ブログみるアプリ
日本中の好きなブログをすばやく見られます
無料ダウンロード
ブログ村とはIDが異なります
メインカテゴリーを選択しなおす
フォロー
静かな夜には14
月夜の猫-BL小説です 静かな夜には14 BL小説 朝、起きてみると、体中が痛い。 「夕べ、調子に乗りすぎたかな~」 良太はぼそりとつぶやいた。 それより、工藤には昨日フロントで会って以来顔を見ていない。 顔を洗っていると、部屋の電話が鳴った。 「はい! あ、何だ、お前か」 慌てて電話に駆け寄るが、
2025/01/31 12:33
寒に入り31
月夜の猫-BL小説です 寒に入り31 BL小説 「しばらくして目え冷めてきて、起きな思た時や、その子が、誰かと電話で、八木沼なんかちょろい、写真撮ればカモれるとか何とか話しよって」 「え、それってハニートラップ?」 八木沼の話に良太は驚いた。 「先輩にくれぐれも引っ掛かるなて、耳タコやったのに、ほんまにな
2025/01/31 12:22
静かな夜には13
月夜の猫-BL小説です 静かな夜には13 BL小説 ―――――――――が、しかし。 「あ、良太、いたいた!」 「よう、元気だったか? 俺がいなくてさびしかったろ?」 翌朝、連れがきているという、フロントからの連絡に、うきうきとロビーに降り立った良太は、聞き覚えのあるそれらの声に、耳を疑った。 「あ…アス
2025/01/30 12:56
寒に入り30
月夜の猫-BL小説です 寒に入り30 BL小説 八木沼にも話したのであれば、よほど八木沼のことを信用しているのだと良太は改めて思う。 インタビューが終わり、携帯を見ると時刻はまだ二時前である。 スタジオ見学には十分間に合いそうだと思いながらスタッフと打ち合わせを終えて帰り支度をするか、という時に、八木沼
2025/01/30 12:26
Hiver2025更新中です
■「Hiver2025」では 静かな夜には(工藤×良太11)更新中です。 近々、「いつだってこれだよ」(河崎×
2025/01/30 01:05
静かな夜には12
月夜の猫-BL小説です 静かな夜には12 BL小説 翌朝は、かろうじて雪も小降りになり、中標津町を出た一行は、一路道西へと向かった。 昼にはニセコに着いた一行は、一旦宿となる『ホテルニセコ』に荷物を預け、その足で撮影に出向く。 だが、それも、風蓮湖の時とは打って変わって、楽しげに辺りに生息する野生動物を
2025/01/29 18:59
寒に入り29
月夜の猫-BL小説です 寒に入り29 BL小説 子供の頃は、差別的な言葉でからかわれたとも言っていたが、本人の陽気な性格や笑うと目がなくなり、厚めの唇がにっと笑うとカワイイ! とSNSでのお茶目なショットやオフシーズンには芸人顔負けのしゃべりでバラエティなどに出たりしているせいで、中高女子から大人女子まで、
2025/01/29 18:52
静かな夜には11
月夜の猫-BL小説です 静かな夜には11 BL小説 「明日はニセコだ。撮影予定は一日だけだから、あとは羽伸ばしていいぞ、みんな」 ワンボックスカーの中で、下柳が言うなり、おおおーーーっとみんなの口から雄たけびが上がる。 「せっかくだから、良太ちゃんも、スキーでもスノボでもやりまくっていけばいい」 「え、はあ」
2025/01/28 12:12
寒に入り28
月夜の猫-BL小説です 寒に入り28 BL小説 そんなことを考えている良太もまた、翌日は忙しかった。 携わっているスポーツ番組『パワスポ』の特集で、レッドスターズの新鋭、八木沼大輔を取り上げることになり、午前中はMホテルでその取材が入っていた。 慰労会二日目は、エステや観劇、買い物など手配だけしてそれぞ
2025/01/28 12:08
静かな夜には10
月夜の猫-BL小説です 静かな夜には10 BL小説 「はい、俺の方はヤギさんいるし。俺、初めてヤギさんの本領見た気がします。何か迫力違うし、すごいですね」 工藤は笑った。 「ああ、そっちは寒いだろう?」 「ええ、すっげー寒いんですけど、最高気温もマイナスだし、でも、これが本物の自然かって感じで、白鳥とか大
2025/01/27 12:25
寒に入り27
