香水のレビュー(満点は☆7)☆☆☆☆☆★★(5点)“春休みのロッカー室に 忘れたものをとりに行った ひっそりとした長い廊下を 歩いていたら泣きたくなった”シルヴェーヌ・ドゥラクルトのヴァニラコレクション香水の1つ、ヴィルジル(VIRGILE)の香りに包まれているとき、自分はいつも松任谷由美さんの「最後の春休み」のフレーズとメロディを思い出す。VIRGILEとは、共和政ローマ末から活躍した詩人、ウェルギリウスの仏語表記だ。...
香水から連想するドラマをショートストーリーにしています。こだわりの香水レビューやランキングも紹介。
香りは記憶を呼び起こす。 香りは、深層心理に働きかける。 香りがテーマになったショートストーリーや香水のレビューを紹介しています。
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香水のレビュー(満点は☆7)☆☆☆☆☆★★(5点)“春休みのロッカー室に 忘れたものをとりに行った ひっそりとした長い廊下を 歩いていたら泣きたくなった”シルヴェーヌ・ドゥラクルトのヴァニラコレクション香水の1つ、ヴィルジル(VIRGILE)の香りに包まれているとき、自分はいつも松任谷由美さんの「最後の春休み」のフレーズとメロディを思い出す。VIRGILEとは、共和政ローマ末から活躍した詩人、ウェルギリウスの仏語表記だ。...
☆☆☆☆★★★(4点) 卒業式が始まろうとしていた。俺は右手を学ランのポケットにつっこんで、周囲のざわめきに吐き気を覚えながら、長い廊下で入場を待っている。みんなぶっ飛ばしてやりたい。黒い頭が一列に並んでいる。ニヤニヤしてる奴、前の背中をこづいてる奴、もう泣きそうになってる女、それをなだめてるフリの女。ミンナ ブットバシテ ヤリタイこの学校には差別と嘲笑と偽善と欺瞞しかなかった。それを学べたことは有...
香水のレビュー(満点は☆7)☆☆☆☆★★★(4点)ウォーターリリー。スイレン。睡蓮といえば、印象派の画家クロード・モネの「白い睡蓮」を思い浮かべる。光まばゆい庭園の池。水面に広がる円い緑の葉、そこから白やピンクの花々が日の光に向かって咲いている風景。ジョー・マローンのウォーターリリー・コロンは、2020年春にリリースされたブロッサムコレクションの1本だ。同じく新発売されたユズコロンと、復刻したシルクブロッサム...
香水のレビュー(満点は☆7)☆☆☆☆☆★★(5点)恋心。罪びとのときめき。涙のインクでしたためた狂おしい思い。彼女はその手紙に封蝋をして、トランクの棺桶にそっと入れる。何通も書いては、それを白百合の花にはさんで。それは決して届かない愛の手紙。片恋の葬送のように。サノマの4-10は、ブランドを興した渡辺裕太氏がガルシア=マルケスの小説「百年の孤独」の1シーンから着想を得て創った香水だ。同じ男性を好きになっ...
☆☆☆☆☆★★(5点)「ねえママ、リボンにママの香水つけてー。」「香水?あ、シャッセ・オ・パピヨン?」「うん。あの匂い、だーい好き。つけてつけてー!」ちょっと待ってね。そう言ってドレッサーから香水を取り出す。金色キャップのシャッセオパピヨン。そう言えば、最近つけてなかった。そう思いながらソファーに戻る。座った瞬間、娘がひざの上にドン!と座ってくる。重っ!!いつの間にこんなに重くなったの?こんなんで来月の...
香水のレビュー(満点は☆7)☆☆☆☆★★★(4点) 夏の夜。女の息づかい。黒い闇を照らすオレンジの灯り。はぎとられたベール。エキゾティックな瞳。浅黒い肌に鼻を近づける。ウードを焚きしめた狭い部屋の中は、焦げた煙の波が漂っている。彼女の肌は汗ばみ、塩辛い海の味がする。日に灼けたアンバーの匂いとウードの紫煙の中で、灯りに照らされた琥珀色の肉体は砂丘のように稜線を描き、幾度もなめらかに波打ち、その姿を変えて...
香水のレビュー(満点は☆7)☆☆☆☆☆☆☆(7点)参りました。素直に。これはすばらしい香り。誰もが是非一度は肌にのせてみてほしい香水。超お薦め。ゲランのシャリマー・フィルトル・ドゥ・パルファン。この見事なバランス感覚に脱帽。ゲラン5代目調香師ティエリー・ワッサーと彼の調香チームの真の実力を見た。もうワサ夫とか言わない。(←最初から言わないように)世界初のオリエンタル香水として今なお燦然と輝くゲランのシ...
