香水のレビュー(満点は☆7)☆☆☆☆☆★★(5点) 真っ青な空。カリフォルニアの青い空。かつてアメリカの若者やヒッピーは、小さな荷物に大きな期待をつめこんで、ヒッチハイクしながらルート66に乗って西へ向かった。西に行けば何かいいことがあると信じて。そこは雨の降らない太陽の光あふれる土地。ヴィトンのサンソングは、遠く離れたフランスのグラースから、同じくアメリカの西海岸を夢見ていた一人の調香師の強い憧憬が...
香水から連想するドラマをショートストーリーにしています。こだわりの香水レビューやランキングも紹介。
香りは記憶を呼び起こす。 香りは、深層心理に働きかける。 香りがテーマになったショートストーリーや香水のレビューを紹介しています。
香水のレビュー ☆☆☆☆★★★4点(満点は☆7) 春風に誘われて、新しい服に袖を通す。鏡の前であれこれとコーデを試す。真新しい靴をおろして、街をそぞろ歩きしたい。春は女性の装いが最も華やぐ季節だと思う。水がゆるみ、風が命の芽吹きの香りを運んでくる季節。春らしい装いには、花咲く頃に似合う香りがある。これは自分的には最も距離を置いている香水だけれど、女性にはとても人気のある作品。ミスディオール・ブルーミン...
「ブログリーダー」を活用して、ドギー本澤さんをフォローしませんか?
香水のレビュー(満点は☆7)☆☆☆☆☆★★(5点) 真っ青な空。カリフォルニアの青い空。かつてアメリカの若者やヒッピーは、小さな荷物に大きな期待をつめこんで、ヒッチハイクしながらルート66に乗って西へ向かった。西に行けば何かいいことがあると信じて。そこは雨の降らない太陽の光あふれる土地。ヴィトンのサンソングは、遠く離れたフランスのグラースから、同じくアメリカの西海岸を夢見ていた一人の調香師の強い憧憬が...
香水のレビュー(満点は☆7)☆☆☆☆☆★★(5点)雨が降っている。ハロン湾に雨が降っている。ブルーグレイの霧を撹拌して、深い緑色の海に雨が降っている。3階建ての豪華なクルーザーは、霧の海を静かにすべってゆく。時折、海に突き刺さった巨大な黒い墓標のように、石灰質の巨岩や奇岩が、ぬっと彼方の沖に浮かび上がる。エラ・ケイの「ハロン湾の雨」は、その名のごとく、雨の情景が似合う香水だ。調香師ソニア・コンスタン...
香水のレビュー(満点は☆7)☆☆☆☆☆☆★(6点) 夏休み。青い空。もくもく白い入道雲。少年は虫取り網と、クワガタを捕まえたカゴを勲章のように抱えて森から帰ってくる。ギラギラの太陽。ひまわり畑の横を通ったとき、キャッキャッと笑う少女の声がひまわりの迷路から聞こえた。あ、あの子だ!友達と遊んでる。青空と緑の森、そしてひまわり畑。それは日本の夏の原風景。そんな夏の自然を感じさせる香水がリベルタ...
香水のレビュー(満点は☆7)☆☆☆☆☆★★(5点)ラバンデュラ。いい名前だ。ラベンダーを意味する言葉ラバンデュラは、中世の伯爵がハイカラーシャツに合わせるクロスタイのごとき紫リボンをまとった、凛々しい女性用ラベンダー香水だ。さながら男装の麗人。そんなラバンデュラが2020年夏にどうやら廃番になったようだ。は?なんで?ペンハリガン、なんでそういうことたびたびするの?聞いた瞬間、「?」が飛びまくった。ラベン...
香水のレビュー☆☆☆☆★★★★(4点)なぜ誰も本当のことを言わないんだろう?この香水の名の本当の意味を。ローズ・プリック。「バラの刺し傷」?「バラのひと刺し」?違うだろ。プリックは英語のスラングで男性器のことだ。F・ファビュラス、ロストチェリー(破瓜・童貞喪失)と、突然何を血迷ったかおトムさん、と言わんばかりのスキャンダラスネーミングな作品が続いた後でリリースしたローズプリックが、まんま「貫通するバ...
