当時借りていた部屋では、ラップ音や金縛りは日常茶飯事だった。ただ、何者かの姿を見たり、物理的な攻撃を受けたりすることはなかった。それでも、ずっと妙な気配が続いていたので、意を決して部屋の中で「何となくここだ」と感じた場所をカメラで撮影してみた。恐る恐る写真を確認していったが、特におかしなものは写っ…
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これは、ある峠で奇妙な体験をした話。実家から1時間ほど離れた所に、『首切峠』という所がある。通称ではなく、標識にもそう書かれてある実在する峠。こんな名称の場所だけに、もちろん地元では心霊スポットとなっている。でも実際は名前だけが一人歩きしているような場所で、丘というくらいの小さな峠だ。当時は仕事場…
これは、私が小学生の頃の話。毎年夏になると、海のそばにある従妹の家へ何日間か泊まりに行っていた。従妹はひとつ年下で、子供心に彼女は両親のどちらにも似てないなぁと、夏に顔を合わせる度に思っていた。けれど、そんなことは深く考えもせず、毎日楽しく遊んでいた。その日、波の緩い浜辺で砂遊びをしていた…
これは、友人の心霊体験話。彼の家は山中にあるのだが、そのすぐ横を10年ほど前に高速道路が開通したという。他方面へ繋がるインターチェンジが近いとかで、交通量は結構多い。だが、見通しは良いのに、何故か交通事故が多発しているそうだ。ある晩、そろそろ寝ようかと支度していると、土間の方で気配がした。様子を…
これは、知り合いから聞いた不思議な『石』の話。彼の地元の寺社跡に、変わった石があるのだという。なんでも、子供ほどの大きさがあるそれに抱き付いていると病が治る、のだと。言い伝えによれば、昔その山には鬼がいて、人を獲っては喰らっていたと言われる。何故かこの鬼が襲うのは病人ばかりで、特にその患部を好んで…
これは、「人間って怖いな」と思った体験話。かれこれ15年程前になるか、俺は靴屋の営業マンだった。大手の安売り靴屋に押されに押されて、社長の号令一下で始めたのが同じく外国産の格安靴販売だった。だが、これが大いにコケた。挙句、靴を捨てることになった。真夜中に不審なトラックなんて、田舎ではすぐに駐在に…
これは、知り合いの話。彼はかつて漢方薬の買い付けの為、中国の奥地に入り込んでいたことがあるという。その時に何度か不思議なことを見聞きしたらしい。「とある山間を歩いていた時のことなんですが。夕刻、大きな河にぶつかったのですよ。この岸辺で野宿をしようかと荷物を降ろしたところ、これが実に見事な夕焼けに…
これは、友人の話。彼の実家は山中の村なのだが、そこに里帰りすると必ず奇妙な体験をするらしい。帰郷した翌日に目を覚ましてみると、起き上がることが出来ないというのだ。腰が抜けたかのように、まったく力が入らない。前日は大した運動もしていないはずなのに、至る部位に筋肉痛も感じる。実家の人間に言わせると…
これは、『虫の知らせ』って本当にあるのかな?と思うようになった体験話。一度目は、会社員3年目の時だった。その日は久しぶりの休みで、でも疲れすぎて掃除も洗濯も食事もできなくて、日中にもかかわらずベッドでダウンしていた。ウトウトしたり、意識がはっきりしても体がだるくて動く気力がなく、また眠気が…
これは、私の母の実体験です。就職したての頃に、会社の飲み会に参加した時のことでした。お酌をして回っていると、参加していた同僚の松本さん(仮名)の周りの空間が、なぜか暗かったそうです。照明の故障とかではなく、松本さんのいる空間だけが闇に包まれている感じで、松本さんは食事もせず、正座をしたまま俯いて…
