2025年11月18日をもってgooblogがサービス終了するとのこと。2014年9月13日に「OCNブログ人」の終了により引っ越してきて、10年以上お世話になりました。今後このBlogは、4月18日より、「はてなブログ」(https://norio0923.hatenablog.com/)に移行して続けていきます。引き続きよろしくお願いいたします。〔お知らせ〕gooブログから引越しします
1995年公開のアメリカ映画です。専門家の評価はそこそこ高いようなのですが、私の感覚が鈍いのか、正直かなり退屈でした。ストーリー展開に全くスピード感がなく山谷もありません。キャスティング的には、ジョン・トラボルタ、ジーン・ハックマン、レネ・ルッソ、ダニー・デヴィートと錚々たる面々が並んでいるのですが、やはりこういったコメディには今ひとつ合わないようです。ゲット・ショーティ[DVD]ジョン・トラボルタソニー・ピクチャーズエンタテインメント〔映画〕ゲット・ショーティ
2012年公開の日本映画です。伊坂幸太郎さんの短編小説が原作の作品ですが、無駄のないストーリーでサクッと楽しめます。キャスティングも、大森南朋さん、石田えりさんといった味のある実力派の俳優さんに、ブレイクし始めた木村文乃さんといった魅力的な面々で、さらに音楽は斉藤和義さんという私的には大いに満足した作品でした。それにしても、石田えりさんと木村文乃さんとの居酒屋のシーンは、なんともほのぼのと自然体で印象的でしたね。よかったです。ポテチ[DVD]濱田岳アミューズソフトエンタテインメント〔映画〕ポテチ
2015年公開の日本とトルコの合作映画です。日本・トルコ友好125周年の記念、朝日放送創立65周年の記念、BSフジ開局15周年の記念という名目で制作された作品ですが、さすがにここまでコテコテの“優等生的映画”も珍しいでしょう。当時の両国のトップ同士でも話し合われた末に実現した企画ということですから、さもありなんです。出演している役者の皆さんの熱演は印象的ではありましたが、やはり、こういった経緯で作られた映画の“危うさ”はとても気になりますね。海難1890[DVD]内野聖陽TOEICOMPANY,LTD.(TOE)(D)〔映画〕海難1890
いつも利用している図書館の新着本リストで目につきました。このところ気分転換に読んでいるミステリー小説は、全作読破にチャレンジしている内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”に偏っているので、久しぶりの松本清張作品です。初期の短編8作を収録した傑作集とのこと。ミステリー小説なのでネタバレになるとまずいので内容には触れませんが、やはり清張さんの構成力と筆力は素人目にも卓越しているのを感じます。たとえば、4番目に編まれている「白い闇」。読み進めるにつれ高まりゆくクライマックスに向かっての緊迫感。(p174より引用)濃い霧は二人を閉ざした。一メートル先が、白い、厚い紗でぼかされていた。ボートとその近い周囲のあおぐろい水だけが人間の視界にはいっている最大限であった。距離感も遠近感もまったく失われ、白い宙の中を舟は動いてい...空白の意匠:初期ミステリ傑作集(二)(松本清張)
2019年公開のアメリカ映画です。詐欺師が主人公のコメディ作品はそれこそ山のようにありますし、サプライズもかなりの確率で途中で透けて見えてしまいます。本作もそうですが、まあ見どころはアン・ハサウェイとレベル・ウィルソンのコントラストと、ともかく軽いタッチの作風にあるので、それ以外の出来についてとやかく言うものではありません。専門家の評価はかなり厳しいようですが、この手のコメディで「名作」というのはなかなかお目にかかれませんから。“詐欺師が主人公”の名作といえば「スティング」に勝るものを私は知りませんし・・・。ザ・ハッスルアン・ハサウェイスティング[DVD]ポール・ニューマンジェネオン・ユニバーサル〔映画〕ザ・ハッスル
1992年公開のアメリカ映画です。ありがちなモチーフで、想像どおりのストーリー展開ですが、それでも素直に楽しめるのは、役者のみなさんの素晴らしい演技の賜物でしょう。主人公を演じたウーピー・ゴールドバーグさんを筆頭に、キャシー・ナジミーさん、ウェンディ・マッケナさんの対照的ながらとても好感の持てるキャラクター、そして院長役のマギー・スミスさん、こちらは出色の存在感でしたね。このところ、マッドマックスやリディックといった濃い口の映画に浸っていたところなので、久しぶりに心洗われるコメディにホッと一息です。天使にラブ・ソングを…[DVD]ウーピー・ゴールドバーグブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント〔映画〕天使にラブ・ソングを…
そこそこ使っていた私のスマホPixel3XLですが、バッテリーの膨張で裏蓋が数ミリ持ち上がってしまいました。docomoの「ケータイ補償サービス」を契約していたので、サポートセンタに問い合わせたところ「バッテリー膨張でも代替機に交換可能」とのこと。早速、サイトから申し込みを始めたのですが、数ステップ進んだところで、「Pixel3XLの整備品は無く、代替機は『SamsungGalaxyA51』になる」とのメッセージ。負担額は8千数百円ではありますが、数年前のミドルレンジの機種というのには少々抵抗があります。Pixelの数世代前の機種あたりだったらよかったのですが。ということで、いったん「ケータイ補償サービス」の申し込みは中断して、「googleの故障修理店」でバッテリー交換を相談してみました。店員さん曰く、...〔買い物〕Pixel3XLからPixel8aに機種変更
2021年公開のアメリカ映画です。サスペンス・スリラーといったジャンルでしょうか、主人公の心理を独白で語りながらのストーリー展開は、最後にその主役が入れ替わるところも含め、面白いチャレンジだったように思います。とはいえ、キャスティングを眺めただけで、大体のサプライズの予想はついてしまいます。まあ、そういったことは本作品に限ったことでもありませんが、それだけアビー・コーニッシュの存在感が大きかったということですね。エージェント:0漆黒の暗殺者[DVD]通常盤ニック・スタグリアーノアメイジングD.C.〔映画〕エージェント:0漆黒の暗殺者
2004年公開のアメリカ映画です。ヴィン・ディーゼルが主役の作品なので、誰でも雰囲気は予想できるのですが、そのとおりのテイストでした。舞台は「宇宙」ですが、やはり結局は同じですね。ラストもこういう形になったけど、さて、その後はいったいどうなるのか、とても不安に思ってしまう結末です。同じ“ワンパターン・キャラ”なら、まだ「ワイルド・スピード」シリーズの方が私は好みです。まあ、五十歩百歩ですが。リディック通常版[DVD]ヴィン・ディーゼルアミューズソフトエンタテインメント〔映画〕リディック
かなり以前に読んでいた内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”ですが、このところ、私の出張先が舞台となった作品を、あるものは初めて、あるものは再度読んでみています。ただ、私の出張先も以前勤務していた会社のころを含めるとそこそこの都道府県にわたるので、どうせなら“シリーズ全作品制覇”にトライしてみようと思い始ました。この作品は「第22作目」です。今回の舞台は“日光”。有名な観光地ですから私も何度か訪れたことがありますが、いわゆる観光シーズンの「紅葉の盛り」とかには縁がないので、あまり印象に残ってはいません。ポピュラー過ぎて新鮮さに乏しく感じるのかもしれません。で、肝心の作品について。ネタバレになるとまずいので内容には触れませんが、「1勝2敗」ですかね。何かといえば、今回、浅見光彦は3つの事件に遭遇したのですが、そ...日光殺人事件(内田康夫)
1981年公開のオーストラリアの映画です。少し前に、前作の「マッドマックス」を観た流れで、この2作目にもトライしてみました。独特の近未来の退廃的な世界観は、人気コミックの「北斗の拳」にも通じるところがあります。しかし、主演にこれほど「台詞」が少ない作品もなかなかお目にかかりませんね。ともかくバイオレンス色に塗り籠められたカーアクションの迫力が最大の魅力ですから、そこが合わないと、別段ストーリーがあるわけではないので全く楽しめないでしょう。まあ、今しばらく付き合ってみるとして、とりあえず第3作目にはチャレンジしましょう。マッドマックス2[DVD]メル・ギブソンワーナー・ホーム・ビデオ〔映画〕マッドマックス2
2019年公開のアメリカ映画です。マーベル・コミックのスーパーヒーローたちを主人公にした「アベンジャーズ」シリーズの“中締め”のような位置づけの作品です。シリーズものではありますが、前作の「インフィニティ・ウォー」を観ていない私の印象としては、独立作品として観てもそれほど違和感はないでしょう。もちろん、シリーズ中の何か一作ぐらいは観ておいた方が、少しでも登場人物間の関係性が浮かぶので、より楽しめるとは思いますが。ともかく、どこまでもエンターテインメントに徹し切った作品ですね。出来栄えがどうこうというより、ここまで豪華絢爛な役者のみなさんを揃えて、これでもかと凝った映像と、懐かしいシーンを織り交ぜた演出をみせられると、やはり敵いませんね。アベンジャーズ/エンドゲームロバート・ダウニーJr.ウォルト・ディズニ...〔映画〕アベンジャーズ/エンドゲーム
1979年公開のオーストラリア映画です。最近、シリーズ第5作目が封切られたようですが、45年間で5作なので、シリーズといってもピンとこないぐらいに悠長なテンポでの制作ですね。観た感想ですが、ストーリーはともかく、アクションシーンも本人やスタントマンによる実写なのでしょう、なかなかの迫力ですし、背景に流れる音楽も直裁的で、まさにシーンの盛り上げ役を十分に果たしていました。思いのほか楽しめましたね。しかしまあ、何より、主役のメル・ギブソン。40年以上前の彼の初々しい姿には驚かされます。マッドマックス[DVD]メル・ギブソンワーナー・ホーム・ビデオ〔映画〕マッドマックス
2016年に公開された日本映画です。テレビシリーズの劇場版ですが、劇場版もシリーズ化されていて本作が7作目とのことです。私はテレビも映画もほとんど観た記憶はありませんが、改めて本作を観てみて、「これは合わない、ダメだ」と感じましたね。中途半端なギャグ映画としか思えませんし、荒唐無稽な設定に加え、ひと昔もふた昔も前の演出センスは情けなくなります。(まあ、ひと昔前の作品ですが・・・)舘ひろしさんも浅野温子さんも、ちょっと前の言いようでは“イタイ”キャラクタの典型でしょう。最近、復活版の映画が上映されているようですが、どうでしょう・・・、私は全く食指が動きません。さらばあぶない刑事(通常版)[DVD]舘ひろしバップ〔映画〕さらばあぶない刑事
いつも利用している図書館の新着本リストを見ていて、タイトルに惹かれて手に取ってみました。哲学者三木那由他さんによる“哲学的な視座”からのエッセイ集です。トランスジェンダーである三木さんならではの起点からの興味深い指摘や思索の紹介が数々ありましたが、そういった類のものとはちょっと違ったユーモラス?なエピソードをひとつ書き留めておきましょう。三木さんはかれこれ30年来の“GLAY(日本のロックバンド)ファン”とのことですが、言語哲学を学んだあと、歌詞の解釈に新たなバイアス?がかかったというのです。その歌詞は、こうです。(p125より引用)避けられぬ命題を今背負って迷ってもがいて真夜中出口を探している手探りで「puresoul」という楽曲の歌詞なのですが、この中の“命題”という単語に鋭敏に反応してしまうようにな...言葉の風景、哲学のレンズ(三木那由他)
2022年に公開された日本映画です。BLコミックを小道具に、年の離れたふたりの人間関係を描いたオリジナルシナリオの作品ですが、芦田愛菜さんと宮本信子さんが主役なだけに、とても落ち着いた優等生的な仕上がりですね。正直、ふたりの演技力や存在感を考えると、作品の出来はかなり物足りない印象です。まあ、たまには観る映画にこういった感じのものを混ぜるのも、心穏やかでいいかもしれません。「メタモルフォーゼの縁側」通常版(DVD1枚組)DVD芦田愛菜バップ〔映画〕メタモルフォーゼの縁側
2022年に公開されたイギリスとアメリカ合衆国の合作映画です。テレビドラマシリーズの続編を映画化したものとのことですが、確かにテイストは“ホームドラマ”的ですね。ストーリー展開もいくつかのエピソードが並行して進みつつも分かりやすく、HappyEndに収束していきます。そういったお決まりの安心感は万人受けする王道パターンなのでしょう。その点、物足りなさを感じるかもしれませんが、私はこの“ほどほど”が程よいのです。ダウントン・アビー/新たなる時代へ[DVD]4550510077604ヒュー・ボネヴィルNBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン〔映画〕ダウントン・アビー/新たなる時代へ
