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  • 紅葉の遊窟へ

    「喜んでもらいたい」 そう思って、いつもガイドしている。 11月初旬は御前ヶ遊窟のベストシーズン。 ここは最高の時期に最高のラインを登っていただきたい。11月3連休の天気予報は最悪だったが、必ず好天がやってくると信じていた。 なので、10月末日に予定通り、富山を出発。 まずは白馬へ向かう。株式会社ロストアロー主催のPIEPS勉強会へ出席した。滑り系ガイドやショップの方々は多く参加していたが、山岳ガイドはO俣君と自分だけだった。 解っているようで、正確に知らなかったことを学べて有意義な時間だった。命に直結する登山道具は正しく正確に使わなければならない。 来る雪山シーズンに向けてモチベーションも高まった。久しぶりに妙義山へ。 東京でガイドをやっていた頃のホームエリア。 昔は表妙義にヒルはいなかったので、四季を通じてガイドしていた。血だらけになるのは嫌だ(涙)東京に住んでいた頃から20数..

  • 頸城の紅葉と岩

    紅葉が美しい頸城駒ヶ岳へ。前日の雨でズルズルのコンディション。紅葉がとても綺麗だった。来年夏に剱岳をお申し込みいただいたお客様方のトレーニング山行で、この山を選んだ。他にも参加者はいらしたのだが、危険箇所に至る前に安全を第一に中止させていただいた。 登れたのは、70歳代後半男性のお客様のみ。体力、技術、メンタル、人格、全てが整った方で剱岳を登るに充分なスキル。 登山を始めたのは69歳からだと言う。登山経験が豊富でも、歩き方が基本から外れた方が多いと感じる昨今だが、滑りやすい斜面でも安定した歩行ができていて安心してご一緒できた。 歳を重ねると頑固になりがちだが、素直に学ぼうと思う姿勢は見習うべきと大変勉強になった。 そして、この登山を大変喜んでいただいたことに自分も嬉しかった。剱岳ガイドを受ける前に、このような事前山行を実施している。一緒に歩いて様々なアドバイスをして、来年夏まで必要なト..

  • 錦秋錫杖岳

    10月最後の週末は錫杖岳へ。天気に恵まれて、ベストコンディションを捉えることができた。烏帽子岩前衛壁のガイドはリタイヤして、近年秋はピッケルピークへのガイドが多くなった。 しかし、間近に壁を見てしまうと自分が以前登ったラインを目で追ってしまう。 ガイドはできなくても、またプライベートで登ってみたいと思う。秋の錫杖岳はアプローチも近くて、こんな素晴らしいエリアはない。 錫杖沢には新しいピンクテープが増えすぎて、迷うことはないだろう。しかし、元々はクライマーが登下降するアプローチがルートとなるので、岩やガレ場、ザレ場を苦にしないスキルは最低限必要である。南尾根に上がる部分では、初級レベルの薮漕ぎもある。支点となる樹ごと抜けてしまった残置FIXトラロープ。 盲目的に鎖や残置ロープへ身体を預ける登山者を目にすることが多いが、こういうことはあり得るのだ。西穂〜奥穂〜槍の稜線をバックにどんどん標高を..

  • 巻機山ダブルヘッダー

    62歳の誕生日翌日はお客様にラーメンバースデーケーキでお祝いしていただきました。これは全てケーキです。 美味しかった。ありがとうございました。米子沢に入渓するため、駐車場で準備していたが、小雨で気温が下がり、稜線では雪の可能性もある。 沢登りにはかなりの確率でやばい状況になりそう。 急遽、途中敗退も可能な割引沢からヌクビ沢への沢登りに変更させていただく。しかし、寒くて、なるべく水には浸からないように進む。行者の滝を登っていたら、スマホから緊急速報の警戒音が鳴り響く。 地震だ〜と言って、後続に知らせる。 安定したテラスまで登り、確認したら…。訓練でした(笑)この沢は紅葉が実に美しい。超寒いけど…。渓流のフルスタイルでも寒い。 稜線が近くなり詰めに入ったら、小雪が舞って、岩に着いた氷を落としながら登る。予想していたが、予想通り。割引岳。白く綺麗な世界がやってきた。着るもの全部着て、巻機山。..

  • 浪漫の古道

    10月の秋晴れ良き日に針ノ木古道へ向かう。有名な佐々成政の「さらさら越え」 1880年から2年だけ存在した日本初の有料道路「立山新道」 そして短命で廃道になった浪漫溢れる針ノ木古道を行く。秋晴れの連休初日で扇沢はカオスとなっていたが、そこはうまくカバーして順調に黒部ダムへ。黒部湖畔の登山道は長くてスリリング。 スギの木を潜ったりして。立派なタマゴタケも。今回も山小屋というより立派なロッジである平乃小屋でお世話になる。 佐伯覚憲さんが亡くなり、妹さんが引き継いでいる。 釣りキチ三平のモデルでもあった釣りの達人、覚憲さん「俺はこんなとこに居とうなかった」と言っていた。でも、この山小屋の雰囲気の一部ともなっていた覚憲さんは黒部湖畔になくてはならない存在だった。 また、一緒にウイスキーを飲みたかった。愛犬モモも居なくなり、代わりにマメ柴のぬいぐるみが置いてあった。 そう言えば、覚憲さんはモモに手を..

  • 裏剱ファイナル

    剱立山エリア無雪期最後のガイドへ。山は冷え込みそうなので冠雪した剱岳を期待して入山。室堂の紅葉は綺麗だが、雨が降り視界が悪くて残念。雷鳥は元気そうで良かった。あちこちに…!ハマグリは消えそうで消えなかった。静かな剱沢へ降りる。誰もいない。平蔵谷出合はズタボロで対岸には渡れない。シーズン最後のGAPPAスラブを下降。 長次郎谷出合は横断可能。真砂沢ロッジで一夜を過ごした。今シーズンもお世話になりました。仙人新道は見頃だった。 この日の予定では池ノ平山南峰、北峰を登るつもりだったが諸般の事情により、仙人池ヒュッテへ直行。周りが綺麗に色付いている。登山道ができたばかりの南仙人山へ。 美しい庭園のような風情の中、良く整備されている。仙人池ヒュッテへ通う人々の新たな楽しみとなるだろう。 いずれ雲切新道へと繋がる道は、安全に阿曽原温泉へ向かう手段として貴重な存在となるはずだ。仙人池ラーメンは美味しい..

  • 3代目ジャンダルムW天使

    ジャンダルムの天使を観たいというお二人をガイド。 ジャンダルムには元々なにもなかったが、仙人温泉小屋のスタッフが初代を持ち上げたらしい。今年、2代目が滑落遭難して話題になったが、さっそく3代目が誕生したようだ。 個人的にはなくてもいいと思っていたのだが…。だって撮影の列に並ぶのはダサいから…。 でもみんな喜んでいるからいいか(笑)10月最初の週末に穂高へ。ロープウェイを使えば徒歩1時間で山小屋に到着。 翌朝はゆっくり4時30分に出発。 しかし、独標手前から雨。足元まで濡れた。 とりあえず、山頂まで行ってみよう。2人の天使に会いたい強烈な想いが天に伝わり、奇跡的に晴れてしまった。遠いなー。これ以上ない秋晴れに恵まれて、どんどん岩も乾き、いつの間にかベストコンディション。しかし、このルートは度重なる地震の影響もあってか、脆い箇所も増えている気がする。 荷重してはならない鎖、紐、浮いている岩など..

  • 登山の日

    10月3日は登山の日。私もかつて所属していた日本アルパインガイド協会の重野さんが発案し制定されたものだ。 山の日は派手だが、登山の日は地味でなんの話題にもならないのだが、こういうものは自分で噛み締めるのが良い。 バスで降り立った弥陀ヶ原は観光客ばかりで、沢登りのカッコをしたのは我々だけ。 雨の予報だったが、雨は降っておらず富山湾まで見通せる。 水量は少なめで、立山に冬が近づいていることを感じる。沢床は赤くて綺麗。 もっと赤く紅葉してくれるといいのだが、暖かすぎて難しい。苔が綺麗な滝を登る。最後はドカンを潜って、アルペンルートの道路に出る。遡行してきた弥陀ヶ原を眺める。 着替えて、バス停を目指していたら雨が降り出した。 お客様に「本当に山が好きなんですね」と聞かれたが「本当に山が好きだったら、ガイドなんてできないよ」「自分の登山に一生懸命になり過ぎて、ガイドする時間がなくなってしまう」..

  • 黄金の穂高へ

    剱岳ガイド終了し、週末は穂高へ向かう。天気予報に過敏になり、少しでも雨が降る可能性があると意気消沈しモチベーションが下がる登山者が多いように思う。 情報が簡単に得られる環境に慣れると、目にした情報を何も考えず信じこむ人が多いように感じる。天気予測に関して素人が「その日は雨だから…」とあらかじめわかっている事実のように話している。山小屋が某情報をとても迷惑しているが、我々ガイドも苦労している。 山行前夜に催行可否を決定するが、お客様に私の天候判断を説明し、催行の場合にはいろんな天候パターンに対応したオプションを用意して山に入る。 自分が信頼できる情報源と現場の空気感で、その日の行動を考えるようにしているが、そうでなければ登山できる日はほとんどないのではないのか。(無風快晴でなければ登山しないという方はそうすれば良いだろう) もちろん、山行前夜に全く登山になりそうもない天候が明ら..

  • 夏惜しむ剱岳

    秋が徐々に深まる剱岳。 今シーズン最後のガイドを終えた。秋分の日三連休は剱岳北方稜線の予定だったが、悪天候のため中止。 そして、最後の別山尾根ガイドも入山日は晴予報を覆されて雨となる。雷鳥と虹がたくさん見れた日であった。剣山荘が近くなったら小屋横に虹が掛かっていた。シーズンラストの宿泊なので記念撮影。 オーナーとの宴も楽しかった。翌朝はゆっくり出発。 朝を迎える後立山が美しく、日の出が右に随分寄ったことに閉山が近いことを感じる。岩場は濡れていたが気になるほどではなく、久しぶりの晴天でルートは混み合っていた。初めての剱岳登頂、おめでとうございます。下山もスムーズにこなして、剣山荘が見えると安堵する。 今シーズンは天候と噛み合わないことが多く、ガイドキャンセルも多くて、過去にないほど登頂数は少なかった。 しかし、全てのお客様と印象的な想い出を共有できて、終わってみれば良いシーズンだった。夜は..

  • 壮観裏剱

    9月も中旬を過ぎると剱立山ではいつ降雪があってもおかしくない状況に変わる。 私の記憶では9月1日朝に剱岳南壁A2クライミング中に雪がチラチラ降ったこともある。 残雪が8月上旬まで残る年もあり、そう考えたら剱立山の夏は非常に短いものだ。昨年9月10日の仙人池と朝日に当たる裏剱 秋になると適期を迎える「裏剱」 この裏剱のルートは剱岳山頂を通らないので、安易に考える方も多いが、剱岳周辺に精通している人ほど、このルートの危険さを熟知している。 別山尾根や早月尾根とは比較にならないほど、目に見えない危険に神経を研ぎ澄ます必要がある。 今秋は阿曽原温泉へ抜けることができないので、帰路は剱沢を登り返すか、黒部ダムへ抜けることになる。半月ぶりに室堂へ戻って来た。 今回のお客様は数年前に剱岳別山尾根をガイドしてから、毎年一回ガイドオーダーしていただく親子で再会が嬉しい。 室堂を離れたら登山者はほぼおらず..

  • 栂海新道敗退

    剱岳早月尾根から下山して、翌朝3時起きで栂海新道へ。コロナ禍でご無沙汰していた朝日小屋に泊まるのも楽しみだった。 秋雨前線と台風13号の絡み方次第で微妙な天候判断になりそうだが、当日にならねばわからない状況であるので、まずはスタートすることにした。北又小屋までタクシーに乗って、7時過ぎにスタート。イブリ山までは前日までの早月尾根より暑くて、全身汗まみれ。 それでも我々は脚が揃っていて、先行パーティをドンドン追い抜き、前には誰もいなくなった。猫じゃらしみたいなのが沢山。 ここから先は天国ロード。稚児車の綿毛も長い。昼前に朝日小屋に到着。心遣いが嬉しい。(ウェルカムジュース付)この日は連休初日で受付が大忙しだった姉御だが、隙間時間に記念撮影してくれた。お揃いの朝日小屋Tシャツでバックシャン。 ツレ○○○ではない。朝日岳もバッチリ!夕食は朝日小屋特製ラーメンがメイン。 嬉しすぎて替玉3個おか..

