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太平洋の真ん中で https://blog.goo.ne.jp/sirochan2011

2011年にハワイに移住。英語漬けの中で、何事も笑ってしまおうと開き直ってのほほん生きてます。

海外生活ブログ / 海外移住

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2012/01/13

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  • Vickiと約束

    友人のVickiはグラスアーティストだ。近年、材料のガラスがどんどん値上がりしているうえに、ハワイまでの送料もばかにならず、ガラス以外の分野を模索中だ。専門はガラスでも、アーティストだけに、絵を描いても、なかなかに味のある良いものを描くし、写真も、どうしたらこんなにいいものが撮れるのかというものを撮る。私が、今は技術的には進歩したけど、プロになる前に創った作品のような勢いや自由さを失ってしまった、という話をしたら、Vickiはおおいに賛同した。「わかる!!だって、これら、みーんな商業用だもの」素敵な絵や、写真のカードや、ガラスを指さして言う。「生活していかなきゃならないから、売れるものを作るのは仕方がないとわかっていても、嫌になることあるよ」そんな中で、私の3作目のコオラウは、失敗作を遊び心で仕上げたもの...Vickiと約束

  • クアキニで混乱する

    昨年までマンモグラフィ検査を受けていたのは、アラモアナショッピングセンターの敷地内にあるビルの中にあったのだが、そこはもうなくなってしまったのだという。今年の2月に、前回から1年たったことを知らせる通知を受け取ったばかりだったのに、何があったのか。駐車場はいくらでもあるし、わかりやすいし便利だったのだけれど。そこで、主治医がいくつか病院を紹介してくれた。「セントフランシスか、クイーンか、クアキニなら、どこがいい?」セントフランシスは、遠い。クイーンは、以前、友人が行ったら、治療費とは別に『施設使用料』という名目で600ドル(9万円!)請求されたと聞いたばかりだったので却下。残るはクアキニ。クアキニは、ホノルルには違いないが家から1番近く、30分ほどで行ける。しかし建て増しを繰り返したような建物が3つあって...クアキニで混乱する

  • 病院のシステム

    年に1度、血液検査とマンモグラフィ検査を受けることにしているのだが、その1年の経つのの早いことといったらない。忘れないように誕生日月(1月)に受けていたのが、翌年は2月にずれこみ、今年は4月になってしまった。億劫になる理由の一つは、歯医者以外はみんなホノルルにあるからなのと、もう一つはそのシステムのまどろっこしさにある。日本だったら、いきなりマンモグラムを受ける病院に赴けばいいのだけれど、こっちはそうはいかない。まず、主治医に予約を取って、行く。そこで主治医が病院を紹介する。改めて、その病院の予約を取って、行く。主治医の専門以外の症状であっても、まずは主治医に行かねばならない。予約状況によっては、行こうと思い立ってから1か月以上も先にしか予約が取れないということが、よく起こるのだ。緊急の場合には、エマージ...病院のシステム

  • 目にはみえなくても

    朝、起きたときと、仕事から帰宅して、玄関に入る前に家の前の花のチェックをするのが習慣になっている。私はサボテンも枯らす植物キラーだったのだが、気にかけて育てることが大事なのだと聞いてから、毎日声をかけたり、花がらを摘んだり、重そうな茎を切ったり、言葉どおり気にかけているのだ。そうしていると、ひとつひとつの植物がかわいくなってくるから不思議。玄関まわりにあるのは、名前を知らないピンクの小さな花、ゼラニウム2鉢、アンスリウム4鉢、ランタナ3鉢、ビンカ、ソングオブウインディア、ブルージンジャーたくさん。このゼラニウムはしばらく花が咲かなかったのが、手入れをしていたらこんなに花が咲いた。ゼラニウムは水が多すぎると根が弱ってしまうようで、そうなると蕾のままでしおれてしまう。だから雨が降っているときは、寝ていても飛び...目にはみえなくても

  • あの時私が見たもの

    突然、何十年もずっと、忘れていた古い記憶がよみがえることがある。子供の頃、家の向かいに山田さん一家が住んでいた。山田さんちは、おばあさんと、その息子夫婦、3人の男の子という家族構成で、男の子は上が10歳ぐらい、末っ子が4歳ぐらいだったろうか。私が、6歳か7歳の頃だったと思う。うちで新しい冷蔵庫を買って、それが入っていた大きな段ボールが、家の前に置いてあった。家は玄関と門の間に、車1台ぐらいのスペースがあった。門はキャスターがついた金網で、内側から外が良く見えた。これが、家と門の間に立って撮った写真。(ピン止めしているのが私)たぶん、この写真と同じころの話。夜、夕飯を食べたあと、私はその段ボールに入ってみた。説明するまでもないが、私はちょっと変わった子供だった。私は段ボールの隙間から、外を眺めた。季節は初夏...あの時私が見たもの

  • 衝動買いのたのしみ

    近所のギャラリーに作品補充したあと、ショーに出す作品も仕上がって気持ちも軽く、ちょっとターゲットにでも行ってみるかと思う。1年ほど前に近くにターゲットができて、村人たちは喜んでいる。以前、1番近いターゲットはハラバという、ここからは遠い地域まで行かねばなかった。6年ほど前にカイルアにできて、たった15分で行けるようになり、我が村のシアーズが閉店したあとに、ついにターゲットがきたのだ。ターゲットは日本にもあるのかどうかわからないが、食品も電化製品も化粧品も洋服も家具もある、いわゆるデパート。洋服や生活用品など、まあまあの品質で、デパートより値段は安い。ハワイはビジネスをする側にとっては地代、家賃もバカ高く、好きだったキッチン用品の専門店や、家庭用品のお店などがどんどん撤退して、なくなってしまう。だから、欲し...衝動買いのたのしみ

  • ちゃんとした味噌汁を食べてわかったこと

    我が家の朝食に、味噌汁は欠かせない。蕎麦ちょこに出汁、味噌、ネギ、生姜のすりおろし、乾燥わかめを入れて、お湯を注ぐだけ、という簡易式で、味噌玉をたくさん作って冷凍しておき、それにお湯を注ぐだけになって1年あまり。早起きの大人二人の朝は、慌ただしくもなんともないのに、楽なほうへと流れていった結果が、それだ。昨年12月に私一人で日本に行った時、毎朝、姉の作る朝食をごちそうになっていた。ご飯と味噌汁、納豆、それに魚の焼いたのとか、なにか一品が加わった標準的な和食スタイル。もちろん姉は鍋でちゃんと味噌汁を作るのだが、その味噌汁の美味しかったこと!味噌汁にお米のご飯は、黄金のコンビだということも思い出した。それで私は心を入れ替えて、ちゃんと鍋で味噌汁を作るようになった。今まで、蕎麦ちょこという小さな器に豆腐まで入り...ちゃんとした味噌汁を食べてわかったこと

  • 姉の誕生日

    今日は姉の誕生日だ。姉とは3歳、妹とは5歳離れている。妹とは、それほど喧嘩をした記憶はないが、姉とはよく喧嘩した。2段ベッドの、上に寝るか下に寝るかで喧嘩し、おやつの分担で喧嘩し、ピアノの練習のことで喧嘩をした。私の1番古い記憶は、まだ幼稚園にもいかない年齢だった私が、小学校の宿題をやっている姉を見て、「いいなあ、宿題」と言ったら、姉が「ばーか」と、さもバカにしたように言い放った。確かに、なにより宿題が嫌いな私なのだから、あの頃の私に「ばーか」と言いたい。姉はいつも私の前を歩き、お手本であり、ライバルであり、お互いにどこかで目の上のたんこぶ的存在でもあった。姉との関係が変わってきたのは、姉が東京の大学に進学してからである。姉の恋愛の話を対等に聞けるようになり、姉が横浜で就職すると、だんだん友達のようになっ...姉の誕生日

  • 増築工事 始まる

    義両親側の家の、増築工事が始まった。義両親は2階の主寝室を使っているのだが、今後、車いすや歩行器が必要になったときのために、1階に新たな主寝室を作ることになったのだ。計画が出たのは、1年以上前。最初は、ホームエレベーターを設置する計画だったのが、できてきた図面を見たシュートメの、「だめ!醜いわ」の一声で消滅。階段はまっすぐなので、手すりに電動椅子をつければ1番簡単で、安上がりなんじゃ・・と私は思うのだけれど、それも醜いからダメらしい。結局、今ある1階のゲストルームを壊して拡張することになった。工事依頼して、図面をひいて、建築申請が出るまでに1年かかった。工事を依頼したのは、私たちの家を建ててくれた会社。2階の窓から。植わっていた、大きなパームツリーを掘り返し、他の場所に移す。庭に増築するスペースはじゅうぶ...増築工事始まる

  • コオラウ ショー

    カタカナで書くと、なんか変。コオラウとは、オアフ島の東側を北に向かって伸びる山脈の名前で、ko'olau。大きな爪で削り取ったような、独特の山肌をもつこの山は、偏西風を雨に変える。傾斜がきつすぎて、人が登ることはできない。この山のおかげで島の東側は涼しく、雨が多いけれど、そのぶん緑が濃い。我が家も、この山のすぐ麓に位置している。作品をおいている、ひとつのギャラリーで、6月にko'olauショーをやることになった。これは2回目で、1回目のときに出品した作品は、ディズニー映画の関係者が買っていき、「リロ&スティッチ」の実写版(今夏公開予定)の中で使われる。今回、出す予定の作品が2つできた。まだ無題。H3というフリーウェイからの景色。このあたりは岩肌が多い。45X60センチのキャンバスに、コラージュ。筆で描いた...コオラウショー

  • あえて地雷を踏む

    夫には、持病がある。脳の、普通の人なら普通に分泌されるナントカ(どうしても覚えられない・・)という物質が、うまく分泌されないらしい。その物質が分泌されないと、落ち込みやすくなり、夫のウツっぽくなりやすい原因はそこにあるようだ。仕事のストレスでひどいウツになった20数年前から、心療内科にかかるようになり、その物質と同じ働きをする薬を毎日服用している。夫は普段は温厚でユーモアがあり、親切で、とても良い人間なのだけれど、なんでもないようなことがきっかけで、「プツ」と切れることがある、ということに気づいたのは、結婚してしばらくたってから。その何かに対してワーっと怒って、Fワード満載で、それを見ている私まで嫌な気分になって腹立たしい。本人はわりとすぐにケロリとするが、私はその嫌な気分を引きずってしまい、それがまた腹...あえて地雷を踏む

  • ソフィア

    昨夜、猫の鳴き声で目が覚めた。うちの猫じゃない。声は庭から聞こえてくる。ニャー、ではなく、フゥーン、という声。「ソフィアだ!」私は咄嗟にそう思い、窓に駆け寄り庭を見た。3年前、私は職場の敷地をうろうろしていた小さな黒猫を保護し、家で飼おうと計画した。(詳しいいきさつはカテゴリー「3匹目の猫計画」で)「6月19日にあなたを家に連れていくからね」私はその黒猫を見かけるたびに話しかけていた。その19日、同僚があわててやってきた。「あの猫、仔猫連れてるよ!」私はてっきりオスだと思っていたが、メスだった。しかも、今まで一人でいつもうろうろしていたのに、今日になって仔猫を4匹も連れてきた。仕方がないので4匹の仔猫もろとも家に連れて帰り、翌日、病院で検査をしてもらった。母猫にはソフィアと名前をつけた。仔猫たちは生後3週...ソフィア

