当時借りていた部屋では、ラップ音や金縛りは日常茶飯事だった。ただ、何者かの姿を見たり、物理的な攻撃を受けたりすることはなかった。それでも、ずっと妙な気配が続いていたので、意を決して部屋の中で「何となくここだ」と感じた場所をカメラで撮影してみた。恐る恐る写真を確認していったが、特におかしなものは写っ…
怖い話や怪談が読みやすいブログです。他にも意味怖、謎怖、シリーズもの、都市伝説、画像や動画など多数。
たくさんの怖い話や怪談を読みやすいように掲載しています。画像や動画なども扱っています。怖い世界をどうぞごゆっくり・・・
これは、ある土建屋の事務長と話し中でのこと。寺から法事を頼まれて行った時、たまたまその法事に参列していた土建屋の社長と仲良くなった。きっかけは土建屋の仏教に関する質問に、私の回答が気に入ってもらえたらしい。その後も何度か土建屋の近くに寄ることがあったが、社長に挨拶をしていこうと立ち寄っても…
これは、友人が体験した不思議な話。渓流で一人釣りをしていると、背後から声をかけられた。「何しとるのかね?」。鮎を釣ってるんだ、そう答えながら振り向くと、そこには"異様なモノ"がいた。身体は赤犬だったが、首から上の顔は老爺のものだった。毛並みは綺麗にしてあり、きちんとお座りをしている。驚いてポカンと…
これは、仕事仲間が体験した不思議な話。遠い山間での住宅改装を請け負った彼は、毎日のように山中の峠道を越えていた。きちんと整備された道路も造られているのだが、回り道の上に信号が多く、また渋滞に巻き込まれる率が高いので、舗装もされていない寂しい峠を通っていたそうだ。ある日、仕事が押してすっかり遅くなっ…
これは、友人の怪異体験話。釣り仲間と二人で、沢釣りに出かけた。いつもとは違う場所で釣ってみようと散策しているうち、良い感じの淵が見つかった。あまり人の来ない場所なのか、入れ食いのように釣れたそうだ。夢中になって竿を振っていると、急に手応えが重くなった。根掛りでもしたかと思ったが、力を入れると…
これは、田舎で同級生から聞いた話。彼は中学の時、自転車で通学をしていたという。ある晩秋の朝、いつも通っている道に落ち葉が降り積もっていた。朝露で濡れていた為に滑りやすく、少しでも下手にハンドルを切るとズルっと滑り、何度かコケそうになったそうで。しかし、その感覚が楽しく、彼は何度もスピードに乗った…
これは、山仲間の体験話。彼がサークルのキャンプに参加した時のこと。一人だけ遅れて来ることになり、初日の夜に宿営地で合流することになった。しかし、いつまで経ってもそいつが来ない。山慣れた奴だし、あまり心配はしていなかったのだが、そろそろ日付が変わる刻限になると、さすがに何かあったかと皆が不安になった…
これは、死の直前にまつわる少し怖い話。その場では決して口には出来ないが、私は『肉』がお迎えのサインだと思っている。なぜなら入院していた時に仲良くなった数人の亡き患者さん達には、ある共通した出来事があったからだ。それは、病状悪化して衰弱し食欲もない日々が続く中、突然「とんかつ食べたい。持ってきて」…
これは8年くらい前、横浜に住んでいた時の話。日本大通りに職場があったので、バイクで通える距離の阪東橋近くのボロアパートに住んでいたのだが、とにかく治安がよろしくなかった。夜に出歩けばアジア系の立ちんぼやらキャバのキャッチやら、見るからにカタギではないおっさんやらがわんさかいる。昼間でも道端で泥酔し…
これは、仕事仲間の奇妙な体験話。業務で山奥に入っていると、『大きな邸宅』に出くわした。今風のデザインが、場所も相まってひどく違和感を感じさせたという。門を開けて中を覗いたが、誰も居る気配がない。インターホンを押しても反応がなく、かと言って押し入るのも躊躇われ、塀伝いにぐるり一周してみると、綺麗に…