月夜の猫-BL小説です 寒に入り27 BL小説 「前に良太に送ってくださったブランデーケーキ、頂いたんですけどすんごく美味しかったです!」 「あら、嬉しいわ。また焼いて送りますね」 口を挟んだアスカにも百合子はにこにこと笑顔を向ける。 「ケーキと言えば杉田さんもプロ並み。何せ、うちの社長の子どもの頃からケーキ
2025/01/27 12:17
静かな夜には9
月夜の猫-BL小説です 静かな夜には9 BL小説 白鳥が声高に鳴いた。 大きく羽を広げ、羽音さえ、空気を伝わって耳に残る。 空に一点の曇りが宿った、と思いきや、舞い降りたのは大鷲だ。 風蓮湖。 海水が混ざる汽水湖だという。 今でも手つかずの自然が残り、約三百種の野鳥が去来する。 良太は、下柳たち
2025/01/26 13:13
寒に入り26
月夜の猫-BL小説です 寒に入り26 BL小説 しらっちゃけた会にならないようにと気を配った良太の考えより遥かに賑やかなものとなったのは、主に女性陣のお陰だ。 というより、女性陣はほぼ明るくておしゃべりで賑やかで美味しい物が好きな人が集まった感じで、あっという間にあちこちで笑い声が上がっている。 杉田さ
2025/01/26 13:03
静かな夜には8
月夜の猫-BL小説です 静かな夜には8 BL小説 「良太、俺のことなんか、かまってらんないみたいだし」 「すねたような言い方すんな。俺には俺の仕事があんの。ほら、着いたぞ」 小笠原が自分に懐いてくれるのはいいのだが、実際問題として、良太が小笠原のマネージメントを全面的に引き受けるとすれば、今の仕事を全てほっぽ
2025/01/25 12:26
寒に入り25
月夜の猫-BL小説です 寒に入り25 BL小説 ドアが閉まるなり、工藤は良太の腕を引くとその後ろ頭を持ち上げるようにして唇を重ねてくる。 執拗でエロいキスに酸欠になりそうで喘ぎながら工藤のコートを掴む良太だが、そのうち夢中にさせられて身体から力がふっと抜けていく。 唇が離れると、良太は思い切り息を吸い
2025/01/25 12:22
静かな夜には7
月夜の猫-BL小説です 静かな夜には7 BL小説 日本では午後五時を回ったところだから、ニューヨークは真夜中の三時頃のはずだ。 「あ、はい、明後日から根室のヤギさんに合流します。はあ、そうですか。わかりました。極力本人にも自覚させますから。はい、気をつけて。おやすみなさい」 携帯を切ると、そこはかとない寂
2025/01/24 12:47
寒に入り24
月夜の猫-BL小説です 寒に入り24 BL小説 最近は生意気に俺に指図なんかしやがって。 工藤の宴会嫌いとか、年齢が上の女性にはあまり強く出られないところなどを良太は把握して、うまく立ち回っている。 竹野に関しては他の共演者とうまくやって行けるかどうかが問題だとは思っていたが、誰かが上から目線でそんなこ
2025/01/24 12:42
静かな夜には6
月夜の猫-BL小説です 静かな夜には6 BL小説 「だから、言っただろ? お前、結構イイセンいってたから、覚えてるやつが多いんだよ」 後部座席の小笠原が、シートの間から身を乗り出さんばかりに断言する。 「何がイイセンなもんか。とにかく、俺は今、お前のマネージャーなんだから」 「ちぇ、頑固なんだからよ、見か
2025/01/23 13:12
寒に入り23
月夜の猫-BL小説です 寒に入り23 BL小説 バタバタと動いていたので寒さもどこぞへ消えて汗だくになった良太は、七時まで十五分となったところでバスルームに飛び込んでシャワーを浴びた。 五分で出てくるとざっと髪にドライヤーを当て、セーターを被ってジーンズを履く。 時間がなくて手近にあったダッフルコートを
2025/01/23 13:01
静かな夜には5
月夜の猫-BL小説です 静かな夜には5 BL小説 「…っせーんだよ」 良太はさっさとスタジオのドアを開けた。 「なんだよ」 小笠原は怪訝そうに良太を見た。 「工藤はヤクザなんかじゃねー!」 「へ?」 「今度、ふざけたことをぬかしたら、ただじゃおかねーからな」 ぽかんと口を開けたまま、しばし突っ立っていた
2025/01/22 12:24
寒に入り22
