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怖話ノ館(こわばなのやかた) http://kowabananoyakata.main.jp/

怖い話や怪談が読みやすいブログです。他にも意味怖、謎怖、シリーズもの、都市伝説、画像や動画など多数。

たくさんの怖い話や怪談を読みやすいように掲載しています。画像や動画なども扱っています。怖い世界をどうぞごゆっくり・・・

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2014/12/01

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  • 捨てたはずの紙が古着のポケットに戻ってきた

    古着屋でジーパンを買った。家に帰ってからポケットを確認すると、幅2センチくらいに細く折り畳まれた紙が入っていた。古着のポケットから何か出てくることは、そう珍しくもない。前の持ち主が入れたまま忘れていたんだろうと思って、そのまま捨てた。それから数日後。何気なくそのジーパンを履いて、ポケットに手を入れ…

  • 表紙にだけ存在した写真

    心霊写真などという現象が取り沙汰されるようになったのは、一体いつ頃からなのでしょうか。私には知る由もありませんが、少なくとも30年近く昔、私の通っていた小学校では、すでにオカルトブームなるものが存在していました。生徒たちは花子さんや赤マントの話、こっくりさん遊びなど、様々な噂を聞きつけては、皆それ…

  • もう来てると言った真夏の研究室

    自慢じゃないが、私は憑かれやすい。相方曰く、私自身がアンテナになっていて、ロクでもないモノを集めやすいんだそうで。霊感なんて殆どありはしないので、自覚症状がなくてタチが悪い。アンテナといえば、ゲゲゲの鬼太郎は髪の毛が「妖怪アンテナ」だとかいうが、昔から頭髪は身体の中で一番霊界に近い場所なんだそうで…

  • 最後に首刈り地蔵へ願ったのは町の人間全員だった

    小学生の頃、両親が離婚し、俺は母親に引き取られて母の実家へ引っ越すことになった。母の実家は東北地方のある町にあり、かなり寂れていた。家もまばらで、町にある店は小さなスーパーが一軒、コンビニもどきが一軒あるだけ。その町の小学校へ通うことになったが、全学年合わせても20人弱。同級生は自分を含めて4人…

  • 寝言の相手は私たちではなかった

    よく「寝言に返事しちゃだめ」っていうじゃないですか。私が寮にいた頃、一時期、その話が妙に流行っていたんです。みんな情報源もバラバラなので、言ってることもそれぞれ違っていて……。寝言を話している人に話しかけると、その人が狂うとか、死ぬとか、夢遊病になるとか。逆に、話しかけた側に不幸が降りかかるとか…

  • お父さんはいったいどこから帰ってきたのか

    その日、いつものように仕事が終わって、夕方6時過ぎくらいに家に帰ってきた。居間に入ると、そこで母が、部屋の電気もつけずに、耳をふさいで暗い部屋の中でうずくまってたんだ。かなり面食らった。だって、こんな様子の母を見るのは初めてだったから、何かあったのかと焦って、母のそばに駆け寄って声をかけた。「ちょ…

  • 持ち帰った覚えのない写真が机にあった

    僕が小学生の頃のこと。通学路の途中に、子供たちから「猿ジイ」と呼ばれる変質者が住んでいた。変質者と言っても、年中寝巻きみたいな格好をしていて、登校中の小学生の後ろを、ブツブツ言いながら5メートルくらい離れてフラフラ付いて行くという程度。気味は悪かったが、実害はなかった。赤ら顔で禿げていて、いつも…

  • 誰もいない家に半年ごとに届く茶封筒

    郵便配達の仕事をしていた頃の話。ある日、誰も住んでいない空き家に、1通の茶封筒が届いた。引っ越してきたばかりの家には、不動産屋や水道、電気関係の案内など、前の住人宛ての郵便が届くことがある。そのときも、前の住人宛てのものだろうと思った。そこで、配達に使う原簿を確認して、その名前の人が以前そこに住ん…

  • 誰のために刷られた33枚目のプリント

    こないだ久しぶりに会った、20年来の幼馴染・健太(仮名)から聞いた話。健太は、ある女子高で英語教師をしていた。授業で使うプリントは、いつも校内のコピー機で刷っていたそうだ。担当は1学年4クラス。全員分を一気に印刷すると時間もかかるし、紙も大量に使う。だから授業の前に、そのクラスの人数分だけをコピー…

  • 洗面所で櫛が消え続けた古いアパート

    私が以前住んでいた部屋の話。就職を機に、会社近くの古いアパートへ引っ越した。立地は良かったが築年数はかなり古く、家賃が安かったことが決め手だった。出社初日の朝、早起きして身だしなみを整えていると、櫛(くし)が見当たらない。荷ほどきのとき、洗面所に置いたはずなのに……。少し探したものの見つからず…

  • 夏の終わりの思い出の川で見たもの

    2008年の8月の終わり頃、一週間ほど夏休みが取れたので、兵庫県の実家へ帰省しました。叔父(父の弟)に頼まれた簡単な仕事を手伝い、その帰り道。夕方になり、全開にした車の窓から吹き込む風はまだ熱気を含んでいましたが、どこか夏の終わりを感じさせるもので、少し切ない気持ちになったのを覚えています。実家…

