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音楽、友人、家族、夢、空想、償い、恋・・・ ただよい、うつろう、記憶と気持ちの束を言葉に。

静かに静かに音もなくふりつもる 昨日の匂い 今日の速度 明日の風景 見ることも掴むこともできない 忘れたもの 失くしたもの とけこんだもの … 稚拙で少ない語彙ですが 少しでも記録しておきたくて 綴りはじめました

mukura
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中野区
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2012/02/03

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  • 郷 愁

     長い並木道を自転車で走り抜けると少し汗ばむ季節見覚えのある十字路で思いついて曲がるそこからは過去の私が自転車に乗っていた* 急勾配のひろい下り坂雨が降り出しそうな重たい雲がたれこめる中時間をさかのぼるように一気に坂を降

  • No.9

     夜明け前、浮かび上がる水紋は終末の旋律 緑児が眠りにつくときのゆるやかな呼吸のリズムで 立ち竦む人の細胞に浸透してゆく   抽出される死への道程と魂の救済 赤々と燃える

  • 聖 夜

     この街の夜は何処も狂気が充満している 曲がり角でぶっつかってさっきまで眺めていた星へ飛ばされた持ち主の消えたイヤフォンから音楽は流れ続けている影だけが取り残されたまま液晶画面の青白い光が反射して半開きの真っ赤な唇はさな

  • 寒空の夜に

    やわらかな肌 鋭いまなざし 制御された本能   暗闇 閉ざされた扉 孤独   壁と壁の隙間に大量の愛情をこぼして君は最期まで飢えていた&nb

  • 青い扉

     透明な膜に覆われて青く反射する扉には沈鬱な詩が刻印されていた 閉じられた世界は誰かがページをめくるのを待っている 黒衣は足音をたてずに場面転換をして夏の終わりを演出するそこには一本のまっすぐな道が用意されてい

  • 幻の王国

     偽物の宝石の輝きも 波打つような音色も 呪文を唱えればいつでも その重さと空気の震えまで再現できる水晶の奥に隠された秘密の魔法 しなやかに地上へ着地する守り神 月光に照らされる都

  • よく見る夢の話

    ざらざらした暗い残像日没前の僅かな太陽光校庭渡り廊下枯れ葉の浮くプール階段教室知らない生徒ばかり知らない教師ばかり知らない場所ばかりこれは僕が見てきたものの記憶の渦?重ねられたいくつものレイヤーの中で僕は遭難する下駄箱には上履きが散乱してい

  • 愛と血と

     間抜けなのは僕だったけれどもそうして露呈した君たちの愛のルールに僕はいささか驚きを隠せない 経緯や感情を伝えるには言葉では到底足りなくて誤解や罵倒を生んでしまう 十年後の自分が生きているって誰が保証する?三十

  • Delete

    散らかった思い出のどれを捨てるか迷っていた色褪せたわら半紙一枚が辞書くらいの重みになっている記憶だけなら軽いのに感情のせいで重力が増している長い間僕にまとわりついている停止したままの数字と副題の悲愴な外国語を削除すべきかだけど僕のパスワード

  • 星の夢の話

     “あれはスプートニクだね”夜空を流れる光の玉を指してUが呟いた手には赤い果実酒のグラス星の軌跡の写真みたいに丸い明るい星が微速度で流れていた少し離れた位置には銀色の光を放つ満月が鎮座している文学と映画とロ

  • 朝未き

    世界と心中しよう突然変異は進化の証手のしわは過去の集約泣いても明日はやってくる快感と悔恨は線対称あの人は僕を嫌っている僕は誰も好きにならないあの人も僕も心に弱虫を飼っている出会いの交差点別れの丁字路失われた歌を拾う思い出とひきかえに&nbs

  • 虹の夢の話

     海を越えた遠い北国の 聞き慣れぬ言語 モノクロームに近い色彩の弱い町は粒子が粗くざらざらとしている赤みがかった靄の中で 僕はにこやかに挨拶し タクシーの助手席に座る 行き先を問わ

  • イン・ザ・ダーク

    きっとわたしを取り囲んでいる雨や土や風や人や光や色影がなくても世界は本物だ年齢も性別も人種も問わずひとつだけ許された仕掛けぼんやりと夢をみること寂れた夕暮れの公園動かない遊具の長い影は誰かの遠い記憶のせい孤独は身近な遊び相手静謐な中でわたし

  • エピローグ

    初めて名前を覚えた花があっちこっちで咲いている崩れたレンガの間からぼうぼうの緑壁紙は色褪せてはがれ落ち風の通らない部屋の畳は黴がはびこる太陽の光だけが静かに廊下を移動する街も人も茜色に染まる頃忘れられた過去の舞台では終幕の紙吹雪がいつまでも

  • 白い君に

     独りになると 闇は無限に拡がっていき見上げた先の月は冷たい光を放つ君は歌を失い僕の過去は透明になる言葉が空中で分裂してしまったのか世の中とうまくつながらない春の日白い花の香りにつつまれたいつまでもやわらかい君に触れる白