これは、『ご縁』にまつわる不思議な体験談。うちの爺さんの実家はちょっと離れた村にあり、そこの共同墓地には先に亡くなった婆さんが祀られている。その場所が少し珍しい。県道から私道のような砂利道を通り、両サイドには畑が広がっているので、知らない人にとっては他人の敷地を通るような印象だと思う。そこを抜ける…
これは、友人から聞いた不思議な体験談。彼は時々、地元の登山会の世話で山道の整備をしている。その日もノコギリを片手に倒木を片していたのだが、いきなり背中がグッと重くなった。後ろに手をやったが何も触れず、しかし荷重は耐えきれないほどで、たまらず膝を付く。四つん這いになった頭の後ろで、問いかける掠れた声…
これは、私が体験した奇妙な話。青年部で委員会を開くことになった。運悪く商工会の会議室が利用できず、メンバーの家に集まることに。そこは山中に新しく造られた、小さな団地の中の一軒家だった。部の事業についての論議が白熱し、討論が終わったのは丑三つ時を過ぎていた。コーヒーを飲みながら雑談していると、二階の…
これは、不思議な体験をした友人の話。里帰りした折に、甥っ子を連れて裏山で遊んでいたという。時はまだ"朝方"、霧雨がかかって少しばかり肌寒い。地山が剥き出しになった崖に、立って入れるほどの『洞穴』が開いていた。何気なく入ってみると、五~六メートルも進んだ所で行き止まりとなっている。別に変わったことも…
これは、不可解な体験をした同級生の話。一人で夏山を縦走していた時のこと。小さなテントでぐっすり眠っていた深夜、どこか遠くから声が聞こえてきた。「おーい」と、くぐもったような声が耳に届く。寝惚け眼を擦りながら「何だよ?」と呟いた次の瞬間、グラッと地面が揺れた。パッと目が覚め、慌てて辺りを調べたが…
これは、東北辺りの山の中にある集落であった話。その集落から山中に入り、2つ3つ越えた所に『不思議な場所』がある。そこは一見、何処にでもあるような木などが生い茂っている普通の山林だが、夏の終わり頃からその場所は異常な程にキノコ類が生い茂る。地面や朽木、生きている木にまでびっしりという感じに。しかも…
これは、田舎の友人に聞いた話。彼の家では、山で椎茸を栽培している。時々、木に悪戯されたり盗られたりするので、山に見回りに行くそうで。ある時、山をいつものように見回っていると、木々の向こう側に『動く影』を見つけた。迷彩服でも着ているのか、どうにもハッキリと判らないので、彼は「ははあ、サバゲーでもしに…
これは、『双子』にまつわる少し不思議な体験話。私と兄は二卵性の双子で生まれた。環境的に近所に同年代の友達がいなくて、兄としか遊び相手がいなかったこともあると思うけれど、私の思ったことがそのまま兄も頭に浮かぶし、私も兄の思考が頭に入ってくる感じで、それが当たり前だと思っていた。母が後年、二人が遊んで…
これは、"得体の知れないモノ"と遭遇した時の話。先日、出張で東京の武蔵野市という場所へ行った。ただ相手方にトラブルがあり、出張が1日延びた。その日自体は休みになったが、夜は上司とご飯を食べに行く約束をしたので、それまで観光でもしようかとウロウロすることに。東京に来るのは初めてというか、こういう都会…
これは、産婦人科に入院していた時の話。退院する前日の夜のこと。消灯の時間になり、寝ようと思ってベッドでゴロゴロしていると、廊下を誰かが歩いている音がして、私がいる個室のドアが「コンコン」と鳴った。看護師さんはノックと共にドカドカと入ってくるので「看護師さんではない・・・」と思い、ましてや来客なんて…
