速度。

セカイの速度は速く。 ボクは追いつけていない。 追いつけないなりに。 歩くのだけれど。 走るのだけれど。 まったくもって追いつけない。 気づくと周回遅れで。 一周や二周遅れなんてザラなのだ。 それでも。 並んだような錯覚を覚えて。 瞬間的に。 セカイの速さを体感する。 その時にそっと。 世界の輪郭に触れる。 セカイの速度と。 ボクの速度と。 違う速さで。 同じ時…

言葉の虜。

瞬間のひらめき。 一片の着想。 刹那の連鎖。 あぁ。 そんなモノ。 どうだっていい。 なんだっていい。 チカチカとする眼前。 加速する鼓動。 寒気が全身を駆け抜ける。 その瞬間に。 その一瞬に。 浮かんだナニか。 通り過ぎたナニか。 それを。 それらを。 言語化する。 文字にする。 この世界に誕生させる。 その工程が嘔吐するくらい苦痛で。 その過程が蕩けるくらい快感で。 やめ…

ズルいよ。

ふと。 思い出す瞬間がある。 あの時のコト。 あの時の感覚。 あなたがそばにいたコト。 どこにいたって。 どこでだって。 あなたの影がちらついて。 もう。 目をつぶろうが。 耳をふさごうが。 消せないのだって。 消えてくれないのだって。 実感する。 もう。 あなたの顔も。 あなたの声も。 あなたの香りだって。 あまりうまく思い出せないのに。 あまりよく覚えていないのに。 …