2010年から放送されたBBC制作のテレビドラマです。シリーズ1から4まで特別編を含めると13話。それぞれが1時間を超える長尺で、一流の映画だとっても十分通用するしっかりした作りです。ストーリーは一筋縄ではいかないとても凝ったもので、正直その複雑さと奇抜さにはついていけないところがありました。キャスティングも、主役のベネディクト・カンバーバッチをはじめマーティン・フリーマン、アンドリュー・スコットら映画俳優としても有名どころが配されていて、見応え十分のドラマですね。SHERLOCK(シャーロック)#3『大いなるゲーム』スティーヴン・モファット〔ドラマ〕SHERLOCK(シャーロック)
1992年に公開されたアメリカ映画です。ブラックコメディ作品ですが、こういったノリは好き嫌いがはっきり分かれるでしょうね。ちなみに私には全く合いませんでした。ラストで語られるメッセージも、そのあとのシーンで混ぜ返されてしまったようで・・・。キャスティング的には、メリル・ストリープ、ブルース・ウィリス、ゴールディ・ホーンとかなりの重量級が並んでいます。それぞれコメディもこなす演技派だとは思いますが、まあ、こういったテイストの作品であれば“この面々でなくては、”といった感じでもありません。そのあたりも、ちょっとちぐはぐな印象でした。永遠に美しく・・・[DVD]メリル・ストリープジェネオン・ユニバーサル〔映画〕永遠に美しく…
DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール (ビル・パーキンス)
少し前に、大江英樹さんによる「90歳までに使い切るお金の賢い減らし方」という本を読んだのですが、その中で本書が紹介されていました。私も「定年」を目の前に控え、僅かではありますが手元にある“資産の処し方”について考えてみなくてはならない歳になりました。そのあたりのヒントにと手に取った著作ですが、結構参考になるアドバイスや新鮮な気づきが得られました。その中から特に有益だと感じたところを覚えとして書き留めておきます。まずは、著者が本書で伝えたいメッセージを端的に記しているくだりです。(p19より引用)今しかできないことに金を使う。それこそが、この本で伝えたいことの核だ。90歳になって水上スキーを始めるのは難しい。今それを我慢すれば、その分の金は貯まるだろう。だが、十分な金を得たときには、すでにそれができない年齢...DIEWITHZERO人生が豊かになりすぎる究極のルール(ビル・パーキンス)
2015年に公開されたアメリカ映画です。“火星でのサバイバル”がモチーフのSF作品ですが、万人向けのエンターテインメントとしてはよくできていますね。もちろん純粋に科学的裏付けがあるものではありませんが、それなりにもっともらしく、また超人的な能力で切り抜けるといったシーンもなく、“人間の知恵と意思”“仲間たちの想い”で奇跡を生んだストーリーは素直に楽しめます。マット・デイモン、ジェシカ・チャステイン、マイケル・ペーニャ、ショーン・ビーン、キウェテル・イジョフォーといった面々も、それぞれに役柄にフィットしたキャスティングで、こちらも見事だったと思います。あとは、1970年代のディスコミュージック、これも効いていましたね。オデッセイ[DVD]マット・デイモンウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社〔映画〕オデッセイ
2009年に公開されたアメリカ映画です。地下鉄を舞台にしたサスペンス作品は何作か観たことがありますが、どれも似たようなプロットです。本作も設定やストーリーにはこれはという特徴はありません。物語の中に残されたいくつもの“引っかかり”がそのまま結末を見ないままに終わったというのは何とも不満を感じるのですが、こういうつくりもあるのでしょうね。まあ、この作品の場合は、相対峙する主人公たちを演じるのがデンゼル・ワシントンとジョン・トラボルタというのが最大の見どころなのですから、ストーリーは二の次なのかもしれません。ともかく、こういった狂気のキャラクタを演じさせるとジョン・トラボルタの物理的な存在感と迫力が際立ちますね。サブウェイ123激突[DVD]デンゼル・ワシントンHappinet(SB)(D)〔映画〕サブウェイ123激突
2022年に公開された日本映画です。長編小説が原作の映画化作品とのことですが、かなり強引な設定の物語だという印象を受けました。とても“理屈っぽい”やりとりが続きます。その故か、演出も台詞回しもワザとらしさ感満載で、ちょっとバタ臭い感じですね。BIGBOX前、高田馬場の道を走るこれみよがしの当時の車もかえって気になります。あとは、子役さん、ちょっとこの役どころを担うには荷が重すぎたようですね。ちなみに、ロケ先のひとつは以前の勤務先のビルの一室のようでした。日比谷公園を臨んだ景色、手前の窓と手すりにも見覚えがありますから、間違いないと思うのですが・・・。『月の満ち欠け』通常版DVD[DVD]DVD(特典なし)大泉洋、有村架純、目黒蓮、伊藤沙莉アミューズソフト〔映画〕月の満ち欠け
2022年に公開されたアメリカ映画です。可もなく不可もなしといった印象のアクション作品ですね。ストーリーは敵味方がはっきりしたシンプルな流れで、これといった見どころがあるわけではありませんが、主人公のサバイバルシーンはなかなかリアリティがあって、丁寧に演出されていたように思います。主演のクリス・パインは、こういったアクション作品の主役を演じるには少々“優等生”的でインパクトは今ひとつですね。とはいえ、私としてはこの歳になってくると、この程度のハードさ加減で十分です。ザ・コントラクターBlu-ray&DVD[Blu-Ray]通常盤クリス・パイン,ベン・フォスター,ジリアン・ジェイコブスHappinet〔映画〕ザ・コントラクター
ナマケモノ教授のムダのてつがく ―「役に立つ」を超える生き方とは (辻 信一)
いつも聴いているピーター・バラカンさんのpodcast番組に著者の辻信一さんがゲスト出演していて紹介された著作です。辻さんは文化人類学者で「スローライフ」の提唱者でもあります。昨今の「コスパ」「タイパ」という言葉に象徴されるような“効率化重視の生活”のアンチテーゼとしてどんな議論が提示されているのか興味を抱いて手に取ってみました。期待どおり、なかなか面白い議論が紹介されていたのですが、それらの中から特に印象に残ったところをいくつか書き留めておきましょう。まずは、本書のテーマである「ムダ」の意味づけについて語っているところからです。(p25より引用)「ムダ」というのは、いつでもある特定の視点からの、ひとつの価値判断にすぎない、ということを覚えておこう。それがある時空間の文脈のうちで、いかに優位で特権的な地位...ナマケモノ教授のムダのてつがく―「役に立つ」を超える生き方とは(辻信一)
1976年に公開されたアメリカ映画です。主人公のロビン・フッドは中世イングランドの伝説上の人物なので、この作品自体がファンタジーです。ともかく、ショーン・コネリーとオードリー・ヘプバーンの共演というその1点のための作品ですから、ストーリーは二の次。特に、オードリー・ヘプバーンにとっては、ほぼ10年ぶりのという映画復帰作ということで“オードリー・ファン”の期待度は最高潮だったことでしょう。長いブランクがあっても、やはりオードリー・ヘプバーンの魅力は衰えるものではありませんでした。ロビンとマリアン[DVD]ショーン・コネリーソニー・ピクチャーズエンタテインメント〔映画〕ロビンとマリアン
2023年に公開されたアメリカ映画です。前2作も観ていますが、その印象はそれほどよくありませんでした。本作品はシリーズ最終作とのことですが特段先行作との連続性はないようで、逆に単独作品としての完成度は高まったように感じます。映像的にはかなり厳しいシーンもあって、その手の画面が苦手な私には目を背けたところもありますが、イタリアの小さな港町の風情やその地の人々と主人公との交流の様は、デンゼル・ワシントンの柔和な表情とも相まってなかなかに印象的でした。イコライザーTHEFINALDenzelWashington〔映画〕イコライザーTHEFINAL
1997年に公開されたアメリカ映画です。火山の噴火災害をテーマにした“パニック”作品なのでそれほど目新しさはありませんが、災害の舞台が小さな町という設定もあり、手ごろなハラハラ感が楽しみどころでしょう。SFX、VFXによる映像も適度のスケールでかえってリアリティを感じます。ストーリーも丁寧に伏線を回収していく展開が好ましく、主人公を演じたピアース・ブロスナンとリンダ・ハミルトンも気負いのない演技でよかったです。あと、こういったパニック作品ではお決まりの混乱要因になる子供たちも、この作品では素直で、不必要なイライラ感もありませんでした。ファミリー向きのエンターテインメント・パニック映画ですね。ダンテズ・ピーク[DVD]ピアース・ブロスナンユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン〔映画〕ダンテズ・ピーク
1987年に公開された日本映画です。テレビドラマで人気だった「必殺シリーズ」ですが、このところはるか昔に映画化された作品を続けざまに観ています。今回は第4作目、監督は深作欣二さんで、千葉真一さん、真田広之さんらがゲスト出演という作品なので、従来からの“仕事人”のノリとはかなり見せ場も異なった出来栄えになっています。テレビシリーズとは一線を画した“映画作品”として別の魅力を楽しむファンもいれば、逆にお決まりのパターンで話が進まないところに違和感を感じるファンも出てくるでしょうね。私は、どちらかといえば後者ですが、とはいえ、レギュラーの仕事人の顔ぶれもかなりインパクトが弱くなっているので、その点も気になります・・・。<あの頃映画>必殺4恨みはらします[DVD]藤田まことSHOCHIKUCo.,Ltd.(SH)〔映画〕必殺4恨みはらします
いつも利用している図書館の新着本リストで目につきました。大江健三郎さんに関わる本は、以前「同じ年に生まれて-音楽、文学が僕らをつくった」という小沢征爾さんとの対談集ぐらいしか読んだことはないと思います。本書は、小冊子「図書」連載のコラムを収録したものとのことで、第一印象では読みやすそうな印象をもったので手に取ってみました。数々の興味深いエピソードや大江さんらしい思索の紹介がありましたが、それらの中から特に私の関心を惹いたところをひとつ書き留めておきましょう。「人間を慰めることこそ」と題された小文から。大江さんの義父にあたる伊丹万作さんのエッセイからの引用です。(p29より引用)私が十三に代って書いた解説のなかに引用しているものだが、伊丹万作が戦後すぐ、その死の直前に発表したエッセイの次の言葉に、「福島三・...親密な手紙(大江健三郎)
2023年に放映された日本のアニメです。小説が原作ですが、コミック、実写映画、そしてこのアニメと様々なメディアで取り上げられた作品です。一昔前のファンタジー系のいわゆる少女コミック路線で、今の感覚では、かなり“時代錯誤”的なプロットですね。ただ、ウジウジし続けた主人公がラストで大きな変身を遂げてそれまでの留飲を下げるというストーリー展開は、“王道”のひとつでもあります。わたしの幸せな結婚第1巻《通常版》[DVD]4988111664730久保田雄大KADOKAWAアニメーション〔アニメ〕わたしの幸せな結婚
〔映画〕デスノート Light up the NEW world
2016年に公開された日本映画です。先の「デスノート」「デスノートtheLastname」の続編ですが、これはどうにも残念な作品です。まず、ストーリー自体が不必要に複雑な展開の割にはエピソードの背景やそこに至る経緯が捨象されているので、素直に流れに入っていけません。キャスティング面でも、今ひとつキャラクタの魅力が十分に発揮されていませんね。これは失礼な物言いになりますが、正直な印象では、演じた役者さんのインパクトの軽さによるところも大きいと感じます。ただ、そもそもの主要人物のプロット自体の弱さが根本的な要因だともいえるでしょう。それだけ、前作の「L」のキャラクタが鮮烈だったということです。デスノートLightuptheNEWworld[DVD]東出昌大バップ〔映画〕デスノートLightuptheNEWworld
2008年に公開された日本映画です。先の「デスノート」のスピンオフ映画で、“L”が主人公の完結作品です。「デスノート」の設定や物語は背景としては意識されていますが、全く別のモチーフでつくられたストーリーなので「デスノート」ファンの評価は分かれるでしょうね。正直な印象でいえば、「デスノート」の関係作だということ、主役が松山ケンイチさんが演じる“L”だということ、この2点を除いてみると、ありがちな感染症パニック映画なのでインパクトは薄いですね。逆に、松山ケンイチさんの“L”に思い入れがあれば、魅力的な作品になるのかもしれません。LchangetheWorLd[DVD]松山ケンイチバップ〔映画〕LchangetheWorLd