これは、奇妙な体験をした伯父の話。山で仕事をしていると、何処からともなく声が聞こえた。「三日借りるぞ」。何のことだか全くわからない。不思議なこともあるもんだと、その日はそこで山を降りた。翌日に作業場へ登ると、隅の方にびっしりと『茸のようなもの』が生えていた。何となく手を触れるのが躊躇われ、そのまま…
これは、同級生の体験話。少年時代、一人で夜中の神社に肝試しに出向いたのだという。そこの神社は町と山の境界に建っており、そこから奥はもう山の領域。長い石段を半分ほど上った辺りで、軽い音が上から転がり落ちてきた。懐中電灯の明かりの中、子供用の靴が片方だけ、彼の真横を落ちていった。それほど勢いがついて…
これは、神社で少し不思議な体験をした話。3年前のお正月に、赤坂の日枝神社へ初詣に行った時のこと。鳥居の下まで行くと、何故か急に右脇腹が痛くなり、どうしても境内に入れなかった。痛みが治まるまで階段の辺りで休憩して、もう大丈夫かなと鳥居に近づくと、また脇腹が痛くなり、そこから前に歩けなくなる。後ろに…
これは、かなり昔に叔母から聞いた為、うろ覚えで多少の脚色は混じっているかもしれない。怖いというより、奇妙で不思議な体験話。私の叔母一家がキャンプに行った時のこと。今のように便利な道具が簡単に揃うわけでもなかったので、夜は早く、それは暗かっただろう。夕食を食べて、星を眺め、隣のテントの大学生と一緒に…
これは、釣りにまつわる奇妙な体験話。釣り仲間の桜井(仮名)と二人で、近場の山にある溜め池へバス釣りに出かけた。先に釣り上げたのは桜井の方だった。中々の大きさだ。しかし、桜井はそれをリリースすることなく、後ろの繁みの中へ放り投げた。「バスをリリースするの、嫌うタイプだったっけ?」そう問い掛けると…
これは、山仲間が体験した怪異話。山中の寂れたキャンプ場に、一人で宿泊した時のこと。夜中、テントの周りでゴソゴソと動く音がする。猿でも来たか?と、外に出てライトで照らしてみた。黒光りするモノが、夕食後のゴミを漁っていた。彼曰く、「一瞬、巨大な鯉が歩いているのかと思った」という。そいつの背中には…
これは、祖父が体験した怪異話。山で仕事をしていると、何処からともなくカラスの鳴き声を極端に低くしたような鳴き声で近付いて来る存在がいたそうで。鳴く、数歩近付いて来る、鳴く、数歩近付いて来る…という感じで、ゆっくりと目の前までソレは来る。地元では、『その存在を目視、無視、挑発するような行為はしない…
これは、友人の話。一人で夏山を縦走していた時のこと。真夜中、何かの物音に目を覚まされた。ぽちゃん、ぽちゃん。水音のようだ。深そうな水溜りに、小石が落ちているような、そんな音。「水場はかなり離れてるのに、ここまで音が聞こえるものか?」。寝惚けながら考えていると、音はいきなりガサッという乾いたものに…
これは、僕の爺ちゃんがその爺ちゃん(高祖父)から聞いた話。その時、高祖父はキツネを一匹仕留めて帰る途中だった。すると、木の近くにオロオロとした男性がいた。若くて登山者のような格好をしている。何をしているのか聞くと、道に迷ったという。出口まで案内しようと思ったが、時間が遅かったこともあって山小屋に…
これは、知り合いの話。彼女の家は街外れにある。山からはかなり離れているのに、何故か山の動物がよく現れるのだという。それも、決まって『死体』で。状況からするとどう考えても、動物が庭に自分から入り込み、そしてそこで息絶えたとしか思えないのだそうだ。彼女は一度だけ、その現場を直接見たことがあるという…
