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  • 松丸契+山本達久@公園通りクラシックス

    渋谷の公園通りクラシックス(2021/4/24)。KeiMatsumaru松丸契(as,etc.)TatsuhisaYamamoto山本達久(ds,etc.)松丸ソロ。これまで氏が行ってきた独奏シリーズの一環と言うこともできる。サックスの管の響きそのものに焦点を当てた鳴らし方(音がオーバルのように広がっていく)から、フレーズのさまざまな展開を経て、ドラムセットに向かって吹き楽器を共鳴させた。同様にピアノを共鳴させたことがあって、それは音色が異質であるとともに響きを制御できるペダルがあったからこそのサウンドだった。今回はバスドラの共鳴がドローンのような効果をあげていた。やがて山本さんがエフェクト音を付加し始めると、松丸さんは会場全体での響きとの共演とばかりに壁のほうに歩いていった。山本ソロ。いくつものシンバルの擦...松丸契+山本達久@公園通りクラシックス

  • モンドリアン展@SOMPO美術館

    コロナ禍でSOMPO美術館もお休みに入ってしまうと気づき、あわてて「モンドリアン展」を観てきた。やっぱり眼が悦ぶ。あらためて認識したことは、代表的なコンポジションの作品群がたんに構成主義的なものではなくトポロジー的でもあったこと。それは分割要素から成るものではない(だから生活美を追求したオランダのデ・ステイル運動から離脱した)。またモンドリアンは静的とみなされるのを嫌った。1937年の「線と色のコンポジション:III」に二重線が導入されているのは、ジャズからインスパイアされて動的な性格を持たせようとしたためだという。テオドール・アドルノがジャズについて「演奏(interpretation)の一マニール」と否定的に書いたのが1936年(『プリズメン』、1955年)。その後ビバップが登場し、アドルノのジャズ論は無理...モンドリアン展@SOMPO美術館

  • 神田綾子+真木大彰@Permian

    不動前のPermian(2021/4/23)。AyakoKanda神田綾子(voice)HiroakiMaki真木大彰(turntable)真木ソロ。ターンテーブルに弦を接触させ、そこでの摩擦や衝突から得られる音をピックアップし、増幅する。弦とターンテーブルとの関係も増幅のあり方も操作される一方、ターンテーブルはループであるから、この音が長い紐のようなグルーヴを作り出している(ああ、グルーヴは溝でもあるのか)。これに加えてもうひとつの小さいターンテーブルが並行して機能し、サウンドは複数の声と化す。神田ソロ。先のターンテーブルからのつながりもあったか、ささやく声を長く連なる紐として、さらに別人格が加わっていく。ひとりからふたりへ、そして数えられない複数へ。この重なりが劇場的でもあり、解読不可能な言語をもって事件を...神田綾子+真木大彰@Permian

  • 澁澤龍彦『旅のモザイク』

    さほど熱心な澁澤龍彦の読者でもなかったのだけれど、1970年代に書かれた旅日記『旅のモザイク』(人文書院、1976年)を気分転換に読んだらちょっと感心して笑ってしまった。阿蘇山の噴火を見て、澁澤は「火山とエロティシズム」の関係に憑りつかれたようになる。噴火を眺めて興奮し火口で狂態の限りを尽くすサド侯爵の『悪徳の栄え』からはじまり、ゲーテが『イタリア紀行』において火山から死に誘惑されたこと、古代ローマの博物学者プリニウスが火山の噴火時にその場から動かず死んだこと。白昼夢のような想像から醒めて、澁澤が足を運んだのはストリップ劇場だった(なぜ火山かは省略する)。あるいは竜飛岬のつららを見て、J・G・バラードのSF『結晶世界』を思い出したりもしている。こういう人は碩学とか衒学的とかいうよりブッキッシュといったほうがいい...澁澤龍彦『旅のモザイク』

  • 林栄一+武田理沙@公園通りクラシックス

    渋谷の公園通りクラシックス(2021/4/22)。EiichiHayashi林栄一(as)RisaTakeda武田理沙(ds,p,key)はしゃぎ小宇宙の武田理沙と60億分の1・林栄一。組み合わせの妙か。その期待は開始直後からのスタートダッシュでいきなり叶えられた。ひたすら愉しそうにドラムスを叩く武田さんに、音波の先っぽが大理石のように固い林さんのブロウが衝突する。武田さんは叩きながらぐるっと回って場所を変え、すぐにキーボードとピアノに移行、これをはしゃぎと言わずして何と言おう。セカンドセットではアルトのフレーズに沿うようなピアノも聴くことができた。ちょっと意識が火星に飛んだ。FujiX-E2、7Artisans12mmF2.8、XF60mmF2.4●林栄一Fado-mo-two@inF(2020年)「飴玉☆爆...林栄一+武田理沙@公園通りクラシックス