1986年に公開された日本映画です。テレビドラマで人気だった「必殺シリーズ」ですが、このところはるか昔に映画化された作品を続けざまに観ています。今回は第3作目、それまでのものとはかなりテイストが違います。本作は主水に降りかかる事件を必殺の仲間たちが助けに奔走するという変わったプロットで、そこにもう一人の主役が絡んでいきます。その役を担ったのが松坂慶子さん。最初に登場したシーンは地味でしたが、その後は流石の存在感。このころの松坂さんは別格の輝きですね。あと、途中に差し込まれた「せんさん」と「りつさん」の律儀な姿もよかったです。見直しました。<あの頃映画>必殺!III裏か表か[DVD]藤田まことSHOCHIKUCo.,Ltd.(SH)(D)〔映画〕必殺!III裏か表か
かなり以前に読んでいた内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”ですが、このところ、私の出張先が舞台となった作品を、あるものは初めて、あるものは再度読んでみています。ただ、私の出張先も以前勤務していた会社のころを含めるとそこそこの都道府県にわたるので、どうせなら“浅見光彦シリーズ”の制覇にトライしてみようと思い始ました。この作品は「第21作目」です。今回の舞台は“恐山”。恐山には、大学時代に東北をぐるっと回る旅行をした際訪れたことがあります。もう45年ほど前になりますが、いかにも“賽の河原”といった荒涼とした風景が記憶に残っています。ネタバレになるとまずいので内容の詳細には触れませんが、この作品、内田さんのミステリーにしてはかなりレベルが低いと言わざるを得ません。犯行の動機は極めて在り来たりですし、読者の推理をミ...恐山殺人事件(内田康夫)
1998年に公開されたイギリス映画です。こういった歴史上の人物を描いた作品の場合、しばしば、史実に忠実なところと映画ならではの脚色のところとの差が取りざたされることがあります。その点、本作の場合は、レスター伯ロバート・ダドリーとの関係がもうひとつの物語の柱に据えられたことで、史実の映像化を期待する向きには物足りない出来栄えになったようです。また、主人公のエリザベスを演じたケイト・ブランシェットについて一言。彼女にとっては初期の代表作ですが、今観るとその発するオーラがまだ今ひとつだった感がありますね。まあ、それだけの存在感が求められる役者さんだということです。エリザベス[DVD]ケイト・ブランシェットジェネオン・ユニバーサル〔映画〕エリザベス
2006年に公開された日本映画です。先の「デスノート」の後編なので、これだけ観ても無意味ですね。ただ、前編で引っ張ったわりには、この後編はかなりがっかりものでした。アイドルキャラやワイドショーネタはあまりに易きに流れてはいないでしょうか。これでは、前編の長さにエピソードを全部押し込んでグッと物語の密度をあげた方がよかったですね。ラストも緩いです。主人公の意味づけが甘いので、こういった扱いになるのでしょう。DEATHNOTEデスノートtheLastname[DVD]藤原竜也バップ〔映画〕デスノートtheLastname
2006年に公開された日本映画です。同名のコミックが原作の作品ですが、後編の「デスノートtheLastname」とセットでひとつのストーリー完結というつくりです。なので、この作品単独では、イントロ的なエピソードとそれによる主人公たちのプロットの紹介にとどまっています。それでも後編に誘うには十分の内容で、「前編」の目的をしっかり果たしていますね。さて、それでは躊躇なく「後編」に突入することにしましょう。DEATHNOTEデスノート[DVD]藤原竜也バップ〔映画〕デスノート
2022年に公開された日本映画です。同名の小説が原作の作品ですが、モチーフの性質上、ストーリーは沈潜した独特のテイストです。なので、ラストも中途半端感が強いのですが、逆にスキっと幕が引けるような話でもありませんね。キャスティング面でいえば、主演の広瀬すずさん、松坂桃李さんの安定した演技に加え、横浜流星さんの少々過剰演出とも思える熱演、さらに白鳥玉季さん、増田光桜さんと主要な登場人物を演じたみなさんはとても見応えがありました。とはいえ、このモチーフ、私の好みからいえばちょっと外れているので観直すことはなさそうです。流浪の月DVDコレクターズ・エディション(3枚組)コレクターズ・エディション広瀬すずギャガ〔映画〕流浪の月
いつも利用している図書館の新着本リストで目につきました。「サンデー毎日」連載のコラムの書籍化です。定番の「五木寛之」さんの最新版といってもいいエッセイなので、条件反射的に手に取ってみました。早速、私の関心を惹いたところをいくつか書き留めておきましょう。まずは、1972年春、モハメッド・アリさんへのインタビューの思い出から。(p145より引用)少量の白身魚の身を指でほぐして、貴重なものを味わうように口に運びながら、アリはこんなことを話した。「たとえばエンジェル・ケーキといえば真っ白いケーキで、デビル・ケーキというのはチョコレートで作った黒いケーキのことです。黒い帽子というと不吉の星を意味するし、脅迫することをブラック・メイルという。ブラック・リスト、ブラック・マーケット、とにかく白は常に良くて、黒は常に悪い...錆びない生き方(五木寛之)
2022年に公開されたアメリカ映画です。比較的最近のリーアム・ニーソン出演作ということで観てみました。ジャンルとしては“アクション・サスペンス”ですが、まあ“可もなく不可もなし”といった印象です。登場人物の設定がストーリーの進展のなかで十分に活かし切れていないので、どうにも“中途半端感”が拭えません。リーアム・ニーソンの役どころも尻切れトンボですし、ラストのサプライズもかなり乱暴ですね。MEMORYメモリー[DVD]通常版マーティン・キャンベルインターフィルム〔映画〕MEMORYメモリー
2021年に公開された日本映画です。オリジナル脚本とのことですが、主人公たちのセリフのやり取りが絶妙ですね。成田凌さんと清原果耶さんのキャスティングも見事にマッチしていました。特に清原果耶さんは若手演技派との定評がありますが、こういった同年代の役柄を演じさせても“自然さ以上の存在感”を感じさせます。近年に珍しく、とても軽やかで清々しいテイストの作品でした。私は好みです。まともじゃないのは君も一緒[DVD]成田凌Happinet〔映画〕まともじゃないのは君も一緒
1985年に公開された日本映画で、松竹創業90周年、朝日放送創立35周年記念作品とのことですが、確かに“お祭り映画”です。成功だったかどうかは大いに疑問ですが。まあ、ストーリー云々はさておき、当時の人気タレントがどういった顔ぶれだったのか、いろいろと感じるところがありますね。シリーズ定番のメンバの中条きよしさんや三田村邦彦さんが抜けてがちょっと地味なころですが、その分、映画の方は、それを補って余りあるバラエティに富んだゲスト出演者の面々です。もう40年も前の作品ということで、私としては、笑福亭鶴瓶さん、明石家さんまさんの若かりし頃もそうですが、柏原芳恵さん、塩沢ときさん、兵藤ゆきさんあたりが刺さりました。<あの頃映画>必殺ブラウン館の怪物たち[DVD]藤田まことSHOCHIKUCo.,Ltd.(SH)(D〔映画〕必殺!ブラウン館の怪物たち
1996年に公開された日本映画です。同じ原作で、1977年に松竹映画から渥美清さんの金田一耕助役で映画化されていますが、こちらは、東宝の提供。以前大ヒットした石坂浩二耕助シリーズの市川崑監督が手掛けた作品で、今回の金田一耕助役は豊川悦司さんが演じています。映画化にあたってのストーリーはかなり原作に忠実とのことですが、その点からいえば「映像」よりも“犯行の動機”を中心とした登場人物の「心情」が印象に残る作品でした。八つ墓村豊川悦司〔映画〕八つ墓村
いつも行く図書館の返却本の棚で目につきました。今読みかけている海外ミステリーのページがなかなか進まないので気分を変えたかったのと、ちょっと前に読んだ森村誠一さんの作品が今ひとつだったリベンジをということで手に取ってみた次第です。本書は、新宿のホームレスの世界を舞台とした8編の短編小説集です。ネタバレになるとまずいので内容には触れませんが、やはりミステリーの「短編」というのは物足りなさが拭えませんね。ラストに向かっての急転直下の謎解きの強引さは、森村さんの筆力を持ってしても避けられなかったようです。殺人のスポットライト(光文社文庫)森村誠一光文社殺人のスポットライト(森村誠一)
2008年に公開されたアメリカ映画です。シリーズものですが、これといったオリジナリティはありません。感じからいえば「インディ・ジョーンズ」を「ミイラもの」に仕立て直したようなつくりです。ミシェル・ヨーも出演していますが、こういった作品に登場するヒロインとしてはステレオタイプのキャラクタでしたし、せっかくの彼女の魅力も中途半端な発揮に留まっています。如何にももったいないですね。ハムナプトラ3呪われた皇帝の秘宝[DVD]ブレンダン・フレイザージェネオン・ユニバーサル〔映画〕ハムナプトラ3呪われた皇帝の秘宝
2023年から2024年にかけて放映されたTVアニメです。もともとは2011年の小説が原作で、それからコミックを経てTVアニメとして登場した作品とのこと。ミステリーテイストのラブコメアニメですが、舞台設定と主人公をはじめとした主要人物のキャラクタがとても秀逸です。「薬屋」という主人公の設定はオリジナリティに富み、それを物語の謎解きに織り込んでいる構成は出色だと思います。加えて、ナレーションも含め声優さんたちの「演技(話しぶり)」が、作品のテイストや個々のキャラクタにしっくりとマッチしていて、映像とのシナジーを高めています。ともかく、何より、先に観た「葬送のフリーレン」に通じるところのあるヒロインが見事な存在感を放っていますね。薬屋のひとりごとSeason1Blu-ray完全版言語:日本語EDQMHFNV〔アニメ〕薬屋のひとりごと(シーズン1)
2004年に公開されたアメリカ映画です。はるか以前には、シガニー・ウィーバー出演の「エイリアン」も、アーノルド・シュワルツェネッガー出演の「プレデター」も観たことはあるのですが、どちらも全く私の好みではありませんでした。なので、両者ともに登場する「エイリアンVS.プレデター」も生理的にダメだろうと思いつつトライしてみましたが、当然のことながら予想どおりの結果でした。こういう意味不明のストーリーや美的センスの欠片もないグロテスクな造型が、どうしてエンタメとして世に出ていくのか、謎ですねぇ。エイリアンVS.プレデター完全版[DVD]サナ・レイサン20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン(FOXDP)〔映画〕エイリアンVS.プレデター
2023年10月27日に開催された第4回「『ゴジラ‐1.0』公開記念山崎貴セレクションゴジラ上映会」で初めて上映されたものとのことですが、早速配信サービスにラインアップされたので観てみました。「シン・ゴジラ」自体はもう何度も観ているのでストーリーは完全に頭に入っています。なので、映像の「モノクロ化」の効果如何が関心の中核になります。ただ、その点では、正直なところほとんどというか全くモノクロ化の意味は感じませんでしたね。そして、改めての感想。映像自体のクオリティは、素人目でしかありませんが、「ゴジラ‐1.0」をはるかに上回っていたように思います。ゴジラの造型のオリジナリティも含め、やはり本作品には別格の存在感がありますね。『シン・ゴジラ:オルソ』DVDDVD庵野秀明東宝〔映画〕シン・ゴジラ:オルソ
大人のための生物学の教科書 最新の知識を本質的に理解する (石川 香・岩瀬 哲・相馬 融)
いつも利用している図書館の新着本リストで目についた本です。高校生のときは文系クラスだったので、理科は「化学Ⅰ」「生物Ⅰ」を選択していました。そのころから生物はそこそこ得意で、今でも「生物学」については結構関心があります。本書は、ブルーバックスの新刊ということもあり、さっそく手に取ってみました。最近の話題を踏まえたテーマの選択は、私のような“生物学素人”にはありがたいですね。それそれの章ごとに興味深い話は多々ありましたが、その中から特に印象に残ったものをいくつか覚えとして書き留めておきます。まずは、「呼吸と発酵」。「呼吸」の基本で私が誤解していたところです。「呼吸(酸素を利用した好気呼吸)」は「解糖系→クエン酸回路→電子伝達系」というステップでATP(アデノシン三リン酸)を生成します。(p61より引用)ここ...大人のための生物学の教科書最新の知識を本質的に理解する(石川香・岩瀬哲・相馬融)
2024年に放映された人気TVアニメで、「シーズン5」です。本作品は原作コミックは読んだことがないのですが、これまでのアニメも公開された映画も一通り観ています。とはいえ、熱狂的なキングダムファンというわけではなく、正直言って、ここまでくるとかなり“惰性”の感があります。本シリーズの主役は「桓騎将軍」。その戦略眼は比類なきもので、まさに目的のためには手段を選ばない冷酷無比の強烈なキャラクタですね。キングダムシーズン5収録13話完全版Blu-ray監督:今泉健一脚本:高木昇ZXDUHFUDF〔アニメ〕キングダム(シーズン5)