これは、同業者から聞いた話。道路工事をしていた時のこと。土場として借りていた空き地のすぐ横に、小さなゲートボール場があった。休日には老人たちで賑わうらしいが、平日は誰もおらず、静かなものだった。そんなある日の夕暮れ、土場にいると隣からボールを打つ音が聞こえてくる。目をやったが、競技場には誰の姿も…
これは、お寺に泊まった時の怪異体験談。ある大きなお寺から、法要と片付けの仕事の依頼を受けた。法要も無事に終わり、夕方頃には片付けも終わってそろそろ帰ろうかと思った時だった。友人でもあり、このお寺の副住職から「少し話をしないか?」ということで、お寺に残ることに。本来ならここで怪奇現象についての相談か…
これは、山仲間から聞いた奇妙な体験話。彼は登山だけでなく、渓流釣りも趣味としている。山に登る時には釣り道具も持ち、ポイントを見つけると釣りをする。ある時、何度か入った山で、とても綺麗な渓流を見つけた。「これだけ水が綺麗なら大物がいるかもな」。そう思った彼は、さっそく釣り糸を垂らすと、面白いように釣…
これは、同級生の不思議な体験話。彼がまだ小学生だった頃、帰り道でにわか雨に祟られた。傘を持っていなかったので、途中にあったバス停の屋根の下へ逃げ込んだ。濡れた身体を払いながら困った顔をしていると、スッと何かが後ろから頭の上に差し出される。見上げると赤い傘があった。驚いて振り向くと、優しそうな女性が…
これは、山仲間の心霊体験談。雪で山小屋に足止めをくらっていた夜のこと。寝ていたところ、人の話し声で目を覚まされた。小屋の隅の方で五~六人が車座になって、何やらガヤガヤと話し込んでいる。結構大きな声だった。常識がないなとムッとし、「少し静かに話してくれませんか」と注意した。すると、話し声がピタリ…
これは、非現実的な体験をした時の話。高校卒業後、特技といえば目が良いことくらいだった僕は、めでたく不動産会社に就職し、不動産業の仕組みから民法の勉強、資格受験と慌しい生活を送っていた。初めての社会に心が折れそうなことが何度もあり、また当時お付き合いをしていた女性との破局や父の急死もあって、なかなか…
これは、3年ほど前の心霊体験談。山奥のゴミ処理施設でバイトをしていた時に、私も含めて施設内で働くほとんどの人が目撃した奇妙な出来事があった。その施設は人里離れた山奥にあり、施設から近くの町までは5kmと少し、家屋や店屋はもちろん、街灯すらあまり無い場所だった。ただ、施設から100mほど離れた所に…
これは、何者かに呼ばれて行ってみた時の話。ある晩のこと、美帆さんは寝ようと支度をしていると、「大赤山に行け」と耳元で声がしたという。大赤山?と言われてはっとしたら、もう一度「大赤山に行け」と声がした。それからは毎日、寝る直前に「大赤山に行け」と声がするようになった。大赤山とは、美帆さんの実家近くに…
これは、知り合いから聞いた話。彼の祖父は、かつて猟師をしていたという。遊びに行った折に、色々と興味深い話を聞かせてくれた。「昔、時々つるんでた鉄砲撃ち仲間がいたんだけどな、だいぶ前に死んじまった。山に入っている時、誰かに鉄砲で撃たれてな。ああ、当然警察沙汰になった。あの時そこらの山に入っていた者が…
これは、知り合いの話。彼がまだ幼い頃、隣の借家に移ってきた家族があった。同い年の気のいい男の子がいて、あっという間に仲良くなったという。親しくなった後に教えてもらったのだが、隣家はやたらと引っ越しをしていたらしい。他所に移る予定など何もない彼が羨ましがると、悲しそうな顔でこう言われた。「あんまり…
これは、誕生日にまつわる不思議な体験をした話。その日、電車で座っている私の前に、二人組のサラリーマンが立っていた。そして若い方が、「俺、同じ誕生日の人がなぜか周りに多いんですよ」と話し始めた。「イトコや親戚に5人、幼稚園の頃から新しく友達になる奴の中に必ずいたし、今も隣の課の〇〇さん、同期の××…