これは、僕が小学生だった頃の話。当時、通学路の途中に『白い家』があった。木で作られたログハウス風の建物を、白く塗装したような家だったのを覚えている。僕の家はかなりの田舎にあり、朝は家の近い子供たちで集団登校をしていたが、帰りはそれぞれバラバラに帰っていた。僕の家は同じ方向の子供たちの中でも最も遠い…
これは、地元の友人から聞いた話。友人の実家はあまり裕福ではなく、子供の頃はボロボロの府営団地に住んでいた。その友人宅には何度も遊びに行っていたが、まあ家賃相応の酷さだった。3階建ての建物は満遍なく蜘蛛の巣が張っており、日の光は全然入らなく、階段の電灯はいつ行ってもチカチカしている。帰りが…
これは、"藁人形を使った呪い"にまつわる話。私は、あるお寺で僧侶をしている。うちは大きなお寺で敷地の中にお堂がいくつもあり、毎朝早くに全てのお堂を回ってお勤めをする。一堂一堂がそれなりに離れており、限られた時間のうちに全てを回りきらないといけないので結構忙しい。おまけに、毎回一人一人交代で行うので…
これは、中古の一軒家を買ってからの話。住み始めて1年くらいが経った頃、間取り的に『家の中が1畳分くらい狭い』ことに気がついた。とは言っても、住んでいたので壁を壊して確かめようとはならなかった。それまで1年くらい普通に住んでいて気づいただけなので、おかしなことが起きるわけでもない。ビルみたいに配管を…
これは、弟と山へ虫取りに行った時の話。僕が小学5年生の夏のこと。その山は、そこそこカブトムシやクワガタが取れる山だった。でもいつものポイントで取り尽くしてしまったのか、その日はコガネムシやカナブン、ハチしかいなかった。僕は弟に「今日は違うところに行こう」と言って、その場所を出た。そしてその山の普段…
これは、知り合いの体験話。子供の頃、学校の裏山で一人遊んでいると、"ウグイスの声"が聞こえてきた。おそらくは巣立ちしたばかりなのだろう。まださえずりが下手で、最後まで上手く通して鳴けていない。「ふむ、まだまだ下手っぴいだな」。生意気にもそんなことを考えていると、一際大きな鳴き声が林に響き渡った…
これは、友人の翔太(仮名)が小学3年生の時の話。当時、山で遊ぶことが日課になっていた翔太。いつものように駄菓子屋で買ったお菓子を持って、山へ向かう道をぶらぶらと一人で歩いていた。すると、目の前に『大きなトノサマバッタ』が。昆虫が大好きだった翔太は夢中で追いかけて行ったそうだが、細い獣道を駆け上がる…
これは、知り合いの話。山奥の集落に停泊していたある夜のこと。尿意で目が覚めた彼は、屋外の厠に行って用を済ませた。庭に置いてある手水鉢で手を洗おうと、中を覗き込んだ時だった。水面に白い大きな円盤が映っていた。満月だ。あまりの美しさに、思わず手を伸ばしたという。次の瞬間、水の中から細い物が二本伸び出し…
これは去年、東北の方へキャンプに行った時の話です。そこは山の奥地にあり、自然たっぷりのキャンプ場。首都圏から遠いせいか混んでいることがなくて、いつも利用しています。日が暮れて晩飯が終わり、早起きだった為にテントで少しウトウトしていたところ、外から聞こえる3歳になる娘の笑い声で目が覚めました。女房と…
これは、先輩の話。彼は卒業後も度々、部活の指導や手伝いをしに来てくれていた。その都度、各地の興味深い山話を聞かせてくれた。「ある小さなキャンプ場なんだけどさ、一応トイレがあるんだ。汲み取りだけど。でも一番奥まった大用の個室は誰も使う奴がいない。そこで用を足しているとね、覗かれるっていうんだ…
学校から1駅の距離で、狭苦しい学生アパートと変わらない家賃とくれば、お察しいただける通りの事が起こるわけで…。親友は、それを承知でそのアパートに決めた。これは、そのアパートで起きていた心霊話。アパートに到着して部屋に上がると、日当たりも良く、手入れも行き届いていて、おかしなところは全くない。私自身…
