けて頂戴。...

  • ビスクドール102

    二人っきりになった類とつくしつくしは、ケーキを美味しそうに食べている。「牧野、後ではな枝が何か用があるって・・。」「はな枝さんが?何だろう?」「ケーキ食べてからでいいって。」「うん・・もぐもぐ・・花沢類は食べないの?」「俺はいいや。」「そう?もぐもぐ・・・美味しい。」「ねぇ‥牧野はあのビスクドールと話が出来たりするの?」「えっ?ぐっ・・んっごほごほっ・・・。」「大丈夫?」「だって‥花沢類が変な事を突...

  • ビスクドール101

    一先ずは、ビスクちゃんが痛い目には遭わないで済んだ事が嬉しいつくし。「ねぇ‥皆お腹空かない?」「牧野、お腹空いたの?」「うん、なんか安心したらね・・ぐっーぅ。」「牧野は一体・・何に安心したんだ?」「えっ?それは・・。美作さん・・・。」「ツクシちゃん、俺らに隠し事は良くないぞ?」「西門さん・・。」「牧野はビスクドールが乱暴にされなくて‥安心したんでしょう?」「流石・・花沢類だね。そうだよ‥ビスクちゃん...

  • ビスクドール100

    木崎が写真を取り出したらつくしは、思わずその写真を素早く奪った。呆気に取られたF3と木崎。「何をしてるの牧野?」「どうしたんだ、牧野?」「ツクシちゃん?」「お嬢さん、何をなさるんです写真をお返しください。」「えへへっ・・皆はどうしてもこの写真を見たいの?」「「「見たい。」」」「決まってんだろう、それは証拠の写真だぞ。」「何をふざけてんだよ?」「うっ・・」「牧野、なんで隠すのさ?」「えっ・・何となく?...

  • ビスクドール99

    F3とつくしがリビングで待ってると約束の時間を少し遅れて花沢邸に現れた人物はエマ・ウェストウッグ女史本人ではなく弟子の木崎と言う男一人だけだった。「花沢さん遅れてすみません。私は木崎と言います。エマ・ウェストウッグの手伝いをしています。車でここに来る途中でエマが急にお腹の痛みを訴えたので、ひとまず病院まで送り私だけでお届けに来たんです。」「そう・・それは大変だったね?」「お預かりした、これがビスクド...

  • ビスクドール98

    約束の日つくしとあきら、それに総二郎3人は花沢家にやって来た。「皆様いらっしゃいませ、類様がお部屋でお待ちです。」「それじゃあ、お邪魔します。」「はな枝さん、お久しぶりです。」「牧野様いらっしゃいませ。後で飲み物とケーキをお持ちしますね。ごゆっくりどうぞ。」「はい、ありがとうございます。」「牧野、早く来いよ。」「うん、今行く。」あきらと総二郎がつくしが来るのを待ち、類の部屋のドアを叩いた。「類、入...

  • ビスクドール97

    類を見送り、邸の中に入るとあきらがつくしを待っていた。「類は帰ったのか?」「うん、タクシーが丁度来たからそれに乗ってね。ちゃんと帰ったよ。」「そうか、類は‥・昔と随分と変わったな?」「花沢類が変わった?・・・何処が一体どんな風に変わったの?」相変わらず、ボーっとしてるけどな?「さっき、お袋に言ってただろう?今迄の類なら・・食事の礼何て・・一々言わないし・・お邪魔してますなんて・・言わなかったな。元...

  • ビスクドール96

    「はな枝、本当にごめん・・俺のせいで怪我までさせちゃって・・。」「?・・・」はな枝はてっきり類は照明器具を割ったことと、黙って邸を出て行った事を詫びていると思ったがそれが、違う事にやって気付いた。類様は怪我をさせたと類は詫びているのだ。怪我をさせた・・・誰が誰に?だから、頭で下げてさっきから謝罪の言葉を口にして・・。「本当に悪かった・・・。」「・・・。」「許してくれる?」本当に悪いことをしたと反省...

