昔、今とは別の仕事をしていた頃のこと。その日は、いつもいる支店とは違うエリアでの営業で、渡された地図を片手に、歩きながら飛び込み営業をする仕事だった。目的のエリアに着き、「さて、行くか」と歩き始めてしばらくすると、地図では黒く塗り潰されていた一軒の近くで、足が止まった。「……あれ?誰かいる……?」…
怖い話や怪談が読みやすいブログです。他にも意味怖、謎怖、シリーズもの、都市伝説、画像や動画など多数。
たくさんの怖い話や怪談を読みやすいように掲載しています。画像や動画なども扱っています。怖い世界をどうぞごゆっくり・・・
これは、『こけし』にまつわる怖い体験話。俺が生まれた日に作られたこけしを、親が出産祝いで貰っていた。だが、こけしというものは、元々は水子供養のものだと聞いたことがある。親いわく、地元はこけしが名産と言われているから貰ったとか。ただ俺は、そのこけしが苦手だった。なんというか、日本人形のような佇まいで…
これは、『3.11東日本大震災』の直後の体験話。私は避難所になった近所の学校へ、お手伝いに行きました。夫は教員で、自分が勤める学校の避難所運営で帰宅できませんでした。1人でいるより集団でいる方が安心かなと思って、お手伝いに行った次第です。当時はまだ高速も閉鎖されており、遠方から身柄の引き受けに来る…
私の父は2年毎に転勤のある仕事。なので、姉が高校受験を迎えるまで引越しは続いた。両親と姉、弟と私の5人家族。大抵は県庁所在地のマンション住まいだったが、一度だけ周辺が田んぼに囲まれて、柱が黒光りするような"古民家"に住んだことがある。家の雰囲気は、映画『愛しの座敷わらし』に出てくるような感じの家…
これは、ある『借家』に住んでいた時の話。転勤の辞令が出て、いつものように急いで探した物件だった。その都市はマンション自体があまりなく、転勤生活の中で初めての戸建。築30年ぐらいの2DKの平屋で、少し手狭だったが夫婦2人には十分。引越し荷物の搬入が終わって、先に挨拶だけ済ませておこうと夫婦で出かけた…
これは、亡き祖父の話。数年前のお盆のこと、祖父の墓参りのために祖母宅へ、子供2人を連れて前日から遊びに行った。祖母宅は、祖母と従弟の2人暮らし。うちの祖母は元気な人で、外食も大好き。近くにできた本格中華のお店に「次の日に食べに行こう!」と、従弟も含めて大盛り上がりしていた時だった。ドスドスドス…
これは、私が子供の頃に住んでいた『家』の話。祖父は転勤族だったが、やっと落ち着けるということで家を建てた。そこは風光明媚で有名な場所の近くにあり、目と鼻の先が湖畔。その家を父が受け継ぎ、祖父母、両親、弟と住んでいた。祖父母が亡くなった後、両親が仕事で忙しく、弟と二人きりで過ごすことがほとんどだった…
これは、もう20年くらい前の話。小学4年生の頃、クラスメートの川田君が『心霊写真』を100枚ほど学校に持ってきた。夏休み明けで、自由研究の資料だと言うが、私が見ても他の人が見ても、何も怪しいものは写っていない。ただ、みんなは気味悪がった。川田君が言うには、見えない人でも目を凝らせば見えるということ…
先日のある夜、私は遅くまで外で飲んでいた。24時を過ぎた頃、そろそろ帰ろうと思い、タクシー乗り場まで歩いて行った。家のある場所を指定し、車が走り出すのを確認すると、ついウトウトと眠ってしまった。その後、運転手さんに起こされて車から降りると、全く知らない風景が広がっていた。少し酔っていたので気づく…
これは、私が小学生の頃に住んでいた『家』の話。場所は東京都町田市の成瀬。私は現在32歳になるが、未だに忘れられない。その家には父の転勤の都合で引っ越すことになった。気のせいだったのかもしれないが、"ある道"を境に、なにか急に嫌な気分になったのが印象的だった。その家は急な坂道を上りきったところに…
そのアパートは部屋数が12室あり、そこそこ綺麗にもかかわらず、住人は私を含めて4人しかいない。と言うのも、『出る』と噂があるから。けれど、噂は噂。6年住んでいる私はそんな経験もなく、静かなアパートに大変満足していた。…が、先日奇妙な体験をしてしまい、引越しを考えている。ある日、お風呂に入っていると…
これは、タクシーの運転手をしている香川さんの体験話。ある夜遅く、客を探して走っていると、手を上げている若い女性が見えた。(こんな夜遅くに女性が一人で危ないなぁ)。そう思いながら彼女を乗せると、香川さんは妙なことに気がついた。彼女の着ている服は、病院の患者が着ているようなものだった。少し気味悪く…
これは、未だによくわからない体験話。小学校低学年の頃、両親の用事で知り合いのおばちゃんの家に一晩預けられた。そこの家は柴犬を飼っていて、俺は暇つぶしにと、昼間に着いた早々その犬を連れて散歩に出かけた。だが、土地感のない所をやたらめったら歩き回ったせいで、迷子になってしまった。内気で恥ずかしがり屋…
これは、後味の悪い体験をした話。社会人になったばかりの頃、営業先から会社へ戻るためにバス停で並んでいた。すると、バイオリンケースを持った4~5歳ぐらいの女の子と母親がやってきた。教室に行くところらしい。「ママは今日はどうしても一緒に行けないの。お迎えには行くから、ね」。「ヤダ。ママも一緒にきて…
これは、私が子供だった頃の話。うちの家の和室には、観音開きの扉がある。それを開くと半畳ほどのスペースがあり、そこには亡くなった父方の祖父母の『写真』が飾ってあった。普通なら仏壇があるようなところに、写真だけがある。ある日、こんな夢を見た。私はその和室にいた。ふとその扉を見ると、いつもは閉めてある…
それは1年くらい前のこと。私は仕事で車に乗ることが多い。乗っている時は何もすることがないので、すれ違う車を観察したりする。他人から見れば嫌な習性かもしれないが。ある日のこと、いつものようにすれ違う車を見ていた。その車は四駆で、スーツを着た若い男性が携帯片手にニコニコしながら運転していた。助手席には…
これは、これまでの僕の人生で一度だけ体験した怪奇な話。通っていた小学校の裏に、小さな山があった。そこには地元では有名な神社があり、学校の帰りにいつも友達とかくれんぼなどをして遊んだ。ある日のこと、日が暮れてかくれんぼも終わり友達と集まっていると、ふと神社のお賽銭箱の脇に『古い女の子の和人形』が置い…
