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  • 中村正義展@平塚市美術館

    平塚市美術館で中村正義展。どの絵からも紛れもない天才だということが伝わってくる。映画『父をめぐる旅』も久しぶりに観た(恵比寿の映画館で観たときは共同監督のひとりが近藤真左典さんだと知らなかった)。権力への反逆や映画・雑誌とのコラボレーションなど才能のゆえにそうならざるを得なかったのかなという印象もあった。期用だと言うとちょっとネガティブになるけれど。男女がむつみあっている《太郎と花子》が1960年、その後の大傑作《男と女》が1963年。大島渚の『青春残酷物語』(1960年)も想起させる作品だけど、正義は意識していたのかな。●中村正義武重邦夫・近藤正典『父をめぐる旅異才の日本画家・中村正義の生涯』(2012年)中村正義展@平塚市美術館

  • EDFトリオ+類家心平@なってるハウス

    入谷のなってるハウス(2025/5/2)。ThomasFlorin(p)JohnDikeman(ts)NicolasField(ds)ShinpeiRuike類家心平(tp)ジョン・ダイクマンのテナーは相変わらずの農道爆走波動砲。特筆すべきは身体を大きく動かし上下左右から音を放つことであり、アルバムから伝わってくる音の背後にはそれがある。類家さんのエモーショナルな音はどこを切っても血が滴るようだ。ニコラス・フィールドはことさらに強く叩くドラミングでないのにフロントの音と拮抗する不思議。そしてトマス・フローリンのピアノはやはり爆音と伍するために音量の上下のコントロールで攻めるのかと思ったら、ふと皆が息を継いだときに光線を投げかけるという知的なアプローチ。こういう凄いどフリーは元気になるね。FujiX-E2,...EDFトリオ+類家心平@なってるハウス

  • MICHIYO YAGI TALON Hyper Koto Ensemble Vol. 5@公園通りクラシックス

    渋谷の公園通りクラシックス(2025/4/29)。MichiyoYagi八木美知依(エレクトリック二十一絃箏,エレクトロニクス,歌)MakiIsogai磯貝真紀(箏,エレクトリック十七絃箏,二十一絃箏,歌)HirokoTakahashi高橋弘子(エレクトリック十七絃箏,エレクトリック十八絃箏,歌)EdenOkuno奥野楽(箏、エレクトリック十七絃箏、歌)箏が4面にエフェクター、体感する前には想像が難しかったのだけれど、脳のシナプスがあらたにいくつも作られて思いもよらない音風景が見えてくる感覚でとても刺激的。十七絃が低音側に音領域をいきなり拡張し、二十一絃が全方位的に泳ぐ。それにより通常の箏の気持ちよさが増す。音価は柔軟に伸縮し、音の要素がノイズのフラグメントに至るまで可視化されたのも新鮮だった。FujiX...MICHIYOYAGITALONHyperKotoEnsembleVol.5@公園通りクラシックス

  • スタッフォード・ハンター+小濱明人+今西紅雪+岡野 勇仁@四谷三丁目CON TON TON VIVO

    四谷三丁目のCONTONTONVIVO(2025/4/27、マチネ)。StaffordHunter(tb,法螺貝)AkihitoObama小濱明人(尺八)KohsetsuImanishi今西紅雪(箏)EugeneOkano岡野勇仁(p)ちょうど10年前にNYのSMOKEで観て以来のスタッフォード・ハンター氏。そのときオリン・エヴァンスのCaptainBlackBigBandで吹いていた。それを氏に言うと、昨日の早大ハイソサエティ・オーケストラとの共演でもキャプテンブラックの曲を演ったんだ、と。したがって実力は折り紙付きだけれど、ここまで技術と音楽の幅広さをみせてくれるとは驚きだった。なんと法螺貝の2本同時吹きまで平然と行ってみせる。日本の音楽にも詳しく、<東京音頭>を提案したのはハンターさんだとのこと。メ...スタッフォード・ハンター+小濱明人+今西紅雪+岡野勇仁@四谷三丁目CONTONTONVIVO

  • Akimuse+ヨアヒム・バーデンホルスト@南青山マンダラ、安田芙充央+ヨアヒム・バーデンホルスト@横濱エアジン

    南青山マンダラ(2025/4/24)、横濱エアジン(2025/4/25)。JoachimBadenhorst(cl,bcl)Akimuse(vo,p)FumioYasuda安田芙充央(p)二夜続けてヨアヒム・バーデンホルストのデュオ。Akimuseさんは自身が描いた絵や衣装がそうであるように花弁を撒いたようにいろどりあざやかなうたの世界、ときにヨアヒムの周辺を蝶としてひらひらと舞う。藤井風<満ちてゆく>でのヨアヒムのクラは外に開かれたありようで響き、またマウスピースなしで和趣味にも近づく。思索的にピアノ世界を深掘りする安田芙充央さんとのデュオでは、ヨアヒムは<OvertheRainbow>で倍音をフィーチャーして驚くほどの空気感を、また安田さん、ミシャ・アルペリン、エリック・サティ、ミシャ・メンゲルベルク...Akimuse+ヨアヒム・バーデンホルスト@南青山マンダラ、安田芙充央+ヨアヒム・バーデンホルスト@横濱エアジン

  • ネーネーズ@小岩こだま

    小岩のこだま(2025/4/22)。もう6代目みたい。初代の古謝美佐子さんや吉田康子さんを観たことはあってもネーネーズははじめて。加入したばかりの内里美音さんは高校3年生。知名定男の<キジムナー・ブルース>から<黄金の花>まで、すごく楽しかった。FujiX-E2,XF60mmF2.4ネーネーズ@小岩こだま

  • [e:ga'l] with 飛田雅弘、宮坂遼太郎、荒川堅志郎@千駄木Bar Isshee

    千駄木のBarIsshee(2025/4/21)。[e:ga'l]FabianNeubauer(electronics,misc.)BastianBuddenbrock(performanceart)MasahiroTobita飛田雅弘(g)RyotaroMiyasaka宮坂遼太郎(perc)KenshiroArakawa荒川堅志郎(b)ほぼ未知のままファビアンさんに誘われて足を運んだのだけれど、予想を超えるおもしろさがあった。バスティアン・ブッデンブロークによる皮膚や粘膜やマテリアルの表面の感触を増幅した音(朗読もまたヴォイスの肌触り)、それに対してまた別の我が道の4人。宮坂さんの身体表現と化したパーカッション演奏はじつに独特。FujiX-E4,7Artisans12mmF2.8,XF60mmF2.4●...[e:ga'l]with飛田雅弘、宮坂遼太郎、荒川堅志郎@千駄木BarIsshee

  • ケニー・バロン@コットンクラブ

    丸の内のCottonClub(2025/4/20)。KennyBarron(p)KiyoshiKitagawa北川潔(b)JohnathanBlake(ds)冒頭のオリジナル<Lullaby>では少し音数が少ないかなと思っていたけれど、次第にエンジンがかかってきたのかケニー・バロン絶好調。カエターノ・ヴェローゾの<AqueleFrevoAxe>でも、バド・パウエルにささげた曲でも、最後に「あと2分ある」とソロで弾いたアブドゥーラ・イブラヒムにささげた曲でも、その和音やフレージングがケニー・バロン印。ジョナサン・ブレイクのブラシや小技は大きなポテンシャルがあるがゆえに懐が深くすばらしいものだった。●ケニー・バロンエディ・ヘンダーソン『BeCool』(2017年)リー・コニッツ『Frescalalto』(20...ケニー・バロン@コットンクラブ

  • 「タピオ・ヴィルカラ 世界の果て」@東京ステーションギャラリー

    東京ステーションギャラリーにて「タピオ・ヴィルカラ世界の果て」展。タピオ・ヴィルカラは20世紀のフィンランドの人。合板やガラスの加工で職人と協力しながら創造活動を行ってきた。イッタラからの製品がすばらしくて欲しい。もちろん真似できないけれどDIY精神には刺激される。「タピオ・ヴィルカラ世界の果て」@東京ステーションギャラリー

  • 「言葉燃ゆ 俳句を朗読する 余韻に音楽」@不忍通りふれあい館

    根津の不忍通りふれあい館(2025/4/19)。BakuYumemakura夢枕獏(朗読)MakiNakano仲野麻紀(as)NaotoYamagishi山㟁直人(perc)ヒトもカミも容赦なく残酷で生の欲望をたぎらせる世界。これが縄文でもあり夢枕獏のイマジナリーな世界でもある。これが朗読となると語りに人格がまとわりつきおもしろい。着地点を見出すはずの物語作家が俳句という宙ぶらりんの形式を好むのもまたおもしろい。手癖や佇まいを通じて、パーカッションにもサックスにもやはり人格がまとわりつく。即興音楽が語りなのかということは興味深い問いだろうけれど、答えはないほうがよい。FujiX-E2,XF35mmF1.4,XF60mmF2.4●仲野麻紀インプロヴァイザーの立脚地vol.27仲野麻紀(JazzTokyo)(...「言葉燃ゆ俳句を朗読する余韻に音楽」@不忍通りふれあい館

  • アルメン・ナルバンディアン+石橋英子+山本達久@公園通りクラシックス

    渋谷の公園通りクラシックス(2025/4/15)。ArmenNalbandian(p)EikoIshibashi石橋英子(p,fl,electronics)TatsuhisaYamamoto山本達久(ds)石橋英子さんによる音の重ね合わせはポリフォニーたりえており、さまざまな声が現れては眼前の世界との差異を感じさせる。ピアノには美学があり、異なるレイヤーにおいてその存在を知らしめている。そして山本達久さんのドラムスにもまたつねに差異がある。そこにはある程度の段階から自由落下にまかせるような凄みがあって、思い出したのは古武術を学んで復活したときの桑田真澄、あるいはパワーテニスのマリア・シャラポワを手玉に取ったマルチナ・ヒンギス。FujiX-E2,7Artisans12mmF2.8,XF60mmF2.4●アル...アルメン・ナルバンディアン+石橋英子+山本達久@公園通りクラシックス

  • 大田麻佐子、細川麻実子、マティアス・リンダーマイヤー、山㟁直人@山猫軒

    越生町の山猫軒(2025/4/13)。MasakoOhta大田麻佐子(P)MatthiasLindermayr(tp)MamikoHosokawa細川麻実子(からだ)NaotoYamagishi山㟁直人(perc)雨音と湿気に包まれたステージが心地いい山猫軒。大田麻佐子さんは前日のピアノソロリサイタルとはまったく異なるアプローチの即興で、驚くほど繊細なトランペット、打楽器とともに大波も小波も作り出していて飽きることがない。細川さんの踊りは音や気の流れを形にするだけでなく、自らさまざまな擾乱を起こした。マティアスさんのそれに対する呼応もまたすばらしかった。FujiX-E2,7Artisans12mmF2.8,XF60mmF2.4●大田麻佐子大田麻佐子ピアノソロコンサート@ゲーテ・インスティテュート東京(20...大田麻佐子、細川麻実子、マティアス・リンダーマイヤー、山㟁直人@山猫軒