これは、知り合いの話。彼はかつて漢方薬の買い付けの為、中国の奥地に入り込んでいたことがあるという。その時に何度か不思議なことを見聞きしたらしい。「石も生薬の材料に使います。竜の骨とか呼んでいて、まぁそのほとんどが化石なんですけどね。こんなことがありました。ある時、知り合いの薬屋に御邪魔していると…
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当時借りていた部屋では、ラップ音や金縛りは日常茶飯事だった。ただ、何者かの姿を見たり、物理的な攻撃を受けたりすることはなかった。それでも、ずっと妙な気配が続いていたので、意を決して部屋の中で「何となくここだ」と感じた場所をカメラで撮影してみた。恐る恐る写真を確認していったが、特におかしなものは写っ…
これは、私が大学生の頃に体験した話です。本当に不思議な出来事でした。よくある『虫の知らせ』のようなものかもしれませんが、私にとっては大切な思い出です。私は京都の大学に通っていました。実家は隣の県にありますが、大学までは電車とバスを乗り継いで片道およそ4時間かかります。そのため、私は学生専用アパート…
我が家に起こった話を聞いてください。私の家は、父が建てた築40年ほどの2階建てなのですが、3年前、その東側の空き地にアパートが建ちました。それほど広い土地ではなかったため、よくある1棟に4部屋の小さな建物です。駅に近いこともあってか、完成してすぐに全室が埋まりました。ところが、1ヶ月もしないうちに…
これは、東南アジアでの体験談。事務仕事が一段落したので、気分転換に現場をちょっと巡回していたところ、何やら人だかりができていた。人だかりはトラブルの可能性が大なので、急いで中心へ行ってみると……。腹にロープを巻き付けられ、両手両足を4〜5人に押さえつけられている男がいた。口の中を切っているのか…
小学生の頃、夢に"血でドロドロになった赤ちゃん"が出てきた。僕が部屋の前に立っていると、赤ちゃんがヒタヒタと廊下を進んでくる。なぜかその後ろには祖母が立っており、ニコニコと微笑んでいた。僕は恐怖に包まれ、じわじわと近づいてくる赤ちゃんに向かって「来るな、来るなー!」と叫びながら押し返したが…
これは、夏にまつわる話です。私が通っていた高校の近くに、見晴らしが良いのになぜか毎日のように事故が多発していた十字路がありました。ただ、歩行者が巻き込まれるような事故はなく、どれも車同士がぶつかるというものばかり。奇跡的に亡くなった人はいませんでしたが、私はなんとなく"その原因"に心当たりがあり…
この世は『78対22』という宇宙の法則で成り立っている。キリよく「7対3の法則」や「8対2の法則」ともいわれ、ビジネスなどにも応用されている。科学的に「78対22」という黄金比が証明されているわけではないが、統計の中からこの比率が見つかる例は多く存在する。たとえば……。地球上の海と陸の割合は…
私は昔から結構なビビりで、怖い話なんかは大の苦手。そのわりには、"嫌な気配"をよく感じる。まあ、ただの勘違いかもしれないけれど。当時、私は高校2年だったか。ベッドは窓際にくっつけて置いていて、そこで寝ていた。時間は深夜1時から2時頃。なぜか眠れなくて、ベッドの上で顔を手で覆いながら、なんとか寝よう…
15年ほど前の話になります。小学5年のとき、父が転職した関係で引っ越しをしました。しばらくしてから、そのマンションで『若い女性の霊』を見るようになったのです。現れる時間帯に規則性はなく、夜のときもあれば、昼間に現れることもありました。その霊はいつも怖い顔であちこちを睨みつけていて、とにかく近寄り…