2023年に放映されたTVアニメです。原作のコミックは2018年から2021年にかけて連載され完結しているとのこと。本配信は「第一期」です。ここ数年はこういった感じのアニメがひとつの流行りのようですね。綺麗な絵と次々に順をおって登場する強力な敵役という構成は、PCゲームと同根です。本作品ですが、主人公たちの個性的なキャラクタがちょっと気になるので、シーズン2が配信されれば観るでしょうね。地獄楽「傘と墨」MAPPA〔アニメ〕地獄楽(シーズン1)
2023年に公開された日本映画です。公開時には劇場でも観たのですが、早くも配信サービスで提供されていたので観直しました。日本のみならず海外でも評価が高く、第96回アカデミー賞では邦画・アジア映画史上初の視覚効果賞を受賞した作品で、素晴らしい出来栄えであることは否定しませんが、やはり2度目になるとインパクトは半減以下になりますね。ストーリーも単調ですし、ゴジラの造型も衝撃的だった「シン・ゴジラ」には及びません。あと演出面での疑問。劇場で観たときもそうだったのですが、沈んでいくゴジラに向かっての“敬礼”のシーンは意味不明です・・・。『ゴジラ-1.0』2枚組[Blu-ray]Blu-ray2枚組山崎貴東宝〔映画〕ゴジラ-1.0
いつも利用している図書館の新着本リストで目についたので手に取ってみました。エジプト聖刻文字、楔形文字、ヒッタイト文書、ウガリット文書、ミュケーナイ文書、「古代文字の解読」という日ごろ触れることのないジャンルは大いに気になりますね。1964年発刊の著作が底本ということなので、今から半世紀以上前の内容ですが、当時の時代感も合わせて感じられる興味深いものでした。ただ、とても残念で情けないことに、本書に記された解説は言語学の専門的記述ばかりで、正直そちらの方面には全く門外漢の私にとっては全くついていくことができませんでした。そのなかで、何とか解説のイメージが浮かんだところを書き留めておきましょう。エジプト聖刻文字と楔形文字の「解読の手順についての相似」に触れたくだりです。(p134より引用)アケメネス朝の王達の刻...古代文字の解読(高津春繁・関根正雄)
2019年に公開されたアメリカ映画です。1972年のユナイテッド・カリフォルニア銀行強盗事件に着想を得た作品とのことですが、犯罪映画というよりも、ライトタッチのコメディ的なテイストです。トラヴィス・フィメルとレイチェル・テイラーが演じた主人公と恋人とのエピソードというもう一本の柱と絡みながらのストーリー展開は、とても効果的だったように思います。小気味好いラストシーンも印象的でした。映画としての評判はそれほど高くないようですが、私は結構気に入りましたね。バニシング'72[DVD]トラヴィス・フィメルHappinet〔映画〕バニシング'72
2023年に公開された日本映画です。エンターテインメント性に大きく振ったつくりなので、銀行を舞台にしていますが、描かれたエピソードにはリアリティは全くありません。気楽に楽しめるという点では、こういった作品もたまにはいいですね。キャスティングも阿部サダヲさんをはじめとして、橋爪功さん、佐々木蔵之介さん、柄本明さん、柳葉敏郎さんといった芸達者で固められていて、無難な仕上がりです。20年ほど前の池井戸潤さんの小説が原作とのことですが、映画化にあたっては完全オリジナルストーリーで作り変えられているんですね。どのあたりが、どこまで変えられたのか、機会があれば原作も読んでみましょう。シャイロックの子供たち(本編DVD1枚)本編DVD池井戸潤松竹〔映画〕シャイロックの子供たち
2022年に公開された日本映画です。小説の物語は静かなトーンで進んでいきますが、主人公二人の対照的な性格と深入りし過ぎない関係が繊細なタッチで描かれていました。若手の俳優さんの中でも、その実力と存在感を発揮しつつある岸井ゆきのさんと浜辺美波さんが主演を演じたちょっと変わったテイストの作品ですが、二人のシナジーがうまく活きていたように思います。やがて海へと届く[Blu-Ray]通常盤岸井ゆきのHappinet〔映画〕やがて海へと届く
2023年に公開された日本のアニメーション映画です。水木しげるさんの代表作「ゲゲゲの鬼太郎」を原作としていますが、“水木しげる生誕100年記念作品”との位置づけで制作されたオリジナル作品です。なので、当初の「ゲゲゲの鬼太郎」のTVアニメを知っているファンからみると、鬼太郎が主人公ではない分、かなり意表を突かれた感覚でしょうね。他方、「ゲゲゲの鬼太郎」に馴染みのない観客にとっては、一風変わったテイストの「サスペンス」作品のように感じたかもしれません。ともかく作り手側にとっては、“鬼太郎の誕生”のエピソードに結び付けるのにかなりの苦労があったことでしょう。その苦労は十分に感じられる出来栄えでした。鬼太郎誕生ゲゲゲの謎関俊彦〔映画〕鬼太郎誕生ゲゲゲの謎
いつも利用している図書館のテーマ本コーナーで目についたので手に取ってみました。私は結構「落語」が好きで、夜、寝る前に布団に入ってCDで落語を一席聞くのが、このところの習慣のようになっています。さて、本書、改めて「落語の入門書」にはどんなことが書かれているのか楽しみに読み始めたのですが、落語の演目や落語家の紹介、寄席への誘い、落語家の平生をはじめ、落語で描かれた江戸風情の解説まで多彩なトピックが取り上げられていて、なかなかに楽しめる内容でした。著者の稲田和浩さんは、私とほぼ同年代ということもあり、昭和を中心とした部分の解説はスッと入ってきましたね。ゼロから分かる!図解落語入門稲田和浩世界文化社ゼロから分かる!図解落語入門(稲田和浩)
1984年に公開された日本映画です。テレビで人気だった「必殺仕事人シリーズ」の映画版で、ストーリーよりもエンターテインメントに徹した演出や豪華な出演者が見どころですね。今回は、藤田まことさん、山田五十鈴さんをはじめとしたいつものメンバに加えて、片岡孝夫(現・十五代目仁左衛門)さん、中井貴恵さん、芦屋雁之助さん、研ナオコさん、朝丘雪路さんといった面々、特に片岡孝夫さんは流石に別格の存在感でしたね。別格といえば、赤塚不二夫さんも“漫画のキャラクタ”と一緒に登場していました。私にはこちらの方がインパクト大です。<あの頃映画>必殺!THEHISSATSU[DVD]藤田まことSHOCHIKUCo.,Ltd.(SH)(D)〔映画〕必殺!THEHISSATSU
2023年に公開されたアメリカ映画です。航空機トラブルを発端としたアクション作品で、設定はかなり無理筋ではありますが、ストーリーの中に2つの大きな山場を設けた構成は当たりでした。主演のジェラルド・バトラーは民間航空機の機長というキャラクタではありませんが、本作のような渋い役どころだとしっくりきますね。また、過度に悲惨なシーンが少なかったのもよかったと思います。ロスト・フライトDVDDVDジェラルド・バトラーポニーキャニオン〔映画〕ロスト・フライト
2024年に放映されたテレビアニメです。原作は韓国のWeb小説とのことですが、タイムトラベルで現代の医療技術を過去に披露するプロットは「JIN仁」でお馴染みです。本作では、その設定が典型的な“少女コミック”的ストーリーに組み込まれたもので、トータルとしてはとてもシンプルなHappyEndの物語に仕立てあげられています。主人公が直面するエピソードもハードではなく、安心して楽しめる作品でしょう。【Amazon.co.jp限定】外科医エリーゼBlu-ray全巻購入セット〔アニメ〕外科医エリーゼ
2022年に公開された日本映画です。原作のコミックは1989年に連載されたものなので、かなり前の作品ですね。その後1995年にスタジオジブリのアニメとして映画化され、さらにオリジナルストーリーも加えて今回の実写版が登場ということのようです。ストーリーは“ベタ”で、ファンタジックな要素も中途半端でした。正直なところ、かなり残念な出来栄えだと思います。同じ原作でジブリアニメはどう魅せているのか、ちょっと気になりますね。耳をすませばブルーレイ&DVDセット[Blu-ray]DVD+ブルーレイ(DVD本編ディスク/2Dブルーレイ本編ディスク)柊あおいソニー・ピクチャーズエンタテインメント〔映画〕耳をすませば
須賀敦子さんの作品は、10年以上前に「ヴェネツィアの宿」を読んだことがあるのですが、それ以来になります。ずっと気になっていた作家さんですが、今般「精選女性随筆集」の中に見つけたので手に取ってみました。どの作品も上品で繊細な感性が漂いながらも、しっかりと須賀さんの思索の流路が綴られていますね。ということで、載録された作品の中から、特に、私の印象に残ったくだりを(かなりの長文になりますが)覚えとして書き留めておきます。父との思い出をモチーフにした「オリエント・エクスプレス」と題した小文。須賀さんは、重篤な病状にあるお父様に贈るコーヒーカップを手に入れるためにミラノ中央駅のホームに向かい、入線していたオリエント・エクスプレスの車掌長に話しかけました。(p97より引用)ヨーロッパの急行列車でも稀になりつつある、威...精選女性随筆集第九巻須賀敦子(川上弘美編)
2023年に公開された日本映画です。真保裕一さんの小説が原作で映画化された作品ですが、先に観た「法廷遊戯」と同様、最近のこういった感じの作品には“当たり”がありませんね。原作がそうなのか、映像化するときの演出でそうなってしまっているのか、そもそものプロット設定で細部へのこだわりがないので、映画として観たとき、事件のリアリティや登場人物の発する緊迫感が全く伝わってきません。本作でいえば、舞台となった政治の世界の描き方も表層的なステレオタイプですし、肝心の犯人の犯行内容と動機との連関もかなり無理筋でした。おまえの罪を自白しろ(本編DVD1枚)[DVD]通常版中島健人松竹〔映画〕おまえの罪を自白しろ
2023年に公開された日本映画です。弁護士でもある五十嵐律人さんの小説が原作で映画化された作品で、いわゆる“法廷モノ”ですが、正直なところまったく入っていけませんでした。アメリカの法廷モノとは全く別物ですね。プロット自体のリアリティが極めて希薄なのでストーリーが上滑りしているように感じたのが最大の要因ですが、併せて登場人物のキャラクタや相互関係も“作為的”過ぎて全く興覚めでした。法廷遊戯通常版[DVD]永瀬廉TCエンタテインメント〔映画〕法廷遊戯
2002年に公開されたアメリカ映画です。実際に発生した事故に着想を得た作品とのことですが、「潜水艦」という極めて特殊な環境設定は「緊迫した場面」を作りやすいこともあるのか、今までも数多く映画に使われています。また、そういった閉鎖空間の中での「人間関係の軋轢」もお決まりのパターンです。まさに本作品もそうなので、ストーリーについては想定の範囲内でした。ただ、相対峙する二人の主要人物として超重量級のハリソン・フォードとリーアム・ニーソンが並んで登場するとなると、さすがに見応えが増しますね。K-19[DVD]ハリソン・フォード日本ヘラルド映画(PCH)〔映画〕K-19
2023年~24年に放映されたアニメ作品です。基本的には、よくある“ロードムービー”的な構成ですが、モチーフも作画タッチも登場人物もひと味違っていて、独特の世界観を持ったなかなかの出来栄えの作品ですね。人としての“やさしさ”、人と人とのつながりの“ゆたかさ”が心地よい空気感で伝わってきます。特に、主人公のフリーレンとその弟子フェルンのキャラクタ設定は秀逸で、それにそれぞれの声優の方の繊細な表現力が加わって、見事なファンタジーに仕上がっていると思います。「週刊少年サンデー」に連載中のコミックが原作ですが、そちらはまだ続いているようなので、アニメとしても「シーズン2」が制作されるかもしれませんね。「葬送のフリーレン」Blu-ray(Vol.1初回生産限定版)山田鐘人東宝〔アニメ〕葬送のフリーレン
2019年に制作されたイギリスの長編ドラマです。アガサ・クリスティが離婚後中東に旅行したという実際のエピソードをモチーフに、彼女自身が主人公となって「遭遇した事件の謎解きをする」という設定のミステリーです。ただ、ストーリー自体、ごちゃごちゃした感じでスッキリしません。ミステリーとしての構成が入り組んでいるというより、ミステリー以外のあれやこれやの要素が入り混じって、いったい“なに料理なのか”わからなくなっているようです。出来栄えとしては、かなり残念なレベルですね。アガサとイシュタルの呪い(字幕版)リンゼイ・マーシャル〔ドラマ〕アガサとイシュタルの呪い
いつも聴いている大竹まことさんのpodcast番組に著者の内田樹さんがゲスト出演していて、本書についてお話ししていました。内田さんの著作はいままでも「日本辺境論」をはじめとして何冊か読んでいます。内田さんの主張は、ご自身の“思考の軸足”にブレがないので、昨今のいろいろな社会事象に関する私自身の考え方の揺らぎをアジャストするのにとても参考になります。ということで、いつもながら興味深い気づきは多々ありましたが、それらの中から特に印象に残ったものをいくつか覚えとして書き留めておきます。まずは、「選挙と公約」というタイトルの小文から、「日本の有権者の投票行動における決定要因」について、内田さんの理解を語っているところです。(p98より引用)選挙における政党の得票の多寡と、政党が掲げる公約の適否の間には相関がない。...街場の成熟論(内田樹)