  • 森下周央彌+竹下勇馬+増渕顕史@Ftarri

    水道橋のFtarri(2021/4/19)。SuomiMorishita森下周央彌(g,etc)YumaTakeshita竹下勇馬(MechanizedInstruments)TakashiMasubuchi増渕顕史(g)役割はそれぞれ演奏者自身により固定されているようでもあり、互いに呼応してそれを交換しあうようでもある。増渕さんのギターはとくに単音の選定と立ち上がりに焦点が当てられているようなのだが、それを取り巻く大気の領域に立っていた森下さんとその役割を交換する時間もあった。竹下さんはベースを使わず自作楽器のみ。それらとの間合いは、機械の自律性にまかせるあり方、手を添えてどこかに走らせるようなあり方の両面。半自律性のおもしろさという点では、セカンドセットで参加してきた森下さんの玩具的な機械にもあった。文字通...森下周央彌+竹下勇馬+増渕顕史@Ftarri

  • 豊住芳三郎+照内央晴+吉田つぶら@山猫軒

    埼玉県越生町の山猫軒(2021/4/17)。SabuToyozumi豊住芳三郎(ds,二胡)HisaharuTeruuchi照内央晴(p)TsuburaYoshida吉田つぶら(tap)豊住さんへのインタビュー第二弾のあと、演者のお三方は準備をする。照内さんのクラシックピアノ、豊住さんの入念極まりないセッティング(バスドラは向きを変えたそうだ)、吉田さんのリラックスしたステップ。はじめは豊住+照内デュオ。あらためて豊住さんの音の強烈さと鋭さに驚いてしまう。ふたりは曲的に音を強化してゆく。静寂を活かしたピアノの響きは執拗にもなり、また前方に吹き飛んだマレットを取りにきた豊住さんはそのまま遊びに入る。だが豊住さんはまたドライヴをはじめ、ハガキや手による擦りがブラシのような効果をもって迫る。ここでトリオとなり激化。そ...豊住芳三郎+照内央晴+吉田つぶら@山猫軒

  • 有本羅人+類家心平+細井徳太郎+池澤龍作+レオナ@神保町試聴室

    神保町試聴室(2021/4/16)。RabitoArimoto有本羅人(tp,bcl)ShinpeiRuike類家心平(tp)TokutaroHosoi細井徳太郎(g)RyusakuIkezawa池澤龍作(ds)Reonaレオナ(tap)関西から有本羅人さんが来るにあたり、レオナさんはトリオにしようと何人かの顔を思い浮かべたが、結果として全部盛りになったらしい。それにしてもふたりのトランペットの対比がおもしろい。類家さんは水蒸気を通じて周囲とつながっている。有本さんはクリアに切れており、バスクラ表現とスムーズにつながる。したがってふたりが音により張り合うこともない。相乗効果という点ではむしろタップとバスドラ。だが手練れの者たちゆえ、音風景はコレクティヴに変わってゆく。打楽器ふたりも擦れから強い叩きまで大きなうね...有本羅人+類家心平+細井徳太郎+池澤龍作+レオナ@神保町試聴室

  • 徳永将豪+遠藤ふみ@Ftarri(その2)

    水道橋のFtarri(2021/4/11)。MasahideTokunaga徳永将豪(as)FumiEndo遠藤ふみ(p)およそひと月前の初共演に続く2回目のデュオ。その間に方法論を検討し、互いに曲を持ち寄ったようで、ファーストセットは徳永さん、セカンドセットは遠藤さんの指示(=曲)によるものとなった。演奏後にそれらを見せていただいたのだが、そこには主に音の出し方の制約(音数、長さ、響きや減衰の方向性)が書かれていた。結果としてのサウンドは(こちらを先に書くべきだが)、演奏者の、というよりサウンド自体の呼吸のありようや、場の響きのありように意識を連れていかされるものだった。響きとは時間そのものであることが強く伝わってきた。それゆえに、演奏者の互いの時間差や、音を発してから楽器や場のフィードバックが得られるまでの...徳永将豪+遠藤ふみ@Ftarri(その2)

  • キム・ミレ『狼をさがして』

    イメージフォーラムに足を運び、キム・ミレ『狼をさがして』(2020年)を観る。1970年代前半に東アジア反日武装戦線が起こしたテロ事件、そしてその後のメンバーたちの状況。批判的な視線がないという見方もあるかもしれない。だが、いまなおかれらについて語ることが半ばタブー視されるいま、視えないものを敢えて視ようとする姿勢の中に、松田政男のいう風景論につながるものを感じる。足立正生『略称・連続射殺魔』(1975年)がそうだったように。●参照若松孝二『実録・連合赤軍あさま山荘への道程』『狂気の正体連合赤軍兵士41年目の証言』太田昌国の世界「60年安保闘争後の沖縄とヤマト」『田原総一朗の遺言2012』(『永田洋子その愛その革命その・・・』)渚ようこ『あなたにあげる歌謡曲』、若松孝二『天使の恍惚』オリヴィエ・アサイヤス『カル...キム・ミレ『狼をさがして』