月夜の猫-BL小説です 寒に入り22 BL小説 お土産などもいっそ宅配してしまうのがいいかも知れない。 「そういえば、奈々ちゃんとこご両親が参加されるってことです」 「ほう?」 奈々と言えば良太にとっては曰くありありで、何しろ、奈々が親に黙って映画のオーディションを受けたことがわかって、良太は当初、激怒し
2025/01/22 12:19
静かな夜には4
月夜の猫-BL小説です 静かな夜には4 BL小説 ニューヨークで初舞台を踏む志村嘉人に、小杉と工藤も同行して現地にいる。 世界で既にその名を知らしめている演出家筒井明彦演出の『ハムレット』の舞台出演だ。 過去のシェークスピア劇にとらわれない、斬新な演出が話題になっている。 その筒井と組んでプロデュース
2025/01/21 13:00
寒に入り21
月夜の猫-BL小説です 寒に入り21 BL小説 「みんなの希望日時をまとめると来週末ってことでAホテルは確保しました。二泊三日で、アスカさん、志村さんは撮影で一泊になりますが、親睦会は社員は全員OKです。ご家族の方がまだお返事保留の方がいますけど」 「そうか」 「一応、宴会場を借りて食事はホテルのメインレスト
2025/01/21 12:46
静かな夜には3
月夜の猫-BL小説です 静かな夜には3 BL小説 二月も終わりに差し掛かり、たまに春めいた風が流れる日はあるものの、まだまだ身震いするような寒さが日本列島上空に居座っている。 「何やってんだよ! 五時にはきっかりスタジオに行かなくちゃなんないんだぞ」 広瀬良太は、ぐずぐずとまだコーヒーなんかを飲もうとして
2025/01/20 13:36
寒に入り20
月夜の猫-BL小説です 寒に入り20 BL小説 東洋グループ側からは、紫紀を始め、中平広報室次長、岡林広報室長、宮下東洋商事営業第一部本部長、渡辺東洋フィナンシャル営業第一部本部長など、主要幹部が列席すると言われて、良太は心の中で溜息をつく。 何? その顔触れ。 紫紀が直々に沢村にオファーしたことからも
2025/01/20 13:19
静かな夜には2
月夜の猫-BL小説です 静かな夜には2 BL小説 石川が受話器を置くと、ややあって電話が鳴り、女子社員が出た。 「編集長、広瀬さんって小笠原さんのマネージャーから」 「はい、石川です」 受話器を取る石川に目をやりながら、女子社員が山野に向き直る。 「でもさ、仕方ないよ、今、一番人気だもん、彼」 「まーね
2025/01/19 14:02
寒に入り19
月夜の猫-BL小説です 寒に入り19 BL小説 「こういう席なので無粋な話は極力控えたいところですが、今回、CMの件、佐々木さんにも快諾頂いてありがとうございます」 「あ、はあ」 沢村は思わず仏頂面で紫紀を見た。 「あ、藤堂さん、良太ちゃんも、よろしくお願いいたします」 「はい、こちらこそぜひ、いいものにな
2025/01/19 13:52
静かな夜には1
月夜の猫-BL小説です 静かな夜には1 BL小説 我侭なタレントに振り回されるのはテレビやラジオ業界だけではない。 情報を先取りして旬の話題を追いかける週刊誌はもとより、流行を創り出す一端を担う女性誌もその忙しさは並大抵ではない。 我侭タレントがスケジュールを散々変更させた上、やっと撮影にこぎつけた
2025/01/19 06:57
静かな夜には(工藤×良太9)
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です 静かな夜には(工藤×良太9) BL小説 昭和なオヤジ工藤と、部下で秘書兼プロデューサー元野球少年で直球な良太のすったもんだラブ。ドタキャンした俳優の代役で良太がCMに出る出ないで工藤とひと悶着のあとイタリアでのロケを終えて会社に戻ってきていた良太は
2025/01/19 05:38
Hiver2025
■静かな夜には(工藤×良太11) boys love novel Hiver 2025 以前のエピソードに少し
2025/01/19 04:38
寒に入り18
月夜の猫-BL小説です 寒に入り18 BL小説 淑子に言葉をかけられて神妙に頷いている工藤を見て、良太はまた一人、工藤の苦手な相手を見つけた気がして、笑みを禁じ得ない。 この場合の苦手は、決して嫌いじゃないが、という前提だ。 クソババア、なんて自分の祖母のことを詰っていた工藤だが、案外、本人を目の前にし