  • オムライスを和食のトップ3にいれる会

    私は、オムライスを和食のトップ3にいれる会の会長だ。残念ながら会員はいない。庶民的な店で外食をすると、お米のご飯が残る。ハワイでは、お米のご飯はお玉に2杯も3杯も出てくる。プレートランチであっても、ご飯がてんこ盛り。食べきれないので、箱をもらって持ち帰ることになる。お米を食べる国に生まれた私は、お米をみすみす捨てることができないからだ。小学校の頃、農業体験でお米を育てる実習があった。モミを割って、出てきたお米を精米し、お箸ですくう程度の量のご飯になるのに、どれだけ時間と手間暇がかかるものか。卵の孵化実験や、鮒の解剖など、トラウマになりこそすれ、何の役にもたたないと思うが(どちらも嫌で学校をズル休みした)、農業体験はすべての子供にやらせるべきだと思う。話はズレたが、そうやって持ち帰ったご飯は、チャーハンにな...オムライスを和食のトップ3にいれる会

  • 春来たる

    季節にメリハリのないハワイにも、なんとなく春がきている。夫が出かける朝6時、ついこの前までは満天の星空だったのが、今は空は明るくなりはじめ、東の空に長い雲が波のように流れているのが見える。長いこと、観葉植物かと思うほど花を咲かせなかったハイビスカスが、一気に花をつけた。もっとも、モンキーポッドの枝をだいぶ払って、日当たりをよくしたというのもあると思う。モンキーポッドのおかげで、夏は家が木陰になって涼しく過ごせて助かっているのだけれど、芝生や他の植物にはちょっと日陰すぎるみたい。なんたって、日立のコマーシャルの「あの木なんの木」の樹だから、その枝の広がり具合は半端ない。チーズケーキのボーイが、気持ちよさそうに日向ぼっこで昼寝タイム。30分ほど寝ていたと思ったら、床に降りて涼んでいるのも、春が来た証拠。日本は...春来たる

  • 失礼上等

    日本の若者の間では、LINEなどで句読点を使うのは感じが悪いことなのだという。それを教えてくれたのは日本の友人で、私はその意味がよくわからなかった。「どういうこと?」「だからー、句読点を使うと形式的というか、怒ってるという意味なんだらしいよ」そう言われても、まだ理解できないのだが、感じが悪いのは句点(。)のほうで、読点(、)ではない模様。ふと思い当たったことがある。昨年9月に、甥がハワイに一人でやってきたことがあるのだが、甥とLINEのやり取りをしたとき、甥からのLINEのすべてに「!」がついていた。「!」は本来、驚いたとか、感動したとか、感情を強く表現したいときに使うものなのに、普通の文章にも「!」がつくのだ。たとえば、『義両親が空港に迎えに行くから、どんな服を着て来るか教えて』『まだ決めてないけど!な...失礼上等

  • 暗黙のルール

    回転すしで思い出した。回らない普通の寿司屋が苦手である。と言っても、遥か昔に、その場の流れで仕方なしに何度か行った程度だが、行くたびに、もう行くまいと思う。カウンター席につき、醤油皿と寿司をのせる木の台が出てくる。カウンターの向こう側には二人ぐらいの板前さんが、忙しそうに立ち働いている。ものを知らない私は、何から頼めばいいのかがわからない。いきなりウニなんて頼んだら邪道なのか、タマゴは好物だけど、いつごろ頼めばいいのか。「エンガワをつまみでね」中年の紳士が、慣れた調子で頼んでいる。一緒に行った連れには、どう頼めばいいのか聞きたくない。私は二十歳そこそこで若く、変な意地があった。今なら、「最初からウニなんか頼んでもいいかしら」なんて板前さんにしゃあしゃあと聞けるほどの面の皮なのに。壁に掛かっているネタの札を...暗黙のルール

  • 回らない回転すし

    日本の友人から聞いたのだが、最近、日本の回転すしは回っていないのだという。調べてみたら、コロナの影響、共有の醤油さしなどを舐めている動画が問題になったのも原因であるらしい。「回らずにどうなってんの?」「タッチパネルでオーダーすると、それがテーブル横のレーンに乗ってくるのよ」またタッチパネルか。12月に4年ぶりに日本に行った時、コンビニの支払いがタッチパネルになっていて戸惑ったのを思い出す。支払い方法の、あまりに多種多様なのに目がクラクラした。現金とクレジットカード以外の支払い方法は、てんで何がなんだかわからない。レーンがあるのなら、一応、流れてはくるのだろうか。なにしろ、回転すしなんて、デザートから何から流れているのを取って、最後にお皿の数を数えてもらって支払っていた頃しか行ったことがない。子供でもいれば...回らない回転すし

  • 栗おこわ

    買い物担当である夫が、日本食スーパーで「栗おこわ」の素を買ってきた。「日本語が読めないのに、なんでわかったのさ」「だって写真ついてるし、栗が入ったご飯かなーって。栗、好きでしょう」日頃、私が栗、栗とうるさいのを知っているのだ。早速、休みの今日、炊いてみた。パッケージを見ると、『料理自慢をしたいときに』なんて書いてあるが、自慢する相手もいないので、猫たちに見せる。栗おこわ大盛一膳を食べて、あとは小分けにして冷凍し、お弁当にもっていこう。このもち米の独特の風味と、栗の素朴な甘みがなんともいえず美味しい。この美味しさは、やはり日本人でなければわかりあえない。おかずは、炒めたケール入りの卵焼き。味噌汁は今朝食べたので、抜き。「隣に豆の写真がついたのもあったよ」「こんな字、書いてなかった?」赤飯と書いてみせたが、無...栗おこわ

  • 覚えていないに限る

    朝、起きたら夫が「ゆうべ、変な夢みた?」と聞く。「夢なんかみなかったよ。なんで?」「おかぁさぁーーーーーん、って言ってたよ」ほんとに何も覚えていないのだ。いったい、どういう状況での「おかぁさぁーーーーーん」だったのか。どう考えても、ハッピーな感じはしない。現実では叶わなかった母の死に目に、夢の中で会いでもしたのだろうか。母の生前、私はそんなふうに母を呼んだことはないような気がする。落ち着きがなく、よく迷子になっていた幼少の頃ですら、親にはぐれて叫んだことはないと思う。真っ青になっているのは親たちの方で、駿府公園で迷子になったときは、私は施設(昔は児童会館という施設があった)の人にソフトクリームなど買ってもらい、ボロボロになって親が迎えに来た時には、ちゃっかり施設のオジサンに抱っこされてソフトクリームを舐め...覚えていないに限る

  • 魚焼き網を買う

    食材や日用品の買い物担当は、ほぼ夫である。週に1度の日本食スーパーへは、私が仕事の土曜日に行き、普段は朝が早い分、私より早く帰宅するので、追加で必要なものを買ってくる。「今日、いいもの買ったよ、なんだと思う?」地元のスーパーに寄って来た夫が、うやうやしく冷蔵庫から取り出したもの。「ジャーン!HAMACHI!」ハマチの切り身。何年も前に、日本の居酒屋で「ハマチのカマ」を食べた夫は、すっかりハマチのファンになった。私もハマチは好きで、日本食レストランではハマチのお刺身を頼む。日本食スーパーに行けば、ハマチがあることもあるけれど、地元スーパーで見かけたことはない。奇跡的に、たった一つだけ他の魚に紛れていたのを見つけたという。「これは居酒屋風に香ばしく焼いて食べたいよね」庭にはバーベキューグリルがあるが、七輪のよ...魚焼き網を買う

  • めんどりの中のめんどり

    私の職場は、広大な自然の中にある。一応、ちゃんと管理も手入れもされているのだが、1日の大半は人間の気配がない。さきごろ管理者がマングースを駆除したかなにかで、今はニワトリのベビーラッシュである。ヘビがいないハワイでは、鳥の天敵はマングースなのだ。1羽のママに、9~12羽のちっこいヒヨコという家族が、いくつも走り回っている。まだ尻尾もないような小さいヒヨコたちは可愛くて、癒されるのだけれど、好奇心が強いあまりに兄弟たちとはぐれてしまうヒヨコや、具合が悪そうなヒヨコを見ると胸が痛む。先日、お店を施錠して帰るとき、1羽の黒っぽいヒヨコが母親を探して鳴いている。1時間ほど前から、声だけは聞こえていた。まだ尻尾もない小さいヒヨコなのに、高くてよく通る声で鳴く。このまま見過ごして帰ることなどできようか。建物の反対側に...めんどりの中のめんどり

  • 砂糖断ちしたら

    10日前に、砂糖断ちをした。右腕にできたエグゼマ(湿疹)が、なかなか治らない。これは2年前に太ももを中心にしてできた湿疹と同じもので、素人判断でリングワームだと思って、感染しないように朝晩しっかりシャワーを浴びて、固形石鹸でよく洗い、1度着たものは洗濯し、1本1500円もするクリームを塗っていたのだが、治るそばから新しいのができた。思い余って皮膚科に行ったら、チラ見1秒で「エグゼマだね」と医者は言い放ち、加齢による乾燥で発生するものだということを得意げに付け加えた。もちろんそれは感染はせず、固形石鹸で洗うなどもってのほかで、保湿性のある液体ソープで洗い、必ずあとで保湿をすること。私はその反対を一生懸命やっていたのだから、治るはずがなかった。加齢と言われておもしろくはなかったが、ソープを替え、保湿もしっかり...砂糖断ちしたら

  • そば3つ

    父が亡くなって、しばらくした頃、妹が友人と二人で蕎麦屋に行ったときのこと。その店は、父が生前贔屓にしていたので、「ここはお父さんが好きでね、よく一緒に来たよ」と、軽く父の思い出話などをしているところに、お店の人が注文した蕎麦を乗せたお盆を持ってやってきた。「お待たせしましたー」友人に一つ、妹に一つ、そしてお盆には蕎麦がもうひとつ。「あれ」お店の人は動揺していて、その動揺ぶりに妹たちも動揺した。「し、失礼しました・・・・」残った蕎麦を持ったまま、あわてて厨房に小走りで去っていった。「お父さん、そこにいたんだねー」その話を聞いて、私が言った。「うん、いたんだと思う。お店の人には見えたんじゃないのかな」父は生涯、痩身で、ふっくらした父を見たことはなかったが、食べることが好きだった。そうはいっても、グルメだとか食...そば3つ

  • 違いがわからない残念なわたし

    この化粧品を使ったら、肌がつるっつるになった。とか、このシャンプー使うと、髪の手触りが全然違う。とか、そういう情報を知ると、それが入手可能であれば使ってみることがある。しかし、失敗だったということもなければ、「うわー!ほんとだー!」という目にあったこともない。20年ほど前、友人の影響で、短期間だったがブランドコスメに足を突っ込んた時期があった。シャネルのチークやアイシャドウもいろいろ持っていたし、1本何万円もする美容液を買ったこともあった。が、しばらくしたら熱が冷めた。シャネルのアイシャドーと、ドラッグストアのアイシャドウの違いが私にはわからない。何万円もする美容液と、2500円ぐらいの美容液の違いがわからない。何を使っても、可もなく不可もなし。もともと肌は丈夫で、温泉に備え付けの乳液や化粧水を使っても荒...違いがわからない残念なわたし

  • 涙もろさは遺伝

    私は涙もろいが、感情によって泣くことは滅多にない。普通に話していて、普通に笑っただけで涙が出る。感情が揺さぶられることがあるわけでもないのに、笑ったあと、じわっと目に涙が集まるのがわかる。そのまま話し続けると、涙も順調に増えてきて、指で目じりをこすりながら話さねばならなくなり、相手に私が泣いているのかと思わせてしまうこともよくある。実際、泣いているように見えるから仕方がないのだが、相手と場面によっては誤解を招く。たとえば先日、職場でちょっとした揉め事があった。私のストレスがたまり、それを公にして、結果的にはとても平和に解決したのだが、そのことについて人と話しているとき、笑って、例によって涙が出てきた。それを、「泣くほどストレスだったんだ!」と解釈されて、説明するのに苦労した。若い時からそうだった。昔、30...涙もろさは遺伝