  • 秋暑の剱岳

    秋も深くなるはずが、いつまでも暑さが続く。9月中旬にも関わらず、真夏のような熱量が厳しい。憧がれる心に試練があり、試練を超えて其の道を歩き続けん。 この碑はいつでも基本に立ち帰らせてくれる。標高740mから2999mへの早月尾根は剱岳の王道。 晴天の富山から見慣れた剱の中心に存在する早月尾根を登ることは意義深い。別山尾根は街からは見えないが、この尾根は見える。いつか剱を登れなくなったとしても、西面にあるルートの数々を懐かしむことができるだろう。剱岳は逞しさと豊かさを育む。山の厳しさも思い出させてくれる。 剱岳を案内する者として心に刻みたい。

  • 黒部源流を巡る沢旅

    初秋の恒例となった黒部川源流域の沢旅。今回は薬師沢左俣から五郎沢、黒部川奥ノ廊下を巡る四日間。 入山日は平日なのに折立駐車場が満車で臨時駐車場へ。 涼しい秋風の中、登って行ったらアラレちゃん復活。知ってる限り6代目だろうか?定番になりそうだ。薬師岳の懐は女性的で柔らかく美しい。この日は太郎平小屋泊なので、ベンチでまったりと過ごす。今回参加の4名は姉妹のように家族的でノンストレスな方々が集合。 どんなイベントでも楽しめて素晴らしい四日間を過ごせること間違いなし。翌朝は、太郎の朝弁当を持って、薬師沢左俣へ入渓。水量は少なめだが、充分に楽しめる。下界は暑くて仕方ないが、ここは寒いくらいだ。弱点を探しながら、ほとんどの滝を直登できるので楽しい沢だが、赤木沢よりはヌメリが強い。10時前には沢を抜けて、ハイジの世界へ。ルートを選べば、藪漕ぎなく稜線へ出られる。ここから黒部五郎岳へは遠く、重くなったザ..

  • 初秋の剱岳

    台風10号は秋雨前線に吸収されて、消滅後も北陸に強い雨を降らせる天気予報だったが、自分の判断で剱岳へ向かう。久しぶりにアルペンルートに乗って室堂へ。半月ぶりに訪れた。 着いた時は雨だったが、歩き始めたら雨は止んだ。標高2450mは、すっかり秋になっていた。雷鳥沢キャンプ場は通過時点でテントゼロだった。 天気予報の影響力は恐ろしい。紅い実がなるナナカマド。爽やかな秋風が心地よい雷鳥坂を快適に登る。 剱御前小舎に着いた時には剱岳は見えなかったが…。すぐにKINGは顔を見せてくれた。 今回は孫のような年齢の美女達をガイドする。 一人は登山経験なく、一度私の岩場講習を受講しただけ。(筑波山には登ったことがあるらしい)その講習時に、この娘達は問題なく剱岳別山尾根を登れると確信した。 怪しいYouTubeを見たり、怪しいガイド講習を受講した癖のある登山者より、未経験者の方が教えたことを素直に吸収して..

  • 不帰リターン

    牛歩戦術を使った台風10号をいつまでも眺めてても仕方ないので、8/30に来そうな好天を狙って白馬へやって来た。狙うは不帰キレット。初日は八方尾根からアクセス。あるべき物がないと変な感じ。 予定通り雨の中、唐松頂上山荘へ。支配人の瀧根さんはガイド時代から旧知の仲。 おかげさまで楽しい夜を過ごさせていただいた。翌朝は予定通りの快晴。 唐松頂上山荘からは剱岳と富山の街明かりが良く見えた。 この晴れ間は長く続かないし、31日まで引っ張ると交通機関に影響が出そうだ。白馬鑓温泉経由で一気に下山することも考えていたが、谷筋へ踏み込むことは得策ではない。不帰キレット往復して、この日のうちに下山することにした。唐松岳からは剱岳東面の全てが見渡せて満点の展望台だ。長く降雨が続いた影響でガレ場、ザレ場は不安定で緊張感ある下降が続く。Ⅲ峰、Ⅱ峰を越えてⅠ峰山頂からはブロッケン。周りには白い虹も出て、幻想的な風景を..

  • 夏惜しむ穂高岳

    北穂高岳東稜から大キレットは明るい穂高稜線を満喫するに素晴らしいラインだと思う。北穂南稜ルートから分かれ、東稜に入る場所にあるテーブルロックで準備する時間が好きだ。 前穂高岳北尾根を眺めながら、段々と空が明るくなり、気持ちも高揚してくる。 夏の終わりにこのルートを2回転。涸沢小屋のテラスは気持ちいい。北穂高岳東稜は優しいが、展望と高度感が楽しめる。 この日は先行のガイドらしきパーティがいた。いろんな登り方があるものだと…。ゴジラも終わり北穂小屋へ。穂高の稜線小屋はテラスが個性的で良い。北穂高岳。 これから進む大キレットを望む。 降りはなかなか緊張感があり、登ってくる方とのすれ違いが一番大変だ。長谷川ピークに着いたら、一安心。北穂高岳が遥かに遠くなった。獅子鼻展望台。南岳ちゃんぽんはランチブレイクにぴったりマッチ。今回は槍ヶ岳へは向かわず、氷河公園に降りて逆槍を楽しむ。 南岳からの下降は落..

  • 素晴らしき剱岳北方稜線

    富山の背後には屏風のような山岳風景が広がるが、その中で最も異彩を放つ王者「剱岳」左側の稜線は激しく荒々しい針峰群が連なる。 それが「剱岳北方稜線」 本年の第一弾は、台風7号接近による影響を考えながらの山行となった。台風の進路を考えたら、このパターンは剱岳には大きな影響はなく、湿った空気がどのように入るか現場で判断しながら歩むべき。 雷鳥荘に前泊して様子を見ながらアタックチャンスを考える。10日ぶりに訪れた剱立山の空気感はすっかり秋だった。なにがではなく雰囲気が秋なのだ。 登山者はほとんどいない。テントも数えるほどで、みなさん天気予報に敏感だ。翌朝は剱御前から別山の稜線に厚い雲が光る。今回は稜線の遥か向こう側にある仙人池から北方稜線を目指す。富山県警山岳警備隊で剱沢雪渓、小窓雪渓の状況を確認する。剱沢雪渓は途中に乗れそうな部分はあるが、わざわざ降りることも大したメリットではないだろうと夏..

  • 船窪サーキット&野口五郎岳

    若い頃、冬季針ノ木岳西稜を目指し、七倉尾根を登り船窪小屋の冬季無人小屋にお世話になったことがある。 針ノ木谷を降りて、黒部湖を渡って取り付く予定だったが酷い悪天候のため、蓮華岳東尾根を下降することにしたのだ。冬季小屋を出てから北葛沢地形で数日間遭難寸前となり生き延びた自分には曰く付きのエリア。 あの時の同行者達も後年、それぞれ別な山で遭難してしまった。今回の山行数日前にも不動岳で女子大生の滑落死亡事故があった。その現場を通過することには複雑な思いが浮かぶ。 船窪小屋への七倉尾根は明瞭で良く整備されているが、樹林帯の急登が続き暑くて辛い。真夏に登るものじゃないと今さら考えても仕方ない。 それでもたまに吹く涼風に癒されながら、一歩一歩頑張れる。ここまで来たら展望が開けるはずが何も見えず…。船窪小屋に着いた。ここは2450mで室堂と同じ高さ。乗り物ではなく、徒歩で約1400m登ったのだ。 オ..

  • 夏めく穂高へ

    穂高連峰の魅力はなんといっても圧倒的な岩壁のスケール感であろう。剱岳は陰陽が魅力的だが、穂高は明るさが際立っていると個人的に思っている。観光地の上高地を出発するが、今夏は明神池経由で歩かねばならず、観光客が連なる道は時間が掛かる。横尾を過ぎれば登山者の世界へ。 屏風岩を眺めながら、あの頃を思い出す。クライミングから離れた自分には過去の存在。絶対堕ちれないプアプロテクションの右岩壁ルンゼ状スラブ。本谷橋を過ぎたら、整備が進んだハイウェイのような登山道。涸沢小屋のテラスから北尾根を眺める。ジョッキパフェは2500円になっていた。翌朝はヘッドランプを付けて、北穂高岳東稜を目指す。 涸沢カールの灯が遠く、北尾根が低くなるとインゼルに着く。東稜のスタートからは槍が遥か遠くに見える。硬くて安定した岩稜が続き、晴れた日は最高に楽しいルート。ゴジラの背は難易度は高くないが、高度感は素晴らしい。北穂高小屋が..

  • 梅雨明け剱岳W

    8月1日、北陸が梅雨明け。 ようやく雨具生活からの脱出。夏空の中を汗だく入山。雨も嫌いではないが、やはり様々なものが見えた方が良いに決まっている。剣山荘に着いてシャワー浴びて、ボーっとしてたら、昨年スタッフのMちゃんがいた。一緒にビール飲んで楽しい夕暮れ。翌朝は4時スタート。文句なし、快晴の朝。 登山者も多く、ようやく夏本番。乾いた快適な岩と朝日。前剱に上がれば、剱本峰が輝く。今年初めて乾いたタテバイを登った。3年越し、悲願の登頂をサポートできて良かった。 朝7時前にもかかわらず山頂にはたくさんの人人々…。 記念撮影にも時間が掛かる。下山後は雷鳥荘でリセット。 アーベンロートに染まる立山を眺めながら一日を振り返る。翌日はお客様入れ替わりで、再び剱沢へ。今年初めて池に立ち寄ったが、恥ずかしがり屋の剱岳は全容を見せず。剣山荘でシャワー浴びて、生ビール。 翌日は早朝だけガスに覆われたが、前剱を..

  • 薬師と雲

    7月最後の週末は薬師岳から立山への縦走。夏の涼風を浴びながら、気持ち良く稜線漫歩を楽しめると思っていたが、梅雨前線や台風3号からの影響で雨具を使用せねばならないようだ。 昔は「立山」といえば、北は毛勝山から南は薬師岳までを指していたらしい。 薬師岳は古くからの信仰の山で有峰の人々が薬師如来の山として山頂に祠を建てたのだ。昨年春まだ雪がある時期に来たのだが、その時は更地で祠はなかったので、早く新しい祠を拝みたいと思っていた。 古い祠と更地の状態、そして新しい祠の三種を見ることができて幸運だ。これは古い祠の材料から取ったキーホルダー。私もひとつ所持している。 今回の3日間は最終日が五色ヶ原山荘の予約が取れず、スゴ乗越小屋から立山まで長い稜線歩きとなるので、7/28は晴れて欲しかった。しかし、その日は風雨に悩まされる一日になるだろうと予想して、稜線にいる時間を短くすることに予定変更した。折..

  • 真砂沢ツアー2024

    今年も夏恒例の某企業社員研修の時期がやってきた。今回は久しぶりに雷鳥荘で前泊。剱御前小舎を越え、剱沢を降りて真砂沢ロッジを往復するツアー。登山未経験の方がほとんどで、初めて雪の上を歩くことにとても緊張されていた。目的は、岩と雪の殿堂を味わうこと、雷鳥を見ること、国内屈指の長大な雪渓を歩き切ること…など。トータル標高差は1600mを超え、登山未経験者には大冒険だ。まずは立山三山を眺めながら生ビールで乾杯! 雷鳥荘で温泉三昧の一夜を過ごし、翌朝は6時半に出発。まずは石段を降ってから、雷鳥坂を登る。さっそく、ペアの雷鳥が現れた。奥にメスもいた。 雷鳥坂はガスと風で視界不良。剱岳の風景も見えず。しかし、暑さが和らいで登りやすかっただろう。剱沢野営管理所で大休止。寒いので温かいお茶が有難い。そして、いよいよ剱沢雪渓へ。剱沢雪渓の状況は一昔前の秋の様だった。 平蔵谷出合を過ぎて、源次郎尾根ルンゼルート..

  • 梅雨末期の剱岳

    もう七月も終わるというのに、今年はいつになったら梅雨が明けるのだろう。晴予報の日でも尋常じゃない豪雨があったり、カラッと晴れる夏はいつになったら来るのだろうか。ガイド中止が続いて、今年初の剣山荘入り。看板も綺麗になっていた。生ビールは1000円のまま、価格据え置き。シャワー浴びてからは格別だ。 夕方から豪快な豪雨。最近、毎日同じようなパターンで熱帯地域のようだ。 翌朝はゆっくり明るくなってから出発。カラッとはしないが、暑くなくて良い。タテバイは貸切でゆっくり登れた。春以来2ヶ月ぶりの剱沢山頂。喧騒もなく、これはこれで良い。花言葉は「遠くから見守る」今シーズンもよろしく。剣山荘に連泊して、剱岳登頂を祝う。この日も午後から雨。そして、下山日も朝から土砂降りで、沢状態の剱沢を登り、雷鳥坂を降る。 こういう三日間の中で登れるチャンスはしっかり掴めたと思う。剱岳別山尾根は一般登山道だが、準備ができて..