  • ボクごろうはいまから行くからね

    私が大学生だった頃の話です。ある日、私はクラブのコンパがあるため、「夕飯はいらない」と母に伝えました。すると、その場にいた弟と妹も、その日は約束があって家で夕飯は食べないと言います。それを聞いた父と母も、「それなら私たちも外食しよう」と言い出し、その夜は家族全員が外出することになったのです。夕方…

  • 彼女は最後まで後ろを見なかった

    大学時代の友人から、「うちに遊びに来ない?」と電話が入った。声を聞くのは半年ぶり、実際に会うとなれば1年ぶりにもなるのだなあと、仕事明けのぼんやりした頭で話を聞いていたら、いつの間にか2週間後の週末を彼女の家で過ごすことになっていた。当日は急な仕事が入ってしまい、夜になって仕事が終わると、そのまま…

  • 障子の穴を数えてはいけなかった

    子供の頃の話。当時、僕の部屋は畳と障子のある、本格的な和室だった。布団を敷いて寝る生活だ。ある晩、高熱を出して寝込んでいた僕は、真夜中にふと目を覚ました。寝込んでいると日中もずっと寝ているから、変な時間に目が覚めることがある。当然、電気は消えているし、障子も閉め切っている。部屋の中は真っ暗だった…

  • あの抱き方が忘れられない

    雨の降る深い闇の林道で、一人の女が傘も持たずに佇んでいる。それを見たタクシー運転手は、その様子を気味悪く感じながらも、女の前に車を停め、乗っていくよう勧めた。女は黙って運転手を一瞥すると、後部座席に乗り込み、一言、「×××へ」とだけ言った。現在地から数十キロも離れた場所だった。そこまで歩いて行く…

  • 後ろを見なかった男が最後に見たもの

    うちの会社の部長が、若い頃に林業をやっていたらしい。正直、林業がどんな仕事なのかよく分からない。山で木を切ったり運んだりする仕事だろう、という程度の認識だ。部長が働いていたのは昭和40年代。山奥の作業場で使い走りのような仕事をしていた頃の話だという。ある日、新人の若者、みんなから「アンちゃん子」と…

  • 40キロで走る車に追いつく女の子

    4年ほど前、関東某県の田舎町での出来事。会社からの帰り、俺はいつも決まった農道を使っていた。畑が続き、ところどころに民家が固まっている。その道を抜ければ、国道につながる大通りに出る。夜の農道は街灯も少なく、不気味だった。無論、明るい別ルートもある。ただ、この農道を抜けたほうが断然近い。コンビニに寄る…

  • 小さくなり続ける彼女はまだいる

    5年間、付き合った女性がおりました。今思えば、その月日は長いようで短かった気がします。4年目を過ぎた頃から、彼女は結婚を口にするようになりました。付き合い始めた頃から、私も「いつか結婚しよう」と言っていましたし、いずれそうなるものだと思っていたのです。しかし当時の私は大学を出たばかりで、いわゆる就職…

  • コンセントの中の髪を抜いてしまった

    最初に異変に気付いたのは、散らかった部屋を彼女が片付けてくれた時だった。僕は片付けが苦手で、1人暮らしの狭いアパートは、ごみ袋や細かい小物で埋め尽くされていた。とはいえ、テレビに出てくるようなゴミ屋敷というほどではない。足の踏み場はあるし、掃除だって一応はしている。ただ、やっぱり男の1人暮らしは…

  • 私たち家族を追ってきたもの

    私自身、まだ信じられないことなのですが、実際にこの身に起こったことなので聞いてください。出身は北陸ですが、私は物心つく前から色々な場所を転々としていました。それというのも、借金取りに追われているわけでもないのに、まるで何かから逃げるように、両親が昼夜を問わず夜逃げまがいの引っ越しを繰り返していた…

  • 自分のポストだけが開いていた夜のこと

    大学卒業後からずっと、アパートの4階で一人暮らしをしている。月に一度くらい、友人と宅飲みをすることはあるが、それ以外に来客はほとんどない。静かな部屋で、それなりに快適に過ごしてきた。ある夜、近所のコンビニへ酒とつまみを買い足しに出た。10分ほどで戻り、アパートの前に立ったとき、妙なものに気づいた…

  • あの男は俺の中に入っていたのかもしれない

    クラブの店員をしてた時期があって、その時に起きた話。当時、ダンスに夢中になっていて、週末は必ずと言っていいほどクラブに通ってた。そんな訳で、そこのオーナーとは自然と仲良くなっていった。ある日、店員が一度に2人辞めてしまい、「もしよかったら、うちで働いてくれないか?」と誘われた。最初は迷っていたんだ…

  • 供えたコーラが帰る頃には減っていた

    俺は海では泳げない。親友のミサキ(仮名)が、この海で死んだからじゃない。あの日、俺たちの足首には、揃って『誰かに掴まれたアザ』が残っていたからだ。小学生の夏休み、俺はこの海で溺れた。一緒に泳いでいたミサキも、同じように溺れた。近くにいた大人が助けてくれたおかげで、俺は生き残った。でも、ミサキは助か…

  • 消えた幽霊が赤いランドセルで迎えに来た

    8年くらい前、心霊スポットで肝試しをした帰りに、ひとつだけ"余計なもの"を連れて帰ってしまった。そのときは、たしかに追い払ったはずだった。なのに先週、旅先で俺の名前を呼んだのは、赤いランドセルを背負った、あの女だった。そのとき、金縛りに遭った。動けないままでいると、顔が潰れた女性っぽい幽霊に睨まれ…