  • 夕食事情

    きっかけというきっかけはなかったのに、気が付くともう3週間ほどは義両親と別々に夕食を食べている。忘れもしない2021年のイースター事件。その後、しばらくは別々に食べていたが、「見てな、そのうち誘いにくるから」と夫の言ったとおり、何事もなかったように、また一緒に食べるようになった。義両親は外食も多いし、遅いランチだったから夕食はいらないという日もあって、毎日一緒に食べるわけではないけれど、一緒となればメニューのすりあわせやなど、小さいことながら面倒。その上、彼らと私たちでは食べるものが違う。それで最近は、互いのメニューに関係なくそれぞれの食べ物を持ち寄る感じになっていたのだが、二人と四人では作る量も違ってくるわけで、たとえば二人なら魚は二切れでいいけど、一緒に食べるかもしれないから四切れ買う。それなのにテー...夕食事情

  • パパイヤは今

    庭に自然に生えてきたパパイヤが、とっても美味しい実をつけるので、種をとっておいて蒔いたのが昨夏。ひとつの実には何十個という種があり、それを適当にすくって蒔き、元気そうなのを残して間引きして、4つの芽が残った。この後、淘汰されて2つが生き延びた。2023年8月2つのパパイヤは何回か植え替えをし、今はどうなったかというと、パパイヤ1号パパイヤ2号高さは、身長152センチの私の腰ぐらいまである。そろそろ地面に植えたいので、試しに植える予定地にしばらく置いてみて、順調に成長するようだったら本格的に植える予定。パパイヤに遅れて、リリコイ(パッションフルーツ)の種も蒔いた。酸っぱさが苦手という人もいるけれど、私はリリコイが大好きで、ヨーグルトにたっぷり混ぜて食べるのが好き。時々、隣家からお裾分けでいただくが、家で摂れ...パパイヤは今

  • 知らない方がしあわせ

    久しぶりにYouTubeを見たら、食べてはいけない買ってはいけない使ってはいけないこれをしたらダメそういう類の動画が目についた。それらの動画の閲覧数がけっこう高めなのをみると、人は自然と「つまづく前に対処しよう」と生きているものなのだと思う。単純で影響されやすい私は、そういうものから距離を置いた方がいい。いったん、脳に送り込まれた知識は、それがネガティブであるほどしつこく残り続けることを知っているのだ。大昔、ボウリング場に行った時、併設されているゲームセンターの隅っこに「姓名判断」の機械があった。軽い気持ちで友人と姓名判断をしてみたら、私の下の名前は『後家になる』運命だというではないか。ボーイフレンドもいないのに、今から後家になることが約束されているなんて目の前が真っ暗になった。同じ字で同じ名前の先生が高...知らない方がしあわせ

  • 私が失ったもの

    マイクに出会うまで、私は芸術を仕事にしようとは思っていなかった。むしろ、好きなことは趣味のままのほうがいいと思っていた。コラージュのメンターであるスーザンに、作品をギャラリーに持ち込んでみたらと勧められても、断られるのが怖くて聞き流していた。マイクのおかげで、作品をプリントして売るようになり、彼が間に立ってくれたおかげで、ギャラリーに飛び込みでなく持ち込めるようになり、ラティーシャに出会って、オリジナルもたくさん置かせてもらえるようになった。そうしてかれこれ10年以上も、作品を創り続け、売り続けている。次の作品のアイデアに詰まった時、昔の作品をアレンジすることがある。好きな題材というのは、何度でも作ってみたくなる。コラージュは染めた紙を選んで貼ってゆくため、筆で描く絵とは違って、たとえ同じ構図で作ったとし...私が失ったもの

  • さよならドッティ

    ドッティが、亡くなった。夫家族の、長いファミリーフレンドであり、私のアート友達でもあった。ダンナさんのポールとともに、あまり元気じゃないと聞いて、会えるうちに会っておこうと、何度か家を訪ねていった。80を過ぎても、いつもなにかおもしろいことを探しているような、キラキラとした目を持っていた。初対面の人をまったく警戒させない柔和さがにじみ出ていて、人の気持ちを思いやり、人を笑わせることが得意。こんなふうに年をとりたいと思う、ドッティはそんな人だった。この写真は、昨年3月下旬のころ。彼らは二人暮らしだから、通いのヘルパーさんがいて、友人らが食事を届けたり、本土から息子さんたちが交代で来ていたりしていた。この日、私は彼らが大好物の稲荷寿司をたくさんこしらえて持って行った。クリスマス前に、ポールが亡くなった。とても...さよならドッティ

  • スローモーション

    夫が食事の後の食器類を洗っていた。私はその隣で、ストーブトップを拭いたりなんぞしていた。夫が洗った包丁を、包丁差しに入れるために身体の向きを変えた時、猫のコーちゃんがすぐ足元にいた。「ワ―――ぉ!!」あわててコーちゃんを避けようとし、持っていた包丁が宙に浮き、刃先を下にしたまま重力に従って下に落ちていく。そのまま落ちれば、夫の素足の上に落ちる。しかも、親指と人差し指の間に、体の向きと刃が平行に。危機のときはスローモーションになると聞いたことがあるが、あれは本当かもしれない。包丁はゆっくりと(に見えた)落ちていき、ふっとその向きを変えた直後に夫の足の、親指と人差し指の間に、指と平行の向きで落ちた。もしもそのまま落ちていたら、指の間の腱を寸断していたかもしれず。包丁は転がり、コーちゃんはとっくに逃げた。夫は、...スローモーション

  • 葉っぱアート

    姉が、葉っぱアートの展覧会を見に行ってきたという。リトさんというアーティストが、葉っぱを切り絵のようにして作品を創っている。これはみんな1枚の葉っぱ。こんなに優しく温かい作品を創るリトさんは、女性なのだと勝手に想像していたが、実は男性だった。発達障害で、どこで働いても大失敗はしないけど、小さな失敗ばかりで苦しかったそうだ。それで、自分の居場所を探して、ここに辿り着いた。1986年生まれで、2020年から独学で葉っぱ切り絵を始めたという。リトさんは発達障害だったから、よけいに生きづらかったのだろうけど、そうではなくとも、何となく生きづらい思いをしている人はいると思う。自分の居場所はここじゃないかも、と感じて生きている人もいるだろうし、それを探している人もいるだろう。居場所なんてことを思う余裕がない人だってた...葉っぱアート

  • 若作りにとりつかれる

    夫の友人はフォトグラファーで、グループ展をやるというのでレセプションの日に出かけた。レセプションとは会場に作家たちが一同に集まり、飲み物や簡単な食べものを楽しみながら作家と交流できる機会のこと。会場に着くと、友人が真っ先にみつけて駆け寄って来た。「来てくれてありがとう。ママもいるのよ」友人の母親のセブラもアーティストで、抽象画や前衛的なオブジェを作っており、カハラの邸宅には、奇抜なオブジェがそこかしこに飾られている。夫とその友人とは中学以来の付き合いで、セブラもよく知る間柄。挨拶をしようとキョロキョロしていると、「あらー!久しぶりね」と、背中からセブラの声がした。振り返ってみて、顎が落ちそうになった。妖精の羽根のような光沢のある生地でできた奇抜なドレスからは片方の肩がむきだし、しかも膝上20センチ以上の短...若作りにとりつかれる

  • 重い腰があがる

    ようやく、重い腰があがった。新作を仕上げてからどのぐらいたつのか、調べればわかるけれど調べない。そろそろ次に取り掛からねばと思い、ひと月ぐらいは軽く過ぎてしまう。次の休みこそやるぞ、と思う。やるはずの休みを、結局なにも手をつけずに時間ばかりが過ぎてしまうとき、胸の奥がチクリと痛む。夫の叔母の家にふらりと立ち寄ったとき、そのことを漏らすと、「そういう時は自分に優しくしないとね」と言った。「優しく」と「甘く」はどう違うのか。私はどうも自分に甘いだけなのではと、またまた心が塞ぐ。そんなとき、藤沢周平氏のエッセイを引っ張り出して読む。たとえば50枚の小説を書くとする。私は初日の予定に5枚と書く。二日目は15枚と書き、三日半から四日で書き上がるような配分にする。だが1日目には私は今日はたったの5枚だと思う。あわてる...重い腰があがる

  • 夢の出所

    寝ている間にみる夢の、その突拍子のなさはどうしたことだろう。記憶をベースにしたものならともかく、夢の中だけで友人であるとか、行ったこともない場所で夢の中では当然のように暮らしているとか。子供の頃から、変な夢をよくみた。学校から帰ると、近所の人たちがみんなチョンマゲに着物を着ていて、その一人に包丁を持って追いかけられたことがある。荒れ果てた土地で仲間数人と何者かから逃げていて、迷い込んだ廃墟のような病院には、階段や廊下にゾンビのような人たちがたくさんいたこともある。今朝の夢は、夢の中だけの友人の家にいて、家に帰らなくてはならないのだが車がない。すると友人が250ccのバイクを貸してくれるという。バイクは乗ったことがないと言うと、簡単だから乗り方を教えるというので乗ってみる。「アクセルは、ここ」そう言って、座...夢の出所

  • カセットガスコンロを買った

    ハワイはすぐに停電になる。強風が続くと、電線が切れたり電柱が倒れたりして停電し、なかなか復旧しない。先日も、風の強い日に停電になり、職場では3つあるレジスターのうち一つはジェネレーターで動かし、あとの二つは計算機を使ってマニュアルだ。店内は窓からの明かりだけで薄暗く、試飲のコーヒーも作れない。それが5時間も続いた。帰宅してしばらくすると、再び停電。義両親がガレージから非常用のランタンを出してきたが、その乾電池を大騒ぎして探している。我が家には懐中電灯しかなく、何年も前に買った、偽キャンドルを出してきて、埃を払ってスイッチを入れてみたがつかなかった。そこへ帰宅した夫が、仕事で使う工業用の照明をバンから出してきて、昼間のように明るくなった。結局、義両親がランタンの乾電池を見つける前に電気が復旧した。遅ればせな...カセットガスコンロを買った

  • まあ、いっか

    ラップトップのパソコンを開けたら、ビーッビーッビーッビーッとんでもなくけたたましい音が鳴り、あわてて閉めた。「なっ!!!」おそるおそる再び開けると、同じ音が鳴る。機械のことは何もわからないが、普通じゃないことが起きていることはわかる。音に負けず、なんとか起動させてみるも、どのページにもたどり着けない。これはもうお手上げなので、夫に頼んで、買った店に持ち込んでもらった。それが1月12日。あれから3週間がたつが、何のお知らせもない。そんなに面倒なことになっているのか。昨日、コンベクションオーブンでビーツをローストしていたら、突然バッチンという嫌な音がして、オーブンが壊れた。昨年から、家中の家電という家電がドミノ倒しのように壊れていき、最後に残ったのがオーブンだったから、覚悟はできていた。9年半使っていたのだか...まあ、いっか

