鬼の章(58)
しかし、と清河の内なる声は別のことも呟いた。そんな思惑などたやすく一蹴してしまう。芹沢鴨という男は、そういう型破りな一面もあわせ持っているのだ。 清河が、自身も気づかぬ内に息を飲んでいた。それ程の緊迫感に包まれたその場の空気を破ったのは、芹沢だった。 「そのように深読みをなさるな。服部が記憶を取り戻すことは、この先の仕掛けにおいても必要なこと。そのことで貴殿の責を問うような真似はしませんぞ。我々…
2021/02/28 22:13
2021年2月 (1件〜100件)
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