  • 地下通路を抜けた先に少し違う町があった

    小学5年の夏休み、家の裏のグラウンドで見つけた地下通路に入った。20分も歩いていないはずなのに、地上へ出ると夕暮れになっていた。しかも、そこは見慣れた近所のはずなのに、何もかもが少しずつ違っていた。あれは、自由研究で「身近にいる昆虫リスト」を作っていた日のことだ。グラウンドの隅、地面がコンクリート…

  • 理由がないまま守られ続けている禁足地

    よくある話だが、俺の地元には『絶対に入ってはいけない』という場所がある。そこは森を抜ける県道の近くにあって、県道からは見えないが、道から逸れて森に入れば5分もしないで辿り着ける。入ろうと思えば簡単に入れるが、入る気がなければまず入らないような、そんな場所だ。広さは5メートル四方程度で、注連縄で囲ま…

  • 昼に会った老人は既に死んでいた

    つい先月、実際に体験した話。俺は仕事で福祉用具の集金をしている。ある日、いつも通っている一軒の家に向かった。そこには50歳くらいの夫婦が住んでいて、別の場所に住む、脚の悪いお爺さんの面倒を見ていた。お爺さんは80歳を過ぎたくらいで、人当たりのいい穏やかな人だったのを覚えている。担当者会議で…

  • バス停に彼女が一人でいるときは

    朝、出勤のときに高校の横を通る。校舎の塀沿いに、学校向けのバス停がある。そこに、いつも一人の女子高生が立っていた。最初はただの通学風景だと思っていた。通りすがりに見かけるだけで、特に気にも留めていなかった。だが、ある日おかしなことに気づいた。彼女が一人で立っているときは、バスが停まらない。最初は…

  • 夢の中の少女が奪おうとしている三つのもの

    これは先輩から聞いた話で、夢の中の出来事です。目の前には、真っ白い着物を着た少女が座っていました。後ろを向いて、何かをじっと見ています。何を見ているのかと思い、そっと近づいていきました。すると、少女はこちらを振り向きました。真っ白い顔に、おかっぱ頭。くりっとした大きな目に、小さな口元。とても…

  • 廃墟だと思っていた場所

    今から10年以上前、小学5年生のときの話です。当時、僕のクラスでは、廃墟を探検してその結果を報告し合う『廃墟巡り遊び』なるものが流行っていました。毎週月曜日は、土日の間にどんな廃墟に行ったか、どんな体験をしたか、何を見つけたか、という話題で持ちきりでした。廃病院からカルテを持ち帰ると、その日の夜に…

  • 通行止めの最中にかかってきた電話

    これは、先輩から伺った話です。私の職場は地方の観光地なのですが、その近くで"交通事故"がありました。日曜日の昼のことで、かなり大きな事故だったようです。その影響で道路は通行止めになり、客足はぱったりと途絶えてしまいました。稼ぎ時に起きた突然の事故で、私の職場も大打撃を受けましたので、その日のことは…

  • 何でも理屈で片づける友人の例外

    この話を聞いたのは、もう30年も前のこと。私自身が体験したのではなく、当時の友人から聞いた話である。その友人は基本的にリアリストの合理主義者で、普段はテレビの心霊番組や心霊本などは信じないタイプだった。しかし彼は山登りが趣味で、その山での体験について、こう言って話してくれた。「俺は基本、心霊話は…

  • 亡き友が最後にくれた「次、行け」

    一昨年、友人が亡くなった。そしてその少しあと、誰もいないはずの海で、私は確かに彼の声を聞いた。彼はサーフィン仲間で、いつも一緒に海に入ってはナンパをしたり、時には将来のことを真面目に朝まで語り合ったりする、本当に気の合う友人だった。葬式は本人の意思もあって、親御さんと親族だけの、ひっそりとしたもの…

  • 分かってしまった人だけが何も語らない

    私には年の離れた兄がいる。この話は、兄が大学2年生、私が中学1年生だった夏の出来事。その日、兄は大学の友人たちと遊園地のプールへ出かけた。男女合わせて8人。よくある、どこにでもある夏休みの遊びだったはず。夕方、家に兄から電話があった。「今日は遅くなる。ちょっと、大変なことがあった」それ以上は何も言…

  • ひょっとするとあの子は今も

    3年くらい前の話。車で旅行した帰り、あるファミレスに立ち寄った。疲れていて一刻も早く休憩したかったので、普段はしない頭入れ駐車(前向き駐車)をした。食事を終えてファミレスを出ようと、車に乗りエンジンをかけ、ギアをRに入れると、ピーというセンサーの警告音とともに、バックモニターに小さな男の子が映った…

  • 俺が知らなかった母のもう一つの世界

    自称霊感のある、うちのおかんが体験した話。うちのおかんは、物心ついた頃から色々な体験をしてきたそうだ。それで、今回の正月に帰省したとき、初めて聞いた話がある。俺が幼い頃から、おかんは食べ物を口に運ぶとき、周りをキョロキョロと見渡す癖があった。俺はそれをただの癖だと思っていたのだが、どうも違うらしい…

  • 覗いてはいけなかった玄関の向こう側

    8年ほど前の話。当時、私はアパートに住んでいて、そこに住み始めてからかなりの年数が経っていた。そんな頃、なぜか『玄関のドアスコープ』が気になって仕方がない時期があった。きっかけは、玄関の掃除をしていた時のことだ。理由もなく、誰かに見られているような妙な感覚がして、落ち着かずに周囲を見回していた…