  • ビスクドール95

    「はな枝・・」後ろから呼び掛けられてはな枝はゆっくり振り向いた。「まあ、類様何か御用でもありましたか?内線で呼んで頂ければ宜しかったのに・・。」「ごめん・・照明器具割った事・・それに片付けもしないで何も言わないで出て行った事も・・ごめん・・。」「まあ、類様・・どうされたのですか?私に頭を下げるなんて‥そんな事は止めてくださいませ。」類様は一体どうなさったのだろうか?今日はあれから牧野様に逢いに行か...

  • ビスクドール94

    花沢の邸に戻ると、邸は静まり返っていた。だから、類は自分の部屋に直行した。部屋の前にははな枝が立っていた。「はな枝?」「お帰りなさいませ類様、お食事は如何なさいますか?」「食べて来たから要らない・・・。もう、寝るから・・。」「類様・・その指はどうなさいました?」「何でもない。」「ですが、消毒はきちんとされてますか?」「子供じゃないから・・放っといていい。」「・・・。」「心配しなくても、牧野が絆創膏...

  • ビスクドール93

    「おい、牧野と類・・食事の用意できたぞ。」あきらの声でお互い顔を見合わせて、それから二人は食堂に向かった。食堂には既に夢乃と双子が席に座って居る。あきらが、席に着き類とつくしに早く席に着けよと言った。「おばさん、今晩はお邪魔してます。食事、俺の分まですみません。」「類君いらっしゃい。あら、そんな事気にしなくていいのよ?食事は大勢の方が楽しいもの。さあ、みんな揃った様だから始めましょうか?」今日の料...

  • ビスクドール92

    美作邸に着くなり双子ちゃん達の迫力ある歓迎にあい類はチョッとだけ、たじろぐ。類には妹などは居ないから、こんな時対応に困る。「お帰りなさい、つくしお姉ちゃま、あきらお兄さま」「あら、類お兄ちゃまもいらしたの?」絵夢と芽夢は言うが早いか、既に類の胸に飛び込んで甘ったるい砂糖菓子の様な声で甘えて来た。「ねぇ抱っこして、類お兄ちゃま。」「芽夢ずるい・・ねぇ絵夢も抱っこして?」「おいおい、類には二人は無理だ...

  • ビスクドール91

    あきらは、類を急に揶揄いたくなって態とつくしとの距離を縮めた上に肩に手を置きつくしを抱き寄せる。「ヒャッ・・美作さんどうしたのよ、急に・・」「いや、人が多くなって来たから牧野を男して守る為だよ。」「守る為って‥駅前だから確かに人は多いけどさ・・西門さんじゃないんだからさ、ちょっと近づきすぎだよ。」「牧野は骨折してるんだから、人にぶっかって転びでもしたら大変だろう?」「確かに利き手の右を怪我したせい...

  • ビスクドール90

    俺の目の前を歩いていく、カップルは牧野とあきら?何故?こんな時間に二人が車じゃなく歩いてるんだ?それも二人だけで?笑ってる?思わず、類はカフェを出て二人の後ろ姿を目で追った。「お客様?珈琲と苺サンドが出来ましたけど?」「あゝ幾ら?」「あの・・?」「悪いけど、これでいい?」「類はポケットからカードを取り出した。」「はい。」「悪いけど、急いで。」「はい・・。」スタッフは苺サンドと珈琲1杯分だけカード払...

  • ビスクドール89

    気が付けば、類が頼んだ珈琲は既に冷めてた。ボーっとして気が付かなかったが、もう外は暗い。それでも行く宛の無い類は、2杯目の珈琲を頼んだ。「珈琲をお願い、それと悪いけどこれも下げて。」類は店のスタッフに一口も飲んでない珈琲カップを指差す。「はい、お客様こちらの珈琲に何か問題でもありましたか?」口も付けてない冷めた珈琲を不思議そうに見るスタッフに類は「ごめん、何も問題は・・・多分無かったと思うよ‥考え事...