2020年に公開された日本映画です。2011年公開の韓国映画のリメイク版とのことですが、今どきここまで“ベタ”なストーリーは珍しいですね。よくもまあこんな偶然が続くのかといった“割り切った”つくりの作品を、何の衒いもなくストレートに演じ切る吉高由里子さんは、とても稀有なキャラクタの持ち主と言えるでしょう。きみの瞳が問いかけているDVDスタンダード・エディション吉高由里子ギャガ〔映画〕きみの瞳が問いかけている
2023年に公開された日本映画です。小山薫堂さんのオリジナル脚本で、「湯道」という独創的なモチーフをベースにした“人情モノ”といった感じのコミック作品ですね。キャスティングは、小日向文世さんや柄本明さんをはじめとして、笹野高史さん、寺島進さん、吉田鋼太郎さん、角野卓造さん、そして、夏木マリさん、戸田恵子さん、吉行和子さん・・・、と、なかなか芸達者な役者さんを揃えていて結構楽しめました。ヒロインの橋本環奈さんは、こういったライトなノリの作品では、その朗らかな魅力が活きますね。湯道DVD通常版4550510080994生田斗真NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン〔映画〕湯道
1994年に公開されたアメリカ映画です。“復習モノ”のアクション・サスペンス作品ですが、設定やストーリーは今ひとつ工夫に乏しく、出来栄えとしては、“B級”の域を出ていません。キャスティング面で言っても、主役のジェフ・ブリッジスも、まだ中堅どころのフォレスト・ウィテカーも特筆するほどの存在感は発揮していません。強いて言えば、ちょっとサイコパス的な敵役を演じたトミー・リー・ジョーンズが目立っていたぐらいでしょうか。ブローン・アウェイ復讐の序曲[DVD]ジェフ・ブリッジス20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン〔映画〕ブローン・アウェイ/復讐の序曲
2020年に公開された日本映画です。ともかく、広瀬すずさんにフィーチャーした作品なので、内容は何でもよかったのでしょう。人気“コミック”の実写化が一番手っ取り早かったのかもしれませんね。しかしこの映画、広瀬さんを取り巻く出演者の方々はこれでもかというぐらい豪華絢爛です。吉沢亮さん、堤真一さん、リリー・フランキーさん、木村多江さん、松田翔太さん、柄本時生さん、西野七瀬さん、城田優さん、原日出子さん、真壁刀義さん、野口聡一(JAXA宇宙飛行士)さん、佐藤健さん、池田エライザさん、志尊淳さん、大友康平さん、竹中直人さん、妻夫木聡さん・・・このレベルの皆さんがほんの1シーンのために集められるのですから、作品としての力の入れようは半端ではありません。一度死んでみた広瀬すず〔映画〕一度死んでみた
2023年に公開された日本映画です。2021年に放映されたテレビドラマの「続編」という位置づけの作品です。「救急医療現場」が舞台の物語は、ドラマチックなエピソードを織り込みやすく、また登場人物の善悪がはっきりしたステレオタイプのつくりに仕立てやすいので、“単純エンターテインメント”に馴染みます。本作品もまさにそうで、あれこれあっても結局のところ予定調和のHappyEndに収まっています。まあ、気楽に安心して楽しめる作品も、時には貴重でしょう。劇場版『TOKYOMER~走る緊急救命室~』通常版[Blu-ray]鈴木亮平TCエンタテインメント〔映画〕劇場版『TOKYOMER~走る緊急救命室~』
かなり以前に読んでいた内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”ですが、このところ、私の出張先が舞台となった作品を、あるものは初めて、あるものは再度読んでみています。ただ、私の出張先も以前勤務していた会社のころを含めるとそこそこの都道府県にわたるので、どうせなら“浅見光彦シリーズ”の制覇にトライしてみようと思い始ました。この作品は「第20作目」です。今回の舞台は佐賀の“唐津”“有田”。唐津には昔熊本勤務時代に家族で訪れたことがあります。作品に登場している“呼子”にも足を伸ばしました。また本作品は“陶芸”がモチーフになっているのですが、“有田”にはここ数年、毎年のように顔を出しています。町の中心から少し外れたところにある「CHINAONTHEPARK」は深川製磁の工房やギャラリーがあって見学するだけでも楽しいです。...佐用姫伝説殺人事件(内田康夫)
2006年に公開された日本映画です。1976年、一連の「角川映画」のヒットシリーズの嚆矢として制作された「犬神家の一族」のリメイク版です。素人目には、新旧でシナリオや演出もかなり似通った感じなので、大きな違いは、キャスティングということになりますね。主要人物の犬神家の三姉妹は、旧作の高峰三枝子さん、三条美紀さん、草笛光子さんに対し、新作では富司純子さん、松坂慶子さん、萬田久子さん。ヒロイン役は、島田陽子さんに松嶋菜々子さん。どちらもその当時としては超豪華な面々で“甲乙つけ難し”です。そんな中、私としては、坂口良子さんと深田恭子さんの対比が一番際立ちましたね。坂口さんは、この後の横溝正史原作の金田一耕助シリーズには欠かせない存在感を醸し出していました。犬神家の一族(2006)[DVD]石坂浩二KADOKAW...〔映画〕犬神家の一族(2006)
1988年に公開された日本映画です。原作は、井上靖さんの同名の小説なので、どの部分までが「史実」なのか・・・、当時隠匿された幾万もの経典が20世紀に発見され“敦煌学”の礎となったのは事実ですが、それ以外はどうなんでしょうね。さて「映画」としての印象ですが、ストーリーで惹きつけられるというところはなく、また、役者の方々のパフォーマンスも、異国の長期ロケで大変だったとは思いますが、正直なところ特筆して云々ということもありませんでした。見どころといえば、多数の人と馬を動員しての大規模な戦闘シーンぐらいでしょう。中国を舞台にした日本の時代劇のようで、やはりちょっと不自然さが先に立ったようです。敦煌[DVD]西田敏行KADOKAWA/角川書店〔映画〕敦煌
2024年に公開された日本映画です。30年以上前の東野圭吾さんのミステリー小説が原作の作品ですが、映画化にあたって、そこそこストーリーに手が入っているようです。なので、原作を踏まえたミステリーの出来としての評価はできませんね。ただ「映画」としてはどうでしょう・・・、出演者が「劇団員」ということで意識的だったのかもしれませんが、台詞回しは妙に不自然、演出も、役者さんが整列して順番に演技といった“学芸会”的なノリで、かなり残念なレベルでした。ある閉ざされた雪の山荘で重岡大毅〔映画〕ある閉ざされた雪の山荘で
1996年に公開された日本映画です。「必殺仕事人」シリーズのテレビドラマは結構リアルタイムで見ていました。本作品は、その「中村主水シリーズ」の幕引き、最終回との位置づけです。ラストシーンは、今後の復活があっても大丈夫なように“無理やりの連続性”は確保した形にはしていますが、これはこれで“TheEnd”にした方がいい出来栄えでした。ストーリーはともかく、出演者の面々の個々の存在感が格別でしたね。藤田まことさんのメリハリの利いた凄み溢れる表情はもちろん、敵役の津川雅彦さんの“怪演”はまさに彼ならではの迫力でしたし、ヒロイン役の名取裕子さんもとても魅力的でした。あとは、東ちづるさん、美保純さん、細川ふみえさんといった懐かしい方々・・・。最近は、こういった“コテコテのエンターテインメント時代劇”はめっきり見かけな...〔映画〕必殺!主水死す
2023年に公開された日本映画です。2020年公開の台湾映画の「リメイク版」とのことです。タイムトラベルものに代表されるように「時間」の見せ方の工夫は、映画の奇抜なプロットの定番のひとつですが、この作品の設定はなかなか秀逸でした。また、宮藤官九郎さんの脚本も“さわやか系”で、キャスティングと合わせてとても心地よいものだったと思います。そのキャスティングですが、やはり最高に魅力的だったのは、やはり清原果耶さん。気になる若手女優さんの筆頭格ですが、こういう自然体のキャラクタもいいですね。あとは、久しぶりの羽野晶紀さん。そして笑福亭笑瓶さん・・・。1秒先の彼[DVD]岡田将生TCエンタテインメント〔映画〕1秒先の彼
いつも聴いている大竹まことさんのpodcastの番組に著者の伊澤理江さんがゲスト出演していて、本書についてお話ししていました。漁船(第58寿和丸)沈没事故発生(2008年6月23日千葉県銚子市犬吠埼灯台の東方沖350km)から11年後の2019年、別の取材で訪れた小名浜港(福島県いわき市)での事故関係者たちの会話をきっかけに、その沈没時の状況とそれに対する公式報告の不自然さを奇異に思った伊澤さんが、事故の真相を粘り強い調査・取材で顕かにして行きます。数々の興味深いエピソードが記されていましたが、それらの中から特に私の関心を惹いたところをいくつか書き留めておきましょう。まずは、第58寿和丸の運輸安全委員会による事故報告書。それは、まさに東日本大震災が福島を襲った直後に公表されました。(p145より引用)そう...黒い海船は突然、深海へ消えた(伊澤理江)
2023年に公開された日本映画です。オンライン小説が原作とのこと、実写映画のほかにも、コミック・朗読劇・アニメなどいろいろなメディアで人気を博しているようです。物語は、“SFファンタジー”的なテイストですが、キャスティングも、目黒蓮さん、今田美桜さんという旬な二人のダブル主演で、要は「ロマンチック・コメディ」ですね。よくあるトラブルもおとなしめで、とても素直なストーリーだと思います。エンドロール後のワンシーンは続編を予期させるものですが、どうでしょうね。まさかですが、今度は「ヒロインもの」になるのでしょうか・・・。わたしの幸せな結婚DVD通常版[DVD]DVD通常版塚原あゆ子東宝〔映画〕わたしの幸せな結婚
2022-23年に放映された日本アニメです。「キャプテン翼」をはじめとして「サッカー」をモチーフにしたコミック・アニメはそれこそ山のようにありますが、ここまで“サッカー”らしくない描き方をされたものは寡聞にして知りません。ともかく、「方程式」だとか「化学反応」だとか、放送の半分が“ウジウジした独白”で埋まっているので、私にはまったく合いませんでした。こんなことを考えながらサッカーをしていて楽しいですか?と聞きたくなります。ブルーロック第12話二次選考(セレクション)〔アニメ〕ブルーロック
2011年に公開されたアメリカ映画です。ネタバレで済みません。「二重スパイ」という設定は“ひと昔前のスパイ映画”といった趣きですが、ラストのサプライズで、二重スパイをさらに交錯させたのはなかなか面白いアイデアですね。ただ、キャスティング面でいうと、ちょっとピンときませんでした。リチャード・ギアといえば、私の場合、「プリティ・ウーマン」や「ShallWeDance?」をまずは思い浮かべてしまうので、本作での“冷酷なスパイ”という役柄にはちょっと線が細く、押し出し不足といった感じは否めませんでした。顔のないスパイDVDリチャード・ギアTCエンタテインメント〔映画〕顔のないスパイ
2022年に公開された日本映画です。立川志の輔師匠の創作落語が原作とのこと、ご本人も出演しています。現在と江戸時代の2つの時間軸で物語は進んでいきますが、役者のみなさんが「ひとり二役」で異なる時代の登場人物を演じる構成と演出は、なかなか面白いアイデアですね。ストーリー自体は極めてシンプルでこれといったインパクトはないのですが、橋爪功さん、平田満さん、西村まさ彦さんといった一筋縄ではいかない面々が、“いぶし銀”的ないい味を出していました。大河への道[DVD]通常版DVD立川志の輔松竹〔映画〕大河への道
2013年に公開されたアメリカ映画です。有名な童話をモチーフに、その“後日譚”という設定のホラーファンタジー作品ですね。ジェレミー・レナー、ジェマ・アータートンにファムケ・ヤンセンというキャスティングは結構魅力的なのですが、如何せん、ストーリー自体がかなり情けない水準なので、エンターテインメント作品としては今ひとつといった出来栄えでした。ヘンゼル&グレーテル[DVD]ジェレミー・レナーパラマウントホームエンタテインメントジャパン〔映画〕ヘンゼル&グレーテル
2009年に公開された日本映画です。西川美和さんのオリジナル作品で、監督・脚本も彼女です。“にせ医者”という設定自体はそれほど珍しくはありませんが、「嘘と嘘」を重ねる構成は秀逸でしたね。そして見事なキャスティング。映画初主演の笑福亭鶴瓶さんも話題になったようですが、やはり“演じる”という面では、余貴美子さん、八千草薫さんのお二人は別格でした。あとはラスト。こんなことが起こるかという不自然さはありますが、印象的なシーンでしたね。八千草さんの視線の動きとそれに伴う微妙な表情の変化、これで決まりです。ディア・ドクター[DVD]笑福亭鶴瓶バンダイビジュアル〔映画〕ディア・ドクター