  • 聞かないのは

    韓国人の友人が、夫は何人で仕事をしているのか、と聞いてきた。友人は、夫の仕事の遍歴あれやこれやを知っており、かつ、夫のファン(?)なので、気にかけてくれているのだ。「知らない」と私が言うと、驚いたように言った。「え、仕事の話、しないの」「仕事内容のことは話すかなあ。どこで何をやってる、みたいなこと」「どんな同僚がいるかとか」「今日同僚がこんなだった、なんてことは言うけど、それに対しては『ふーん、そうなんだー』で終わりで、それ以上聞かないからわからない」「なんで?」「なんでって・・そういうこと、知りたいの?」「ていうか、知っておきたいと思わない?」「思わない」私は、変だろうか。聞かないのは、興味がないというよりは、余計なことを知りたくないからだと自分でわかっている。この13年、夫が仕事を辞めるたびに私は心を...聞かないのは

  • タンジェリンを搾る

    毎日、明日が休みだといいのに。などと辻褄の合わぬことを思ったりする。休みの前の日は仕事でなければヨロコビは半分以下になるのだから。仕事を終えて、職場を出るときにはもうウキウキしている。左折したくて、こちら側の車の流れが切れるのを待っている対向車など、どんどん譲ってあげる心の余裕もある。庭のタンジェリンの実が、たくさんできた。見た目はあまりよくないけれど、しっかりと酸味と甘みがあって美味しい。ネーブルなどの甘い柑橘類に慣れてしまうと、酸っぱいと感じるだろうけれど、味にパンチがある。パン!と酸っぱくて、その酸味の中にも甘みがあって、口の中いっぱいに広がる。スーパーでも、ロコタンジェリンとして売られているが、日本でいうと何だろう。ミカンでもなし、夏ミカンでもない。今日はこれをジュースにしよう。こんな原始的なレモ...タンジェリンを搾る

  • つくづく損な性分

    私の週に3日ある休みのうち、2日は平日だ。夫は仕事なので、普段どおり4時半に起きる。寝起きはいい方で、たいてい目覚ましを止めてすぐに起き上がる。ここで数分の惰眠をむさぼっても意味がないとわかっているからだ。ただ、夢の真ん中など、目覚ましが鳴るタイミングが悪いと、起きるのに気力がいる。そしてそれが休みの日であればなおさらで、このまま眠れたらどんなにいいだろうと思う。グズグズしながら、夫を送りだしてから寝たっていいんだから、と自分を説得し、「エイ!」と気合を入れて起きる。夫が出かけても、窓の外はまだ夜で、何をするにも照明をつけねばならない。さあ、睡眠の続きを楽しむぞ、とベッドに戻るが、これがまったく眠れない。あんなに眠かったのが嘘のように、ギンギンに目が冴えてしまっている。ベッドから出るのも腹立たしいので、本...つくづく損な性分

  • わかる、わかるよ!

    クリスマスの翌日に、ジュディスの家に遊びに行った。互いのクリスマスの報告などをしていたら、ふとジュディスが、「いまだにココ(ハワイ)がホーム、という実感がしないのよね」と言った。ジュディスはイギリスで生まれて育ち、大人になってからはカナダやアメリカ本土にも住み、ハワイに来て20年近くになる。今のダンナさんのトニーとは40過ぎてからの再婚で、お互いの子供たちはとっくに独立しており、二人で悠々自適に暮らしている。「どした?何があった?」「今さらって感じではあるんだけど、クリスマスといっても韓国料理や日本料理ばっかりでさ・・私もそういう料理は好きなんだけど・・・」トニーは韓国人である。トニーの兄弟など家族といえば、これまた韓国人とその連れ合いになるわけで、どうしてもそっちに合わせたメニューになるのだろう。「七面...わかる、わかるよ!

  • ちゃんちゃんこ

    1月2日は、私の誕生日。昔は、誕生日が普通の日の友達が、学校で「おめでとう」なんて言われているのを見て、羨ましかったものだ。それも、日本だけの話。今は、大晦日まで仕事、元旦だけ休みで2日は仕事だもの。晴れて普通の日が誕生日になったわけだけど、今思えば誕生日を家族と過ごせた日々が懐かしかったりもする。今年は、とうとうちゃんちゃんこ。友人が誕生日に、「ちゃんちゃんこはさすがにアレかと思って」と言って、真っ赤なランジェリーをくれた。年をとるのは嫌ではないけれど、私の脳内イメージの中のその年齢と自分とのギャップは、年々大きくなっていく気がする。そのギャップに気づきはじめたのは、40過ぎてからだったと思う。子供の頃の60歳のイメージは、まさに赤いちゃんちゃんこが似合う、正真正銘のおばあさんだった。子供や若い人には、...ちゃんちゃんこ

  • 2024 明けました

    あけましておめでとうございます。元旦の朝、ビーチに行こうと家を出たところで、今年初の虹がかかっていた。我が村には神社がないので、いつものビーチに行く。神様はどこにだっているんだから。朝7時をまわっていたから、日の出ってわけにはいかないけれど、すがすがしい朝。海水はほどよくあたたかい。元旦に泳げるところに私は住んでいるのだなあ。おせち料理は、友人が送ってくれたおせち料理の写真を眺めてヨシとする。日本食スーパーに行けば、おせち料理の材料はまあまあ買えるけど(値段を気にしなければ)、そうまでして用意しても、食べるのは私だけとなれば意欲もそがれるというもの。年越しそばにしても、そう。それでも、お雑煮ぽいものは作った。昨年は具なしだったから、ケールが入っただけでもお雑煮に見えなくもない。母が作るお雑煮は、里芋とほう...2024明けました

  • 一区切りついて次へ進む

    4年ぶりの帰国は、一区切りついて次へ進む帰国になった。初めて、両親がいない実家に帰った。両親が住まっていた1階を、姉がきれいにリノベーションをしてくれたおかげで、両親の面影を探さずに済んだのはありがたかった。もしそのままの状態であったなら、私は家にいる間中、彼らの面影を見続けて辛かったと思うから。友人と温泉に行った時、お互いの父親の話で盛り上がった。友人の父親は、私の父よりもだいぶ前に他界されているが、私の父同様、いろいろと逸話のある人だった。だから笑い話が殆どで、他の話をしていても、いつの間にか父親の話に戻ってしまう。涙を流しつつ笑いながら、「これは供養なんだろうね」と言った。私が20年以上も働いていた父の会社に、叔母に会いに行った。今は従兄弟が継いでおり、叔母も経理としてまだ現役でいる。かつての同僚だ...一区切りついて次へ進む

  • 17年記念日

    クリスマスの翌日は、夫と私の結婚記念日である。何年かぶりで、NICO'SUPSTEARに行った。予約は6時。窓際の良いテーブルに案内された。いい感じに日暮れてきた。生ガキと、ロブスタービスクニューヨークストリップステーキと、リブステーキ。もちろん、食べきれないので半分はお持ち帰りだ。何年か前とはメニューが少し変わっている。夫は魚料理を食べたかったのだけれど、この日はどの魚料理にも、夫がアレルギーをもつホタテ貝が使われていた。お店からの、記念日のデザートのサービス。サービスがあると知らずに、チーズケーキを頼んでしまったので、これもこのままお持ち帰り。17年前の今日、私たちは結婚した。夫と結婚したことは、私の人生の中で1番嬉しいことだ。それまでに起きたすべてのあれやこれやが、ここへ辿りつくために通らねばならな...17年記念日

  • クリスマスの朝

    クリスマスの朝は義両親とともに朝食を食べる、というのがいつの間にか恒例になっている。4日前の土砂降りは噓だったかのように、晴れて穏やかな朝。8時ごろ、私がポーチドエッグを作り、シュートメがホーランディソース(溶かしたバターにレモン果汁と卵の黄身を入れて攪拌し、なめらかにしたもの)を作り、焼いたイングリッシュマフィンの上にカナディアンハムと卵を乗せる。今年、初めてホーランディソースを作る過程を見たのだが、小鍋にバター2本を入れたのを見て驚いた。包装から出したばかりのバターが2本、あの幅4センチぐらいで長さが10センチぐらいの塊が2本。4人分のソースを作るのに、2本(くどい)。私は怖くなって、ほんのちょっぴり垂らして食べた。夫を見たら、何もかけず、イングリッシュマフィンもハムもなしで、ただのポーチドエッグをそ...クリスマスの朝

  • エアプランツ ジャングル

    日本は今日、クリスマス。ハワイは大雨も過ぎ去り、穏やかなクリスマスイブだ。今日は日曜日で、クリスマスは職場が休み。火曜日と水曜日は私のレギュラーの休日で、今週は4連休になる。ラッキー!さて、クリスマスプレゼントに、大量のエアプランツをもらった。キッチンのシンクにぎっちりアリゾナからやってきたこれらを、家中に置いてみた。キッチンの窓辺リビングの棚ひときわ大きいのはテレビの横に玄関ドアにもそれでもいくつかは、レイナにお裾分けした。週に1度、30分ほど水に漬けると書いてあるので、忘れないように水曜日の休日にやることに決めた。月に1度、肥料をスプレーするのは月の初めの水曜日にしよう。水気を切ったプランツを、再び家中に飾りつけるとき、場所を変えたり、入れ物を変えたりして楽しい。これだけあると壮観だねえ、と夫と話して...エアプランツジャングル

  • 祈り

    ハワイ在住の日本人の友人が、治療のために日本に行くことにしたという。友人は3年以上も、首からくる手指の痺れに悩まされていて、何か所も医者を回り、自分でも情報を集めていた。痺れは、掴んだものを落としてしまうほどにもなることがあり、痺れの範囲が腕のほうに広がってきていて、手術を受けるという結論に至った。ハワイは、首の骨に金具をつける方法の一択で、しかしそれも、その金具による他の箇所の不具合が出ることが多く、何度も手術を受ける人が多いらしい。日本の人で、同じような症状で日本で手術を受けて治ったという人と電話で話す機会があって、とうとう決めたのだという。とりあえず3か月、仕事を休職していく。実は彼女は、腰にも持病があって、春頃に激痛でのたうち回るほどになったことがあった。腰は怖いから手術はしたくないけど、腰のこと...祈り

  • クリスマスツリー、出た

    ハワイは、雨が降っても1日中降り込めることはない、なんてことをいつか書いたような記憶があるが、1日中降り込めることがたまにある、に訂正。冬は雨期でもあるのだが、今年の冬は雨が多い。昨日は文字通り1日中大雨だった。その前の夜からひっきりなしに雨が降ったために、パリハイウェイで地滑りがあって、道が塞がれてしまった。職場の手前にある小さな橋も、大雨のたびに冠水して通行止めになる。そうなると、水が引くのをひたすら待つか、ノースショアを迂回して1時間以上かけて帰宅することになる。私は休みでよかったけれど、同僚たちはうまく帰れただろうか。昨日の朝、私はカハラのギャラリーに作品補充するためのマット作りをしていた。今日は友人とお昼を食べる約束があるので、昨日のうちに補充を済ませておきたかったのだ。日本に行っていて作業がで...クリスマスツリー、出た

  • 4年ぶりの日本 ハワイへ

    日本からハワイへのフライトは6時間半ほどで、往きの9時間半に比べたらずっと楽。もう1本映画を観たかったのに、というまに着いてしまう。飛行機を降りて荷物を受け取り、空港の外に出ると、湿り気を帯びた暖かい風が吹いていた。迎えに来てくれた夫の車に乗り、トンネルを超えると、一面が緑に覆われた我が村に突入する。日本とハワイでは光の量と質が違うから、色が違って見える、と聞いたことがあるが、それは本当だと思う。空も山も建物も、道行く人でさえ、日本とは違って見える。日本にいると、言葉は通じるし、便利だし、なんでもあるし、食べ物は美味しいし、広いし、物価は安いし、姉妹や友達にもいつでも会えて、医療も介護も充実していて、住んだら楽だろうなと思う。けれど、英語しか使えず、不便で、美味しいものには限りがあり、狭苦しく、物価はバカ...4年ぶりの日本ハワイへ

