ご無沙汰しております。夏芽です。最近、すっかり小説を書かなくなっていたのですが、リハビリで少しづつ書いて行こうと思います。足利兄弟シリーズの続きなのか、別の時…
南北朝時代を舞台にした足利兄弟の小説を執筆しています。お気軽にお尋ねください^^
好きな時代は、平安、鎌倉、室町です。 それ以外の時代も好きですが、ちょっと知識不足かも。
ご無沙汰しております。夏芽です。最近、すっかり小説を書かなくなっていたのですが、リハビリで少しづつ書いて行こうと思います。足利兄弟シリーズの続きなのか、別の時…
昨年は、鎌倉時代を舞台にした大河ドラマなどあり、私もそれにちなんだ小説を書いてみようと思いました。 北条義時は、大河でだいぶイメージが出来上がったと思いま…
「私はただ平穏に暮らしたいだけなのに。どうして、いつもこんな目に合うのでしょう」 珍しく義時は弱音を吐いた。 「平穏に暮らしたいだけとは、よく言うものだ」…
世に言う和田合戦において、三浦義村は和田義盛に味方すると伝えていたのだが、密かに北条義時に内通し、義時に義盛の御所襲撃日を告げた。 それを聞いて義時は歓喜…
侍所の別当が和田義盛から梶原景時に変わったことで、特段変わったことは起きなかった。義村は義盛に経緯を尋ねたことがはあった。が、 「元々、御所は梶原殿と交互…
「北条殿の気が変わらんと良いな」 義村は義時に念を押した。 その時、床をドス、ドスっと踏みしめる振動が伝わって来た。この大股で遠慮のない歩き方、姿はまだ見…
「先手を打ちました。私は少々浮かれていたようです。こんなに上手く行くなら、もっと早く、御所にお願いすれば良かった」 御所の廊下でたまたますれ違った義村は、立…
佐原義連曰く、義時は無口な男だという。 しかし、あれから義時とよく話すようになった義村からすると、義時は良く喋る男であった。そして、あのじっと凝視するような…
「ふふ」 三浦義村は、背後から聞こえたその声に思わず振り返った。 視線の先には何人かの若侍達が談笑している。ただの笑い声ではない、地の底を這うような不気味な…
ご無沙汰しております。夏芽です。 鳩企画様の鎌倉時代・十三人の合議制・得宗家 歴史創作アンソロジー企画「もう帰っていいですか?」に参加させて頂きました。HOM…
実朝暗殺の話を書いたきっかけは、宝治合戦での三浦泰村に興味を持ったからになります。 吾妻鏡で、三浦討伐か否かで、泰村が必死に反意はないと弁面をしているにも関…
父は、白湯を呑みながら火桶にあたっていた。私は父の前で平伏すると伝えた。 「父上、長尾が公暁様を討ち取りました」 「うむ、執権に使いは出したか」 父はいかな…
「公暁様からだよ!使者が急ぎ父上に読んで欲しいって」 私たちはそれを聞いて顔を見合わせた。文には一体何が書かれているのか。父はきつく結ばれている紙縒りを外す…
夜になるとまた、雪が降りだした。雪の上に更に雪が積もり、その深さは二尺にもなった。この雪深く足場が悪い中、将軍家は八幡宮で拝賀の儀を執り行っている筈だ。前年…
翌朝は良く晴れて、鎌倉の街が一面銀世界に変わっていた。「ほら見ろ、俺の言ったことが当たっただろう」 昨日、強かに酔ってしまった叔父は、屋敷に泊まり込んでいた…
私は、駒若の様子を見に行くことにした。この夜更けでは、寝入っていることであろう。駒若はいつも私を煙たがっている。それはそうだ、無言の父に代わり駒若を叱りつけ…
父がその晩、北条の館で遅くまで話し込んでいて、帰りが遅くなった理由を私は知らない。 八幡宮から海を眺めて西方に位置している三浦と北条の館は、隣同士と言ってい…
久々の更新になります。夏芽です。2020年は世界的に大変な年でしたね。私も在宅での仕事が多くなり、心と体のバランスを保つのが大変でした(今は元気です!)。 2…
約一年ぶりに小説を更新出来ました。夏芽です。この小説は、転職と引っ越しを同時にやって、私生活が割とズタボロな時期に書きました。ですので、読み返してみて、やばい…