いつも利用している図書館の新着本リストで目についたので手に取ってみました。東浩紀さんの著作は「ゲンロン戦記-「知の観客」をつくる」に続いて2冊目です。先の本は“ビジネス書”的な内容だったので、この著作では、本来?の東さんらしい思索的メッセージに触れられるかと期待して読んだものです。多彩なテーマに関する東さんらしいコメントや示唆がありましたが、それらの中から特に私の関心を惹いたところをいくつか書き留めておきましょう。まずは、「はじめに」に記されている「訂正する力」の定義。(p4より引用)ものごとをまえに進めるために、現在と過去をつなぎなおす力。それが本書が言う「訂正する力」です。“リセット”とは違います。“老いる”ことも「訂正」のひとつの姿だというのです。(p6より引用)では、老いるとはなんでしょうか。それ...訂正する力(東浩紀)
2015年に制作されたカナダ、アイルランド、イギリス、アメリカの合作映画です。物語の設定がとてもシビアなものなので、作りようによっては大味の荒れた感じになるところですが、過度にセンセーショナルにならないよう演出はかなり抑えられていますね。その分、登場人物の立場ごとにひとりひとりしっかりとキャラクタ分けをして、難しい人間模様を落ち着いたトーンでまとめ上げた良質の作品だと思います。キャスティング面では、子役のジェイコブ・トレンブレイの秀逸さが目立ちましたが、ブリー・ラーソン、ジョアン・アレンらのしっかりした演技も印象に残りました。ルームスペシャル・プライス[Blu-ray]ブリー・ラーソンHappinet〔映画〕ルーム
2023年に公開された日本映画です。オリジナル戯曲が原作の“サスペンス”テイストの作品です。ただ、サスペンスといっても、主人公の生きし方を辿るかたちで、粛々と物語は進んでいきます。プロットの秀逸さや構成の繊細さに加え、本作の場合は、キャスティングされた役者のみなさんの演技が見事だったと思います。主演の杉咲花さんの熱演はもちろんですが、相手役の若葉竜也さん、森永悠希さん、そして宇野祥平さんに中村ゆりさん。なかでも、中村ゆりさんの迫真の演技は印象に残りました。市子[DVD]通常盤杉咲花,若葉竜也,森永悠希,倉悠貴Happinet〔映画〕市子
1987年に公開されたアメリカ映画です。一昔前の“サスペンス”作品です。そもそもの設定もラフですし、ストーリー自体も全くリアリティが感じられない稚拙なつくりですが、エンターテインメント作品としてはシンプルに楽しめます。ただ、最後のサプライズはいかがなものでしょう。途中にもう少し伏線を仕込んでおかないと少々無理筋のような感じがします。キャスティング面では、ケヴィン・コスナーとジーン・ハックマンという大物の共演がウリのようですが、ストーリーに深みがないこともあり、ふたりとも物足りなさを感じる出来でした。特にジーン・ハックマンは、かなり“情けない”役回りで、何とも勿体なかったですね。追いつめられて[DVD]ケビン・コスナーユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン〔映画〕追いつめられて
いつも聴いている茂木健一郎さんのpodcastの番組に著者の國分功一郎さんがゲスト出演していて、茂木さんと本書についてお話ししていました。なかなか面白そうなやり取りだったので、ちょっと気になって手に取ってみました。(数年前に出版された本ですが、文庫化されて、近場の図書館ではいまだに10人以上の待ち行列でした)数々の興味深い思索の解説がありましたが、それらの中から、私が関心を惹いて理解できたような感触を得たところをひとつ書き留めておきましょう。それは、「人類の定住化と退屈との関係」について。人類の“定住化”は約1万年前から食糧生産に先だって中緯度地方にて始まったとのことですが、國分さんは「定住によって人間は、退屈を回避する必要に迫られるようになった」と指摘しています。遊動生活では移動のたびに新たな環境に適応...暇と退屈の倫理学(國分功一郎)
2010年に公開されたアメリカ映画です。主人公の心理的葛藤を軸にしたドラマチックな作品かと思っていたのですが、予想以上に“サイコ・サスペンス”色が強かったですね。映像の作りとしては、幻覚のシーンが現実と混然一体化しているので、様子が分かるまでは、観ていて結構混乱してしまいました。キャスティング面では、主役を演じたナタリー・ポートマンは評判どおりの熱演で素晴らしかったのですが、私としてはライバル役のミラ・クニスのインパクトの方が新鮮でより印象に残りました。いずれにしても、二人ともキャラクタのコントラストを見事に描いていたように思います。ブラック・スワン[Blu-ray]ナタリー・ポートマンウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社〔映画〕ブラック・スワン
2016年に公開されたアメリカ映画です。サスペンス・スリラーという謎めいた雰囲気を起こそうとしてか、設定やストーリーは“グダグダ”していて、私の好みではありませんでした。まあ、エミリー・ブラントとレベッカ・ファーガソンの共演ということで観てみたというのが正直なところなので、そのあたりは少々目を瞑らないとだめなのでしょうね。とはいえ、それぞれが演じる役柄のコントラストは冴えていました。演技面では、ふたりとも流石の存在感で、“見応え”は十分に及第点でした。ガール・オン・ザ・トレイン[DVD]エミリー・ブラントNBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン〔映画〕ガール・オン・ザ・トレイン
1957年に制作されたアメリカ映画です。アメリカではひとつの定番ジャンルとなっている“法廷もの”の金字塔ともいうべき作品です。無用なサプライズはなく、真っすぐに結末に向かって物語が展開されますが、それで十分“サスペンス”としての緊張感を醸し出していますね。確かに「名作」だと思います。映画を離れても、“裁判の本質”を考えるまたとない題材ですね。本作品と同じようなケースを想定すると「同調圧力」が大手を振っている日本ではどう物語は進むのでしょうか。主人公のような行動をとる人物は稀だとすると、冤罪を防ぐ最後の砦が必須になりますが・・・。十二人の怒れる男[Blu-ray]ヘンリー・フォンダワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント〔映画〕十二人の怒れる男
このところ気分転換に読んでいるミステリー小説は、全シリーズ読破にチャレンジしている内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”に偏っているのですが、時折は、ちょっと息抜きとして、今まであまり読んだことのない作家の方々の作品にトライしてみようと思っています。今回は、いつも利用している図書館で目についた本です。北海道が大好きな私にとって“旅情ミステリー”と小さく付記された「札幌時計台殺人事件」というタイトルは問答無用で気になりました。著者の木谷恭介さんは、内田康夫さんより7歳年上の作家で、たぶんその作品を読むのは初めてだと思います。さて、ミステリー小説なのでネタバレになるとまずいので内容には触れませんが、読んでみると、典型的な「2時間ドラマの原作」のような印象でした。主人公のキャラクタ設定や謎解きで訪れる場所は、まさに...札幌時計台殺人事件(木谷恭介)
2001年に公開されたアメリカ映画です。アクション・コメディですね。伏線を回収したラストのサプライズまでストーリー展開のテンポがあがらず、エンターテインメント作品としては“可もなく不可もなし”という印象でした。半面、キャスティング面ではなかなかインパクトはありましたね。ビリー・ボブ・ソーントンの芸達者ぶりは刮目すべきものでしたし、何と言ってもケイト・ブランシェットの存在感は別格だったように思います。バンディッツ〈特別編〉[DVD]ブルース・ウィリス20世紀フォックスホームエンターテイメント〔映画〕バンディッツ
2021年に公開されたアメリカ映画です。サスペンステイストですが、ありがちな狭い世界を舞台に設定しているので、特段これといった特徴のないストーリー展開になってしまいました。キャスティング的には、マイケル・キートン、サミュエル・L・ジャクソン、マギー・Qとなかなかに豪華なのですが、かなり勿体ない出来栄えですね。特に、マイケル・キートンの役どころがしっかり作りこまれていないので、物語の芯になる人間関係が観ていてしっくりこないのだと思います。これでは、単にマギー・Qを魅せるための映画のようです。まあ、それならそれでいいのですが・・・マーベラススペシャル・プライス[DVD]通常盤マギー・Q,マイケル・キートン,サミュエル・L.ジャクソンHappinet〔映画〕マーベラス
2022年に公開された日本映画です。平野啓一郎さんの長編小説が原作のサスペンスタッチの作品です。テーマの置き方によっていろいろな見方ができますね。そのあたりの重畳性を、安藤サクラさんをはじめ、妻夫木聡さん、窪田正孝さん、眞島秀和さん、柄本明さんら芸達者なキャスティングでしっかりと作りこんでいたように思います。特に柄本さんは、いかにも彼ならではの“怪演”が印象的で、なかなか見応えがありました。ストーリー、映像、キャスティングのバランスが秀逸で、和製エンターテインメントとしては、いい出来栄えの作品ですね。ある男[DVD]通常版DVD平野啓一郎松竹〔映画〕ある男
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2025年11月18日をもってgooblogがサービス終了するとのこと。2014年9月13日に「OCNブログ人」の終了により引っ越してきて、10年以上お世話になりました。今後このBlogは、4月18日より、「はてなブログ」(https://norio0923.hatenablog.com/)に移行して続けていきます。引き続きよろしくお願いいたします。〔お知らせ〕gooブログから引越しします
日本経済新聞の書籍紹介の欄で書評家の東えりかさんが取り上げていました。前野ウルド浩太郎さんの著作は初めてです。本書は、7年前に出版し新書大賞を受賞した「バッタを倒しにアフリカへ」の続編とのこと、エネルギッシュなタイトルも刺激的です。期待どおりインパクトのあるエピソードが数多く紹介されていましたが、その中でも特に印象に残ったところをいくつか書き留めておきます。まずは、「論文作成の現実」についてです。学術論文では当然なのでしょうが、記述内容はどんなに些細なことであってもすべて実際に確認されていなくてはならないという“探求への真摯さの程度”には改めて驚かされました。「卵母細胞は毎日、徐々に大きくなる」「メスは自力でオスを蹴っ飛ばすのに苦労する」といった一行にも満たない記述の裏には、解剖や実験にもとづく測定数値が...バッタを倒すぜアフリカで(前野ウルド浩太郎)
1979年に「宇宙戦艦ヤマトIIヤマトよ永遠なれ!」というタイトルで放送され、1985年「宇宙戦艦ヤマト2総集編」に改題され再放送された日本のアニメ作品です。大ヒットしたテレビアニメ「宇宙戦艦ヤマト」は劇場映画化され、その続編として「さらば宇宙戦艦ヤマト愛の戦士たち」が作られましたが、本作品は、同じ「白色彗星帝国」との戦いを描きつつもラストシーンをはじめかなり内容を改変して放映されたものです。両者の違いについてはそれぞれの捉え方があると思います。ドラマチックなエンディングという点では、「さらば宇宙戦艦ヤマト愛の戦士たち」の方に軍配が上がるのでしょうが、それをもたらしているメンタリティを思うと、やはり強い違和感を感じざるを得ません。宇宙戦艦ヤマト2総集編松本零士〔アニメ〕宇宙戦艦ヤマト2総集編
2024年に公開された日本映画です。安田淳一さん脚本・監督の自主製作映画ですが、第48回日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞という快挙を成し遂げました。“タイムスリップ”というモチーフは、映画ではそれこそ山のように前例があってオリジナリティはありませんが、登場人物のキャラクタやストーリーだてが素直だったせいか、とても自然に楽しませていただきました。ラストに向かうシーンの組み合わせも秀逸でしたし、作品に通底する“映画作り”への情熱は、はるか昔に観た「蒲田行進曲」に通じるものがありますね。ちなみに、エンドロールをみていると、作品で「助監督」役を演じた沙倉ゆうのさんは、本作そのものでも「助監督」だったようですし、安田監督にいたっては、編集や照明等、いたるところに「安田淳一」の名前があるのには笑ってしまいました。楽し...〔映画〕侍タイムスリッパー
かなり以前に読んでいた内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”ですが、このところ、私の出張先が舞台となった作品を、あるものは初めて、あるものは再度読んでみています。ただ、私の出張先も以前勤務していた会社のころを含めるとそこそこの都道府県にわたるので、どうせなら“シリーズ全作品制覇”にトライしてみようと思い始めました。この作品は「第42作目」です。今回の舞台は“奈良”。奈良は、仕事関係で出張に行ったことはなかったと思いますが、遥か昔の修学旅行やプライベートでの旅行では、大仏、興福寺、春日大社、唐招提寺や斑鳩あたりにも訪れています。またゆっくり散策してみたい町ですね。ミステリー小説ですからネタバレになるとまずいので内容には触れませんが、この作品、いつもの浅見光彦シリーズの展開や幕引きとは一味違っているように感じまし...平城山を越えた女(内田康夫)