これは、子供の頃に行った夏祭りでの怪異な体験話。親戚や祖父母と5人ほどで花火を見に行ったのだが、その時の状況が"何か変"だった。お祭りでは御神輿の周りを囲むようにして、お面を被った人々が盆踊りをしていた。僕たちは事前に、一番良い場所にシートを敷いて確保しておいた。そこで弁当を食べながら、花火の始ま…
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当時借りていた部屋では、ラップ音や金縛りは日常茶飯事だった。ただ、何者かの姿を見たり、物理的な攻撃を受けたりすることはなかった。それでも、ずっと妙な気配が続いていたので、意を決して部屋の中で「何となくここだ」と感じた場所をカメラで撮影してみた。恐る恐る写真を確認していったが、特におかしなものは写っ…
これは、私が大学生の頃に体験した話です。本当に不思議な出来事でした。よくある『虫の知らせ』のようなものかもしれませんが、私にとっては大切な思い出です。私は京都の大学に通っていました。実家は隣の県にありますが、大学までは電車とバスを乗り継いで片道およそ4時間かかります。そのため、私は学生専用アパート…
我が家に起こった話を聞いてください。私の家は、父が建てた築40年ほどの2階建てなのですが、3年前、その東側の空き地にアパートが建ちました。それほど広い土地ではなかったため、よくある1棟に4部屋の小さな建物です。駅に近いこともあってか、完成してすぐに全室が埋まりました。ところが、1ヶ月もしないうちに…
これは、東南アジアでの体験談。事務仕事が一段落したので、気分転換に現場をちょっと巡回していたところ、何やら人だかりができていた。人だかりはトラブルの可能性が大なので、急いで中心へ行ってみると……。腹にロープを巻き付けられ、両手両足を4〜5人に押さえつけられている男がいた。口の中を切っているのか…
小学生の頃、夢に"血でドロドロになった赤ちゃん"が出てきた。僕が部屋の前に立っていると、赤ちゃんがヒタヒタと廊下を進んでくる。なぜかその後ろには祖母が立っており、ニコニコと微笑んでいた。僕は恐怖に包まれ、じわじわと近づいてくる赤ちゃんに向かって「来るな、来るなー!」と叫びながら押し返したが…
これは、夏にまつわる話です。私が通っていた高校の近くに、見晴らしが良いのになぜか毎日のように事故が多発していた十字路がありました。ただ、歩行者が巻き込まれるような事故はなく、どれも車同士がぶつかるというものばかり。奇跡的に亡くなった人はいませんでしたが、私はなんとなく"その原因"に心当たりがあり…
この世は『78対22』という宇宙の法則で成り立っている。キリよく「7対3の法則」や「8対2の法則」ともいわれ、ビジネスなどにも応用されている。科学的に「78対22」という黄金比が証明されているわけではないが、統計の中からこの比率が見つかる例は多く存在する。たとえば……。地球上の海と陸の割合は…
私は昔から結構なビビりで、怖い話なんかは大の苦手。そのわりには、"嫌な気配"をよく感じる。まあ、ただの勘違いかもしれないけれど。当時、私は高校2年だったか。ベッドは窓際にくっつけて置いていて、そこで寝ていた。時間は深夜1時から2時頃。なぜか眠れなくて、ベッドの上で顔を手で覆いながら、なんとか寝よう…
15年ほど前の話になります。小学5年のとき、父が転職した関係で引っ越しをしました。しばらくしてから、そのマンションで『若い女性の霊』を見るようになったのです。現れる時間帯に規則性はなく、夜のときもあれば、昼間に現れることもありました。その霊はいつも怖い顔であちこちを睨みつけていて、とにかく近寄り…
