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怖話ノ館(こわばなのやかた) http://kowabananoyakata.main.jp/

怖い話や怪談が読みやすいブログです。他にも意味怖、謎怖、シリーズもの、都市伝説、画像や動画など多数。

たくさんの怖い話や怪談を読みやすいように掲載しています。画像や動画なども扱っています。怖い世界をどうぞごゆっくり・・・

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2014/12/01

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  • 知らぬ間に踏み入れた異界の縁

    昔、今とは別の仕事をしていた頃のこと。その日は、いつもいる支店とは違うエリアでの営業で、渡された地図を片手に、歩きながら飛び込み営業をする仕事だった。目的のエリアに着き、「さて、行くか」と歩き始めてしばらくすると、地図では黒く塗り潰されていた一軒の近くで、足が止まった。「……あれ?誰かいる……?」…

  • 自然はただの遊び場ではない

    これは、俺が子どもの頃に体験した話。近所の川で、4人で岩から岩へ飛び移りながら遊んでいた。そのとき、ひとりがうっかり深い場所に落ちてしまった。しかもその川は、前日の雨で増水しており、流れがとても速くなっていた。友達は、あっという間に流されていった。「助けてー! 助けてー!」水面から顔と両手だけを…

  • 叩けば転ぶオコロビサンの呪い

    俺の家の近所には『オコロビサン』と呼ばれている、地蔵のような不思議な石像がぽつんと建っている場所がある。地蔵かどうかも定かではないのだが、誰からともなくそう呼ばれていて、子供の間ではちょっとした怪談めいた存在になっていた。そのオコロビサンには、昔から奇妙な噂があった。学校からの帰り道などで…

  • 死人を恐怖で語らないでくれ

    これは、先輩が通っていた中学校での話です。当時の音楽の先生は女性で、昔から"いわく付きのものが見える体質"だったそうです。初めてそういったものを見たのは、子どもの頃のこと。かくれんぼの最中、とある山で首吊り死体を見つけてしまったのが最初の体験だったといいます。友人たちと一緒に、その場に居合わせた…

  • 今日は庭を通っちゃダメだよ

    小学生の頃、学校帰りに毎日、近道として他人の家の庭を通って帰っていました。その日も、いつものようにその家の庭を通ろうとしたところ、家の前に立っていたおばあちゃんに、「今日は庭を通っちゃダメだよ」と言われました。いつもはニコニコしながら「こんにちは~」と挨拶してくれるおばあちゃんなのに、その日は…

  • 今日は生きて帰れなかった

    中学生のとき、部活で遅くなると、よく隣の家の兄ちゃんが、同じ時間にバイクで帰宅してきた。ブロ~ン!と、兄ちゃんは自分の家の駐車スペースに入り、帰った時のセリフは、いつも「はぁ、今日も生きて帰ってこれた~」だった。毎日、バイクで大学を通っているらしい。電車だと時間がかかるから、バイク通学をしている…

  • 住んだだけで死んでいく家

    俺の実家の前には、数件の借家が並んでいる。その中の一軒が、かなりヤバい物件だった。そこは築60年以上の古い借家。町は福祉にあまり力を入れていなかったから、公営住宅が少なく、民間の住宅に独居老人が多く住んでいた。実家は少し小高い場所にある畑のそばに建っていて、その借家群を見渡せる位置にあった。問題の…

  • 誰も知らない何かがある部屋

    これは、不動産会社にいた時の話。入居して1ヶ月もしないうちに、入居者からこんな電話があった。「この部屋、以前に何かありましたか?」「いえ、特に何もありませんが……」数日後、また同じ入居者から電話が。「本当に何もなかったんですか?」一応、先輩社員に確認してみたが、やはり特に何もなかったので、「調べ…

  • あの人は帰ってきたのかもしれない

    お盆前のこと。終電で帰ったある日、ホームから改札に向かう階段の踊り場で、おばあさんが荷物を二つ持って立っていた。ホームの一番端からのんびり歩きながらその様子を見ていたのだけれど、すれ違う人たちはみんな、さっさと階段を上がっていってしまい、誰も手を貸そうとしない。私が階段を上り始めた頃には、おばあさん…

  • 幽霊列車の果実は食べてはいけない

    これは、久しぶりに『幽霊列車』に乗ったときの話。乗ってから20分ほど経った頃、右耳のない知り合いのおっさんと世間話をしていると、駅で"黒い日傘を差した貴婦人"が乗ってきた。その貴婦人は、まっすぐ俺のところへ歩いてきて、鞄から一枚の絵を取り出し、「この絵は何に見えますか?」なんて聞いてきた。絵は…

  • 石積みの封印が解かれるとき

    五島で生まれ育った親父の、子どもの頃の話。友人たちと山の中で遊んでいたとき、一人の子どもが『石積み』を蹴り倒してしまった。それは、本当に無造作に山の中にぽつんと置かれていた石積みだったので、誰も特別な意味があるものだとは思わなかった。しかし、それから程なくして、石積みを蹴り倒した子どもが、妙なこと…

  • あの子はまだ傍にいた

    時、母・兄・私の三人で暮らしていた。その日は仕事の疲れもたまっていたので、休みを利用してお昼頃まで寝ていた。「そろそろ起きるか~」と思い、体を起こそうとした瞬間、金縛りに。私はしょっちゅう金縛りに遭っていたので、「またか~、やだな~、早く終われ~」と、呑気に考えていた。でも、いつもと何かが違う…