  • 4年ぶりの日本 富士山周遊

    土曜日は、妹が休みをとって静岡に来て、義兄の運転でドライブに行くことになった。義兄は昔から出かけるのが大好きで、いろんな場所を熟知している。今回も、いくつかのコースを考えてくれた中で、富士山周遊に決定。実家からも富士山は見えるけれど、やっぱり近くでドーンとしたのを見たい。雲一つない冬の空。まずは白糸の滝へ。ここには夫と二人で来たことがあったが、すっかりきれいに改装されたお土産物屋スペースには、以前の面影はない。その中にも昔ながらの土産物屋もいくつか残っており、そのひとつで、夫にTシャツを買った。妹が、「うーん、これは・・・」と首をかしげる。「いや、これは絶対好きだよ。見てな」案の定、夫はとても気に入って、毎日着ている。ガイジンが好きそうな日本のものだったら任せとき。音止めの滝白糸の滝橋から滝を眺める私たち...4年ぶりの日本富士山周遊

  • 4年ぶりの日本 夢の吊り橋

    3日目は、友人と一泊で温泉に行った。静岡県には静岡県だが、榛原郡川根本町にある、寸又峡という山奥の温泉である。細い山道を延々と登ってゆく。場所を決めるとき、車で30分ぐらい、あるいは電車で1時間以内で行けるところにしようとしたのだが、友人の、「そこは方角が悪いのよぅ」という一言で却下になり、彼女的に「方角の良い」ところにしたら、ここになったというわけ。小さくとも会社を経営している彼女は、方角も気になるところなんだろう。この友人とは地方テレビ局時代からの40年来の付き合いである。私の人生一発逆転ドロドロ期に、彼女も厳しい時期にいて、手を取り合って乗り越えてきた仲間だ。すったもんだの挙句、私が意を決して離婚届に判をもらうために家に乗り込む(当時私は家を出て実家にいた)時、「刃傷沙汰になると困るから」と言って、...4年ぶりの日本夢の吊り橋

  • 4年ぶりの日本 日本の小型車にたまげる

    二日目と三日目が前後してしまった。この記事は二日目。日本到着翌日は、この旅の目的のひとつでもある免許証更新に行く。妹が仕事の休みをとって、今日1日つきあってくれることになった。妹の1番下の娘も休みだとかで、ついてきた。まずその前に、両親のお墓に行った。両親がお墓にいるとは思えないんだけど、それでもやっぱりお墓参りはしたい。空は高く晴れわたり、空気はひんやりしているが、日差しは強い。外にいると汗ばむほどの、典型的な静岡の冬。お墓の近くにある父の会社に行き、叔母に会う。数年前に退職した事務員さんも、たまたま近くにいることがわかり、合流して昔話に花が咲く。そこへ従兄弟がやってきて、急遽、今夜夕食を共にすることとなる。今回の免許更新にあたって、実家の住所の番地を変更するという課題があった。15年ほど前に、姉一家が...4年ぶりの日本日本の小型車にたまげる

  • 4年ぶりの日本 藁つとワークショップ

    2日目は、遠方に住む友人が実家まで来てくれた。藁細工の作り方を教えてくれるというので、材料をたくさん抱えて、ミニワークショップの始まりィ。生徒は姉と私。左が姉、右が友人なんと野良着も持参。柚子を並べた藁つとや、唐辛子を編みこんだもの、クリスマスやお正月に飾れるリースを作成。濡らした藁を編みながら作るのだが、これが楽しかった。持って帰りたいけど果物などはハワイに持ち込めないので、私の分は和菓子屋をやっている妹にあげることにする。お昼は友人と姉と3人で、浮世絵にも描かれているという老舗の「丁子屋」でとろろを食べた。35年ぶり(!)ぐらいに丁子屋に行ったが、大満足の美味しさ。大河ドラマが家康だそうで、家康ゆかりのツアーで静岡には旅行者が多く、週末には待たずには入れないらしい。平日のこの日も、それでもテーブルが8...4年ぶりの日本藁つとワークショップ

  • 4年ぶりの日本 日本のコンビニ

    12月3日から日本に行ってきた。今回は夫の休みが取れず、一人で行ったこともあり、1週間という短さ。ハワイから日本へは逆風で、9時間半という長いフライトだったが、普段はみる機会のない邦画を4本もみることができたのでヨシ。小腹がすいたので、品川駅でお弁当を買おうとしたら、あまりにも美味しそうなお弁当がズラリと並び、しかもどれもが安い!迷った挙句、『蕎麦屋の天むす』を買う。新幹線のホームで、タッチパネルの自動販売機を発見し、写真に撮る。静岡駅に姉夫婦が迎えに来てくれた。4年の間に、静岡の町も変わった。店が入れ替わり、あるところは更地になり、大きな老舗の本屋が2件なくなっていたのは寂しい限り。実家の至近距離にセブンイレブンができていた。そこは以前、市の教職員住宅のアパートで、老朽化し、廃墟になってもしばらくそこに...4年ぶりの日本日本のコンビニ

  • わっしょいエアプランツ

    昨夜は職場のクリスマスパーティ。ラニカイにあるゴルフコースでやるのは3回目だ。ここは景色もいいし、ホールの大きさもちょうどよく、食事も美味しい。フラを踊りだす人たち、コメディアンのMC、夫も私も大笑い。同僚たちが家族を連れて、いつもと違う雰囲気なのもいい。シークレットサンタという習わし(?)を、この職場に来てから知った。クジを引いて、クジにあった名前の人に送り主不明のクリスマスプレゼントを用意するのだ。誰がくれたのかはわからない、というのがミソ。という前提。普段から近しい同僚ならともかく、それほどには相手のことを知らない場合は、その人が何を好きなのか、何を欲しがっているのかをコッソリ調査する。「〇〇に靴のサイズをさりげなく聞いてみて」なんていうこともある。今年のシークレットサンタは、ジョナだった。というの...わっしょいエアプランツ

  • チーズと蜂蜜、そして綿菓子

    一人の時の昼ごはんは、たいていエゼキエルブレッドを食べる。冷凍庫から出したエゼキエルブレッドをそのまま、熱い電熱器の上の小さなフライパンに乗せておく。ペッパージャックチーズを出して、二切れスライスし、それをパンに乗せて蓋をする。飲み物を用意している間に、パンが程よく温まり、上のチーズが溶けてくる。最近は、これに蜂蜜が加わる。お皿の上に焼けたパンを乗せ、その脇に一匙の蜂蜜を置く。チーズが乗った部分を食べ終えたら、残ったパンで蜂蜜をすくって食べるのだが、チーズと蜂蜜が混ざっても、それはそれで美味しい。しょっぱい、と、甘い、は良いコンビ。溶けたバターに蜂蜜。焼いたお餅につけて食べる醤油と砂糖。ザラメがかかった醤油せんべい。ザラメといえば、綿菓子。お祭りで買う綿菓子は、売り手のおじさんが袋の中に「フッ」と最後に息...チーズと蜂蜜、そして綿菓子

  • 田吾作

    ありがたいことに、私は元来とても丈夫にできていて、滅多に風邪もひかない。小学校時代、毎年恒例の持久走が嫌で(近くの山を一山越えるのだ・・)、前の晩に窓を開けてお腹を出して寝ても翌朝はピンピンしており、毎年泣く泣く走った。体育教育に重きをおく小学校での6年間は、体育全般がアレな子供には辛い。真冬でも半そで短パンで登校し、鳥肌のたった腕や足を見た祖母に「おとましいねえ(静岡弁で、みていられない、という意味)。アタシが先生に言いに行ってやるよ」などと言われたものだ。ハワイに来て、接客の仕事に就くようになってからは、以前よりは風邪をひくようにはなったけれど、それにしたって年に1度あるかどうかだ。そして今、なんとなく体調がすぐれない。夜は咳が少しでて、頭が重い。うまい具合に今日は休みで、昨日の休みに出かける用事も済...田吾作

  • シュートメ、大喧嘩するの巻

    カリフォルニアからシュートメの親友が来ることになっており、彼女が到着する土曜日の夜、カイルアのレストランを予約してあった。土曜日、仕事から帰宅し、予約に間に合うように急いで支度をしようとしていると、夫が言った。「急がなくていいよ。両親は先に出かけたし、ローリー(シュートメの親友)はいないから」「え、ローリー、来なかったの?」「来たよ。来て、荷物も降ろした。でもそのあとで、ママと喧嘩になって、ママは怒りにまかせて車に乗ってすごいスピードで出かけちゃうし、ローリーは、カリフォルニアに帰ったのかどうか、ここにはいない」「なんだよ、それ・・・」「まったくワケがわかんない。あの人(シュートメ)は精神科を受けたほうがいいと思う。何があったか知らないけど、僕は何も聞かないし、知りたくもない」ローリーは20年前までハワイ...シュートメ、大喧嘩するの巻

  • 佐野ピー

    姉から唐突なLINEが来た。「シロちゃん、佐野ピーって知ってったっけ?」脳内記憶から、私の知る「佐野」さんを捻りだす。父の会社に佐野さんという、ちょっと変わった人がいたけど、姉は知らないだろう。中学高校時代の吹奏楽部の佐野さんなら、同じ吹奏楽部だった姉でも知っているが、私たちは佐野ブーと呼んでいた。姉たちの学年内では佐野ピーだったのか?「吹奏楽の佐野ブーなら知ってる」その佐野ブーがどうしたというんだ。とても勉強ができる子で、浜松医大にいったはず。すると意外な答えが返って来た。「板金屋さんの佐野さんは知らないか」板金?「お父さんの知り合いで車のチョイ傷なんかでウチはすごくお世話になってるんだけどね。人のいいおじいさん」板金。板金・・・・・佐野板金!そういえば昔、車の傷を直しに父と行ったことがあった。その佐野...佐野ピー

  • 仲直りの虹

    今朝、夫はなんだかぷりぷりして出かけた。ここのところ、仕事の朝はいつも機嫌があまり良いとはいえない。昨日、シュートメがこっちの家に来て、「最近、○○(夫)が、私たちの前であまり笑顔を見せない気がするんだけど、大丈夫なの?」と聞いてきた。いつも思うんだけど、息子なんだから、直接聞けばいいじゃん。ナッツで亀裂が入った歯を抜いて、インプラントすることになった夫が、その歯医者にちゃんと行っているのか、ということまで私に聞く。実の親子ゆえにイラつくこともあるし、感情をごまかさずに出してしまったりもする。私も自分の親にはそうだった。ここでは外野の私は、一人3歩ぐらい下がって、それを眺めている。「仕事でちょっとストレスがある時があるみたい」「あら、そうだったの。それであの子はその仕事で大丈夫なの」シュートメは眉を寄せて...仲直りの虹

  • ご縁

    Mさんに初めて会ったのは、もう5,6年前になるだろうか。私は一時期、職場で週に1日、アーティストとして絵を売っていたことがあり、そこにMさん夫妻がやってきた。「え、おじさんがいない??」おじさん、とはマイクのことで、マイクが引退したことを知らずにマイクに会いにきたのだった。Mさん夫妻は、年に2,3回はハワイに来るというハワイ好き。Mさんは10歳ほど私よりも年上だが、なんでかとてもウマが合う。それで、ハワイに来るたびに連絡を取り合い、二人でお昼を食べに行ったりしている。昨日、日本から旅行に来ているMさんを家にお招きした。私が人様に食事を振る舞うときは、必ず五目寿司。これだけは、まあまあ安定したものをお出しできる自負があり、かつ、出来立てでなくてもいいから準備が楽。お客様が見えてから、味噌汁をパパっと作ればそ...ご縁

