searchカテゴリー選択
chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

カテゴリーのご意見・ご要望はこちら
cancel
本の虫
フォロー
住所
西京区
出身
豊平区
ブログ村参加

2011/10/21

1件〜100件

  • 『皇帝の密使ミハイル・ストロゴフ』 ジュール・ヴェルヌ(パシフィカ)

    書名:皇帝の密使ミハイル・ストロゴフ著者:ジュール・ヴェルヌ訳者:江口 清出版社:パシフィカページ数:321おすすめ度:★★★★☆ヴェルヌの長編小説である『皇帝の密使ミハイル・ストロゴフ』は、そのタイトルからも推測できるようにロシアを舞台とした作品である。皇帝の密使が数々の困難に出会いながら目的地を目指すという物語で、ヴェルヌの代名詞とでもいうべき旅をテーマとした作品の一種といえるだろう。タタール人の軍勢...

  • 『二十世紀のパリ』 ジュール・ヴェルヌ(集英社)

    書名:二十世紀のパリ著者:ジュール・ヴェルヌ訳者:榊原晃三出版社:集英社ページ数:246おすすめ度:★★★☆☆本書『二十世紀のパリ』はヴェルヌ最初期の作品で、出版を断られたために生前には刊行されず、長らくその作品名だけが知られているといういわば幻の作品だったが、ヴェルヌの死後しばらく経ってからたまたま原稿が発見されるという、何とも魅惑的なエピソードを持つ作品である。今となっては過去の時代のことではあるが、...

  • 『グラント船長の子供たち』 ジュール・ヴェルヌ()

    書名:グラント船長の子供たち著者:ジュール・ヴェルヌ訳者:大久保 和郎出版社:ブッキングページ数:364(上)、342(下)おすすめ度:★★★★☆『グラント船長の子供たち』はヴェルヌの長編作品で、南洋のどこかで行方不明になったグラント船長を探し求めるという壮大な物語である。ヴェルヌらしいといえばヴェルヌらしいことだが、その舞台となる南アメリカ、オーストラリア、そしてニュージーランドに関するうんちくが豊富で、そ...

  • 『ラスト・タイクーン』 フィッツジェラルド(作品社)

    書名:ラスト・タイクーン著者:スコット・フィッツジェラルド訳者:上岡伸雄出版社:作品社ページ数:411おすすめ度:★★★★☆フィッツジェラルドの最後の長編小説にして、未完の作品となったのが本書『ラスト・タイクーン』である。フィッツジェラルド自身が人生の終盤を過ごしていたハリウッドを舞台にした作品で、フィッツジェラルドならではの哀愁や耽美的な筆致が存分に味わえる作品となっている。的確な判断力や優れたセンスを...

  • 『サンソン回想録』 バルザック(国書刊行会)

    書名:サンソン回想録著者:オノレ・ド・バルザック訳者:安達 正勝出版社:国書刊行会ページ数:329おすすめ度:★★★☆☆本書『サンソン回想録』は、バルザックが小説家として大成する前の若い頃の作品で、代々パリで死刑執行人を務めてきているサンソン一家の四代目当主の回想録を、バルザックが意外にも別の作家との共著として書いた作品となっている。本書ではバルザックの書いた部分が訳出されていて、人間喜劇に含まれないマイ...

  • 『ヘンリー・ジェイムズ短篇傑作選』 ヘンリー・ジェイムズ(英潮社)

    書名:ヘンリー・ジェイムズ短篇傑作選著者:ヘンリー・ジェイムズ訳者:多田 敏男出版社:英潮社ページ数:367おすすめ度:★★★★☆ジェイムズの短編作品を四編収めているのが本書『ヘンリー・ジェイムズ短篇傑作選』である。『パンドラ』、『パタゴニア号』、『コクソン基金』、『ジュリア・ブライド』の四編が収められていて、いずれも読みごたえのある作品となっている。『パンドラ』は、ヨーロッパの保守派の代表ともいえるドイ...

  • 『後見人と被後見人』 ヘンリー・ジェイムズ(大阪教育図書)

    書名:後見人と被後見人著者:ヘンリー・ジェイムズ訳者:齊藤園子出版社:大阪教育図書ページ数:258おすすめ度:★★★☆☆ジェイムズ最初の長編小説が本書『後見人と被後見人』である。これまであまり注目を集めてはこなかった作品で、本邦初訳となるようだ。事実、後年のジェイムズ自身による作品の評価も決して高くなかったようではあるが、当然ながらジェイムズらしさ、それも後期の難解さを帯びていないジェイムズらしさが出てい...

  • 『夜はやさし』 フィッツジェラルド(作品社)

    書名:夜はやさし著者:スコット・フィッツジェラルド訳者:森 慎一郎出版社:作品社ページ数:600おすすめ度:★★★★☆フィッツジェラルドが完成させた最後の長編小説となったのが本書『夜はやさし』である。作家としての再起をかけてフィッツジェラルドが取り組んだ作品であるが、その割りに当時の評価は芳しくなく、後年になってから評価を上げていった作品でもある。美貌を武器にハリウッドで映画出演し、一躍知名度の上がった駆...

  • 『鼻持ちならぬバシントン』 サキ(彩流社)

    書名:鼻持ちならぬバシントン著者:サキ訳者:花輪 涼子出版社:彩流社ページ数:240おすすめ度:★★★☆☆サキの数少ない長編小説の一つが本書『鼻持ちならぬバシントン』である。傲慢この上ないイギリス上流社会に対して皮肉な目線に満ちている点は、いかにもサキらしい筆致であるといえる。他人を引きつけるほどの美しい容姿を備えてはいるものの、とことん自己本位で他人を思いやる心の欠けているバシントン青年。上流を気取りな...

  • 『スコット・フィッツジェラルド作品集』 フィッツジェラルド(響文社)

    書名:スコット・フィッツジェラルド作品集著者:スコット・フィッツジェラルド訳者:中田耕治 他出版社:響文社ページ数:433おすすめ度:★★★★☆フィッツジェラルドの短編小説とエッセイを集めた作品集がこの『スコット・フィッツジェラルド作品集』である。フィッツジェラルドの作品が幅広いジャンルにわたって紹介されている一冊となっている。本書には、副題にもなっている『わが失われし街』に加えて、『再びバビロンで』、『...

  • 『ウィリアムが来た時』 サキ(国書刊行会)

    書名:ウィリアムが来た時著者:サキ訳者:深町 悟出版社:国書刊行会ページ数:297おすすめ度:★★★★☆短編の名手として知られるサキの数少ない長編小説の一つがこの『ウィリアムが来た時』である。「ホーエンツォレルン家に支配されたロンドンの物語」という副題が如実に語っている通り、ドイツに戦争で敗れたイギリスが本国を占領されたという設定の物語となっている。本邦初訳ということで、サキのファンには待望の一冊といえる...