  • 山道の先に棲むもの

    今からおよそ3年前のこと。当時、俺は大学卒業を控えていて、就活や研究に追われる日々を送っていた。けれど、長い夏休みに入ったこともあり、気晴らしに東北各地をまわってみることにした。車での一人旅だったから気楽なもので、気の向くままに適当な場所へ立ち寄ったり、運転に疲れたら車を停めて昼寝をしたりと…

  • その幻は笑っていた

    これは、両腕を骨折して入院していたときの話。窓際のベッドで、新鮮な空気こそ入ってくるものの、とにかくすることがない。日がな一日、ベッドに縛りつけられているおかげで、向かいの人とすっかり仲良くなってしまった。毎日、自分の趣味のことや家族のこと、そして怪我について語り合った。彼は最近大手術を終えた…

  • 監視モニターに映る死の予兆

    数年前、現職時の警衛勤務中の話。時間は深夜2時30分頃だったか。警衛所で監視モニターとにらめっこをしている時に、正門とは別の、夜間は閉じている小さい南門のカメラに『妙なもの』が映り込んでいた。パッと見では黒い塊。よく見ると、横向きに寝たような人間の形をしていて、まるで丸焦げの焼死体のようだった…

  • 悪ふざけが招いた本物の恐怖

    これは、大学生のときの話。俺は軽音楽部にいたのだが、そこには霊感の強い女の先輩がいた。本人はそれを嫌がっていたが、みんなは面白がって、幽霊の噂がある場所へ夜に連れて行き、「この辺どう?」とか聞いていた。本当にヤバい場所では、先輩は頭を抱えてガタガタ震え出し、何も言わなくなる。最初はあまり信じていな…

  • 死の直前に見えるものは必ずしも・・・

    人が亡くなる間際、助けるように導く謎の存在が現れることがあるそうです。それは亡くなった兄弟や親族の姿であったり、声だけで聞こえたりすることもあるそうですが、正しい道を示したり、励ましたりすると言われています。とても心温まる話ですが、実際に私が体験したのは少し違いました。私の祖父はガンで亡くなり…

  • 幽霊との恋は命がけ

    昔、俺の家には『幽霊』が出ていた。そいつは、長い髪に青いワンピースを着た綺麗な女だった。当時、俺は「まあ、家賃が安いから仕方ないか」と、あまり気にしていなかった。そんな話を同僚にしたこともすっかり忘れた頃、ある休日にその同僚の家へ遊びに行った。「おじゃましま~す」「あら、友達?」「例の、幽霊が出る…

  • 病院で遭遇したもう一つの世界

    今週の火曜日のことです。小4の息子が骨折しました。そこで、近所の病院に連れて行くことに。その病院は、以前私が盲腸の手術をした時に、麻酔が効きすぎて2日間意識が戻らず、「もうダメかもしれない…」と医師に言われたことがある病院でした。家族は「医療ミスだ!訴えてやる!」とカンカンに怒りましたが、私も無事…

  • 事故現場を見てからの異変の数々

    現在進行形なんだが、誰か助けてくれ。半年ほど前のこと。仕事を終えて車で帰る途中、大きな事故現場に遭遇した。「ああ、これは助からないな」。そう思うほどの惨状で、今でも鮮明に覚えている。それがきっかけなのかはわからない。だが、事故現場を見た数週間後の休日、子供と部屋で遊んでいると、不意に『何か』がドア…

  • おかんと幽霊の帰り道

    うちのおかんは、自称「霊感がある」と言い張るタイプの人間だ。そんなおかんが、結婚前に東京で働いていたときの話。ある日、送別会だか忘年会だか、とにかく何かの飲み会があり、帰りが遅くなったそう。新宿からタクシーで帰ろうとしたところ、深夜2時過ぎということもあり、すぐにタクシーを拾うことができた。行き先…

  • 気づいてはいけない気配

    これは、私と会社の先輩・冨岡さんの話。当時、私は20代で、冨岡さんは30代。二人とも独身で一人暮らし。家も近かったので、よく一緒に飲んでいた。その日も私の家で飲んだ後、冨岡さんを見送りがてら、一緒に歩いていた。場所は都内某所の、住宅とビルが混在する地域。時刻は、おそらく深夜0時頃。普段は人通りの…

  • 幽霊に足は本当にないの?

    よくある話ですが、その家でも『足音』が存在していました。ルートは決まっていて、自分の寝室のドアが開く音がすると、足音が始まります。居間を抜け、玄関へと続く廊下を通り、玄関脇のトイレのドアを開け、そこで足音は消えるのです。しかし、この足音は、台所のテーブルに座っていないと聞こえません。妹が初めて聞い…

  • 黒い男の夢とばあちゃんの最期

    これは、病気で入院しているばあちゃんを、親戚揃って見舞いに行ったときの話。実際、ばあちゃんの容体は芳しくなく、それは見舞った全員がすでに知っていた。ばあちゃん本人がどこまで自分の状態をわかっていたのかは、俺にはわからない。そんなとき、従兄弟が急にばあちゃんにしがみついて泣き出した。それも、子供が泣き…