  • 小さい女の子を殺したと祖父が言った日

    じいちゃんは小咄が好きで、実体験かどうかはわからないが、不思議な話をよくしてくれた。その中でも、特に怖かった話がある。じいちゃんは、雨の日にぽつりと、こう言った。「わしは人を殺した。戦争中の話じゃなくて、最近の話だ」俺は一瞬、『ああ、とうとうボケたか?』そう思った。だが、せっかくの話だし、詳しく聞いて…

  • 【特集】2025年・怖い話ランキング10

    2025年(令和7年)も、いよいよ残りわずかとなりました。今年も「怖話ノ館(こわばなのやかた)」をご覧いただき、本当にありがとうございます。さて、2025年(令和7年)1月から12月に新規投稿した話の中から、閲覧数の多かったものや私の好みをもとに、"10話を厳選"しました。年末年始のゆっくりした時間…

  • 空の引き出しに怯える新人社員

    今年の3月、会社で人事の入れ替えがあった。ベテラン社員の佐藤さんが地方へ異動になり、私のフロアには新人の高橋さんが配属されてきた。ところが、その高橋さんがあまり要領のよくない子で、机の上をひどく散らかしては「書類がない」と騒いでいた。見かねた私は、処理済みの書類からファイリングして引き出しにしまう…

  • 義父が最期に否定した白い影の正体

    私は親族に、主に妻の家族に『隠し事』をしている。なぜ私だけが知り、なぜあの時、お義父さんが私だけに話したのか。それは10年以上が経過した今でも、わからないままだ。それは、妻の母親、つまり私のお義母さんが亡くなってから2か月後のことだった。その日は甥の誕生日で、親族が集まり、ささやかな誕生日パーティ…

  • 優しさの形が他人とずれている

    私は怖くないと思っているのだけれど、友人が「怖い怖い」と言う。私は動物が好きだ。でも友人は「それは違う」と言う。特に小動物が好きで、手に伝わるふわふわした毛皮の感触が楽しい。大学で実験用のネズミを掴んだとき、もぞもぞ動くのが可愛くて、つい撫で回していた。すると友人が、「何やってんの?めちゃくちゃ…

  • 住職から聞いた霊が生者を求める理由

    親戚の法事をした時、住職がこんなことを話していた。霊、つまり亡くなった人は、"生きている人しか見えない"のだという。あの世へ行ってしまっても、「ちゃんとお参りしてくれないと寂しい」と感じるらしい。そこで、住職に少し気になっていたことを聞いてみた。よくある自殺の名所などでは多くの人が亡くなっているが…

  • 悪戯のつもりで踏み込んだ父の過去の闇

    俺と弟は心霊スポットが好きで、いわく付きの廃墟などに、夜中こっそり侵入するような悪ガキだった。残念ながら2人とも霊感はなく、ほとんどはただの廃墟探険だったが、何もない田舎ではそれだけでも十分楽しかった。ある夜、オヤジが「お前らもホント好きだな」と笑いながら、夜遊びに行こうとする俺らを嗜めて…

  • 夕暮れの浜で受け取った石と失われた命

    小学生の頃、俺の家族は青森の海沿いの田舎に住んでいた。俺は幼い頃からよく浜で遊んでいたのだが、年末の1週間くらいは、"夕方に浜で遊ぶのを禁止"されていた。だが、小学3年の大晦日のこと。親たちは年末で忙しく、退屈した俺は友達のタカシと2人で浜に行き、言いつけを破って夕方まで遊んでいた。岩でできた小さ…

  • 約束を果たすため戻ってきた亡き友

    年の離れた姉から聞いた話。もう10年ほど前の出来事。10年ほど前、姉の親友だった智子さんが交通事故で亡くなった。当時の俺は小学生だったけれど、姉がショックで泣きまくっていたのを覚えている。智子さんと姉は本当に仲が良くて、亡くなる数日前も一緒に遊んでいた。最後の会話は、智子さんの車の中だった。姉は…

  • 墓石の上で嗤う赤い歯の化け物

    彼は、爺様の代から続く3代目の大工である。そんな彼の父親、2代目の師匠は、つい先日、現場で亡くなった。肉親という以上に、師として父を深く尊敬していた彼は、暇を見つけては初代と2代目が眠る墓へ足を運び、手を合わせていたという。その日は上棟の翌日。「現場で滞りなく工事が進みました」という報告を兼ねての…

  • いなくなった母親がまだそこにいる

    親戚の女の子が、父親に連れられて家に遊びに来た。この子は、数週間前に母親を亡くしている。父親が出張に出るあいだ、数日だけうちで預かることになったのだ。少しでも環境を変えて元気づけたい、という父親の思いもあったのだろう。女の子は人見知りするわけでもなく、特別に明るいわけでも暗いわけでもない。ごく普通…

  • 幻覚の中の本物の訪問者

    僕の母は、数年前から老人介護の仕事をしている。先日、痴呆老人が見る『幻覚』について話を聞かせてもらった。話を聞いていてわかったのだが、どうやら彼らの見る幻覚は、あまり良いものではないらしい。ある患者は「そこに子どもが死んでいる」と、何も落ちていない床を指差したり、また別の患者は「隣のベッドの上に…