1980年に公開された日本映画です。有名な黒澤明監督の作品ですが、私は黒沢作品は数えるほどしか観たことがありません。確かに、よくいわれているように「色」へのこだわりは随所に見られましたし、多数の騎馬や歩兵が登場する野戦のシーンの迫力は出色でしたね。その鉄砲と騎馬との戦いの描き方も、直接的な衝突を写すのではなく、それぞれのシーンを交互に挟み込み、野太い音楽とのセットで表現していたあたり、素人目にも強烈なこだわりが伝わってきます。キャスティングも仲代達矢さん、山﨑努さん、志村喬さん等々大物揃いでしたが、なかでも格別の存在感を発揮していたと私が感じ入ったのは大滝秀治さん、素晴らしい役者さんですね。あと、エンドロールで外国版プロデューサーとしてフランシス・コッポラ、ジョージ・ルーカスの二人の名前が並んでいたのは、...〔映画〕影武者
いつも聴いている大竹まことさんのpodcast番組に著者の東畑開人さんがゲスト出演していて紹介していた本です。臨床心理士として、メンタルの悩みを抱える本人はもとより、突然にそういった身近な人のケアをし始めた人たちのカウンセリングに携わっている東畑さんの話はとても興味深い内容なのですが、それらの中から特に私の関心を惹いたところをいくつか書き留めておきます。まずは、東畑さんが語る「こころのケア」の話に登場する基本概念、「ケア」と「セラピー」についてです。ケアとは何か?・ケアとは傷つけないことである・ケアとはニーズを満たすことである・ケアとは依存を引き受けることであるでは、セラピーとは何か?・傷つきと向き合うのがセラピー・セラピーとはニーズを変更することである・セラピーとは自立を促すことであるそして、ケアとセラ...雨の日の心理学こころのケアがはじまったら(東畑開人)
2024年に放映されたフランスのテレビドラマです。いうまでもなく北条司さんの往年の大ヒットコミック「キャッツ・アイ」の実写版。フランスでは1986年に日本版アニメが放送されて人気を博したとのことですが、原作とはかなり異なったテイストにアレンジされているので、評価は大きく分かれたようですね。私のような原作コミックをリアルタイムで知っている世代のファンからすると、あえて別物として捉えた方がよさそうです。正直な印象では、“B級”のノリのストーリー展開や現代フランスを意識したキャラクタ設定を楽しむといった作品でしょう。キャッツ・アイBIGBANDSTORY〔ドラマ〕Cat'sEyes
2003年に公開された日本映画です。向田邦子さん脚本のテレビドラマから始まり、映画・ドラマ・舞台とさまざまな形で何度となく作品化されました。昭和後期が舞台なので、当時の社会観念が色濃く出ている台詞や演出については、観る世代によって印象や評価がかなり変わるでしょうね。四姉妹を中心としたエピソードを綴るヒューマンコメディなので、姉妹や家族、それを取り巻く面々のキャスティングが興味を惹くところですが、本作の、大竹しのぶさん、黒木瞳さん、深津絵里さん、深田恭子さんの四姉妹、その両親に、仲代達也さん、八千草薫さん、さらには坂東三津五郎さん、桃井かおりさんと居並ぶラインナップは空前絶後、最強でした。特に八千草薫さんの雲をつかむようなほっこりしたキャラクタは出色でしたね。あとは、長澤まさみさん、まだオーラを発する前でし...〔映画〕阿修羅のごとく
このところ気分転換に読んでいるミステリー小説は、読破にチャレンジしている内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”に偏っているのですが、時折、以前よく読んでいた大沢在昌さんの作品の中から未読作にもトライしています。先日、“狩人シリーズ”の現時点での最新作「冬の狩人」を読んでみて結構面白かったので、今度はこのシリーズにも手を伸ばしてみようと思いました。というわけで、まずはシリーズ第1作目“北の狩人”、第2作目“砂の狩人”を読み終わり、今度は第3作目の本作という次第です。エンターテインメント作品なのでネタバレになるとまずいでしょうから内容には触れませんが、この作品も十分楽しめました。物語の展開という点では、かなりの部分まで多くの登場人物が次々と起こるエピソードに絡んできて、正直“ごちゃごちゃ”し過ぎている感じがしまし...黒の狩人(大沢在昌)
2024年に公開されたアメリカ映画です。ともかく観て単純に楽しめる“アクション・コメディ作品”です。スタントマンが主人公なのでスリリングなシーンが満載ですが、VFXでの映像制作にも少なからず生のスタント的な要素が不可欠なんですね。そのあたりの様子も興味深く知ることができました。あとは、キャスティング。エミリー・ブラントは芸域も広く私の好きな役者さんの一人なのですが、この作品では無難な役どころでかなり物足りませんでしたね。ちょっと残念ですが、まあこういった顔見世もあるのでしょう。フォールガイブルーレイ+DVD[Blu-ray]4550510120324ライアン・ゴズリングNBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン〔映画〕フォールガイ
2024年に公開された日本映画です。柚木麻子さんの小説が原作で、堤幸彦さんが監督のライト・コメディ作品ですが、少し前に全面休館となった「山の上ホテル」を舞台とした点も話題性がありますね。主人公はのんさんが演じているのですが、これが見事にはまっていましたね。ちょっと屈折したネアカのキャラを適度なメリハリで魅せてくれました。それを引き立てる相手役の滝藤賢一さん、田中圭さんもいい演技だったように思います。ストーリー、キャスティング、演出、そして舞台となったホテル、それぞれのよさが相俟って穏やかなバランスを醸し出していました。面白かったです、楽しめました。私にふさわしいホテル堤幸彦〔映画〕私にふさわしいホテル
いつも利用している図書館の書架をつらつらと眺めていて目につきました。私も世の中的にいえば“老人”と呼ばれる年代に突入してしまったので、タイトルにも親近感を抱きますね。著者の下重暁子さんは、NHKのアナウンサーとして活躍後フリーとなり、現在では文筆家として多彩なジャンルの作品を世に送り出しています。本書は、そんな下重さんの得意なテーマのひとつである“高齢化社会”を扱ったエッセイで、“明日は我が身”だからというノリもあって読んでみました。で、結果ですが、正直なところ、かなり期待外れでしたね。“私は、他の人たちとは考え方が違うんだという思い込み”が、強烈な自己主張という形でちょっと表に立ち過ぎていたようです。エッセイなら、著者ならではの“感性”が、とりあげたモチーフの捉え方のオリジナリティとともに伝わってくるの...老人をなめるな(下重暁子)
1998年に公開された日本映画です。“平成モスラ”シリーズ3部作の第3作目、完結編にあたる作品で、こちらも“こども向けSFファンタジー”ですね。今回の見どころはゴジラシリーズの人気キャラの「キングギドラ」の降臨ですが、この強敵と一戦を交えるために、「巨大な蛾」をあの手この手でパワーアップさせています。とはいえ、なかなか苦労したようですね。とても残念なことに、せっかくの主役のモスラは、“形態変化”のたびにリアリティのない薄っぺらい造型になってしまいました。モスラ3キングギドラ来襲[東宝DVD名作セレクション]小林恵東宝〔映画〕モスラ3キングギドラ来襲
2023年に放映された日本の長編テレビドラマです。2022年に連続テレビドラマとして人気を博した番組のスペシャル版で、主要な登場人物も引き継がれたテレビシリーズとの連続モノとして制作されました。江戸時代に「家電がタイムスリップして出現する」という発想がすべてですね。さらに本作はそのアイデアを「忠臣蔵」の物語に織り込む形で“無邪気なエンタメ”として楽しませてもらいました。滝藤賢一さんの独り舞台のようなつくりですが、その他のキャスティング面では、何といっても田島令子さんが目に留まりました。よかったです。もうこういった年季の入った役どころにはまるんですね。家電侍スペシャルストップ!忠臣蔵〔ドラマ〕家電侍スペシャルストップ!忠臣蔵
日本経済新聞の書籍紹介の欄でサイエンスライターの竹内薫さんが取り上げていました。ちょっと前に、いつも利用している図書館の新着本の棚で目には入っていたので、さっそく改めて借りてきました。恐竜絶滅の原因は最近では“隕石衝突説”が定説に近い位置にあるようですが、本書では、隕石衝突後“生物が絶滅に至るプロセス”と、その直後からの“再生のプロセス”を具体的に描き出して解説しています。興味深い内容が満載だったのですが、その中でも特に印象に残ったところをいくつか覚えとして書き留めておきます。まずは、「隕石衝突の生命史上のインパクト」について。(p14より引用)地球の生命史は、「偶然性」というたったひとつの事象によって、不可逆的な変化を経験した。もし小惑星の衝突が起こらなかったり、もっと遅かったりしていたなら、あるいは、...恐竜最後の日:小惑星衝突は地球をどのように変えたのか(ライリー・ブラック)
2015年に公開された日本映画です。大泉洋さんが主演のコメディ作品ですが、井上ひさしさんの小説「東慶寺花だより」を原案にした原田眞人さんの脚本がとてもよかったですね。喜劇風の台詞回しも効果的でした。キャスティングも、樹木希林さん、堤真一さん、キムラ緑子さんに山﨑努さんといったベテランが脇を固めた中で、満島ひかりさん、戸田恵梨香さん、内山理名さんといった中堅どころの実力派が魅力的でそれぞれに持ち味を存分に発揮していました。あと、出色だったのが陽月華さん。彼女が演じたキャラクタがこの作品に爽やかな微笑みを纏わせてくれました。駆込み女と駆出し男[DVD]大泉洋バンダイビジュアル〔映画〕駆込み女と駆出し男
2024年に公開されたアメリカ映画です。ジェイソン・ステイサム主演の“アクション作品”なので、リアリティは「0(ゼロ)」、超安心の“ワンパターン”の復讐モノです。ただ、今回は「養蜂家」というキャラクタの設定にちょっとオリジナリティが感じられました。さらに、「ハチ」の社会の仕組みをしっかりと物語の舞台の背景に織り込んでいるのは、なかなか面白い着眼で秀逸だったと思います。ビーキーパーデヴィッド・エアー〔映画〕ビーキーパー
かなり以前に読んでいた内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”ですが、このところ、私の出張先が舞台となった作品を、あるものは初めて、あるものは再度読んでみています。ただ、私の出張先も以前勤務していた会社のころを含めるとそこそこの都道府県にわたるので、どうせなら“シリーズ全作品制覇”にトライしてみようと思い始めました。この作品は「第41作目」です。今回の舞台は“伊香保(群馬)”。伊香保には、かなり昔になりますが、近場の温泉地ということで、(たぶん)同期入社の研修後の親睦会で訪れた記憶があります。(正直、かなり朧げです)プライベートでも、家族ドライブで立ち寄ったことがあるように思うのですが、こちらも定かではありません。こどもたちと「ガラス細工の体験」をしたのが、伊香保だったような記憶が・・・。この作品、ミステリー小...伊香保殺人事件(内田康夫)
1995年公開のアメリカ映画です。専門家の評価はそこそこ高いようなのですが、私の感覚が鈍いのか、正直かなり退屈でした。ストーリー展開に全くスピード感がなく山谷もありません。キャスティング的には、ジョン・トラボルタ、ジーン・ハックマン、レネ・ルッソ、ダニー・デヴィートと錚々たる面々が並んでいるのですが、やはりこういったコメディには今ひとつ合わないようです。ゲット・ショーティ[DVD]ジョン・トラボルタソニー・ピクチャーズエンタテインメント〔映画〕ゲット・ショーティ
2012年公開の日本映画です。伊坂幸太郎さんの短編小説が原作の作品ですが、無駄のないストーリーでサクッと楽しめます。キャスティングも、大森南朋さん、石田えりさんといった味のある実力派の俳優さんに、ブレイクし始めた木村文乃さんといった魅力的な面々で、さらに音楽は斉藤和義さんという私的には大いに満足した作品でした。それにしても、石田えりさんと木村文乃さんとの居酒屋のシーンは、なんともほのぼのと自然体で印象的でしたね。よかったです。ポテチ[DVD]濱田岳アミューズソフトエンタテインメント〔映画〕ポテチ
2015年公開の日本とトルコの合作映画です。日本・トルコ友好125周年の記念、朝日放送創立65周年の記念、BSフジ開局15周年の記念という名目で制作された作品ですが、さすがにここまでコテコテの“優等生的映画”も珍しいでしょう。当時の両国のトップ同士でも話し合われた末に実現した企画ということですから、さもありなんです。出演している役者の皆さんの熱演は印象的ではありましたが、やはり、こういった経緯で作られた映画の“危うさ”はとても気になりますね。海難1890[DVD]内野聖陽TOEICOMPANY,LTD.(TOE)(D)〔映画〕海難1890