  • 死を誘う視界の端の存在

    俺だけに見える人がいる。それは子供の頃から、身内に不幸が訪れる直前に現れる存在だった。何十年も前から同じ姿のままなので、人ではないのだろうが、便宜上ここでは『人』と表記する。祖母が亡くなる前、祖父が亡くなる前、その時ほとんど交流のなかった叔父が亡くなる前にも見た。そして、従兄弟の嫁など、血のつなが…

  • 山に刻まれた罪と怨念

    子供の頃に住んでいた家は、すぐ裏が山だった。よく一人でその山に入り、探検ごっこをして遊んでいたが、毎年じいちゃんが「今日は山に入るな!」と言う日があった。その日は、いつもとは違う特別な雰囲気で、じいちゃんは近所の人たちと寺に集まり、御詠歌を唱えていた。じいちゃんに理由を聞いたが、教えてもらえ…

  • ある噂と封じられた体育館にて

    俺が卒業した高校は、ヤンキーの割合が高く、いわゆるバカの受け皿のような学校だった。そこまで言わなくても…と思うが、友人が高2でやっと掛け算や割り算を習っていると知ったとき、俺もバカなんだと再確認し、多少は恥ずかしくなった。そんな母校での話。七不思議のようなものはなかったが、先輩たちの話をいくつか…

  • 突然の別れと逃れぬ恐怖

    もう10年以上前の話だが、とある県の24時間サウナで意気投合した男の話。彼には結婚を考えていた女性がいた。ある日の晩、一緒に繁華街で遅い晩飯を済ませ、軽く飲んだ後、彼女をタクシー乗り場まで送った。「次はいつデートしようか?」。浮かれて尋ねる自分に、彼女は「うーん…。もう会えないかもね。今日でお別れ…

  • ずっと目撃者を探しているんです

    これは、今の街に越して来て2週間ほど経った頃のこと。残業を終え、終電で最寄り駅に降り立った俺は、自宅へ向かい急ぎ足で歩いていた。途中、信号のない高架下の道路と、高架沿いの道路が十字に交差する場所がある。そこは見るからに暗く、夜間に女性が1人で歩くには危険な雰囲気の横断歩道だった。その横断歩道を渡り…

  • 風に乗ってきた不思議な何か

    大学時代、一人暮らしをしていた。住んでいたのは、特別古くも新しくもない、平均的なワンルームのアパートだった。2年目の冬のこと。帰宅後の習慣で、換気のために窓を開けた。そのとき、冷たい風に乗って何かがふわっと入ってきたような気がしたが、特に気に留めることもなく、普段どおり生活していた。ところが…

  • 誰も知らない木の置物

    母が里帰りした際、実家から『木でできた置物』を持ち帰ってきた。母方の祖母はすでに他界しており、祖父は痴呆が始まっていた。置物は握り拳ほどの大きさで、何か特定の形をした彫り物ではなく、自然にできた木の瘤を切り取り、磨いただけのものに見えた。木の種類はケヤキのようだった。凹凸の加減や木肌の濃淡から…

  • おじいさんの最期の願い

    妻と別居していた時期、古い木造アパートに暮らしていた。離婚寸前の状態だった。風呂がないため、いつも銭湯へ足を運んだ。帰宅が遅く、閉店間際に駆け込むことが多かった。そんな時間帯に決まって現れるおじいさんがいて、次第に顔見知りになった。おじいさんは妻に先立たれ、今は一人暮らし。子供もいるが、遠く離れて…

  • 死んだはずの彼がそこにいた

    これは、母から聞いた話。ほんの1ヶ月ほど前のことです。母は、あまり大きくない総合病院の売店でパートをしています。小さな売店で、店員は午前と午後で1人ずつ交代する体制。母は午後の担当で、閉店までのシフトです。売店は外来受付のロビーに面していますが、外来受付は売店より早く閉まってしまうため、閉店間際に…

  • お化けが消えたあの日

    今から25年ほど前、私は5歳でした。その頃、家の中で『変なもの』が見えることがありました。夜中に目を覚ますと、白い着物を着た女性が立っていたり、天井から声がして私の名前を呼ばれたりすることが日常茶飯事でした。私以外の家族、両親や姉には、そういった経験がないようで、次第に「自分にしか見えたり聞こえた…

  • 隙間からずっと見ている女

    これは、ついこの間の週末にあった話。繁華街で仲間うち数人と飲んでいた。その店は、一定以上の食べ物を頼むと飲み物が無料になるシステム。俺たちは帰る時間まで存分に飲み、気持ちよくなったところで店を出た。帰り際、自分だけ違う方向の電車だったので、仲間たちに別れを告げ、電車を待つことに。繁華街ということも…

  • 幽霊が鍛えた弱小野球部の守備力

    これは、私の出身高校の野球部でスタメンの子から聞いた話。「学校の野球グラウンドには、ベースカバーを行う幽霊がいる」。一、二塁間のゴロを一塁手がキャッチし、一塁側を向くと、すでに誰かがベース上で捕球体勢をとっている。一塁手がボールをトスすると、その誰かはフッと消えてしまい、ボールは明後日の方向に転が…

  • 墓参りで出会った赤いトレンチコートの女

    2年ぐらい前の話になる。その日は母の命日だったのだが、仕事が忙しくて墓参りに行くのをすっかり忘れていた。ようやく仕事が終わって時計を見ると、夜の10時。さて帰るか、と思い何気なく携帯を見ると、メールが1件。開いてみると兄貴からで、内容は「墓参り行った?」というもの。そこでようやく、墓参りに行って…