これは、去年初めての出産した時の体験話。私が入院していた病院は母子別室で、赤ちゃんは新生児室にいた。私は6人部屋の、入り口から入った一番手前のベッドだった。この病院の方針は3時間毎の授乳ではなく、赤ちゃんが泣いたらその都度ベッドの脇のスピーカーから呼び出しがかかるか、人がたくさんいる昼間などは…
私は高校で軽音楽部に所属していた。その頃の『カセットテープ』が残っている。文化祭でオリジナルソングを歌った時のものだが、あまりの悲惨な結果だった為、すぐに聞く勇気はなく、部屋のラックの中に入れっぱなしのままだった。聞いてみようと思ったのは、大学3年の時。その時は山岳部に所属しており、山小屋で皆に…
これは、私が小学生の時の体験話です。私の家の近所に、老夫婦の住む家がありました。その夫婦は子供がなかったらしいのですが、品がよく仲睦まじいのが有名で、よく奥さんが家の前を掃き掃除しているのを見かけたものでした。私が学校から帰ってくる時、奥さんと鉢合わせすることが多くあり、その度に奥さんは小さい私を…
私は、おばあちゃん子だった。これは、その祖母が亡くなる時の話。だいぶ前のことになるけれど、祖母は急に体調が悪くなり、入院することを余儀なくされた。祖母は明治生まれの気丈な性格だったので、「入院なんて嫌だよ」、「ウチに帰りたい」と病院を毛嫌いしていた。私は会社の帰りなど、時間の許す限りお見舞いに…
学生時代、私は地元の小さなタレント事務所に所属し、時々エキストラ的な仕事をして小遣いを稼いでいた。これは、ある県の田舎に1泊2日のロケに行った時のこと。予算が限られた仕事で、民宿では男性4人が8畳ほどの細長い和室に詰め込まれた。仕事が夜遅くに終わったため、皆かなり疲れていた。だべりもそこそこに…
姉の旦那さんから、こんな不思議な話を聞いた。ちなみに、旦那さんは今42歳。高校生の頃、山岳部に入ったんだけど、入部してすぐに高価な登山靴を買ったんだ。セミオーダーの、かなりしっかりしたやつで、当時5万円ぐらい出したかな。もう25年も前の話だけどね。でも予想外に顧問が結構厳しくて、毎日筋トレを…
これは、10年くらい前の体験話。私は経営コンサルティング会社を経営し、全国を飛び回っていた。当時、名前が知られるようになってきたこともあり、講演会の講師として招かれることも多かった。ある日、山梨県にある中堅の機械製造メーカーから講演会の依頼があった。近場の会議室を借りての講演会で、出番まで待つ間…
これは、一人暮らしを始めて間もない頃の恐怖体験話。当時住んでいたアパートの前には大きな公園があった。昼間は子供たちが元気に遊び、主婦たちの交流の場にもなっていた。ある日、翌日が休みだったので、久しぶりにDVDを借りに行こうと思い、徒歩で近くのビデオ屋に向かう。そのビデオ屋は午前3時まで営業して…
高校生の頃、突如として女性の幽霊を目にするようになった。理由は不明だ。特に霊感があるわけでも、過去に何かしらの罪を犯したわけでもない。最初の出会いは、深夜に目が覚めると、自分の布団の隣に和装の女性が静かに座っていた時だった。恐怖に駆られ、布団を被ってその存在を無視し、自分に言い聞かせて眠りについた…
踏切内で車に閉じ込められ、列車と衝突して事故死する。これ、どう考えてもおかしいと思いませんか?実際にはパニックになることもあるのでしょうが、ドアを開けて逃げるだけなのに。ほんの数秒で済みます。では何故、逃げ遅れるのか?危うく事故に遭いそうになり、かろうじて免れた人がこんなことを言いました…
友人のアヤカは市民病院の外科病棟で看護師をしており、彼女からは時々怖い話を聞かされる。アヤカによれば、交代勤務の中でも特にイヤなのは夜勤だそうで、ナースステーションは明るいとはいえ、やはり雰囲気的には不安を覚えるとか。ある深夜2時頃、慌ただしく急患が運ばれてきた。急患自体は珍しくないものの、その日…
これは、田舎の大きめの家を借りていた時の話。入居する時に全て処分したが、前の住人の布団やタンス、ベッド、鍋などが置いたままだった。仏間は仏壇こそないが、そこに人の気配がして、"オバケが何人かいるなぁ"と思った。初めは、そのオバケは私たちをよそ者扱いして冷たかったが、そこの大家の玄孫がうちの子と同い…
私の曾祖母が霊媒師だったので、我が家は心霊系の話題がわりと日常でした。そんな我が家の怖い実話をひとつ。私は高校卒業まで、南西諸島のとある島に住んでいました。高3の時、島の歴史を知るために色々と周る郷土学習の授業があり、そのコースの中に"風葬"と思われる、戦争時代の先祖の骨がまだ野ざらしになっている…
これは、母の体験談。母の祖父が病気で亡くなりそうだった時のこと。もうお迎えが近い祖父のために、親戚一同が家に集まっていた。結構大きな家だったが田舎のこと、親戚の数も半端ではないので部屋を取られて母は納戸で寝ていたそう。その夜も、座敷の方でまだ起きている親戚たちがざわざわしているのを聞きながら…
その人は私が前に勤めていた会社のOLさんで、名前を明子さんという。彼女の家は大家族で、子供部屋は弟や妹たちが使っており、彼女は小学生の頃からおばあちゃんの部屋で一緒に寝ていたそうで。そして彼女が中学1年の春、そのおばあちゃんが亡くなった後もその部屋で一人で寝ていた。その年のお盆のある日、寝ていると…
これは、ありふれた路上で不気味な体験をした話。小雨が降り出しそうな曇りの日、人通りの少ない道を歩いていた。すると、公園の横に路上駐車していた軽自動車の運転席から、小さめの人がこちらをじっと見ている。曇り空が映ったフロントガラス越しだったので、最初は「あの人こっちを見てるのかな?」と、気持ち悪く…
これは、結婚して住むことになった雇用促進住宅の部屋が、かなりヤバかった話。入居2日前、管理人さんから鍵を受け取って部屋を覗いてみたら、何だか嫌な感じがした。それでも、4組も順番待ちをしている中でやっと空いた部屋だったので、無理やり気にしないようにして引越しをした。しかし、3LDKだったのだが…
うちの親父は俺が中学の終わり頃に亡くなった。しかし俺は親不孝者なもので、親父の命日などほぼ覚えておらず、今年もすっぱり忘れていた。これは10年以上前の『親父の命日』にあった出来事。その年も案の定、俺は忘れて遊びに出かけていて、帰って来たのは夜10時過ぎくらいだったと思う。玄関のドアを開けると…