"雨の日"になると思い出すことがある。これは、高校2年の夏休みの時の話。その日、俺は友人の秋山と林の3人で買い物に出かけていた。すると突然、雨が降り出した。傘を持っていなかった俺たちは大慌て。すぐ近くにあった屋根付きのバス停に駆け込んだ。「雨の予報なんて出てなかったよな?」そう言い合っていたら…
私がこの話を聞いたのは、5年ほど前のこと。今は更地になっているが、かつて実家の隣にあった家に、"幽霊が出ていた"という。20年ほど前、その家を工事現場の事務所兼宿舎として貸し出していた時期があり、その頃に幽霊が出ていたそうだ。目撃者は、その宿舎に長期で滞在していた職人のおっちゃんたち。我が家は当時…
これは、2007年10月10日のことです。雪の中を通勤中、吐血が止まらなくなり、道端で転げ回っていたとき、若い研修医のような白衣の男性に抱きしめられました。医者の格好をしていたし、「私、医師の矢島です」と名乗ったのです。そのときの時刻は、朝の7時30分でした。痛みはあるものの、矢島という医師に抱き…
これは、かれこれ30年以上も続いている話。私の父は5人兄弟の次男です。そんな父が10歳のときのこと。駄菓子屋からの帰り道、夕方6時の門限が近づいていたため、急いで自転車を走らせていたそうです。父の父、つまり私の祖父は自営業を営む、相当な頑固者。門限を過ぎたとなれば、容赦なく鉄拳が飛んでくるような人…
小さい頃、祖父が病院で亡くなった。両親と駆けつけた時には、もう霊安室に移されていた。両親はじめ、親戚みんなが慌ただしくする中、どういうわけか俺だけが霊安室に残されることになった。「線香は絶対に切らさんようにね」そう念を押され、俺は素直に線香をじっと見つめていた。どれぐらい経っただろうか……。ふと…
ガキの頃に、鍼灸師のジジイから聞いた話。ちょっと変わった幽霊談です。ニューギニアのあたりの、ある戦場でのこと。大規模な戦闘をした部隊があって、その後、その部隊の前線基地に、"夜な夜な死んだ兵士たちが現れるようになった"そうです。彼らは皆、ちゃんと足があり、懐かしそうに「よぉ!」とか言いながら現れる…
僕には小さい頃、親友がいた。親友といっても、人間じゃない。猫だった。その猫は、普通の猫よりひとまわり大きくて、いつも堤防にある陸橋の下にいた。僕がそこを通るたび、気づけばいつも同じ場所にいて、気づけば自然と仲良くなっていた。僕が無邪気にはしゃいでいると、あの猫は目を細めてじっと見守ってくれていた…
私は、貧乏なアパート暮らしの女。お風呂がないので、いつも『銭湯』に通っている。その日、いつもの店が休みだったため、少し離れた場所にある銭湯へ向かった。浴室には数人のオバちゃんたちがいて、楽しそうにおしゃべりしていた。髪を洗っていると、ふと視線を感じた。洗い終えて顔を上げると、自分の前の鏡に、見知ら…
零細企業に勤めていたが、家業を継ぐため、やむなく退職した。その後、その会社は倒産した。それから10年。あの会社の社長の夢を、何度も立て続けに見るようになった。「帰ってきてくれ。もう一度、一緒に仕事をしよう」そんな内容だった。気になって連絡を取ってみると、社長は末期ガンで、余命わずかだということ…
昔、今とは別の仕事をしていた頃のこと。その日は、いつもいる支店とは違うエリアでの営業で、渡された地図を片手に、歩きながら飛び込み営業をする仕事だった。目的のエリアに着き、「さて、行くか」と歩き始めてしばらくすると、地図では黒く塗り潰されていた一軒の近くで、足が止まった。「……あれ?誰かいる……?」…