  • 日常から非日常への境界線を越える瞬間

    これは、大学4年の5月にあった話。教員免許取得のため、母校の中学校へ教育実習に行った。実習生は男2人、女5人ほどのグループで、無事に2週間の実習を終了した。最終日には打ち上げと称して、若手の先生3人くらいと居酒屋に行った。田舎だったため、先生たちの車2台に分乗することに。俺は体育の男性の先生の車に…

  • 夜更けに響くお囃子と窓の外の異形

    大学生の頃に住んでいた町は、神社やお寺が多い場所でした。これは、その町で体験した話です。当時、私は彼氏の住むアパートで半ば同棲状態で暮らしており、その日も彼がバイトから帰ってくるのを待っていました。彼のバイト先は居酒屋で、帰宅はいつも午前2時を過ぎてからでした。深夜番組を見ながら『まだかな……』と…

  • お前も死ねばいいのにな

    これは、もう8年以上前の話になる。大学進学が決まった高校卒業間近のある日、家の壁に軽く右肩をぶつけただけで激痛が走った。その後、大学病院で精密検査を受けた結果、骨肉腫という診断が下された。骨肉腫の治療は、主に手術と、その前後の抗がん剤治療が基本だ。治療が順調に進んだ場合でも、およそ1年近くの入院が…

  • 仏間に漂うものとその後

    俺の実家は古い木造で、中でも『仏間』がなんだか妙だった。そこだけ異様に空気が重くて、居心地が悪い感じがした。窓がなく、四方を襖戸で囲まれていて、襖を開けっ放しにしていると、やけに怒られた。他の部屋ではそんなことはなかったのに、なぜ仏間だけ?と不思議に思っていた。でも、何年も暮らすうちに、その理由が…

  • 夜中の倉庫で出会った異界の住人

    これは、長距離運転手の友達から聞いた話。ある日のこと、『大阪の倉庫』で荷下ろしの順番を取るため、夜中の1時頃に到着した。それでも3番手だったそうだ。とはいえ、5台ずつ荷物を降ろすので、朝一番に降ろすのと変わりはないとのこと。友達はひと安心して、運転日報を書き始めた。すると、助手席のドアをコンコンと…

  • 見えない縁と結ばれた不思議な夜

    これは、自分の『結納の日』に体験した話です。その日の夜、前年に結婚した姉の家に泊まりに行きました。義兄が社員旅行で不在だったので、「久しぶりに姉妹で一晩中遊ぼうよ」と話しながら、烏龍茶を飲み、お菓子をつまみ、ゲームをして過ごしました。姉が下戸なのでアルコールは一切なし。つまり酔っていたわけでは…

  • 20時の境界線と見えない話し声たち

    これは、夜の会社で怖い体験をした話。私はコールセンターに勤務している。勤務先は5階建ての自社ビルで、最上階がオペレーターが電話応対をするフロア。1~4階は事務処理部門のフロアになっており、地下は食堂と倉庫という作りだ。また、2階と4階には自販機が設置された休憩室がある。コールセンターの受付業務は…

  • あの世で会えなかった二人

    これは、旅行中に不思議な体験をした話。金曜の夜から日曜にかけて、二泊三日で友人を連れてバイクで出かけた。一泊目は東北のある宿に泊まり、二泊目はうちの親が所有する小さな別荘に宿泊した。この別荘は購入当初、祖母が暮らしており、祖母のために和室も作られていた。そのため、泊まる時はそこを寝室として使って…

  • 病院で働く私が辞めた理由

    これは、1年ほど前の話です。当時、私はとある『病院』で働いていました。とはいっても医師や看護師ではなく、社会福祉士の資格を持っていたのでリハビリ科に所属していました。主な業務はデスクワークのようなものでした。患者さんたちと話す機会ももちろんありましたが、相手はほとんどがご高齢の方や入院患者さん…

  • 見えない存在に手を振られた日

    これは、2ヶ月ほど前の話です。友人に「霊感があるかわかるテストがある」と言われ、やってみました。ご存じの方も多いテストかと思いますが、内容は次のようなものでした。目を瞑り、頭の中で今自分が住んでいる家を想像する。入り口から入り、すべてのドアを開けて回り、ドアを開け終わったら入り口まで戻る。次に…

  • 明かりが消えるたびに

    2年ほど前から、都内のある沿線のマンションに住んでいます。間取りは2Kで南向き。玄関を入るとすぐにキッチンがあり、その奥に2部屋という、ごく普通の構造です。玄関からみて手前を居間、奥を寝室として使うと、ちょうど良い具合の物件です。ただ、住み心地は良いのですが、電車が通過する影響なのか、明かりが消え…

  • ルールを軽視すると予期せぬ結果を招く

    これは、東京のある美術大学で起こった話。その日は授業の中で、町の景観をカメラに収め、写真のフィルムを現像する時間があった。現像する際に使用する『暗室』という部屋があり、そこは光が一切入らないように設計された場所だ。暗室の構造は次の通り。まず、暗室へのドアを開けると、そこにはL字型の通路があり…

  • 軽いノリが怪現象の解決策だった

    私の今の実家は、新築だけど安かった。でも、いざ住んでみると、まあ色々と細かい『変なことがよく起こる家』だった。とはいえ、家族の誰も霊感が全くないせいか、変なことが起こる家という以上の感想もなく、何十年も普通に住んでいた。その変なことを起こす存在が単独なのか複数なのかもわからないまま、とりあえず何か…