  • 濡れすぎた海の日

    海の日絡みの三連休初日は富山の登山用品店「マンゾクスポーツ」主催の沢登り体験会。キャラバンの沢グッズブランド「渓流」をレンタルしての体験。水量も平時より多めで参加者にはたっぷりと濡れてもらった。キャラバンの営業担当さんはガイド資格も所持しており、ナイスサポート。 この体験をキッカケに沢登りというアクティビティを続けてくれる方がいたら、この上なく嬉しいことであり、是非マンゾクスポーツで渓流ブランドを購入して沢を楽しんでいただきたい! そして、連休二日目は剱岳早月尾根へ。剱岳を象徴する碑の前で気合注入。 午前中は雨に当たらず、早月小屋に入れるかと期待していたが甘かった。松尾平に上がる直前から試練が始まる。 登山道は沢状態で、前日の沢登りよりもよく濡れた。全身ずぶ濡れで小屋に到着。 こんな日は山小屋の存在が有り難い。前日に物資ヘリが飛んだので、楽しい一夜を過ごすことができて良かった! 翌朝は雨雲..

  • 雨ニモマケズ

    7月に入り、天気予報に悩まされて、ほとんど仕事ができない。 7/2から剱岳ガイドのスタートだったが中止。海を眺めながら、物思いに耽る。良い場所に住んでるな。そして、7/6はやまきふ共済会のイベント講師。初日はそれは見事な豪雨。 写真なんて撮る余裕なく、スマホを出して操作することもできない悪天候。こんな時はApple Watchと連動したヤマレコの存在は心強い。視界不良時でもしっかり位置確認できる。 皆様の頑張りでなんとかニノ池ヒュッテに辿り着いた。早速着替えて、ようやく生き返った。 美人女将が作ってくれる夕食の時間です。やまきふ名物の宴会はほどほどに。翌朝は雨が上がった。少々風はあったが、文句なしの登山日和。 山頂からは見渡す限りの大展望。富士山、甲斐駒ヶ岳、聖岳、八ヶ岳、薬師岳…そして剱岳。逆転満塁サヨナラホームランのような展開だった。今回のイベントスタッフと遊びにいらしてたヤマレコファ..

  • 初夏の那須

    那須は富山から遠い。 高速道路が遠回りしているので、秋田や山形へ行くより時間が掛かる。しかし、那須西面にある美渓「井戸沢」を遡行し、三斗小屋温泉に泊まる山旅は遠くとも絶対価値あるお勧めプラン。 遠いのはガイドだけで、東京から来るお客様方は新幹線であっという間に来れるから良い。 若干水量は多めではあった。井戸沢のハイライト15m末広滝は左岸リッジへ。 私が一段登ったら、下で誰か大騒ぎしている。 水量で聞こえないが、お客様が沢シューズ右足ソールのフェルトを持って笑っている…。 それで沢シューズ崩壊と理解した(涙) この先、相当な苦難が想定されるが、ルート採りを工夫してなんとか稜線まで脱出するしかない。 末広滝を突破して、次の容姿端麗な大きな滝へ。ここは右壁を直登できるのだが、水量多くヌメりもあるので、沢シューズのフェルトがない方は直登は厳しいと判断して中段から右の薮へ滝2個分を一気に..

  • 梅雨はリスケの季節

    平日の戸隠山へ。戸隠小舎に前夜泊したが貸切で快適に過ごす。料理は美味しくて、また是非冬にも訪れたい。この本は私が生まれた年に発刊されたもの。 とにかく貴重な本がたくさんあって、山の図書館と言っても良いくらい充実していた。いつか時間がある時に一日中読み漁りたいものだ。快晴の中、戸隠山縦走。牧場へ降りてきた。戸隠蕎麦を食べないと終われない。 天ぷらをサービスしてくれた。登山ばかりしてると体幹落ちるので、ボルダリングくらいは最低でもやらないとロープ使ったガイドなんて務まらない。白木峰へ行ったら、ビックリ! えび寿司、行きたい!行きたい!行きたい! 無雪期の白木峰は花の宝庫だったんですね。 お客様に花の名前を教わりながら歩く。雪がない時期も綺麗な白木峰だった。 そして、八ヶ岳へ移動。4ヶ月ぶりに来れた。 普段、ケーキは食べないけど、ここだけは別格に美味しい。 凄く久しぶりにここで泊まった。 おば..

  • 海谷山塊へ

    雪から離れたら、梅雨前のガイドは海谷山塊が好きだ。紅葉期がとても美しいのだが、新緑時期もワイルドで素晴らしい。まずは平日に頸城駒ヶ岳へ。ここだけなら東京から新幹線を使えば日帰りで楽しめる。南西壁を眺めながら青年団バンドを行くのがハイライト。良くこんな登山道ができたものだ。 この下には冬季にカネコロンができることがあった。何度かチャレンジに来たが実力不足で登れたことはない。 頸城駒ヶ岳の山頂はいつも陽当たりが良い。 しかし、この日は暑かった。 下界は32度。 暑さに慣れていない身体にはしんどかった。 この2日前まで雪の上にいたのだから。 次回は、海谷三山縦走予定で入山。駒、鬼、鋸を越える恐ろしいルート。この日も暑かった。6月だというのに、真夏の気温。頸城駒ヶ岳を通過して、東峰へ向かうと、まだ草刈りはされていなかった。この暑さで薮漕ぎはキツイ。薮だから風も通らず、蒸し風呂のジ..

  • 夏の支度を始めよう

    6月を迎えて、雪のアクティビティは終わり、所謂無雪期が始まる。雷鳥の動きが活発になる時期でもある。浄土山にある岩場を登って、残雪を繋ぐ。雪はまだまだあるところにはある。浄土山北峰ケルンで見張るオスの雷鳥。この日は日本海に沈む夕陽が綺麗だった。 しかし、翌日は大荒れ。龍王岳東尾根ガイドから剱御前小舎で泊まり剱岳ガイドの予定だったが、降雪と降雨を繰り返し、剱御前小舎まで上がることもできずに雷鳥荘へ急遽泊まることになった。翌朝は晴れ渡り、しかし雪面は硬いが、奧大日岳へ行こうと準備していたら、地震速報が来た。 当初、M7.9で震源が富山湾とテレビが伝えたので、かなり動揺したが、これは誤報だったようだ。その後、もう一度余震があり、大事をとって登山は中止し、下山することにした。 地震といえば、2015年ネパール大震災を思い出し、どうしても慎重な選択になってしまう。そして乗鞍岳ラストスキー。量質ともに..

  • 麦秋

    だんだんと雪が少なくなり、徐々に夏へ向かう。 やり残したこともたくさんあるけど、やり尽くしたら終わってしまうから、足りないくらいがちょうど良い。 そして、この時期は疲れが溜まる頃。身体のメンテナンスをしながら、心の休養も必要な時期。 「何も考えずにゆっくり休む」 そういう日があってこそ仕事の品質は維持されるのだろうと思う。 5月病でたくさん休んだ。里では麦が美しい。 5月後半、山は予想外に寒かった。剱岳。尾白川渓谷。富士山。 佐藤小屋から見る夕焼けはいつも綺麗で、保さん夫妻との語らいはとても癒される。寒くて風があって雪面は硬く、吉田大沢はボコボコ地雷もありアドベンチャーだった。 毎年恒例の富士山スキーはザラメには巡り会えなかった。浄土山北面岩稜は途中からホワイトアウトでルート取りに苦しんだ。龍王岳東尾根は快晴に恵まれた。奧大日岳はシビアなコンディションで、慎重に登降した。5月最..

  • 春から夏にかけて

    GWが明けると、少しずつ雪の上に立つ時間も減る。 そうなると乾いた岩が楽しみだ。夏の目標を定めたお客様方と岩稜トレーニング。 クライミングルートを辿り、巻道の残置は使わずに全て強点を直登することで良いトレーニングとなる。山頂まで歩いて、再び同ルート下降。きっと夏は良い想い出を共有できると確信した。 小川山へ。 ここでクライミング講習をやるのは、何年ぶりだか記憶を辿れないほど。なので、ガマスラブへ。日帰りなので、ただ本数を登るだけに終始して申し訳なかった。 やはりここへ来るなら泊まり込んで、じっくり時間掛けてやりたいと思う。初めてクライミングを体験した方は人生観に変化があるかもしれないぞ。 雪山登山で針ノ木岳へ。天気予報はとても悪かったけど、天気図と現場の空気感から判断して、登って帰って来る時間はあると考えた。 マヤクボ沢からのショートカットは、前回よりも大幅に薮が濃くなり、遠回りだが峠..

  • 天狗様

    GW最終日に天狗平山荘へ。クリームソーダとアニキは元気で良かった(笑) 立山周辺には雪がある時期しか行けない場所がある。 国見岳もそのひとつ。山頂からは剱岳が均整が取れた形で見えて、方向変えれば大日三山、立山三山、薬師岳の展望が素晴らしい。岩峅寺、芦峅寺、両方の雄山神社に参拝してから天狗平山荘へ上がる。剱岳を眺めるには絶好のポイントへ案内。 雷鳥もいて、一緒に剱岳を眺めた。ホッピーでハッピー!夕食はいつも最高に美味しい。夜は井上尚弥を応援。 拳史に残る凄い勝負だった。翌朝は元気が出る食事をいただいてから、国見岳へ向かう。予報ほど悪い天候ではなく、雨も止んだのでスノーシューを履いて頑張る。 ほどほどに視界もあって、皆様初めての雪山歩きを楽しんでいただいた。 しかし、風が強くなり、雨も本格化する前に下山開始。天狗ラーメンで温まる。 雨が本格化したので、室堂自然保護センターへ。そして、雪..

  • 剱岳ガイドの始まり

    GW後半、遅ればせながら今年最初の剱岳ガイド。素晴らしい快晴に恵まれた。 いや、恵まれすぎて、昇温リスクに恐怖を感じながらの登山であることを覚悟した。まず一番心配だったアルペンルートの混雑によるお客様方とのミートができてひと安心。暑さと闘いながら、剱御前小舎を目指す。お茶目な後輩ガイドと前後しながら。久しぶりの剱岳との対面。 また、今シーズンも始まった。 シーズン初めての剱岳ガイドはいつだって緊張感で押し潰されそうになる。何十年やってきても、何百回やってきても、それは変わらない。今までの知識と経験なんて、この偉大な岳の前ではちっぽけなもので、岩と雪の変化に敏感に反応しなければならず、そこでお客様の命を守るとすれば、より一層謙虚に慎重に考えなければならないと思う。剱御前小舎から見る富山平野に光る田圃は、これだけでも見に来る価値は充分にある。翌朝は平蔵谷から。無風快晴の頂稜。待望の剱山頂..

  • 春のスキーシーズン終盤

    GWは観光地を避けるようにスキーの山へ向かう。 少しずつ陽も伸びて、夏に向かっていますね。2024春のスキーシーズンもいよいよ終盤戦。 針ノ木岳は、デブリ天国からスタート。石がコロコロ落ちてるし、春の針ノ木は毎年こんなものと思いつつも、今春はかなり悪いかも。 落ちたくないトラバースも続く。 本流からマヤクボ沢に入り、雪面も綺麗になってきた。スタートから標高差1200mを登ると剱立山を見渡せる稜線に出る。ここから指呼の距離にある山頂へは、スキーブーツで上がるが…。お楽しみのザラメ滑りはあっという間に終わり、すぐにワイルドスキーに変わる。 重たいザラメに、凸凹、デブリトラバースで充実した。春は冒険的で楽しい。 終わり良ければ全て好し。また、一緒に修行へ行きましょう! 雪なくなる前にスノーボードも楽しむ。 そして、山形へ。まずは月山へ。月山はほとんど登山になるので、今回は山頂へ行かず、姥ヶ岳..