これは、中3の時の体験話。その頃の俺は勉強するのが快感で、朝から晩までトランス状態で勉強ばかりしていた。その日も朝から勉強していたが、気づけば家には誰もいなかった。出かけたのか?と、特に気にせず勉強を続ける。昼頃、腹が減って台所でインスタントラーメンを作りながら、ぼーっと暗記ものを思い出していると…
これは、知人の古川夫妻の話。彼らが独身の頃、ドライブ中の山道で懸命な身振りで停車を促す男性に会ったという。車通りの少ない山の中、トラブルなら放っておけない。二人は同意のもと、車を止めた。バッテリー切れらしく、助けてあげると何度も礼を言って立ち去った。二人は少し休憩をして出発したのだが、しばらく走る…
金曜日の夜、ふと「土日は連休だし久しぶりに実家へ帰ろう」と思い立った。実家は今住んでいる場所から車で1時間半程度。途中、山一つを越えなければならない道のりだ。実家に電話をした後、所用を済ませてから夜9時頃に家を出た。出発から約40分、強い雨も止み、峠に向かって上り道を快調に進んでいく。しかし…
中古車ばかり乗っていた俺が、7年前に初めて買った新車はボルボ。納車になるまでワクワクして、「車が来たらカミさんより真っ先に一番に乗せるからね」と、ばあちゃんに何故だか宣言した。そして納車すると約束通り、家の周りのトンネルなどをグルグルとドライブした。ばあちゃんは「乗り心地がフワフワしてていいねえ…
これは、家族で県営の住宅に住んでいた時の話。俺の部屋の壁には『骸骨のようなシミ』があった。それは物心がついた頃からあったが、最初は親指ほどの大きさだったのを覚えている。それが十数年経つと、縦60センチ横45センチほどに成長した。これほどの大きさになるとさすがに気持ち悪くなり、ジャケットなどで隠して…
俺はその日、疲れていた。テレビを見ながら一人晩酌をしていたのだが、いつの間にか眠ってしまっていた。暖房器具がタイマー設定になっていたのだろう。寒さで、ふと目が覚めた。テレビは放送が終了し、カラーバーと共にピアノの曲が流れていた。寒さで目が冴え、酒しか飲んでおらず腹が空いていた俺は、テレビを消して…
これは、父から聞いた話。父が昔、雪深い山の現場でバイトをしていた時のこと。そこには妻子をおいて季節労働に来ている男性がいて、皆から頼られるリーダーとして現場を仕切っていた。そんなある日、現場に入ったばかりの若造二人が、猛吹雪の中を調子に乗って飲みに行ってしまった。案の定、いつまで経っても帰って…
これは20年程前、学生時代の話。当時、ガソリンスタンドで夜勤のアルバイトをしていた。夜勤は通常2人体制のシフト。深夜1時を過ぎると客足も減る。平日であれば交代で休憩をとる。バックヤードで仮眠をすることもあった。そんなある日の夜勤で不思議な体験をした。一緒に深夜勤務に入っていた南くんが、先に休憩する…
これは、姉の体験話。夜、街灯もない田舎道を車で走っている時、あまりに星が綺麗だったので路肩に停車して車から降り、ライトも消してぼんやりと空を見上げていたそうだ。すると急に、腕に痛みを感じて車に戻って見てみると、斜めに切り傷が出来ており、出血している。しかも二箇所も。動物に襲われたわけでも通り魔に…
これは、霊感と遺伝にまつわる不思議な体験話。私は30年以上も生きているのに、一度もおかしなものを見たり聞いたりしたことがない。しかし、娘は幼い頃に二度、おかしなことを言ったことがあった。最初は2歳くらいの時だった。お風呂の後、部屋に戻るのに娘を抱いて階段を上がっていたら、娘が「なにー?」と私に突然…
私は看護師をしています。これは、ある日の夜勤での出来事です。患者さんの体交(向き変え)のためにベッドを回っていると、ある患者さんのおむつ交換をする時に、「さっきの看護師さんがおむつ交換をしてくれましたよ?」とのこと。他の看護師がやったのか?と思い、「どういった看護師さんだったんですか?」と質問する…
私は生まれた時から線路沿いにある家に住んでいる。そのせいかどうか、夜中に『お客さん』が来ることがあり、部屋の明かりを消して寝ていると、家鳴りとは明らかに違う音を聞いたりもする。床を歩き回る足音だったり、小枝を折るようなパキポキいう音や、井戸の底みたいな深いところへ落ちて反響する水の音など。音以外に…
うちでは毎年、夏になると母の実家へ帰ることになっている。祖母や親戚に会えるのは嬉しいし、涼しい土地で食べ物も美味しいので、避暑には最高なんだけれど…。数日泊まる祖母の家で、どうしても気になることがある。祖母は写真が好きで、居間には沢山の写真が飾ってある。その中の、祖母が還暦の時に撮影した『写真』だ…
これは、父が亡くなった時に体験した不思議な話。ちなみに私はこういう話は好きだけど、霊感はない。父はあまりいい死に方をしなかった。家族はショックで放心状態に。なんとか力を合わせて乗り越えようと必死だった。数日が経って少し落ち着いた頃、母は父を思い出して号泣した。その時、テレビがついており、突然ザーザ…
これは、一人暮らしをしていた時の話。東大阪市の3LDKのマンションで、和室が1部屋、残りは洋室。当時の職場もそのマンションから近く、築15年そこらで綺麗な物件のわりに家賃も月7万円で、掘り出し物の物件だと思っていた。でも、どうにもそのマンションに1部屋ある和室がよくなかった。日中はそうでもない…
これは、不思議な体験をした話。私はジジっ子。お風呂に入るのも、寝るのも、朝早く起きて爺と畑や田んぼの見回りにくっ付いていくのも日課だった。でも、まだ幼い頃は夜中に母恋しくなって、爺の建物から母屋に送ってもらうこともしばしばだった。といっても、庭を挟んで建っていたので距離は10メートルもなかったと…
何年か前のこと、両親が仕事の関係で出張の間、叔父さんの家に預けられたことがある。叔母さんと中3の従兄弟も歓迎してくれ、家も広く、一緒にゲームをしたりと楽しく過ごしていた。だが、初めて来た日の夕食時、手伝いをしていて箸やコップなどを並べていたら、「○○君、コップが1つ多いよ」と言われた。よくよく見る…
これは、知り合いの男性から聞いた体験談。堂本さんはテレビ局の下請けの番組制作会社で、旅番組を作るプロデューサーをやっている。その堂本さんが「某所に良い感じの秘湯がある」と情報を得て、一人で下見のロケハンに行った時のこと。現地でガイドの男性の運転する車に乗り、山奥にある秘湯に向かった。かなりの山奥…