これは、俺が子どもの頃に体験した話。近所の川で、4人で岩から岩へ飛び移りながら遊んでいた。そのとき、ひとりがうっかり深い場所に落ちてしまった。しかもその川は、前日の雨で増水しており、流れがとても速くなっていた。友達は、あっという間に流されていった。「助けてー! 助けてー!」水面から顔と両手だけを…
その出来事がトラウマで、未だに一人暮しが出来ない。昔に一人暮しをしていた頃、私の部屋に数日間、見知らぬ人が潜んでいたことがあった。ある日を境に、帰宅する度に部屋の様子に違和感を感じ始めた。私は記憶力には自信があって、少しだけれど明らかに位置がずれているごみ箱などを見て「おかしい…」と確信したものの…
これは、友人の体験談。アパートに部屋を借りた。古い建物を改装したアパートだったが、リフォームがしっかりしてあり、かなり綺麗だった。借りたのは最上階の部屋で、室内は広くて天井も高く、開放感もある。主要線の駅からも歩いて行けるくらい近く、商店なども整っており、凄く条件が良い物件。それなのに、家賃は…
これは、学生時代の話。大学の近くの住宅地の中に小高い山があって、その天辺に神社がある。そこは学生の間で有名な心霊スポットで、そこで子供が死んだとか、学生が自殺したとか、色々な噂が広がっていた。夏休みを目前にしたある日、同級生が「肝試しに行こう」と言い出した。後輩に霊感がある奴がいて、普段から部屋で…
とある事情で神様方にすがる必要ができてしまいまして…。それからは神々を信じて伊勢や出雲、日向で願掛けをしたのに、氏神様に参詣しないのも筋が通らないと思い立ち、家のすぐ近くの歴史ある神社に通うようになりました。死人がよく出て怪奇現象がたまにある病院勤務のくせに、一度も幽霊は見たことがないという霊感…
これは、32年前に体験した奇妙な話。当時小学3年生だった俺は、学校から帰って来ては毎日近所の駄菓子屋に遊びに行っていた。その日も強めの雨が降っていたが、駄菓子屋までは歩いて1分なので、傘もささずに走って出かけた。駄菓子屋には4人ほどの友達が先に来ていた。駄菓子を買い、友達らと喋っていると、雨で濡れ…
車で大事故に遭い、大怪我と廃車になってしまってから半年。退院してから中古の安い車を買ったのだが、その車がすごく怪しい。車検満タンに全塗装済みにもかかわらず、捨て値で売ってくれた。ひと月の給料で買えるくらいの値段だ。贅沢は言えないのでそれに乗っていたが、ハンドルの下辺り、ちょうど膝が当たる部分に穴が…
これは小学生の頃に教頭から聞いた話で、その教頭の友人の体験談。教頭は昔ライフセーバーだったらしく、友人はその仲間だった。海で行方不明者なんて出ると、夜中まで皆で横一列に手を繋いで探すそうだ。発見が遅れた遺体は酷い有様のようで…。目なんかは最初に取れる。だから目の無い遺体がよく見つかる。ある日…
これは、うちのじいちゃんから聞いた話。ちなみに、じいちゃんは随分と前に亡くなっている。じいちゃんは鉄工所をやっていて、それはそれは腕利きの職人だった。じいちゃんが若い頃、得意先に製氷所があったそうな。その製氷所のオヤジが言うには、"毎朝氷を買いに来る若者"がいたそうだ。出来たばかりの一抱えもあり…
X駅とZ駅の間に、A、B、Cと各駅停車しか止まらない駅が3つ続く。X駅とZ駅との短い距離の間に、この3つの駅はひしめき合うように配置されており、なぜか不思議な存在感を放っている。これは、その路線で通学していた頃の話。僕は毎朝同じ時間の同じ車両の窓際に寄りかかって通学していたのだが、ある朝、A駅で…
これは夢なのか、それとも心霊体験なのか。その日、俺は夜の10時に残業が終わって帰宅した。疲労のせいか、どこか意識が散漫で夢うつつだった。玄関のドアを開けて、真っ直ぐキッチンに向かう。するとそこには、カチャカチャと洗い物をしている母と、母の横にあるイスに座りながら酒を飲んで上機嫌にしている父がいた…