翌朝、直義は兄が自室に籠って出てこないという報告を師直から受けた。 直義は嘆息しながら兄の自室へ向かうと、近侍が止めるのも聞かずに、無理矢理部屋の中へ押し…
直義はすました顔で高氏の前に現れると、開口一番、「母上にお確かめになられたようですね」「う、何故わかったのだ」「兄上の行動は読みやすいですから」「昨日は疑っ…
「こんな重要な文を、母上が持っていたというのが、一番胡散臭い。どうせ、この間の綸旨、」 そう言いかけて高氏は声を潜めた。「お前は近頃、わしに倒幕を唆すような言…
「なんだ、これは」 高氏は、弟が目の前に差し出した白木で出来た箱を見て言った。「私もわかりかねるのですが、母上から預かって参りました」 直義は何やら神妙な顔を…
歴史 × Hardboiled × Violence × Sensual アンソロジーのご案内
いつもお世話になっております!夏芽です。 私が参加した、以下のアンソロジーが、5月12日(日)にコミティア128にて販売されます。 企画:ハト企画様歴史 ×…
「頼信の妻」をお読み頂きありがとうございました。夏芽です。 このお話は命婦から見た頼信の姿を描いたため、頼信のサイコなエピソードが丸々カットされております。…
程なくして、命婦は男子を出産した。その子供は成人後に随身となり、中臣兼武と名乗った。命婦は子供を出産した後も、浮気を止めることはなかった。このことは頼義を酷…
皆様、明けましておめでとうございます。 夏芽です。 昨年は「鎌倉幕府滅亡アンソロジー」に参加したり、源頼義周辺の話を書いたりで、足利兄弟どこ?という感じで…
命婦と二人きりになって、頼信は言った。「まったく、面倒なことをしてくれたもんだ」 命婦はただ静かに震えている。「腹の子の父親は誰だ」 命婦は黙っている。いつ…
頼信が四年の上総の介の任期を終えて、都へ帰る頃には、太郎は十四歳となり元服をして頼義と名乗っていた。頼義はこの四年間ですっかりと手足も伸び、徐々に男らしい風…
頼信がようやく上総介に任官が決まったのは、それから数年後のことだった。 上総国の国司は、代々親王が任命される。だが、国司とは名ばかりで任国に赴くこともなく、…
こうして命婦と頼信は夫婦となったが、その生活は思いの他、貧しいものだった。雅で華やかな生活とは程遠い現実に、命婦はまだ目立たないお腹をさすりながらため息をつ…
命婦は幼い頃のことを思い出した。幼い頃から透き通るような白い肌と綺麗で柔らかな黒髪を持っていた命婦は、しかし自分の美しさに気づいていなかった。 自分の美しさ…
源頼信が、命婦の元に通うようになってから、頼信という男のみならず、周りの人間がかなりの曲者であるということが、命婦には段々わかって来た。 頼信には二人の兄が…
それから、頼信は命婦の元に、ちょくちょくと顔を出すようになった。「やあ、命婦殿、今日もお美しい」 どうもあの後、頼信に道を教えた女官が、命婦のことを男に教…
「もし、そこのお方、ちとお尋ねしたいのだが」 修理命婦は、背後から声を掛けられてゆっくりと振り返った。普段、女性は人前に顔をさらすことは決してしないのだが、…
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ご無沙汰しております。夏芽です。最近、すっかり小説を書かなくなっていたのですが、リハビリで少しづつ書いて行こうと思います。足利兄弟シリーズの続きなのか、別の時…
昨年は、鎌倉時代を舞台にした大河ドラマなどあり、私もそれにちなんだ小説を書いてみようと思いました。 北条義時は、大河でだいぶイメージが出来上がったと思いま…
「私はただ平穏に暮らしたいだけなのに。どうして、いつもこんな目に合うのでしょう」 珍しく義時は弱音を吐いた。 「平穏に暮らしたいだけとは、よく言うものだ」…
世に言う和田合戦において、三浦義村は和田義盛に味方すると伝えていたのだが、密かに北条義時に内通し、義時に義盛の御所襲撃日を告げた。 それを聞いて義時は歓喜…
