宅地建物取引士試験・管理業務主任者試験の科目の内容(過去問の解説等)を中心に情報を発信します。
最近の宅建試験・管業試験は、単に法律の条文を暗記するだけでは解けない問題が多くなっています。事例を解決するために条文の解釈が求められています。そのため長文の問題が増えています。このことは受験者の国語力・文章の理解力が試されているということです。日頃から長文の問題・解説を読んで、慣れる必要があります。そのための力になればと思い、このブログを作成しています。
④ 錯誤者の重過失について 現行民法は、95条ただし書において、表意者に重大な過失が あったときは、表意者は錯誤無効の主張ができないと規定して いる。 改正民法は第3項において、次のよう規定している。 第3項 錯誤が表意者の重大な過失によるものであった場合に は、次に掲げる場合を除き、第1項の規定による意思表 示の取消しをすることができない。 1号 相手方が表意者に錯誤がある...
7 第95条(錯誤) 前回の条文を参考にしながら解説する。 ① 錯誤は、従来は無効とされていたが、今回の改正で「取消 し」事由となった。つまり、錯誤をした者を保護するために、 表意者(錯誤した者)に取消権を認めたわけである。 本来、無効であれば、だれでも無効の主張ができるのが原 則であるが、判例・通説は、錯誤無効は、錯誤をした者を保護 するための規定であるから、無効の主張がで...
5 第90条(公序良俗) 多少の文言の変更はあるが、内容に変更なし。6 第93条(心裡留保) 1項 多少の文言の変更はあるが、内容に変更なし。 2項 心裡留保が無効な場合、その無効を善意の第三者に対抗 できないという明文を置いた。 従来は善意の第三者の保護規定はなかったが、判例・通説 は通謀虚偽表示の善意の第三者保護規定(94条2項)を類推 適用して、善意の第三者を保護していた。改正法...
1 従来「意思能力」については、民法に規定はなかった。しかし、 判例・通説は意思能力がなければ、意思表示としては無効であ ると解釈していた。 今回の改正で、第3条の2を追加して、「法律行為の当事者が 意思表示をした時に意思能力を有しなかったときは、その法律 行為は、無効とする。」という規定を置いた。従来の判例・通説を 明文化したのである。 幼年者、高度の精神障害者、泥酔者等は、意思能力がない...
平成30年度 管理業務主任者試験【問 5】 AとBとの間で、Aが所有するマンションの1住戸甲(以下、本問において「甲」という。)についての賃貸借契約が締結され、AはBに甲を引き渡した。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。肢1、3、4は省略。2 Bが、Aの承諾を得て、甲をCに転貸した場合、Bの債務不履行を 理由としてAが賃貸借契約を解除したときは、Cの転...
3 賃借権と抵当権 ① A所有不動産について、Bが賃借権、Cが抵当権を有する場合、 先に対抗要件を満たした者が相手方に対抗できる。 ② Bが先に賃借権について対抗要件を有し、その後に、Cが抵当 権を取得した場合、Bは、抵当権に対抗できるから、抵当権が実 行されても、賃借権を競落人に対抗できる。つまり、競落人は、賃 借権の負担の付いた不動産の所有権を取得することになる。要す るに、賃貸人の地...
2 賃借権と賃借権 ① Aが自己所有不動産をBに賃貸し、さらにCにも賃貸した 場合、お互いが対抗要件を満たしていなければ、お互いが 対抗できない関係になるのは、不動産の二重譲渡と同じで ある。 Bが先に対抗要件を満たしていれば、Bは、賃借権をCに 対抗できるので、Cの賃借権を否定できる。そして、この場 合、Cは、貸主Aに対して、善意(当該不動産がBに賃貸さ れているということを知ら...
③ 合意による不動産の賃貸人の地位の移転 イ AがBに賃貸している不動産について、譲渡人(A)と 譲受人(C)が不動産の譲渡と共に、賃借人(B)の承諾 を要しないで、AC間の合意によって、賃貸人の地位を移 転させることができる(改正民法605条の3前段) 。 従来から、判例は、賃貸人の地位の移転は、譲渡人と 譲受人の合意により移転し、特段の事情がない限り、賃 ...
1賃借権と所有権① AがBに不動産を賃貸し、Aがさらに、当該不動産をCに売却 した場合、Bが対抗要件を満たす前にCが対抗要件(所有権の 登記)をした場合には、Cは、所有権をBに対抗できるので、Bの 賃借権を否定できる。 そして、Bは、貸主Aに対して、Aの債務不履行(履行不能)を理 由にAとの賃貸借契約を解除できる(民法543条)。また、Bは、Aに 対して損害賠償の請求ができる(民法415条、545条3項)。② ...
③ 賃借人の賃料不払等による債務不履行による解除の場合 イ 適法な転貸借がある場合、賃貸人が賃料延滞を理由として原 賃貸借契約を解除する場合、先の借地借家法34条1項の規定の 適用はなく、転借人に通知しなくても、転借人に対して原賃貸 借契約の解除を対抗することができる。 ロ また、適法な転貸借がある場合、賃貸人が賃料延滞を理由と して賃貸借契約を解除するには、賃借人...
不動産の賃借権の譲渡・賃借物の転貸 1 賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、その賃借権を譲り渡し、 又は賃借物を転貸することができない(民法612条1項)。 無断譲渡・転貸があっても、当事者間では有効な契約として成立 するが、それを賃貸人には対抗できないという意味に解されている (判例・通説)。 Aが自己所有建物をBに賃貸し、BがAの承諾なくしてCに転貸 した場合、Cは転借権をAに対抗で...
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