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幕末血戦録 http://thshinsengumi.seesaa.net/

若者達が異なる信念の元に命を賭した時代、幕末。新撰組と御陵衛士を中心に、人々の生き様を書き記します。

服部武雄
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2013/12/07

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  • 雪の章(10)

    「護衛ですか。監視の間違いではございませんか?」 憎まれ口が戻ったのが嬉しくて、土方は思わず笑ってしまった。それだけの元気があれば大丈夫だろう。 「達者でな」 颯爽と羽織をひるがえして、土方は茶岡を後にした。 持ち出す荷物は少なかった。 午後には市中を離れ、西に向かった。急ぐ道中でもないが、夕方には宿場に着いておきたかった。 この日は朝から晴れて、歩いていると暑いくらいだった。 宿場も近くな…

  • 雪の章(9)

    「知っていたのか?」 「少々、不思議なご縁がございまして」 それ以上は語ろうとしない。問い詰めても無駄だろうし、そんなことをしても意味がない。 「その姉弟が、この国の未来がどうとか、本来の歴史とは違っているとか、良くそんなことを言っていたよ。芹沢の狙いが異刻人だと分かって、俺達は奴の情報を隠した。そういう意味では、あんたを捨て石にしてしまったとも言える。そして結局、服部一人に始末を押し付けてしま…

  • 雪の章(8)

    茶岡の破られたままの戸口の前には、2人の若い新撰組隊士が立っていた。この日は朝から晴れて、頭上には真っ青な空が広がっていた。 店の中は、先日の芹沢が乱入した時のままだったが、見かねた隊士達が倒れた机を直し、椅子を並べた。壊れた机や椅子は、一時的に店の外に積み上げていた。 薄暗い店内では、詩織がうなだれるようにして椅子に腰を下ろしていた。小さな机に向かい合う形で座っているのは、新撰組副長の土方歳三…

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