  • セロリ

    年をとってから、癖のある味が好きになった。シラントロ(パクチー)など、若い頃は匂いがダメで、指でつまんで取り出すほどだったのに、今ではサラダやスクランブルエッグにたっぷり混ぜて食べている。ミョウガも、その味の良さがわからなかったけれど、今食べたらおいしいと思うような気がする。ただ、ここでは滅多に手に入らないから試せない。セロリは、出されれば食べるが、買ってまでは食べない野菜だったが、今や、そのまま野菜スティック、刻んでツナサラダ、煮込みにも使う。そのセロリ。母は、セロリのスジを包丁でツーっと剥いていた。人は、映像の記憶をそのまま踏襲するようにできているのか、私も何も考えずにスジをとっていた。結婚したばかりの頃、それを見ていた夫が、「なんでわざわざセロリの繊維を取り除くの」と言い、なるほど、そうだ。と思った...セロリ

  • にぎらずにできないおにぎり

    同僚から、「近所の人に、いったいこれが何だかわからない、といってもらったんだけど、いったいこれが何だかさっぱりわかんないんだけど」と言って手渡されたもの。『にぎらずにできる携帯おにぎり』と書いてあるから、おにぎりなんだろう。「ライスボールだね」「ライス?でも、乾いた音がするよ」降るとカシャカシャと音がする。説明を読むと、熱湯か水を入れるとおにぎりになる、とある。てことは、生米が入っているのか。「熱湯を入れたら15分、水だったら1時間待つとライスボールになるらしい」家でひとつやってみる、といって、残りは全部私にくれた。さっそく、休日に昆布おにぎりを作ってみた。開封して、中の保存のためのコブクロを取り出して、赤い線までお湯を注ぐ。口を閉じたらよく振って(20回ぐらい)15分待つ。15分後。袋を開けたら、あらま...にぎらずにできないおにぎり

  • いろいろ

    ハロウィンが終わったと思ったら、もうクリスマス。(サンクスギビングデーを飛び越えてる・・・)職場のツリー先週の金曜日、職場はものすごい混雑で、40台近い大型バスが来たと思う。お店の売り上げは過去記録を塗り替えたが、私たちはもうヘトヘト。普段に増して、休日が待ち遠しかった。日曜日は、唯一夫と過ごせる休日で、朝7時にはビーチで泳いでいた。11月に朝から海で泳げるハワイは、やっぱり常夏なんだろう。土日が休みの夫は、私が仕事をしている土曜日に翌週の買い物を済ませてくれる。夫がホールフーズと日本食スーパーから戻って、買ったものをテーブルに出して写真を撮った、と言う。ほぼ野菜と果物で占められているが、翌日にも何かと買い足したので、これは3,4日分といったところ。夫が砂糖、小麦粉、お米を控える食生活にして、ずいぶんたつ...いろいろ

  • なんか、いる

    夫も私も仕事から戻り、シャワーを浴びたり夕食の準備をしたりしているとき、猫3匹が階下をすごい勢いで走り回っている。それは普段の追いかけっことは違う感じだったので、下に降りていった。「ね、どう思う?」夫が聞いてくる。「なにが?」「廊下のライトがパッとついたんだ。猫たちは同じ方向を見て身構えてるし、興奮して走り回ってる」廊下のライトの壁スイッチは、猫がジャンプした拍子に身体が当たって付いたのかもしれないが、あまりそれは考えにくい。「なんか、いるね。スマッジしよ」我が家には乾燥させたホワイトセージの葉が常備してある。夫がそれに火をつけて、なにかブツブツ言いながら家じゅうを歩き回る。「Youarenotwelcome・・・・なんたらかんたら」猫たちは落ち着いて、普段通りのまったり猫に戻った。「まったく、なんだった...なんか、いる

  • 日本のお弁当

    用事があってホノルルに出かけたついでに、日本人の友人が働くお店に寄ってみた。友人はもともとは夫の友達だったのだが、私と同い年で、会った瞬間から妙にウマがあい、たちまち親友のようになってしまった。月に1度ぐらいは会いたいのだけれど、何だかんだと時が過ぎていくうちに何か月も会っていない、ということになる。友人は以前、長いことウェディング関係の会社に勤めていた。そのあと旅行の仕事をしたり紆余曲折があって、「次の仕事の繋ぎのつもりで」働き始めた日本食レストラン経営のお弁当のお店で、マネージャーをやっている。なんといっても、それほど責任がなくて、それなのに今までの仕事の中で1番収入がいい、というのだから、いい仕事を見つけてよかったなと思う。今回も、1番最後に会ったのは夏前じゃなかったかと思うほど、日が過ぎてしまい、...日本のお弁当

  • ハロウィン2023

    去年も今年のハロウィンも、私は仕事が休みの日。ちなみに、来年も。なんてラッキー!職場で仮装大会があるので、どんな仮装にしようか決めるのはめんどくさい。とはいえ、パンデミックの前のハロウィンでは、私は堂々の1位をとったのだ。ウィッグとメイクが濃すぎて誰だかわからん我が家の界隈には、小さな子供が極端に少なくて、トリックオアトリートで回ってくることもなかったのだけれど、一昨年、隣に越してきた3兄弟が絶対にやってくるとわかっている昨年と今年は、お菓子を用意した。3兄弟の長男キーリー後ろを向いたらチーズバーガーだった・・カイリーとトレイは、お菓子をもらうと電光のごとく走り去ってしまい、写真が撮れなかった。日本人の私にとって、どうにも違和感があるイベントといえば、サンクスギビングデーとハロウィン。クリスマスは日本でも...ハロウィン2023

  • カーナビ

    NHKワールドのチャンネルで、カーナビを取り上げていた。1981年に世界で1番最初のカーナビを開発したのは、日本のHONDAなのだそうだ。私が車の免許を取ったのは1984年だったが、カーナビなんてほぼ流通していなかったと思う。第1号のカーナビはホンダエレクトロジャイロケータ。透明のセルロイドに印刷された地図をブラウン管(液晶ではない)に差し込んで使うものだったらしい。ホンダエレクトロジャイロケータGAZOOよりセルロイドの地図は、エリアが変われば手動で差し替える必要があり(ゼンリンの地図のように分厚い地図帳が必要だった)GPSなど存在する前の時代だから、自分の位置を専用マーカーで印をつける。時々、交差点と地図を照らし合わせてセルロイドの地図を微妙に動かさねばならなかったらしい。相棒がいればいいけど、一人で...カーナビ

  • 賞味期限の謎

    珍しく食品庫を整理していたら、永谷園のお茶漬けが出てきた。お茶漬け、いいですな。ふと賞味期限を見た。2021年5月7日今2023年10月だから、2年と5か月過ぎてますが。しかも袋は開いている。お茶漬けなど何年も食べてないのだから、そのぐらいにはなるのかも。いやー、どうしよっかなァ。そもそも、お茶漬けって古くなるもの?中身は塩と味の素とアラレと海苔と梅干でしょ。どれも乾燥しているわけだし。試しに袋を振ってみる。普通にガサガサという乾いた音がする。私の母は賞味期限に緩い人で、たとえば賞味期限が10日過ぎてる、と家族が指摘しようものなら、「10日前に食べられたものが、今食べられないわけがない」などと、妙に説得力のある持論を言ってはばからなかった。そしてしまいには、「うちでお腹を壊した人、いる?いないでしょ?え?...賞味期限の謎

  • パパイヤはどうなった

    我が家の庭に2本あるパパイヤのうち、1本がとても美味しい実をつけるので、もっと美味しいパパイヤをたくさん食べたいという食い意地から、その実の種を蒔いてみた。8月2週間後さらに3週間後今(10月)なんかもう、ミニチュアの樹みたいにみえる。そろそろ大きな鉢に植え替えたほうがいいのかもしれないけど、よくわからん。ちなみに、9月に蒔いた、マカダミアナッツの実。実を水に漬けておくとこんなふうに根が出てくるので、それを蒔いたのだ。今はこんなふう。二つ蒔いたうち、一つは発芽しなかった。ランブータンの芽はいいところまで伸びたあと、ハゲ散らかしてしまい、ただの棒になっている・・・・諦めきれずに、しばし放置。あとは、パパイヤとマカダミアナッツをどこに植えるかを検討しておかねばならない。今あるパパイヤの樹は、パパイヤの食べかす...パパイヤはどうなった

  • 今日も私は中州にいる

    多くの人が知っていることを、私は知らない。今始まったことではない。小学1年の父兄面談のとき、担任の先生に「シロちゃんにもっといろんなものを見せてあげてください」と言われた母は、「あのときは顔から火が出そうだった」と言ったものだ。外出好きだった父は、週末ともなれば家族を車に乗せていろんなところに出かけたし、長い休みには温泉や遊園地にも連れて行ってくれた。しかし、温泉旅行で私が覚えているのは、電柱の下に干からびたカエルがいたこと、といった具合で、自分が興味があるものしか見えていないようなのだ。昨日、ハワイにいる日本人の友人からLINEが来た。「知らないと思うけど、谷村新司さんが亡くなったよ」もちろん、知らない。「高橋ユキヒロさんも、鮎川誠さんも亡くなったよね」それも、初耳。アリスはよく聞いていたし、シーナ&ロ...今日も私は中州にいる

  • 蓮の花と鯉

    思えばずいぶん長いこと作品を載せてなかった。久しぶりに記事にしておこう。Lotus&Koi幅が65センチほどのキャンバス。鯉はハワイでもKOIで通じる。左下に1匹、右下の蓮の実の左側に2匹。Judithに写真を送ったら、「油絵みたいに見える!」と言っていた。確かにそうかも。何層にも紙を重ねて貼ってある感じは、実物を見ないとわからないものだ。今、これはスキャンするためにColinのところに出してある。戻ってきたら、ひとつのギャラリーに持ち込む予定。蓮の花と鯉は、なぜか何度でも作りたくなる課題だ。蓮の花と鯉

  • ハワイの10月

    実は10月は、ハワイが1番暑い月ではないかと思う。8月より9月より、ずっと暑い。気温だけでいえば8月ごろと大差ないのだが、この時期、風がパタリとなくなってしまう日があるからだ。ハワイが湿度のわりに涼しいのは、偏西風のおかげ。紫外線は日本の10倍、日向にいると、肌の表面をチリチリと焼き付けるような日差しが容赦ないが、木陰に入れば瞬時にスーッと涼しくなる。日向と日陰の体感気温差が半端ないのがハワイだ。だから30度超えの日でも、庭に土があり、大木が茂っていたら、エアコンなどなしで過ごせてしまう。それが10月になると、頼みの偏西風がどこかに行ってしまう日がある。日本ほど気温も湿度も高くないけれど、じっとしているだけで汗が出ると、ああ日本も梅雨入りの頃はこんなだった、と思い出す。夫が初めて日本の夏を過ごしたとき、た...ハワイの10月

  • ほぼ永遠の誘惑

    休日の前夜はなにごとにも寛容になり、夫や猫にも優しくなる。休日の朝は、目覚ましが鳴るとともに気持ちよく目覚め、今日が休みであることの至福感をしばし味わう。特に、予定といったものがなにもない白紙の休日が二日続いてであればなおさらだ。行きたいところに行けるし、どこにも行かなくてもいい。やりたいことをできるし、何にもしなくたっていい。この開放感たるや・・・・・差しあたって今日は、1作品を仕上げる2読書3ギャラリー補充用のマットを作る4夕食の支度5庭の水遣り6家の掃除順番は優先順位。結果、作品は2日目に仕上がるほどまでには進んだ。創作の合間に、しょっちゅう休憩をとって読書と飲み物。私が仕事の日は、早く帰宅する夫が夕食を作るので、さすがにやらないわけにもいかず、週末に買ってあったビーツで常備菜を作ったり、ちょいと手...ほぼ永遠の誘惑

  • 2週間で2キロ

    夫と私が、朝起きてすぐに体重を測るようになって5年余りになる。雑につけているだけだが、過去の記録が一目瞭然。今年になって、暴飲暴食しているのでもないのに、私の体重が落ちなくなった。3年前の今頃は103パウンド(46キロ)あたりだったのが、今年は109パウンド(49キロ)から111パウンド(50キロ)を行ったり来たり。身長が150センチちょいしかないから、46キロぐらいが、手持ちの洋服もすんなり着られてちょうどいい。50キロになると下腹部と太ももがむっちりになり、ジーンズがパツパツになって、履きたくなくなる。体重は関係ない、見た目だよと言えていたのも、48キロぐらいまで。歩くと太ももが擦れあうし、日々成長する腹肉は我が物顔。特別太ってはいないけど、全体にもたもたしている。45,6キロの時に買った服が似合わな...2週間で2キロ

  • ABCストアで?