  • 今西紅雪+細井徳太郎@千駄木bar isshee

    千駄木のbarisshee(2025/4/8)。KohsetsuImanishi今西紅雪(箏)TokutaroHosoi細井徳太郎(g)細井さんのサウンドがさまざまな効果の足し算からひとつながりの語りへと進化しているようでおもしろい。箏の小さな驚きの数々はボウイングを介してシームレスにふたりの語りにつながり、ずっと耳を傾けていることができる。FujiX-E2,7Artisans12mmF2.8●今西紅雪今西紅雪+蒼波花音+河崎純@神保町月花舎(2025年)インプロヴァイザーの立脚地vol.26今西紅雪(JazzTokyo)(2024年)ヨルダン・コストフの2023年冬のツアー(2023年)山内桂+今西紅雪@不動前Permian(2023年)「響む其の六」@東北沢OTOOTO(2023年)ブライアン・アレン...今西紅雪+細井徳太郎@千駄木barisshee

  • 今西紅雪+蒼波花音+河崎純@神保町月花舎

    神保町の月花舎(2025/4/7)。KohsetsuImanishi今西紅雪(箏)KanonAonami蒼波花音(as)JunKawasaki河崎純(b)同じ周波数や速度の音を出していても楽器の重さや慣性がちがうのだから響きようも残りようもちがう。箏とコントラバスが跳ね、伸びるときの重なりにはそのたびに発見があった。そこにサックスが水彩画のように色を置いていく。FujiX-E2,7Artisans12mmF2.8,XF60mmF2.4●今西紅雪インプロヴァイザーの立脚地vol.26今西紅雪(JazzTokyo)(2024年)ヨルダン・コストフの2023年冬のツアー(2023年)山内桂+今西紅雪@不動前Permian(2023年)「響む其の六」@東北沢OTOOTO(2023年)ブライアン・アレン+田中悠美子...今西紅雪+蒼波花音+河崎純@神保町月花舎

  • 島尾伸三 『小高へ 父 島尾敏雄への旅』『小岩へ 父 敏雄と母 ミホを探して』

    島尾伸三の『小高へ父島尾敏雄への旅』と『小岩へ父敏雄と母ミホを探して』の2冊。どっちつかずの宙ぶらりんな感覚がこの人の写真と文章の魅力でもあるけれど、どうも憂鬱と後悔がこちらにも乗り移ってくるようで。自分のみえっぱりを見透かされているようで。仲里効『沖縄戦後世代の精神史』梯久美子『狂うひと―「死の棘」の妻・島尾ミホ』島尾ミホ・石牟礼道子『ヤポネシアの海辺から』(2003年)アレクサンドル・ソクーロフ『ドルチェ優しく』(2000年)島尾ミホ『海辺の生と死』(1974年)島尾ミホさんの「アンマー」(『東北と奄美の昔ばなし』、1973年)岡本恵徳『「ヤポネシア論」の輪郭島尾敏雄のまなざし』(1990年)島尾敏雄対談集『ヤポネシア考』憧憬と妄想(1977年)島尾伸三『小高へ父島尾敏雄への旅』『小岩へ父敏雄と母ミホを探して』

  • フランソワ・キャリエ & サムライ『Live at Bitches Brew』(JazzTokyo)

    #2375『フランソワ・キャリエ&サムライ/LiveatBitchesBrew』これらの演奏はビッチェズ・ブリューで繰り広げられた。大由が普通のプレイヤーとは異なるスタンスで演奏に臨み、香村…JazzTokyoフランソワ・キャリエ&サムライ『LiveatBitchesBrew』(JazzTokyo)

  • インプロヴァイザーの立脚地 vol.30 山㟁直人(JazzTokyo)

    インプロヴァイザーの立脚地vol.30山㟁直人山㟁直人は「叩く」ことの少ない稀有な個性をもった打楽器奏者である。国籍もあまり関係なさそうにみえる。この独自の…JazzTokyo●山㟁直人山田衛子+山㟁直人+秋山徹次@水道橋Ftarri(2024年)山田光+大藏雅彦+山㟁直人+遠藤ふみ+柳沢耕吉@水道橋Ftarri(2024年)矢部優子+山㟁直人+広瀬淳二@アトリエ第Q藝術(2023年)「響む其の六」@東北沢OTOOTO(2023年)quintet@不動前Permian(2023年)Ensemble響む@入間市文化創造アトリエ・アミーゴホール(2023年)やみのうつつvol.1@神保町試聴室(2022年)山㟁直人+石川高+アンドレ・ヴァン・レンズバーグ『翠靄(Suiai)』(JazzTokyo)(-2022...インプロヴァイザーの立脚地vol.30山㟁直人(JazzTokyo)

  • 藤井一至『土と生命の46億年史』

    藤井一至『土と生命の46億年史』(講談社ブルーバックス)がおもしろい。土はそう簡単には作れないし驚くほど複雑。多様性は腸内環境とはけた違い(文字通り、細菌数や多様性でカウントすると)。スタニスワフ・レムは巨大な知性としてのソラリスの海を想像したけれど、土もまた知性。藤井一至『土と生命の46億年史』

  • しゅうみかちほ@公園通りクラシックス

    渋谷の公園通りクラシックス(2025/4/3)。AkemiShoomyTaku宅Shoomy朱美(p,word,vo)MikaFujinoki藤ノ木みか(per)ChihoMinami南ちほ(bandoneón)シューミーさんの音は部屋の中で想像したものが外に開かれているようでもあって、いつも不思議。横のふたりの音も別の部屋からそれぞれの歌を響かせて、壁越しに会話してほくそ笑んでいるよう。FujiX-E2,7Artisans12mmF2.8,RolleiSonnar85mmF2.8(M42)●宅Shoomy朱美TributeforZekatsuma@なってるハウス(2025年)エレクトリック渦@阿佐ヶ谷YellowVision(2021年)宅Shoomy朱美+松風鉱一+藤ノ木みか@なってるハウス(2020...しゅうみかちほ@公園通りクラシックス

  • ギレーヌ・コスロン+喜多直毅+香村かをり@千駄木Bar Isshee

    千駄木のBarIsshee(2025/4/2)。GuylaineCosseron(vo)NaokiKita喜多直毅(vln)KaoriKomura香村かをり(Koreanpercussions)だれもが異物でありながら互いに憑依し合い、離れては近づく。そこには追随も主導もなかった。終盤はさながら儀式、その依拠するものは音。すばらしかった。FujiX-E2,7Artisans12mmF2.8,RolleiSonnar85mmF2.8(M42)●ギレーヌ・コスロン香村かをり+ギレーヌ・コスロン+マーク・カーヴィン@代々木上原hakogallery(2025年)●喜多直毅喜多直毅+神田綾子@松本弦楽器(2024年)喜多直毅タンゴ四重奏団@雑司ヶ谷エル・チョクロ(2023年)『私達が失ったものWhatwehave...ギレーヌ・コスロン+喜多直毅+香村かをり@千駄木BarIsshee

  • さがゆき+八木のぶお@成城学園前Cafe Beulmans

    成城学園前のCafeBeulmans(2025/3/29)。YukiSagaさがゆき(vo,g)NobuoYagi八木のぶお(harp)オリジナルや馴染みの曲。さがさんのギターも八木さんのハープもナチュラルに話すようで気持ちがいい。FujiX-E2,7Artisans12mmF2.8,RolleiSonnar85mmF2.8(M42)●さがゆき藤山裕子+さがゆき+田中悠美子+山田邦喜@なってるハウス(2020年)さがゆき+高田ひろ子@本八幡cooljojo(2020年)さがゆき+登敬三@日暮里Porto(2020年)Fado-mo-two@inF(2020年)さがゆき+高田ひろ子@中野SweetRain(2019年)広瀬淳二+さがゆき@なってるハウス(2019年)さがゆき+高田ひろ子@川崎ぴあにしも(20...さがゆき+八木のぶお@成城学園前CafeBeulmans

  • ルーク・シュミッツ+神田綾子+アキオ・ジェイムス@渋谷bar subterraneans

    渋谷のbarsubterraneans(2025/3/25)。LukeSchmitz(g)AyakoKanda神田綾子(voice)AkioJeimusアキオ・ジェイムス(ds)表層的な戯れから深奥への突入の速度も強度も容赦ない。音塊が目の前を飛び交う。ゆるやかな関係性のうえに成り立っていながら馴れ合い皆無の音楽。FujiX-E2,7Artisans12mmF2.8,RolleiSonnar85mmF2.8(M42)●神田綾子フランシス・デイヴィス・ジャズ批評家投票2024神田綾子+アキオ・ジェイムス@千駄木barisshee(2025年)神田綾子+潮田雄一+内田静男@千駄木barisshee(2024年)喜多直毅+神田綾子@松本弦楽器(2024年)木村由+神田綾子@国分寺ArtxJazzM's(2024...ルーク・シュミッツ+神田綾子+アキオ・ジェイムス@渋谷barsubterraneans

  • 関谷友加里+野津昌太郎@中野Sweet Rain

    中野のSweetRain(2025/3/31)。YukariSekiya関谷友加里(p)ShotaroNozu野津昌太郎(g,vo)たえずかたちを変える渓流のようなピアノとギター。オリジナルも不思議な曲想で気持ちのよいものだったし、アッコちゃんのあの曲にはびっくり。FujiX-E2,7Artisans12mmF2.8,RolleiSonnar85mmF2.8●関谷友加里うむうむ。@横濱エアジン(2024年)●野津昌太郎石当あゆみ2025年1月のミニツアー(JazzTokyo)(2025年)る゛る゛る゛@神保町試聴室(2024年)野津昌太郎+北川秀生+定岡弘将@池袋FlatFive(2024年)YutakaTakahashi+野津昌太郎@千駄木barisshee(2024年)野津昌太郎+北川秀生+定岡弘将@...関谷友加里+野津昌太郎@中野SweetRain

  • ステファン・ウィンター(Jaz.in)

    ステファン・ウィンターさん来日の機にいろいろお話を聞きました。名レーベルJMTとWinter&Winterを立ち上げた人です。ついこちらからもユリ・ケインのワーグナー集が好き好き発言をしてしまい。『Jaz.in』最新号に掲載されています。ステファン・ウィンター(Jaz.in)

  • 渋さ知らズオーケストラ『桜座 渋さ門』(Jaz.in)