  • 幽霊も神様もそこにいる

    もう5年くらい前の話になる。俺の昔の友人に、いわゆる"見える人"がいたのだが、彼が『守り神』みたいなものを連れているらしかった。だからか、見えてはいけないものが見えても、取り憑かれたり危害を加えられたりすることはなかったという。その守り神、普段は俺には見えないし、声も気配も感じなかったのだが…

  • 【特集】2024年・怖い話ランキング20

    2024年(令和6年)1月~12月の期間に新規投稿した話の中で、閲覧数の多かったものや私個人の好みから厳選して『20話』ピックアップしました。お暇な時などに、ごゆっくりと怖い話をお楽しみください。なお、次回の投稿は新年1月6日(月)からを予定しています。2025年も引き続き『怖話ノ館(こわばなの…

  • 見えなかった私と見えていた彼

    私には、とても後悔していることがあります。その後悔は、日に日に強くなっています。3年前、主人が亡くなりました。主人は節約が好きで、堅実で真面目な人でした。無駄な電気を使わないよう、こまめに節電を心がけ、「もったいない」という言葉がいつも口癖でした。温水便座も、フタを閉めることで節電になるという主人…

  • お腹を空かしたまま逝った子じゃけん

    これは、子供の頃の体験話です。お盆の時期に、妹と2人で祖母の家に泊まりました。祖父母と一緒にご飯を食べ、妹と客間に寝かせてもらいましたが、夜中に不意に妹がむくっと起き上がり、「お水、飲みたいよー」と言い出しました。まったくもう……と思いつつ、私は台所からコップに水を入れて持っていきました。妹は水を…

  • 異国人に向けられた無数の目

    俺はアパレル業界に就いているのだが、中国の雇用費上昇と品質低下のため、新規生産国を開拓してバングラディシュを一つに据えることになった。これは、そこで簡単な制作指導と現地調査、また交流を含めてバングラディシュに行った時に起こった話。ダッカなどの都心部は東京にも負けないほど近代的で凄かったが…

  • もう一度住めと言われたら無理な家

    これは、『幽霊屋敷』に住んでいた時の話です。これまでの人生で心霊現象らしきものは、川遊びと今から話す体験のみです。そんな霊感がまったくない私でも、"明らかにおかしい"とわかりました。家鳴りや何かしらの階段の上り下りはしょっちゅうで、人がいないのにテレビが勝手についたり、出した覚えのない水が出っ放し…

  • その手を引っ張ってみたら

    これは、私が小学生くらいの頃の奇妙な体験話。当時は姉と一緒に2段ベッドを使っていた。ベッドの上は姉で、私が下。しかし姉は寝相が悪く、よく手足を柵からはみ出させたりして、下で寝ている私を怖がらせていた。ふと起きた時に、薄暗い中で上から手や足がぶら下がって見えるのは、ほんとに怖かった。でもまあ…

  • 死神に命を差し出した夜

    これは、母から聞いた不思議な体験話。去年の暮れ、母が突然入院した。病気の症状ははっきり出ていなかったらしいのだが、"寝ようとすると金縛りに遭い、黒い影のようなものが顔を覗き込んで「もうすぐ…」と言って消える"という妙な体験もあり、念のための検診だった。検診の結果、即入院に。内臓に穴が開いていて…

  • 父と私だけが感じたもの

    これは、新築で住み始めた今の家での話。ここには私が中学2年の時に引っ越してきました。引っ越してしばらくしてからのこと、夕飯を食べて居間でテレビを見ていると、2~3日に1度は父と私が同時に居間の磨りガラスが入っているドアを見るのです。テレビに夢中ですぐにテレビに視線を戻すのですが、ある日、父に聞いて…

  • 私の中の本当の私はどこに?

    これは、親に「何か怖い話でもない?」と聞いてみたときの話。そうしたら母は、「えー……」と少し考えた後、思い出したかのように「怖い話というか、不思議な話ならあるよ」と言うので、「どんな話?」と聞いてみた。それにしても、まさか私の話とは思わなかったので少し驚いた。3人兄弟の末っ子長女だった私は…

  • 二度現れた足を欲する者

    これは、大学時代のひとつ上の先輩の話。彼女が小学4年生の頃のこと、学校からの帰り道に、いつもある脇道から出てくる中年の男性がいたそうで。しかも常に彼女がその脇道を通りかかる時に出てきて、ぼんやりと立っていたという。幼心ながら不気味に思っていた彼女はそのことを母親に相談したところ、しばらく車で送り迎…

  • 山の不思議な案内人

    山は身近な異界と言うけれど、確かに山登りをしていると、たまに妙な出来事に遭遇する。「こんにちは」。向こうからやってきた男性は朗らかに挨拶し、笑顔で会釈してきた。こちらもぺこりと頭を下げる。「この先に行かれるんですか?」。「その予定です」。「そうですか。この先には扇岩ってのがあって、それを目印にして…

  • 消えた命とドアの向こうの何か

    これは、大学の医学部時代の同期の話。在学中は一緒に馬鹿をやった中ですが、今は専門を違えており、なかなか会う機会もありません。そんな彼に久々に会った時のこと。お互いに昼飯に行くところだったので、連れ立って昼を食べていると、彼が奇妙なことを言い出しました。「俺さ、全く怖い話とか信じてないけど、あれは…