  • ビスクドール88

    類だって、はな枝の心配が分からない訳では無い。ただ、何と無くだが鬱陶しいと思っただけ。子供扱いされて、腹が立つ‥それよりなにより類の腹の虫の居所が悪かった。落ち着いて考えればその理由が分かる。ー牧野があきらの処に居るーー。それが原因。確かに俺が提案したんだ。牧野にあきらの邸で世話になる事を。・・・・でも、パスポートを作りに行った日に食事に行こうって言った俺の誘いを牧野は断った。平常心を保っては居た...

  • ビスクドール87

    はな枝の、冷たい目を避ける為に部屋に入ったが何時もの様に、ベッドに横になっても何故か直ぐに眠気が襲って来なくて寝付けない。仕方なくテレビを付けて見たが面白い番組が今日に限って何も無い。類はテレビを消し、リモコンを放り投げた。リモコンは何故か類のお気に入りだった、ベッドの証明器具に当たって割れた。繊細な作りなので高級ではあるが耐久性は皆無だ。イタリアに行った時に買ったものだ。粉々に割れた、照明器具。...

  • ビスクドール86

    はな枝が怖い顔しているから、自分の部屋に逃げようと思った類だったがはな枝に呼び止められた。「あっ、類様。」ビック!「・・・・なに?」「そんなに、吃驚なされなくても、エマ・ウエストウッグ女史の事ですわ。ビスクドールの修理が無事に終わったので3日後にこちらにお見えになるとご連絡がございました。」「あゝなんだ・・分かったよ。」吃驚した、また何か難題を言って来るのかと思った・・心臓に悪いよな・・はな枝の声...

  • ビスクドール85

    花沢邸はな枝は、エリカに頼まれた任務を果たす為に花沢家御用達のデパートの外商を呼んでいた。「お嬢様のサイズはこちらで宜しいのですね?」「ええ、そうです。下着のサイズはこれと同じで用意してください。それと洋服は着やすいワンピースがいいわ。でも何処に着て行っても恥ずかしくない物でお願いしますわね。2枚は飛行機に乗るので行きと帰りの長時間のフライトでもしわになり難い素材で、着心地とデザインに気を使ってく...

  • ビスクドール84

    美作邸に戻ったつくしに最初に声を掛けたのは使用人のミサだった。「お帰りなさいませ、牧野さん。」「ただ今、ミサさん。」「どうかしましたか?なんだか嬉しそうですね?」「えっ?あゝこれ、見てみて?今日初めてのパスポートを持ったので嬉しくて・・・。」「最初のパスポートは嬉しいものですものね?良かったですね。」「へへっ、花沢類が写真館で撮ってくれたから、学生証の写真より3割増し、こんな私でも綺麗なのよ、この...

  • ビスクドール83

    その日の内に、つくしのパスポートを作りに行く事になった。最初に申請書をダウンロードして未成年のつくしは親の署名が必要だからサインをして貰う為に花沢の人間がそれを先に貰う為に動いた。つくしと類は区役所に行ってつくしの戸籍抄本を取った。翌日、つくしの親にサインを貰った書類を持っていざ、パスポートセンターへ。都内には新宿、有楽町、池袋、、立川にありつくしと類は有楽町に行く事にした。パスポートの写真を撮る...

  • ビスクドール82

    えっー・・・・この人達って‥何処までお金持ちな訳?そりゃ、私とは違うのは知ってるけど。突然のフランス旅行に便乗ですって?そこら辺の、美術館に行くわけじゃないのよ?行くのは、フランス、フランスなのよ?そんなにビスクドールに興味が或るわけでは無いのに?否・・例え興味があったとしても行くのは海外のフランス。あの、凱旋門やエッフェル塔で有名なフランス。普通、即決で行く?行かないでしょう?なのに・・・皆でフ...

  • ビスクドール81

    お菓子の話が落ち着いた頃合いをみてあきらが類に聞いた。「類、それでビスクドールの件はどうなったんだ?」「うん、一応あの神戸のエマ・ウエストウッグ女史が近々修理を終えて遣ってくるから、見て貰う。それに、一応その結果がどうであろうが…フランスに持って行く。」「ふぅーん、向こうには目利きの人が揃ってるだろうしな?エマ・ウエストウッグ女史がまた偽物だと言ったとしてもそれはそれだと言う事か?」「うん、そうい...