これは、ファミレスでバイトしていた時の話。夕方頃、若い夫婦が子供を連れて3人で来られた。しかし、3人分のお冷を持ってテーブル席に行くと、お子さんがいない。トイレでも行ったのかな?と思い、お冷を置く。すると奥さんから、「えっ、2人ですけど?」と言われて、私も「えっ?」となり、少し混乱した。「先ほど…
会社の一次面接が終わり、クタクタに疲れて帰宅する。大学4年の秋。どこかしらから内定をもらわなくては、いよいよマズい。パソコンを起動してメールをチェックすると、一昨日に就活Webサービスから一斉送信したエントリーシートの結果がちらほら返ってきている。お祈りメールばかりの中、ひとつのメールが目に留まる…
これは、幽霊画の掛け軸にまつわる体験話。その掛け軸は10年ほど前に辞めた会社の倉庫に飾っていた。退職してから5年ほど経った頃のこと、横断歩道で信号待ちをしていたら車が自分に突っ込んで来る事故に遭った。「車がこっちに来る!ヤバイ!」と思っても動けなかったが、次の瞬間、誰かが俺の腕を車の進行方向から…
2023年(令和5年)1月~12月の期間に新規投稿した怖い話の中で、閲覧数の多かったものや私個人の好みから厳選して『20話』ピックアップしました。お暇な時などに、ごゆっくりと怖い世界をお楽しみください。なお次回の投稿は、新年1月5日(金)からを予定しています。おかげさまで2024年でブログ開始から…
母が旅行先で急死した。脳溢血だった。遠方にある実家の葬儀に行くため、一週間仕事を休んだ。忌引休暇を終え、夜行バスで朝方に職場のある街に戻り、そのまま仕事をした。仕事終わり、上司が気を遣ってくれて飲みに連れて行ってくれた。ほどよい酔い加減で帰途につく。一人暮らしの部屋の玄関を開けて「ただいま」と…
これは、もうすぐ七回忌を迎えるじいちゃんに聞いた話。じいちゃんが子供の頃は、暗くなってから道ですれ違う人に「もしもし」と声を掛け合うのが習慣だったとか。なぜなら、人外のモノは繰り返し言葉を言えないから、だそうで。その日、近所の子供たちと6人で神社で遊んだじいちゃんは、暗くなり始めた頃に全員で神社を…
これは、バイトの先輩から聞いた話。先輩は20代の女性で、彼女には弟がいる。その弟に小さい頃、変な癖みたいなものがあったとか。先輩も弟も小学生の頃から同じ塾に行っており、日が暮れかけた頃に一緒に帰ってくることが多かった。ところがある時期から、最寄りのバス停からまっすぐ帰ろうとすると、自宅のすぐそばの…
俺の住んでいる地域は、大戦中に空襲がひどかったらしい。今でもあちらこちらに防空壕が残っており、小高い場所にある俺の家の下にも二つある。俺は霊感があるかといえば、うっすらとある。そんな見える人ではない俺でも、あまり家の下はいい感じはしない。ここには5年くらい前に引っ越して来たのだが、思っていた通り…
母子家庭で何十年も再婚をせず私を育ててきた母。そんな母に半年前、彼氏ができた。彼氏も同じバツイチの子持ちで、私と一つ違いの娘さんがいる似た者同士。そんな母の彼氏とは一度会っただけで、それ以降は特に会うことがなかった。だけどその一度会って以来、どうも首が痛い。最初は喉風邪と思ったけど、動かす度に痛む…
俺は普段あまり夢を見ないのだが、昨日は夢を見た。これは、4年ほど前に亡くなった祖母の不思議な夢の話。突然、スラム街のような場所にいた。ぼーっと何故か道の真ん中にあるテレビを見ていたら、ばあちゃんがテレビに映り、喋りかけてきた。「やっほー」。「おっ、ばあちゃん!久しぶり!」。まったく疑問に思わなかっ…
これは、私が小学生の頃の体験話。バスで通学していたのだが、ある日に車内で凄くショッキングな人物を見た。一見するとホームレスのような、小汚いトレンチコートに紙袋とボロボロの傘。後頭部から全部を前に持ってきてハードスプレーで固めたような髪の毛の女性。漫画の座敷女そのものだと今は思う。私はギョッとした…
これは、友人のユカの体験話です。ユカが彼氏と同棲していた時のこと。二人は南麻布のマンションに住んでいました。ユカも彼も夜の仕事の人で、当時OLだった私は休みの前の日になど六本木の彼女たちの店に行き、店が終わるまでタダ飯と酒を飲んでいたりして、そのまま彼女らのマンションに泊まりに行っていました…
これは、私が小1の頃から始まった話。ピアノ教室に向かうため夕暮れの道を歩いていると、道路を挟んだ向かいの草むらにおじさんが立っていて、こちらに向かって手を振っていた。小太りで白シャツに黒いズボン、黒縁メガネのにこやかなおじさん。子供ながらに「なんでそんな所に?」と疑問に思いながら、手を振り返す…
なぜか突然思い出して、怖くて寝れなくなってしまった。これは、2年くらい前のこと。母と地元のショッピングセンターで買い物をするため、車を止めようと立体駐車場に入った。夕方の5時くらいだったが、冬の初めだったので外は薄暗く、駐車場に入るともう真っ暗だった。それなのに、駐車場内は明かりがついていない…
これは数年前、ある地方の営業所に出張した時の話。終業後に飲みに連れていってもらい、終電の車内で寝過ごしてしまった。ホテルまでは2駅だったのでタクシーで帰ることにしたが、なかなかタクシーが捕まらない。しばらく歩いていると、『空車』のタクシーがこちらに走ってくるのが見えた。待ってました!と揚々と…
これは、俺が小学6年生の時の話。両親が共働きだったので、毎年夏休みの間は田舎の祖父母の家に預けられていた。小さい頃からずっとそうだったから、そこでも友達はできた。その夏のある日、友達と遊んで祖父母の家に帰る時のこと。舗装もされていない道でそれを見つけた。それは、小さな巾着袋。何気なくそれを拾い…
旦那と離婚を考えています。旦那は一見優しげな35歳の公務員。ですが、おかしなところが一つあります。以前、旦那の希望で猫を飼っていました。旦那は生き物を飼うのは初めて。私は犬も猫も実家で長く飼っていました。猫が家や私たちに慣れ始めた頃、猫は具合を悪くしてしまいました。病院に連れて行き、薬を出して…