  • 年度末

    3月最終土曜日の糸魚川駅では桜が咲いていた。先週までの寒気も抜けて、春到来。焼山温泉からは雪切れも多数で今週最後になりそう。新田山山頂から滑ったが、形成されたザラメは板が良く走り状態は想定通り。しかし、肩を痛めてしまった方が出て、大変申し訳ない結果となった。 翌日は白木峰へ。黄砂の影響なのか、白木峰らしい展望がなかったが、突然太陽が現れた。年度末にハロ。 空を見上げて、幸運のメッセージと受け止めた。年度末を機にガイド業務の転換を計りたいと思う。自分らしい、自分にしかできない仕事に取り組んで行く。

  • 雨上がりの山

    北陸は一日中、強い雨が降り続いたが、翌朝は雨が上がり好天が見込めそうだ。 向かった先は、富山岐阜県境の高落場山。ズボズボなので早急にワカンを履いて、重い雪の中を一歩ずつ進む。久しぶりに見た青空とブナ原生林。 スピードは上がらず時間はどんどん経っても、誰もいない静かな山を歩いていると、生きているという感じがする。山頂からは白山や人形山、三ヶ辻山などの大展望。眼下には砺波平野。下山中には雪の中から逞しいフキノトウもいた。帰宅中に見えた山は存在感抜群。 そろそろ冬が終わり、春到来の予感がします。

  • 白山遠景

    雪たっぷりの白山は日本海側の風景として不可欠なもの。 福井の取立山へ。剱岳の眺望とは異質な荘厳たる山容は見事である。 日曜日で時間を遅めに出発したので、トレースはバッチリで途中でワカンを外した。頂稜に出たら天空に飛び出したような感覚。これは石川、福井の山によくある風景。 周りの山々に抱かれたようだ。白山の大展望は期待通り。 前夜、えび寿司で購入したシャツも光り輝く。今シーズンは登る機会がなかったが、冬季白山はガイドメニューとして絶対外せない。 スキー、登山ともに来シーズンは皆様是非ご一緒してください。

  • 雪の楽しみ継続

    降雪あった平日にシャルマンへ行き、翌日の海谷のコンディションを予想してみた。当日はリスクや滑走フィーリングを考えて、山と斜面を選択。 これ以上の標高帯は視界もなく、リスクは高すぎる。 予定通りの山へ向かうが、ハイクしながら水分含量の高さを感じて、選択を間違えたかとドキドキしていたら、軽い雪が降り始めた。山頂でしばらく視界待ち。良く走る素晴らしい雪を滑ることができた。1月、2月に諦めかけていたスキーシーズンは完全に蘇った。 自然は人間を遥かに超えた偉大なるものだと改めて認識させられた。 そして滑るという行為の難しさを学べるシーズンだ。

  • プレシーズンの妙義山

    妙義山は東京在住でガイドをやっていた頃のホームグラウンド。 昔は裏にはいても表にはいなかった。「ヒル」いまや、表妙義にもいる。 ヒルには会いたくないし、人も多いし、ガイドだらけなので、春から秋にはすっかり行かなくなってしまった。妙義山は、冬でも暖かい日なら全く問題ないのだが、ちょうど寒の戻りに当たり、非常に寒く、北面には雪、氷、霜が残りかなり際どいコンディション。中之岳へのルンゼトラバースは氷がヤバい。 南面は春のように暖かく、北面は冬。中之岳から東岳までは問題なく快適。北面の降りは危なくて、鷹戻しを降るのは無理なコンディションなので石門へ下降した。それから、初めてメガネ橋を訪問した。それから、妙義山が良く見える露天温泉付きホテルに泊まり。それから、上州牛しゃぶしゃぶ食べ放題、飲み放題でパワーアップ。翌朝は小雪降る中、アドベンチャーなルートへ。愉快なメンバーと春分の日を楽しむことができて良..

  • 早春の会津トリップ

    この週末は会津へのトリップ。我が子の高校合格発表を確認してから新潟へ。まずはイタリアンを食べて、自分の高校時代を懐かしむ。 夕方、お客様が合流しての前夜祭。 翌朝は西大巓を目指すが、クレジットカードを落とした方がいて探し廻る。 クルマの下から発見されて安堵。今年はこういう突然のトラブルが多いが、だんだん場馴れしてきて、慌てることもなくなった。人生予定通りに進んだら詰まらない。トラブルは良き想い出と捉えて行きたい。いつも、ボゥーボゥーの豪風が定番だけど、まさかの無風快晴。モンスターも健在で良かった。磐梯山の大展望がまた素晴らしい。無事に山頂到着。 360度の大展望で吾妻連峰や安達太良山も良く見えた。こういうロケーションで滑るのは気持ちいい。グランデコに滑り込み、31を食べて終了。会津若松のディープな夜を楽しみにして来た。ここで飲食するためにだけ会津若松を訪れる価値は充分ある。最終日は猫魔に..

  • 雪国魚沼にて

    平日に越後へ。 しばらく大量降雪が続き心配はいろいろあるが、月曜日の好天でリスク状況は多少改善するだろうと期待した。登山日は昼前から雨になりそうだったが、魚沼が比較的降り始めが遅いだろうと、予定変更して魚沼アルプスの大力山からスタートして稜線漫歩を楽しむことにした。越後三山や巻機山、苗場山の展望良し。里山低山とは思えない雪国の雰囲気を味わえる大好きな場所。 しかし、雪量は例年比1/3くらいだろうか。それでも豪雪地帯の山は雪を楽しむに充分過ぎる量はある。 大力山まではトレースバッチリでツボ足、そこから先はワカンを装着する。里山とは思えない白が続く稜線漫歩。鎖場、細尾根、雪庇もあり、飽きさせない。ワカンは使いながら調整しながら自分に合わせるもの。豪雪を制するにはワカンから!結局、魚沼は昼過ぎまで天気は持ってくれた。三宝亭の麻婆麺は辛いので要注意ですよ! 浦佐駅で解散してから雨は本降りに。 天..

  • デジャヴ

    大量降雪後の週末は西穂高岳へ。 ラッセルやる気満々で心の準備して、日曜の晴天狙いで新穂高ロープウェイに着いた。あれ? この前の平日から看板変わってないのか? と思ったら、今出たばかりのロープウェイで運転見合わせだとのこと。 しばらく待ったが、もうこの日の運行はないとのことでアプローチ敗退。 またも、「民宿たきざわ」に急な宿泊予約を入れて、西穂山荘へキャンセル連絡する。 ここまでは4日前と全く同じ。 しかし、週に二回もロープウェイ運転見合わせに遭うとは。駐車場に戻り、エンジン掛けたらチェックランプが点いて、振動が激しい。 とりあえず、民宿へ向かうが、坂道が上がれない。クルマ屋さんに連絡を取りながら、富山まで自走することになった。登りはパワーなく、いつ上がれなくなるかわからないので、お客様のクルマに後続してもらった。 胃が痛くなる思いをしながら、ようやくジムニーを入院させることができた..

  • もうすぐ春ですねー

    上市の富山百山へ。久しぶりに気温が上がり、春の定番リスクオンパレード。 一番嫌なのは花粉( ;  ; )高い杉からの落雪、沢穴、重雪ラッセル、花粉、スラッシュ、霙、雨…いろいろあり過ぎて、困りました。雪の状態が悪すぎて時間が掛かり、予定の山には行けず、隣の山へ方向転換。長年お付き合いいただき、ありがとうございます。80過ぎても元気に登れそうですね!〆は都。剱岳が見えるラーメン屋。営業時間が過ぎてましたが、頼んだら入れてくれた。 結果、楽しい一日になったと思います。

  • 五里霧中

    想定外の展開で福地山へ行って来た。予定では西穂高岳のはずだった。新穂高ロープウェイが止まり、登山口に上がれず。 しばらく待ってみたが、動かす可能性はないということで諦めた。翌日、西穂高岳日帰りアタックも検討したが、翌朝もロープウェイ運行は難しいとの予測で、昼から吹雪が予想される。 翌日は福地山へ行くことにして、宿を探す。中尾高原でアバランチトランシーバーのトレーニング等、昨今発生した雪崩事故に対する講習を行った。偶然、民宿たきざわ宿泊することにして、温泉も食事もホスピタリティも全てが素晴らしかった。宿泊料金で選んだのに、何かの間違いではないかと思うような夕食。〆は飛騨牛の握り寿司。 朝食も豪華で美味しくて、リピート確定の宿であった。登山口からしばらく登ったところで、宿から電話があった。 聞けば、「宿泊料金を多くもらいすぎた」とのこと。中尾高原から降りて、福地山駐車場の私のクルマにお金を置..

  • 冬が終わる前に

    3月最初の週末はヒュッテ入笠に宿泊して、やまきふ共済会イベント。雪が残っているか心配していたが、降雪にも恵まれて、雪山登山を存分に楽しむことができた。今回も講師として、呼んでいただき、とても感謝しております。 雪山の歩き方、アイゼン&ピッケルの使い方、スノーシュー体験などの内容で、雪のコンディションに応じた行動の大切さを伝えさせていただきました。ヒュッテ入笠では食が楽しみで、どれも美味しいのでメニュー選択に困る。スタッフの皆様に大変お世話になりました。そしてホッコリ癒されました。イベント前日は、息子の高校卒業と誕生日。 大切な青春期をほぼコロナ禍で過ごし、密を防ぐためにと行事も部活も制限された日々を過ごした。世の理不尽を学ぶ良い機会にもなったのかもしれないが、我慢したその分を光輝く未来に変えて欲しい。 春からは一人暮らしとなり、人生を自ら切り拓く逞しさも必要となる。厳しい山を幾つも乗り越..

  • 西鵯

    降雪後快晴の平日に西鵯へ。南面滑走は少し重めだが、深いパウダーで気持ち良かった。栂池に滑り込み、ふるさとで蕎麦を食べて良い一日が終わるはずだったが、帰宅したら嫌な電話が待っていた。窮屈な登山文化は残念ながら無くならない。 元日の地震から始まった厄難の連鎖はいつ収まるのだろうか。いつか良い日が来ますように!

  • 激混み三連休

    越後湯沢で過ごす三連休ガイド。 集合待ち合わせの越後湯沢駅に行ったら、スキーヤー、スノーボーダーで溢れかえっていた。 スキー場へ行くバス停の行列は凄まじい。我々は贅沢にも無人の雪尾根を快適に行く。 氷の上に載った新雪がなければ、カチカチ山でヤバかっただろう。ナイフリッジ、急斜面を越えて南峰に到着。南峰の直下はクラックが入り、慎重に降る。飯士山の山頂に到着。喧騒の岩原スキー場へ下山する。 このギャップが楽しい。夕方近いのに、中野屋本店で40分待って蕎麦を食べる。 さすが、三連休! 2日目は山スキー初めての方と八海山へ。「わーキレイ!」と喜んでいただいた。しかし、滑ろうとして準備が終わると、ドヨーンと何も見えず、待ちぼうけ。雪は軽くて良かったのだが…。 まずはデビュー、おめでとう! 最終日はこちら。 大人の事情で出発が遅くなるが、稜線が風ボーボーらしく、どんどん敗退して降りて来る。井戸壁を登..

  • メモリアルエリア

    某ツアー会社のアイスクライミング体験会で岩根山荘で2泊お世話になった。 ツアーの仕事はかなり久しぶりで、今まで敬遠してきたのだが、昨年こちらのツアー会社社長と偶然、雷鳥荘でお会いして「年齢を理由に山を諦める人々を受け入れている」という話に感銘を受け、ご縁をいただくことになった。 私も今年、62歳を迎え、やれることはどんどん限られて、今後どのように山と向き合って行くかをいつも試行錯誤している。 普通にできた事ができなくなって虚勢を張ったり、頑張り過ぎた時期もあった。 無理して頑張り過ぎたら取り返しのつかない事故に繋がるのが、この仕事の怖いところ。 できもしないのに、できるフリして無理することはない。 人は人と、今の自分を認めて頑張り過ぎないよう気をつけながらガイド業を続けている。 しかし、山で感動する景色に出逢うたびに、刺激を受けて元気と勇気をもらっているので、山とはどういう形でも関わ..

  • 津軽漫遊 後編

    そして…青森滞在もようやく終盤戦。 最高の八甲田がやって来た。運休が続いたロープウェイも再開して、待ち行列は駐車場の外まで伸びた。我々は早めに乗れたので、山頂駅までスムーズに進む。樹氷も再び育ち、我々を待っていたかのようだ。赤倉岳断崖は新雪に纏われ見事な面ツルだ。これほど綺麗な状態はなかなか見ることはできない。赤倉岳山頂までスノーシューで絶景漫歩。下山したら岩木山の麓、百沢温泉に宿泊。翌朝は日本海を眺めながら、ひたすら登る。これほどの好天に恵まれた登山は近年なかなかない。アイゼン、ピッケルに替えて氷の山を幾つか越えると烈風の山頂へ。青森県最高峰 津軽富士は、滞在3分が限界ですぐ下山に移る。八合目まで降りたらもう安心。 だんだん風も強くなってきた。嶽温泉に降りて、今回の津軽ガイドは全て終了。 長かったような短かったような。寒暖差が激しく、雪のコンディションが大きく変わる日々。行動判断が難しい..

  • 津軽漫遊 前編

    二月上旬恒例の青森出張に行って来た。平日というのに、富山から青森への新幹線は満席で、ほぼ外国人で埋め尽くされていた。 新青森駅で予約しておいたレンタカーをピックアップして、お客様の到着を待つ。そして、一年ぶりに青森の味を懐かしむ。初日は大混乱の八甲田ロープウェイを使わずに高田大岳の大斜面へ向かう。ここは人があまり来ない場所で誰にも会わず、降雪中の大斜面を登る。登るに連れて、期待感が高まる。 高田大岳に陽が当たらないうちに急いで登り、長い長い滑走を楽しむ。毎冬、八甲田スキーに参加してくれる方も「間違いなく過去最高!」と言う沈降したパウダー。どこを滑っても素晴らしい大斜面を我々だけで満喫した。 あー、ここにみんなを連れて来たい!ラストはこちらに合流して樹林帯パウダーを楽しんでロングランが終わる。 この一本だけでも青森まで来た価値があるのだ。酸ヶ湯温泉で筋肉を緩める。夜は青森の人気寿司屋で夕食..