    ABCストアは、ハワイに来たことがある人なら必ず知っていると思う。いわゆるコンビニエンスストアで、ワイキキには1ブロックごとに店があるのではないかと思うほどたくさんある。コンビニエンスストアといっても、日本のそれとはだいぶ違う。巻き寿司やサンドウィッチなどの手軽に食べられるものもあるが、Tシャツなどのお土産品がほとんどを占めている。ABCストアといえば、35年ほど前に(古!)父の会社の社員旅行でハワイに初めて来たときに、ホテルの近くのABCストアに妹と毎日のように行って、パパイヤを買って食べたことを思い出す。半分にカットされたパパイヤにレモンが添えられたのが、3ドルぐらいだったと思う。初めて食べたパパイヤの美味しさに驚いた。その18年後に今の夫と結婚するのだが、それまでハワイに興味などなかったし、まさか自...ABCストアで?

  • もう10月?

    先月、甥が日本から来ていたとき、虹をたくさん見ることと、日本よりずっと涼しいことに驚いていた。「ハワイって常夏だと思ってた」たぶん、日本の夏が暑くなりすぎたのもある。子供の頃、夏に30度を超えると夏日だった記憶があるし、エアコンがある家のほうが少なかったけど、暑さで亡くなる人はあまりいなかったように思う。この1週間、なんだかせわしなかった。同僚の一人が突然仕事に来なくなって、その対応とスケジュール調整に追われた。ハロウィンが近くなったので、職場をハロウィン仕様にする作業もあった。ラップトップの充電ケーブルが弱くなったという表示が出てきたため、休日に買いに出かけた。私は自分を信用していないので、最初から店の人に聞いて、勧められたのを買ったのに、帰宅して試してみたら合わなかった。よく見たらワット数が違っていた...もう10月?

  • レトロ冷蔵庫来た

    3週間待って(その辺の記事はコチラ)、やっと冷蔵庫が届いた。ところで、ハワイの配送事情は、昔に比べてかなり良くなった。ベッドのマットレスも、冷蔵庫も、洗濯機も、来るはずの日に来なかったことはない。(基準がそもそも低い)たとえば今回の冷蔵庫の場合、買ったときに、配送時間を午前か午後を選ぶ。配送の前日に、10時半から2時半の間、といったお知らせがくる。当日、到着の30分ほど前に連絡がくる。店頭で、午前と指定したのに、来たのは2時半だったけどね。まあ、それぐらいはヨシとせねばなるまい。20年ほど前、夫がレザーのソファを買ったそうだ。配送されるはずの日に仕事を休んで待っていたが、来ない。夕方まで待って電話をしたら、「あー、それは在庫がなくって・・」在庫がないなんてことは、最初の時点でわかったはずだけど、そうでない...レトロ冷蔵庫来た

  • いい人やめる勇気

    職場のマネージャーになって、4か月近くがたつ。職場の管理をするマネージャーは私を含め3人で、1日に2人ずつ(たまに1人になるときもある)働く。あと二人のマネージャーのうち、Cはオーナーの義妹で60代、Kはマネージャー歴5年の40代。それぞれに良い人で、私はツイている。Kが、私に言う。「もっとリラックスして、なにもかもやろうとしなくっていいんだよ」私は(゚д゚)ハッ!とした。これって、日本で父の会社にいたときと、まったく同じだ。今私は職場を走り回り、常に在庫をチェックし、他の従業員の声を上にあげる橋渡しになるべく努力し、上からの指示を忠実に守り、私がいてよかったと思ってもらえるように努力している。しかし私は、みんなを幸せにしようとして、自分は疲れていた。あの頃、あれもこれも背負い込んで、父と喧嘩をし、何度も...いい人やめる勇気

  • ノースショアまで

    日曜日。いつものビーチに行って、いつものように過ごすのもいいけど、たまには気分転換に普段とは違うことをしようということになって、ノースショアに行くことにした。ハワイの海は、どこからでも誰でも海に入れる。つまり遊泳禁止などというところは、個人所有地を除いてはありえない。だから、良さそうな所で泳ぐのもいいと思って、水着を着て行った。が、走り始めてすぐに、今日は自転車マラソンの40周年記念の大きな大会があることに気づいてしまった。ハワイカイあたりからノースショアの手前までを往復するのだが、15000人ほどが参加するらしい。本来なら、義父も参加する予定なのだけれど、ちょうどシアトルに滞在中なので断念。そうなると、泳いだりしていると帰り道が混んでしまうから、今日はドライブだけ。1921年に造られた橋ノースショアに最...ノースショアまで

  • 「おもかげ」

    私は本を読まない日はないほど読書が好きだ。だからハワイのブックオフに勤めていたとき、日本でなぜ本屋で働くという発想がなかったんだろうと思ったが、思えば日本にいたときには今ほど本を読んでいなかったのだ。離婚後にスピリチュアル系にハマっていったときは、その関連の本を漁るように読んだものだけれど。そもそも、私が本を読むようになったのは、読書家だった最初の結婚相手の影響だったと思う。前夫が読んだ本を拾って読む、そんな感じだった。前夫については、今でもたいして良い思い出は浮かんでこないのだが、たったひとつ、共感することがある。「浅田次郎の文章は巧い」その頃から私は浅田次郎氏の作品を読んでいて、読んでいないものはないくらい。最初は軽いエッセイからだった。裕福な家庭に生まれ、親の事業が失敗して家が没落し、40過ぎて作家...「おもかげ」

  • 車は日本車に限る

    5000マイルごとに、TOYOTAに車を点検に出している。オイル交換に加えて、多種多様な項目を点検してもらうのだ。この車も、はや12年目になるが、走行距離は5万マイル台で、10万マイルはひよっこと言われるハワイでは若い方。ハワイは、中古車も新車とたいして変わりないぐらいの高値で、乗れなくなるまで乗りつぶすという人が多い。車検ごとに車を替える人がいる日本では考えにくいけど、乗りやすくて壊れなくて気に入っているので、私も乗れなくなるまで乗ろうと思う。メンテナンスの予約をとる電話をかけたのは先週。意外にも、とっても感じのいい女性が対応してくれて驚いた。予約時間は朝7時。10分前に着いて、7時とともに職員が出て来て受付をする。だいたい1時間半ほどで終わるので、敷地内の待合室で待つことにして、本を2冊バッグに入れた...車は日本車に限る

  • 謙虚になるとき

    30年近く車を運転しているが、特に運転が好きというわけではなく、誰か運転してくれる人がいたらありがたいと思う。絶望的な方向音痴だからというのもあるし、なにかと緊張するので疲れるのだ。よく、ハンドルを握ると人が変わる、という人がいる。普段は穏やかな人が、運転するときには荒っぽくなったりスピード狂になったりするというわけだ。そういう人は、きっと自分の運転能力に自信があって、周囲がとろくさく見えるのかもしれない。私は運転歴こそ長いが、けして自分が運転能力が高いとは思っておらず、無事故できたのはラッキーだとさえ思う。それなのに、私は気づいてしまった。私は自分は運転がうまい、と、どこかで思い込んでいたことを。何車線もある道を走っていると、ウィンカーを出したままの車を見かけることがある。車線を変更するのにウィンカーを...謙虚になるとき

  • イノシシか、孔雀か

    イノシシファミリーに、庭の芝生が掘り返されて頭に来ている。こやつら2階で作業をしていると、庭から「フゴッ」という怪しい鼻息とガサガサという音がするので、窓から見下ろすと奴らが来ている。階段を飛ぶように駆けおりて庭に出て、用意してあった枯れ枝を持って追いかける。蜘蛛の子を散らすようにジャングルに逃げ込む奴らに、獣の声を真似て「ウ―――――ッ」と威嚇してみる。ジャングルなら、いくらでも掘る場所はあるのに、なにゆえうちの庭に来る?ジャングルを眺めながら、庭にしゃがんでイノシシを見張る。庭からジャングルに続く斜面は、畑のように耕されている。「なんでここを掘るのよぅ・・」蚊に食われながら、われながら何をやってるんだ、と思う。以前、野生の孔雀がうちのモンキーポッドをねぐらにしていたことがあって、モンキーポッド夕方にな...イノシシか、孔雀か

  • 冷蔵庫よ、おまえもか

    うちの冷蔵庫は3ドアで、下段の引き出しが冷凍庫。この冷凍庫の引き出しの具合が怪しくなったのは数か月前だ。開け閉めするのがスムーズにいかなくなり、開けると小さなネジがコロンと落ちて来ること数回。だましだまし使っていたが、先日うまくあかなくて夫が思い切り引き出したら、両側に歯車がついた金属の棒がドカン!!と落ちた・・・こりゃもうダメだと、その週末、新しい冷蔵庫を買いに行った。昨年からこっち、家電がドミノ倒しに壊れた。以下のとおり。・義両親の家のオーブン。・洗濯機。・我が家のキッチンシンクのディスポーザー。ディスポーザーが使えないのがこんなに不便だとは・・・・週末に夫がホームセンターで新しいのを買ってきて、YouTubeを見ながら取り付けた。・夫の携帯電話。(私も便乗して買い替えた)・我が家の掃除機。・衣類乾燥...冷蔵庫よ、おまえもか

  • 雨が止んだら庭にでよう

    朝方、たっぷりと雨が降った休日。雨があがるのを待つ間に、今夜のかぼちゃのポタージュを作り、半分は後日冷たいスープとして食べるように冷やしておく。買ったままだったレンコンで、塩糀のレンコンきんぴらを作る。朝食用の味噌玉を、45個作る。いっけん、丁寧に暮らしている人っぽくみえないか?(見えませんか、そうですか・・)平日の休日を二日続けてとれるようにしてから、気持ちにゆとりができたのか、普段やらないことが苦もなくできるようになっただけ。雨があがったので、庭に出た。今日はマカダミアナッツを植えるつもり。マカダミアナッツを水に漬けておくと、殻が割れて根が伸びて来る。それをポットに植える。用意したポットは2個。実は今、パパイヤとリリコイ(パッションフルーツ)も生育中だ。庭のパパイヤがとても美味しい実をつけるので、種を...雨が止んだら庭にでよう