いつも利用している図書館の新着本リストで目につきました。このところ気分転換に読んでいるミステリー小説は、全作読破にチャレンジしている内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”に偏っているので、久しぶりの松本清張作品です。初期の短編8作を収録した傑作集とのこと。ミステリー小説なのでネタバレになるとまずいので内容には触れませんが、やはり清張さんの構成力と筆力は素人目にも卓越しているのを感じます。たとえば、4番目に編まれている「白い闇」。読み進めるにつれ高まりゆくクライマックスに向かっての緊迫感。(p174より引用)濃い霧は二人を閉ざした。一メートル先が、白い、厚い紗でぼかされていた。ボートとその近い周囲のあおぐろい水だけが人間の視界にはいっている最大限であった。距離感も遠近感もまったく失われ、白い宙の中を舟は動いてい...空白の意匠:初期ミステリ傑作集(二)(松本清張)
2019年公開のアメリカ映画です。詐欺師が主人公のコメディ作品はそれこそ山のようにありますし、サプライズもかなりの確率で途中で透けて見えてしまいます。本作もそうですが、まあ見どころはアン・ハサウェイとレベル・ウィルソンのコントラストと、ともかく軽いタッチの作風にあるので、それ以外の出来についてとやかく言うものではありません。専門家の評価はかなり厳しいようですが、この手のコメディで「名作」というのはなかなかお目にかかれませんから。“詐欺師が主人公”の名作といえば「スティング」に勝るものを私は知りませんし・・・。ザ・ハッスルアン・ハサウェイスティング[DVD]ポール・ニューマンジェネオン・ユニバーサル〔映画〕ザ・ハッスル
1992年公開のアメリカ映画です。ありがちなモチーフで、想像どおりのストーリー展開ですが、それでも素直に楽しめるのは、役者のみなさんの素晴らしい演技の賜物でしょう。主人公を演じたウーピー・ゴールドバーグさんを筆頭に、キャシー・ナジミーさん、ウェンディ・マッケナさんの対照的ながらとても好感の持てるキャラクター、そして院長役のマギー・スミスさん、こちらは出色の存在感でしたね。このところ、マッドマックスやリディックといった濃い口の映画に浸っていたところなので、久しぶりに心洗われるコメディにホッと一息です。天使にラブ・ソングを…[DVD]ウーピー・ゴールドバーグブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント〔映画〕天使にラブ・ソングを…
そこそこ使っていた私のスマホPixel3XLですが、バッテリーの膨張で裏蓋が数ミリ持ち上がってしまいました。docomoの「ケータイ補償サービス」を契約していたので、サポートセンタに問い合わせたところ「バッテリー膨張でも代替機に交換可能」とのこと。早速、サイトから申し込みを始めたのですが、数ステップ進んだところで、「Pixel3XLの整備品は無く、代替機は『SamsungGalaxyA51』になる」とのメッセージ。負担額は8千数百円ではありますが、数年前のミドルレンジの機種というのには少々抵抗があります。Pixelの数世代前の機種あたりだったらよかったのですが。ということで、いったん「ケータイ補償サービス」の申し込みは中断して、「googleの故障修理店」でバッテリー交換を相談してみました。店員さん曰く、...〔買い物〕Pixel3XLからPixel8aに機種変更
2021年公開のアメリカ映画です。サスペンス・スリラーといったジャンルでしょうか、主人公の心理を独白で語りながらのストーリー展開は、最後にその主役が入れ替わるところも含め、面白いチャレンジだったように思います。とはいえ、キャスティングを眺めただけで、大体のサプライズの予想はついてしまいます。まあ、そういったことは本作品に限ったことでもありませんが、それだけアビー・コーニッシュの存在感が大きかったということですね。エージェント:0漆黒の暗殺者[DVD]通常盤ニック・スタグリアーノアメイジングD.C.〔映画〕エージェント:0漆黒の暗殺者
2004年公開のアメリカ映画です。ヴィン・ディーゼルが主役の作品なので、誰でも雰囲気は予想できるのですが、そのとおりのテイストでした。舞台は「宇宙」ですが、やはり結局は同じですね。ラストもこういう形になったけど、さて、その後はいったいどうなるのか、とても不安に思ってしまう結末です。同じ“ワンパターン・キャラ”なら、まだ「ワイルド・スピード」シリーズの方が私は好みです。まあ、五十歩百歩ですが。リディック通常版[DVD]ヴィン・ディーゼルアミューズソフトエンタテインメント〔映画〕リディック
かなり以前に読んでいた内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”ですが、このところ、私の出張先が舞台となった作品を、あるものは初めて、あるものは再度読んでみています。ただ、私の出張先も以前勤務していた会社のころを含めるとそこそこの都道府県にわたるので、どうせなら“シリーズ全作品制覇”にトライしてみようと思い始ました。この作品は「第22作目」です。今回の舞台は“日光”。有名な観光地ですから私も何度か訪れたことがありますが、いわゆる観光シーズンの「紅葉の盛り」とかには縁がないので、あまり印象に残ってはいません。ポピュラー過ぎて新鮮さに乏しく感じるのかもしれません。で、肝心の作品について。ネタバレになるとまずいので内容には触れませんが、「1勝2敗」ですかね。何かといえば、今回、浅見光彦は3つの事件に遭遇したのですが、そ...日光殺人事件(内田康夫)
1981年公開のオーストラリアの映画です。少し前に、前作の「マッドマックス」を観た流れで、この2作目にもトライしてみました。独特の近未来の退廃的な世界観は、人気コミックの「北斗の拳」にも通じるところがあります。しかし、主演にこれほど「台詞」が少ない作品もなかなかお目にかかりませんね。ともかくバイオレンス色に塗り籠められたカーアクションの迫力が最大の魅力ですから、そこが合わないと、別段ストーリーがあるわけではないので全く楽しめないでしょう。まあ、今しばらく付き合ってみるとして、とりあえず第3作目にはチャレンジしましょう。マッドマックス2[DVD]メル・ギブソンワーナー・ホーム・ビデオ〔映画〕マッドマックス2
2019年公開のアメリカ映画です。マーベル・コミックのスーパーヒーローたちを主人公にした「アベンジャーズ」シリーズの“中締め”のような位置づけの作品です。シリーズものではありますが、前作の「インフィニティ・ウォー」を観ていない私の印象としては、独立作品として観てもそれほど違和感はないでしょう。もちろん、シリーズ中の何か一作ぐらいは観ておいた方が、少しでも登場人物間の関係性が浮かぶので、より楽しめるとは思いますが。ともかく、どこまでもエンターテインメントに徹し切った作品ですね。出来栄えがどうこうというより、ここまで豪華絢爛な役者のみなさんを揃えて、これでもかと凝った映像と、懐かしいシーンを織り交ぜた演出をみせられると、やはり敵いませんね。アベンジャーズ/エンドゲームロバート・ダウニーJr.ウォルト・ディズニ...〔映画〕アベンジャーズ/エンドゲーム
1979年公開のオーストラリア映画です。最近、シリーズ第5作目が封切られたようですが、45年間で5作なので、シリーズといってもピンとこないぐらいに悠長なテンポでの制作ですね。観た感想ですが、ストーリーはともかく、アクションシーンも本人やスタントマンによる実写なのでしょう、なかなかの迫力ですし、背景に流れる音楽も直裁的で、まさにシーンの盛り上げ役を十分に果たしていました。思いのほか楽しめましたね。しかしまあ、何より、主役のメル・ギブソン。40年以上前の彼の初々しい姿には驚かされます。マッドマックス[DVD]メル・ギブソンワーナー・ホーム・ビデオ〔映画〕マッドマックス
2016年に公開された日本映画です。テレビシリーズの劇場版ですが、劇場版もシリーズ化されていて本作が7作目とのことです。私はテレビも映画もほとんど観た記憶はありませんが、改めて本作を観てみて、「これは合わない、ダメだ」と感じましたね。中途半端なギャグ映画としか思えませんし、荒唐無稽な設定に加え、ひと昔もふた昔も前の演出センスは情けなくなります。(まあ、ひと昔前の作品ですが・・・)舘ひろしさんも浅野温子さんも、ちょっと前の言いようでは“イタイ”キャラクタの典型でしょう。最近、復活版の映画が上映されているようですが、どうでしょう・・・、私は全く食指が動きません。さらばあぶない刑事(通常版)[DVD]舘ひろしバップ〔映画〕さらばあぶない刑事
いつも利用している図書館の新着本リストを見ていて、タイトルに惹かれて手に取ってみました。哲学者三木那由他さんによる“哲学的な視座”からのエッセイ集です。トランスジェンダーである三木さんならではの起点からの興味深い指摘や思索の紹介が数々ありましたが、そういった類のものとはちょっと違ったユーモラス?なエピソードをひとつ書き留めておきましょう。三木さんはかれこれ30年来の“GLAY(日本のロックバンド)ファン”とのことですが、言語哲学を学んだあと、歌詞の解釈に新たなバイアス?がかかったというのです。その歌詞は、こうです。(p125より引用)避けられぬ命題を今背負って迷ってもがいて真夜中出口を探している手探りで「puresoul」という楽曲の歌詞なのですが、この中の“命題”という単語に鋭敏に反応してしまうようにな...言葉の風景、哲学のレンズ(三木那由他)
2022年に公開された日本映画です。BLコミックを小道具に、年の離れたふたりの人間関係を描いたオリジナルシナリオの作品ですが、芦田愛菜さんと宮本信子さんが主役なだけに、とても落ち着いた優等生的な仕上がりですね。正直、ふたりの演技力や存在感を考えると、作品の出来はかなり物足りない印象です。まあ、たまには観る映画にこういった感じのものを混ぜるのも、心穏やかでいいかもしれません。「メタモルフォーゼの縁側」通常版(DVD1枚組)DVD芦田愛菜バップ〔映画〕メタモルフォーゼの縁側
2022年に公開されたイギリスとアメリカ合衆国の合作映画です。テレビドラマシリーズの続編を映画化したものとのことですが、確かにテイストは“ホームドラマ”的ですね。ストーリー展開もいくつかのエピソードが並行して進みつつも分かりやすく、HappyEndに収束していきます。そういったお決まりの安心感は万人受けする王道パターンなのでしょう。その点、物足りなさを感じるかもしれませんが、私はこの“ほどほど”が程よいのです。ダウントン・アビー/新たなる時代へ[DVD]4550510077604ヒュー・ボネヴィルNBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン〔映画〕ダウントン・アビー/新たなる時代へ
2010年から放送されたBBC制作のテレビドラマです。シリーズ1から4まで特別編を含めると13話。それぞれが1時間を超える長尺で、一流の映画だとっても十分通用するしっかりした作りです。ストーリーは一筋縄ではいかないとても凝ったもので、正直その複雑さと奇抜さにはついていけないところがありました。キャスティングも、主役のベネディクト・カンバーバッチをはじめマーティン・フリーマン、アンドリュー・スコットら映画俳優としても有名どころが配されていて、見応え十分のドラマですね。SHERLOCK(シャーロック)#3『大いなるゲーム』スティーヴン・モファット〔ドラマ〕SHERLOCK(シャーロック)
1992年に公開されたアメリカ映画です。ブラックコメディ作品ですが、こういったノリは好き嫌いがはっきり分かれるでしょうね。ちなみに私には全く合いませんでした。ラストで語られるメッセージも、そのあとのシーンで混ぜ返されてしまったようで・・・。キャスティング的には、メリル・ストリープ、ブルース・ウィリス、ゴールディ・ホーンとかなりの重量級が並んでいます。それぞれコメディもこなす演技派だとは思いますが、まあ、こういったテイストの作品であれば“この面々でなくては、”といった感じでもありません。そのあたりも、ちょっとちぐはぐな印象でした。永遠に美しく・・・[DVD]メリル・ストリープジェネオン・ユニバーサル〔映画〕永遠に美しく…
少し前に、大江英樹さんによる「90歳までに使い切るお金の賢い減らし方」という本を読んだのですが、その中で本書が紹介されていました。私も「定年」を目の前に控え、僅かではありますが手元にある“資産の処し方”について考えてみなくてはならない歳になりました。そのあたりのヒントにと手に取った著作ですが、結構参考になるアドバイスや新鮮な気づきが得られました。その中から特に有益だと感じたところを覚えとして書き留めておきます。まずは、著者が本書で伝えたいメッセージを端的に記しているくだりです。(p19より引用)今しかできないことに金を使う。それこそが、この本で伝えたいことの核だ。90歳になって水上スキーを始めるのは難しい。今それを我慢すれば、その分の金は貯まるだろう。だが、十分な金を得たときには、すでにそれができない年齢...DIEWITHZERO人生が豊かになりすぎる究極のルール(ビル・パーキンス)