  • うたをさがして オペリータ2021@タワーホール船堀

    タワーホール船堀(2021/4/3)。詳細はまた追って。JunkoSatoさとうじゅんこ(うた)RutsukoKumasaka熊坂路得子(accordion)FujiX-E2、XF35mmF1.4、XF60mmF2.4●さとうじゅんこうたをさがして@ギャラリー悠玄(2015年)『うたをさがしてliveatPolePoleza』(2011年)●熊坂路得子るつこべちこ(磯部舞子+熊坂路得子)@TheFarmTokyo(2019年)寺田町+熊坂路得子@下北沢LadyJane(2019年)ジャン・サスポータス+矢萩竜太郎+熊坂路得子@いずるば(齋藤徹さんの不在の在)(2019年)酒井俊+会田桃子+熊坂路得子@SweetRain(2018年)うたものシスターズwithダンディーズ『Liveat音や金時』(2017年)TU...うたをさがしてオペリータ2021@タワーホール船堀

  • 高橋悠治+ロジャー・ターナー『Live at Aoshima Hall』(JazzTokyo)

    高橋悠治+ロジャー・ターナー『LiveatAoshimaHall』(Ima-szok、2019年)。>>#2076『YujiTakahashi+RogerTurner/LiveatAoshimaHall』『高橋悠治+ロジャー・ターナー/LiveatAoshimaHall』–JazzTokyoYujiTakahashi高橋悠治(p)RogerTurner(ds,perc)●高橋悠治U9(高橋悠治+内橋和久)@新宿ピットイン(2017年)エヴァン・パーカー+高橋悠治@ホール・エッグファーム(2016年)ジョン・ブッチャー+高橋悠治@ホール・エッグファーム(2015年)姜泰煥・高橋悠治・田中泯(2008年)姜泰煥・高橋悠治・田中泯(2)(2008年)『富樫雅彦スティーヴ・レイシー高橋悠治』(2000年)富樫雅彦+三宅...高橋悠治+ロジャー・ターナー『LiveatAoshimaHall』(JazzTokyo)

  • クリス・ヴィーゼンダンガー+かみむら泰一『山の猫は水脈をたどる』(JazzTokyo)

    クリス・ヴィーゼンダンガー+かみむら泰一『山の猫は水脈をたどる』(WildCatHouse、2019年)。>>#2070『クリス・ヴィーゼンダンガー+かみむら泰一/山の猫は水脈をたどる』–JazzTokyoTaiichiKamimuraかみむら泰一(ts,ss)ChrisWiesendanger(p)●クリス・ヴィーゼンダンガークリス・ヴィーゼンダンガー+かみむら泰一+落合康介+則武諒@中野SweetRain(2019年)クリス・ヴィーゼンダンガー『acousticsolopianoworks』の2枚(2007、11年)クリス・ヴィーゼンダンガー+クリスチャン・ヴェーバー+ディーター・ウルリッヒ『WeConcentrate.』(2004年)●かみむら泰一『ツ・ナ・ゲ・ル・ヒ・ト』@千歳烏山TUBO(2020年)...クリス・ヴィーゼンダンガー+かみむら泰一『山の猫は水脈をたどる』(JazzTokyo)

  • 纐纈雅代+神田綾子@六本木Electrik神社(JazzTokyo)

    六本木のElectrik神社(2021/3/27)。MasayoKoketsu纐纈雅代(altosax,electronics,percussion)AyakoKanda神田綾子(voice,vocal)>>#1162纐纈雅代+神田綾子–JazzTokyoFujiX-E2、Pentax-M35mmf2.0●纐纈雅代山本達久+纐纈雅代@なってるハウス(JazzTokyo)(2021年)神田綾子+纐纈雅代@下北沢NoRoomforSquares(2021年)沖縄電子少女彩+非常階段+纐纈雅代@小岩オルフェウス(2020年)纐纈雅代+佐藤允彦+豊住芳三郎@新宿ピットイン(2020年)酒井俊+纐纈雅代+永武幹子@本八幡cooljojo(2020年)纐纈雅代+松丸契+落合康介+林頼我@荻窪ベルベットサン(2019年)秘湯...纐纈雅代+神田綾子@六本木Electrik神社(JazzTokyo)

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