  • 叔母の目にも涙

    甥を空港まで送って行った。滞在中に、甥は3回も財布や携帯電話を車の中に忘れたことがあった。座っているときに、ポケットから滑り落ちてしまうのだ。1度はカヤックでサンドバーに行った時で、財布と携帯電話をおいたまま何時間も公共の駐車場に停めていて、よくまあ車上荒らしに会わなかったことよ。身支度をしている甥に、言った。「財布と携帯電話は絶対にポケットにいれたらダメだよ。うっかり財布や携帯電話をなくしたら、ここは日本じゃないんだから誰も届けてはくれないんだからね。面倒でもバックパックの中に入れておく。これ約束だよ」姉によると、同じことを姉も何度も言っているのだという。「親以外の人が言えば、聞くかもしれないからどんどん言って!」空港までの道中は、とりとめのない話をして、空港に着き、スーツケースを降ろした。「ありがとう...叔母の目にも涙

  • 世の中の母たちへ

    今日、甥が日本に帰る。慣れないことをして気疲れした2週間であった。日本に行くたびに甥には会っていたが、挨拶ぐらいで、面と向かって話をしたことはなかったから、話す機会がもてたのはよかったと思う。わかったことは、甥は無口で、夜型で、感情をあまり表さず、にこにこして、肉が好きで、起こすまで寝ており、朝起きてから15分で出かけられる。母親である姉は、「私とタイプが違うから、イラッとする」というが、それは私も同じで、どう接していいか戸惑う。甥が希望していた私の職場で働く体験は、着いて早々風邪気味でもあったため3日間だけ。言えば、やる。でも自分で仕事を探して、チャキチャキ動くタイプではなく、私は甥がちゃんとやっているかどうか気になってしまう。いくらボランティアだとはいえ、いてもいなくても同じでは意味がない。それでも、...世の中の母たちへ

  • イノシシファミリー

    今朝、朝食の後片付けをしていたら、庭先を何かが横切った。「フンッッ!!」外はまだ暗いのでよくは見えないが、なんとなく白っぽい。次第に明るくなってきたら、正体判明。白っぽく見えたのは子供のイノシシ。三頭の子供と、2頭の親のイノシシファミリーが、鳥のために投げておいたパパイヤを食べている。この親のほうは、以前見かけた若いイノシシじゃないかと思う。庭に出てくるのは、まあいいんだけども、芝生を掘り返したりするので困る。今後はパパイヤ投棄は考えた方がよさそうだ。我が家の猫たちは窓際に陣取って見物。猫は犬じゃないんだから、何かを見ても鳴くでもなし。以前は、家の中から「シューッ!」と声を出すと逃げていったが、今では平気なもので、すっかり舐められている。庭に出れば、あわててジャングルに駆け込む。ほとぼりが冷めると、再び出...イノシシファミリー

  • 甥はどうしてる

    9月1日に日本からハワイに来た甥。翌日の土曜日は私は仕事なので、甥と義父と夫と3人でカヤックを漕いで、近所のサンドバーに行った。生まれて初めてのカヤックとシュノーケルだったらしい。サンドバーをどこまでも歩いていく甥。実は甥は風邪気味だったようで、この日は夕飯を少しだけ食べて寝た。翌日の日曜日は、夫と私と3人でビーチに行くつもりでいたけれど、彼の母親である姉曰く、『風邪のときは胃を空っぽにしてひたすら寝ると治る』のだそうで、1日寝かせておいた。夕方、義両親と4人でカイルアのBUZZ'Sで夕食を食べた。甥は食欲が戻って来て、ステーキをペロリと平らげた。月曜日は祭日で、私は仕事で夫が休み。本当はこの日に私の職場に連れて行く予定だったが、大事をとって延期。夫が甥を島内観光ドライブに連れて行った。火曜日、夫は仕事で...甥はどうしてる

  • 謝りたいこと

    母の、2年目の命日が過ぎた。亡くなる2年ぐらい前に会ったのが最後だったから、今でも日本に行ったら母がいるような気がしてしまう。父と母には、毎日「ありがとう、大好き」と伝えている。生前は、目の前の現実に振り回されていたけれど、亡くなってみると、良い思い出ばかりが思い出されてくる。あのとき、母は母で手さぐりで一生懸命だったのだな、そうそう父はそういう人だったよな、と思うことがたくさんある。それは、嬉しいこともであると同時に、どうして最後までそういう思いやりをもって接してあげられなかったのかという悔いで心が塞ぐ。最後に母に会った時、それはもう4年前になるけれど、母を短期でグループホーム施設に預けた。まだコロナ前だったので私と夫が面会に行き、しばらく過ごして、そろそろ帰るというときに、母が「お手洗いに行っておこう...謝りたいこと

  • 甥、来たる

    もうすぐ、甥がホノルルに降り立つ。私も夫も仕事なので、義両親が迎えに行ってくれることになっている。甥は11年前に彼の両親とハワイに来たことがあるが、当時は10歳ぐらいで、あまり覚えていないのではないかと思う。だから、義両親ともほぼ初対面のようなもので、甥には義両親の写真を、義両親には甥の最近の写真を送ってあり、さらには義両親は甥の名前を書いた紙を掲げるという念のいれようだ。12年前、私たちがハワイに移住するときに、私の両親も連れてきたことがある。両親だけが数時間早くハワイに着くフライトしか取れず、義両親に迎えに行ってもらった。英語がまったくダメな両親と、日本語がまったくダメな義両親が、どんなふうに過ごしたかというと、父がひたすら日本語でペラペラとしゃべりまくり、義両親と母はただ相槌を打っていただけ、らしい...甥、来たる

  • まだお弁当の話

    日本から甥が来ることになって、私の職場で労働体験をする間、お弁当を作るについて緊張しているわけだけど(その記事はコチラ)、まだ引きずる。お弁当の動画を検索したら、ものすごくたくさんヒットして、みなさん、ほんとに上手に美味しそうなお弁当を作っていることに驚く。いくつか書き出してみた。茄子南蛮、鶏つくね、ハニーマスタードチキン・・・・鶏のひき肉はここでは手に入りにくいので、七面鳥のひき肉でいいか。茄子は大きくて皮が固いから、皮を剥けばいい。でも待てよ。作ったことのないものを、この私が作って大丈夫なんだろうか。甥は2週間近く滞在するが、私は週に4日しか働いていないので、実質お弁当がいるのは6日だけ。そのぐらいなら、作り慣れているものを作ったほうが安全だし、私も楽なんじゃ・・・それで、6日の大まかな献立をたててみ...まだお弁当の話

  • お弁当、大丈夫か・・・

    大学生の甥が、一人でハワイに来ることになった。日本の外で働く体験をしたいそうで、滞在中は私が職場に連れて行き、ボランティアで労働体験をする。彼の英語力はわからないが、私が夫と結婚した頃に比べたら遥かにいいだろうし、同僚たちは良い人ばかりだから心配はしていない。心配なのは、お弁当だ。職場はここより田舎で、まわりにランチを買うような場所はないから、甥にお弁当を持たせることになる。実は私は、ちゃんとしたお弁当を作ったことがない。現在、毎日夫と私はお弁当持参だが、その内容は毎日同じ。夫は大量のサラダに、玉ねぎやセロリ入りのツナ、ゆで卵とリンゴ。私はクルミとチーズを入れたサラダと、ヨーグルトと果物。日本で働いていた時は、自分の分だけ作ればよかったので、夕飯の残りをササっと詰めただけ。つまり、お弁当のためにおかずを作...お弁当、大丈夫か・・・

  • 日本人の親切に泣ける

    12月に、4年ぶりに日本に行くことにした。寒いのは苦手だけれど、運転免許証の更新は誕生日月を挟んで2か月なので、1月生まれの私はどうしたって寒い時。私よりも日本に行きたい夫は、仕事を替えたばかりで休みがとれず、留守番だ。パンデミックがあったために、エアラインのマイルがかなりたまっていて、燃料費と税金を払うだけでチケットがまかなえて、おつりがくる。何年振りかでエアラインのウェブサイトからログインしようとしたら、なぜかパスワードが通らない。パスワード変更をするには、本人確認の臨時パスワードが送られてくるのだけれど、登録してあるメールアドレスは昔のもので、現在は使えなくなっている。そこで、東京のカスタマーサービスに電話をかけた。とても丁寧で、感じがよくて、感動した。無事にアドレス変更し、ログインできたが、今度は...日本人の親切に泣ける

  • 黒指だけど

    植物を上手に育てる人を、グリーンサム(緑の親指)、まるで向いていない人をブラックサム(黒い親指)と言う。サボテンすら枯らしてしまう私は、堂々の黒指の持ち主だ。向いていないが、憧れるということはないだろうか。向いていないからこそなのかもしれないが、私にはそういうことがいくつもある。たとえば、ピアノ。3歳から姉と一緒にピアノを習い始めたが、最初の先生が事情で教えられなくなり、別の先生になったら、順番を待っている間に理論の勉強が必須でつまらなかったのと、先生(女性)の化粧品と煙草が混じった息が嫌で、5年生まで嫌々通い、中学受験を理由にやめてしまった。サラっとピアノを弾く人に、とても憧れる。つべこべ言わずに、先生を変えてでも続けていればよかったと今思う。たとえば洋裁や編み物。母は器用な人で、私たちの洋服をたくさん...黒指だけど

  • ひそかなブーム ベリーチェリープラム

    この夏、新しい果物を発見。verrycherryplumその名のとおり、サクランボとプラムのハイブリッドで、カリフォルニアからやってくる。大きさはこのぐらい出始めは、キンカンぐらいの大きさだったのが、だんだんゴルフボールぐらいになってきた。ひとくちかじる。カリっとするぐらい固いかと思うと、薄い皮の下にジューシーな果肉があって、さっぱりした甘さが口いっぱいにひろがっていく。甘さは、熟れた山形のサクランボ、ほんのりの酸味はプラム。プラムも美味しいけれど、当たり外れがあって、ただ酸っぱいだけのに当たったりするとガッカリする。でもこれは、ほぼ当たり外れがないのがいい。ひとつ食べたら、もうひとつ。さらにもうひとつ。簡単に一袋を一人で食べてしまいそうで怖い。ライチと同じで、こういう季節ものは、ある日突然店頭から姿を消...ひそかなブームベリーチェリープラム

  • 橋を焼くな

    英語のことわざに、Don'tburnthebridges.というものがある。直訳すると、「(渡って来た)橋を焼くな」。過去の人間関係を良い状態にしたまま、次に進む、とでもいうのだろうか。橋は人との繋がりということだろう。今回の夫の転職。前のボスが家族で本土に無期限のロードトリップに出かけてしまい、とれるはずの大型契約が流れ、人が辞めていき、仕事はあるものの、建築申請が下りるまでは始められず。それで結局、夫は次の仕事を探すことにした。最初にみつけた会社に応募したら、数日後に面接、3分の面接のあと、翌日から仕事、サラリーも前のところと同じ額から、というとんとん拍子に進んだ。仕事を始めて三日目、夫は初めて新しいボスに会った。実はそのボスと、前の会社のボスとは15年来の友人で、前の会社のボスが夫のことをとても高く...橋を焼くな

  • ベッドマット

    朝、起きた時に身体が痛い、と夫が言い出したのは今年に入ってからだ。5年前、目に見える大きなダニがベッドマットや枕に発生し、マットレスを捨てて買い直した。祝日セールを狙って、ホノルルのベッドマットの店に行き、いくつも試した中で、その店で1番固いマットを購入した。そのお値段、約4000ドル(55万円ぐらい)。しかもセールで。ベッド本体じゃなく、マットだけ。ローテーションしながら使えば最低10年はもちますよ、と店員は言ったけれど、あれから5年しかたってないじゃないか。実は私はマットが柔らかくなったことをまったく感じない。私は昔から体の凝りとか張りを感じないタイプで、マッサージに行くと決まって「机を押しているみたいだ」とか「こんな指が入らない背中は見たことがない。内臓は大丈夫ですか」などと言われてきた。そんなこと...ベッドマット

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