    渋さ知らズオーケストラの『桜座渋さ門』について不破大輔さんにお話を聞きました。やっぱり凄音がどどどどどと攻めてきます。『Jaz.in』最新号、ぜひご一読ください。●不破大輔渋さ知らズfuwaworks@入谷なってるハウス(2025年)『渋さ知らズ』(ミュージック・マガジン)(2024年)渋さ知らズfuwaworks@入谷なってるハウス(2024年)渋さ知らズ@なってるハウス(2023年)渋さチビズ@なってるハウス(2023年)川口義之+不破大輔+山口コーイチ+岡村太+高橋保行@なってるハウス(2022年)石渡岬+不破大輔@千駄木BarIsshee(2022年)不破ワークス@なってるハウス(2020年)加藤崇之+不破大輔+藤掛正隆+元晴@荻窪ルースターノースサイド(2019年)渋大祭@川崎市東扇島東公園(2...渋さ知らズオーケストラ『桜座渋さ門』(Jaz.in)

  • 大宮浩一『そして、アイヌ』

    ポレポレ東中野で『そして、アイヌ』(大宮浩一監督)。大久保のハルコㇿの宇佐照代さんや敬愛する評論家の太田昌国さんの話す姿を見て嬉しかった。テピョンソを吹く若い子は高校に進まず音楽に専念し韓国に留学を決めたという。何年か経って演奏を見る機会があればきっと愉しい。●アイヌラマチウケシコロ(JazzTokyo)アイヌの装いとハレの日の着物@松濤美術館アイヌの美しき手仕事、アイヌモシリアニメ『ゴールデンカムイ』『アマミアイヌ』、マレウレウ『mikemikenociw』(-2019年)マレウレウ『cikapuni』、『もっといて、ひっそりね。』(2016年)MAREWREW,IKABE&OKI@錦糸公園(2015年)OKIDUBAINUBAND『UTARHYTHM』(2016年)OKImeets大城美佐子『北と南』...大宮浩一『そして、アイヌ』

  • 渋谷、2025年3月

    LOMOLC-A,FujicolorP400N渋谷、2025年3月

  • Tribute for Zekatsuma@なってるハウス

    入谷のなってるハウス(2025/3/24)。AkemiShoomyTaku宅Shoomy朱美(vo,p)TakayukiKato加藤崇之(g)YujiMiyano宮野裕司(as)ShigeoSugiyama杉山茂生(b)KikoDomoto堂本憙告(ds)MikaFujinoki藤ノ木みか(per)松風鉱一さんが亡くなってからもう2年(!)。いい場にいることができました。FujiX-E2,7Artisans12mmF2.8●宅Shoomy朱美エレクトリック渦@阿佐ヶ谷YellowVision(2021年)宅Shoomy朱美+松風鉱一+藤ノ木みか@なってるハウス(2020年)夢Duo年末スペシャル@なってるハウス(2019年)宅Shoomy朱美+北田学+鈴木ちほ+喜多直毅+西嶋徹@なってるハウス(2019年...TributeforZekatsuma@なってるハウス

  • 豊住芳三郎+照内央晴@公園通りクラシックス

    渋谷の公園通りクラシックス(2025/3/22、マチネ)。Yoshizaburo"Sabu"Toyozumi豊住芳三郎(ds)HisaharuTeruuchi照内央晴(p)照内さんのピアノはなにかを撒くもの。演奏が高揚して視野が定まるとそこからの円環と上昇、ヴェクトルが吸い込み側に転じるように捉えている。トリガーはやはり豊住さんであって、自在なリズムは猛烈な嵐にもなり、ときに野蛮な打音に気圧されてしまう。FujiX-E2,7Artisans12mmF2.8,XF60mmF2.4●豊住芳三郎ニンニ・モルジア+豊住芳三郎+野村雅美@阿佐ヶ谷YellowVision(2023年)豊住芳三郎80歳記念ライヴ@中目黒楽屋(2023年)SABUUnit@新宿ピットイン(2023年)SABUUNIT@新宿ピットイン(2...豊住芳三郎+照内央晴@公園通りクラシックス

  • 斎藤文彦『力道山』

    斎藤文彦『力道山』(岩波新書)は、力道山を巨大なパズルにたとえて「フィクションのような事実の断片の数かずと、事実のようなフィクションの断片の数かずがつねに混在」していたものと書いている。たしかに、増田俊也『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』を読んだあとも、力道山という存在がなんだったのかイメージしきれないまま。本書では、不世出の柔道家・木村政彦にとってプロレスは経済的なものを含めてパーソナルな選択、力道山にとってはメディアとの闘いだったとする。なるほど。●力道山増田俊也『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』木村政彦vs.力道山(1)(1954年)木村政彦vs.力道山(2)(1954年)斎藤文彦『力道山』

  • 中藤毅彦『DOWN ON THE STREET TOKYO 1995-2025』@キヤノンギャラリーS

    品川のキヤノンギャラリーS。品川のキヤノンギャラリーで中藤毅彦さんの写真展。自分にとっては印画紙に焼き付けるところの色気が特別な写真家だけど、やはり素晴らしい。渋谷川とか靖国神社とか十条の氣楽とか(近々おでんを食べに行こうと思っていたので驚いた)、土地の脈動に動悸動悸させられる。会場で流れているのは裸のラリーズ。そういえば、ずいぶん前に六本木のスーパーデラックスで中藤さんがグンジョーガクレヨンの撮影をしているところを見た。予定外ながら今回の写真集を買ってしまった。●中藤毅彦中藤毅彦『NOCTURNEPARIS2011-2019』@小伝馬町MONOGRAPHY「街の記憶・建物の記憶」@檜画廊中藤毅彦『Berlin1999+2014』中藤毅彦『STREETRAMBLER』中藤毅彦『Paris1996』中里和人...中藤毅彦『DOWNONTHESTREETTOKYO1995-2025』@キヤノンギャラリーS

  • Naoki Nomoto, Chaase∞なホお+浦裕幸+アキオ・ジェイムス@小岩Bushbash

    小岩のBushbash(2025/3/21)。NaokiNomoto野本直輝(electronics)Chaase(g,vo)Nahooなホお(dance)HiroyukiUra浦裕幸(electronics)AkioJeimusアキオ・ジェイムス(ds)ちょっと遅刻して入ったら野本さんの爆音。振幅の軸がタテでもヨコでもなく演者と客席とをつなぐ方向で独特のグルーヴ、こちらの足もステージに引き寄せられたり離されたり。もっと聴いてみたいと思った。次の4人は原生生物のように膨張収縮、なホおさんの弄ぶ風船と動きとが音と奇妙にシンクロするよう。アキオさんのドラムスが楔となってカッコいい。FujiX-E2,7Artisans12mmF2.8,XF60mmF2.4●Chaase開封の儀すずえり渡米報告会@神保町ハリ書房...NaokiNomoto,Chaase∞なホお+浦裕幸+アキオ・ジェイムス@小岩Bushbash

  • 平岡正明『昭和ジャズ喫茶伝説』

    平岡正明『昭和ジャズ喫茶伝説』が文庫化(ちくま文庫)。それぞれの店の話はあまりなくてほとんどが平岡正明の心象風景、というのは読む前からわかっている。はちゃめちゃでぐちゃぐちゃ、これがかれの芸。たとえば、新宿について自分自身が書いたことの意味を考えるだけの文章。「「癲癇女の胃袋」「胡瓜の脅迫」というのは、腹が減って一軒目のジャズ喫茶を出て、歌舞伎町「スカラ座」斜め前の天丼屋「鶴亀」で、酸っぱい天丼を食ったことを意味する。アミノ酸醤油と称したが、木屑から作るといわれた安い調味料の味だ」稲葉佳子・青池憲司『台湾人の歌舞伎町』によると、このスカラ座は新宿西口に移転したのち軽井沢にふたたび「新宿スカラ座」という喫茶店を開いているらしい。「鶴亀」はいまもあるつるかめ食堂か、木屑の醤油とはひどい。行徳のホットハウスで長...平岡正明『昭和ジャズ喫茶伝説』

  • 纐纈之雅代+竹田賢一+潮田雄一@千駄木bar isshee

    千駄木のbarisshee(2025/3/19)。MasayoKoketsu纐纈之雅代(as,ss)KenichiTakeda竹田賢一(大正琴)YuichiUshioda潮田雄一(g)久しぶりに目の当たりにする竹田賢一さんの大正琴の迫力に威圧されてしまう。生れてきたからには避けられないイビツさや切なさもあった。A-Musikがそうであったように。潮田さんの音を聴くとその印象が増幅されるのはほんらいのブルースだからか。そしてサックスの奔流が聴く者に記憶の遡行を体験させる。ちょっと驚いた。FujiX-E2,7Artisans12mmF2.8,XF60mmF2.4●纐纈雅代如意ン棒のレコ発レビュー(Jaz.in)(2025年)纐纈之雅代インタビュー(Jaz.in)(2025年)吉田達也+神田綾子+纐纈雅代@公園...纐纈之雅代+竹田賢一+潮田雄一@千駄木barisshee

  • 中村としまる+テラダ キョウスケ+アルメン・ナルバンディアン@水道橋Ftarri

    水道橋のFtarri(2025/3/16)。ToshimaruNakamura中村としまる(No-inputmixingboard)TeradaKyosukeテラダキョウスケ(g)ArmenNalbandian(p)マテリアルの表面から分子が飛び出すためのエネルギーを仕事関数と呼ぶ。テラダさんは仕事関数の際際のところを蠢き、そのプロセスがじつにおもしろい。一方で此岸ではアルメンさんがピアノの美学に絶対的な信頼を置いているかのようにプレイし、中村としまるさんは此岸だろうと彼岸だろうとどっちでも構わないような様子で公園を創出した。FujiX-E2,7Artisans12mmF2.8,XF60mmF2.4●中村としまるアルメン・ナルバンディアン+川口貴大+中村としまる@公園通りクラシックス(2024年)MIYA...中村としまる+テラダキョウスケ+アルメン・ナルバンディアン@水道橋Ftarri

  • 香村かをり+ギレーヌ・コスロン+マーク・カーヴィン@代々木上原hako gallery

    代々木上原のhakogallery(2025/3/9)。KaoriKomura香村かをり(koreanpercussions)GuylaineCosseron(voice)MarkCauvin(b)韓国音楽でいう長短がさまざまなリズム、スピード、強さなどがグルーヴとなってあらわれるさまだとして、三者には三様の振幅のひろさと両極端を往還するやわらかさがあった。ベースのダイナミックレンジの広さも、ヴォイスがそれ自体だけでなく発する地点をも動かすありようも。はじめてのトリオに成果ありとしてすぐにbarissheeで録音したことも納得できる。FujiX-E2,7Artisans12mmF2.8,XF60mmF2.4●香村かをり関東大震災101周年/韓国・朝鮮人犠牲者追悼式(2024年)坂田明+香村かをり@千駄木B...香村かをり+ギレーヌ・コスロン+マーク・カーヴィン@代々木上原hakogallery