これは、祖母が亡くなった時の不思議な話。祖母は生前に、「一緒にお棺に入れて」とリクエストしていた写真があった。だけど、それが見つからない。祖母がいつも大事なものを入れていた小物入れにも、その周辺に置いてあったアルバムにもない。私と叔母の二人で焦って探していると、4歳になる姉の子供が別の部屋から…
大学時代、東京都の某市にアパートを借りて大学へ通っていた。その間に3回ほどアパートを変えているが、それにまつわる話。初めに住んだアパートの2年契約を終える少し前に、更新して住み続けるよりも新しいアパートで心機一転したいという理由で別のアパートを探した。そうして見つけたアパートが、1LDKでロフト付…
夜中、急にビールが飲みたくなる時というのは、大学生になると一度は必ずやってくるものだと俺は思っている。これは先日、もう日が変わって夜の1時くらいになった時の話。テレビでアサヒのスーパードライのCMを見たせいか、急にビールが飲みたくなって冷蔵庫を開けた。ちょうどビールを切らしていたみたいで…
これは、今まさに身の上に起きている不気味な話。うちはパン屋をやっていて、創業50年くらいになるだろうか。そして今は俺が跡継ぎの候補。父にケツを叩かれながら修行している。巷ではパン屋は朝が早いなんて言うが、決して朝ではない。実際は夜中の2時頃に起きて用意を始める。最近は生地の仕込みを任されている…
小さい頃の記憶ってほとんど残ってないんだけど、ひとつだけものすごく鮮明に思い出せるものがある。幼稚園の頃、俺は幽霊の女の子と遊んでいた。確か、その子の名前はリツコ。初めて会ったのは当時住んでいた団地の裏手に広がっていた芝生の空き地で、一人で遊んでいた時だった。彼女と出会い、しばらく一緒に遊んだ後…
これは、幼稚園の頃に友達がいなくなった話。公営住宅住まいの僕は、同じ区内のコウタ君と公園でよく遊んでいた。でもある時からコウタ君は、公園内で「何かが迎えに来る」と言い始めた。幼かった当時は意味がわからなかったし、ふざけているだけだろうと思った。砂遊びをしている時にも「また来てる」と言って、僕の死角…
たった今の出来事なのだが聞いてほしい。明日、というか今日はビンと缶を出す日。こんな時間まで起きていたので、朝イチで出しに行く作業を残しておきたくなく、寝る前にゴミ捨て場に持って行った。夜も更けてきた時間だけに、住宅街はシーンと静まっている。うちの界隈はその住宅街の端に位置しており、すぐ裏には雑木林…
これは、陶芸家の叔父が作る器にまつわる不気味な内輪話。たまに失敗作の茶碗や湯飲みを貰うのだが、どれを使っても食事が不味く感じた。でも、叔父の作った器は普段より美味しく感じるとか、食欲をそそるとかで好評なんだとか。昔、彼女を実家に招待した時、豪勢な食事が叔父の器で用意されていた。当時の俺は「叔父…
これは、今まで心霊系を信じていなかった僕が、初めて恐怖体験に直面した話です。僕は今年から大学生となり、3月半ばに上京し、実家を離れてアパートに住むようになりました。ちょうど同じ高校だった親友のシンゴ(仮名)も近くの大学に進学し、お互いのアパートからそう遠くない場所に住んでいました。なので、留守でも…
これは、友人と二人で長崎旅行した時の怪体験話。某ホテルのツインルームにチェックイン。その後、坂道だらけの長崎の街を歩きまわってクタクタで戻ってきて、私が先にお風呂に入った。お風呂から上がって友人と交代した後、ドレッサーに向かって髪を乾かしながらテレビを見ていた。見ていたのはプロ野球中継だったので…
これは、あるアパートでの恐怖体験談。数年前、学生だった私はボロアパートに住んでいた。広い間取りのわりに、家賃も安くて良い部屋なのだが、一つだけ気に入らないことがあった。それは決まって夜の23時ぐらいになると、上の階からドンッドンッドンッドンッとノックのような音がすることだった。始めのうちは猫か何か…
これは、友人から聞いた奇妙な話。彼の家は、関西の古くから住宅地だった地域の一画にありました。家には地下室があったのですが、ある時に配管工事のため地下室を掘り下げることになったそうです。工事が始まり、地下室からさらに2メートルほど掘り進んだ時でした。さらにもうひとつの部屋が現れたのです。ところが…
父は私が小学3年生の時に亡くなった。これは、その半年後くらいの話。その日は私にしては珍しく、夜の3時頃まで起きていた。そろそろ寝ようかなと思って自分の部屋がある2階に行くと、母の部屋のドアが開けっ放しに。夜は冷え込む時期に入っていたし、風邪をひくと困るだろうから、ドアを閉めてあげようとした、その時…
これは十数年前、小6の夏休み頃の話。地元はかなりの田舎で、滅多に観光客なんかが来るような所ではなかった。そのせいか、年寄りはよそ者を毛嫌いし、昔ながらの風習だとか何とか、意味のわからないことをよく言っていた。夏休みになり、俺は近所に住むアキラとよく二人で遊んでいた。近くには川が流れていて、釣りをし…
これは、私が高校生の時の体験話です。当時は吹奏楽部に所属していて、わりと遅くまで練習することがありました。中でも私は家が遠く、電車での通学だったのですが田舎なので本数が少ないこともあって、電車の時間まで一人で部室で過ごすのが日課でした。大会や演奏会前は居残り練習をする部員がいて賑やかなのですが…
それは、数年前の冬のこと。学校へ行くために自転車をすっ飛ばしていた。自宅から学校へ行くまでの道は二つあり、一つは信号の多い大通りで終始平坦な道、もう一つは坂が多く人通りの少ない路地だった。坂が多い道は一見何のメリットもないように思えるが、なぜかこちらの道を通ると5分ほど早く学校に着いた。ただ…
中学生の時、通学途中にウェブでも出てくる有名な心霊スポットがあった。そこは廃病院で雰囲気はあるが、ただ怖い話が伝わっているだけの感じがしていた。曰く、『壊そうとしたら誰かが死ぬ』というもの。むしろ敷地に入る前にある門看板の、入ったりゴミを捨てたりすると300万円の罰金です、という文章の方が怖かった…
これは、私が生まれて間もない頃の話。なぜか当時の記憶がある。夢かもしれないが。赤ん坊の私が病院のベッドに寝ていると、青空が見える窓の外から、火に包まれた落ち武者風の『男の首』が病室の中に入ってきた。不思議と恐怖はなかった。病室には誰もいなくて、音もなかった。その首は目を見開き、何かをブツブツ言い…