だ高校生の頃の話から始まります。当時、私には彼氏がいました。クールで口数が少ないけれど、かっこいい同級生の彼のことが好きになり、私から熱烈にアタックして付き合うことになりました。付き合うことになったのはいいけれど、彼は私が憧れていたような愛情表現がなかったのです。ぶっきらぼうだし、いつまで経っても…
これは、5年前の夏の体験話。私は人生に疲れ、自殺の名所に1人でやって来ていた。そこは断崖絶壁で下に激しく波が打ちつける、飛び降りるとまず助からないであろう某名所。自分の人生は何処から狂い始めたのか。そんなことを考えながら、断崖から下の海を眺めていた。近くの電話ボックスには、『自殺を考え直そう…
これは、僕が中学1年生の時に体験した話。 むせ返るような暑い夜、僕と同じくオカルト好きな友達2人と共に、地元でも評判の『廃屋』に忍び込んだ。 夏休みということもあり、時刻は雰囲気的に盛り上がりそうな丑三つ時を選んだ。 その廃屋は山の中腹くらいにあり、自転車で行くにはきつかったが、なんとか辿り着いた。
これは、私が小5の時の体験話。祖母が亡くなったので、島根にある母の実家に帰っていた。死因は老衰。みんな悲しかったけれど、「長い間ありがとう」という気持ちで穏やかに葬儀が執り行われた。そして、その夜はお決まりの宴会が始まる。もう夜もだいぶ更けた頃、ある50代くらいの男性が「帰る」と言い出した。ただ…
これは、友人の岡田から聞いた話。岡田は少年の頃から読書が大好きだった。いつも何かの本に夢中になっては、誰かに止められるまで読みふけっていた。彼の家は築十数年の木造2階建て。岡田は2階にある一室を勉強部屋として与えられていた。そんな、ある休日の午後のこと。いつものように自分の部屋で冒険小説に夢中に…
これは、俺が高校生だった時の奇妙な体験話。その日、部活で遅くなった俺は、同じく委員会で遅くなった幼なじみの美咲と通学路を歩いていた。「帰ったら親父に怒られるだろうな」。「うん…。でも事情を話せばきっとわかってくれるよ」。そんなことを話してから途中で分かれ、一人で少し歩いた時、目の前にバス停の標識が…
これは、ついさっきあった不思議な出来事。近所の米屋の店先で、店の前に出した長椅子に座っていた米屋のじいさんが、ガックリと肩を落としたような感じでタバコを吸っていた。すると、「ずいぶんとしょぼくれてんなぁー!ボケが始まっちまったかぁ?あぁ?」と大声が聞こえた。見ると、米屋の向かいの酒屋のじいさん…
私は外回りで『無線』を使う仕事をしている。先日、こんなことがあった。いつものように無線で仲間とやり取りをしていたら、自分のだけが何故か混線する。あまりにも酷いのでチャンネルを変えたが、それでもザーザーと余計な音が入ってくる。その場所から移動できなかったので、長く混線が続くことに私はイライラし始めた…
たぶん私は小さい頃に『肉人』に会ったことがある。悪いことをすると、反省部屋という母屋から離れた納戸によく閉じ込められていた。今考えると、放置時間が一晩中や半日から丸一日と長かった。そこは暗くて狭くて、お腹が空いて寂しくて泣いていると、肌色のモヤっとした何かが、顔は無いのにこちらをじっと見ているのが…
これは、旧陸軍での話。ある兵士が地元の女性と恋仲になった。兵士が倉庫の夜番に立つ時が二人の逢瀬の時間で、忍んできた女性と一晩愛を語らっていた。兵士は別れ際、次の夜番の時を知らせ、女性はそれを頼りにまたやってくる。逢瀬は繰り返されるはずだったが、ある日、兵士が高熱を発し、起き上がることもできなく…