  • ビスクドール80

    テーブルの上には夢乃の作った兎のお菓子達と類の持ってきた金沢の老舗限定の和菓子それに総二郎の持ってきた、京都の老舗の兎の羊羹。飲み物は紅茶に玉露それに、総二郎が点てた抹茶。圧巻のラインナップに一同唖然。つくしと双子ちゃんだけが、目を輝かせてる。「類、なんで50個もあの菓子があるんだ?確か1日30個限定の筈。」「総二郎こそ、なんで兎の羊羹持って来たのさ?」実は一番吃驚してるのは俺だよ総二郎、30個だと思っ...

  • ビスクドール79

    類は美作へと出向いた。牧野に逢いたく無い訳ではないが、用も無いのに顔を出すのは悪いと思って実は我慢してた。仕方なく、邸に居たんだけど・・・はな枝には、嫌々ながらってポーズで受けたけど美作家に行く口実が出来たのは、実は嬉しかったりする。牧野に届けて欲しいと言われたのは、懐古堂で出た求肥の兎の上生菓子に、似たお菓子だった。朝霞堂のは、白あんと丹波栗を丸ごと1個包んである。この兎の上生菓子が特に大人気で...

  • ビスクドール78

    エリカは機上の人となる前に、はな枝にメールを送信した。エリカからある特命を受けたはな枝は、大きく頷いた。奥様、このはな枝に全てお任せ下さい。何時も様に、自室のベッドに寝ている類の元にはな枝が,やってきた。何時もは類が休んでいる時は、使用人は誰も近づかないのだが・・「類様、奥様から伝言でございます。」「う~ん、なあに?」「起きてくださいませ、これを美作様に届けて欲しいとの事です。」「美作に?母さんが...

  • ビスクドール77

    エリカがフランス行きの飛行機に乗る前に、連絡したのは夢乃だった。夢乃にビスクドールの事はフランスでの展覧会が終わってから返事をするからと伝え、牧野さんを宜しくと伝えたかったのだ。「夢乃さん、今からフランスに戻るのよ。ビスクドールの事はフランスでの展覧会後にお返事させて頂くわ。」「エリカさん、ありがとう。楽しみにしてるわ。」「それと、牧野さんが夢乃さんのお邸でお世話になってるんですって?類がしっかり...

  • ビスクドール76

    美作家つくしのお世話をしてくれるのは、ミサと言う27歳の人だ。流石、夢乃さんが選んだこの邸の使用人達は皆スタイルも顔も整っていた。それどころか、聞いた話では皆英語を話せて、護身術を習っているらしい。主人に危険が及んだ時に身を守る為だろうか?「牧野様今日からよろしくお願いします。ミサと呼んで下さい。」「すみません、ミサさんお世話になります。…あの、私は様付けは無しでお願いします。どうも慣れてないので...

  • ビスクドール75

    エリカは類の話を信じられないと言う顔で聞いてた。「それでは、その懐古堂の会長さんはこのビスクドールが本物だと言うのね?」「・・うん、あゝ名刺を貰った懐古堂の会長で瀬戸一生だって。」類はエリカに名刺を渡す。受取ったエリカは名刺を眺めながら呟く。「それじあ・・あのエマ・ウェストウッグ女史が偽物って言ったのは何故なの?彼女はビスクドールの世界では有名な人なのよ。類、この名刺預かってもいいかしら?」「別に...

  • ビスクドール74

    類が邸に帰ると、母親のエリカが類の帰りを待っていた。「ただ今、母さん」「お帰りなさい、類。あら、牧野さんは一緒じゃないの?手を骨折したんでしょう?可哀想に・・それで牧野さんはお部屋で休んでるのかしら?」「牧野はあきらの処。」「どうして?牧野さんが夢乃さんの処にいるの?」「俺言って無かった?」「聞いて無いわよ。」「そう、まあどうでもいいじゃない。」「どうでもよくないわよ。私は明日の便でフランスに帰る...