  • 彼女はまだそこにいる

    俺の従兄は『生霊』をやたらと見てしまう体質だ。死者の霊を見ることは稀だが、生霊は毎日のように見てしまうとか。従兄は大抵、生霊と普通の人間の見分けがほとんどつかない。ある日のこと、呼び出されて一人で来た俺にも、「おっ、彼女連れて来たの?」と言ってきた。聞けば、俺の斜め後ろに女性がいるのだという。従兄…

  • 覗き合う夜と近づく距離

    ネットの発達のせいかは知らないが、心霊写真は解析され、心霊動画は検証され、幽霊なんてすぐ否定される時代になった。だが俺の家の隣にある廃屋、ここには未だに霊が棲みついている。月の出た明るい夜、部屋の窓から双眼鏡で舐めるように隣の廃屋を眺める。荒れた庭、玄関ポーチ、1階の窓、2階と覗くと、2階の窓に…

  • 2人きりじゃなかった部屋

    これは、当時の彼女が住んでいたワンルームでの話。安さだけで決めたというだけあって、壁は薄いし、夏は暑くて冬は寒い。おまけに築年数もかなり経っていて、トイレは風呂場と一緒のタイプ。玄関を入ってすぐに狭くて細いキッチンスペースがあり、その先に8畳のリビングがあった。角部屋だった為、外階段を昇り降りする…

  • 隣人の子供の泣き声が消えた夜

    これは、僕がまだ浪人生だった頃の話。親から都内にアパートを借りてもらい、予備校に通いながら受験勉強をすることになった。「静かな環境ですよ」。そう言われて決めたアパートだったが、越して来てすぐに気になったのは、"隣りに住む女性の部屋からの子供の夜泣き"だった。ひと月ほどは我慢したものの、毎晩のように…

  • 可哀相って思われ続けてたら

    もう10年くらい前になる。夜勤終わりに家に帰ろうと、朝方いつもの田舎道を車で走っていた。すると、車に轢かれたであろう犬の屍骸が横たわっていた。俺はいつものように軽快なハンドルさばきでそれを回避する。可哀想とも思うが、正直なところ車が汚れてしまうと思う気持ちの方が遥かに上回っていた。そして家に帰り…

  • 真面目な兄と占い師の警告

    私の兄は優秀な人間だったけれど、少し引きこもりがちになった。生真面目すぎて世の中の不正が許せなかったり、自分が世界に理解してもらえないことを悩んでいた。私が高校生の時、大学を休学していた兄が突然「絵の勉強がしたい」と言い出した。私たち家族は皆びっくりした。なぜなら、兄は確かに絵は小さい頃からとても…

  • 田んぼに現れた見てはいけない存在

    これは3年前、まだ高校2年だった頃の話。趣味がロードレーサーで遠出することで、大型連休に入れば、必ず従弟の家へ遊びに行っていた。夏休みに入ってすぐのこと、従弟の家に向かう途中には一面が田んぼだらけの道があり、そこを走っていたら何か白いものが左の方でうねうねしていた。はっきりと見えなくて、その時は…

  • 偶然と別れが交差した日

    これは、僕が中学生の時の話。ある日に伯父さんの家へ日帰りで遊びに行く約束をしていた。自宅のある滋賀から伯父さんの家の京都まで。歩き、バスに乗り、電車に乗り、再びバスに乗り、歩く。滋賀のバスは1時間に3本、電車は10分おきくらい。京都のバスも場所が場所なだけに少なくて、1時間に3本だった。移動時間と…

  • 血生臭い歴史と未完の工事

    これは、地元で最近噂になっている不気味な話。私の地元には、大正時代から今も残る『古い橋』がある。現在は鉄橋となっているが、特徴的な色形をしており、また街の中心部に位置することから、地元のシンボルかつ生活に欠かせない橋として愛されている。とは言っても古い橋なので、数年に一度くらいの補修や塗り替え作業…

  • 遠足先で遭遇した異界のトイレ

    これは、小1の時に行った遠足での話。小学校に上がって初めての遠足で、すごく楽しかった。行った場所は何もない野原みたいな公園で、あるものといえば休憩所ぐらいのものだった。柵に囲われた公園内を走り回り、お弁当を食べて、それから先生が「帰るよ~」と声をかけてきた。はしゃいで遊び回っていた私は、その時に…

  • 4歳の息子が見ている不思議な世界

    私は京都在住で、妻と4歳の息子の3人暮らし。先日、端午の節句の前に、妻が下駄箱の上に鎧兜を飾った。そうしたら、息子がそれを見て言う。「なんでこんなん飾るん?」。「なんでって、端午の節句やからやないか」と答えると、「ちゃうちゃう、なんで〇〇神社にいる人らと同じの飾るん?」と言う。息子いわく、家の近く…

  • 原爆ドームが私に見せた炎の少女

    これは、仕事で広島へ行った時の話。仕事までの空き時間、ホテルから近いこともあって、1日目と2日目に『原爆ドーム』に行った。子供の時に見た感じとは違い、すごく感動した。原爆ドームに関しては、"見える人にはかなりの霊が見える場所"というのも聞いており、やはり戦争の悲惨さを痛感した。しかし、普段から自分…