  • 『美しく呪われた人たち』 フィッツジェラルド(作品社)

    書名:美しく呪われた人たち著者:スコット・フィッツジェラルド訳者:上岡 伸雄出版社:作品社ページ数:484おすすめ度:★★★☆☆フィッツジェラルドの二作品目となる長編小説が本書『美しく呪われた人たち』である。『楽園のこちら側』と『グレート・ギャツビー』の間に書かれた作品であるにもかかわらず等閑視されがちな長編作品で、2019年になってようやく本邦初訳されたようだ。大富豪を祖父に持つアンソニー・パッチは、ニュー...

  • 『パット・ホビー物語』 フィッツジェラルド(風濤社)

    書名:パット・ホビー物語著者:スコット・フィッツジェラルド訳者:井伊順彦、今村楯夫 他出版社:風濤社ページ数:253おすすめ度:★★★☆☆フィッツジェラルド晩年の短編小説を集めたのが本書『パット・ホビー物語』である。すでに映画産業の中心地となっていたハリウッドにパット・ホビーという哀愁あふれる主人公を据えた連作で、これまで断片的に邦訳されることはあっても、すべてをまとめて翻訳されるのは初めてという、フィッ...

  • 『神秘の島』 ジュール・ヴェルヌ(偕成社文庫)

    書名:神秘の島著者:ジュール・ヴェルヌ訳者:大友 徳明出版社:偕成社ページ数:394(上)、394(中)、396(下)おすすめ度:★★★★★ ヴェルヌの代表作の一つにも数えられる長編冒険小説が本書『神秘の島』である。『センター・オブ・ジ・アース2 神秘の島』としてハリウッドで映画化もされているが、これは原作に忠実な映画化とは言い難く、あくまでインスピレーション源として機能した程度にとどまっているようだ。アメリカ...

  • 『序曲』 ワーズワース(国文社)

    書名:序曲著者:ウィリアム・ワーズワース訳者:岡 三郎出版社:国文社ページ数:583おすすめ度:★★★★★「詩人の魂の成長」という副題が如実に示すように、ワーズワースが自身の精神史を綴った長編詩がこの『序曲』である。親友であるコールリッジに語りかけるというスタイルで書かれていて、湖水地方で生まれ育ったワーズワースが自然を愛するようにと育っていく様が見事に描き出されている。『序曲』は、ワーズワースが幼少の頃...

  • 『ワーズワース詩集』 ワーズワース(岩波文庫)

    書名:ワーズワース詩集著者:ウィリアム・ワーズワース訳者:田部重治出版社:岩波書店ページ数:225おすすめ度:★★★★☆ワーズワースの詩集として長いこと読まれ続けているのが、この岩波文庫の『ワーズワース詩集』である。改版を経てはいるものの、初版は1938年というのだから、大いに時代を感じさせる訳業といえる。当然ながら訳文は古めかしいものなので、それが詩にある種の荘重さを加えているのは事実であるが、読みやすさの...

  • 『マイ・ロスト・シティー』 フィッツジェラルド(中央公論新社)

    書名:村上春樹翻訳ライブラリー マイ・ロスト・シティー著者:スコット・フィッツジェラルド訳者:村上春樹出版社:中央公論新社ページ数:280おすすめ度:★★★★☆フィッツジェラルドの短編小説を中心に編まれた作品集が本書『マイ・ロスト・シティー』である。短編集ではなく作品集という呼び名がふさわしいのは、表題作である『マイ・ロスト・シティー』がエッセイであることに加え、訳者である村上春樹によるエッセイも収められ...

  • 『フィツジェラルド短編集』 フィッツジェラルド(新潮文庫)

    書名:フィツジェラルド短編集著者:スコット・フィッツジェラルド訳者:野崎 孝出版社:新潮社ページ数:291おすすめ度:★★★★☆新潮文庫の『フィツジェラルド短編集』は、有名どころを中心に短編六編を収めている。残念なことに本書の収録作品は村上春樹が翻訳している作品とかなり重複しているのだが、代表的な作品はすでに村上訳が存在していることを思えばこれは仕方のないことであろうし、作品の質のむらを指摘されることの多...

  • 『名を捨てた家族』 ジュール・ヴェルヌ(彩流社)

    書名:名を捨てた家族著者:ジュール・ヴェルヌ訳者:大矢 タカヤス出版社:彩流社ページ数:367おすすめ度:★★★★☆一般的なヴェルヌのイメージからは少し外れることと思うが、本書『名を捨てた家族』は歴史小説であり、訳者が付した「1837-38年 ケベックの叛乱」から推測できるように、イギリスの支配下にあるカナダでのフランス系住民による叛乱をテーマとしている。史実をベースにしつつ、ヴェルヌが架空の登場人物をそこにはめ...

  • 『昔も今も』 モーム(ちくま文庫)

    書名:昔も今も著者:ウィリアム・サマセット・モーム訳者:天野隆司出版社:筑摩書房ページ数:371おすすめ度:★★★★☆ モーム晩年の長編小説にして、モームには珍しい歴史小説が本書『昔も今も』である。政治的・軍事的な勢力図が目まぐるしく変わり続けていた1500年代前半のイタリアを舞台としていて、主人公は『君主論』で知られるかの有名なマキアヴェリであり、そしてマキアヴェリが対するのは、権謀術数の代名詞のようなチ...

  • 『若者はみな悲しい』 フィッツジェラルド(光文社古典新訳文庫)

    書名:若者はみな悲しい著者:スコット・フィッツジェラルド訳者:小川 高義出版社:光文社ページ数:413おすすめ度:★★★★☆本書『若者はみな悲しい』は、フィッツジェラルドが生前出版していた短編集の全訳である。フィッツジェラルドの場合、短編集は訳者が作品を選んで編まれることが多く、フィッツジェラルドの自選短編集が全訳されることは少ないので、文庫本でオリジナルの短編集に接することができるというのはとてもありが...

  • 『バビロンに帰る』 フィッツジェラルド(中央公論新社)

    書名:バビロンに帰る著者:スコット・フィッツジェラルド訳者:村上春樹出版社:中央公論新社ページ数:355おすすめ度:★★★★☆本書『バビロンに帰る』は村上春樹翻訳によるフィッツジェラルドの短編集である。大いに読み応えのある『バビロンに帰る』が収められているというだけでも、手にする価値がある本といえるように思う。本書には『バビロンに帰る』に加えて、『ジェリービーン』、『カットグラスの鉢』、『結婚パーティー』...

  • 『ある作家の夕刻』 フィッツジェラルド(中央公論新社)

    書名:ある作家の夕刻著者:スコット・フィッツジェラルド訳者:村上春樹出版社:中央公論新社ページ数:332おすすめ度:★★★★☆フィッツジェラルド後期の短編小説とエッセイを集めた作品集がこの『ある作家の夕刻』である。同じく村上春樹訳であり、フィッツジェラルドの若き日の作品集である『冬の夢』と対をなす一冊となっている。本書には八編の短編小説と、五編のエッセイが収録されている。ヨーロッパを旅する若きアメリカ人夫...

  • 『冬の夢』 フィッツジェラルド(中央公論新社)

    書名:村上春樹翻訳ライブラリー 冬の夢 著者:村上春樹訳者:スコット・フィッツジェラルド出版社:中央公論新社ページ数:353おすすめ度:★★★★☆作家生活が決して長くはなかったフィッツジェラルドではあるが、そんな彼の比較的若い頃の作品を集めたのが本書『冬の夢』だ。いずれも彼の代表作である『グレート・ギャツビー』以前に発表されていたもので、随所にその萌芽を見出すことができる短編集となっている。本書には表題と...