  • ビスクドール73

    4人を乗せた車は最初は西門の邸に行き、総二郎を降ろすと美作の邸に着いた。あきらが先に降り、つくしに手を貸してくれる。つくしが降りると、当然類も降りて来ると思ったが類は降りて来なかった。「あれっ?花沢類は降りないの?」「あゝ俺は帰って母親に、今日の一応報告があるからね?ビスクドールを持って帰ってどうするのか聞くつもり。牧野を頼んだよ、あきら。」「あゝ任せろ。」「じゃあ、牧野またね?」「…うん、花沢類ま...

  • ビスクドール72

    懐古堂の会長のビスクドールの蘊蓄はとても興味深いものだが興味のない、類とつくしには退屈な時間。会長がビスクドールの話をしてる間、つくしと類は、兎のお菓子に舌鼓しつつ、お茶を飲んでる。小声で話してるつもりでいるが、皆には全部聞こえてた。「ねぇ、花沢類これ凄く美味しいね。中は白あんで包んであるのは、お餅かな・・?」「うん、兎の形で可愛い。」「花沢類、甘いの大丈夫なんだね?」「うん、可愛いから。食べたい...

  • ビスクドール71

    皆の前に新しいお茶が出された、今度は日本茶と上品な兎のお菓子。今度も花沢類がくれるかと思ったのに類はその兎のお菓子を手に取った。そして、笑顔で可愛いって小さく呟いた。その顔の方が何倍も可愛いって、つくしの胸がキュンとした。懐古堂の会長が皆の顔を見渡してから徐に口を開く、「このビスクドールの持ち主は‥確か花沢くんでしたね?」「はい、そうです。」「このビスドールは、フランスのブリュと言う作家の初期の作...

  • ビスクドール70

    ビスクドールをケースから出したのはあきらである。こういう事をさり気なく、出来る処が美作あきらである。類はそれを黙って見てるだけだし、総二郎は会長と世間話をしてる。そして、つくしはというと2個目のお菓子に手を出すかどうか迷っていて目が泳いでる。着物の懐から会長が取り出したのは白い手袋(マイクロファイバー手袋)宝石店で品物を傷つけたり手の指紋を付けない為に店員が嵌めているあれである。総二郎の世間話に相...

  • ビスクドール69

    その日の午後、皆が美作家に集まり、ビスクドールをケースに入れて銀座にある懐古堂という古い店に出掛けた。7階建てのビル全てが懐古堂のもので、6,7階は個人的なプライベートエリアで5階が事務所と応接室になってる。と総二郎が皆に手短に伝えた。「西門ですが、瀬戸さんを呼んでくれる?約束はしてある。」「これは、西門様ようこそいらっしゃいませ。社長の瀬戸を呼んで参りますので、どうぞ上の階へどうぞ。」エレベーターが...

  • ビスクドール68

    起きて・・・ねぇ起きて。ツクシ・・夢?それとも・・・幻なの?私を呼ぶのは・・・ビスクちゃんなの?お願い、もう一度だけでいいから私と入れ替わって。私が本物だと分かると困るの。私はフランスに連れて行かれて、もう戻れないかもしれない。ツクシお願い。…いやよ。裸にされて髪を引っ張られて散々な目に遭うなんてそりゃ、ビスクちゃんは可哀想だと思うわ・・・だけど私が今入れ替わっても・・・夢乃さんが信じてはくれない...

  • ビスクドール67

    夢乃に言われてもピンとは来なかった。生まれつき、つくしの家は人だけは良い両親の元でお金には全く縁のない生活をして来た。だから、感性など持ち合わせてはいないと答えた。F4とは全く違う我が家の懐事情では、感性を磨く等とは、程遠い生活だ。素晴らしい教育の下に生まれて来るのが感性ならば・・・つくしにはそれは皆無である。「つくしちゃんって・・自分の思ってる事が顔に出るのね。」「えっ?私の顔に・・・何か出てま...

