ご無沙汰しております。夏芽です。最近、すっかり小説を書かなくなっていたのですが、リハビリで少しづつ書いて行こうと思います。足利兄弟シリーズの続きなのか、別の時…
南北朝時代を舞台にした足利兄弟の小説を執筆しています。お気軽にお尋ねください^^
好きな時代は、平安、鎌倉、室町です。 それ以外の時代も好きですが、ちょっと知識不足かも。
父は、白湯を呑みながら火桶にあたっていた。私は父の前で平伏すると伝えた。 「父上、長尾が公暁様を討ち取りました」 「うむ、執権に使いは出したか」 父はいかな…
「公暁様からだよ!使者が急ぎ父上に読んで欲しいって」 私たちはそれを聞いて顔を見合わせた。文には一体何が書かれているのか。父はきつく結ばれている紙縒りを外す…
夜になるとまた、雪が降りだした。雪の上に更に雪が積もり、その深さは二尺にもなった。この雪深く足場が悪い中、将軍家は八幡宮で拝賀の儀を執り行っている筈だ。前年…
翌朝は良く晴れて、鎌倉の街が一面銀世界に変わっていた。「ほら見ろ、俺の言ったことが当たっただろう」 昨日、強かに酔ってしまった叔父は、屋敷に泊まり込んでいた…
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ご無沙汰しております。夏芽です。最近、すっかり小説を書かなくなっていたのですが、リハビリで少しづつ書いて行こうと思います。足利兄弟シリーズの続きなのか、別の時…
昨年は、鎌倉時代を舞台にした大河ドラマなどあり、私もそれにちなんだ小説を書いてみようと思いました。 北条義時は、大河でだいぶイメージが出来上がったと思いま…
「私はただ平穏に暮らしたいだけなのに。どうして、いつもこんな目に合うのでしょう」 珍しく義時は弱音を吐いた。 「平穏に暮らしたいだけとは、よく言うものだ」…
世に言う和田合戦において、三浦義村は和田義盛に味方すると伝えていたのだが、密かに北条義時に内通し、義時に義盛の御所襲撃日を告げた。 それを聞いて義時は歓喜…
侍所の別当が和田義盛から梶原景時に変わったことで、特段変わったことは起きなかった。義村は義盛に経緯を尋ねたことがはあった。が、 「元々、御所は梶原殿と交互…
「北条殿の気が変わらんと良いな」 義村は義時に念を押した。 その時、床をドス、ドスっと踏みしめる振動が伝わって来た。この大股で遠慮のない歩き方、姿はまだ見…
「先手を打ちました。私は少々浮かれていたようです。こんなに上手く行くなら、もっと早く、御所にお願いすれば良かった」 御所の廊下でたまたますれ違った義村は、立…
佐原義連曰く、義時は無口な男だという。 しかし、あれから義時とよく話すようになった義村からすると、義時は良く喋る男であった。そして、あのじっと凝視するような…
「ふふ」 三浦義村は、背後から聞こえたその声に思わず振り返った。 視線の先には何人かの若侍達が談笑している。ただの笑い声ではない、地の底を這うような不気味な…
ご無沙汰しております。夏芽です。 鳩企画様の鎌倉時代・十三人の合議制・得宗家 歴史創作アンソロジー企画「もう帰っていいですか?」に参加させて頂きました。HOM…
実朝暗殺の話を書いたきっかけは、宝治合戦での三浦泰村に興味を持ったからになります。 吾妻鏡で、三浦討伐か否かで、泰村が必死に反意はないと弁面をしているにも関…
父は、白湯を呑みながら火桶にあたっていた。私は父の前で平伏すると伝えた。 「父上、長尾が公暁様を討ち取りました」 「うむ、執権に使いは出したか」 父はいかな…
「公暁様からだよ!使者が急ぎ父上に読んで欲しいって」 私たちはそれを聞いて顔を見合わせた。文には一体何が書かれているのか。父はきつく結ばれている紙縒りを外す…
夜になるとまた、雪が降りだした。雪の上に更に雪が積もり、その深さは二尺にもなった。この雪深く足場が悪い中、将軍家は八幡宮で拝賀の儀を執り行っている筈だ。前年…
翌朝は良く晴れて、鎌倉の街が一面銀世界に変わっていた。「ほら見ろ、俺の言ったことが当たっただろう」 昨日、強かに酔ってしまった叔父は、屋敷に泊まり込んでいた…
私は、駒若の様子を見に行くことにした。この夜更けでは、寝入っていることであろう。駒若はいつも私を煙たがっている。それはそうだ、無言の父に代わり駒若を叱りつけ…
父がその晩、北条の館で遅くまで話し込んでいて、帰りが遅くなった理由を私は知らない。 八幡宮から海を眺めて西方に位置している三浦と北条の館は、隣同士と言ってい…
久々の更新になります。夏芽です。2020年は世界的に大変な年でしたね。私も在宅での仕事が多くなり、心と体のバランスを保つのが大変でした(今は元気です!)。 2…
約一年ぶりに小説を更新出来ました。夏芽です。この小説は、転職と引っ越しを同時にやって、私生活が割とズタボロな時期に書きました。ですので、読み返してみて、やばい…
翌朝、直義は兄が自室に籠って出てこないという報告を師直から受けた。 直義は嘆息しながら兄の自室へ向かうと、近侍が止めるのも聞かずに、無理矢理部屋の中へ押し…
昨年は、鎌倉時代を舞台にした大河ドラマなどあり、私もそれにちなんだ小説を書いてみようと思いました。 北条義時は、大河でだいぶイメージが出来上がったと思いま…
「私はただ平穏に暮らしたいだけなのに。どうして、いつもこんな目に合うのでしょう」 珍しく義時は弱音を吐いた。 「平穏に暮らしたいだけとは、よく言うものだ」…
世に言う和田合戦において、三浦義村は和田義盛に味方すると伝えていたのだが、密かに北条義時に内通し、義時に義盛の御所襲撃日を告げた。 それを聞いて義時は歓喜…
侍所の別当が和田義盛から梶原景時に変わったことで、特段変わったことは起きなかった。義村は義盛に経緯を尋ねたことがはあった。が、 「元々、御所は梶原殿と交互…
「北条殿の気が変わらんと良いな」 義村は義時に念を押した。 その時、床をドス、ドスっと踏みしめる振動が伝わって来た。この大股で遠慮のない歩き方、姿はまだ見…
「先手を打ちました。私は少々浮かれていたようです。こんなに上手く行くなら、もっと早く、御所にお願いすれば良かった」 御所の廊下でたまたますれ違った義村は、立…
佐原義連曰く、義時は無口な男だという。 しかし、あれから義時とよく話すようになった義村からすると、義時は良く喋る男であった。そして、あのじっと凝視するような…
「ふふ」 三浦義村は、背後から聞こえたその声に思わず振り返った。 視線の先には何人かの若侍達が談笑している。ただの笑い声ではない、地の底を這うような不気味な…