  • 『楽園のこちら側』 フィッツジェラルド(花泉社)

    書名:楽園のこちら側著者:スコット・フィッツジェラルド訳者:朝比奈 武出版社:花泉社ページ数:432おすすめ度:★★★☆☆フィッツジェラルドのデビュー作であり、同時に出世作ともなった長編小説が本書『楽園のこちら側』である。主人公の幼年期から青年期に至るまでの成長を描いた、ドイツ文学でいうところの教養小説のような作品といえる。フィッツジェラルドの自伝的要素も多く含まれているので、フィッツジェラルドに興味のあ...

  • 『ベンジャミン・バトン』 フィッツジェラルド(イースト・プレス)

    書名:ベンジャミン・バトン著者:スコット・フィッツジェラルド訳者:都甲幸治出版社:イースト・プレスページ数:92おすすめ度:★★★★☆ フィッツジェラルドの作品の中ではあまり脚光を浴びることのなかった『ベンジャミン・バトン』だが、ブラッド・ピットとケイト・ブランシェットという二大スターを迎えての映画化によって、一躍有名な作品に躍り出ることになった。それにしても、いまだに『ベンジャミン・バトン』が『グレ...

  • 『グレート・ギャツビー』 フィッツジェラルド(新潮文庫)

    書名:グレート・ギャツビー著者:スコット・フィッツジェラルド訳者:野崎 孝出版社:新潮社ページ数:262おすすめ度:★★★★★ 言わずと知れたフィッツジェラルドの代表作であり、20世紀のアメリカ文学を代表する小説でもあるのがこの『グレート・ギャツビー』である。有名な古典的作品だけあって古くから翻訳の種類が豊富な上に新訳も出ており、村上春樹が賞賛し、自ら翻訳していることでも知られている作品だ。語り手の青...

  • 『湖水地方案内』 ワーズワース(法政大学出版局)

    書名:湖水地方案内著者:ウィリアム・ワーズワース訳者:小田 友弥出版社:法政大学出版局ページ数:222おすすめ度:★★★☆☆ワーズワースの生涯のみならず、彼の作品とも切っても切れない縁にある湖水地方を、ワーズワースが散文で紹介しているのが本書『湖水地方案内』である。建前としては湖水地方を観光で訪れる人向けの本ではあるものの、もちろん単に名所を連ねたガイドブックではない。自作の詩だけではなく、コールリッジか...

  • 『ゲーテ全集 4 ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲン』 ゲーテ(潮出版社)

    書名:ゲーテ全集 4 ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲン著者:ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ訳者:中田美喜 他出版社:潮出版社ページ数:454おすすめ度:★★★★☆ゲーテの戯曲のうち、若い頃の作品を集めたのが本書『ゲーテ全集 4 ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲン』である。量から言っても質から言っても、『ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲン』と『エグモント』を中心とした本といえる。本書には、現存するゲーテ最初の戯曲で...

  • 『対訳 ワーズワス詩集』 ワーズワース(岩波文庫)

    書名:対訳 ワーズワス詩集著者:ウィリアム・ワーズワース訳者:山内久明出版社:岩波書店ページ数:210おすすめ度:★★★★☆イギリスのロマン主義の代表的な詩人であるワーズワースの詩集が本書『対訳 ワーズワス詩集』である。岩波文庫の対訳シリーズの一冊で、左ページに原文が、右ページに訳文が載っていて、見開きで対訳となっている。抜粋とならざるを得ない長い詩もあるとはいえ、限られた紙幅の割りにワーズワースの有名な詩...

  • 『床屋コックスの日記/馬丁粋語録』 サッカレー(岩波文庫)

    書名:床屋コックスの日記/馬丁粋語録著者:ウィリアム・メイクピース・サッカレー訳者:平井呈一出版社:岩波書店ページ数:220おすすめ度:★★★★☆サッカレーが『虚栄の市』の発表以前に雑誌に投稿していた作品を収めたのが本書『床屋コックスの日記/馬丁粋語録』である。物語の性格上、これといった深みはないが、サッカレーらしいユーモアセンスと風刺精神を満喫することのできる一冊となっている。『床屋コックスの日記』は、し...

  • 『虚栄の市』 サッカレー(岩波文庫)

    書名:虚栄の市著者:ウィリアム・メイクピース・サッカレー訳者:中島 賢二出版社:岩波書店ページ数:434(一)、447(二)、446(三)、411(四)おすすめ度:★★★★★サッカレーの出世作であり、代表作ともなった長編小説が本書『虚栄の市』である。ヴィクトリア朝を代表する作家としてディケンズと並び称されることもあるサッカレーであるが、『虚栄の市』を読んだ方であれば、それも納得できるに違いない。作風はディケンズに似...

  • 『ボードレール』 テオフィル・ゴーティエ(国書刊行会)

    書名:ボードレール著者:テオフィル・ゴーティエ訳者:井村 実名子出版社:国書刊行会ページ数:243おすすめ度:★★★★☆ボードレールの死後に刊行が進められていたボードレール全集にゴーティエが寄せた序文がこの『ボードレール』である。個人的な繋がりも強く、ボードレールが師と仰いでいたゴーティエによって書かれたボードレール論は、言うまでもなく非常に興味深いものがある。ボードレールの主著である『悪の華』を中心に書...

  • 『パリの憂愁』 ボードレール(岩波文庫)

    書名:パリの憂愁著者:シャルル・ボードレール訳者:福永武彦出版社:岩波書店ページ数:251おすすめ度:★★★★☆ボードレールの散文詩集が本書『パリの憂愁』である。本書でボードレールが取り上げた主題は、『悪の華』と比べると多少狭められた感はあるものの基本的にはそれほど変わりがなく、続編のような印象すら与える一冊となっている。『パリの憂愁』には、五十編の散文詩が収められている。当時のパリに暮らす不遇の人たち、...

  • 『悪の華』 ボードレール(岩波文庫)

    書名:悪の華著者:シャルル・ボードレール訳者:鈴木信太郎出版社:岩波書店ページ数:480おすすめ度:★★★★☆本書は、ボードレールの詩人としての活動の集大成となる詩集『悪の華』の全訳である。彼が詩で取り扱う題材が古典的な王道からは外れているだけに、ひょっとすると好き嫌いが分かれてしまうかもしれないが、後世への影響力の大きさから考えれば比肩することのできる詩人のいない偉大なボードレールの主著がこの『悪の華』...

  • 『クルンバーの謎』 コナン・ドイル(創元推理文庫)

    書名:クルンバーの謎著者:アーサー・コナン・ドイル訳者:北原尚彦、西崎憲出版社:東京創元社ページ数:333おすすめ度:★★★★☆ドイルの作品集である『クルンバーの謎』には五つの作品が収められている。いずれもドイルの怪奇趣味が存分に発揮されている作品ばかりで、ミステリアスなストーリーには誰もが引き込まれることだろう。古代エジプトを深く研究し、部屋にはパピルスやミイラまで集めているオックスフォード学生の不審な...