  • ビスクドール66

    顔から火が出るかと思った。花沢類があんな事言うから恥ずかしくて。本当の事だけど・・いつもお得とか一石二鳥とか言ってたのは私だから仕方ないけど‥何も夢乃さんの前で言わなくても。と思った・・でもそれは花沢類が私の事を思って言ってくれたんだと・・何となく皆の気持ちも分かった。意地っ張りな私の性格を知ってるから・・わざと・・きっとそうだ。確かに利き腕を使えない今は、アパートに一人で居てもご飯も作れなきゃ、...

  • ビスクドール65

    明日ビスクドールを鑑定して貰う事になって、皆はそろそろ自宅に帰ると言い出した。チャンスだ、今言うしかない。「花沢類、私は自分のアパートに帰るね?」「えっ?無理だよ。」「無理って・・でもアパートの事も気になるし・・それに学校だってそれに、そろそろバイト行かないと‥えっと・生活が苦しいのよ。だから、今日からはアパートに帰って・・」「手を骨折してるんだよ?それも利き腕の右手。どうせ、アパートに帰っても一...

  • ビスクドール64

    夢乃が上機嫌で電話を終えて戻って来た。「エリカさんに電話を掛けたら、ご主人に話してくれるって・・エリカさんは人形には全く興味が無いから、可愛がってくれるなら私に譲ってもいいそうよ。」「マジで?お袋には参るよな・・類のお袋さんも迷惑だったんじゃないの?」「あら、だってあきら君・・このお人形がここに居たいって、目で訴えるんですもの。」「そんな訳ないだろう?人形がそんな事・・・本当にお袋は自分勝手だよな...

  • ビスクドール63

    今頃になって・・自分の気持ちが分かったとしても今更・・・それがなに?どうしようもない。道明寺に捨てられたから、その親友の花沢類を好きなったなんて・・だったら、最初から道明寺と付き合わなければいいのよ。初恋を貫けば良かったじゃない。寄り道なんかしないで・・。それを、私はしなかったじゃない?道明寺が私の事捨てなきゃ、私は多分今も道明寺の傍で・・・本当にそうだろうか?あの事件が無くても‥私と道明寺は本当...

  • ビスクドール62

    つくしは考えていた。夢乃さんがビスクちゃんを欲しいと言ってるもしも、それが叶ったらビスクドールは美作家の物になる。ビスクちゃんはどうするんだろう?いや、その時は私がビスクちゃんになってるかも知れない。ヤダ、絶対に嫌・・・だって類の傍に居られない。折角、類の部屋で綺麗に飾って貰ってるのに・・・そりゃあ、夢乃さんは優しくしてくれるだろうけど・・双子ちゃん達は天使みたいで可愛いけど。洋服だって、夢乃さん...

  • ビスクドール61

    「ねぇ、類君・・もしもこれが本物だったらどうするの?」「えっ?多分フランスに持って行くんじゃないかな?」「フランスで何かあるのかしら?」「フランスの美術館で今度アンティークの人形の展示会が行われるそうです。今回、うちの両親が揃って日本に帰って来たのはその為です。花沢の所有のビスクドールを貸して欲しいと依頼されて展示会に出す為に既に何体かは、リペアに出したんですが、この人形だけは、偽物ではないかと言...

  • ビスクドール60

    皆で食べる食事は美味しい筈なのに、今日のつくしには苦痛の時間だ。花沢類の貸してくれた、ハンカチでさっと涙を拭った後にハンカチを折り畳んで、ワンピースのポケットに仕舞いこんだ。類はそれを見て見ぬ振り、総二郎もあきらも夢乃も何も言わなかった。「そろそろ、リビングに移ろうか?」あきらがそう言うと夢乃さんが「そうね、そうしましょう。」と言ったのを合図に全員が席を立つ。リビングにはあのビスクドールがテーブル...

  • ビスクドール59

    つくしが1階におりてくると、既に皆は集まっていて大きな食卓に、座っていた。食事も並べられていて、飲み物が各自に配れている。「つくしちゃん、おはよう。昨日は眠れたかしら?」「おはようございます、夢乃さん昨日はお世話になりました。こんな時間まで、寝ちゃってすみません・・おかげでぐっすり寝れました。」「そう、それは良かったわ、さあ・・ブランチを始めましょう。つくしちゃんは、類君の隣に座ってね。」「はい。...