  • ひとつまみの

    やわらかな灯りがあなたに淡い影をつくり静かにこぼれ落ちるのは耳に心地よい低音の言の葉でもあなたはさらけださない鍵をかけたまま微笑んでいる隣にいても地球の裏側にいるような距離甘いお菓子にひとつまみの毒みんな知りながらそれを食べたがるわたしも試

  • Reset

    14歳の春嫌いなあのこ挨拶会話冗談教室のカーテンにくるまって笑いあった帰り道に見つけた二人だけの秘密ノートの切れ端の手紙教師に投げつけた反抗夕闇の坂道をどこまでも並んで歩き続けた世界には二人だけだった時間は当然のように全てを持ち去り私の影は

  • てのひらに宇宙

    真夜中の商店街をひとり歩く誰かと誰かが手をつないでいる誰かが毛布にくるまって寝ている僕は何を求めに家を出たんだっけ今度の冬もあたたかい都会に本当の寒さはやってこない思えば曇り空のような毎日だった土砂降りでもないし晴天でもないつらいことはたく

  • スターダスト

     今宵も星が流れては消える あなたの言葉は時に甘い蜜あなたの言葉は時に苦い毒心を満たしたり突き刺したりどれだけ願っても足りない切望して一瞬で失望嫉妬して徐々に焦燥同じこと二度も聞かないでその曲を誰のために書いているのあな

  • 崩壊と溶解

    世界は音もなく侵蝕される懐かしい家は忘却の彼方人々は架空の登場人物となり名前を失う伝えるべき思いも残すべき仲間もミキサーでぐちゃぐちゃにしてしまった電子メールは文字化けし宛先はいつまでも行方不明薄れていく記憶の淵でカレンダーだけは一日ごとに

  • おとぎ話の続き

     ずっと持ち歩いていた夢を いつのまにか忘れていた幼いころ聞かされた母親のおとぎ話「あなたが眠っている間には 違う世界が動いている」とつまらない日々の途中で出逢った空想の中を生きる人が教えてくれた虹の端にある秘密花の蜜を

  • この夜は淋しくてあたたかい

     冷たい雨の降る夜に心に穴の空いた人々が集う求めているものは汚れたお金ではなく異性の愛ではなく刻まれるビートにのって目をつむり手をたたき体をゆらし思い出したり泣いたり生まれ変わったりきらきらと宙に散る言葉のピースそれを大事に拾い集

  • 記念日

    昨日をみつめながら何時間もここに座っている空回りのBGM窓に映るくたびれた顔誰を待っていたのかもう忘れてしまったお代わりの水のサービスがないのでのどがカラカラになって用意していた言葉まではりついたいやに明るい店内の中でぼくたちは置き去りにさ

  • 夜毎、空を泳ぐ

     地に着きそうな重さで今宵も空を泳いでいる1おばあちゃんの家の庭にはみたこともない白い花々が一面に咲き誇っているがそれは葬式で飾られる花だと知っている軽やかに庭をとびこえて空中にとけこみうきあがる手を離せば永遠に飛べるようなブラン

  • いつか、誰かの夢の中

     都会の中心 高層ビルの最上階迷走または回帰あの星座はなんていう名前?季節はいくつも通り過ぎ私はここにとどまったまま上昇下降逆再生心の空白を何で満たそうふりかえっても誰も追ってこないポジティブな人間には一生なれない落下飛

  • 再び、ここから進んでいく

    雨が降りそうな空の下を自転車で駆けていく16歳の僕に会いにいつでも始点であり終点の場所誰かの記憶の中で幻になっても僕は確かにそこにいた恥も孤独もさらけだして音を紡ぐ音を刻む今だけはひとつだと知って音を感じる音を重ねる指先の感覚と空気の共鳴が

  • 明日、君がいない

    忘れたいことがたくさんあるみんな終わりを望んでいる子供たちが繰り返す数々の戯れ言鋭い視線がすれ違う廊下悪態を吐くためのトイレ徒党に支配された教室ほったらかしにされている差別や孤独や虚勢や疑念どこを見渡しても苦悩が渋滞本当は弱い強がりの尖った

  • 明日、始まりがないとしても

    新宿の改札で渋谷の交差点で高円寺の路地裏で声を聞いた気がして後ろ姿を見た気がして足音が近づいてきた気がしてひとり眠る夜君の名前を心の中で呼んだ君の横顔を暗闇に思い浮かべた東京の人混み夢の端いつでも君はリアルな幻影君は覚えていないだろう僕にと

  • ソルフェージュ

     僕はあなたを どれほど求めていたのだろうそんなこと知らずに消え去るだけが唯一の手段だと手をふりほどいて逃げた夢の中であなたは僕を認めてくれました僕を許してくれました今はただあなたの声が懐かしい何もない砂漠のようなその場

  • ポリフォニー

     太陽は早朝から焼きつくす 体中の水分が蒸発して心まで脱水症状優しい子守唄が突然変異みたいに奇妙な音階になる都会の公園のベンチで野良猫がすりよってくる温もりがほしい動物が二匹、無言の会話みんなみんなさようならどんどん歳を

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