"雨の日"になると思い出すことがある。これは、高校2年の夏休みの時の話。その日、俺は友人の秋山と林の3人で買い物に出かけていた。すると突然、雨が降り出した。傘を持っていなかった俺たちは大慌て。すぐ近くにあった屋根付きのバス停に駆け込んだ。「雨の予報なんて出てなかったよな?」そう言い合っていたら…
私がこの話を聞いたのは、5年ほど前のこと。今は更地になっているが、かつて実家の隣にあった家に、"幽霊が出ていた"という。20年ほど前、その家を工事現場の事務所兼宿舎として貸し出していた時期があり、その頃に幽霊が出ていたそうだ。目撃者は、その宿舎に長期で滞在していた職人のおっちゃんたち。我が家は当時…
これは、2007年10月10日のことです。雪の中を通勤中、吐血が止まらなくなり、道端で転げ回っていたとき、若い研修医のような白衣の男性に抱きしめられました。医者の格好をしていたし、「私、医師の矢島です」と名乗ったのです。そのときの時刻は、朝の7時30分でした。痛みはあるものの、矢島という医師に抱き…
これは、かれこれ30年以上も続いている話。私の父は5人兄弟の次男です。そんな父が10歳のときのこと。駄菓子屋からの帰り道、夕方6時の門限が近づいていたため、急いで自転車を走らせていたそうです。父の父、つまり私の祖父は自営業を営む、相当な頑固者。門限を過ぎたとなれば、容赦なく鉄拳が飛んでくるような人…
小さい頃、祖父が病院で亡くなった。両親と駆けつけた時には、もう霊安室に移されていた。両親はじめ、親戚みんなが慌ただしくする中、どういうわけか俺だけが霊安室に残されることになった。「線香は絶対に切らさんようにね」そう念を押され、俺は素直に線香をじっと見つめていた。どれぐらい経っただろうか……。ふと…
ガキの頃に、鍼灸師のジジイから聞いた話。ちょっと変わった幽霊談です。ニューギニアのあたりの、ある戦場でのこと。大規模な戦闘をした部隊があって、その後、その部隊の前線基地に、"夜な夜な死んだ兵士たちが現れるようになった"そうです。彼らは皆、ちゃんと足があり、懐かしそうに「よぉ!」とか言いながら現れる…
僕には小さい頃、親友がいた。親友といっても、人間じゃない。猫だった。その猫は、普通の猫よりひとまわり大きくて、いつも堤防にある陸橋の下にいた。僕がそこを通るたび、気づけばいつも同じ場所にいて、気づけば自然と仲良くなっていた。僕が無邪気にはしゃいでいると、あの猫は目を細めてじっと見守ってくれていた…
私は、貧乏なアパート暮らしの女。お風呂がないので、いつも『銭湯』に通っている。その日、いつもの店が休みだったため、少し離れた場所にある銭湯へ向かった。浴室には数人のオバちゃんたちがいて、楽しそうにおしゃべりしていた。髪を洗っていると、ふと視線を感じた。洗い終えて顔を上げると、自分の前の鏡に、見知ら…
零細企業に勤めていたが、家業を継ぐため、やむなく退職した。その後、その会社は倒産した。それから10年。あの会社の社長の夢を、何度も立て続けに見るようになった。「帰ってきてくれ。もう一度、一緒に仕事をしよう」そんな内容だった。気になって連絡を取ってみると、社長は末期ガンで、余命わずかだということ…
昔、今とは別の仕事をしていた頃のこと。その日は、いつもいる支店とは違うエリアでの営業で、渡された地図を片手に、歩きながら飛び込み営業をする仕事だった。目的のエリアに着き、「さて、行くか」と歩き始めてしばらくすると、地図では黒く塗り潰されていた一軒の近くで、足が止まった。「……あれ?誰かいる……?」…