香水のレビュー☆☆☆☆★★★(4点)”ライラックってどんな花 時々耳にするけど どんな花か知らない。花なんて昔からどうでもよかったのに でもライラックってどんな花だろうたぶん赤くて 5cmくらいの冬に咲く花 そんなに人気はない花だと思うけど”ブランキー・ジェット・シティの「ライラック」という歌の歌詞。パルルモア・ドゥ・パルファムのトータリーホワイトという香水をつけていると、この歌詞が自然に思い浮かぶ。...
「お姉ちゃん、香水変えた?」そう喉元まで出かかった。ふと、口に出してはいけない気がして、私は上目遣いにチラリと叔母の顔をうかがい、紅茶を飲んでまたマスクをした。「お姉ちゃん」と呼んではいるものの、実際は母の妹。30代半ばにしてはとても若く見える。久しぶりに会った叔母は、落ち着いた雰囲気に見えた。長かった髪もショートボブにして、ベージュのトップスにデニムスカート。ナチュラルで大人フェミニン...
香水のレビュー☆☆☆☆☆☆★(6点) 雄大なアンデス山脈を望むコテージの部屋。神秘的な星々のまたたきの下、愛し合う二人の魂が、夜に身を委ねるように燃えさかる。暖炉にくべた薪はオレンジ色の波を揺らし、ベッドでは2人の熱い吐息が互いの肌に引き寄せられていく。漆黒の闇の中、暖炉の炎が2人のシルエットを砂丘の稜線のごとく照らし出す。女が囁く。”A Fuego Lento...
香水のレビュー☆☆☆☆☆☆★(6点) 「インドなんか二度と行くか!ボケ!!」という最高に笑える本がある。著者のさくら剛さんはお笑い芸人を目指して上京するも、すぐに挫折してひきこもり生活に突入。好きな人ができても思いきりふられ、その度にインド、アフリカへやけっぱちの傷心旅行。ヤバいとこにばかり首を突っ込んでいく雑草根性が本当最高。エトロの香水を思うとき、ついこの本を思い出して笑ってしまう。エトロじ...
アン・クール・アン・メ。「5月の心」という名の香水。5月の心と聞いて真っ先に思い浮かぶのは「5月病」だ。環境が変わってあわただしく4月を終えた頃、軽い燃え尽き症候群とも言うべき停滞期を迎えることはよく知られている。それは、人や環境の変化になかなか慣れず、心が色をなくしてしまうからだ。そうなったらまず顔を上げることだ。コンクリートと人工物だらけの空の向こうを思いやってみる。そこには新緑の葉をつ...
香水のレビュー☆☆☆☆☆★★(5点)あたたかい風が森の空気をはらみ、青空へ高くのぼって雲を吹き流す頃、いっときだけ必ずつける香水がある。ディオリッシモのパルファムだ。ディオリッシモ。イタリア後の”issimo
香水のレビュー☆☆☆☆☆★★(5点)「ある日パパと2人で語り合ったさ この世に生きる喜び そして悲しみのことを」ジャック・ファットの香水、グリーンウォーターをつけていると、つい「グリーン・グリーン」の歌を口ずさみたくなる。「グリーングリーン 青空には鳥がうたい グリーングリーン 丘の上にはララ緑がもえる」グリーンウォーターの香りは、そんな緑あふれる草原の風景がよく似合う香水だ。グリーンウォーターは、1946年...
ね、ベルガモットって知ってる?ほら紅茶のさ、アールグレイってあるよね。シトラスの香りするやつ。あの香り付けに使われてるのがベルガモット。今日ぼくがつけてる香水、これね、アクアディパルマっていうイタリアの香水ブランドのベルガモットの香水。ちょっとここ、嗅いでみて。どう?レモンみたいな香りしない?ちょっと時間たってるけど。これがアクアディパルマですごく売れてる香水「ベルガモット・ディ・カラブリア...
香水のレビュー☆☆☆☆★★★(4点)カメレオンと名付けられた香水がある。動物へのリスペクトを前面に打ち出した香水ブランド、ズーロジストから2019年にリリースされた作品だ。ズーロジストの香水ボトルは、動物を人間のように肖像化した半リアルなイラストが描かれていて「どんな香りがするんだろう?」と、とても興味をそそられる。特にカメレオンのボトルは「七変化する体色」を表すかのように、虹色に反射するホログラムステッカ...