香水のレビュー(満点は☆7)☆☆☆☆★★★(4点)お前は誰だ?どこから来た?どこに行くんだ?で、一体、何のために生きてるんだ?誰かの声が聞こえる。わからない。わからない。わからない。世界はあまりに広大で、残酷で、矛盾に満ちていて、常に混沌とした曖昧な色で自分の前に広がっているだけだ。はっきり分かること。それは孤独ということ。そしてあんたが満足するような答えなど、まだ何一つ持ちあわせちゃいないってこと...
香水のレビュー(満点は☆7)☆☆☆☆☆★★(5点)「ちょっとマシュー。大変なことになったわよ!」フローラが言う。「何?今度は一体何だい?」双子のマシューがうんざりして返す。「ラドクリフが、遂にいなくなったわ。」「え?ラドクリフさんが??」「そうよ。いつかこうなるんじゃないかって思ってたあたし。しかもドロシア叔母様とボーレガードも、どこかに行ったっきり戻ってないわ!」双子の妹のドヤ顔を見ながら、...
香水のレビュー(満点は☆7)☆☆☆☆☆☆★(6点)長い間、香水の旅をしてきた。そしてまた一つすばらしい香水と出会えた。フラッサイのブロンディーヌ。この香水を肌にのせたとき、一筋、迷いの森からの出口が見えたような気がした。フラッサイは、2013年にアルゼンチンのブエノスアイレスでブランディングされたジュエリー会社だ。しかしながら創業者のナタリア・オウテダ女史は、長年ニューヨークのクエスト、ジボダンで香水マ...
香水のレビュー(満点は☆7)☆☆☆☆☆★★(5点)キリアンのローリングインラブはとても危険な香りだ。深紅のボトルに秘められたジュース。そこにはどんなに濃厚でセクシーな香りが潜んでいるのかと想像すると、たいてい肩すかしをくう。このセンシュアルなレッドボトルに充填されているのは、意外にも、とても穏やかでしっとりとしたクリーミーな香りだ。ローリングインラブは、最初から最後まで、とてもマイルドなアーモンドミ...
香水のレビュー(満点は☆7)☆☆☆☆☆☆★(6点)女性は、ある日突然天使になる。美しく変貌する。それは緩やかな変化ではない。「キレイになりたい」本気でそう思った瞬間、願いはかなう。美の女神は突然、天空から舞い降りる。ゲランのランスタンマジーの香りを嗅いでいると、そんな戯れ言も信じたくなる。整形とか吸引とかそういうことだけではない。女性が本気で「美」を目指したとき、その心や体に起こる変化は本当に劇的だ...
香水のレビュー(満点は☆7)☆☆☆☆☆☆★(6点)「本当にいい男」の香りを嗅ぎたいと思ったら、迷わずセリーヌのパラードをお勧めする。それは反逆のロックデザイナー、エディ・スリマンが、もてる力の全てを賭した新生セリーヌの看板的な香りだからだ。「2018年、エディ・スリマンがセリーヌの全デザインを統括する」このニュースがファッション界を駆け巡ったとき、世界はどよめいた。麗しきフレンチラグジュアリーを愛した女...
この身焦がして ~フレデリック マル ムスク ラバジュール~
香水のレビュー(満点は☆7)☆☆☆☆☆☆☆(7点)あの人が好きでたまらない。毎日頭から離れない。気が付くとあまり息を吸ってない。吐息ばかり。苦しい。あの人が恋しい。自分にだけ笑っていてほしい。あの人の匂い。ムスクラバジュール。身をよじるほどの思い。それは突然。熱病のように来た。「ヤバい。好きになっちゃだめ。」そうアラートが鳴った瞬間。心のブレーカーはもう落ちていた。目と耳がレーダーのように。あの人だ...
香水のレビュー(満点は☆7)☆☆☆☆☆★★(5点)ビターピーチはあざとい。あざとすぎる。その名を「苦い桃」と額面どおりに受け止めてはいけない。これは間違っても「ビターピーチ大好き!ビターピーチ最高!」などと人前で大声で連呼していい言葉ではない。特に英語圏では。2020年の発売以来「甘くて芳醇な桃の香りの可愛らしい香水」と巷で評判のビターピーチ。特に香水にあまり詳しくない方にも人気が高まっている。それはい...