  • 高橋アキ+石川高@両国門天ホール

    両国門天ホール(2025/3/14)。AkiTakahashi高橋アキ(p)KoIshikawa石川高(笙)桑原ゆう『二〇二五年三月十四日の満月会』では、笙がピアノのまわりを1周する。ときに外に向けてぱっと開かれ、ときに雲の切れ目から光がグラデーション豊かな旋律を奏でる。40分ほどの演奏はあっという間に過ぎていった。事件性のあるジョン・ケージ、それに神保町試聴室(2023年)の再演となったロードリ・デイヴィスの曲もうれしかった。すずえりさんのインスタレーションは狭い空間から広い空間への窓のようでおもしろい。帰宅してゆっくりと今日の満月を見る。FujiX-E2,XF60mmF2.4,Sigma400mmF5.6●高橋アキ高橋アキ+野村雅美@阿佐ヶ谷ヴィオロン(2024年)高橋アキ+石川高@神保町試聴室(20...高橋アキ+石川高@両国門天ホール

  • 『漂う町〜原発計画浮上から43年〜』

    NNNドキュメント'25の『漂う町〜原発計画浮上から43年〜』(2025/3/2放送)を観る。やはりというべきか、両論併記的なつくりは仕方がない。使用済み核燃料の問題が全国の問題からこの地域の問題になったこと(中間貯蔵施設)、また自治体予算が破壊されることは強調されていた。3・11直後に上関の祝島に足を運んだとき、町議の清水敏保さんが案内してくださった。清水さんは去年亡くなったけれど、ご子息の清水康博さんも町議になっていることを知った。●NNNドキュメント『封印~沖縄戦に秘められた鉄道事故~』(2020年)『南京事件II』(2018年)『南京事件兵士たちの遺言』(2015年)『ガマフヤー遺骨を家族に沖縄戦を掘る』(2015年)『9条を抱きしめて~元米海兵隊員が語る戦争と平和~』(2015年)『“じいちゃん...『漂う町〜原発計画浮上から43年〜』

  • ルーカス・リゲティ@Ftarri、内橋和久+ルーカス・リゲティ@bar isshee

    ルーカス・リゲティが初来日し、東京ではFtarriでのソロ(2025/3/3)、barissheeで内橋和久とのデュオ(2025/3/4)。内橋さんは20年ほど前にフレッド・フリス、ヘンリー・カイザーとのカルテットで演奏して以来だという。僕自身は10年前の2015年にNYの旧Stoneでマリリン・クリスペル、ミシェル・マカースキーとの共演を観て以来。LukasLigeti(MarimbaLumina,ds)KazuhisaUchihashi内橋和久(g,daxophone)MIDIコントローラのマリンバ・ルミナはエンジニアのドン・ブックラにより開発された楽器であり、リゲティさんの使うものはオクターブ2.5ヴァージョン。このあとに3.5ヴァージョンや筐体が湾曲したヴァージョンが出たそうで、製造数は極めて少な...ルーカス・リゲティ@Ftarri、内橋和久+ルーカス・リゲティ@barisshee

  • 如意ン棒のレコ発レビュー(Jaz.in)

    『Jaz.in』vol.017(April2025)に、如意ン棒のレコ発のレビュー記事を寄稿した。●纐纈雅代纐纈之雅代インタビュー(Jaz.in)(2025年)吉田達也+神田綾子+纐纈雅代@公園通りクラシックス(2022年)纐纈雅代+神田綾子@六本木Electrik神社(JazzTokyo)(2021年)山本達久+纐纈雅代@なってるハウス(JazzTokyo)(2021年)神田綾子+纐纈雅代@下北沢NoRoomforSquares(2021年)沖縄電子少女彩+非常階段+纐纈雅代@小岩オルフェウス(2020年)纐纈雅代+佐藤允彦+豊住芳三郎@新宿ピットイン(2020年)酒井俊+纐纈雅代+永武幹子@本八幡cooljojo(2020年)纐纈雅代+松丸契+落合康介+林頼我@荻窪ベルベットサン(2019年)秘湯感@...如意ン棒のレコ発レビュー(Jaz.in)

  • 安田芙充央インタビュー(Jaz.in)

    『Jaz.in』vol.017(April2025)に、安田芙充央さんへのインタビュー記事を寄稿した。●安田芙充央フランシス・デイヴィス・ジャズ批評家投票2024安田芙充央『SORA』(2024年)安田芙充央+水谷浩章@横濱エアジン(2024年)ヨアヒム・バーデンホルスト+井野信義+安田芙充央@稲毛Candy(2023年)TRYANGLE/安田芙充央+井野信義+山崎比呂志@なってるハウス(2022年)ヨアヒム・バーデンホルスト+安田芙充央+井野信義@稲毛Candy(2020年)PoemofaCellSound/FilmInstallation&ConcertinTokyo@ドイツ文化センター(2018年)安田芙充央『ErikSatie/MusiqueD'Entracte』(2016年)安田芙充央『Fore...安田芙充央インタビュー(Jaz.in)

  • 幽けき刻@神保町月花舎

    神保町の月花舎(2025/2/24)。ToruNishijima西嶋徹(b)KanonAonami蒼波花音(as)FumiEndo遠藤ふみ(p)音を出せば音楽になってしまうし、楽器で世界に介入すれば音楽になってしまう。それを受け入れるところから「幽けき刻」ははじまっている。ミニマルでありながら引き受けるものは大きい。遠藤ふみさんは鍵盤や弦が音を発するところを凝視し、眼と耳を近づけた。それこそが自分の音を引き受けるということの証左であるように思えた。この先、ピアノが見えない環境で演奏することへのアプローチなのかもしれない。見えないということは凝視することと等しいからだ。FujiX-E2,7Artisans12mmF2.8,XF60mmF2.4●西嶋徹幽けき刻with中山晃子@公園通りクラシックス(2024年...幽けき刻@神保町月花舎

  • U9@公園通りクラシックス

    渋谷の公園通りクラシックス(2025/2/24、マチネ)。YujiTakahashi高橋悠治(p)KazuhisaUchihashi内橋和久(g,daxophone)泣きそうになりながら観ていた。ここにあるのは、音を介しての直接的なやり取りではない。各々が流れを創出し、ときにふたつの流れがひとつになったり、飛沫を上げたりする。引き出しをわざわざ開けるような世界ではないのだ。FujiX-E2,7Artisans12mmF2.8,XF60mmF2.4●高橋悠治高橋悠治+ロジャー・ターナー『LiveatAoshimaHall』(JazzTokyo)(2019年)U9(高橋悠治+内橋和久)@新宿ピットイン(2017年)エヴァン・パーカー+高橋悠治@ホール・エッグファーム(2016年)ジョン・ブッチャー+高橋悠治@...U9@公園通りクラシックス

  • 元ちとせ Live at 能楽堂「緑光憩音」

    青山の銕仙会能楽研究所(2025/2/23、マチネ)。この日、元ちとせのステージは昼夜あって、昼は「シマ唄」。ChitoseHajime元ちとせ(唄、三味線)MasatiSuzuki鈴木正人(b,key,arr)ASA-CHANG(perc)NamiMakioka牧岡奈美(囃子,三味線)やっぱりこの人の声は特別だ。一時期の状態を脱して声量も戻った。シマ唄回帰も良いし、またポップス路線をばんばん進めたアルバムも聴きたい。●元ちとせ元ちとせ@ビルボード東京(2019年)元ちとせ『元唄』(-2018年)元ちとせ『平和元年』(2015年)元ちとせ『Orient』(2010年)元ちとせ『カッシーニ』(2008年)元ちとせ『MusicLovers』(2008年)元ちとせ『蛍星』(2008年)『ミヨリの森』(2007年...元ちとせLiveat能楽堂「緑光憩音」

  • 阿部芙蓉美 Live at 能楽堂「緑光憩音」

    青山の銕仙会能楽研究所(2025/2/22)。FuyumiAbe阿部芙蓉美(vo,g)AkikoHigashikawa東川亜希子(key,cho)YutaSuganuma菅沼雄太(ds)Guest:JunpeiHayashida林田順平(cello)ぶっきらぼうさが音世界への断面になっていて、残り香はあとではなく最初からやってくる。阿部芙蓉美『EP』(2014年)井上剛『その街のこども劇場版』、『その街のこども』テレビ版阿部芙蓉美Liveat能楽堂「緑光憩音」

  • 濤踏+隠ONU@公園通りクラシックス

    渋谷の公園通りクラシックス(2025/2/22)。穏ONUKoutaYunaka由中小唄(voice)ShinobuMasumoto升本しのぶ(voice)UtakoYamauchi山内詩子(voice)KaoruAzuma東かおる(voice)ShokoNumao沼尾翔子(voice)KuniakiTomura當村邦明(sax)TohTou濤踏Reonaレオナ(tap)FumioItabashi板橋文夫(p)TakashiSeo瀬尾高志(b)穏ONUの存在は知っていたけれどこの人数、関西に行かなければ観ることができないのだろうと思っていた。それにしても実際のステージを目の当たりにして驚いた。ミャンマーのタナカだろうか、顔に白い液を塗って彼岸と此岸との境界を作る。それはさっとひと塗りというほどのものであっ...濤踏+隠ONU@公園通りクラシックス

  • 関根敏行+水橋孝+小泉高之@行徳ホットハウス

    久しぶりに行徳のホットハウス(2025/2/15)。ToshiyukiSekine関根敏行(p)Takashi"Gon"Mizuhashi水橋孝(b)TakayukiKoizumi小泉高之(ds)いやカッコよくてスタイリッシュなトリオにうっとり。たまにはホットハウスにお邪魔しないと。なにしろ水橋孝さんのプレイを観るのは四半世紀ぶりなのだ。1999年にアーチー・シェップが来たとき、水橋さんが飛び入りでベースを弾き、シェップに「Happyreunionだ」と紹介されていた。昨夜もアントニオ・カルロス・ジョビンの<HowInsensitive>なんて柔らかく歌うベースで素晴らしかった。「作曲はアントニオ古賀です」で爆笑。せっかくなので水橋さんのレコード2枚にサインをいただいた。ハービー・ハンコックとの共演盤との...関根敏行+水橋孝+小泉高之@行徳ホットハウス

  • 胡粉

    胡粉とはすなわち炭酸カルシウムの粉。能面の塗りにも使われていて、金沢能楽美術館に展示してあった。そのあと石川県立美術館で当地の人形作家・紺谷力の作品を観ると、中には白い顔で独特の効果を出すために胡粉が使われているものもあって驚いた。海水の成分から生物が作ったものが陸上で顔の表現に使われるなんて、ちょっと不思議。胡粉

