時代小説好きな管理人が、趣味で書き綴る三文小説処です。
義理と人情の時代、純粋な恋の物語を表現すべく、日々努力していきたいと思っています。
2020年5月
誰もいない部屋で、私はため息を一つつき、立ち上がった。すべて終わった。今日、私は15年間余り暮らしたこの家を、出て行く。すでに荷物はまとめてあった。小さなカバン一つにすべてを詰め込んで、私は静かにドアを出た。振り返れば、15年余り暮らした家が、私を見送っている。さようなら。小声で誰にともなくつぶやいた声が、ふわりと風に乗って消えた。悲しいことなど何もない。これでいいのだ。細い道を歩きながら、...
ある男が薬を作った話 ついに完成した。 私の長年の研究の成果が今、ようやく形となったのだ。 容器のなかの半透明の液体を目の前に掲げ、私はこれ以上ない充足感に満たされていた。 この液体は、なんと惚れ薬なのだ。 これを飲めば、最初に目にした相手をどうしようもなく好きになってしまう。効果は超強力で、わずかに舐めた程度でもそのすさまじい効力から逃れることはできない。 くっ、と思わず笑いが込み上げる。なぜ...
2020年5月
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