  • 会ったはずの隣人が存在しないという話

    これは、最近引っ越したマンションの『隣人』のこと。ここは学生や単身者がほとんどなので、引っ越しの挨拶などは特にない。(挨拶に行っても生活時間がまちまちで会えないことが多いから)入居してしばらくすると、"深夜に隣から声がする"ことに気がついた。隣に住んでいるのだから、声がしてもおかしくはない。だが…

  • 左目を差し出したあの夢の夜

    16歳の頃だっただろうか。初夏の熱帯夜の日に、こんな夢を見た。モヤがかかった河原を歩いていると、人が2人、争っているのが見えた。慌てて駆け寄ると、女が2人……いや、髪が長いが1人は男だった。着流し姿で、まるで落ち武者のような長い髪をしている。そいつが馬乗りになって、女性の首を絞めていた。女性をよく…

  • どうにもできない恐怖が僕を支配する

    恐らく、僕はもうすぐ死んでしまうでしょう。きっと心臓麻痺か何かで。でも、病気ではないのです。僕は殺されるのです。きっと話したところで、誰も信じてはくれないでしょう。それでも、ここに僕が死んでしまった本当の理由を書き残します。僕の住んでいた場所には、窓から見えるところに"踏切"がありました。1年に…

  • 「先生、私のこと好き?」

    僕の知り合いに、四十代で関西の英会話教室の先生をしている方がいます。その先生はとても真面目な方で、結婚もされています。結婚生活は十数年になりますが、その間、一度も浮気をしたことがありませんでした。ところが、数年前に一度だけ、浮気をしてしまったそうです。その相手は、自分が教えている英会話教室の生徒で…

  • 家に帰ったはずが異世界にいた

    当時、私は大学を卒業したばかりのサラリーマンで、東京で一人暮らしをしていました。社会人になって初めてのゴールデンウイークということで、栃木県にある実家に帰ることにしました。実家には車で帰ったのですが、途中で渋滞に巻き込まれてしまい、疲れてきたのでサービスエリアで休憩をとることに。結局、実家に着いた…

  • 祖母が夢で告げた三度の死線

    祖母が亡くなった日のことを、私は今もはっきりと覚えている。その少し前、私は"不思議な夢"を見た。夢の中で祖母は実家の部屋にいて、「布団を上げてくれ」と頼んできた。私は昔のように布団を畳んで押し入れにしまった。すると祖母は私の手を取って、「ありがとねぇ」と微笑んだ。思い返せば、数年前に祖母にはベッド…

  • ランチの帰りに迷い込んだ部屋

    去年、母とランチを取った商店街が気に入り、冷やかし程度に商店街の不動産屋の物件チラシを見ていた。すると、不動産屋のおじさんが「良かったら中でどうぞ」と声をかけてきたので、お言葉に甘えて店内に入ることに。冷やかし半分だったので、「2LDKで7万円前後(都心の割には安め)、ペットも可能ならなお良し」と…

  • 私に付きまとう死の気配

    20代初めの頃、私は病院で働いていました。所属は末期癌病棟で、業務内容は医療機器の整備や操作です。ある宿直中の深夜、病棟を見回っていると、『黒い影』を目撃しました。その影はトコトコと歩いて、ある個室病室へ入って行きました。私は「患者さんがトイレに行ったのだろう」と思い、スタッフステーションへ戻り…

  • 消えた同僚の怨念はオフィスに棲む

    あれは、3年ほど前のことです。僕はある会社に営業として勤めていました。そして毎日が残業の連続。それでも超過勤務手当はつかない、いわゆる零細企業でした。同期には、守岡くん(仮名)という人がいました。僕より年上でしたが、仕事は遅くて営業のセンスもなく、朝のミーティングでは毎回、部長に吊し上げを食らって…

  • 真夜中の海に笑う溺れ女と謎の男

    これは、友達から聞いた話です。真夜中、夏の蒸し暑い日に、仲の良い友達数人で海辺に集まり、花火をして遊んでいました。薄暗い砂浜を花火で打ち合いながら、ワーワー騒いで走り回っていると、友達の1人が突然、真っ青な顔で海の方を指差しました。「人が溺れてるぞ!」。指差した先を見ると、暗い海の中、遠く離れた…

  • ルームミラーに女が映るんです

    むかし、某中古車オークション会場で働いていた。とあるワゴン車のセリが終わって数日後のこと。クレーム処理課の電話が鳴った。中古車のクレームといえば、装備の不備や故障、書類上のミスがほとんどだ。対応はマニュアル通り。いちゃもんに近いものはお断りし、こちらの不備なら謝罪して訂正。車両の欠陥は出品者負担で…

  • 水たまりをかき混ぜた先に見えたもの

    これは、友達から聞いた話。彼女が中学1年生の時、学校から家に帰る途中で、空き地にしゃがみこんでいるマサル君(仮名)を見かけた。マサル君は隣の家に住む小学1年生の男の子で、弟のように可愛がっていた。近づいて見ると、彼は水たまりを棒切れでじゃぶじゃぶとかき回している。「何してるの?」と声をかけると…

  • 覗かれているとしか思えない部屋

    これは、私が20歳の頃の話。母方の祖父母が癌などで同時に倒れて入院することになった。祖母の頼みで「誰もいない間、家を守ってほしい」と言われ、私がその家にしばらく住むことに。幼い頃からよく預けられていた場所で、もう住み慣れたようなものだったし、もともと1人暮らしの予定だったので抵抗はなかった…

