トランプ政権下で導入された関税政策は、第二次世界大戦後の国際社会を(「自由貿易の旗手」として)まとめてきた米国の通商政策における大きな転換点と言えるでしょう。しかし、もともと米国は、(建国以来)国際的な関与と孤立主義の間で揺れ動いてきた国であることも忘れるわけにはいきません。独立戦争後の18世紀末から19世紀にかけて、新興国であった米国は、国内産業を守るため関税を活用して外国製品との競争を制限していました。19世紀後半から20世紀初頭にかけて工業化が進んでもその姿勢は変わらず、第一次大戦後の孤立主義的な高関税政策は世界的な貿易縮小を招き、大恐慌を悪化させる要因となったとも言われています。しかし、第二次大戦の混乱を経て、米国は自由貿易を推進する国際秩序の構築に舵を切りました。1947年のGATT(関税及び貿...#2836米国一国主義から学ぶこと