  • アイスキャンディフェスティバル2024

    赤岳鉱泉アイスキャンディフェスティバルへ久しぶりにスタッフ参加してきた。アイスキャンディには設立当初から関わり、アイスキャンディカップやフェスティバル、鉱泉道場など思い出は尽きない。 自分は身体的にもう引退と決めて、近年はアイスキャンディのイベントには関わりを持たなかったのだが、今回は株式会社キャラバンから講師のお誘いを受け、スタッフ参加させてもらうご縁をいただいた。 2/2 入笠山へスキーツーリング。スキーに適さない雪の質量であることは重々承知で、スキン歩行トレーニングとして行った。ここへ来たなら絶対欠かせないもの。 美味しいものを食べに、ヒュッテ入笠に寄る。3/2にやまきふイベントを開催させていただくので、その時はゆっくり宿泊するのが楽しみだ。 参加者絶賛募集中です! 2/3 赤岳鉱泉アイスキャンディフェスティバル会場へ。たくさんの協賛企業が運営を盛り上げている。 自分は久しぶり..

  • もうすぐ立春

    地震からスタートし、山岳関係者以外にも身辺で病気、他界と残念なことが繰り返され、頭が整理できぬままに一ヶ月が過ぎた。 まだ先は見えないが、不測事態が続いた月がようやく変わり、改めて良き新年のスタートとしたい。山は寒暖差を繰り返す環境下でなかなか積雪量が増えず、ポジティブな判断は難しい。いろいろな場面でそれを理解し、我慢してくれたお客様には感謝しかない。厳冬期の越後豪雪地帯でも、降雨があり得る時代になってきたのだ。寒暖差が激しいこの冬は、身体も知らぬ間に疲労が蓄積しがちなので注意したい。山頂で視界がなくなり、経験と記憶だけで滑り降りてきた日もある。 こういう日は実に危ない。あまり標高を上げずに、良い雪が溜まった面に出逢えた日もあり、滑りの斜面選択は難しいが当たれば嬉しい。難しすぎず易しすぎないルートを選択することはとても大切で、登山でもスキーでもアイスでも楽しむ上でいつも一番気にかけてい..

  • 年始の赤岳鉱泉

    ようやく、年始で赤岳鉱泉へ。 1/2-3で入る予定だったが、ガイドキャンセルしてしまい、その後もいろいろあってようやく来れた。初日は、アイスキャンディ講習。 お二人ともアイス初体験なので、変な癖がなく、身体がすぐに型を吸収してくれる。アイスはまず型を作ることに尽きる。 質が悪いトレーニングを経て、型の崩れた状態に陥ると、やればやるほど悪循環にはまる。すぐにアイスが楽しいと言ってくれて、これからが楽しみだ。大同心と小同心の風景は、まだまだ白さが足りない。ワインを飲みながら語り合う時間も大切。翌日は強風と視界不良の中、阿弥陀岳へ。この日に存在するリスクを回避するルートを登り、風に当たらず楽に登れたと思う。強風ホワイトアウトの山頂は長居無用。 中岳沢も雪は少ないとはいえ、上部は吹き溜まり、ライン取りを考える必要がある。下山後の楽しみは、残念ながらまさかの定休日。 今年初めての赤岳鉱泉が無事終了し..

  • ZAO

    正月第二週は蔵王へ行くと年間スケジュールで決まっている。しかし、2024年はいろんなことが重なり過ぎて、催行を中止しようかと悩んでいたが、蔵王に行かなかったら後悔の方が大きいと思い、ひとりで東北へ出発した。まずは、ひとりで湯殿山へ行き、身体を慣らす。いろんなことがあり過ぎて、今シーズンはほとんど滑り込みができていないので、ポジションの確認をしながら20数本滑る。 そして、翌日にお客様と合流。 ライザから刈田岳を目指す。う〜む。やはり、雪は少ない。毎年お世話になる避難小屋。さらに上へ進むが、視界もクリアにならず、気持ちいいスキーになりそうもない。刈田岳まで行かずに、ゲレンデパウダーを廻すことに変更してドロップ。 それはそれは、素晴らしい雪でした。夜は馴染みのお寿司屋さんへ。 地元の方々と合流して、元気と勇気をいただきました。 また、来年も蔵王に来れるよう頑張って生きようと思う。翌朝は蔵王ロ..

  • 仕事始めにあたり

    2024年の仕事始めは西穂高岳。 地震はまだまだ続き、寝ていても身体が揺れている感覚が残り、なかなか疲れが取れない。壊れたものの修繕も気になるが、いつまでも仕事を休む余裕もない。 そして、自分に必要なのは山の中で深呼吸して、生気を取り戻すこと。西穂山荘に着いたら、N県警とG県警の山岳警備隊がパトロールに来ていた。こちらはN県警の方に撮っていただいた。 G県警の方が「着いた早々なんなんですが、明日はここから上には登れないですよ」と。気持ちはわからなくはないが、その判断は登山者自身が決めることであり、それが登山という行為の本質だと思うのだ。夕食後にはN県警による安全講習が行われたので参加した。 この夜は新年初めて爆睡できた。翌朝は小屋の朝食中に西穂高岳へ向けて先頭で出発。丸山までは脛程度のラッセルだが、白い雷鳥がたくさん出て来て、過酷な自然環境で生きる姿に元気をもらえた。西穂主稜線が見える所で..

  • 龍の年を迎えて

    新年、あけましておめでとうございます。本年も宜しくお願い致します。2024年元日は四方神社へ初詣に行き、おみくじを引き読みながら、一年の計を考えながら過ごしていた。年末にスキーガイド中に腰を痛め、そのまま甲斐駒ヶ岳をガイドして、膝の痺れが復活したので、大晦日と元日はゆっくり静養していた。1月2日から赤岳鉱泉に入り、アイスクライミングと雪山登山の予定だったので、なるべく休もうとお屠蘇も飲まず、一人2階の自室で本を読んでいた。15時に翌日からのガイド準備を終えて、寝転がった時、急に「明日は山に行ってはならない」と考えるようになった。(結果論と言われるかもしれないが…) 自分の腰が不調なまま、ガイドを行うことで何か悪いことが起きるのだと思い、お客様へ正直に相談の電話をした。快く「無理されずに、またの機会にしましょう」と理解していただき、ガイドキャンセルとなった。そして、赤岳鉱泉に「私の腰の調子が..

  • 甲斐駒ヶ岳でガイド納め

    本日は大晦日。 2023年のガイド納めは甲斐駒ヶ岳を選んだ。 累計標高差2500mを超える歩き甲斐のあるロングルート。東京にいた頃はアルパインクライミング、アイスクライミングのアプローチで良く登降していた自分にとっても修行の尾根。 コロナ禍前に冬剱のトレーニングに訪れて以来の冬季黒戸尾根のスタート。 神社は初詣の準備中。七丈小屋までは積雪なく、冬靴が痛い。 七丈小屋はとても暖かく、そして温かく快適でした。クラフトビール2種類とも美味しかった。夕食のカレーはスパイシーな辛さが食べやすい。珍しくおかわりした。朝弁当は3種類の稲荷寿司。パッケージが可愛い。 個人的には、山小屋のご飯はこの形態が理想的だと思う。北杜の地酒も美味しい。翌朝はキャンプ場からクランポン装置。 雪が少ないので氷も岩も鎖も露出し、難易度は高いので慎重に行動した。甲斐駒ブルーは綺麗だった。周りの山々が全て見渡せる紺碧の空は、2..

  • 年の瀬を迎えて

    富山からの剱立山はまだまだ冬の景色ではない。なかなか雪が降らない年の瀬だが、ご挨拶程度の降雪がある日も。平日の大雪予報で山には誰もいないので、終始ラッセルしたが、ドライパウダーなのでなんの苦労もない。ご高齢になられても、自分を高めたいと思って参加される方へは、できる限り大切なことを誠心誠意伝えたいものだ。良く冷えた日。寒暖差が激しく体調管理が難しい。しばらく滑っていないので、翌朝は仕事前に冷えたパウダーをいただく。白駒荘で「チーム安全登山」の忘年会。私は雪山講習を担当する。島枯山、茶臼山を経て、白駒荘へ。ヤマレコ、ヤマテン、やまきふ共済会からなる「チーム安全登山」は特色ある経営者の集まりで、いつも価値ある時間を共有させていただいている。 だいたい記憶なくなるまで飲んで、翌日なにも覚えていないのがとても残念だが。それでも人生が楽しいから仕方ない。皆様、多数のご参加ありがとうございました。また..

  • 雪乞い

    爺ヶ岳東尾根へテント泊のはずが、初日が本格的な雨なので車中泊して、早朝に取り付く。暗い中、出だしの急登に挑むが、雪がない落ち葉だらけの斜面は滑る。登れば登るほど藪漕ぎで雪も現れない。 登頂には時間もなくなり、敗退することにした。下山して、ロープワーク講習をやって終了。冬季ルートに雪がないのは虚しい。まさか、この時期に雨とは。 そして、今度は蓼科山の予定。登山口の標高は雪になると踏んでいたのだが、哀しくも土砂降り。 しばらく、クルマで様子を見るも、雨は変わらず八子ヶ峰へ。何も見えず(涙)本峰では更に風雨激しく、眺望なし。ぐるっと回って、すずらん峠から登山口へ。ここの蕎麦は美味かった! そして、週末を迎えて赤岳鉱泉へシーズンイン。ところがまさかの雨、またしても!ジョーゴ沢でも行こうかと思っていたが、行って来たガイド情報によると、氷は落ちてしまったそうで…。部屋で真面目にロープワーク講習を再び。..

  • 初冬西穂独標

    西穂山荘に宿泊して、西穂独標を往復するコースは雪山に身体を慣らすには適度なコースだ。マテリアルチェックをしながら、滑らない歩き方を身体に染み込ませることが重要な時期。ロープウェイを降りて、西穂稜線を眺めると、もう少し雪が欲しいところだ。西穂山荘に着いてから、ピッケルの使用方法、アイゼンを有効に使う歩き方を講習する。今回は雪山入門者がお客様なので、雪山における幹となる技術だけを短時間で覚えていただく。余計な技術を教えて、混乱を招くより、大切なことシンプルに伝えたい。寒い夜は少し暖まりましょう。 翌朝はピッケルが無くなり、出発が遅れる。焼岳2という一番奥の個室に宿泊し、部屋前の荷物置場に貴重品以外を置いておいた。 いろいろな場所を探してみたが、見つからず埒があかないので、私はノーピッケルで登ることにした。 一番奥の個室なので、誰かが間違えて持って行くことはあり得ず、状況的に考えて盗難としか考え..

  • 雪消えの山

    しばらく降雪なく、すっかり雪が消えた八島湿原。20年以上のお付き合いになるご夫妻と鷲ヶ峰へ。病後からのリハビリハイクで選んだのがここ。 雪上ハイクの予定だったが雪がすっかりなくなった。しかし、北アルプスの展望は素晴らしい。アルパインクライミングが好きで、昔はチンネ、東面スラブ、滝谷などへガイドさせていただいたが、お互い歳を重ねても、このようなお付き合いができることに深く感謝したい。 「ここから見える景色、ほとんど本郷さんと一緒だったね」とご夫妻でつぶやいていらしたことが印象的な一日だった。

  • 師走のはじまり

    11月30日、立山黒部アルペンルートがクローズになると、富山県内でのガイドは減り、県外での仕事が多くなる。 今冬は雪の付き始めが早く、スキー場のコンディションも上々だ。 整備されたゲレンデを気持ち良く滑れて最高の師走の始まり。まずは白馬五竜からスタート。白馬各スキー場が一気に開いたので、分散したのかリフト待ちはほとんどなく、たくさん滑り込むことができた。 この時期はとにかく数を滑らないと!もう少し太い板を持ってくれば良かった。 五竜、47の空いているコースを休みなく滑り続けた。 そして、黒姫山へ雪山入門ガイド。 しかし、とても入門というレベルではなく、激しい降雪でトレースはすぐになくなる。先行パーティ達が敗退してくる中、我々だけは膝から股のラッセルを頑張る。 樹林帯主体でリスクの低い黒姫山なので、吹雪をたっぷり楽しんで欲しかった。 とにかく、この時期にパウダーラッセルできる事は皆様には素..