  • 有線放送が告げた死者とのすれ違い

    これは、父が体験した話。父が子供の頃に住んでいた村は、かなりのド田舎だった。過疎化が進んでいるのに合併を拒み、いまだに『村』として残っている。この村には有線放送といえばいいのか、集会の案内や気象情報、定時にはラジオ体操まで流れるものが、それぞれの家に引かれていた。その有線放送では、"村人の出棺時刻…

  • 見えなかった者と見えた者

    これは、うちの親父から聞いた話。親父が大学3~4年の間、男3人で小さくて古い一軒家を借りて住んでいた。といっても、家賃をちゃんと払っているのは親父と高瀬さん(仮名)の2人だけ。もう1人の篠田さん(仮名)はあまりにも貧乏で、居候させる代わりに、家の掃除やゴミ出しなどをやってもらうことになっていた…

  • あのおっさんが何て言ったか聞いたか?

    もう5年くらい前の話です。週末の深夜になると仲間で車を集めて、夜明けまで『峠』を流したり騒いだりしていた頃がありました。その夜も峠でドリフトの真似事をして、助手席には先輩を乗せ、お互いの運転で大げさな悲鳴をあげたり、馬鹿笑いしたりしていました。そのうち、仲間とも散り散りになり、そろそろ疲れたし帰っ…

  • 死んだ仲間の音と光に追われた夜

    これは、母が会社の同僚から聞いた話。話し手は男性で、今から20年ほど前、20歳そこそこの頃に暴走族をやっていたそうだ。毎日のように、県内でも難所として有名な峠道を、仲間と一緒に爆走していたという。ある日、その仲間のひとりが事故を起こして死んだ。事故というのが妙なもので、カーブを曲がりきれなかった…

  • 私だけが名を知られる不気味な声

    うちの実家に、『何か』いるっぽいんです。今の家は、だいたい10年前に建てたもので、両親と妹が住んでいます。私は4年前に家を出ました。以前から、ときどき声が聞こえることがあって、最初は私だけだったので「空耳かな?」と思っていました。でも、ちょっと前に帰省したときにその話をしたら、母と妹もその声を聞い…

  • その目が消えて私は自由になった

    これは、叔母さんがお客さんから聞いた話。叔母さんは、小さな小料理屋・居酒屋をやっていた。その店は郊外の辺鄙な場所にあって、常連さんが多いのは当然のこと。たまに新しいお客さんが飲みに来るのは珍しいことだった。その中に、月に3回程度来るようになったオバサンがいたのだが、このオバサンが酒を飲みながら…

  • 何気なく声をかけたせいで

    これは、爺さんから聞いた話。爺さんが若かった頃のこと。ある夕方、近くの『河川敷』を散歩していた。川にはたくさんの船が浮かんでいて、そのうちの1つに誰かが乗っていた。その人物は、船の上から川の中に腕を突っ込み、まるで何かをかき混ぜるような仕草をしていた。逆光で相手の顔はよく見えなかったが、この辺りで…

  • あの日も同じ場所で泣いていた

    今から3年前、叔母が亡くなり、『火葬場』を訪れたときのこと。タバコを吸うために外に出たとき、入り口から少し離れたベンチに、青いスカートと襟の大きな白いシャツを着た女性が座っているのに気がついた。15メートルほど離れていたが、その距離からでもわかるほど、肩を震わせて泣いていた。場所柄、泣いている人が…

  • あの駄菓子屋にまだ視線がある

    12年前、100円のアーケードゲームが主流だった頃、10円でゲームができる駄菓子屋があった。その駄菓子屋の店主は、無口なおばあさんだった。私はそのおばあさんのことを、あまり好きではなかった。それでも、毎日のようにその駄菓子屋へ通っていた。おばあさんは、いつも少し離れたテーブルで煙草をくゆらせながら…

  • 金にうるさい幽霊との交渉

    もう退職したけれど、ある大病院で外科部長を務めたことのある医師の話。その病院の"特別室"、つまり料金の高い個室で、『厚化粧のおばさんの幽霊』が出るようになった。まあ、場所が場所だけに、幽霊くらいしょっちゅう出たらしいが……。「気のせいですよ」「錯覚ですよ」と強引に無視していると、大抵はいつの間にか…

  • 私が怒られると走ってくる足音

    中学の頃、「霊感がある」と言われていた、目力の強い福耳の先生がいた。私は勉強が嫌いで落ちこぼれだったが、本を読むのは好きで、授業中によく読書していた。当然、先生に叱られる。けれど、しばらくすると「授業を中断する方が良くない」と判断されたらしく、本を読んでいるのが見つかると、職員室に連れて行かれ…

  • この部屋に何かがいる気がして

    当時借りていた部屋では、ラップ音や金縛りは日常茶飯事だった。ただ、何者かの姿を見たり、物理的な攻撃を受けたりすることはなかった。それでも、ずっと妙な気配が続いていたので、意を決して部屋の中で「何となくここだ」と感じた場所をカメラで撮影してみた。恐る恐る写真を確認していったが、特におかしなものは写っ…