  • ビスクドール58

    つくしは痛み止めのお陰であれからすぐに寝付いた。よく眠れたのは、痛み止めだけでなくビスクドールに戻らないでいいと聞いて安心した事もあるのだろう。夜中痛かった頭痛もしなかった。いつもと違う寝具のせいで、寝心地は最高だった。つくしが、ドアの外が何だか騒がしい事に気づいたのは、もう、部屋が明るくなった頃可愛らしい少女の声が聞こえる。それも、二重奏のように。「おにいちゃま、つくしおねえちゃまはどこ?」「つ...

  • ビスクドール57

    アキラが私に話し掛けてくれている、少しブランの瞳に、ブラウンの長めのウエーブの掛かった髪。優しい声。嬉しい、うれしい。ツクシの周りにいる男性は皆、素敵だ。アキラは特に優しい。ルイは、ツクシにだけ優しい。ルイは‥ツクシを愛してる。だから、私はツクシになりたかった。ツクシになれたら、ルイの傍に居られる。ツクシが自分を取り戻した今・・ツクシの中にはもう多分入れないと感じた。入れたしても短い時間だ。こうな...

  • ビスクドール56

    つくしは、魘されながら目を覚ました。つくしは完全に目を覚まして、頭が痛いことに気付いた。それでもどうにか痛い右手を庇いながらベットから起き上がる。ベットサイドの鈴蘭の形のランプを点けた。流石、夢乃さんランプまでお洒落だわ。処で今は一体何時だろう?それにしても、随分嫌な夢を見た。あれは、ビスクちゃんが私に見せた夢なの?ビスクちゃんは、不幸だった・・・のかしら?初めは人間に大事にされてたから、忘れ去ら...

  • ビスクドール55

    私は夢を見ていた。ここは何処か異国の何かを作る工房のようだ。外人の女の人達が作業をしている、着ている服装からすると随分昔だと分かった。世界史の教科書で見たような、景色。粘土か何かで型を取ってる人、それを窯に入れて火をつける人。筆を持って、絵付けをしている人。顔に目を入れている人。顔の化粧をする人。眉が入り口が描かれる。沢山の人達がそれぞれ自分の工程の仕事をしている。向こう側ではミシンで布を縫ってい...

  • ビスクドール54

    類とつくしが二階に上がると、あきらはつくしがおままごとの真似事をしていた、ビスクドールをソファーから抱き上げた。「君も大変だったね、牧野の相手をありがとうね?」「なんだ、あきらまでツクシちゃんの真似して、人形にありがとうなんて・・人形に分かるわけ無いだろう?」「あゝそれもそうなんだけど・・なんか声を掛けたくなったんだよ。」「それ、類が偽物って言ってたな?」「あゝ、でも俺には本物にしか見えねぇんだよ...

  • ビスクドール53

    たった1杯のジンのソーダ割でここまで酔えるのか?3人の麗しき男達は不思議顔でつくしを見ている。ビスクドールをビスクちゃんと呼び、ケーキや飲み物をビスクドールの前に置き、食べるかどうか聞いている。自分はソファーに座らず床の上、ビスクドールをソファーに大事そうに座らせて何だか楽しそうに話をしているつくし。人形がケーキや飲み物を食べたり飲んだりする訳が無いのに?おままごとの真似事か?それとも本気でおまま...

  • ビスクドール52

    人間って何て、愚かなのだろう。彼女の今日一日の行動をずっと私は見ていた。彼女がドウミョウジって呼ぶ彼を初めて見た。背はルイと同じで高く、顔も綺麗な整った顔・・顔と外見だけ見れば、とても素敵だが私の好みの人間では無かった。やはり、私のルイの方が素敵だ。ドウミョウジは言葉使いが下品で乱暴で・・・。紳士的な人ではない。彼女も言葉が乱暴だから、きっと二人は似た者同士なのだろう?彼女はドウミョウジに裏切られ...