  • 立山閉山

    いよいよ立山閉山を迎える。金曜から上がる予定だったが、富山側が運休で全員で土曜に扇沢アプローチとなる。 扇沢では多くのスキーガイド、滑り手と顔を合わせた。室堂に到着したら、文句なしの快晴。シーズンインのお客様方なのでハイクもゆっくりと、景色を眺めながら歩を進める。この日はどこを滑っても、最高のドライパウダーが楽しめた。 ものすごい数の滑り手がいたので、あっという間にギタギタになり、隙間パウダーを探しながら転々と位置を変える。 どこへ移動しても、全て最高だった。最終営業日の雷鳥荘に到着。旭立太ガイドに撮影をお願いした。雷鳥荘、最後を飾る富山側の夕陽。夕食はカレーバイキング。 雷鳥荘にはいろいろ無理をお願いしたり、大変お世話になって感謝してもしきれない。翌日も期待高まる朝焼けから始まる。少しパック気味のパートもあるが、パウダーコンディションは継続していた。この週末は最高の二日間だったと言える..

  • 立山は冬へ

    11月中旬となると最後の立山ガイド生活が始まる。4月15日、立山黒部アルペンルートの全線オープンから7ヶ月。 春スキーガイドと剱岳残雪ガイドから始まり、夏の剱岳ガイド、秋はまたスキーガイドでシーズンを終える。 長いような短いような、シーズンクローズが近づくと寂しいものだ。 立山の始まりと終わりだけは見届けたくて4/15と11/30は、どんな天候でも必ず現場にいるようにしている。 2450mにある天空の別天地は富山の宝。沢山のお客様に見ていただきたい。11/14から立山に上がる。みくりが池はまだ凍っていないが、山は真っ白だ。新雪がたっぷり降って快晴の中、普通は行けない剱岳の絶景地へ。剱岳の存在は別格だ。いつまでも変わらず、ここにあるだろう。この時期の立山では、いろんな仲間達と再会できて嬉しい。この頃はまだ雪は少ないが、素晴らしいロケーション。しかし、吹雪で予定通りの行動ができなかった日々もあ..

  • 真田の里へ

    この週末は海谷周辺ガイドの予定だったが、日本海側は気圧の谷の通過で絶望的な天候になりそう。 転進先は無難な妙義エリアも考えたが、定番過ぎてあまりにも芸がなく、海谷山塊の代案としては場違いだ。 なので薮岩求めて信州上田へ。岩薮好きな登山者が楽しめる山が数多くある上田は新幹線の停車駅でもあり、東京からのアクセスも良い。 西の妙義とも言われるが、趣は違う気がする。 上田は独鈷山が有名だが、この山にも様々な特徴的な登路がある。まずはバリエーション入門的な帰望峰から竜王山を経て独鈷山へ。沢を跨いで、枯葉ラッセルして苔蒸した岩稜を行く。上田の街並みが眼下に見える稜は気持ち良いが寒風がきついアクセント。楽しいチムニーから這い上がったりして、アップダウンを繰り返す。帰望峰。 ラッペルしてコルに降りて、また登ると。竜王山。 泥道を下降して、また登ると。上田を代表する独鈷山に。 夜は…。なんとなく惹かれて..

  • 御前ヶ遊窟の旬

    会越国境山郡にある御前ヶ遊窟へ通い出してもう何年になるだろうか。春夏秋冬ここに来てみて、ベストシーズンはいつなのかを模索してみたら、間違いなく今が旬と思う。白い岩肌と黄金の紅葉は、来る者全てを圧倒する。泥々の悪いアプローチを乗り換えて、ようやくこの景色に出会えることが素晴らしい。 あのアプローチが無ければ、このドラマは完成しない。 今回は3回連続して、御前ヶ遊窟を周回ガイドした。 今秋は特にアプローチの状態が悪く、連日神経が擦り減ることになった。足場の悪いハイトラバースが連続するので、単純にロープを使う形式的なガイディングは通用しない。悪場慣れしている信頼できるお客様とだけで来るべき場所だ。 水が少ない日は沢をアプローチしても良い。1回目。2回目。3回目。毎日コンディションが異なるので、ルートも変えて快適さを楽しんでいる。 古いリングボルトやナチュラルプロテクションも利用しながら、スラブ..

  • 黄金の廊下

    雪たっぷりの龍王岳から扇沢駅へ降りて、週末からの黒部川下ノ廊下に備える。週末の天気予報は両日とも雨だが、前日までのような発雷リスクは感じられない。 下ノ廊下ガイドの催行可否は、降雨はあまり大きな問題ではないと私は考えている。 もともと黒部川に沿った岩壁を辿るルートである性格上、濡れた岩の上をスムーズに歩けるお客様を参加基準としているので、雨が降って強いストレスを感じる方を対象とはしていない。「人間は必ず間違える」このことを繰り返し伝えて、番線へのハンドリング、スリップを防ぐ歩き方、写真撮影への注意点、危険箇所のチェックなど新越ノ滝通過までに全て再確認しながら行動する。 ここまで私が不安を感じるお客様が一名でもいたならば、黒部ダムへ躊躇なく帰る。 基本、下ノ廊下ガイドはリピーターのお客様を対象とし、ご本人の体力、技術、経験、特性を熟知して計画を立てるので、ガイドとしてやるべき仕事も想定内であ..

  • 冬雷

    久しぶりに室堂へ上がった本日は、雷の可能性が高く、朝イチのアルペンルートで上がったので時間勝負。龍王岳東尾根の予定だが、間に合うか。岩には氷が張り付いたハードコンディション。 時間が掛かりそうな東尾根には向かわず、Ⅳ峰北面に向かう。雪面が硬くて、ピッケル&アイゼンワークの良いトレーニングにはなった。初冬の剱岳。とりあえず山頂に着いた。 下山は浄土山を回って降りた。日本海から黒い変な雲が近づいてきて胸騒ぎがする。 室堂に降りて解散した後に雨が降り出した。 剱岳八ツ峰で凄まじい雷雨に遭って以来、雷恐怖症になり警戒心が強くなった。 冬雷は、夏より一発の威力が遥かにデカいので実に恐ろしい。

  • 立秋を迎える剱岳

    8月6日は日本にとって特別な日。この日も剱岳へ向かう。 登山を楽しむことができる平和が未来永劫続くことを切に望む。午後になっても雨が降ることなく、剱岳は美男子的姿を見せてくれていた。 剣山荘でシャワー浴びて、生ビールで乾杯!温かい夕食を食べて、たっぷり寝る。だいたい19時30分を過ぎると小屋内は静かになり、ほとんどの人は寝ているようだ。翌朝は巨大な虹が掛かり綺麗な夜明けだった。今夏の剱岳別山尾根は渋滞もなく、快適に登ることができる。そう言えば、近年は大人数のツアー登山が減ってありがたい。剱岳は全方位展望が良く、理想的な山頂だ。 しかし、看板が多すぎて…誰か整理していただけないだろうか。おやすみ時間に登ってきた剣山荘スタッフとも記念撮影。眺望に恵まれたこの日は景色を楽しみながら、ゆったりと下山。剣山荘に戻り、牛丼ランチを食べてから映画を見たりして、2泊目を楽しむ。最終日は秋空広がる立秋。また..

  • 天高く剱岳

    空の色、風の匂い、雲の形が秋を感じるようになって来た。ご縁ある4名のお客様を2名ガイドで剱岳へ。入山時には雷鳥沢で、富山の超人気寿司屋「えび寿司」の主人とバッタリ! ポケットから梅しそ巻が出て来ていただく。えび兄の太ももで温まった寿司は美味かった!剣山荘でシャワー浴びて、生ビールも美味かった!鹿島槍ヶ岳、五龍岳など後立山を眺めながら夕刻を楽しむ。翌朝も後立山の空が染まる。今夏の剱岳は登山者少なく、空いていて順調に進む。皆様心配していたタテバイも問題なくクリア。頂稜に出たら祠が見えて来て、目に涙が浮かぶ。山頂は空いていたので、一名づつと記念写真を撮る。この時ばかりは、アイドルになった気分(笑)下降は丁寧に行動する。前剱の下降前に大休止。長い岩場の下降で脚に疲れが溜まってくる頃だ。ここは本峰の眺めが良く、山渓の取材でも良く使う場所。 前剱の転倒事故はほとんどがルートミス。単に踏み跡やマーク..

  • 秋風月

    7月も終わり、はや8月となる。暦の上ではもうすぐ立秋。この頃から急に月日が早く過ぎるように感じだし、気付けば秋になり冬になる。夏の終わりを感じ始めると寂しいものだ。天狗平山荘に泊まり、夕陽を期待したが、空は血が混じったような不気味な色で早々に部屋へ戻った。昼間は暑いが、朝晩は秋風を感じる。剱岳も少しずつ秋に向かっているようだ。小さな秋を見つける。 山荘でゆっくり寛いでいたら、先輩ガイドの訃報が入り、愕然とした。ひとつの時代に生きた名ガイド。 自分が山岳ガイドとして専業になった頃、嫌味を言われたり、小言を言われたりして、小屋にその先輩がいたら一緒にいることを避けていた。しかし、自分がガイドとして経験を積むうちに、少しずつ言われている意味がわかるようになり、酒を酌み交わすようにもなったし、さまざまなアドバイスを素直に聴けるようにもなった。 5、6年前だったか、ペアを組んで一週間ずっと一緒..

  • 剱岳展望の縦走路

    7月の終わりに剱岳展望の山へ。 本来なら剱岳バリエーションガイドの予定だったが、腰痛から左脚麻痺が酷くなったため、中止させていただいた。 いつか治って再びクライミングができるようにと思い描いていたが、なかなか思い通りにならない。60歳を過ぎて、いつまでこの仕事ができるのかもわからない。一日づつ、今日で終わりかもしれないと思って山を歩いている。ここは花咲く縦走路。花の命は短くて、苦しきことのみ多かりき。綺麗な花咲く稜線は心地よいが、肝心の剱岳はガスに包まれて見えない。奧大日岳へピストンする登山者が多く、ようやく夏山らしい雰囲気が感じられる。山頂からも剱岳は見えないので先を急ぐ。 雷が遠くからゴロゴロ始まり、時間の問題で雷雨となりそうだ。鎖場、岩場を越えて、ここから雨となる。なんとかうまくやりくりしていたが、7月になって初めて雨具を着た。中大日岳は走って通過。ほとんど濡れることなく、ギター..

  • 剱岳の夏

    全国、厳しい暑さが続いているが、ここは朝寒いくらいだ。 風も冷たくて、防寒着も必要だ。陽が昇り、後立山方面から明るくなる。岩が輝く時間帯は、ここが日本だとは俄かには信じられない。今回は男性2名のお客様をガイド。 梅雨明けして随分と経つのに、剱岳には登山者が少ない。テントも少ない。コロナ禍が落ち着いて、この夏は山に人が殺到する予定だったはず。 一昨年、昨年より登山者が少ないかもしれない。 理由はわかる気がする。剱岳は、難易度、達成感、展望…どれをとっても国内屈指を誇る。一度、その素晴らしさを知ったら、また何度でも来たくなる山なのだが、その魅力が伝わっていないのだろうか。 これから8月を迎えて、沢山の登山者が剱岳を訪れることを期待したい。

  • 真砂沢ロッジ訪問ツアー

    真夏の定番イベント「真砂沢ロッジ訪問ツアー」これ以上ない天候にも恵まれて、本年も無事終了! 真砂沢ロッジをサポートする企業の皆様をガイドする重要ミッション。毎年参加メンバーは変わるが、登山未経験者が大多数。剱立山を良く知るガイド3名で、日本屈指の大雪渓である剱沢を登降する。 前泊は天狗平山荘。賢輔さんも元気そうでなにより!まずは一年振りの再会を祝して、天狗クラフトビールで乾杯! 近所を散策して、高度に身体を慣らす。豪華な夕食をいただき、明日からに備えて早めに就寝。寝る前には、プリン食べないと!ラジオ体操してから朝食。スイカが嬉しい! 天狗バスで早朝の室堂へ。賢輔さんの「みんな、無事に帰って来るんだよー」といつもの言葉をいただき気合いを入れる!逆光が眩し過ぎる。まだ観光客が動いていない無人の室堂を出発。初めてのみくりが池に皆様感動。 気温が上がる前に雷鳥沢を登る。約2時間の急登に耐えると重厚..

  • 剱岳 漸く梅雨明け

    いつも元気な仲良し3人組の願い叶って、漸く北陸地方が梅雨明け宣言。剱御前小舎に上がったら「剱人」の著者がいた。 お互い良く会うなーと、近況報告してから剣山荘へ向かう。雪渓は剣山荘スタッフが雪切してくれているので、剱岳へ向かうレベルの登山者ならアイゼンは要らないだろう。雷鳥が雛を連れて歩いている姿は癒される。シャワー浴びてからの生ビールは最高!初日から楽しく盛り上がってた!快晴が約束された日はゆっくりスタート。岩は乾きベストなコンディション。初めての剱岳をフォトポイント紹介しながら、快適に登る。影剱が見える日はラッキーとしか言いようがない。タテバイは定点観測地点。山頂下でまたも星野秀樹とすれ違う。縁がある人とは何度も会うものだ。これぞベストな夏剱! この日を目標にして頑張ってきたから、剱岳も微笑んでくれた。私も感無量だ!下山も気を緩めず緊張感を持って行動できた。剣山荘に帰り、生ビール&カレ..