香水のレビュー☆☆☆☆☆★★(5点) 最初はそんなに好きじゃなかった。いつの間にか一緒に過ごすようになった。気がついたら、自分にとって大事な友達みたいになっていた。そんな香水がある。フエギア1833のタイースだ。「ん?セロリの匂い?」タイースを初めて肌にのせたとき、トップのグリーンを嗅いで「これはないな」と瞬時に思った。それは、以前自分が酷評したラルチザンのゾンカのトップ、薬草っぽいセロリ香に似ていたか...
香水のレビュー☆☆☆☆☆☆★(6点) こじらせている。心の中でいつも何かが戦っている。闘争の赤と逃走の青。2つが混じり合って心はずっと紫だ。「そんなの絶対許せない」と赤く燃える一方で、「本当はどうでもいい」と青い斜陽を決めこむ。心の色はそのときどきの土によって紫陽花のように変わる。赤くなったり青くなったり。それでも100%の赤や青にはなれない。ただ、紫色でいれば心は落ち着く。だから人は、ときに紫の...
香水のレビュー ☆☆☆☆★★★4点(満点は☆7) 春風に誘われて、新しい服に袖を通す。鏡の前であれこれとコーデを試す。真新しい靴をおろして、街をそぞろ歩きしたい。春は女性の装いが最も華やぐ季節だと思う。水がゆるみ、風が命の芽吹きの香りを運んでくる季節。春らしい装いには、花咲く頃に似合う香りがある。これは自分的には最も距離を置いている香水だけれど、女性にはとても人気のある作品。ミスディオール・ブルーミン...
香水のレビュー(満点は☆7)☆☆☆☆☆★★(5点)“春休みのロッカー室に 忘れたものをとりに行った ひっそりとした長い廊下を 歩いていたら泣きたくなった”シルヴェーヌ・ドゥラクルトのヴァニラコレクション香水の1つ、ヴィルジル(VIRGILE)の香りに包まれているとき、自分はいつも松任谷由美さんの「最後の春休み」のフレーズとメロディを思い出す。VIRGILEとは、共和政ローマ末から活躍した詩人、ウェルギリウスの仏語表記だ。...
☆☆☆☆★★★(4点) 卒業式が始まろうとしていた。俺は右手を学ランのポケットにつっこんで、周囲のざわめきに吐き気を覚えながら、長い廊下で入場を待っている。みんなぶっ飛ばしてやりたい。黒い頭が一列に並んでいる。ニヤニヤしてる奴、前の背中をこづいてる奴、もう泣きそうになってる女、それをなだめてるフリの女。ミンナ ブットバシテ ヤリタイこの学校には差別と嘲笑と偽善と欺瞞しかなかった。それを学べたことは有...
香水のレビュー(満点は☆7)☆☆☆☆★★★(4点)ウォーターリリー。スイレン。睡蓮といえば、印象派の画家クロード・モネの「白い睡蓮」を思い浮かべる。光まばゆい庭園の池。水面に広がる円い緑の葉、そこから白やピンクの花々が日の光に向かって咲いている風景。ジョー・マローンのウォーターリリー・コロンは、2020年春にリリースされたブロッサムコレクションの1本だ。同じく新発売されたユズコロンと、復刻したシルクブロッサム...
香水のレビュー ☆☆☆☆★★★4点(満点は☆7) 春風に誘われて、新しい服に袖を通す。鏡の前であれこれとコーデを試す。真新しい靴をおろして、街をそぞろ歩きしたい。春は女性の装いが最も華やぐ季節だと思う。水がゆるみ、風が命の芽吹きの香りを運んでくる季節。春らしい装いには、花咲く頃に似合う香りがある。これは自分的には最も距離を置いている香水だけれど、女性にはとても人気のある作品。ミスディオール・ブルーミン...
香水のレビュー(満点は☆7)☆☆☆☆☆★★(5点)“春休みのロッカー室に 忘れたものをとりに行った ひっそりとした長い廊下を 歩いていたら泣きたくなった”シルヴェーヌ・ドゥラクルトのヴァニラコレクション香水の1つ、ヴィルジル(VIRGILE)の香りに包まれているとき、自分はいつも松任谷由美さんの「最後の春休み」のフレーズとメロディを思い出す。VIRGILEとは、共和政ローマ末から活躍した詩人、ウェルギリウスの仏語表記だ。...