2025/01/18 11:58
寒に入り17
月夜の猫-BL小説です 寒に入り17 BL小説 俄かに沢村の周りが賑やかになった。 沢村は煩わしくて仕方ないながらも、佐々木のことが気になって目で探していた。 佐々木は母の淑子と一緒に小夜子や義母佐保子、浜村会長らと話しているところだった。 そこに兄の宗一郎がいるのを見て、沢村は眉を顰めた。 思わ
2025/01/17 12:35
寒に入り16
月夜の猫-BL小説です 寒に入り16 BL小説 すると由樹も名刺を差し出した。 「まあ、よろしく。智ちゃんの従姉の大河内由樹です」 名刺には三友産業グループ、三友ホールディングス、専務取締役という肩書があった。 「プロデューサーさん、カッコいいわね」 「いえ、まだてんで駆け出しなので」 「パワスポとかやっ
2025/01/16 12:49
寒に入り15
月夜の猫-BL小説です 寒に入り15 BL小説 亭主の小夜子が正客である淑子に銚子と引き盃を渡し、盃が最初のグループ内に順に渡ったところで、酒を注いでいく。 次のグループからは、直子と洋子も亭主側の手伝いとして同じように銚子と引き盃を持って回った。 全員に行き渡ると、直子と洋子も末席の自分の席に着き、そ
2025/01/15 12:21
寒に入り14
月夜の猫-BL小説です 寒に入り14 BL小説 「ちょっと、良太、もう二度目でしょ? 今頃から根を上げてどうすんのよ」 「アスカさん、案外正座も平気なんだ?」 顔を顰める良太の足はまだジンジンする。 「これでも一応、お茶もかじってるし」 ツン、とアスカは自慢げな表情を見せる。 「そうなんだ?」 ふと良
2025/01/14 12:18
Summer Break ようやくラストです
月夜の猫-BL小説です Summer Break ようやくラストです BL小説 年が明けて世の中寒波が襲来のこのシーズン、 お正月も終わりですが、 Summer Breakようやくラスト、です。 すみません、唐突に充電切れすることがあり、 そうすると、次が出てこなくなることがあって。 というか、
2025/01/14 12:04
寒に入り13
月夜の猫-BL小説です 寒に入り13 BL小説 どうやら良太と工藤、沢村は金髪碧眼にフレームレスの眼鏡をかけた男と一緒のグループのようで、先頭に研二が座り、良太、沢村、金髪男、工藤という順に席入りした。 「沢村、お前、英語しゃべれるんだろ? 隣の人何者だよ」 「英語人種じゃねぇみたいだぜ? フランス語っぽ
2025/01/13 12:55
Summer Break38 ラスト
月夜の猫-BL小説です Summer Break38 ラスト BL小説 何だかわからなかったが、その夜の工藤は割と酔っていたのか機嫌がよさそうに思えたものの、別荘に帰ってから猫の世話を済ませて翌日帰る準備をしていた良太の部屋を強襲して、やたら良太に絡んできた。 良太としてもせっかく東京を離れて二人きりでい
2025/01/13 12:21
Summer Break37
月夜の猫-BL小説です Summer Break37 BL小説 「初犯で執行猶予も終わってほとぼりが冷めた頃でも、いざ復帰となると、視聴者が金輪際許さないとばかりダメ出しするんで、スポンサーもうんとは言わない。せっかく実力のあるやつらがバカをやって這い上がれなくなる」 工藤が怒りを滲ませた口調で言った。
2025/01/12 22:50
寒に入り12
月夜の猫-BL小説です 寒に入り12 BL小説 「そういえば、匠も来るんですか?」 ふと思いついて、良太は工藤に聞いた。 「俺は聞いていないが、綾小路は贔屓筋だし、今日何も入ってなければ来るんじゃないか」 財界人らしき顔が大方集う中で、ここの一角だけ少し異質な雰囲気になっているようだと良太は感じた。 関
2025/01/12 13:07
寒に入り11