  • 大野弁吉からくり記念館

    大野弁吉という人は、長崎で蘭学を学んだあとに対馬や朝鮮半島に渡り、最後は金沢に流れついた国際人だった。金沢港の大野弁吉からくり記念館では、弁吉だけでなく現代に至るまで「からくり」に取り憑かれた人たちの作品を展示してあった。愉しい。弁吉は写真機も発明した。展示された写真を見ていると、たしかにとんでもない霊力が伝わってくる。ずいぶん前に英国のタルボットの墓参りをしたときも、この産業の起点となった力に痺れたものだった。ところで、高橋克彦『偶人館の殺人』では、弁吉の写真機発明がタルボットどころかフランスのダゲールよりも前だったのではないかと匂わせているけれど、さすがにそれは無理があるというもので。大野弁吉からくり記念館

  • 反復と偶然@国立工芸館

    金沢の国立工芸館で観た「反復と偶然」。当地の松田権六による漆の作品が目当てでもあったのだけど、讃岐漆芸の音丸耕堂による彫漆も展示されていてうれしくなる。まったく異なる漆の表現。松田の仕事を撮った映像を観ていたら居眠りしてしまった。小松誠のグラスは僕が木村硝子で買ったものと同じだ。そんなこともあるからデザインものはおもしろい。音丸耕堂の讃岐漆芸小松誠のグラス(展示)小松誠のグラス(うちの)●讃岐漆芸高松市美術館、うどん讃岐の彫漆、木村忠太反復と偶然@国立工芸館

  • 金沢、2025年2月

    PentaxMX,M40mmF2.8,Fujicolor100金沢、2025年2月

  • ロジャー・ターナー+田中悠美子@東北沢OTOOTO

    東北沢のOTOOTO(2025/2/8)。RogerTurner(perc)YumikoTanaka田中悠美子(三味線,大正琴)今回もまたすばらしい共演だった。打楽器のフラグメントに対して三味線を横に置いてのフラグメント。ふたりはポルタメントへと遷移し、ロジャーさんは手で回転させたシンバルの慣性によりスプーンの摩擦音を発し、悠美子さんはE-Bowでまるでその揺らぎを繊細に増幅したかのよう。後半で悠美子さんが大正琴と三味線を弓で叩くと、その残響は和楽器のいちばん妙なるところ、まるで羊羹の中に析出した糖分。FujiX-E2,XF60mmF2.4●ロジャー・ターナーロジャー・ターナー+池田謙@Ftarri(2023年)ロジャー・ターナー+田中悠美子@東北沢OTOOTO(2023年)ロジャー・ターナー&マリ・カマ...ロジャー・ターナー+田中悠美子@東北沢OTOOTO

  • オカルト史

    武田崇元+横山茂雄『霊的最前線に立て!オカルト・アンダーグラウンド全史』(国書刊行会、2024年)。おもしろいどころの話ではなく全頁で爆笑と感服。「永久騒乱状態に終止符が打たれた果てに登場したのがネトウヨと国民主義リベラル。これでみんな家畜人になってしもうたんや」ってその通りなんだけど身も蓋もない。妙に大本ネタが多いなと思ったら、武田崇元の妻は出口王仁三郎の曾孫。それにしても土俗系ローカルチャー(出口なお)と西洋系ハイカルチャー(王仁三郎)とが混淆して核融合反応なんてよく言ったものだ。王仁三郎に接近した合気道の始祖・植芝盛平のわけのわからなさについても触れてほしかったところ。僕は『齋藤徹の芸術』においてムー大陸のトンデモ論を妄想したジェームズ・チャーチワードのことに言及したけれど、王仁三郎はそれについて「...オカルト史

  • 石当あゆみ 2025年1月のミニツアー(JazzTokyo)

    #1343石当あゆみ2025年1月のミニツアーNYで活動を続ける石当あゆみ(サックス)のミニツアーが行われた。再演のほか新たなミュージシャンとの手合わせもあ…JazzTokyo●石当あゆみ石当あゆみ+神田綾子+加藤一平@渋谷BarSubterraneans(2024年)石当あゆみバンド@なってるハウス(2024年)EntropicHop/日本ツアー・関東の陣(JazzTokyo)(2023年)ストロング・スイマーズ『BeneathMyFingernails/Swing+AMiss』(JazzTokyo)(-2021年)ダニエル・カーター+石当あゆみ+エリック・プラクス+ザック・スワンソン+ジョン・パニカー『OpenQuestionVol.1』(JazzTokyo)(2020年)石当あゆみ2025年1月のミニツアー(JazzTokyo)

  • インプロヴァイザーの立脚地 vol.28 矢部優子(JazzTokyo)

    インプロヴァイザーの立脚地vol.28矢部優子ふたたびピアノを弾き始めたのは二十代になってからだし、ピアノトリオを組んではじめて人前で演奏してからまだ10年…JazzTokyo●矢部優子ラマチウケシコロ(JazzTokyo)(2024年)春の気たつを以て也@成城学園前アトリエ第Q藝術(2024年)矢部優子+山㟁直人+広瀬淳二@アトリエ第Q藝術(2023年)りら~雲を吐き、星を喰うhomagestoTetsu~@山猫軒(JazzTokyo)(2023年)古池寿浩+矢部優子+増渕顕史@水道橋Ftarri(2022年)神田綾子+矢部優子+遠藤ふみ@大泉学園インエフ(2021年)DancexMusicSessionVol.01(2021年)穢れ(JazzTokyo)(2020年)ヒゴヒロシ+矢部優子、プチマノカリ...インプロヴァイザーの立脚地vol.28矢部優子(JazzTokyo)

  • あがた森魚+寺本幸司 Talk & Live@すなふきん

    東村山のすなふきん(2025/2/1)。あがた森魚さんが<冬のサナトリウム>を歌ってくれて感激。歌詞には「誘蛾灯」、この独特のセンスに痺れる。あがたさんも「色気」ということばが好きなのだそうで嬉しくなってしまった。そして名プロデューサー寺本幸司さんにも、撮影していたGan極楽照会さんにもカッコいい色気があった。FujiX-E2,Pentax40mmF2.8(PK),XF60mmF2.4あがた森魚+寺本幸司Talk&Live@すなふきん

  • 立教大学アメリカ研究所主催シンポジウム「沖縄をかたり継ぐこと――山城知佳子の映像作品における暴力と救済の形象」

    山城知佳子さんのシンポジウム立教大学アメリカ研究所主催のシンポジウム「沖縄をかたり継ぐこと――山城知佳子の映像作品における暴力と救済の形象」を聴講。山城さんの《アーサ女》(2008年)を観て「なること」の力に驚かされたのは、国立近代美術館の『沖縄・プリズム1872-2008』展(2008年)だった。だがこの人の表現には続きがある。上映された作品は、《肉屋の女》(2012年)、《土の人》(2019年)、《チンビン・ウエスタン》(2019年)、《リフレーミング》(2022年)。すべて3画面の映像インスタレーションであり、ここは大学の講義室ゆえ前三者は1画面、《リフレーミング》は3トラックをまとめて1画面。つまり参考上映だが、それでも刺激的だった。(たしかに2021年の東京都写真美術館『山城知佳子リフレーミング...立教大学アメリカ研究所主催シンポジウム「沖縄をかたり継ぐこと――山城知佳子の映像作品における暴力と救済の形象」

  • ミドリトモヒデ+栗田妙子+宮崎真司@神保町試聴室

    神保町試聴室(2025/1/30)。TomohideMidoriミドリトモヒデ(as)TaekoKurita栗田妙子(p)ShinjiMiyazaki宮崎真司(g)最初の一音でいきなり時空間を跳躍する。どこか知らない街を散歩して、猫や暖簾や小川を眺めているような気分。力の抜けた領域でのプレイだから音のグラデーションがなおさらみえてくる。それはアルトもピアノもギターも。とてもいい心持。FujiX-E2,7Artisans12mmF2.8,XF60mmF2.4●ミドリトモヒデイトクリトリオ@神保町試聴室(2024年)●栗田妙子る゛る゛る゛@神保町試聴室(2024年)西島芳+栗田妙子@公園通りクラシックス(2024年)イトクリトリオ@神保町試聴室(2024年)近藤直司+栗田妙子@なってるハウス(2023年)吉田...ミドリトモヒデ+栗田妙子+宮崎真司@神保町試聴室

  • 纐纈之雅代インタビュー(Jaz.in)

    『Jaz.in』vol.016に、纐纈之雅代さんへのインタビュー記事を寄稿しました。新ユニット「如意ン棒」を結成、10年ぶりのリーダーアルバムをリリースしたばかり。発売前の新宿ピットインでのリリパも鮮烈でした。ぜひ書店で手にとってみてください。(いや本当におもしろいのです)記事のイントロはこちらhttps://jazin.net/?p=2052●纐纈雅代吉田達也+神田綾子+纐纈雅代@公園通りクラシックス(2022年)纐纈雅代+神田綾子@六本木Electrik神社(JazzTokyo)(2021年)山本達久+纐纈雅代@なってるハウス(JazzTokyo)(2021年)神田綾子+纐纈雅代@下北沢NoRoomforSquares(2021年)沖縄電子少女彩+非常階段+纐纈雅代@小岩オルフェウス(2020年)纐纈...纐纈之雅代インタビュー(Jaz.in)

  • 『けーし風』読者の集い(39) 最終号

    『けーし風』(2024.11、新沖縄フォーラム刊行会議)が第120号をもって休刊。今後復刊されるかもしれないが最後なので、4年半ぶりに読者会に出席した(神田WESTウィルシャーM、2025/1/25)。しばらく読んでもいなかったのは編集運営方針に多大な違和感があったからだ。本号には創刊以来の総目次がある(自分の名前もその中に小さく入っている)。当初は文化や環境問題などに開かれた場であったのだなと再認識する。その話題は何年も前からあって、沖縄をめぐる政治問題がたいへんな状況だからそうならざるを得ないのだと納得していたが、結果的に『越境広場』にその役割が移っているのかもしれない。そして第95号から32年の休刊期間を経て復刊される『新沖縄文学』がどのような場になるのかにも期待(この2月に第96号)。それに関して...『けーし風』読者の集い(39)最終号