これは、私が小学生の頃に体験した話。通学路の途中に、鉄柵風の門構えをした家があった。ある日、珍しく一人で帰っていた時にそこを通ると、門の辺りに女の子が立っていた。ニコニコしていたので話しかけると、同じ小学校に通う子だった。女の子から「中で遊ぼう」と言われ、門を通って小道を通り抜けて歩いていくと…
これは、心霊と思しきものに関わってしまった話。日本海側の、あるリゾートホテルに出張で行った。ただリゾートホテルと言っても、既に閉鎖してから随分と年月が経っている、いわゆる『廃墟』。出張の目的は、そのホテルをうちの会社が買うかどうかの、現地調査と写真撮影のため。田舎の海沿いのホテルなので、駅からは…
これは今から十数年前、私がまだ小学生か中学生くらいの頃の話です。ご存知の方もいるかと思いますが、マンションやビルの4~6階というのはいわゆる幽霊話が多いようでして、私の住んでいたマンションもちょうど6階でした。もともと購入する時点で他の部屋より少々お安かったようですが、当時はかなりの人気物件だった…
先日、婆ちゃんが体調を崩して入院した。親は共働きなので、付き添いのために急遽帰省したのだが、ボケが急激に進行して幼児のようになった姿はショックで見ていられなかった。久々に帰った実家は、家中が埃だらけ。掃除をはじめ、仏壇や神棚に手を合わすのはもっぱら婆ちゃんだけだったので、足腰が弱ってからは放りっぱ…
小学6年生の時、不思議な体験をした。あまり幸せな話ではないし、うまくも言えないけれど、誰かに聞いてほしい。私の家は築100年近くで、かなりボロく廃墟のようだった。そのせいか、ご近所の人達からはあまり良い目で見られていなかった。学校でもちょくちょく同級生に「汚い」とか「不潔」と言われたり…
これは、お盆に山形県にある父の実家に帰省した時の話。夏休みの宿題の自由研究でトンボの観察をするため、昼過ぎに田んぼのあぜ道にビデオカメラをセットした。そしてそのまま川へ泳ぎに行き、その帰り道でのこと。生暖かい風が吹いてきた。折角さっぱりしたのにと思って空を見上げると、入道雲がもくもくと空に広がって…
一度だけ洒落にならない体験をしたことがある。学生だった頃、毎週末に一人キャンプに興じていた時期があった。金曜日から日曜日にかけてどこかの野山に寝泊りする、というだけの面白みがないキャンプ。友達のいない俺は、寂しさを広大な自然の中に紛れ込ませていたのだった。その日は岐阜の方面に向かっていたのだが…
これは、取引先の渡辺さんから聞いた話。その日は接待で遅くなり、自宅の最寄駅までの電車が終わってしまった為、とりあえず行ける所まで電車で行き、タクシーを捕まえて自宅に向かった。話好きな運転手さんと世間話をしながら自宅近くの踏切に差し掛かったところで、タイミング悪く踏切の遮断機が降りてしまった…
俺は昔から猫を多頭飼いしている。最大で10匹くらいだが、やはり引っ越すことになると一番困るのが新居だ。そもそもそんなに引っ越しはしないのだが、一度だけどうしても仕事の都合で引っ越す必要があった。そこで見つけたのが、普通のアパートでペットの多頭も可。それなのに、何故か家賃がやたらと安い。都内で2部屋…
これは、祖母が若い頃に体験した話です。それが起こったのは祖母が祖父の家に嫁入りした頃で、その家の台所には上の方に小さな窓が付いていました。仕事からもうすぐ帰ってくる祖父のために祖母がいつものように料理を作っていると、その小窓の向こうを何か"白いもの"がさっと横切るのが見えたそうです。フクロウか?…
ある冬の朝、起きて台所に行くと、母と祖父が真面目な顔で話をしていた。その時にはもう話は終わっていたようで、後から母に何を話していたか聞いてみた。朝4時頃、母がトイレに起きた時のことだった。当時の我が家の構造は、玄関から入って数メートル続く廊下の右側にトイレがあった。なので、トイレに行く時には必ず…
私は都内で事務職をしています。先日、仕事終わりに同僚の女の子たちと一緒に飲んでから、板橋にある自分のアパートに帰ってきた後のことでした。壁際にある机に座り、手鏡を持ってメイクを落としていたのですが、ふと鏡に何かが映った気がして鏡の角度を変えたのです。その途端、私の後ろのタンスの上から、私を見下ろし…
これは、中2の時に体験した不可解な話。ベッドが壊れて一週間だけ畳に布団を敷いて寝ることになった。それから3日目ぐらいの夜のこと。母から、「今日ね、絶対に北枕で寝ないでよ」と唐突に言われた。なぜその日だけ?ということも気になったし、自分も出来ればそうしたかった。だが、寝る前に充電をしながら長時間携帯…
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昔、今とは別の仕事をしていた頃のこと。その日は、いつもいる支店とは違うエリアでの営業で、渡された地図を片手に、歩きながら飛び込み営業をする仕事だった。目的のエリアに着き、「さて、行くか」と歩き始めてしばらくすると、地図では黒く塗り潰されていた一軒の近くで、足が止まった。「……あれ?誰かいる……?」…
これは、俺が子どもの頃に体験した話。近所の川で、4人で岩から岩へ飛び移りながら遊んでいた。そのとき、ひとりがうっかり深い場所に落ちてしまった。しかもその川は、前日の雨で増水しており、流れがとても速くなっていた。友達は、あっという間に流されていった。「助けてー! 助けてー!」水面から顔と両手だけを…
俺の家の近所には『オコロビサン』と呼ばれている、地蔵のような不思議な石像がぽつんと建っている場所がある。地蔵かどうかも定かではないのだが、誰からともなくそう呼ばれていて、子供の間ではちょっとした怪談めいた存在になっていた。そのオコロビサンには、昔から奇妙な噂があった。学校からの帰り道などで…
これは、先輩が通っていた中学校での話です。当時の音楽の先生は女性で、昔から"いわく付きのものが見える体質"だったそうです。初めてそういったものを見たのは、子どもの頃のこと。かくれんぼの最中、とある山で首吊り死体を見つけてしまったのが最初の体験だったといいます。友人たちと一緒に、その場に居合わせた…
小学生の頃、学校帰りに毎日、近道として他人の家の庭を通って帰っていました。その日も、いつものようにその家の庭を通ろうとしたところ、家の前に立っていたおばあちゃんに、「今日は庭を通っちゃダメだよ」と言われました。いつもはニコニコしながら「こんにちは~」と挨拶してくれるおばあちゃんなのに、その日は…