  • 夏剱スタート

    最悪の天気予報で中止すべきか…ギリギリまで悩んだが充分登れるチャンスありと剱岳へ向かった。春には3回登らせてもらったが、今夏は初めて。いつだって緊張感を与えてくれる岳。一般ルートだって、山岳ガイドの立場としては一切気は抜けない。 姿を見たくても剱岳は恥ずかしがり屋でもあるので、簡単には山頂を見せてくれない。コバイケイソウが夏を感じさせてくれる。山岳警備隊に挨拶してから剣山荘へ。この間の雪は驚くほど少なく、ここ数日で無くなるだろう。 剣山荘の新しいスタッフは今夏も良い子ばかり。 シャワーを浴びて、生ビール飲んでまったりする。 翌朝は雨が降っていないが、時間勝負。10時くらいから天候は悪化するとみて、4時スタート。 南風が強かったが、少しずつ西風に変わって、前剱を越えてからガスは切れてきた。岩は乾き快適。無人のタテバイを越えると先は見えた。待望の剱岳山頂へ。 お客様方は某山荘の元山岳ガ..

  • 夏はまだか

    岳沢小屋からジャンダルム往復一泊二日のガイド。昨夏、雨の剱岳をガイドした方々。今夏は次のステップ、ジャンダルムにチャレンジということで遠方からいらしていただいた。なかなかスッキリしない感じの天気予報だったが、なんとか登れるだろうと。 上高地から岳沢小屋までは快適な道。よく整備されている。知り合い医師とブランコに乗る。 翌朝は4時に出発。コブ沢からの崩壊地点は下の方からバンドを見つけてクリア。 深い霧の中、道に迷った先行単独者がいて、「付いて行っていいですか?」というので、どうぞと。 しかし、いつの間にかいなくなってしまった。天狗沢は視界悪いと、気味が悪い。天狗ノコルに出たら西風が強く、低体温症の危惧。岩はびしょ濡れで、とてもじゃないが、引き返すしかない。 申し訳ないが、ここで敗退。岳沢小屋へ帰る。 皆様は翌日、奥穂へ行くということで私はここでお別れ。 また、ジャンダルムは秋にリベンジし..

  • 雨との駆け引き

    大雨警戒と連日ニュースで脅かされた週末。久しぶりに大日小屋へ宿泊し、連山縦走して称名滝へ降りる剱岳展望旅を楽しみに予定していた。行動する時間を考慮しながら、なんとか行けるかなと思っていた。 しかし、出発前のミーティングで、室堂に上がることを諦めて馬場島荘へ。池田さんの蕎麦を食べながら様子見。馬場島荘も宿泊客はゼロだそう。 有志で馬場島から伊折橋までランニングしてからの滝巡り。笠取滝は立派だ。 まま子滝は歩道崩落して通行止め。私だけ代表して滝まで様子を見て来たが、かなり危ない状態なので、クライマー以外は絶対通行は止めるべき。夜はえび寿司へ。急遽行ったので満席だったが、特別席をご用意していただいた。空いて来たらカウンターに移動して、ラストスパート♪ 皆様、大満足! 翌日も雨が降ったり止んだりで隙間を縫って来拝山へ。低山だと気を抜いて歩いていると痛い目に遭うのが山の怖さ。海外の高峰、剱岳バリエ..

  • 夏が来る前に

    気付いたらいつの間にか、7月になっていた。7月最初の山は八丈富士。大雨の週末を避けて、遥か南へ逃げたはずが、風速20mを超える山頂だった。島を離れる日は快晴になり、ようやく景色を眺めて穏やかな気持になれた。八丈小島はぜひとも登ってみたいところだ。 青い海、美味しい寿司、美味しいラーメン、景色いい温泉…八丈島、気に入ったかも。 そして、立山へ急いで移動。久しぶりに剱岳を眺めた。あと少しでいよいよ始まる。今シーズンは何が待っているのだろう。みくりが池もすっかり夏仕様に変わっていた。雷鳥荘に連泊して、雄山南稜と龍王岳東尾根を登る。 一ノ越を黒部側へ降りると、まだまだ谷には雪が残る。5ヶ所の雪渓トラバースを丁寧にステップ切って通過する。雄山南稜に取り付いたら、まずは藪漕ぎを熟さねばならない。岩は脆いがロケーション抜群。龍王岳、鬼岳、獅子岳が隣で、黒部湖を眼下に。御前沢雪渓(氷河)に乗れば鹿島槍ヶ..

  • 飛騨の癒し沢へ

    前日は立山駅へ向かう道路が土砂崩れで通行止めになるほどの豪雨が降り、大変な騒ぎだった。 飛騨にある初心者向けの沢登りガイドに向かうが高原川も濁流で水量が多い。 しかし、沢上谷を見たら、水量は普段より多いが遡行できないレベルではない。今回はこちらのベテラン1名と沢登り初体験2名の参加者。 滑らないためには、どこに足を運んで行くか、滑らないポイントの探し方を説明しながら進む。ナメが続く通称デート沢は健在だ。 途中、2箇所の支流に見応えある滝があるが、この日も時々黒い雲が出たり隠れたりで本流を進む。水量も多めなので、ロープを使って補助しながら進む。大迫力の蓑滝!皆様も感動!二股のナメ滝は残置フィックスが怪しいので、ロープで引き上げ。この後も美しいナメが続くので、全く飽きさせない。レンゲツツジが脇に彩りを与える。平日貸切の天国でした。 沢登り初体験のお二人も最高のデビューでしたね!沢登りは隠れたリ..

  • はじめての沢登り

    ガイド品質を保つため、しばらく梅雨休みをいただいた。夏の繁忙期を迎える前に身体のメンテナンス、精神疲労の回復に時間が必要だった。これからも歳相応の休息は取りながら活動したい。よく晴れた日曜日。 富山を代表する登山用品店「マンゾクスポーツ」主催の沢登り体験には多数の方に参加していただいた。ガイド2名、元消防士レスキュー隊2名のスタッフ4名という盤石の体制で望んだ。 沢登りは水を介在した滑る環境下での敷居の高いアクティビティ。ガイドの立場からすれば、非常に困難で神経をすり減らす仕事だ。しかし、日本古来のジャンルを知って欲しいし、やはり暑い夏の日にシャワーを浴びながら進む快感も体験して欲しい。今回は沢グッズの老舗ブランド「渓流」を取り扱うキャラバンからのレンタル協力があり、最新最強の装備を全てのお客様に提供することができた。全て水線突破していただき、たっぷりのマイナスイオンを浴びてもらった。皆様..

  • 初夏を迎えた龍王岳

    梅雨晴れ継続する中で、6月初めてとなる立山へ。岩稜トレーニングで龍王岳東尾根へ。さすが立山はまだまだ雪に覆われて、滑ろうと思えば、いくらでもLINEは見出せる。今回は新月ということで夜空を眺めたくて、一ノ越山荘泊。ここから眺める日本海へ沈む夕陽は素晴らしい。こちらはお客様が撮影した夜景。珍しく朝ご飯を食べてゆっくり出発。雪も緩んでアイゼン不要。初夏の乾いた岩はフリクションもバッチリで気持ち良い。 後立山や槍穂高などを眺めながら、快適な岩稜トレーニング。お客様が3名なので、確実性の高い確保を行いながら山頂へ。剱岳へ行く前に、龍王岳東尾根を登っておく意味をお話して〆とする。初夏の花と雷鳥の出演も楽しめて良い二日間だった。下山したら、えび寿司へ。 せっかく富山に来たならば、美味い寿司と酒を味わいながらの反省会は外せない。 今日は夏至。北半球で一番昼が長く、夜が短い日。本格的な夏が始まる前に、適..

  • 初夏の薬師岳

    近年は梅雨入りした時期の方が夏より山の天候は良い気がする。 スマホアプリに頼り切った登山者は数日前の天気予報で早々に中止するので山も空いている。 夏の陽気になった週末は別天地へ。6月の太郎平は喧騒を迎える前の準備期間。 折立の駐車場も空いていた。三角点に出たら別天地の始まり。夏が来れば思い出す景色。太郎平小屋は週末の好天だが空いていてのんびりできた。富山側の夕陽が美しい。翌朝は残雪を踏みながら薬師岳へ。北アルプスの女王と言われる山容は剱岳とは対照的で歩いていて癒される。金作谷カールはまだまだ滑るに充分な雪量に見える。幸か不幸か現在の薬師岳には薬師如来を有した祠がない。我々は珍しい風景を見ることができたのだ。剱岳にも2014年祠がない時期があった。2023年6月は薬師岳に祠がなかったなぁと一緒に登った皆様との記憶に刻まれた。

  • 瀬戸内しまなみ海道を渡る

    梅雨時期に四国へ沢登り。瀬戸内しまなみ海道を渡り、広島から愛媛へ7個の島を繋いで渡る美しい風景。ホントはサイクリングで行きたかったが、なかなか時間も取れないので、クルマで駆け抜けた。いつかリタイヤしたらサイクリングで叶えたい。 富山から四国はなかなか遠い。まずは始発「つるぎ」に乗って、金沢へ。ちなみに、富山から金沢を繋ぐ「つるぎ」は乗車券+新幹線が2990円なのだ。なぜ、2999円にしないのか⁈ そして、サンダーバードに乗り換えて新大阪へ。相変わらず朝は駅弁買えないので、新大阪に着いたら駅蕎麦に駆け込み。海鮮天ぷら蕎麦を。味玉やメンマが入っていて不気味だったが、さすが関西はダシが美味い。 「みずほ」に乗って福山に到着。こちらでレンタカーを借りて、お客様を乗せたら四国へ向かう。 借りたのは日産ノートeパワー。コンパクトながらパワフルで、足廻りも素晴らしい。このクルマが仕事で使えたら身体が楽だ..

  • 梅雨の月

    6月11日に北陸地方も梅雨入り。降ったり止んだりする雨を見ながら、馬場島荘で2泊。他に宿泊客もいないので、池田さんが打つ蕎麦をいろいろ食べれて嬉しい。貴重な晴れた日にクズバ山へ。事情あり、ロープ確保する必要があった。「遠い所から来て、なぜ、わざわざクズバ山なんかへ?」 富山の岳人たちはみんなそう問うのだが、トレーニングとしてこれほど適した山はないと思う。剱岳を登るなら、この山を5時間以内で転ぶ事なく登り降りしたい。 山頂からは剱岳が目前に眺められる。今のクズバ山は、道もかなり踏まれて安定し、以前とは違う状態なのでコースタイムも見直して欲しい。あり得ない勘違いをする登山者もいるから…。お客様が入れ替わり、翌日は猫又山へ行く予定だったが、本降りの雨で沢登りに変更。気温が下がり、沢日和ではなかったが、沢登り初体験のお客様は喜んでおられた。岳人の聖地に別れを告げ、馬場島を後にする。 剱岳をガイドす..

  • 戸隠西岳縦走

    平日朝に静粛な新緑の戸隠へ。鏡池からP1尾根を登り、西岳、本院岳、八方睨から一般道の鎖場を降りて鏡池へと一周する。 戸隠山から左に繋がる鋸の歯のような荒々しい山稜。 戸隠山は昔から行者たちの修行の場として登られていたが、西岳はほぼ登る人はなく、道も定かでなかったらしい。 近年は登山者も増えて、踏み跡も安定し整備もされてはいるが、やはりワイルドさは一般道の鎖場とは比較にならない。よく表妙義縦走と比較されるが、戸隠西岳縦走はワンランク難易度は高いと思う。沢床へ降りて、三度の渡渉から牧草地へ。天狗平と呼ばれる別天地を歩き、急登を上がると本日巡る山々が見えてくる。堆積岩でできた戸隠は、ホールドが剥離することもあるし、細くて古い鎖やハシゴは信用ならず、ロープを積極的に使うガイドとなる。P1に出てからは永遠に続くアップダウンに体力を奪われるので、適切なレストも必要だ。花もたくさん咲いているが、見惚..

  • 鬼雨のち馬場島へ

    関東甲信越で降り続いた鬼雨で、冠水被害を受けたお客様もいて、週末の山予定は流動的に。 道路や鉄道など交通網が乱れて、馬場島荘に夕刻集合となった。馬場島荘は現在、池田さんひとりで頑張っているので、私もお手伝い。 馬場島荘では女性スタッフ急募してます。剱岳山麓で働いてみたい方は、是非お問合せください。 夕食はお酒を飲みながらのスキヤキでとても美味しかった!夜限定のおろしそばも相変わらず美味い。 翌朝は、大雨後なので渡渉がないクズバ山へ。花が綺麗過ぎて、お喋りが止まらない。 黙って、綺麗だなぁと眺めれば良いのに…(笑) 白樺と早乙女岳。山頂は見たことがない凄い人数。剱岳は恥ずかしがり屋なので、たくさんの人々に見つめられると隠れてしまう。馬場島荘Tシャツ揃い踏み。こちらは2500円で販売しておりますので、お早めにどうぞ!下山途中で剱岳が全容を見せてくれた。新緑に浮かぶ剱岳も素晴らしい!剱岳早月尾根..