  • 広瀬淳二+瀬尾高志@なってるハウス

    入谷のなってるハウス(2025/1/17)。JunjiHirose広瀬淳二(ts,baroon)TakashiSeo瀬尾高志(b)それにしても広瀬さんの音がすごい。マルチフォニックと簡単に言えないほど多数の貌がある音。それはコントラバスのエネルギッシュな音と呼応しあっており、ピチカートとテナーでここと決めた場所を深く掘り、アルコとテナーと風船で液をぶちまけるように音世界を拡散させる。FujiX-E2,7Artisans12mmF2.8,PentaxSuper-Takumar105mmF2.8(M42)●広瀬淳二矢部優子+山㟁直人+広瀬淳二@アトリエ第Q藝術(2023年)吉田隆一+広瀬淳二@神保町試聴室(2023年)瀬尾高志+広瀬淳二+高橋佑成+秋元修@神保町試聴室(2022年)内橋和久+広瀬淳二@千駄木B...広瀬淳二+瀬尾高志@なってるハウス

  • フレッド・フリス@渋谷Super Dommune

    渋谷のSuperDommune(2025/1/16)。FredFrith(g)バール・フィリップスのコントラバスソロ『UnaccompaniedBarre』に衝撃を受けたことや、「improviser」と呼んだときに認識がその枠に収まってしまうことのあやうさなど、前半のトークは興味深いものだった。そしてソロ演奏はたしかに所与の計画や構想を排し自然体で臨んだのだろうと実感できるもの。「にもかかわらず」なのか、「だからこそ」なのか、おそらく両方であろうと考えるが、すべてがフレッド・フリスの「語り」となっていた。FujiX-E2,XF35mmF1.4,PentaxSuper-Takumar105mmF2.8(M42)●フレッド・フリスフレッド・フリス+ニコラス・フンベルト+マーク・パリソット『CutUpTheB...フレッド・フリス@渋谷SuperDommune

  • 免疫についての2冊

    多田富雄『生命の意味論』(講談社学術文庫、原本1997年)は「超システム」としての免疫系を言語や存在論から語ろうとする。免疫は一対一というよりも多対多、あいまいさも本質のひとつとして超システムを作り出しているということ。とくに「自己」と「非自己」の識別が胸腺においてなされ、胸腺は人間の臓器のなかでもっとも老化を鋭敏に反映するものだという指摘には怖いものを感じさせられる。というのは、吉村昭彦『免疫「超」入門』(入門どころでなく難しい)(講談社ブルーバックス、2023年)には、胸腺がストレスで小さくなったりカロリー制限で大きくなったりするとの実験結果が書かれていたから。ここまでくると、医者でない自分も明確な方法論をもって生きていかなければならないという気になってくる。免疫についての2冊

  • フランシス・デイヴィス・ジャズ批評家投票2024

    FrancisDavisJazzCriticsPoll:2024(フランシス・デイヴィス・ジャズ批評家投票2024)に、お声がけいただき投票しました(新しいアルバムなんてとても10枚では足りません)。全世界の批評家が177名、どうしても欧米中心になってしまうのですが一石を投じる役割として。NEWALBUMS(unranked)【新しいアルバム】Kasokeki-toki,Kasokeki-toki(Relativa)MinXiao-Fen,Metta(AsianImprov)MasahikoSatoh&TakeoMoriyamaFeat.LeonBrichard&IdrisRahman,LiveatCaféOto(BBE)Sara&AyakoKanda,Fujin/Raijin(NomartEdition...フランシス・デイヴィス・ジャズ批評家投票2024

  • 神田綾子+アキオ・ジェイムス@千駄木bar isshee

    千駄木のbarisshee(2025/1/5)。AyakoKanda神田綾子(voice)AkioJeimusアキオ・ジェイムス(ds)打音も擦音も何の素材を介しているのか強く感じさせる。それは空間を強く意識させることとひとしい。コミュニケーションは空間の伝播でもあり、それなしに意識で呼応した結果でもある。だからヴォイスがドラムスのグルーヴと軌を一にするとき、聴くものはグルーヴを演者と共有し、快感を覚える。FujiX-E2,7Artisans12mmF2.8,PentaxSuper-Takumar105mmF2.8(M42)●神田綾子神田綾子+潮田雄一+内田静男@千駄木barisshee(2024年)喜多直毅+神田綾子@松本弦楽器(2024年)木村由+神田綾子@国分寺ArtxJazzM's(2024年)『...神田綾子+アキオ・ジェイムス@千駄木barisshee

  • インプロヴァイザーの立脚地 vol.27 仲野麻紀(JazzTokyo)

    インプロヴァイザーの立脚地vol.27仲野麻紀仲野麻紀は著書のタイトルにあるように、旅する音楽家である。それは異国に住み世界各地を移動するというだけの意味で…JazzTokyo●仲野麻紀#1281「悠々自適」悠雅彦さん追悼コンサート(JazzTokyo)(2023年)仲野麻紀+野口UFO義徳@白楽BitchesBrew(2021年)仲野麻紀『旅する音楽』、Ky『心地よい絶望』インプロヴァイザーの立脚地vol.27仲野麻紀(JazzTokyo)

  • My Pick 2024(JazzTokyo)

    MyPick2024-JazzTokyo2024年を振り返り、以下のライヴとアルバムについて『JazzTokyo』に寄稿しました。◎このパフォーマンス(海外編)トン・クラミ◎このパフォーマンス(国内編)白石民夫◎このディスク(海外編)マッコイ・タイナー、ジョー・ヘンダーソン『ForcesofNature:LiveAtSlugs』◎このディスク(国内編)安田芙充央『SORA』https://jazztokyo.org/issue-number/no-321/post-107013/https://jazztokyo.org/issue-number/no-321/post-107009/https://jazztokyo.org/issue-number/no-321/post-106937/https:/...MyPick2024(JazzTokyo)

  • 渋さ知らズ fuwa works@入谷なってるハウス

    入谷のなってるハウス(2025/1/4)。HidekiTachibana立花秀輝(as)ShinnosukeMatsubara松原慎之介(as)YoichiroKita北陽一郎(tp)IppeiKato加藤一平(g)KoichiYamaguchi山口コーイチ(p)DaisukeFuwa不破大輔(ukuleleb)JunIsobe磯部潤(ds)いまなおエクストリーム方向とブルース方向とが激しく共存するグループ、すさまじいカタルシス感。松原慎之介さんのウルトラハイスペック狂気はなんだろう、すごいな。FujiX-E2,7Artisans12mmF2.8,PentaxSuper-Takumar105mmF2.8●不破大輔『渋さ知らズ』(ミュージック・マガジン)(2024年)渋さ知らズfuwaworks@入谷なって...渋さ知らズfuwaworks@入谷なってるハウス

  • 森山威男 NEW YEAR SPECIAL 2025@新宿ピットイン

    新宿ピットイン(2025/1/2)。TakeoMoriyama森山威男(ds)TetsuroKawashima川嶋哲郎(ts,ss)TakumiNakayama中山拓海(as)YuseiTakahashi高橋佑成(p)HiroakiMizutani水谷浩章(b)御大・森山威男の体調は大丈夫かしらと懸念したこともあって、ライヴに駆け付けるのは6年ぶりのことだ。股関節の手術を控えているとのことだが、上半身を伸びあがるようにしてのコンビネーションはやはり唯一無二。<グッドバイ>で次第にドラムに音を引き寄せていってピークを迎える森山スペシャル(勝手にそう呼んでいる)も、ややパワー不足かもしれないが健在だった。森山威男サウンドを成立させるには既成のありようを身体化して貢献することでは不十分で、それでは縮小均衡にしか...森山威男NEWYEARSPECIAL2025@新宿ピットイン

  • ELECTRO ESTHE エレクトロ・エステ〜輝きのその先に@千駄木bar isshee

    千駄木のbarisshee(2024/12/28)。JunMorita森田潤(electronics,synth)MomoseYasunaga(modularsynth,voice)RadioensemblesAiida(BCLradios)MIYA(modularfl)森田潤さんは「都市伝説のようなものだ」と言いつつもエレクトロニクスの使い手に呼びかけ、水の美しい波紋を作り出す432hzという周波数をコンセプトとした即興集会を開いた。これは人間の美にも結び付くのだとする。煙に巻かれたようでもあり、またたしかに意識が外に向かって開かれるようでもあり、静かに興奮させられる。◎JunMorita水面下に棲息する者たちの気配がやがて隠しようもなく顕れてくる。◎MomoseYasunaga美しい流れを設定しつつ、...ELECTROESTHEエレクトロ・エステ〜輝きのその先に@千駄木barisshee

  • 野見山暁治展(後期)@練馬区立美術館

    練馬区立美術館で野見山暁治展。この人が福岡の炭鉱町の生まれとは知らなかった。緻密なスケッチをしたあとに全体性に寄与しないものを棄て去る方法論がおもしろい。結果として残る心象風景に見える火や山は炭鉱の記憶からもきているのかな。野見山暁治展(後期)@練馬区立美術館

  • なりゆきのあなた@音や金時

    西荻窪の音や金時(2024/12/18)。AkiraSakata坂田明(cl,bcl,misc.)KeikoKomori小森慶子(cl,bcl,misc.)RyuichiYoshida吉田隆一(cl,bcl,misc.)クラリネットのトリオ「なりゆきのあなた」。状況の語り手というのか、能弁な背景というのか、クラリネットって不思議な楽器。小森慶子さんはふふふんとおしゃべりに入り、坂田明さんの「ふふふん」はいきなり過激だったりして、また吉田隆一さんの音は騙りの構造を考えつつのものに思えたりして、どうも普段の佇まいと似たところがある。音や金時という空間も語り手のひとりか。FujiX-E2,7Artisans12mmF2.8,LeicaElmarit90mmF2.8(M)●坂田明Arashi@公園通りクラシックス...なりゆきのあなた@音や金時

  • 『東急 暮らしと街の文化』展@世田谷美術館

    世田谷美術館の『東急暮らしと街の文化』展。自然(田園趣味)の中に暮らすというコンセプトで開発されていった沿線の歴史が興奮するほどおもしろい。五島プラネタリウムなんて懐かしい。国書刊行会から発行された図録は充実。都心で発生する糞尿を武蔵野に持ち出すため開発され、自治の思想が発達していった西武線との比較もまたおもしろいかもしれない。原武史さんの名著『レッドアローとスターハウス』が増補新版になっていたことに気づき買いなおした。『東急暮らしと街の文化』展@世田谷美術館

  • 山口コーイチトリオ@なってるハウス

    入谷のなってるハウス(2024/12/13)。KoichiYamaguchi山口コーイチ(p)KosukeOchiai落合康介(b,MorinKhuur)RaigaHayashi林頼我(ds)Guest:SatoeKobayashi小林里枝(as)『アフレリ』の音が生々しく迫る。個々の時間軸がぶれない3人がとても高いレヴェルで音を置き続ける。林頼我さんのシンバルは切ると血が吹き出そうなほどだし、落合さんの馬頭琴はサウンド全体のなかでの役割を見出したような成熟感。山口さんはというと大河の大魚のように浮かび上がってくる。後半にゲストで入った小林さんのアルトをはじめて聴いたが、かたく締めたアンブシュアながら柔軟に動かしていて、音もまたキッと引き締まっていた。FujiX-E2,7Artisans12mmF2.8,...山口コーイチトリオ@なってるハウス