香水のレビュー(満点は☆7)☆☆☆☆☆★★(5点)世界って、たった一人の人と出会うだけでこんなにもキレイに見えるんだ。西に傾いた太陽がキラキラと輝いている。予約してたホテルのシングルはキャンセルして、どこか今宵の宿を探そう。昨日までは自分一人だった。でもどうやら今夜は、そうならない。旅先で出会った二人。どちらも一人旅だった。出会った瞬間びっくりした。見つめ合ったまま、目が離せなくなった。「え?」「え...
香水のレビュー(満点は☆7)☆☆☆☆★★★(4点)エラケイの「サガノの詩」は、京都の嵐山にある鬱蒼とした竹林のイメージから創られた香水だ。見渡す限り、青々とした数万本の竹。それらが天に向かって真っ直ぐにそそり立つ姿はどこか幻想的ですらある。その竹林の間を縫うように整備された遊歩道は「竹林の小径」と名付けられ、京都観光の中でもとりわけ人気のスポットとなっている。風情ある茶色の小柴垣が両側に並ぶ竹林の小...
「あ、すごい。これハチミツの香りがする!」六本木。グランドハイアット内、フエギア1833。うす暗い店内にライトアップされた美しい香水ボトルたち。そこにかぶせられた逆さフラスコの球面が行儀よく並ぶ姿は、どこか非日常を思わせて心がときめく。と同時に「香水なんてよくわからない」と思っている方にしてみれば、興味はあってもかなり敷居が高く感じられるラグジュアリースペースかもしれない。だからだろうか。緊張し...
人には見えない物が見える。聞こえない音や声が聞こえる。そして、誰も気付かない匂いを嗅ぎとることができる。そういう人たちがこの世界にはいる。神のお告げを聞く者、精霊のメッセージを伝える者、そして死者の思いを語る者。彼らはときにシャーマンと呼ばれる。シャーマンは広義によると、自らがトランス状態になることで超自然的存在と交信する現象を起こす者のことを言う。超自然的存在とは、霊的存在(神霊、精霊、死...
目を見張るまばゆい装飾に彩られたトプカプ宮殿。その一番奥に男子禁制の特別なエリアがある。そこはスルタン(王)に仕える女性達だけが千人以上暮らす禁断の地、ハレム。全盛期、東ヨーロッパから西アジアにかけて広大な地域を支配し、地中海沿岸のキリスト教国家を心底脅かした強大な存在、オスマン帝国。トプカプ宮殿は、そのオスマン帝国のスルタンが住んだ広大な居城だ。スルタンをはじめ、常時八千人の家来や商業者が...
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香水のレビュー(満点は☆7)☆☆☆☆☆★★(5点)“春休みのロッカー室に 忘れたものをとりに行った ひっそりとした長い廊下を 歩いていたら泣きたくなった”シルヴェーヌ・ドゥラクルトのヴァニラコレクション香水の1つ、ヴィルジル(VIRGILE)の香りに包まれているとき、自分はいつも松任谷由美さんの「最後の春休み」のフレーズとメロディを思い出す。VIRGILEとは、共和政ローマ末から活躍した詩人、ウェルギリウスの仏語表記だ。...
☆☆☆☆★★★(4点) 卒業式が始まろうとしていた。俺は右手を学ランのポケットにつっこんで、周囲のざわめきに吐き気を覚えながら、長い廊下で入場を待っている。みんなぶっ飛ばしてやりたい。黒い頭が一列に並んでいる。ニヤニヤしてる奴、前の背中をこづいてる奴、もう泣きそうになってる女、それをなだめてるフリの女。ミンナ ブットバシテ ヤリタイこの学校には差別と嘲笑と偽善と欺瞞しかなかった。それを学べたことは有...
香水のレビュー(満点は☆7)☆☆☆☆★★★(4点)ウォーターリリー。スイレン。睡蓮といえば、印象派の画家クロード・モネの「白い睡蓮」を思い浮かべる。光まばゆい庭園の池。水面に広がる円い緑の葉、そこから白やピンクの花々が日の光に向かって咲いている風景。ジョー・マローンのウォーターリリー・コロンは、2020年春にリリースされたブロッサムコレクションの1本だ。同じく新発売されたユズコロンと、復刻したシルクブロッサム...
香水のレビュー(満点は☆7)☆☆☆☆☆★★(5点)恋心。罪びとのときめき。涙のインクでしたためた狂おしい思い。彼女はその手紙に封蝋をして、トランクの棺桶にそっと入れる。何通も書いては、それを白百合の花にはさんで。それは決して届かない愛の手紙。片恋の葬送のように。サノマの4-10は、ブランドを興した渡辺裕太氏がガルシア=マルケスの小説「百年の孤独」の1シーンから着想を得て創った香水だ。同じ男性を好きになっ...