中学生のとき、部活で遅くなると、よく隣の家の兄ちゃんが、同じ時間にバイクで帰宅してきた。ブロ~ン!と、兄ちゃんは自分の家の駐車スペースに入り、帰った時のセリフは、いつも「はぁ、今日も生きて帰ってこれた~」だった。毎日、バイクで大学を通っているらしい。電車だと時間がかかるから、バイク通学をしている…
俺の実家の前には、数件の借家が並んでいる。その中の一軒が、かなりヤバい物件だった。そこは築60年以上の古い借家。町は福祉にあまり力を入れていなかったから、公営住宅が少なく、民間の住宅に独居老人が多く住んでいた。実家は少し小高い場所にある畑のそばに建っていて、その借家群を見渡せる位置にあった。問題の…
これは、不動産会社にいた時の話。入居して1ヶ月もしないうちに、入居者からこんな電話があった。「この部屋、以前に何かありましたか?」「いえ、特に何もありませんが……」数日後、また同じ入居者から電話が。「本当に何もなかったんですか?」一応、先輩社員に確認してみたが、やはり特に何もなかったので、「調べ…
お盆前のこと。終電で帰ったある日、ホームから改札に向かう階段の踊り場で、おばあさんが荷物を二つ持って立っていた。ホームの一番端からのんびり歩きながらその様子を見ていたのだけれど、すれ違う人たちはみんな、さっさと階段を上がっていってしまい、誰も手を貸そうとしない。私が階段を上り始めた頃には、おばあさん…
これは、久しぶりに『幽霊列車』に乗ったときの話。乗ってから20分ほど経った頃、右耳のない知り合いのおっさんと世間話をしていると、駅で"黒い日傘を差した貴婦人"が乗ってきた。その貴婦人は、まっすぐ俺のところへ歩いてきて、鞄から一枚の絵を取り出し、「この絵は何に見えますか?」なんて聞いてきた。絵は…
五島で生まれ育った親父の、子どもの頃の話。友人たちと山の中で遊んでいたとき、一人の子どもが『石積み』を蹴り倒してしまった。それは、本当に無造作に山の中にぽつんと置かれていた石積みだったので、誰も特別な意味があるものだとは思わなかった。しかし、それから程なくして、石積みを蹴り倒した子どもが、妙なこと…
時、母・兄・私の三人で暮らしていた。その日は仕事の疲れもたまっていたので、休みを利用してお昼頃まで寝ていた。「そろそろ起きるか~」と思い、体を起こそうとした瞬間、金縛りに。私はしょっちゅう金縛りに遭っていたので、「またか~、やだな~、早く終われ~」と、呑気に考えていた。でも、いつもと何かが違う…
今からおよそ3年前のこと。当時、俺は大学卒業を控えていて、就活や研究に追われる日々を送っていた。けれど、長い夏休みに入ったこともあり、気晴らしに東北各地をまわってみることにした。車での一人旅だったから気楽なもので、気の向くままに適当な場所へ立ち寄ったり、運転に疲れたら車を停めて昼寝をしたりと…
これは、両腕を骨折して入院していたときの話。窓際のベッドで、新鮮な空気こそ入ってくるものの、とにかくすることがない。日がな一日、ベッドに縛りつけられているおかげで、向かいの人とすっかり仲良くなってしまった。毎日、自分の趣味のことや家族のこと、そして怪我について語り合った。彼は最近大手術を終えた…
数年前、現職時の警衛勤務中の話。時間は深夜2時30分頃だったか。警衛所で監視モニターとにらめっこをしている時に、正門とは別の、夜間は閉じている小さい南門のカメラに『妙なもの』が映り込んでいた。パッと見では黒い塊。よく見ると、横向きに寝たような人間の形をしていて、まるで丸焦げの焼死体のようだった…
これは、大学生のときの話。俺は軽音楽部にいたのだが、そこには霊感の強い女の先輩がいた。本人はそれを嫌がっていたが、みんなは面白がって、幽霊の噂がある場所へ夜に連れて行き、「この辺どう?」とか聞いていた。本当にヤバい場所では、先輩は頭を抱えてガタガタ震え出し、何も言わなくなる。最初はあまり信じていな…
人が亡くなる間際、助けるように導く謎の存在が現れることがあるそうです。それは亡くなった兄弟や親族の姿であったり、声だけで聞こえたりすることもあるそうですが、正しい道を示したり、励ましたりすると言われています。とても心温まる話ですが、実際に私が体験したのは少し違いました。私の祖父はガンで亡くなり…
昔、俺の家には『幽霊』が出ていた。そいつは、長い髪に青いワンピースを着た綺麗な女だった。当時、俺は「まあ、家賃が安いから仕方ないか」と、あまり気にしていなかった。そんな話を同僚にしたこともすっかり忘れた頃、ある休日にその同僚の家へ遊びに行った。「おじゃましま~す」「あら、友達?」「例の、幽霊が出る…
今週の火曜日のことです。小4の息子が骨折しました。そこで、近所の病院に連れて行くことに。その病院は、以前私が盲腸の手術をした時に、麻酔が効きすぎて2日間意識が戻らず、「もうダメかもしれない…」と医師に言われたことがある病院でした。家族は「医療ミスだ!訴えてやる!」とカンカンに怒りましたが、私も無事…
現在進行形なんだが、誰か助けてくれ。半年ほど前のこと。仕事を終えて車で帰る途中、大きな事故現場に遭遇した。「ああ、これは助からないな」。そう思うほどの惨状で、今でも鮮明に覚えている。それがきっかけなのかはわからない。だが、事故現場を見た数週間後の休日、子供と部屋で遊んでいると、不意に『何か』がドア…
これは、『こけし』にまつわる怖い体験話。俺が生まれた日に作られたこけしを、親が出産祝いで貰っていた。だが、こけしというものは、元々は水子供養のものだと聞いたことがある。親いわく、地元はこけしが名産と言われているから貰ったとか。ただ俺は、そのこけしが苦手だった。なんというか、日本人形のような佇まいで…
これは、『3.11東日本大震災』の直後の体験話。私は避難所になった近所の学校へ、お手伝いに行きました。夫は教員で、自分が勤める学校の避難所運営で帰宅できませんでした。1人でいるより集団でいる方が安心かなと思って、お手伝いに行った次第です。当時はまだ高速も閉鎖されており、遠方から身柄の引き受けに来る…