  • ビスクドール51

    食事が済んで今度はデザートが並び始める。どれも、小さなサイズで食べやすく可愛らしく盛り付けてある。「牧野、デザートが運ばれて来たぞ。別腹だろう?しっかり食べろよ。」「みましゃかしゃン・・もうお腹いっぱいだーーもん。」「あれ?牧野酒でも飲んだのか?顔が赤いぞ。」「おしゃけなんて、のみましぇんよ?だって、わたちは、みせいねんだもん。」「類、牧野に何を飲ませたんだ?こいつ呂律が回ってねぇぞ。」「何って・...

  • ビスクドール50

    つくしの治療終えて、つくしとあきらが二人が待つ部屋に入って来た。テーブルには既に沢山の料理が並べてあり、美味しい匂いが漂っている。お酒も用意してあった。「おっ、ツクシちゃん戻って来たか。」「牧野終わったの?どうだった?」「うん、やっぱり骨折だって・・。」「類、しばらく牧野利き腕の右手使えないから誰か世話してくれる人間頼まなくちゃいけないぞ?」「治るのにどれくらいかかりそう?」「多分3週間くらいらし...

  • ビスクドール49

    美作邸に着いた。メルヘンチックな白い洋館邸の門は車が一旦止まると、遠隔操作システムで門が開いた。玄関先に車は横づけされ、メイド達がお出迎えしてくれる。「「「あきら様お帰りなさいませ。」」」「「「皆様いらっしゃいませ。」」」若いメイドの達の華やかな声で出迎えを受ける。「医者はもう来てる?」「はい、あきら様もうお見えでございます。」「牧野、来いよこっちだ。総二郎と類を案内してくれ、診察する部屋は狭いか...

  • ビスクドール48

    気付けば花沢の車に類とつくしそれに、いつの間にか総二郎とあきらまで乗り込んでいた。その事につくしが気付いたのは車が出てから暫くしてから。「あれ?皆どうして・・これからパーティーじゃなかったの?」「はぁ?今更そんな事言うのか?」「だって、西門さん・・ごめんね?私のせいでパーティー処じゃ無くなったよね?」「仕方ないさ、司も悪いんだし・・。」「美作さんもごめんね?」「いや、牧野は気にしなくていいぞ?」「...

  • ビスクドール47

    仲良くまだ恋人繋ぎした司と海がつくしに近づいてくる。つくしは、その二人から目を逸らさずに挑む様に見据えていた。二人合わせた服装に、道明寺から昔言われた言葉を思い出した。「牧野ドレスどれにするんだ、時間ないんだからどれでもいいから早く決めろ。」「どれって、う~んこんなにあったら選べないよ。」「じゃあ、この色にしろ!」「えっ?赤って派手過ぎない?」「俺がそれに合わせたスーツにするからいいだろう?」「な...

  • ビスクドール46

    車の中でソワソワと落ち着かないつくし。「どうかした?」「えっ・・何でもないよ?花沢類」車の座席にあのビスクドールがクリアケースに入れられている。それを横目で見ながら、つくしは考えていた。今更、道明寺に逢っても無駄なんじゃないの?だって、あいつは・・・もう私の事なんかそれなのに何を今更・・・道明寺に逢いに行くんだろう?惨めになるだけなのに・・・。あなた、今頃になって後悔してるの?あなたの考えてるよう...

  • ビスクドール45

    道明寺邸「司君、着替え済んだの?」「海か?あゝ・・済んだぞ。」「じゃあ、ネックレス付けて。」海の今日のドレスは司に合わせてピンクのドレスで司はシルバーグレイのスーツにタイはピンク海の靴も靴とバックはシルバーグレーで司に合わせた服装だ。「あゝ・・海これでいいのか?」「うん、司君に貰ったこの土星のネックレスがいいの。」「ドレスに合う奴が他にもあるだろう?」「いいの、これで。」「俺が海に買ってやったらし...

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、noritamaさんをフォローしませんか?

ハンドル名
noritamaさん
ブログタイトル
ケ・セラ・セラ
フォロー
ケ・セラ・セラ

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用