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Fish On The Boat https://blog.goo.ne.jp/mask555

本や映画のレビューや、いろいろな考え事の切れ端を記事にしています。

本や映画のレビュー中心。「生きやすい世の中へ」をメインテーマとして、いろいろな考察、考え事を不定期記事しています。

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2014/07/08

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  • 『男、そのブログ愛』(自作小説)

    十二月の夜の外気が張り付いてきても、熱を帯びた頬は燃え盛り続けた。今日は散々な別れ方をした。だいたい史恵はきっちりしすぎだ。大学の講義やバイトの間の時間の使い方について、毎日おれの行動をあれこれ詮索するうえに、ちょっと連絡を忘れたくらいで、会った時には必ずむっすりふくれている。インスタント食の多かったおれの体を気遣って、炒め物なんかを作りに来てくれたり、自分の部屋で作った煮物なんかを持ってきてくれたり、史恵はほんとうにおれのことを考えてくれる人で感謝だってしてるし、会えば楽しいことは楽しいのだけど、最近、うっとうしいと思う瞬間も少々でてきた。二人の相性がぴったり合っていれば、付き合うための努力なんてそれほど要らないのかもしれない。もしくは、気が重くなるような種類の努力の要らないのが相性の良さというものなの...『男、そのブログ愛』(自作小説)

  • 『コンプレックス』

    読書。『コンプレックス』河合隼雄を読んだ。1971年発刊の名著。ユング派に属する心理療法者・河合隼雄さんによるコンプレックスに対する解説。はじめにはっきり申しますが、すごい本です。中身が濃く、圧倒されもするのですが、なかなかこれだけの本には巡り合うことはありません。読みだしこそ、「怖い」と思いました。「こうなったら異常!」というトラップ的なテストが張り巡らされているような気がしてです。でも、そんな低い次元での話ではなく、もっと底の方からえぐるように未知のもの(それは人間心理のこと)を考察したものを、こちらも同じ目線でくらいつき、かみ砕いて知るべく読み進めるような読書になりました。序盤ではこういった例が紹介されていました。父親がよく棒きれで自分を打ったこと、父親がわけもなく自分を打った後で、急に親切にするの...『コンプレックス』

  • 父性と母性から始まる思索。

    大人になれば、父性も母性も自分の中にあるようになる。言うことを聞くなら愛するという条件付きで愛する父性、無条件で愛する母性。どちらも丁度良くそこにあれば、人の成長を促し助けます。大人になっても母性を求めるなら幼少期に足りなかったのだろうし、父性を求めるならそれも足りなかったりいびつだったりしたのです。母性が足りなくても父性が足りなくても優劣はつけるものではないし、自らの中に母性・父性がちゃんとあってもマウント条件ではありません。必要であればなんとかしたらよいだけなのではないでしょうか。そこに優越や、優劣の差をつける見方は、社会構造や文化状況の影響で生まれるんだと思います。つまり、「ところ変われば品変わる」の言葉通りのようなもの。普遍的なものじゃないんです。生活していて、家族にしても外部からにしても、無条件...父性と母性から始まる思索。

  • 『さくら』

    読書。『さくら』西加奈子を読んだ。西加奈子さんの作品は直木賞受賞作の『サラバ!』の印象が強いのです。『さくら』とは順序が逆ですが、本作の作風はその『サラバ!』に近いと感じました。家族の物語なのもいっしょです。子ども時代だとか、まだ言語化がうまくないじゃないですか。その頃の空気感や感じたこと、そして出来事なんかは、たとえされても淡い言語化くらいで済んでしまって、それから日々を過ごしていくうちに記憶の果てへと少しずつ退場していくもの。本作品を読んでて思うのは、西加奈子さんという作家はそういった、言語化が淡いまま過ぎ去っていったあれこれを眼前によみがえらせながらその時期の感性を損なわない形で柔らかくなんだけどある程度しっかり再言語化して軟弱な意識の基盤みたいなものの強度をあげてくれるかのようだということ。自分自...『さくら』

  • 『入門 組織開発』

    読書。『入門組織開発』中村和彦を読んだ。組織には二つの側面がある。ハードな側面とソフトな側面がそれ。ハードな側面は部門・部署、制度・規律、職務内容と手順などの明文化されたもの。一方、ソフトな側面は、意識・モチベーション、コミュニケーション、信頼関係・影響関係など可視化されていない心理的側面。ハードな側面のほうはバブル崩壊後に大規模な変革が行われて今に至るそう。一方、ソフトな側面のほうは軽視している経営者が多いのではないか、とある。でも、このソフトな側面は重要なのです、というのが本書の出だしなのでした。組織開発とは、大きく、このハード面とソフト面を変革して、より合理的に利益を得ていけるようにすることと、働く人たちがより無駄なストレスなく活き活きと働くことができるようにすることを推し進めていくものです。組織開...『入門組織開発』

  • 『ソクラテスと朝食を 日常生活を哲学する』

    読書。『ソクラテスと朝食を日常生活を哲学する』ロバート・ロウランド・スミス鈴木晶訳を読んだ。朝起きて、身支度をして通勤し仕事をして昼食を食べてサボって……などという一日の起床から就寝までを18の章に分けて日常レベルの哲学をする本。その都度さまざまな学者を引用しますが、堅苦しさはありません。ちょっと難しいところはありますが、それでも平易な言葉遣いと分かりやすい論理で展開していくエッセイです。ただ今回は第2章の身支度の章でひっかかってしまうところがありました。朝、完璧に身支度しておく、また、前もってしておく、だとかは、自由度を下げるからよくない、と説いているのです。自由がないということは、悪くなる自由がないことでもあるけれども、良くなる自由もないということだから、と。でも、僕はおかしいと首を傾げたのです。朝の...『ソクラテスと朝食を日常生活を哲学する』

  • 憎まれる意味。

    自分が誰からも関心を持たれていない状態、つまり無関心にさらされた状態は、人間にとってそうとう危機的なものらしく、無関心にさらされていることを脳が察知すると被害妄想を作り上げるという話があります。そうまでして、無関心から逃れないといけないのです。(これは、イギリス在住のアメリカ人カウンセラーが書いたエッセイにでてきた話です)この、「無関心にさらされることは人にとってかなりヤバい状況」を踏まえながらなんですが、愛と憎しみは表裏一体なんてよく言われますよね、なぜかというと愛も憎しみもその人に深い関心を持つという点が一緒だからという理解の仕方がひとつあります。憎まれる人はどうしてそうなるのか。人にどうしても愛され得ないと感じた人が、自分の性格の中での「他者からの憎しみを買いやすいであろう部分」を強調していって、憎...憎まれる意味。

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