  • 猫が見つめる場所と潜む何か

    これは、仲の良い友達のヨシキの話。ヨシキは一人暮らしで、猫を飼っている。とても人懐っこい猫で、俺もヨシキの家に行くと1日中でも遊んでやっている。ある日、「出かけるので留守番していてくれ」と言われた。猫がいるから退屈しないので、「いいよ」と引き受けた。猫じゃらしで遊んでいると、猫は愛らしく…

  • 姿なき存在がもたらす奇妙な連鎖

    ここ3ヶ月ほど前から奇妙な体験をしている。給油のためにガソリンスタンドに寄り、お金を払って出ようとすると、店員さんから「あれ?お連れの女性いませんけど待たなくていいんですか?」と呼び止められることが続いた。もちろん俺は一人きりで、助手席にも後部座席にも、当たり前だが屋根の上やトランクの中にも誰も…

  • なぜ私はベランダにいたのか?

    私は10歳の頃、マンションの3階に住んでいた。ある夜中のこと、いつも通り布団に入り、気持ちよく寝入ろうとしていると突然、母が私の肩を力いっぱいに掴んで、凄い大きな声で怒鳴られた。「あきちゃん!あきちゃんって!何してるの!!」「はぁ?何よ?」せっかく気持ちよく寝そうなところを起こされた私は、キレ気味…

  • 突然の死と後追いと願い

    10年ほど前に、知人の木下さんが亡くなりました。数ヶ月後、木下さんの幼なじみの金沢君も自殺して亡くなりました。その後に問題となったのは、"金沢君が残した遺書に「籍を入れて下さい」と書かれてあり、アパートから木下さんの遺骨の一部が発見された"ことです。警察が調べてみても木下さんは事故死であり、金沢君…

  • 2人を連れて行った春の記憶

    私が幼稚園の時、友達にさっちゃんという子がいました。また、さっちゃんには年の離れたお姉ちゃんがいました。確か中学生くらいだったと思います。セーラー服を時々着ていたのも覚えています。お姉ちゃんはとても優しくて、よく私たちと遊んでくれました。ある冬の日、さっちゃんの家へ遊びに行った時に、お姉ちゃんが…

  • ご利益を求める人々が知らない真実

    うちの町内にある神社には、日本名水百選に選ばれたほどの、清水が湧き出る小さな『泉』がある。週末ともなると、近隣だけではなく遠方からも評判を聞きつけて多くの人々がその清水を汲みにやって来る。またその水は、飲んだり患部にかけたりすることで、病気やできもの、腫れものなどが治るとされる霊験あらたかな聖水と…

  • 失踪と張り紙に書かれた一言

    大学を卒業して地元に帰ると消防団に入れられた。俺は妙なところでヒキが強いみたいで、行方不明者の捜索などに出ると、死体の第一発見者になったことがすでに二度ある。火災現場でも煙に巻かれて亡くなった子供とおばあちゃんを発見したり。学生時代にも後輩がアパートのベランダで首を吊っているのを第一発見したり…

  • 自殺の現場に現れた不気味な黒い影

    れは、母から聞いた話。母は昔から、ごく稀に何かを見たり感じたりするようで…。その日も買い物を終えていつもの道を歩いていると、家の近所の団地が何やら騒がしく人だかりができており、母も気になって見に行くことにした。その人だかりは心配そうに上を見ており、母も上を見てみると、団地の屋上から飛び降りようと…

  • 日常に潜む奇妙な兆しと結末

    これは、自営業を数年間していた時の話。毎朝早く起きて、まだ子供だった娘と仕込み作業をしていました。その日も仕込みでオニオンスライスを作っていたら、指先に痛みを感じて見ると、少し皮膚を削いでいました。よくあることなのですが、娘が「おかしいよ!」と騒ぎ出しました。「だって、玉ねぎはまだスライスし始めた…

  • ふとした瞬間に開かれる異世界の秘密

    3つ上の姉は、小さい頃から「何かの蓋を開けると時々そこに変な景色が見える」という。その景色は、風に揺れる緑の草原の向こうに小高い丘があって細い木が一本立っている、そして空は青く風が強いのか白い雲が流れるように早く動いている、何の変哲もないどこかで見たような風景。それは絵画やテレビの映像のようなもの…

  • 赤い薔薇を手にした日のこと

    これは、私の祖父の母国にいた親族の話。雨の日に傘をさして歩いていると、どこからか鐘の音が聞こえ、葬列に出会った。教会に向かう人が皆『白い薔薇の花』を持っているのを見て、教会で用意していないのか不思議だなと思いながら列を見ていると、妙に知り合いばかりがいる。ギョッとして周囲を見回しても、誰も彼に気づ…

  • 過去の記憶と恐怖の再来

    ある日曜日の昼過ぎ、縁側に敷布団を敷き、2歳の息子を胸に乗せて昼寝をしていた。しばらく経った頃、胸に"息子以外の重みがグッとのしかかった"のを感じた。(苦しいなあ。娘が乗ってきたのかなあ。それにしては重いなあ)。なぜか意識が朦朧として体が動かない。目を薄っすらと開けて見ると、息子が胸にしがみついて…