  • 『ラウンド・ザ・レッドランプ』 コナン・ドイル(文芸社)

    書名:ラウンド・ザ・レッドランプ著者:アーサー・コナン・ドイル訳者:白阪 玲麻出版社:文芸社ページ数:280おすすめ度:★★★★☆コナン・ドイルの医者にまつわる短編小説を集めたのが本書『ラウンド・ザ・レッドランプ』である。一部の収録作品は除外されたらしいが、ドイルが編んだ十五編のうち十二編が収められており、概ね原書に近いラインナップといえる。『ラウンド・ザ・レッドランプ』というタイトルを聞いても、それが何...

  • 『クロックスリーの王者 コナン・ドイル・ストーリーズ1』 コナン・ドイル()

    書名:クロックスリーの王者 コナン・ドイル・ストーリーズ1著者:アーサー・コナン・ドイル訳者:岩佐薫子出版社:柏艪舎ページ数:208おすすめ度:★★★★☆コナン・ドイルの短編集『クロックスリーの王者 コナン・ドイル・ストーリーズ1』は、ボクシングかキツネ狩りかのいずれかをテーマとした作品を集めた短編集である。どれくらい忠実にそのテーマに沿っているかは作品ごとにかなりのばらつきがあるものの、そのおかげで収録作品...

  • 『ドイル傑作集 3 恐怖編』 コナン・ドイル(新潮文庫)

    書名:ドイル傑作集 3 恐怖編著者:アーサー・コナン・ドイル訳者:延原 謙出版社:新潮社ページ数:175おすすめ度:★★★★☆新潮文庫のコナン・ドイル傑作集、三巻目は「恐怖編」である。ホームズシリーズ以外のドイルの短編の中では比較的有名な作品も入っているので、興味のある方には一読をお勧めしたい。本書には『大空の恐怖』、『皮の漏斗』、『新しい地下墓地』、『サノクス令夫人』、『青の洞窟の怪』、『ブラジル猫』の六編...

  • 『ドイル傑作集 2 海洋奇談編』 コナン・ドイル(新潮文庫)

    書名:ドイル傑作集 2 海洋奇談編著者:アーサー・コナン・ドイル訳者:延原 謙出版社:新潮社ページ数:221おすすめ度:★★★★☆新潮文庫のコナン・ドイル傑作集の二巻目となる本書は、「海洋奇談編」と銘打って、奇怪な物語六編を集めている。モームやジャック・ロンドンにも航海や南洋の島々を扱う作品があるが、本書はそのコナン・ドイル版と言えるだろう。本書には『縞のある衣装箱』、『ポールスター号船長』、『たる工場の怪』...

  • 『ドイル傑作集 1 ミステリー編』 コナン・ドイル(新潮文庫)

    書名:ドイル傑作集 1 ミステリー編著者:アーサー・コナン・ドイル訳者:延原 謙出版社:新潮社ページ数:252おすすめ度:★★★★☆シャーロック・ホームズの生みの親として知られるコナン・ドイルの、ホームズシリーズ以外の短編八編を集めたのが本書『ドイル傑作集 (I)』である。新潮文庫の傑作集は全三冊から成るが、副題として「ミステリー編」とあるように、本書はミステリー的な要素の強いものを集めた一冊となっている。本書に...

  • 『わたしたちの心』 モーパッサン(岩波文庫)

    書名:わたしたちの心著者:ギ・ド・モーパッサン訳者:笠間直穂子出版社:岩波書店ページ数:327おすすめ度:★★★☆☆モーパッサンの最後の長編作品となったのが本書『わたしたちの心』である。モーパッサンの長編の中でも特に知られていない部類に入る作品だが、実は過去に数種類の翻訳がなされていたらしく、本書はその新訳ということになる。『死の如く強し』と同様、一般的なモーパッサンの作風とは異なっているのが特徴で、恋愛...

  • 『信頼』 ヘンリー・ジェイムズ(英宝社)

    書名:信頼著者:ヘンリー・ジェイムズ訳者:水野尚之出版社:英宝社ページ数:371おすすめ度:★★★☆☆本書『信頼』は、ヘンリー・ジェイムズ初期の長編作品である。視点となる人物の固定や、上流社会の結婚を扱っているという点においては非常にジェイムズらしい作品となっている。恋に落ちた親友ゴードンから、その女性に対する意見を教えてくれるようお願いされたバーナード。ゴードンの元へ赴いていざその女性に会ってみると、相...

  • 『召使心得 他四篇』 スウィフト(平凡社ライブラリー)

    書名:召使心得 他四篇著者:ジョナサン・スウィフト訳者:原田範行 編訳出版社:平凡社ページ数:293おすすめ度:★★★★☆スウィフトの評論や風刺に富んだ作品を集めたのが本書『召使心得 他四篇』である。以前『奴婢訓』として岩波文庫から出ていた二篇をカバーしており、そこにさらに数篇追加されていて、しかもそれが読みやすい新訳であるということなので、スウィフトの風刺を好むファンにとっては待望の一冊と言えるのではなか...

  • 『緑の光線』 ジュール・ヴェルヌ(文遊社)

    書名:緑の光線著者:ジュール・ヴェルヌ訳者:中村三郎、小高美保出版社:文遊社ページ数:322おすすめ度:★★★☆☆本書には中編小説である『緑の光線』と、短編小説である『メキシコの悲劇』が収められている。『緑の光線』は一般に恋愛小説とみなされることが多く、『メキシコの悲劇』のほうはヴェルヌが若い頃に書いた粗削りな作品である。どちらも典型的なヴェルヌの作品であるとは言い難いが、それはそれで異色な作品としての楽...

  • 『蒸気で動く家』 ジュール・ヴェルヌ(インスクリプト)

    書名:蒸気で動く家著者:ジュール・ヴェルヌ訳者:荒原邦博、三枝大修出版社:インスクリプトページ数:505おすすめ度:★★★★☆ヴェルヌの作品においては、空想的なものから現実的なものまで、変わった乗り物を駆使することが一つのパターンであると言えるが、この『蒸気で動く家』もその一つである。タイトルのとおり、蒸気機関で動く家を使って旅をするという物語で、科学技術や地理の面で非常に現実的な路線をいってはいるものの...

  • 『千霊一霊物語』 デュマ(光文社古典新訳文庫)

    書名:千霊一霊物語著者:アレクサンドル・デュマ訳者:前山悠出版社:光文社ページ数:403おすすめ度:★★★☆☆『千霊一霊物語』は、怪奇趣味が流行っている時代に書かれたデュマの怪奇小説である。幻想的な作品としてはやや現実寄りというか、科学と非科学の境界線に近いところで語られる部分が多いように思われる作品だ。本書は若き日のデュマが旅先で出会った事件に始まる。妻を殺したという男が市長の元へ出頭してきたが、その男...

