生きづらいものが生きていくために。回復とサバイバルについて考えていきます。
生きづらさは重い負荷ですが、それにより自分が生きるために必要なものへの意識や関心が深くなります。生きづらい人は誰のためでもなく、自分が生きていくために世間にまだ存在しないものを創りださなければいけない切実さを抱えています。生き抜くことは全く保証されていない。それにも関わらず生き残ろうとする人たちの創造は、通じる課題を持つ人たちの力となり、そして自身だけでなく、周囲の世界も回復させる力を持ちます。
ジャンル難民学会(仮)の組織のイメージをしてみました。 とりあえず、本部的なもの、それと話しの場の研究会、そして各地の連絡会(発表の場)の3つと、連絡会のかたちのバリエーションなど。 <ジャンル難民学会(仮)組織形態のイメージ> 1、本部的なもの・・・各地の連絡会の活動の活性化、相互交流の活性化をはかる。連絡会を作りたいという人に対して、連絡会のモデルや運営イメージなどの提供をする。既に存在している様々な学びの場をめぐってその様子をレポートしたりする。 1-2、話しの場研究会・・・本部に属し、どのような場であれば、個々人の尊厳は守られ、自由で抑圧のない相互を活性化する発表の場になるのかを当事者…
思わぬ流れから、ジャンル難民学会(私の探究・研究相談室)を一般社団法人化しないかという提案をいただきました。 最終的に一般社団法人化するかどうかはひとまずおいて、この機会に去年から半年間、こじんまりやってきた活動をもう展開させてみようと思っています。これまで考えてきたことを盛り込める機会でもあると思い、挑戦してみます。 盛り込みたいと思っているのは、四国八十八か所めぐりをモデルとした、メタコミュニティを派生させる仕組みです。 まず四国八十八か所めぐりというのは何かから説明すると、四国八十八か所めぐり(四国遍路)とは、四国に点在する八十八か所の弘法大師ゆかりの寺(札所)をめぐる巡礼です。 そこで…
大阪府高槻市富田町にあるカフェコモンズで「時間」のワークショップをさせていただきました。その際発表したレジメを転載します。 6/21 「時間」のワークショップ ◆はじめに 時間と「時間」 自分の時間が止まってしまったという感覚を持ったことがあるでしょうか。あるいは、逆に自分の時間が動きだしたという感覚があるでしょうか。自分の時間というとき、それは単に何もしなくていい時間のことではなく、自分のなかで必要な何かがおこっている時間のことをいうのではないでしょうか。自分の時間が動くというときの時間は、自分の外にあって数えられる量的な時間ではなく、自分の内に関わる質的な時間ではないでしょうか。 面白いこ…
人間の変化と回復について考えてきた。どうやって回復していけるのか。 しかし、一つ前の記事を書いてみて、自分が今知りたいのは回復のあり方ではなさそうだなという感じがしてきた。 実際にどう回復するか、どう変化しうるかよりも、自分は納得するということを求めていると思った。 回復を求めれば、回復していない状態を否定してしまう。そしてそのことにより余計な停滞がはいる。だから回復を直接に求めないというこれまで何度も書いてもきた。しかし、それでもやはりそれが結局は回復を目的としているのなら強迫性は自分に対し否定的に影響しているだろう。 自分は今、強迫的なものを打ち消す理解を求めている。だからどうやって回復す…
当事者兼研究者や当事者兼支援者のトークイベントへ。 変化していく身体に必要なのは海水と淡水がいり混じる汽水域のような場所ではないかと思う。完全に安全な場所は、同時にその人に弾みをつける何かもまた犠牲にしている。かといって戦場のようなこの社会そのままの塩分濃度に晒されるのは堪え難い。 空間はあっという間に、一方に均(なら)されやすく、染まりやすい。だから汽水域は、絶え間なく作り出される必要があるのだろうと思う。 自分の弱さ、あるいは被害性だけでなく加害性も語るとき、その人自身が変わっていき、同時にその語りを聞いている人たちの気持ちに何かのプロセスがおこる。プロセスとしての「時間」が動く。 糸川勉…
6/18 南区DIY研究室読書会発表原稿 奥野克己『ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと』第13章
奥野克己『ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと』 概要:ボルネオの狩猟採集民プナン(西プナン)はマレーシア・サラクワ州政府に属し、自動車などの近代的な道具に触れながらも、狩猟採集をベースとした自分たちの文化を維持していた。彼らの子どもは学校も行きたくなければ行かない。結婚はパートナーがいる状態をさすだけで、次々と別のパートナーに変わることも珍しくない。子どもは実子と養子が入り混じる場合が多い。プナンでは、ありがとうに該当する言葉はなく、また反省するという概念がない。 ◆今回の発表 第13章 倫理以前、最古の明敏・ニーチェの言葉から筆者は「最古の明敏」という言葉…
「この会話を通して、自分も刑務官も心理士もみんなが人間になった」 「責任」から応答へ
ジャンル難民学会発表会、先のイタリアの精神病院の解放や入管法の発表は吉本草蔵さんのものでした。 kurahate22.hatenablog.com 吉本さんの発表は、発表が終わっても日に日にしみこんでくる内容でした。イタリアや入管の話しに加えて、矢原隆行さんの書かれた文章から、リフレクティング・トークというかたちで刑務所内での話しが行われ、そこで受刑者が「この会話を通して、自分も刑務官も心理士もみんなが人間になった」という発言をしたことが紹介されていました。 www.ryukoku.ac.jp 「人間になる」ということはどういうことでしょうか。刑務官や心理士もまた、それまでは人間でなかったので…