これは、俺が子どもの頃に体験した話。近所の川で、4人で岩から岩へ飛び移りながら遊んでいた。そのとき、ひとりがうっかり深い場所に落ちてしまった。しかもその川は、前日の雨で増水しており、流れがとても速くなっていた。友達は、あっという間に流されていった。「助けてー! 助けてー!」水面から顔と両手だけを…
その出来事がトラウマで、未だに一人暮しが出来ない。昔に一人暮しをしていた頃、私の部屋に数日間、見知らぬ人が潜んでいたことがあった。ある日を境に、帰宅する度に部屋の様子に違和感を感じ始めた。私は記憶力には自信があって、少しだけれど明らかに位置がずれているごみ箱などを見て「おかしい…」と確信したものの…
これは、友人の体験談。アパートに部屋を借りた。古い建物を改装したアパートだったが、リフォームがしっかりしてあり、かなり綺麗だった。借りたのは最上階の部屋で、室内は広くて天井も高く、開放感もある。主要線の駅からも歩いて行けるくらい近く、商店なども整っており、凄く条件が良い物件。それなのに、家賃は…
これは、学生時代の話。大学の近くの住宅地の中に小高い山があって、その天辺に神社がある。そこは学生の間で有名な心霊スポットで、そこで子供が死んだとか、学生が自殺したとか、色々な噂が広がっていた。夏休みを目前にしたある日、同級生が「肝試しに行こう」と言い出した。後輩に霊感がある奴がいて、普段から部屋で…
とある事情で神様方にすがる必要ができてしまいまして…。それからは神々を信じて伊勢や出雲、日向で願掛けをしたのに、氏神様に参詣しないのも筋が通らないと思い立ち、家のすぐ近くの歴史ある神社に通うようになりました。死人がよく出て怪奇現象がたまにある病院勤務のくせに、一度も幽霊は見たことがないという霊感…
これは、32年前に体験した奇妙な話。当時小学3年生だった俺は、学校から帰って来ては毎日近所の駄菓子屋に遊びに行っていた。その日も強めの雨が降っていたが、駄菓子屋までは歩いて1分なので、傘もささずに走って出かけた。駄菓子屋には4人ほどの友達が先に来ていた。駄菓子を買い、友達らと喋っていると、雨で濡れ…
車で大事故に遭い、大怪我と廃車になってしまってから半年。退院してから中古の安い車を買ったのだが、その車がすごく怪しい。車検満タンに全塗装済みにもかかわらず、捨て値で売ってくれた。ひと月の給料で買えるくらいの値段だ。贅沢は言えないのでそれに乗っていたが、ハンドルの下辺り、ちょうど膝が当たる部分に穴が…
これは小学生の頃に教頭から聞いた話で、その教頭の友人の体験談。教頭は昔ライフセーバーだったらしく、友人はその仲間だった。海で行方不明者なんて出ると、夜中まで皆で横一列に手を繋いで探すそうだ。発見が遅れた遺体は酷い有様のようで…。目なんかは最初に取れる。だから目の無い遺体がよく見つかる。ある日…
これは、うちのじいちゃんから聞いた話。ちなみに、じいちゃんは随分と前に亡くなっている。じいちゃんは鉄工所をやっていて、それはそれは腕利きの職人だった。じいちゃんが若い頃、得意先に製氷所があったそうな。その製氷所のオヤジが言うには、"毎朝氷を買いに来る若者"がいたそうだ。出来たばかりの一抱えもあり…
X駅とZ駅の間に、A、B、Cと各駅停車しか止まらない駅が3つ続く。X駅とZ駅との短い距離の間に、この3つの駅はひしめき合うように配置されており、なぜか不思議な存在感を放っている。これは、その路線で通学していた頃の話。僕は毎朝同じ時間の同じ車両の窓際に寄りかかって通学していたのだが、ある朝、A駅で…
これは夢なのか、それとも心霊体験なのか。その日、俺は夜の10時に残業が終わって帰宅した。疲労のせいか、どこか意識が散漫で夢うつつだった。玄関のドアを開けて、真っ直ぐキッチンに向かう。するとそこには、カチャカチャと洗い物をしている母と、母の横にあるイスに座りながら酒を飲んで上機嫌にしている父がいた…