  • 『永遠のアダム』 ジュール・ヴェルヌ(文遊社)

    書名:永遠のアダム著者:ジュール・ヴェルヌ訳者:江口清出版社:文遊社ページ数:357おすすめ度:★★★☆☆『永遠のアダム』にはヴェルヌの四つの短編作品が収められている。初期の作品もあれば晩年の作品もあり、ジャンルもそれぞれ異なるので、幅広い作品世界を見せてくれる一冊となっている。本書には表題作である『永遠のアダム』の他、『空中の悲劇』、『マルティン・パス』、『老時計師ザカリウス』が訳出されている。『永遠の...

  • 『ジャンガダ』 ジュール・ヴェルヌ(文遊社)

    書名:ジャンガダ著者:ジュール・ヴェルヌ訳者:安東 次男出版社:文遊社ページ数:471おすすめ度:★★★★☆ヴェルヌの長編小説『ジャンガダ』は、南米はアマゾン河を舞台にした物語である。そもそも「ジャンガダ」が何を意味するのかというと、アマゾンを航行するのに使うかなり大きな筏のことであって、本書『ジャンガダ』は、何十人も乗り込んでまるで小さな集落ごと移動するかのような筏のアマゾン河下りの話である。同じ筏でも...

  • 『黒いダイヤモンド』 ジュール・ヴェルヌ(文遊社)

    書名:黒いダイヤモンド著者:ジュール・ヴェルヌ訳者:新庄嘉章出版社:文遊社ページ数:400おすすめ度:★★★★☆『黒いダイヤモンド』は、ジュール・ヴェルヌの長編小説である。主な舞台が炭坑、つまりは地下の世界ということで、おのずとヴェルヌの代表作の一つである『地底旅行』を思い出させるが、テーマが違うのでストーリーが重複しているという感じはほとんど受けないことだろう。『黒いダイヤモンド』は、以前はとても活気の...

  • 『悪魔の発明』 ジュール・ヴェルヌ(創元SF文庫)

    書名:悪魔の発明著者:ジュール・ヴェルヌ訳者:鈴木豊出版社:東京創元社ページ数:309おすすめ度:★★★★☆『悪魔の発明』は、ヴェルヌ後期の長編小説の一つであり、ヴェルヌの最後の傑作と呼ばれることもある作品である。登場人物の造形からストーリーで描写される内容まで、ヴェルヌらしいエッセンスに満ちた作品で、さらに一般的にヴェルヌの後期作品に見られるとされる特徴も備えているので、代表的かつ典型的なヴェルヌの作品...

  • 『中国の屏風』 モーム(ちくま文庫)

    書名:中国の屏風著者:ウィリアム・サマセット・モーム訳者:小池滋出版社:筑摩書房ページ数:242おすすめ度:★★★☆☆モームの著作の一つに本書『中国の屏風』がある。世界中を旅していたモームは当時の中国にも滞在したことがあり、本書はその時の体験を基に書かれた作品なのだが、一般的な旅行記とはまるで違うし、中国を舞台にした短編小説というわけでもない。スケッチという呼び方が一番しっくりくる気がするが、少なくとも原...

  • 『三つの恋の物語』 バルザック(国書刊行会)

    書名:三つの恋の物語著者:オノレ・ド・バルザック訳者:安達正勝出版社:国書刊行会ページ数:103おすすめ度:★★☆☆☆バルザックの短編作品から恋愛物語を三点選んだのが本書『三つの恋の物語』である。きらびやかな表紙からも想像できるかもしれないが、漫画家の方が描く絢爛豪華なイラストが本編中にも随所に入れられている。お世辞にも当時のフランス貴族社会の実情を表しているイラストであるとは言えないが、それでも読者の目...

  • 『スミス/生計をいとなむもの』 モーム(英宝社)

    書名:スミス/生計をいとなむもの著者:ウィリアム・サマセット・モーム訳者:井出 良三、久保田 重芳出版社:英宝社ページ数:207おすすめ度:★★★★☆モームの戯曲二編を収録しているのが本書『スミス/生計をいとなむもの』である。いずれも初演当時に劇場で人気を博した作品らしいが、作品の出来ばえを思えば、それも納得のいくことに思われる。年の離れた夫を持ち、友人や取り巻きたちとブリッジを楽しむローズの元へ、かつて破産...

  • 『ドン・フェルナンドの酒場で』 モーム(原書房)

    書名:ドン・フェルナンドの酒場で著者:ウィリアム・サマセット・モーム訳者:増田義郎出版社:原書房ページ数:301おすすめ度:★★★★☆『ドン・フェルナンドの酒場で』は、モームが愛した国スペインを扱った著作である。本書には「サマセット・モームのスペイン歴史物語」という副題が添えられているが、旅行記でもなく、エッセイとも言い難い本書に対して、歴史物語とはよく言ったものである。モームをあまり知らなくても、スペイ...

  • 『フランケンシュタイン』 メアリー・シェリー(光文社古典新訳文庫)

    書名:フランケンシュタイン著者:メアリー・シェリー訳者:小林章夫出版社:光文社ページ数:423おすすめ度:★★★★☆誰もがその名を知る『フランケンシュタイン』の作者は、ロマン派の詩人として高名なシェリーの妻、メアリー・シェリーである。有名なわりに作者はあまり知られていないし、作品自体も実はそれほど読まれていないのではなかろうか。科学にのめり込み、健康を害するほどに熱心に生命の神秘を研究し続けていたヴィクタ...

  • 『太平洋』 モーム(新潮文庫)

    書名:太平洋著者:ウィリアム・サマセット・モーム訳者:河野 一郎出版社:新潮社ページ数:185おすすめ度:★★★★☆モームの短篇四篇を収録した短篇集が本書『太平洋』である。モームが生前に出版した『木の葉のそよぎ』は、いわゆる「南海もの」から成る短篇集であるが、この『太平洋』には『木の葉のそよぎ』に収録されている作品のうち、『雨』、『赤毛』と『ホノルル』を除く作品が収められている。要は、新潮文庫の『雨・赤毛...

  • 『カジュアリーナ・トリー』 モーム(ちくま文庫)

    書名:カジュアリーナ・トリー著者:ウィリアム・サマセット・モーム訳者: 中野 好夫、小川 和夫出版社:筑摩書房ページ数:340おすすめ度:★★★★☆モームが生前出版した短篇集をそのまま翻訳したのが、ちくま文庫から出ている本書『カジュアリーナ・トリー』である。イギリス植民地時代の東南アジアを舞台とした、もしくは植民地にまつわるストーリーを集めた一冊で、世界中を旅していたモームらしい短篇集であるといえる。本書『...

  • 『マウントドレイゴ卿/パーティの前に』 モーム(光文社古典新訳文庫)

    書名:マウントドレイゴ卿/パーティの前に著者:ウィリアム・サマセット・モーム訳者:木村 政則出版社:光文社ページ数:313おすすめ度:★★★★★光文社古典新訳文庫から出ているモームの短篇集が本書『マウントドレイゴ卿/パーティの前に』である。岩波文庫の『モーム短篇選』、新潮文庫の『雨・赤毛』や『ジゴロとジゴレット』との重複ももちろんあるが、一冊の本として見れば、モームの短篇作品を非常にバランスよく集めていると...