  • 梅雨走る

    梅雨前線の位置を眺めながら、ガイドスケジュールを考える時期が来たようだ。悪天候の日は潔く山は諦めて、自分のために時間を使う。 こういう時期は自然のリズムに合わせて、ガイドスケジュールを柔軟に変更する。 そのことを理解していただける参加者の皆様に有り難く思う日々だ。この日は鉾ヶ岳へ西面から入山する予定だったが、予想外に雨は収まらず、風下側の登山口に移動した。 まだ登山道整備はなされていないので、薮を掻き分けながら進む。洞窟を潜ったり。岩に挟まれたり。権現岳に到着。 暑くてサウナのようだった。火打の下にシャルマンが見えたが、すっかり雪は皆無で、パウダーを滑っていた時が遥か昔のように思えた。 そして、ラスト立山へ。 この日しかないという素晴らしい日を選んで、お客様に仕事を休んでもらい上がって来た。観光客はいても、登山者や滑り手はほぼいない静かな立山。 気温が下がる予報だったが思いの外、雪は緩..

  • スキーシーズン終幕

    2022-23スキーシーズンもそろそろ終わりが見えてきた。 室堂ターミナルで入山指導業務を行っていると、シーズンアウトするスキーガイド達が挨拶に寄ってくれて、雪の季節の終わりを感じる。 自分自身も、一度は立山でのスキーガイドは終了宣言したが、有難いことにプライベートでの御依頼を受けて室堂へ上がる機会を得た。この春、コロナ縛りから解き放たれた人々が一気に室堂ターミナルに押し寄せて喧騒が戻ってきた。 この日も外国人ツアーで乗り物は混雑していたが、登山者や滑り手はほとんど乗車していなかった。 室堂から一ノ越方面へハイクしても、ほぼ無人状態で寂しい限り。 天気予報は晴れるはずだったので、様々滑る斜面を頭に描いていたのだが、冷たい雨が降り視界も悪くなったので、稜線に上がるのは辞めた。視界がある斜面を滑る。雷鳥も挨拶しに来てくれた。 時間経過と共にどんどん視界が悪くなり、雨も本降りになってきたので、..

  • 上高地の裏山へ

    この日はとても寒い朝だった。上高地の河童橋からは穂高連峰が目に付くのだが…。誰も注目しない、右後にはひっそりと目立つ岩山が存在する。この六百山は登山道がない岩と薮のバリエーションで、以前は何度もガイドで残雪期に登っていた。 自分の中ではこの山の存在はすっかり忘れていたのだが、この山に登ってみたいというお客様のリクエストで、おそらく15年ぶりに登ることになった。 入山口も変わっていて、ルートも随分変わった印象を受けた。 入山者が増えたのだろうか。 ピンクテープもあり、踏み跡もあるが、それなりに残雪と薮と脆い岩に慣れた登山者が対象とする山だろう。薮を掻き分けて、ガレ場を登ると背中には岳沢から広がる穂高連峰を望むことができる。急峻な雪渓を処理して、ガレ場や草付きを登る。頂稜に取り付くと傾斜は一気に増して、転滑落は許されない。脆い岩場は緊張感を持って登りたい。写真はダメな例(笑) 朝は寒かった..

  • 剱岳残雪行

    5月も半ばを過ぎると街は初夏を思わせる陽気だが、剱立山はまだまだ豊富な雪を楽しむことができる。 剱御前小舎を3時30分に出発すると、雪は硬いし、風は冷たく、過ぎ去し冬を思い出させてくれる。三田平まで降りて来ると、夜明け前の剱岳が輪郭を現す。 剱沢雪渓は果てしなく長くて、平蔵谷出合まで降りると、踏む雪が緩みだす。今シーズン春は標高2200mを下回ると残雪量は極端に少なくなり、それより上は昨年並という感じがする。長次郎谷出合は例年の6月中旬という雰囲気だが、登るにつれて豊富な残雪量を感じた。熊ノ岩は左側のゴルジュから充分通過できる。源次郎尾根側へも多数のトレースがあり、最近はこちらの方が早く山頂に立てるので人気がある。ⅤⅥノコルからは滑走トレースもあった。長次郎ノコルへ向かう左俣はクレバスもなく、クラックひとつないハイウェイのような素晴らしいコンディションだった。 しかし、雪の状態は時間単位..

  • 支度

    真夏日の岐阜へ行って来た。芥見権現山 剱岳を目指す東海地区の方々への事前講習。アプローチシューズで登れる範囲のグレードを拾いながら、山頂まで繋ぐ。なにしろ、岐阜は暑いので、水分補給と休憩を取りながら。この標高なので、雪山に慣れた身にはシンドイ。 剱岳をガイドするに当たり、室堂で「はじめまして」は避けたいところ。予め剱岳の事を知り、必要な備えを整えて登って欲しい山だと私は思っている。 昨年だけでも、剱岳ガイド中にお客様のシューズ崩壊が3件あった。応急処置できないレベルだと帰るしかない。場所によっては、レスキュー案件でもある。なぜ、剱岳でシューズが壊れるのかも説明しておきたい。 初めてお会いする方から剱岳のガイドを予約された際には、事前講習の受講を勧めるようにしている。 ◯◯社の鎖場講習を受けました◯◯ガイドの講習を受けました 等、言われることが多いが、鎖場でカラビナの掛け替えなど必要と..

  • スキーさいがねが♪

    毎年の恒例となったGW終了後の北上!鳥海山でのスキーは毎春というか初夏、剱立山の仕事が一段落したタイミングの楽しみだ! まずは新潟へ移動して角田山へ。花と展望の灯台コース。 佐渡ヶ島を観ながら登れる。まだまだ元気な長老とお喋りしながら登る山も楽しいものだ。 剱立山で雪の上ばかり、滑り歩いているので、土の上は新鮮だ。新潟に来たらイタリアン食べねばースキーチーム集合で新潟ビールで乾杯!そして一路、月山へ。まずは山頂へ。 いつも、トレランシューズ持って来るべきと後悔するが、またすぐ忘れる(笑)いつものヤラセ写真(笑) 雪が少ないと聞いていたが、例年通りだと感じた。むしろ、縦溝がなく、面が綺麗で滑りやすい。立山もそうだが、今春はどこも縦溝がなく綺麗で気持ち良く滑れる。一年ぶり、酒田の久村酒場へ。蔵王の怖い方も合流。 私がとっても優しく見えますね!そして鳥海山の二日間は、残念ながら天候に恵まれ..

  • 真砂沢スキーツアー

    GWが終わった翌日、アルペンルートも空いていて、スムーズに室堂へ。みくりヶ池のドラゴンアイも少しずつ、眼を開けつつある。気温が下がり降雪で視界悪い中、雷鳥沢を上がり剱御前小舎へ。着いたら剱がお出迎え!新雪が付いて、更に美男子になった。剱御前小舎からは、富山湾に落ちる夕陽と輝く田圃が素晴らしい。 19時就寝。 翌朝は4時30分くらいから後立山が紅くなる。雪が硬いのは覚悟して、5時30分に剱沢ドロップ。パックとカチカチが混雑するものの厳冬期のような滑走感。剱岳を目前に、誰もいない広大な白い世界。この時期、降雪後の剱沢は日本にいるとは信じられない夢のようなロケーション。スキーという羽を持って、どこまでも飛んでいける。 剱澤小屋から平蔵谷までは、薄くて走るパウダーで最高だった。平蔵谷出合でレスト。 5/5にここを登降した時より、降雨降雪の影響か、面が綺麗だった。源次郎尾根ルンゼルートからのブロ..

  • GWメモリアル剱岳

    4月後半は気管支炎が悪化して肺疾患に。 病院で検査して、コロナでもインフルでもなかったが…。 食事も座ってできず、寝たきりになってしまい、息は切れ身体に力が入らず、自分の身体じゃないみたい。 仕事は全てキャンセル。 関係各所にご迷惑をお掛けし申し訳なかった。 酒も飲めず、ラーメンも食べれず、お陰様ですっかり健康体に戻った。 しかし…。 4/29-5/1は待望の剱岳ガイドだったが、4/30だけが暴風雨予報で中止。 相談の結果、馬場島荘で2泊して、いろいろ楽しむことにした。 まずは剱を眺めながら、城ヶ平へ。ぐるっと一周して。花の家も見学。大岩山で四十四ヶ所霊場巡り。名物の素麺を食べてから馬場島荘へ。池田さん特製のTシャツが新発売となり、PR活動開始。 そして、4/30は予定通りの大雨で、馬場島荘停滞。池田道場の蕎麦打ち教室開始。 池田さんはガイド時代から、悪天候の剱澤小屋停滞時も何か..

  • 立山の幕開け

    立山黒部アルペンルートが2023年4月15日に全線開通。 11月30日のクローズ時に滑ってから、4ヶ月半ぶりの再開。曜日に関係なく、4月15日がオープン日と決まっていて、今年は土曜日にあたり大混雑が予想された。 そして海外からの観光客はコロナ前以上に殺到しそうだ。 しかし、悪天候予報のおかげでチケット予約はキャンセルがたくさん出てスムーズに上山できた。まずは無事に参加者全員、室堂に集合。 そして、4月15日は母の命日。しかし、立山黒部アルペンルート開通日なので、毎年お墓参りに行く事ができないが許してもらえるだろう。一瞬視界が開けて、まずは立山オープン一本目を無事に滑ることができた。 この日に滑れることは皆さん、格別の思いだろう。16日も午前中は素晴らしいパウダーを2本味わうことができた。下山して、えび寿司で乾杯!正月ですから…。 17日は、悪天候視界不良が確実だったのでガイド中止。天狗平山..

  • 変わり目

    前日の雨から一転の晴天だが、黄砂で空は霞む。剱岳登山へのトレーニングということで、戸隠へ。 高所恐怖症とのことで、怖くない程度に高さに慣れていこうと。雪なかったら山頂まで行く予定だったが、予想外に雪は残っていた。 初夏のような陽気だが、戸隠はまだまだ寒かった。岩場、ガレ場、ザレ場、雪…整備されていない登山道に出てくるパートでの歩き方、重心移動をお伝えしながら登って行く。いろいろなアドベンチャーも体験。山頂は行かずに鎖場でトレーニング。 最初は怖がっていたが、だんだん楽しくなってきたそうだ。楽しいと感じてくれたことで、この日は大成功。 「こわいから」「できるかわからないから」 人はそうやって、変化するチャンスをスルーし、先送りし続けるものだ。しかし、やってみたら楽しかったという経験を積み重ねたら、いろんなことができるようになるものだ。 下山が苦手と言っていたが、ロープを結んで降りたこと..

  • 雨上がりの空

    週末の立山オープンを控えて、シャルマンへ足慣らしに! 雨予報だったが、どうせ大して降らないだろうと決行。 しかし、9時くらいから元気に降ってきた。サーフボードみたいなカッコいい板だよね! 一本滑ったらずぶ濡れ。板は走って、めちゃくちゃ気持ちいいが、視界も悪いし、スーシュで天気待ち。カニ丼、食べながらいろいろお話ししてたら、少しずつ天候回復。もう放山へ行ってる時間もないので、リフトを回して快適ザラメを楽しむ。火打も見えて来た。ほぼ貸切のシャルマンを贅沢に楽しむことができた。 雨が上がっても、スッキリしなかった空は黄砂の影響か。 そして、日本海を左に見ながら、更に北へ向かう。

  • 朝日さす夕日輝く鍬崎山

    今日は富山で28.1度の夏日になったそうな!オープン間近の立山を拝みに鍬崎山へ行っていたので、涼しかった。あわすのスキー場からスタート。 今シーズン、残念ながら一度も滑る事なく終わってしまった。 実は一度行ったのだが、駐車場が満杯で入れず、雷鳥バレーへ転進したことはあった。貯水池の上まで雪はなく、大品山の下からは雪があった。 なかなか風が強くて、気持ち良かった。独標下の鎖は半分くらい雪に埋もれていたので、全部掘り起こしておきました。ここを越えたら山頂だ。360度の大展望台に到着。剱岳がオニギリのように見える。 毛勝三山、剱岳、立山、大日連山、薬師岳、黒部五郎岳…ここは富山にあるほとんどの山が見渡せる別天地。今週末からは立山オープン。アルペンルートの除雪状況も見える。 今回も埋蔵金は見つからなかったが、根気よく探そうと思う^_^

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