だ高校生の頃の話から始まります。当時、私には彼氏がいました。クールで口数が少ないけれど、かっこいい同級生の彼のことが好きになり、私から熱烈にアタックして付き合うことになりました。付き合うことになったのはいいけれど、彼は私が憧れていたような愛情表現がなかったのです。ぶっきらぼうだし、いつまで経っても…
これは、5年前の夏の体験話。私は人生に疲れ、自殺の名所に1人でやって来ていた。そこは断崖絶壁で下に激しく波が打ちつける、飛び降りるとまず助からないであろう某名所。自分の人生は何処から狂い始めたのか。そんなことを考えながら、断崖から下の海を眺めていた。近くの電話ボックスには、『自殺を考え直そう…
これは、僕が中学1年生の時に体験した話。 むせ返るような暑い夜、僕と同じくオカルト好きな友達2人と共に、地元でも評判の『廃屋』に忍び込んだ。 夏休みということもあり、時刻は雰囲気的に盛り上がりそうな丑三つ時を選んだ。 その廃屋は山の中腹くらいにあり、自転車で行くにはきつかったが、なんとか辿り着いた。
これは、私が小5の時の体験話。祖母が亡くなったので、島根にある母の実家に帰っていた。死因は老衰。みんな悲しかったけれど、「長い間ありがとう」という気持ちで穏やかに葬儀が執り行われた。そして、その夜はお決まりの宴会が始まる。もう夜もだいぶ更けた頃、ある50代くらいの男性が「帰る」と言い出した。ただ…
これは、友人の岡田から聞いた話。岡田は少年の頃から読書が大好きだった。いつも何かの本に夢中になっては、誰かに止められるまで読みふけっていた。彼の家は築十数年の木造2階建て。岡田は2階にある一室を勉強部屋として与えられていた。そんな、ある休日の午後のこと。いつものように自分の部屋で冒険小説に夢中に…
これは、俺が高校生だった時の奇妙な体験話。その日、部活で遅くなった俺は、同じく委員会で遅くなった幼なじみの美咲と通学路を歩いていた。「帰ったら親父に怒られるだろうな」。「うん…。でも事情を話せばきっとわかってくれるよ」。そんなことを話してから途中で分かれ、一人で少し歩いた時、目の前にバス停の標識が…
これは、ついさっきあった不思議な出来事。近所の米屋の店先で、店の前に出した長椅子に座っていた米屋のじいさんが、ガックリと肩を落としたような感じでタバコを吸っていた。すると、「ずいぶんとしょぼくれてんなぁー!ボケが始まっちまったかぁ?あぁ?」と大声が聞こえた。見ると、米屋の向かいの酒屋のじいさん…
私は外回りで『無線』を使う仕事をしている。先日、こんなことがあった。いつものように無線で仲間とやり取りをしていたら、自分のだけが何故か混線する。あまりにも酷いのでチャンネルを変えたが、それでもザーザーと余計な音が入ってくる。その場所から移動できなかったので、長く混線が続くことに私はイライラし始めた…
たぶん私は小さい頃に『肉人』に会ったことがある。悪いことをすると、反省部屋という母屋から離れた納戸によく閉じ込められていた。今考えると、放置時間が一晩中や半日から丸一日と長かった。そこは暗くて狭くて、お腹が空いて寂しくて泣いていると、肌色のモヤっとした何かが、顔は無いのにこちらをじっと見ているのが…
これは、旧陸軍での話。ある兵士が地元の女性と恋仲になった。兵士が倉庫の夜番に立つ時が二人の逢瀬の時間で、忍んできた女性と一晩愛を語らっていた。兵士は別れ際、次の夜番の時を知らせ、女性はそれを頼りにまたやってくる。逢瀬は繰り返されるはずだったが、ある日、兵士が高熱を発し、起き上がることもできなく…