  • 『ジゴロとジゴレット』 モーム(新潮文庫)

    書名:ジゴロとジゴレット著者:ウィリアム・サマセット・モーム訳者:金原 瑞人出版社:新潮社ページ数:361おすすめ度:★★★★☆新潮文庫から出ているモームの短篇集のうち、入手しやすいものといえば、『雨・赤毛』と本書『ジゴロとジゴレット』であろう。モームの残した作品群から優れた作品を選ぶということで、必然的に岩波文庫の『モーム短篇選』との重複作品もあるにはあるのだが、こちらはこちらで岩波文庫には収められてい...

  • 『モーム短篇選』 モーム(岩波文庫)

    書名:モーム短篇選著者:ウィリアム・サマセット・モーム訳者:行方 昭夫出版社:岩波書店ページ数:333(上)、353(下)おすすめ度:★★★★☆モームの短篇集は各出版社から文庫本として出されているが、岩波文庫から出されているのが本書『モーム短篇選』である。上巻に六篇、下巻に十二篇の作品が収められていて、作品の執筆年代やジャンルは幅広いため、モームの短篇小説全体のイメージをつかむのに適していると言える。上巻の代表的...

  • 『雨・赤毛』 モーム(新潮文庫)

    書名:雨・赤毛: モーム短篇集(I)著者:ウィリアム・サマセット・モーム訳者:中野 好夫出版社:新潮社ページ数:177おすすめ度:★★★★★短篇小説の名手としても知られるモームの短篇集が本書『雨・赤毛』である。収録されている三篇はいずれも「南海もの」と呼ばれる、太平洋を舞台にした作品であるため、収録作品が偏っているのは事実である。しかしながら、あまりにも有名な『雨』と『赤毛』を収録している以上、モームの短篇...

  • 『夫が多すぎて』 モーム(岩波文庫)

    書名:夫が多すぎて著者:ウィリアム・サマセット・モーム訳者:海保 眞夫出版社:岩波書店ページ数:214おすすめ度:★★★★☆意外と等閑視されがちのモームの喜劇作品の中で翻訳が入手しやすいものといえば、岩波文庫から出されている本書『夫が多すぎて』であろう。作品の基本設定は、戦後社会を描いたものとしてはありきたりな、文学史の中では使い古されたといっても過言ではないほどありがちなものである。その設定をモームが舞...

  • 『サミング・アップ』 モーム(岩波文庫)

    書名:サミング・アップ著者:ウィリアム・サマセット・モーム訳者:行方 昭夫出版社:岩波書店ページ数:372おすすめ度:★★★★☆六十歳を過ぎたモームが、これまでの人生を思い起こしながら書いたエッセイ集が本書『サミング・アップ』である。冒頭にて、モーム自身が本書は自伝でも回想録でもないと断ってはいるものの、極めて自伝的で回想録風な作品に仕上がっている。『サミング・アップ』は、幼い頃の思い出から劇作家としての...

  • 『報いられたもの・働き手』 モーム(講談社文芸文庫)

    書名:報いられたもの・働き手著者:ウィリアム・サマセット・モーム訳者:行方 昭夫出版社:講談社ページ数:301おすすめ度:★★★★☆モーム後期の戯曲作品二点を収めたのが本書『報いられたもの・働き手』である。同じく後期作品である『聖火』と同様、いずれも自身の満足のために書いた作品であるため、好き嫌いは分かれやすいかもしれない。『報いられたもの』は、イギリスの田舎町での一家と、そこに出入りする人々から成る入り...

  • 『読書案内』 モーム(岩波文庫)

    書名:読書案内著者:ウィリアム・サマセット・モーム訳者:西川 正身出版社:岩波書店ページ数:186おすすめ度:★★★★☆モームによる欧米文学に関するエッセイをまとめたのが本書『読書案内』である。取り扱うテーマは途方もなく大きいのに、解説等を除いた本文はわずか150ページそこそこに過ぎないという本書であるから、残念ながら全体を通じて内容が浅いことを否定することはできない。それでいて、これから欧米文学を読み始めよ...

  • 『聖火』 モーム(講談社文芸文庫)

    書名:聖火著者:ウィリアム・サマセット・モーム訳者:行方 昭夫出版社:講談社ページ数:203おすすめ度:★★★★☆本書『聖火』は、劇作家としても成功を収めていたモームの戯曲作品である。徐々に謎が解き明かされていくミステリー仕立ての作品であり、読者の興味を終始強く引き付けるあらすじではあるが、あくまでミステリー風ということであって、単に犯人探しを目的とした推理劇ではないというところに独特の奥深さがある作品だ...

  • 『お菓子とビール』 モーム(岩波文庫)

    書名:お菓子とビール著者:ウィリアム・サマセット・モーム訳者:行方 昭夫出版社:岩波書店ページ数:321おすすめ度:★★★★☆『お菓子とビール』は、モーム円熟期の長編小説であり、一般に代表作の一つと言われている。モームの生き写しというべき主人公による語り口は伸び伸びと羽ばたいているような印象を受けるし、本書でモームがストーリーテラーとしての手腕を遺憾なく発揮していることは間違いないだろう。主人公である作家...

  • 『世界の十大小説』 モーム(岩波文庫)

    書名:世界の十大小説著者:ウィリアム・サマセット・モーム訳者:西川 正身出版社:岩波書店ページ数:316(上)、(下)おすすめ度:★★★★★他の多くの作家と同様、モームも非常に読書量の多い作家であるが、そんな彼が文学の傑作十選を選び、それぞれに解説を付したのが本書『世界の十大小説』である。膨大な作品群から十大小説を選ぶその基準は冒頭で説明されていて、それはモームの文学観を端的に表したものともなっている。世界文...

  • 『アシェンデン―英国情報部員のファイル』 モーム(岩波文庫)

    書名:アシェンデン著者:ウィリアム・サマセット・モーム訳者:中島賢二、岡田久雄出版社:岩波書店ページ数:481おすすめ度:★★★★★モームの代表的な作品である『アシェンデン』も、『人間の絆』と同様に本人の体験をベースに書かれた作品である。ただ、「英国情報部員のファイル」という副題からも察することができるように、イギリスの諜報部員、要はスパイとしての活動を描いた作品となっているので、毛色はまるで異なっている...

  • 『人間の絆』 モーム(岩波文庫)

    書名:人間の絆著者:ウィリアム・サマセット・モーム訳者:行方 昭夫出版社:岩波書店ページ数:433(上)、428(中)、452(下)おすすめ度:★★★★★モームを代表する作品の一つであり、イギリス文学中の傑作の一つにも数えられる長編小説がこの『人間の絆』である。そこまで長い作品を書かないモームにしては特に長い作品で、一般的には主人公の成長を描いた教養小説として分類されている。恋愛小説や芸術家小説として読める部分もある...

  • 『月と六ペンス』 モーム(岩波文庫)

    書名:月と六ペンス著者:ウィリアム・サマセット・モーム訳者:行方 昭夫出版社:岩波書店ページ数:416おすすめ度:★★★★★モームの出世作であり代表作でもある『月と六ペンス』は、よく知られているようにポール・ゴーギャンをモデルとした芸術家小説である。そうはいっても、ゴーギャンはあくまで小説のモデルなのであって、ゴーギャンの伝記的事実と異なる部分も少なくないので、あまり強くイメージしすぎるないほうがいいかも...