☆☆☆☆☆★★(5点)「ねえママ、リボンにママの香水つけてー。」「香水?あ、シャッセ・オ・パピヨン?」「うん。あの匂い、だーい好き。つけてつけてー!」ちょっと待ってね。そう言ってドレッサーから香水を取り出す。金色キャップのシャッセオパピヨン。そう言えば、最近つけてなかった。そう思いながらソファーに戻る。座った瞬間、娘がひざの上にドン!と座ってくる。重っ!!いつの間にこんなに重くなったの?こんなんで来月の...
香水のレビュー(満点は☆7)☆☆☆☆★★★(4点) 夏の夜。女の息づかい。黒い闇を照らすオレンジの灯り。はぎとられたベール。エキゾティックな瞳。浅黒い肌に鼻を近づける。ウードを焚きしめた狭い部屋の中は、焦げた煙の波が漂っている。彼女の肌は汗ばみ、塩辛い海の味がする。日に灼けたアンバーの匂いとウードの紫煙の中で、灯りに照らされた琥珀色の肉体は砂丘のように稜線を描き、幾度もなめらかに波打ち、その姿を変えて...
香水のレビュー(満点は☆7)☆☆☆☆☆☆☆(7点)参りました。素直に。これはすばらしい香り。誰もが是非一度は肌にのせてみてほしい香水。超お薦め。ゲランのシャリマー・フィルトル・ドゥ・パルファン。この見事なバランス感覚に脱帽。ゲラン5代目調香師ティエリー・ワッサーと彼の調香チームの真の実力を見た。もうワサ夫とか言わない。(←最初から言わないように)世界初のオリエンタル香水として今なお燦然と輝くゲランのシ...
香水のレビュー(満点は☆7)☆☆☆☆★★★(4点)お前は誰だ?どこから来た?どこに行くんだ?で、一体、何のために生きてるんだ?誰かの声が聞こえる。わからない。わからない。わからない。世界はあまりに広大で、残酷で、矛盾に満ちていて、常に混沌とした曖昧な色で自分の前に広がっているだけだ。はっきり分かること。それは孤独ということ。そしてあんたが満足するような答えなど、まだ何一つ持ちあわせちゃいないってこと...
香水のレビュー(満点は☆7)☆☆☆☆☆★★(5点)「ちょっとマシュー。大変なことになったわよ!」フローラが言う。「何?今度は一体何だい?」双子のマシューがうんざりして返す。「ラドクリフが、遂にいなくなったわ。」「え?ラドクリフさんが??」「そうよ。いつかこうなるんじゃないかって思ってたあたし。しかもドロシア叔母様とボーレガードも、どこかに行ったっきり戻ってないわ!」双子の妹のドヤ顔を見ながら、...
香水のレビュー(満点は☆7)☆☆☆☆☆☆★(6点)長い間、香水の旅をしてきた。そしてまた一つすばらしい香水と出会えた。フラッサイのブロンディーヌ。この香水を肌にのせたとき、一筋、迷いの森からの出口が見えたような気がした。フラッサイは、2013年にアルゼンチンのブエノスアイレスでブランディングされたジュエリー会社だ。しかしながら創業者のナタリア・オウテダ女史は、長年ニューヨークのクエスト、ジボダンで香水マ...
香水のレビュー(満点は☆7)☆☆☆☆☆★★(5点)キリアンのローリングインラブはとても危険な香りだ。深紅のボトルに秘められたジュース。そこにはどんなに濃厚でセクシーな香りが潜んでいるのかと想像すると、たいてい肩すかしをくう。このセンシュアルなレッドボトルに充填されているのは、意外にも、とても穏やかでしっとりとしたクリーミーな香りだ。ローリングインラブは、最初から最後まで、とてもマイルドなアーモンドミ...
香水のレビュー(満点は☆7)☆☆☆☆☆☆★(6点)女性は、ある日突然天使になる。美しく変貌する。それは緩やかな変化ではない。「キレイになりたい」本気でそう思った瞬間、願いはかなう。美の女神は突然、天空から舞い降りる。ゲランのランスタンマジーの香りを嗅いでいると、そんな戯れ言も信じたくなる。整形とか吸引とかそういうことだけではない。女性が本気で「美」を目指したとき、その心や体に起こる変化は本当に劇的だ...