月夜の猫-BL小説です 寒に入り11 BL小説 さり気に見まわすと、昨年、沢村の父親の意向で会社の顧問弁護士の息のかかった調査員が沢村を法を逸脱した素行調査をしているという、良太にしてみれば未だもって消化不良な出来事があった時、データの中にあった沢村の兄らしき人物が、着物姿の夫人とともにリビングの隅にいるの
2025/01/11 15:05
寒に入り10
月夜の猫-BL小説です 寒に入り10 BL小説 成長してからは、良太も亜弓の言う意味がよく分かったし、自分の出来が良かったわけではないことも頷けた。 だがそのうち努力賞が自分なのだと開き直ったから今がある気がする。 冷静に考えてみると、去年、やたら悩んでいたのがバカみたいに思えてくる。 周りがみんなで
2025/01/10 11:46
寒に入り9
月夜の猫-BL小説です 寒に入り9 BL小説 「ちょ、待てよ! 不謹慎だろ!」 「うるさいやつだな、それはそれ、これはこれだろ」 工藤は良太の抵抗など意に介しない。 「何、ヘリクツ言ってんだよ!」 「慰めてくれるんじゃないのか?」 「エロオヤジなんか慰めるつもりはない!」 「とか何とか、こっちはしっかりそ
2025/01/09 11:57
寒に入り8
月夜の猫-BL小説です 寒に入り8 BL小説 「まあなあ。あ、忘れないうちに言っとくけど、例のドラマほぼ本決まりだから、キャスティング決まったらよろしくな」 「ちぇ、良太、やっぱ工藤にマインドコントロールされてるぞ」 「るさいよ!」 小笠原とああでもないこうでもないと言い合ったことで、良太は懸念していた慰
2025/01/08 12:45
寒に入り7
月夜の猫-BL小説です 寒に入り7 BL小説 でも兄弟姉妹とかとも連絡とってないのかなあ。 良太はしばし思いをめぐらした。 「しかしほんと、うちの社員て訳アリ過ぎ」 「いやあ、人間誰しも、いろいろあらあな」 小笠原がやけに達観したようなことを言う。 「悟りの境地になってんなよ」 「これがならずしていら
2025/01/07 13:39
勝手にしやがれ!8
月夜の猫-BL小説です 勝手にしやがれ!8 BL小説 軽く追い上げられて、体を繋がれてしまうと、あとはもう工藤にいいように泣かされる。 「……あんた、またタバコ、本数増えただろ」 煙草の苦さまで味わわされた腹いせに、そんな悪態をついてみるが、工藤の髪やシャツに染みついた煙草の匂いに、ふっと安堵する自分もい
2025/01/07 13:27
寒に入り6
月夜の猫-BL小説です 寒に入り6 BL小説 そういえばあの横柄スラッガーも、年末にかおりらと飲んだ時、披露宴に呼ばれたことがないから、是非呼んでくれなどとほざいていた。 まあ、俺に何でも相談室をやらせるくらいだから、本音が言い合えるような相手というのはやはりいないんだろう。 「お、何かさり気に、いいカ
2025/01/06 13:01
勝手にしやがれ!7
月夜の猫-BL小説です 勝手にしやがれ!7 BL小説 俺なんか、工藤のあとを一生ついて行こうなんて思ってるけど、ほんとのところ、いつまで一緒に、傍にいられるんだろう。 その時、テーブルの上の携帯がワルキューレを奏で始めた。 「はいっ、お疲れ様です」 慌てて携帯を掴むと、良太は勢い込んで電話に出る。 「え
2025/01/06 12:41
寒に入り5
月夜の猫-BL小説です 寒に入り5 BL小説 「何度目かで、何とか、家から通うとか、門限厳守とか、学校は必ず行かせるとか、ルールをクリアするのであればって条件付きでOKもらってさ」 「女子高生だったんだもんな、わからないでもない」 小笠原はわかったふうに頷きながら焼き鳥を齧る。 「奈々ちゃんのマネジャー兼
2025/01/05 12:55
勝手にしやがれ!6
月夜の猫-BL小説です 勝手にしやがれ!6 BL小説 「ってか、その沢村だ」 さっきから頭の中でぐるぐるしているのは、沢村の問題発言のことだ。 「佐々木さんっていったって、そんな名前どこにでもあるしな」 だが、最近沢村の周りにいる佐々木といえば、あの、クリエイターの佐々木周平しか思いあたらない。 佐々
2025/01/05 12:47
寒に入り4