  • る゛る゛る゛@神保町試聴室

    神保町試聴室(2024/12/11)。MasakiKai甲斐正樹(b)TaekoKurita栗田妙子(p)ShotaroNozu野津昌太郎(g)それぞれの楽器がいちばん良い音を出す領域を大事にしつつ、きもちよい鼻歌を端正に仕立て上げている感覚。FujiX-E2,7Artisans12mmF2.8,LeicaElmarit90mmF2.8(M)●甲斐正樹大阪でのパエド・コンカ(2024年)かみむら泰一+塙正貴+甲斐正樹+大村亘@荻窪ベルベットサン(2024年)閑喜弦介+甲斐正樹@本駒込JuhlaTokyo(2024年)甲斐正樹+遠藤ふみ+則武諒@神保町試聴室(2023年)野津昌太郎+塙正貴+甲斐正樹@池袋FlatFive(2023年)遠藤ふみ+蒼波花音+甲斐正樹@中野SweetRain(2023年)Yuka...る゛る゛る゛@神保町試聴室

  • 内橋和久+李俐錦@千駄木bar isshee

    千駄木のbarisshee(2024/12/9)。KazuhisaUchihashi内橋和久(g,daxophone)Li-ChinLi李俐錦(中国笙)ふたりともデジタルとポルタメントの両面を持っており、サウンドが動的な重ね塗り。異なるようで親和性が高いのは愉快な発見だった。FujiX-E2,7Artisans12mmF2.8,LeicaElmarit90mmF2.8(M)●内橋和久田中悠美子リサイタル2024・義太夫三味線の音響世界@晴れたら空に豆まいて(2024年)アルタードステイツ@湯島Bar道(2024年)I-I(内橋和久+山本達久+坂口光央)@代々木上原HakoGallery(2024年)内橋和久+謝明諺@千駄木BarIsshee(2023年)内橋和久+とうめいロボ@千駄木BarIsshee(2...内橋和久+李俐錦@千駄木barisshee

  • 田中悠美子リサイタル2024・義太夫三味線の音響世界@晴れたら空に豆まいて

    代官山の晴れたら空に豆まいて(2024/12/7)。YumikoTanaka田中悠美子(義太夫三味線)Guest:KazuhisaUchihashi内橋和久(g,daxophone)NewLittleOneDairoSugaスガダイロー(p)TokutaroHosoi細井徳太郎(g)ShuAkimoto秋元修(ds)DJ:KaedeAdachi安達楓伝統から冒険まで充実のプログラム。高橋悠治、藤倉大、一ノ瀬響の作品によるソロはそれぞれ曲想がおもしろく、特に終盤に雰囲気が変わってゆく藤倉作品に惹かれた。ファーストセットの最後は内橋和久さんとのデュオで、複数の登場人物による舞台を観ているようなダクソフォンと並び、別のキャラが立った登場人物として演技する悠美子さん。そのコントラストは静と動というよりも別次元の併...田中悠美子リサイタル2024・義太夫三味線の音響世界@晴れたら空に豆まいて

  • 久保田晶子(薩摩琵琶)「那由多の月」@東京オペラシティリサイタルホール

    東京オペラシティリサイタルホール(2024/12/6)。愉悦の時間だった。武満徹作品での黒田鈴尊さんは活を入れる尺八で空間性を、また間宮芳生作品での松平敬さんの語りは生々しい情景を想像させてくれた。薩摩琵琶がこれほどまでに多様な貌をみせるのかと驚かされた藤倉大さんと向井響さんの現代性。それから山本和智さんの曲では薩摩琵琶、打楽器それぞれから想像しうる領域を互いの力によって拡げあっているよう。オペラシティは巨大すぎて、いつも用事が終わるとさっと帰ってしまうのだけれど、昨日は近くにねこまどという小さくて親密なバーを見つけた。やっぱり良いカフェやバーがあるとその街と仲良くなれそうで。●久保田晶子特殊音樂祭@和光大学(JazzTokyo)(2019年)●山本和智現代音楽レクチャーシリーズ最終回「今日の音楽作曲家山...久保田晶子(薩摩琵琶)「那由多の月」@東京オペラシティリサイタルホール

  • インプロヴァイザーの立脚地 vol.26 今西紅雪(JazzTokyo)

    インプロヴァイザーの立脚地vol.26今西紅雪●今西紅雪山内桂+今西紅雪@東北沢OTOOTO(2024年)ヨルダン・コストフの2023年冬のツアー(2023年)山内桂+今西紅雪@不動前Permian(2023年)「響む其の六」@東北沢OTOOTO(2023年)ブライアン・アレン+田中悠美子+今西紅雪(JazzTokyo)(2023年)フェルナンド・カブサッキ+今西紅雪@神谷町光明寺(2023年)EntropicHop/日本ツアー・関東の陣(JazzTokyo)(2023年)ブライアン・アレン+田中悠美子+今西紅雪@東北沢OTOOTO(2023年)蓮根魂@なってるハウス(2022年)障子の穴vol.4@ZIMAGINE(2020年)トム・ブランカート+ルイーズ・ジェンセン+今西紅雪+田中悠美子@本八幡coo...インプロヴァイザーの立脚地vol.26今西紅雪(JazzTokyo)

  • ラマチウケシコロ(JazzTokyo)

    #1334ラマチウケシコロ-魂を受け継ぐ-●矢部優子春の気たつを以て也@成城学園前アトリエ第Q藝術(2024年)矢部優子+山㟁直人+広瀬淳二@アトリエ第Q藝術(2023年)りら~雲を吐き、星を喰うhomagestoTetsu~@山猫軒(JazzTokyo)(2023年)古池寿浩+矢部優子+増渕顕史@水道橋Ftarri(2022年)神田綾子+矢部優子+遠藤ふみ@大泉学園インエフ(2021年)DancexMusicSessionVol.01(2021年)穢れ(JazzTokyo)(2020年)ヒゴヒロシ+矢部優子、プチマノカリス/山我静+鈴木ちほ+池田陽子@なってるハウス(2019年)815展でのパフォーマンス(矢部優子、広瀬淳二、池田陽子、渡辺隆雄、遠藤昭)@好文画廊(2019年)謝明諺+秋山徹次+池田陽子...ラマチウケシコロ(JazzTokyo)

  • 山口コーイチトリオ『アフレリ』(JazzTokyo)

    #2357『山口コーイチトリオ/アフレリ』●山口コーイチ渋さ知らズfuwaworks@入谷なってるハウス(2024年)渋さ知らズ@なってるハウス(2023年)渋さチビズ@なってるハウス(2023年)川口義之+不破大輔+山口コーイチ+岡村太+高橋保行@なってるハウス(2022年)不破ワークス@なってるハウス(2020年)シワブキ@なってるハウス(2019年)渋さチビズ@なってるハウス(2019年)ヴァネッサ・ブレイ+山口コーイチ@サラヴァ東京(2018年)川下直広カルテット@なってるハウス(2017年)川下直広カルテット@なってるハウス(2016年)AAS@なってるハウス(2016年)山口コーイチ『愛しあうことだけはやめられない』(2009-10年)山口コーイチトリオ『アフレリ』(JazzTokyo)

  • 鶴見

    横浜の鶴見区潮田~仲通には関東最大の沖縄コミュニティがある。編集者の水木さん、沖縄オルタナティブメディアの西脇さんと街をうろうろ。鶴見の埋立が始まったのが1913年。京浜工業地帯の労働力として沖縄出身者が集まってきた。一方で日本政府の琉球処分(1879年、琉球王国を沖縄県として自国に編入)のあと、税を払えずに土地を手放す人が増え、1899年より移民がスタートした。ブラジル移民は1908年からのことである。だから、沖縄から鶴見、沖縄から南米への移動はこの百年ほどの話。(*1、2)日本はバブル期の1990年に入管法を改正し、日系3世までを受け入れることにした。労働力が欲しいが外国人を入れたくないとの政府の考えによるものだった。これを機に在日ブラジル人が増えた。(*3)そういったことの結果として、鶴見の沖縄コミ...鶴見

  • 柴田元幸さんによるポール・オースター

    ポール・オースター『4321』の邦訳がようやく出版され、梅屋敷の仙六屋カフェで翻訳家の柴田元幸さんによるトークが開かれた。葉々社さんの主催(いい書店!)。2013年5月に書き始めて2017年1月に出版。アメリカの事情のことを考えればこの分厚い本を2年半ほどで書き終えたことになるという。1960年代を描いた作品としては『MoonParace』、『Invisible』に次いで3作目。柴田さんが最初のところを朗読しはじめるとどうも覚えがある。それも当然で、原著が出たとき自分も読みかけ、あまりの量に挫折したのだった。柴田さんによればオースターを映画が支えていた面もあったようで、サイレント期のコメディアンであるローレル&ハーディはサミュエル・ベケット経由で意識した可能性があるという。会場では『極楽ピアノ騒動』が少し...柴田元幸さんによるポール・オースター

  • 太田昌国の世界 その87「追悼私記2話—大谷恭子さん、鈴木道彦さん」

    東京琉球館で太田昌国さんのトーク(2024/11/29)。先ごろ亡くなった弁護士の大谷恭子さん、フランス文学者の鈴木道彦さんに関する話。大谷恭子さんは全共闘世代、ブントのメンバーでもあった。たまたま脳性麻痺の小学生・金井康治の建造物侵入事件(1977年)の弁護を引き受け、そのことが彼女の弁護士生活を変えた。大谷さんのようなひとたちの地道な努力が、国連の障害者権利条約(2008年発効)、日本の障害者差別解消法(2013年制定)に結び付いた。2021年には民間企業にも配慮が義務付けられた。太田さんはこの社会を「インクルーシブ」(包摂的)なものと書く。その後大谷さんは永山則夫の弁護団にも加わり、死刑廃止論者となる。永山は極寒の地に生まれ酷いネグレクトを受けた少年時代を過ごした。ひとの背景を鑑みることなく少年犯罪...太田昌国の世界その87「追悼私記2話—大谷恭子さん、鈴木道彦さん」