香水のレビュー(満点は☆7)☆☆☆☆☆☆★(6点)「本当にいい男」の香りを嗅ぎたいと思ったら、迷わずセリーヌのパラードをお勧めする。それは反逆のロックデザイナー、エディ・スリマンが、もてる力の全てを賭した新生セリーヌの看板的な香りだからだ。「2018年、エディ・スリマンがセリーヌの全デザインを統括する」このニュースがファッション界を駆け巡ったとき、世界はどよめいた。麗しきフレンチラグジュアリーを愛した女...
香水のレビュー(満点は☆7)☆☆☆☆☆☆☆(7点)あの人が好きでたまらない。毎日頭から離れない。気が付くとあまり息を吸ってない。吐息ばかり。苦しい。あの人が恋しい。自分にだけ笑っていてほしい。あの人の匂い。ムスクラバジュール。身をよじるほどの思い。それは突然。熱病のように来た。「ヤバい。好きになっちゃだめ。」そうアラートが鳴った瞬間。心のブレーカーはもう落ちていた。目と耳がレーダーのように。あの人だ...
香水のレビュー(満点は☆7)☆☆☆☆☆★★(5点)ビターピーチはあざとい。あざとすぎる。その名を「苦い桃」と額面どおりに受け止めてはいけない。これは間違っても「ビターピーチ大好き!ビターピーチ最高!」などと人前で大声で連呼していい言葉ではない。特に英語圏では。2020年の発売以来「甘くて芳醇な桃の香りの可愛らしい香水」と巷で評判のビターピーチ。特に香水にあまり詳しくない方にも人気が高まっている。それはい...
香水のレビュー(満点は☆7)☆☆☆☆☆★★(5点)世界って、たった一人の人と出会うだけでこんなにもキレイに見えるんだ。西に傾いた太陽がキラキラと輝いている。予約してたホテルのシングルはキャンセルして、どこか今宵の宿を探そう。昨日までは自分一人だった。でもどうやら今夜は、そうならない。旅先で出会った二人。どちらも一人旅だった。出会った瞬間びっくりした。見つめ合ったまま、目が離せなくなった。「え?」「え...
香水のレビュー(満点は☆7)☆☆☆☆★★★(4点)エラケイの「サガノの詩」は、京都の嵐山にある鬱蒼とした竹林のイメージから創られた香水だ。見渡す限り、青々とした数万本の竹。それらが天に向かって真っ直ぐにそそり立つ姿はどこか幻想的ですらある。その竹林の間を縫うように整備された遊歩道は「竹林の小径」と名付けられ、京都観光の中でもとりわけ人気のスポットとなっている。風情ある茶色の小柴垣が両側に並ぶ竹林の小...
「あ、すごい。これハチミツの香りがする!」六本木。グランドハイアット内、フエギア1833。うす暗い店内にライトアップされた美しい香水ボトルたち。そこにかぶせられた逆さフラスコの球面が行儀よく並ぶ姿は、どこか非日常を思わせて心がときめく。と同時に「香水なんてよくわからない」と思っている方にしてみれば、興味はあってもかなり敷居が高く感じられるラグジュアリースペースかもしれない。だからだろうか。緊張し...
人には見えない物が見える。聞こえない音や声が聞こえる。そして、誰も気付かない匂いを嗅ぎとることができる。そういう人たちがこの世界にはいる。神のお告げを聞く者、精霊のメッセージを伝える者、そして死者の思いを語る者。彼らはときにシャーマンと呼ばれる。シャーマンは広義によると、自らがトランス状態になることで超自然的存在と交信する現象を起こす者のことを言う。超自然的存在とは、霊的存在(神霊、精霊、死...
目を見張るまばゆい装飾に彩られたトプカプ宮殿。その一番奥に男子禁制の特別なエリアがある。そこはスルタン(王)に仕える女性達だけが千人以上暮らす禁断の地、ハレム。全盛期、東ヨーロッパから西アジアにかけて広大な地域を支配し、地中海沿岸のキリスト教国家を心底脅かした強大な存在、オスマン帝国。トプカプ宮殿は、そのオスマン帝国のスルタンが住んだ広大な居城だ。スルタンをはじめ、常時八千人の家来や商業者が...
☆☆☆☆★★★(4点) 卒業式が始まろうとしていた。俺は右手を学ランのポケットにつっこんで、周囲のざわめきに吐き気を覚えながら、長い廊下で入場を待っている。みんなぶっ飛ばしてやりたい。黒い頭が一列に並んでいる。ニヤニヤしてる奴、前の背中をこづいてる奴、もう泣きそうになってる女、それをなだめてるフリの女。ミンナ ブットバシテ ヤリタイこの学校には差別と嘲笑と偽善と欺瞞しかなかった。それを学べたことは有...