  • 夢で見ていた49日の光景

    これは10年程前の、私が高校生だった時の体験話。季節は6月。地元は北海道で梅雨知らず。そんな月初めのこと。学校では月末にある文化祭のために、色々と準備に追われていた。私はお祭りが大好きなもので、クラスと学年の実行委員になっていたから尚のこと忙しかった。毎日提出書類だの何だので、その日も夜遅くまで…

  • 歯科助手が教えてくれた謎の感触の正体

    これは、歯医者に行った時の体験話。その日は徹夜明けで、ボケーっとしたまま歯医者に行った。親知らずの抜歯のために最初に麻酔をしたのだが、麻酔が効くまでの少しの時間にウトウトして寝てしまった。すると突然、顔にベチャッと冷たいものが乗っかり、驚いて反射的にそれを掴んでいた。感触的に、明らかに『人の手』だ…

  • 非日常を求めて青木ヶ原へ

    これは今から10年前の、俺がまだ学生だった頃の体験話。毎日に退屈していた俺は、"何か非日常的なものを見たい"という思いから、2人の友達と3人で『青木ヶ原の樹海』へと向かった。自殺死体を見てみたい、という好奇心からだった。ただ、一言に樹海といってもあまりに広い。だから場所は、完全自殺マニュアルに…

  • 優等生だった彼女のもう一つの顔

    これは、僕が中学3年生の時の話。クラスの委員長だった彼女は、みんなによく頼まれ事をされては嫌な顔ひとつせず素直に引き受けたり、とにかく人の嫌がるようなことを自ら引き受けるような、とても良い子だった。それを知ってか、みんなもよく彼女に頼み事をしていた。僕とはあまり関わることはなかったが、何度か話した…

  • 誰も触れていないのに鳴り響くシの音

    これは、私が小学5年生の時の話。うちの小学校の音楽室は、1人1台のオルガンが机代わりになっていた。田舎の小学校だからか、かなりボロい旧型のオルガン。音楽の担任は吉田先生という少しキザで神経質な中年男性で、ある時にこの吉田先生が、「このあいだから誰も触っていないのにオルガンが鳴るんです」と言い出した…

  • 見えない何かと見える何か

    寝ていると姉に起こされた。時計を見ると、まだ夜中と言っていい時間帯だ。「なに?なんなの?」。「しーっ」。声を出さないよう指を1本立てた姉が、こちらへ来いと手招きをする。仕方なく姉について行き、少しだけ開いた扉の前に立った。向こう側はダイニング。(ん?何か音がしてる…)途端に目が冴え、息を殺して様子…

  • 見えない住人の痕跡

    これは、とあるマンションの住民から聞いた話。冬場、寝る前に窓を軽く拭いておこうと、カーテンを開けた。中で暖房器具を使っていると、結露が酷かったのだという。特に鍋などをした時には結構な水が窓に発生していたので、そんな日は拭き取っていたのだそうだ。雑巾を片手に窓と向き合い、ギョッとする。ちょうど…

  • 山の中で出会った女と奇怪な賭け

    後輩の話。秋口に単独で入山していた時のこと。一泊程度の簡単なルートを予定しており、食料も簡単なものを用意していた。初日の昼に菓子パンの昼食をとっていると、後ろから声がかけられた。見ると、いつの間に現れたのか、長い黒髪の女性が立っている。赤いロングコート、そしてスカートにブーツと、およそ山に相応しく…

  • 見知らぬ人の願いを背負って

    ある日のこと、出かけようと駅の切符売り場に向かっていた。 すると、後ろから声をかけられ振り向くと、50代くらいのおじさんが立っていた。 おじさんの話はこうだった。 ・自分は大工の棟梁である。 ・訳あって入院中だが、直前まで手掛けていた家の上棟式が今日だ。 ・皆にバレると止められるので、黙って出てきた。

  • 消えぬ怨念と村を包む炎

    知り合いの話。まだ学生だった頃、彼女の村では『火事』が相次いで起こったという。放火と思われたが、山間の小さな集落ということもあり、そんなことをすればすぐ村の皆にわかるはずだった。それなのに、犯人の見当もつかない。住人は戦々恐々としていたという。ある夕暮れ、彼女はお使いを言いつけられて家を出た…

  • 番号が繋ぐあの世とこの世

    これは、10年前の初夏の話。妹が父に電話しようと発信履歴の画面を表示したところ、登録していない番号が一番上に出てきたそうで。発信日時はその日の朝6時頃。「朝に電話した覚えはないし、でも何だか見覚えのある番号なんだよね…」。離れて暮らす姉の私に確認してきたので、試しに私の携帯にその番号を打ち込んで…

  • 母の霊が家に帰ってきた1ヶ月間

    母は長い闘病の末に亡くなった。これは、母の死からちょうど半年が過ぎた頃の不思議な出来事。当時、父と私で暮らしていた。弟はすでに隣県で暮らしており、仏壇は弟の家に、お墓も弟の近所に作った。月命日には車で1時間のお墓を、父と私は参っていた。足腰が弱っていた父はある日、坂道を転んで起き上がれなかった…

  • 悪夢を断ち切った祖父の怒り

    小学生のある時期に、妙な夢を見るようになった。夢の内容は、"スレンダーマンみたいな全身黒ずくめの痩躯長身の男が、少し離れたところから私をずっと付け回してくる"というもの。初めのうちはそこまで怖いとは思わなかったが、気づいたらこの夢ばかりを何度も繰り返して見るようになってしまい、さすがに気味が悪く…

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