  • 橋の向こうのかっぱえびせん

    これは、私が大学生の頃に体験した話です。本当に不思議な出来事でした。よくある『虫の知らせ』のようなものかもしれませんが、私にとっては大切な思い出です。私は京都の大学に通っていました。実家は隣の県にありますが、大学までは電車とバスを乗り継いで片道およそ4時間かかります。そのため、私は学生専用アパート…

  • 見られているのはこちらだった

    我が家に起こった話を聞いてください。私の家は、父が建てた築40年ほどの2階建てなのですが、3年前、その東側の空き地にアパートが建ちました。それほど広い土地ではなかったため、よくある1棟に4部屋の小さな建物です。駅に近いこともあってか、完成してすぐに全室が埋まりました。ところが、1ヶ月もしないうちに…

  • 異国の現場で見た憑依騒ぎ

    これは、東南アジアでの体験談。事務仕事が一段落したので、気分転換に現場をちょっと巡回していたところ、何やら人だかりができていた。人だかりはトラブルの可能性が大なので、急いで中心へ行ってみると……。腹にロープを巻き付けられ、両手両足を4〜5人に押さえつけられている男がいた。口の中を切っているのか…

  • 夢が教えてくれた家族の秘密

    小学生の頃、夢に"血でドロドロになった赤ちゃん"が出てきた。僕が部屋の前に立っていると、赤ちゃんがヒタヒタと廊下を進んでくる。なぜかその後ろには祖母が立っており、ニコニコと微笑んでいた。僕は恐怖に包まれ、じわじわと近づいてくる赤ちゃんに向かって「来るな、来るなー!」と叫びながら押し返したが…

  • 夏の間だけそこに現れる彼女

    これは、夏にまつわる話です。私が通っていた高校の近くに、見晴らしが良いのになぜか毎日のように事故が多発していた十字路がありました。ただ、歩行者が巻き込まれるような事故はなく、どれも車同士がぶつかるというものばかり。奇跡的に亡くなった人はいませんでしたが、私はなんとなく"その原因"に心当たりがあり…

  • 人間も自然も78対22で成り立っている

    この世は『78対22』という宇宙の法則で成り立っている。キリよく「7対3の法則」や「8対2の法則」ともいわれ、ビジネスなどにも応用されている。科学的に「78対22」という黄金比が証明されているわけではないが、統計の中からこの比率が見つかる例は多く存在する。たとえば……。地球上の海と陸の割合は…

  • それは鳴きながら確実に近づいてきた

    私は昔から結構なビビりで、怖い話なんかは大の苦手。そのわりには、"嫌な気配"をよく感じる。まあ、ただの勘違いかもしれないけれど。当時、私は高校2年だったか。ベッドは窓際にくっつけて置いていて、そこで寝ていた。時間は深夜1時から2時頃。なぜか眠れなくて、ベッドの上で顔を手で覆いながら、なんとか寝よう…

  • 霊ではなく生きていたという恐怖

    15年ほど前の話になります。小学5年のとき、父が転職した関係で引っ越しをしました。しばらくしてから、そのマンションで『若い女性の霊』を見るようになったのです。現れる時間帯に規則性はなく、夜のときもあれば、昼間に現れることもありました。その霊はいつも怖い顔であちこちを睨みつけていて、とにかく近寄り…

  • 傘を受け取っていたらどうなった?

    "雨の日"になると思い出すことがある。これは、高校2年の夏休みの時の話。その日、俺は友人の秋山と林の3人で買い物に出かけていた。すると突然、雨が降り出した。傘を持っていなかった俺たちは大慌て。すぐ近くにあった屋根付きのバス停に駆け込んだ。「雨の予報なんて出てなかったよな?」そう言い合っていたら…

  • 引っ越しとともに置き去りにされた魂

    私がこの話を聞いたのは、5年ほど前のこと。今は更地になっているが、かつて実家の隣にあった家に、"幽霊が出ていた"という。20年ほど前、その家を工事現場の事務所兼宿舎として貸し出していた時期があり、その頃に幽霊が出ていたそうだ。目撃者は、その宿舎に長期で滞在していた職人のおっちゃんたち。我が家は当時…

  • その名を告げて消えた医師

    これは、2007年10月10日のことです。雪の中を通勤中、吐血が止まらなくなり、道端で転げ回っていたとき、若い研修医のような白衣の男性に抱きしめられました。医者の格好をしていたし、「私、医師の矢島です」と名乗ったのです。そのときの時刻は、朝の7時30分でした。痛みはあるものの、矢島という医師に抱き…

  • その人はまだ走り続けている

    これは、かれこれ30年以上も続いている話。私の父は5人兄弟の次男です。そんな父が10歳のときのこと。駄菓子屋からの帰り道、夕方6時の門限が近づいていたため、急いで自転車を走らせていたそうです。父の父、つまり私の祖父は自営業を営む、相当な頑固者。門限を過ぎたとなれば、容赦なく鉄拳が飛んでくるような人…

  • 仏さんが喜ぶと線香の灰は丸くなる

    小さい頃、祖父が病院で亡くなった。両親と駆けつけた時には、もう霊安室に移されていた。両親はじめ、親戚みんなが慌ただしくする中、どういうわけか俺だけが霊安室に残されることになった。「線香は絶対に切らさんようにね」そう念を押され、俺は素直に線香をじっと見つめていた。どれぐらい経っただろうか……。ふと…

