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幕末血戦録 http://thshinsengumi.seesaa.net/

若者達が異なる信念の元に命を賭した時代、幕末。新撰組と御陵衛士を中心に、人々の生き様を書き記します。

服部武雄
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2013/12/07

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  • 鬼の章(62)

    「言葉がありません。それも私の力不足という他ありません」 伊東は座したまま一度姿勢を整えると、深々と頭を下げた。 「誤解して頂きたくないが、我々は貴殿方を責めるつもりは毛頭ない。理解を得られなかったのは、京都天狗党の党首である私の力不足でもある訳で、そこで貴方を責めるのは筋違いと考えてもいる」 「恐縮です」 「しかし、少々気がかりな事があるのも事実」 頭を上げかけた伊東の言葉を遮り、芹沢が続ける…

  • 鬼の章(61)

    新見が斬られてから間もない上に、未だに下手人は明らかになっていない。 芹沢以下、京都天狗党の面々には何処とない重さがあったが、それも酒が進むにつれて変わっていた。 元来の酒好きである。平間や野口の口調も徐々に大きくなる。改めて手を組み、この国を立て直そうなどと意気を挙げる。 そのような中でも、芹沢の能面のような薄い笑い顔だけが、終始変わることがなかった。 酒の量に比例して上機嫌になる天狗党の面々…

  • 鬼の章(60)

    服部は一度寺の堂内に走り込むと、刀を手にして素早く飛び出した。 「彼らの場所は」 「熊がついております」 走り出した服部のすぐ後ろに猿がついた。気付けば、服部の前方をもう1人が走っている。先導役ということだ。 「案内してくれ」 頼む。間に合ってくれ。胸の中でそう叫びながら、服部は京の夜道を駆けた。 島原にある角屋の2階を借りきって、席は一見豪勢に開かれているように見えた。 芹沢鴨を筆頭に、平間…

  • 鬼の章(59)

    仲間の存在も重要だ。今の服部は1人だ。芹沢が天狗党の者達と一緒にいる状況では勝ち目がない。猿や蜂は情報収集や服部の身の回りの世話などの支援はしてくれる。しかし、戦闘に加わることはない。それは最初に明確に伝えられた話だった。 先日も、新見が1人で行動していることを調べあげ、夜更けの襲撃に適した状況を見定めたのは彼らだ。だが、万一戦闘で服部が窮地に陥っても、彼らが手を貸すことはない。だからこそ、芹沢と…

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