  • 李俐錦+Miya+武田理沙@代々木上原Hako Gallery

    代々木上原のHakoGallery(2024/11/28)。Li-ChinLi李俐錦(中国笙)MIYA(Modularfl)RisaTakeda武田理沙(synth)李俐錦さんから「自分はloudだからエレクトロニクスと演りたい」との発言があり企画した。当日になり3人で相談し、ファーストセットはデュオふたつ(順番はMIYAさんと武田さんがじゃんけんで決めた)、セカンドセットはトリオによる即興。武田さんとのデュオで感じたのは中国笙のデジタル感(日本の笙にもシンセのような感覚があるけれど)。ふたりとも何の前触れもなく「その音」にたどりつき続け、その驚きが持続する。MIYAさんとのデュオでは、MIYAさんの作り出すサウンドがまるでプラットフォームのようになり、その場を共有してふたりとも発言する感覚。発言が蓄積さ...李俐錦+Miya+武田理沙@代々木上原HakoGallery

  • 大前チズル+中島教秀『Avec マタタビ』(Jaz.in)

    『Jaz.in』vol.14(2025年1月号)に、大前チズルさん、中島教秀さんによる『Avecマタタビ』のレビューを寄稿しました。大阪で念願の大前さんを観たばかり、いやカッコいいです。ご一読ください。マタタビ効果あり〼。●大前チズル自由部活女子—大前チズル+吉田野乃子@大阪StudioT-Bone(2024年)大前チズル『RoyalFolks』(2017-18年)大前チズル+中島教秀『Avecマタタビ』(Jaz.in)

  • 『エレクトリック・シナプス!』(Jaz.in)

    『Jaz.in』vol.14(2025年1月号)に、『エレクトリック・シナプス!』(地底レコード)を出したばかりの加藤崇之さんへのインタビュー記事を寄稿しました。話も、もちろんサウンドもめちゃおもしろいです。ぜひご一読ください。加藤崇之g、さがゆきvo,g、佐藤研二b、藤掛正隆ds、松井智恵美映像、寺部孝規音響、kagaridance●加藤崇之インプロヴァイザーの立脚地vol.24加藤崇之(JazzTokyo)(2024年)加藤崇之+神田綾子@東中野セロニアス(2024年)zekatsumaカルテット@新宿ピットイン(2023年)松風鉱一カルテット+石田幹雄@新宿ピットイン(2022年)吉田達也+加藤崇之+神田綾子@公園通りクラシックス(2022年)松風鉱一@西荻窪clopclop(2021年)エレクトリ...『エレクトリック・シナプス!』(Jaz.in)

  • 李俐錦+すずえり@Ftarri

    水道橋のFtarri(2024/11/25)。Li-ChinLi李俐錦(中国笙)Suzueriすずえり(p,org,electronics,etc.)なにしろ李俐錦さんの中国笙が多様で迫力もありすばらしい。雅楽の笙とはずいぶん異なり、音域が驚くほど幅広く、エヴァン・パーカーを思わせるマルチフォニックもみせる。共鳴管が多数あるためタッピングも逆からの息の吹き込みもまた多様。すずえりさんは李さんの呼応を期待したうえで音風景を作り出す。ピアノはピアノらしい響きと奇妙なプリペアド、オルガンによるドローン、光の明滅に反応させるエレクトロニクス、セロファンテープのマテリアル性に依拠した仕掛け。それらに時間の要素を重ね、ふたりの場を擾乱してみせるのはみごと。FujiX-E2,7Artisans12mmF2.8,Leic...李俐錦+すずえり@Ftarri

  • 稲葉佳子・青池憲司『台湾人の歌舞伎町』

    稲葉佳子・青池憲司『台湾人の歌舞伎町』(ちくま文庫)がおもしろい。新橋駅前や渋谷の道玄坂あたりは戦後台湾やくざ(というと物騒だがそういう形でしかありえなかった)が開発を担った場所だと認識していたが、歌舞伎町もまたそうだった。まずは新宿の西口マーケットがあり、そこを拠点として歌舞伎町が開発される。なぜ西口マーケット拠点かといえば今も残るトンネルを通じて歌舞伎町と地続きだったから。なぜ歌舞伎町に歓楽街と区役所ができたかといえばなにもなかったから。そして西口マーケットの一部はしょんべん横丁(いまの思い出横丁)として残る。名店どん底も紀伊國屋書店の創業者・田辺茂一から歌舞伎町に移転しろと薦められたが、結局決断できず三丁目にちょっとずれただけだったらしい。ひょっとしたら風景が変わっていたかな。コマ劇場が消えたのはつ...稲葉佳子・青池憲司『台湾人の歌舞伎町』

  • 安田芙充央『SORA』

    安田芙充央『SORA』(Pourquoi、2024年)FumioYasuda安田芙充央(p,melodica,key,perc,etc.)JoachimBadenhorst(vo,voice,cl,bcl)Akimuse(vo)NobuyoshiIno井野信義(b)DogenKinowaki木ノ脇道元(fl,altofl)TakakoHagiwara萩原貴子(fl)AsianArtStrings(strings)このアルバムにはいくつかの異なる貌があり、それらが自然に併存し、ときに介入しあっている。ジャズの貌。かつて安田文夫時代に高柳昌行のアングリーウェイブスに参加したこともあるピアニストだということを意識することはあまりない。もとより高柳がアルバート・アイラーをコンセプトとして結成したバンドでもあり、サ...安田芙充央『SORA』

  • Arashi@公園通りクラシックス

    渋谷の公園通りクラシックス(2024/11/19)。AkiraSakata坂田明(as,cl,voice)JohanBerthling(b)PaalNilssen-Love(ds,perc)のるかそるか、しかしこの速度と密度で誰も振り落とされることがないのは驚嘆にあたいする。坂田明さんは<死んだ男の残したものは>を歌った。その間ポールもヨハンもじっと耳を傾け、やがて入り、坂田さんが主旋律を吹いた。いつもと異なるありようは、おそらく谷川俊太郎さんへの追悼でもあったからだろう。FujiX-E2,7Artisans12mmF2.8,LeicaElmarit90mmF2.8(M)●坂田明坂田明+住倉カオス+竹下勇馬+オータコージ@千駄木barisshee(2024年)ヨシュア・ヴァイツェル+永井千恵+坂田明@稲毛...Arashi@公園通りクラシックス

  • 市野元彦・津上研太・外山明『melodies』CD先行発売ライブ@新宿ピットイン

    新宿ピットイン(2024/11/18)。MotohikoIchino市野元彦(g)KentaTsugami津上研太(as)AkiraSotoyama外山明(ds)SpeicialGuest:MinyenHsieh謝明諺(ts)謝明諺さんの全方位的なテナーにも、刀を抜くとナマの感じが強い津上研太さんのアルトにも聴き惚れる。それぞれのソロのときアプローチを変える外山明さんはみごと。市野元彦さんのギターには即興であろうと曲であろうと関係ない魅力があって、弾いているだけで気が付くとサウンド全体が持ち上がっている。●市野元彦西島芳+市野元彦@上町63(2024年)高田ひろ子+市野元彦@中野SweetRain(2023年)melodies@新宿ピットイン(2023年)YukariEndoProject『DROP,DR...市野元彦・津上研太・外山明『melodies』CD先行発売ライブ@新宿ピットイン

  • 北川民次展@世田谷美術館

    人が瓶や木の実になったようなフォルムに惚れ惚れする。メキシコ帰りというイメージばかりが強かったのだけれど、意外にもスタイルが変遷していったのは発見だった。やはりというべきかフェルナン・レジェからの影響もあった。戦時中に当局に依頼されての絵も謎めいていて、まったく戦意高揚につながらないのが北川民次らしい。本駒込のギャラリー・ときの忘れものでも北川作品を展示していて、これもうれしい。北川民次展@世田谷美術館

  • 加茂直明+金子雄生「路傍の人」@新宿サムライ

    新宿のサムライ(2024/11/9、マチネ)。NaoakiKamo加茂直明(舞踏)YuseiKaneko金子雄生(tp)昼でもサムライは異界。その中にさらに別の界が作られる。舞踏による外からの介入があり、楽器の音も介入するとともに、動く身体の介入に自らを開いているよう。外から聞こえる救急車のサイレンもこの界でつくられたものかもしれない。ぎりぎりの精神でもちこたえるところに境と界の価値があった。FujiX-E2,7Artisans12mmF2.8,LeicaElmarit90mmF2.8(M)●金子雄生5Trumpets@なってるハウス(2023年)加茂直明+金子雄生「路傍の人」@新宿サムライ

  • 安部公房展@神奈川近代文学館

    神奈川県近代文学展の安部公房展。展示内容がとても豊富で驚いた。8インチフロッピーのワープロやKORGのシンセも、2台のコンタックスRTSやミノルタCLEも実際に目にすることができてうれしかった。もうひとつの目当ては苅部直さん(政治学者)と鳥羽耕史さん(文学研究者)との対談。若いころ共産党に入った安部が展開したのはシュールレアリスム的な表現であり、これがソ連式リアリズムとどう折り合いを見出したのかという指摘がおもしろい。もとよりシュールレアリスムが大衆に向けられた手段であったこと、一方で安部が活動した下丸子文化集団では相手が市民であろうと容赦なくカフカの話などをしていたことについても言及があり、そのアンバランスさは今後も安部への視線のひとつであるにちがいない。そして、『箱男』では匿名性をもとにしたデモクラシ...安部公房展@神奈川近代文学館

  • エスペランサ・スポルディング@ビルボードライブ東京

    六本木ミッドタウンのビルボードライブ東京(2024/11/3)。esperanzaspalding(contrabass,el-b,vo,dance,p,g)MatthewStevens(g,el-b)EricDoob(ds)KaylinHorgan(dance)TashaeUdo(dance)今回はエスペランサの闊達さに圧倒されたのはコントラバスよりもエレキベース。そして幅広く伸びる声、ダンス、ピアノ、ギター。中心にあるのは愛。また完璧を超えるステージをみせてくれた。●エスペランサ・スポルディングクリス・デイヴィス『DiatomRibbons』(2018年)エスペランサ・スポルディング@ブルーノート東京(2017年)テリ・リン・キャリントン(SocialScience)『WaitingGame』(201...エスペランサ・スポルディング@ビルボードライブ東京

  • 安田芙充央+水谷浩章@横濱エアジン

    関内の横濱エアジン(2024/11/2)。FumioYasuda安田芙充央(p)HiroakiMizutani水谷浩章(b)ピアノの音と音との間に、残響に、過去と未来の音の記憶が侵入する。またとない体験だった。個人体験を大事にすることにして、挨拶もせずに帰った。FujiX-E2,LeicaElmarit90mmF2.8(M),7Artisans12mmF2.8●安田芙充央ヨアヒム・バーデンホルスト+井野信義+安田芙充央@稲毛Candy(2023年)TRYANGLE/安田芙充央+井野信義+山崎比呂志@なってるハウス(2022年)ヨアヒム・バーデンホルスト+安田芙充央+井野信義@稲毛Candy(2020年)PoemofaCellSound/FilmInstallation&ConcertinTokyo@ドイツ...安田芙充央+水谷浩章@横濱エアジン

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