侍所の別当が和田義盛から梶原景時に変わったことで、特段変わったことは起きなかった。義村は義盛に経緯を尋ねたことがはあった。が、 「元々、御所は梶原殿と交互…
「北条殿の気が変わらんと良いな」 義村は義時に念を押した。 その時、床をドス、ドスっと踏みしめる振動が伝わって来た。この大股で遠慮のない歩き方、姿はまだ見…
「先手を打ちました。私は少々浮かれていたようです。こんなに上手く行くなら、もっと早く、御所にお願いすれば良かった」 御所の廊下でたまたますれ違った義村は、立…
佐原義連曰く、義時は無口な男だという。 しかし、あれから義時とよく話すようになった義村からすると、義時は良く喋る男であった。そして、あのじっと凝視するような…
「ふふ」 三浦義村は、背後から聞こえたその声に思わず振り返った。 視線の先には何人かの若侍達が談笑している。ただの笑い声ではない、地の底を這うような不気味な…
ご無沙汰しております。夏芽です。 鳩企画様の鎌倉時代・十三人の合議制・得宗家 歴史創作アンソロジー企画「もう帰っていいですか?」に参加させて頂きました。HOM…
実朝暗殺の話を書いたきっかけは、宝治合戦での三浦泰村に興味を持ったからになります。 吾妻鏡で、三浦討伐か否かで、泰村が必死に反意はないと弁面をしているにも関…
父は、白湯を呑みながら火桶にあたっていた。私は父の前で平伏すると伝えた。 「父上、長尾が公暁様を討ち取りました」 「うむ、執権に使いは出したか」 父はいかな…
「公暁様からだよ!使者が急ぎ父上に読んで欲しいって」 私たちはそれを聞いて顔を見合わせた。文には一体何が書かれているのか。父はきつく結ばれている紙縒りを外す…
夜になるとまた、雪が降りだした。雪の上に更に雪が積もり、その深さは二尺にもなった。この雪深く足場が悪い中、将軍家は八幡宮で拝賀の儀を執り行っている筈だ。前年…
翌朝は良く晴れて、鎌倉の街が一面銀世界に変わっていた。「ほら見ろ、俺の言ったことが当たっただろう」 昨日、強かに酔ってしまった叔父は、屋敷に泊まり込んでいた…
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久々の更新になります。夏芽です。2020年は世界的に大変な年でしたね。私も在宅での仕事が多くなり、心と体のバランスを保つのが大変でした(今は元気です!)。 2…
約一年ぶりに小説を更新出来ました。夏芽です。この小説は、転職と引っ越しを同時にやって、私生活が割とズタボロな時期に書きました。ですので、読み返してみて、やばい…
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「私はただ平穏に暮らしたいだけなのに。どうして、いつもこんな目に合うのでしょう」 珍しく義時は弱音を吐いた。 「平穏に暮らしたいだけとは、よく言うものだ」…
世に言う和田合戦において、三浦義村は和田義盛に味方すると伝えていたのだが、密かに北条義時に内通し、義時に義盛の御所襲撃日を告げた。 それを聞いて義時は歓喜…
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「北条殿の気が変わらんと良いな」 義村は義時に念を押した。 その時、床をドス、ドスっと踏みしめる振動が伝わって来た。この大股で遠慮のない歩き方、姿はまだ見…
「先手を打ちました。私は少々浮かれていたようです。こんなに上手く行くなら、もっと早く、御所にお願いすれば良かった」 御所の廊下でたまたますれ違った義村は、立…
佐原義連曰く、義時は無口な男だという。 しかし、あれから義時とよく話すようになった義村からすると、義時は良く喋る男であった。そして、あのじっと凝視するような…
「ふふ」 三浦義村は、背後から聞こえたその声に思わず振り返った。 視線の先には何人かの若侍達が談笑している。ただの笑い声ではない、地の底を這うような不気味な…