  • 命令で成仏した戦場の幽霊部隊

    ガキの頃に、鍼灸師のジジイから聞いた話。ちょっと変わった幽霊談です。ニューギニアのあたりの、ある戦場でのこと。大規模な戦闘をした部隊があって、その後、その部隊の前線基地に、"夜な夜な死んだ兵士たちが現れるようになった"そうです。彼らは皆、ちゃんと足があり、懐かしそうに「よぉ!」とか言いながら現れる…

  • 小5から始まった僕の世界

    僕には小さい頃、親友がいた。親友といっても、人間じゃない。猫だった。その猫は、普通の猫よりひとまわり大きくて、いつも堤防にある陸橋の下にいた。僕がそこを通るたび、気づけばいつも同じ場所にいて、気づけば自然と仲良くなっていた。僕が無邪気にはしゃいでいると、あの猫は目を細めてじっと見守ってくれていた…

  • あの鏡の中に私じゃない誰かがいた

    私は、貧乏なアパート暮らしの女。お風呂がないので、いつも『銭湯』に通っている。その日、いつもの店が休みだったため、少し離れた場所にある銭湯へ向かった。浴室には数人のオバちゃんたちがいて、楽しそうにおしゃべりしていた。髪を洗っていると、ふと視線を感じた。洗い終えて顔を上げると、自分の前の鏡に、見知ら…

  • あの世からの誘いは夢を通じて

    零細企業に勤めていたが、家業を継ぐため、やむなく退職した。その後、その会社は倒産した。それから10年。あの会社の社長の夢を、何度も立て続けに見るようになった。「帰ってきてくれ。もう一度、一緒に仕事をしよう」そんな内容だった。気になって連絡を取ってみると、社長は末期ガンで、余命わずかだということ…

  • 知らぬ間に踏み入れた異界の縁

    昔、今とは別の仕事をしていた頃のこと。その日は、いつもいる支店とは違うエリアでの営業で、渡された地図を片手に、歩きながら飛び込み営業をする仕事だった。目的のエリアに着き、「さて、行くか」と歩き始めてしばらくすると、地図では黒く塗り潰されていた一軒の近くで、足が止まった。「……あれ?誰かいる……?」…

  • 自然はただの遊び場ではない

    これは、俺が子どもの頃に体験した話。近所の川で、4人で岩から岩へ飛び移りながら遊んでいた。そのとき、ひとりがうっかり深い場所に落ちてしまった。しかもその川は、前日の雨で増水しており、流れがとても速くなっていた。友達は、あっという間に流されていった。「助けてー! 助けてー!」水面から顔と両手だけを…

  • 叩けば転ぶオコロビサンの呪い

    俺の家の近所には『オコロビサン』と呼ばれている、地蔵のような不思議な石像がぽつんと建っている場所がある。地蔵かどうかも定かではないのだが、誰からともなくそう呼ばれていて、子供の間ではちょっとした怪談めいた存在になっていた。そのオコロビサンには、昔から奇妙な噂があった。学校からの帰り道などで…

  • 死人を恐怖で語らないでくれ

    これは、先輩が通っていた中学校での話です。当時の音楽の先生は女性で、昔から"いわく付きのものが見える体質"だったそうです。初めてそういったものを見たのは、子どもの頃のこと。かくれんぼの最中、とある山で首吊り死体を見つけてしまったのが最初の体験だったといいます。友人たちと一緒に、その場に居合わせた…

  • 今日は庭を通っちゃダメだよ

    小学生の頃、学校帰りに毎日、近道として他人の家の庭を通って帰っていました。その日も、いつものようにその家の庭を通ろうとしたところ、家の前に立っていたおばあちゃんに、「今日は庭を通っちゃダメだよ」と言われました。いつもはニコニコしながら「こんにちは~」と挨拶してくれるおばあちゃんなのに、その日は…

  • 今日は生きて帰れなかった

    中学生のとき、部活で遅くなると、よく隣の家の兄ちゃんが、同じ時間にバイクで帰宅してきた。ブロ~ン!と、兄ちゃんは自分の家の駐車スペースに入り、帰った時のセリフは、いつも「はぁ、今日も生きて帰ってこれた~」だった。毎日、バイクで大学を通っているらしい。電車だと時間がかかるから、バイク通学をしている…

  • 住んだだけで死んでいく家

    俺の実家の前には、数件の借家が並んでいる。その中の一軒が、かなりヤバい物件だった。そこは築60年以上の古い借家。町は福祉にあまり力を入れていなかったから、公営住宅が少なく、民間の住宅に独居老人が多く住んでいた。実家は少し小高い場所にある畑のそばに建っていて、その借家群を見渡せる位置にあった。問題の…

  • 誰も知らない何かがある部屋

    これは、不動産会社にいた時の話。入居して1ヶ月もしないうちに、入居者からこんな電話があった。「この部屋、以前に何かありましたか?」「いえ、特に何もありませんが……」数日後、また同じ入居者から電話が。「本当に何もなかったんですか?」一応、先輩社員に確認してみたが、やはり特に何もなかったので、「調べ…

  • あの人は帰ってきたのかもしれない

    お盆前のこと。終電で帰ったある日、ホームから改札に向かう階段の踊り場で、おばあさんが荷物を二つ持って立っていた。ホームの一番端からのんびり歩きながらその様子を見ていたのだけれど、すれ違う人たちはみんな、さっさと階段を上がっていってしまい、誰も手を貸そうとしない。私が階段を上り始めた頃には、おばあさん…

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