推理作家道尾秀介さんの素晴らしい一文に同感し、その一部をご紹介致します。「自分は歯車の一つ」-というのは自虐的な意味合いでよく口にされる表現だけど、僕はこの言葉が嫌いじゃない。歯車というのは、ぜんぶが同じかたちをしていたら複雑な機構は決して成り立たない。それに歯車というのはそもそも、一つでも欠けたら全体の動きが止まってしまうという、この上なく重要なものなのだ。自分という歯車のかたちを変えるのか、それともかたちは変えず、ぴったりと填る場所を探すのか。歯車として生きるのならば、人間どうしたってこの2通りの生き方しかできない。歯車はみんな大切なのだから、どちらがいいとはきっと言えないのだろう。ただ、歯車であることを放棄するような人間にだけはなりたくない。以上が引用文ですがいかがでしょうかこの著者は私が言おうとし...歯車の個性