第一回ジャンル難民学会発表会終わりました。7人の方の発表がありました。 フィールドワークをもとにした巨椋池についての発表、マルクスの価値形態論やお金についてのQ&A、対話とソーシャルネットワーク、路上ギャラリーの活動、ライブ当事者研究など様々なかたちでの発表でした。 ジャンル難民学会(私の探究・研究相談室)では、既存の制度や分野に必ずしもこだわらず、自分の関心のあることを探究して、そのプロセスをシェアしています。またその探究や研究と自分との関係も同じく重要視しています。 文化人類学や社会学などのフィールドワークにおいても、自分というバイアスがどのように入っているのかということについてはより意識…
ジャンル難民学会発表会の1日目が終わりました。 今は無くなった巨椋池のフィールドワークの発表、境毅さんの「お金」に関するQ&A、僕の人間の変化についての発表、そしてまた今日の午後の発表は、「対話とソーシャルネットワーク」や「揺らぎ」の発表があります。 昨日の自分の発表をしてあらためて思ったことは、自分が考えたことの全体像が自分で把握されていないなあということでした。個々のトピックでは考察したことが、全体像のなかで配置できていません。 たとえばこれまで10のトピックを考察してきたのに、そのうち5のことを配置して、残り5つをいれ忘れているといった具合です。 ちょっとでもまとめます。 書くときは、一…
川崎の事件への世間の反応を受けた奥田知志さんのフェイスブック投稿が700シェアになったとのこと。 https://m.facebook.com/story.php?story_fbid=2256821517730593&id=100002083010255 「迷惑をかけない」という一見道徳のようにもみえることが、実は単なる弱者切り捨てであって、弱者にまわった者には苛烈な攻撃がされるが、15兆円の年金を溶かした政府はさしたる断罪もされない。 強いものは何をしようが文句をつぶやかれる程度なのをみると、つまりこの「迷惑をかけない」は道徳のようにみえて保身術であり、処世術なのであることがわかる。 これ…
力の理屈 なぜ革新的なことや実践的なことが発見されても消えていくのか
いつも稽古に通わせてもらっている身体教育研究所の角南和宏さんが在野研究者の山本義隆さんの著書『磁力と重力の発見』について、ブログに書かれている。 dohokids.blogspot.com 磁力と重力の発見〈1〉古代・中世 作者: 山本義隆 出版社/メーカー: みすず書房 発売日: 2003/05/23 メディア: 単行本 購入: 4人 クリック: 67回 この商品を含むブログ (69件) を見る 『磁力と重力の発見』の引用部分。 明治前期に上級学校に進んだのはほとんどが士族の子弟で、明治期の技術者はその大半が士族出身者で占められていた。しかし徳川の時代に「士農工商」お身分制ヒエラルキーの最上…
バイオハザード6 エイダ・ウォンのドッペルゲンガー、カーラ・ラダメスを考察する
3ヶ月前ほどに記事を書いたけれど、まだバイオハザード6が気になっている。 エイダ・ウォンのドッペルゲンガーであるカーラ・ラダメスとは何だったのか。もうちょっと追っていたい。 www.youtube.com ドッペルゲンガーでない、オリジナルのエイダ・ウォンは、ルパン三世でいうならば、峰不二子的なポジションのキャラだ。他の主人公たちとかかわるが、自分の目的を持っていて、本作では主人公たちを助けることも多いが、利用もする。 不二子は悪巧みをしても敵にバレてルパンに助けてもらう的なパターンが多いけれど、エイダはむしろ他の主人公たちよりもおこっていることの全体を把握している。危機的な場面でもいつも状況…
6/1南区DIY読書会発表原稿 奥野克己『ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと』12章
◆概要 ボルネオの狩猟採集民プナン(西プナン)はマレーシア・サラクワ州政府に属し、自動車などの近代的な道具に触れながらも、狩猟採集をベースとした自分たちの文化を維持していた。彼らの子どもは学校も行きたくなければ行かない。結婚はパートナーがいる状態をさすだけで、次々と別のパートナーに変わることも珍しくない。子どもは実子と養子が入り混じる場合が多い。プナンでは、ありがとうに該当する言葉はなく、また反省するという概念がない。 ◆今回の発表第12章 ないことの火急なる不穏〜第13章のさわり ・同級生の男の子が性の意識を持ち、女の子に触りはじめたエピソードの紹介。(男性器)が「ない」ことへの態度。 デカ…
等持院の整体の稽古の帰りに寄ったリサイクルショップで売られていた林竹二本。 整体の稽古の帰りにリサイクルショップへ寄ると灰谷健二郎が亡くなった後の林竹二に向けて書いた本『林先生に伝えたいこと』があり、購入。表紙裏には七条サナトリウム病院長の印。林竹二の言葉の引用部分には赤線がひいてある。 pic.twitter.com/sUmenqwJSF — yoneda ryo (@turumura) May 23, 2019 pic.twitter.com 以前、『こどものてつがく ケアと幸せのための対話』のなかで書かれていた短い文章、「日本にも「子どもの哲学」はあった!林先生に伝えたいこと」を読んだけ…
『ノンちゃん雲に乗る』で、雲の世界は死者たちの世界として描かれていると思った。この世界で望んでいたことを実現する世界が雲の世界のようだった。 kurahate22.hatenablog.com そういえば、荒井由実の「ひこうき雲」も子どもの魂が空にのぼっていくという歌だったなと思いだした。ネットを検索してみると、小学校の同級生が筋ジストロフィーで、高校生の時、彼が亡くなったということ。 ひこうき雲 - 荒井由実(松任谷由実) ひこうき雲〜ユーミンの才能を世に知らしめるきっかけとなった“稀代の名曲”の誕生エピソード〜|TAP the DAY|TAP the POP 戦争で多くの人が死んだ。子ども…
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