私の父は2年毎に転勤のある仕事。なので、姉が高校受験を迎えるまで引越しは続いた。両親と姉、弟と私の5人家族。大抵は県庁所在地のマンション住まいだったが、一度だけ周辺が田んぼに囲まれて、柱が黒光りするような"古民家"に住んだことがある。家の雰囲気は、映画『愛しの座敷わらし』に出てくるような感じの家…
これは、ある『借家』に住んでいた時の話。転勤の辞令が出て、いつものように急いで探した物件だった。その都市はマンション自体があまりなく、転勤生活の中で初めての戸建。築30年ぐらいの2DKの平屋で、少し手狭だったが夫婦2人には十分。引越し荷物の搬入が終わって、先に挨拶だけ済ませておこうと夫婦で出かけた…
これは、亡き祖父の話。数年前のお盆のこと、祖父の墓参りのために祖母宅へ、子供2人を連れて前日から遊びに行った。祖母宅は、祖母と従弟の2人暮らし。うちの祖母は元気な人で、外食も大好き。近くにできた本格中華のお店に「次の日に食べに行こう!」と、従弟も含めて大盛り上がりしていた時だった。ドスドスドス…
これは、私が子供の頃に住んでいた『家』の話。祖父は転勤族だったが、やっと落ち着けるということで家を建てた。そこは風光明媚で有名な場所の近くにあり、目と鼻の先が湖畔。その家を父が受け継ぎ、祖父母、両親、弟と住んでいた。祖父母が亡くなった後、両親が仕事で忙しく、弟と二人きりで過ごすことがほとんどだった…
これは、もう20年くらい前の話。小学4年生の頃、クラスメートの川田君が『心霊写真』を100枚ほど学校に持ってきた。夏休み明けで、自由研究の資料だと言うが、私が見ても他の人が見ても、何も怪しいものは写っていない。ただ、みんなは気味悪がった。川田君が言うには、見えない人でも目を凝らせば見えるということ…
先日のある夜、私は遅くまで外で飲んでいた。24時を過ぎた頃、そろそろ帰ろうと思い、タクシー乗り場まで歩いて行った。家のある場所を指定し、車が走り出すのを確認すると、ついウトウトと眠ってしまった。その後、運転手さんに起こされて車から降りると、全く知らない風景が広がっていた。少し酔っていたので気づく…
これは、私が小学生の頃に住んでいた『家』の話。場所は東京都町田市の成瀬。私は現在32歳になるが、未だに忘れられない。その家には父の転勤の都合で引っ越すことになった。気のせいだったのかもしれないが、"ある道"を境に、なにか急に嫌な気分になったのが印象的だった。その家は急な坂道を上りきったところに…
そのアパートは部屋数が12室あり、そこそこ綺麗にもかかわらず、住人は私を含めて4人しかいない。と言うのも、『出る』と噂があるから。けれど、噂は噂。6年住んでいる私はそんな経験もなく、静かなアパートに大変満足していた。…が、先日奇妙な体験をしてしまい、引越しを考えている。ある日、お風呂に入っていると…
これは、タクシーの運転手をしている香川さんの体験話。ある夜遅く、客を探して走っていると、手を上げている若い女性が見えた。(こんな夜遅くに女性が一人で危ないなぁ)。そう思いながら彼女を乗せると、香川さんは妙なことに気がついた。彼女の着ている服は、病院の患者が着ているようなものだった。少し気味悪く…
これは、未だによくわからない体験話。小学校低学年の頃、両親の用事で知り合いのおばちゃんの家に一晩預けられた。そこの家は柴犬を飼っていて、俺は暇つぶしにと、昼間に着いた早々その犬を連れて散歩に出かけた。だが、土地感のない所をやたらめったら歩き回ったせいで、迷子になってしまった。内気で恥ずかしがり屋…
これは、後味の悪い体験をした話。社会人になったばかりの頃、営業先から会社へ戻るためにバス停で並んでいた。すると、バイオリンケースを持った4~5歳ぐらいの女の子と母親がやってきた。教室に行くところらしい。「ママは今日はどうしても一緒に行けないの。お迎えには行くから、ね」。「ヤダ。ママも一緒にきて…
これは、私が子供だった頃の話。うちの家の和室には、観音開きの扉がある。それを開くと半畳ほどのスペースがあり、そこには亡くなった父方の祖父母の『写真』が飾ってあった。普通なら仏壇があるようなところに、写真だけがある。ある日、こんな夢を見た。私はその和室にいた。ふとその扉を見ると、いつもは閉めてある…
それは1年くらい前のこと。私は仕事で車に乗ることが多い。乗っている時は何もすることがないので、すれ違う車を観察したりする。他人から見れば嫌な習性かもしれないが。ある日のこと、いつものようにすれ違う車を見ていた。その車は四駆で、スーツを着た若い男性が携帯片手にニコニコしながら運転していた。助手席には…
これは、これまでの僕の人生で一度だけ体験した怪奇な話。通っていた小学校の裏に、小さな山があった。そこには地元では有名な神社があり、学校の帰りにいつも友達とかくれんぼなどをして遊んだ。ある日のこと、日が暮れてかくれんぼも終わり友達と集まっていると、ふと神社のお賽銭箱の脇に『古い女の子の和人形』が置い…
これは、去年初めての出産した時の体験話。私が入院していた病院は母子別室で、赤ちゃんは新生児室にいた。私は6人部屋の、入り口から入った一番手前のベッドだった。この病院の方針は3時間毎の授乳ではなく、赤ちゃんが泣いたらその都度ベッドの脇のスピーカーから呼び出しがかかるか、人がたくさんいる昼間などは…
私は高校で軽音楽部に所属していた。その頃の『カセットテープ』が残っている。文化祭でオリジナルソングを歌った時のものだが、あまりの悲惨な結果だった為、すぐに聞く勇気はなく、部屋のラックの中に入れっぱなしのままだった。聞いてみようと思ったのは、大学3年の時。その時は山岳部に所属しており、山小屋で皆に…
これは、私が小学生の時の体験話です。私の家の近所に、老夫婦の住む家がありました。その夫婦は子供がなかったらしいのですが、品がよく仲睦まじいのが有名で、よく奥さんが家の前を掃き掃除しているのを見かけたものでした。私が学校から帰ってくる時、奥さんと鉢合わせすることが多くあり、その度に奥さんは小さい私を…
私は、おばあちゃん子だった。これは、その祖母が亡くなる時の話。だいぶ前のことになるけれど、祖母は急に体調が悪くなり、入院することを余儀なくされた。祖母は明治生まれの気丈な性格だったので、「入院なんて嫌だよ」、「ウチに帰りたい」と病院を毛嫌いしていた。私は会社の帰りなど、時間の許す限りお見舞いに…