月夜の猫-BL小説です 寒に入り4 BL小説 憑依型なんぞとどこで仕入れて来たのか、難しい言葉を使ったりしているが、小笠原の語彙力のなさは自分と変わらない。 「よっしゃ、俺もハムレットになりきろ!」 ガツガツと唐揚げを頬張る小笠原を見つめて、良太は大丈夫なのか、とちょっと心配したものの、小笠原も舞台は初め
2025/01/04 13:13
勝手にしやがれ!5
月夜の猫-BL小説です 勝手にしやがれ!5 BL小説 「お前……」 良太は頭の中がこんがらがって、次の言葉が出てこない。 「いいから、行けって」 沢村はドアを開けた。 「お前こそ明日、ちゃんとトークショー行けよ?」 「わかってる」 「話はまた今度聞くから」 「いいって……」 「……よくない! また連絡する」
2025/01/04 13:06
寒に入り3
月夜の猫-BL小説です 寒に入り3 BL小説 七十代では今時まだ若いだろうその生きざまは、良太が以前ブツブツ呟いていたように魑魅魍魎が跋扈するような業界にあってはいっそ清々しいまでに実直だった。 「何でお前がおめおめと顔を出すんだよ」 通夜が終わり、残った数名が棺の前に座った時、早速文句をつけてきたのは、
2025/01/03 16:00
勝手にしやがれ!4
月夜の猫-BL小説です 勝手にしやがれ!4 BL小説 「十月の終わりだ……あの人に会って、自分でもマジかって疑ったんだが、ひと目惚れってやつ? それから何とかあの人と再会にこぎつけて、何度か会って………あの人も絶対、俺のこと好きだって、そう……思い上がってたのかもな………」 沢村はじっと真剣な表情で聞いてい
2025/01/03 15:51
寒に入り2
月夜の猫-BL小説です 寒に入り2 BL小説 車の中でスニーカーを靴に履き替えながら、工藤は入社したての、尖った自分をにこやかに押さえてくれた大野の顔を思い出していた。 局内でも有能なプロデューサーとして知られ、工藤が退社する頃には取締役になっていた。 大らかで、特異な出自ということで工藤を蔑視するよ
2025/01/02 12:45
勝手にしやがれ!3
月夜の猫-BL小説です 勝手にしやがれ!3 BL小説 ドアが開いて、バスローブ一枚で出てきた男を見ると、良太はムッとした顔で中に入った。 「……良太、会いたかった……」 背後から良太を抱きしめる沢村にますます良太は呆れた。 「おい、苦し…………離せってば! 酒臭………!」 ようやく沢村が腕を緩めると、転
2025/01/02 12:31
2025年あけましておめでとうございます
月夜の猫-BL小説です 2025年あけましておめでとうございます BL小説 本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。 今年はどうか、地球上の人々も動物も、みんなにとって良い年でありますように! 年末は忙しなく、xmas2024では、ぎりになってから、 「勝手にしやがれ!」を始めてしまいました。 xma
2025/01/02 04:38
寒に入り1
月夜の猫-BL小説です 寒に入り1 BL小説 五日くらいまでは晴れていい年明けだったのだが、六日の朝から寒波の襲来で東京は年末の大雪にもまして交通にも人の動きにも影響が出た。 雪が十センチも積もれば、東京では大雪なのだが、本来の大雪に見舞われている地域に住む人々からは、その程度で大雪などと言うのはおかしい
2025/01/02 04:15
お正月2025
■寒に入り(工藤×良太45) boys love novel お正月 2025 以前のエピソードに少し手を加え
2025/01/02 03:16
寒に入り
「月鏡28」「限りの月29(お前にだけ狂想曲5)」「嘉月30(お前にだけ狂想曲6)」の後、沢村と佐々木の「好き
2025/01/01 23:25
勝手にしやがれ!2
月夜の猫-BL小説です 勝手にしやがれ!2 BL小説 それでもまあ、この年末良かったと思うようなことがないわけでもないから、帳消しとまではいかずともその時ばかりは気分は上昇する。 例えば幼馴染でリトルリーグの頃からバッテリーを組んできた肇と、高校の時、部のマネージャーだったかおりが最近つきあい始めたことだ
2025/01/01 13:26
2025年1月 (1件〜100件)
「ブログリーダー」を活用して、あきつさんをフォローしませんか?