  • 『ヴィルヘルム・シュトーリッツの秘密』 ジュール・ヴェルヌ(インスクリプト)

    書名:ヴィルヘルム・シュトーリッツの秘密著者:ジュール・ヴェルヌ訳者:新島進出版社:インスクリプトページ数:388おすすめ度:★★★★☆本書にて『カルパチアの城』と併録されている『ヴィルヘルム・シュトーリッツの秘密』は、本邦初訳となるヴェルヌの長編小説である。作品の性質上、内容について多く語ることは避けようと思うが、SFの大家であるヴェルヌの知られざる作品として、『ヴィルヘルム・シュトーリッツの秘密』は読者...

  • 『カルパチアの城』 ジュール・ヴェルヌ(集英社文庫)

    書名:カルパチアの城著者:ジュール・ヴェルヌ訳者:安東 次男出版社:集英社ページ数:255おすすめ度:★★★★☆ヴェルヌの長編小説『カルパチアの城』は、ヴェルヌにしては風変わりな作品とでもいおうか、超常現象をテーマとした怪奇小説である。ミステリアスなストーリー展開が魅力であるだけでなく、空想科学小説の祖と仰がれるヴェルヌが怪奇現象をどのように扱うのか、読者の興味は尽きないのではなかろうか。『カルパチアの城...

  • 『イヴの娘』 バルザック(春風社)

    書名:イヴの娘著者:オノレ・ド・バルザック訳者:宇多直久出版社:春風社ページ数:261おすすめ度:★★★☆☆『イヴの娘』は、人間喜劇の私生活情景に収められているやや短めの長編小説である。いろいろなエッセンスが織り込まれた作品だが、その主なものが恋愛と金銭、権力と術策であるという点は、非常にバルザックらしいといえるのではなかろうか。厳格なキリスト精神に基づいて育てられ、結婚して伯爵夫人となった女性が、独特の...

  • 『ガイ・ドンヴィル』 ヘンリー・ジェイムズ(大阪教育図書)

    書名:ガイ・ドンヴィル著者:ヘンリー・ジェイムズ訳者:水野 尚之出版社:大阪教育図書ページ数:239おすすめ度:★★★☆☆小説家として高い評価を受けているヘンリー・ジェイムズが戯曲を書いていたことはあまり知られていないかもしれないが、本書『ガイ・ドンヴィル』はその一つである。数々の小説の中で巧みな会話運びの手腕を発揮しているジェイムズが、会話から成り立つ戯曲をどのように仕上げるのか、おのずと読者の興味をひ...

  • 『征服者ロビュール』 ジュール・ヴェルヌ(集英社文庫)

    書名:征服者ロビュール著者:ジュール・ヴェルヌ訳者:手塚 伸一出版社:集英社ページ数:265おすすめ度:★★★☆☆『征服者ロビュール』はヴェルヌ後期の長編作品である。冒険の舞台を空に求めた作品で、当時まだ発明されていなかった飛行機械をテーマにした物語である。代表的な作品とされることは少ないが、状況設定や登場人物の性格付けなど、非常にヴェルヌらしい作品と言えるだろう。気球研究家の集会に、突如としてロビュール...

  • 『オクス博士の幻想』 ジュール・ヴェルヌ(創元SF文庫)

    書名:オクス博士の幻想著者:ジュール・ヴェルヌ訳者:窪田 般弥出版社:東京創元社ページ数:266おすすめ度:★★★★☆ヴェルヌの短編作品三点を収めたのが本書『オクス博士の幻想』である。ヴェルヌといえば長編作品のイメージが強く、短編集には意外の感すらあるほどで、事実、彼の本領は長編作品でこそ存分に発揮されているように思うが、短編作品においてもヴェルヌ作品の本質とも言える着想の妙は当然ながらさえ渡っている。本...

  • 『チャンセラー号の筏』 ジュール・ヴェルヌ(集英社文庫)

    書名:チャンセラー号の筏著者:ジュール・ヴェルヌ訳者:榊原 晃三出版社:集英社ページ数:286おすすめ度:★★★☆☆ヴェルヌが作家として脂が乗りきっている時期に書かれた小説の一つが本書『チャンセラー号の筏』である。海難事故を扱った作品であり、冒険的な要素がなくもないが、冒険ではなくやはりあくまで事故なのであって、登場人物が積極的に危険に身を投じているわけではない。そういう意味では、ヴェルヌの作品群の中でや...

  • 『互いの友』 チャールズ・ディケンズ(こびあん書房)

    書名:互いの友著者:チャールズ・ディケンズ訳者:田辺 洋子出版社:こびあん書房ページ数:461(上)、499(下)おすすめ度:★★★★☆ディケンズが完成させた最後の長編作品となるのが本書『互いの友』である。莫大な遺産が絡む、緩めのミステリー仕立ての小説というディケンズお得意のものとなっていて、戯画化をふんだんに用いたユーモアセンスも随所に光っている。『互いの友』がディケンズの代表作に数えられることはほとんどな...

  • 『失われた世界』 コナン・ドイル(光文社古典新訳文庫)

    書名:失われた世界著者:アーサー・コナン・ドイル訳者:伏見 威蕃出版社:光文社ページ数:439おすすめ度:★★★★★シャーロック・ホームズシリーズで知られるコナン・ドイルのSF作品の代表作と言えば、この『失われた世界』だ。これまで子供向けのものも含めて数多くの日本語訳が出版されていることからもわかるように、有名かつ非常に面白い作品である。極度の変わり者ではありながらも、当代随一の学者であるチャレンジャー教授...

  • 『気球に乗って五週間』 ジュール・ヴェルヌ(集英社文庫)

    書名:気球に乗って五週間著者:ジュール・ヴェルヌ訳者:手塚伸一出版社:集英社ページ数:383おすすめ度:★★★★★ヴェルヌの名を広く知られるものとした出世作が本書『気球に乗って五週間』である。冒険小説としての側面が強い反面、SF的な要素は非常に弱いのだが、さすがは出世作だけあってとにかく面白い作品となっている。若い頃から冒険に富む人生を送ってきていたファーガソン博士が、欧米人はまだ誰もたどり着いたことのない...

  • 『地軸変更計画』 ジュール・ヴェルヌ(創元SF文庫)

    書名:地軸変更計画著者:ジュール・ヴェルヌ訳者:榊原 晃三出版社:東京創元社ページ数:242おすすめ度:★★★☆☆ヴェルヌの代表作『月世界へ行く』の続編に当たるのが本書『地軸変更計画』である。続編とはいっても今度は宇宙旅行の話でもないし、登場人物が重複していたり、『月世界へ行く』の内容への言及が多少あるという程度なので、必ずしも『月世界へ行く』を先に読んでおく必要はないと思う。アメリカで、北極周辺の土地の...

