鬼の章(62)
「言葉がありません。それも私の力不足という他ありません」 伊東は座したまま一度姿勢を整えると、深々と頭を下げた。 「誤解して頂きたくないが、我々は貴殿方を責めるつもりは毛頭ない。理解を得られなかったのは、京都天狗党の党首である私の力不足でもある訳で、そこで貴方を責めるのは筋違いと考えてもいる」 「恐縮です」 「しかし、少々気がかりな事があるのも事実」 頭を上げかけた伊東の言葉を遮り、芹沢が続ける…
2021/03/28 22:54
2021年3月 (1件〜100件)
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