  • 『月世界へ行く』 ジュール・ヴェルヌ(創元SF文庫)

    書名:月世界へ行く著者:ジュール・ヴェルヌ訳者:江口 清出版社:東京創元社ページ数:317おすすめ度:★★★★☆ヴェルヌの代表作の一つに数えられるのが本書『月世界へ行く』である。代表作と呼ばれる作品が多いために、これから読み始めようと考えている読者にとって、ヴェルヌは的を絞りにくい作家ではあるが、それぞれが読者を後悔させないだけの興味深い作品に仕上がっていているからにはそれもやむをえないことで、本書もその...

  • 『四角い卵』 サキ(白水Uブックス)

    書名:四角い卵著者:サキ訳者:和爾 桃子出版社:白水社ページ数:315おすすめ度:★★★★☆白水Uブックスの新訳サキシリーズの最終巻となるのが本書『四角い卵』である。短編集『ロシアのレジナルド』と『四角い卵』からの作品がほとんどであるが、そこにいくつか作品が追加されてもいる。風濤社から出されている『四角い卵』とは収録作品がかなり異なるので、風濤社版を読まれた方にも本書はお勧めできる。『ロシアのレジナルド』か...

  • 『平和の玩具』 サキ(白水Uブックス)

    書名:平和の玩具著者:サキ訳者:和爾 桃子出版社:白水社ページ数:321おすすめ度:★★★★☆没後の出版であるとはいえ、サキの短編作品33編を収めている短編集が本書『平和の玩具』である。岩波文庫『サキ傑作集』やちくま文庫『ベスト・オブ・サキ』に優れた作品を提供していた『平和の玩具』ではあるが、白水Uブックスから本邦初の完訳として出版されたのであって、サキのファンにとってはたまらない一冊となっている。本書には『...

  • 『吸血女の恋』 テオフィル・ゴーティエ(現代教養文庫)

    書名:吸血女の恋著者:テオフィル・ゴーティエ訳者:小柳 保義出版社:社会思想社ページ数:231おすすめ度:★★★★☆ゴーティエの短編作品四編を収録したのが本書『吸血女の恋』である。本書には『吸血女の恋』の他に『カンダウレス王』、『千二夜物語』、『双つ星の騎士』が収録されている。「フランス幻想小説」という副題が付されてはいるものの、必ずしもすべての収録作品が同程度に幻想的であるわけでもないので、幻想小説ばか...

  • 『「リュジェリーの秘密」と他の作品集』 バルザック(春風社)

    書名:バルザック王国の裏庭から 「リュジェリーの秘密」と他の作品集著者:オノレ・ド・バルザック訳者:宇多直久出版社:春風社ページ数:292おすすめ度:★★☆☆☆人間喜劇の『カトリーヌ・ド・メディシスについて』の中の一編を訳出したのが本書『バルザック王国の裏庭から 「リュジェリーの秘密」と他の作品集』である。『リュジェリーの秘密』が哲学研究に分類されるという位置付けや、歴史と神秘を交えているという本書の性格か...

  • 『シャーロック・ホームズの事件簿』 コナン・ドイル(創元推理文庫)

    書名:シャーロック・ホームズの事件簿著者:アーサー・コナン・ドイル訳者:深町 眞理子出版社:東京創元社ページ数:477おすすめ度:★★★★☆シャーロック・ホームズシリーズの最後の作品となった短編集が、本書『シャーロック・ホームズの事件簿』である。あまり代表的な作品とされるものは収められていないし、事実、巧みな構成と発展を持つ作品に出会うことは期待できないが、それでも異常な事件の数々とホームズの事件解決まで...

  • 『シャーロック・ホームズ最後の挨拶』 コナン・ドイル(創元推理文庫)

    書名:シャーロック・ホームズ最後の挨拶著者:アーサー・コナン・ドイル訳者:深町 眞理子出版社:東京創元社ページ数:390おすすめ度:★★★★☆シャーロック・ホームズシリーズ第四の短編集が本書『シャーロック・ホームズ最後の挨拶』である。シャーロック・ホームズには何度か「最後」が訪れるが、これもその一つであり、タイトルからすると紛らわしくて仕方ないものの、実際には後年になって最後の短編集である『シャーロック・...

  • 『恐怖の谷』 コナン・ドイル(創元推理文庫)

    書名:恐怖の谷著者:アーサー・コナン・ドイル訳者:深町 眞理子出版社:東京創元社ページ数:342おすすめ度:★★★★☆ホームズシリーズ四作目となる長編小説が本書『恐怖の谷』である。『緋色の研究』と同様に二部構成が採用されていて、残念ながらホームズが解き明かす事件自体の描写はそれだけ少なくなってしまっている。サセックスの歴史ある屋敷で、その家の主人が殺害された。被害者はアメリカでの生活が長かったこと、凶器の...

  • 『バスカヴィル家の犬』 コナン・ドイル(創元推理文庫)

    書名:バスカヴィル家の犬著者:アーサー・コナン・ドイル訳者:深町 眞理子出版社:東京創元社ページ数:348おすすめ度:★★★★★ホームズシリーズで三作目となる長編小説が本書『バスカヴィル家の犬』である。シリーズを代表する作品の一つであり、最高傑作と称されることも多いので、ホームズシリーズに関心のある方であれば必ずや読んでおくべき作品であるといえる。家もまばらな荒野の中に位置する名家、バスカヴィル家の当主が...

  • 『シャーロック・ホームズの復活』 コナン・ドイル(創元推理文庫)

    書名:シャーロック・ホームズの復活著者:アーサー・コナン・ドイル訳者:深町 眞理子出版社:東京創元社ページ数:590おすすめ度:★★★★★ホームズシリーズの短編集第三作目が本書『シャーロック・ホームズの復活』である。その名の通り、『最後の事件』で死んだと思われていたホームズが「復活」するところから話は始まるのだが、もちろん「復活」と直接的に関係があるのはその一点だけであって、要は普通の短編集として読むこと...

  • 『回想のシャーロック・ホームズ』 コナン・ドイル(創元推理文庫)

    書名:回想のシャーロック・ホームズ著者:アーサー・コナン・ドイル訳者:深町 眞理子出版社:東京創元社ページ数:465おすすめ度:★★★★☆本書『回想のシャーロック・ホームズ』は、ホームズシリーズの短編集としては第二作目となる。有名な作品だけでなく、節目となる作品も収められているので、ホームズシリーズに興味のある方ならばこれも必読の一冊といえる。本書には『シルヴァー・ブレーズ号の失踪』、『黄色い顔』、『株式...

  • 『ヘンリー・ジェイムズ傑作選』 ヘンリー・ジェイムズ(講談社文芸文庫)

    書名:ヘンリー・ジェイムズ傑作選著者:ヘンリー・ジェイムズ訳者:行方 昭夫出版社:講談社ページ数:439おすすめ度:★★★★☆ジェイムズの中・短編作品五編を収めたのが本書『ヘンリー・ジェイムズ傑作選』である。収録作品を見る限り、傑作選の名にふさわしいラインナップとなっているようだが、『デイジー・ミラー』や『ねじの回転』といった代表作は収められていないので、本書からジェイムズを読み始めるというのにはあまり向...

ブログリーダー」を活用して、本の虫さんをフォローしませんか?

ハンドル名
本の虫さん
ブログタイトル
欧米文学ファン
フォロー
欧米文学ファン

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用