1月28日、源宗寺本堂の改修に伴う熊谷市の関係機関との調整を行いました。 源宗寺本堂の保存修理事業において、旧来部材の再利用が困難であることが分かり、一部の部材の保存などを除き、建て替えとして概ね新築の形態となることから、開発審査や建築確認に関する諸手続きが必要となります。今回の事業においては、開発に関する「適合証明」という許可と、建築構造の法令的な妥当性を確認するための建築確認の関連申請事務を行うことになりました。 今回の調整では、建築小委員会のメンバーと、熊谷市の開発審査課及び建築審査課職員、開発に関連した雨水の処理管理棟の要件の確認のため河川課職員が同席しました。調整では必要書類の確認や提出図面における留意点などを話し合いました。 12月以降の解体時、部材等の保存が芳しくなく再利用が困難であることが再確認できたことに伴い、新規建築としての申請が必要であると判断し、申..
テレビ放映情報 J:COM「ジモト応援!埼玉つながるNews~熊谷・深谷~」 源宗寺本堂保存修理事業
明日、1月29日(金) J:COM「ジモト応援!埼玉つながるNews~熊谷・深谷~」で、源宗寺本堂保存修理事業について放映予定です。 昨年12月23日に行われた仏像移動の様子を中心に、源宗寺本堂の本解体の様子も取り上げています。是非ご覧ください。 (J:COM熊谷・深谷) 令和3年1月29日(金) 午後6時~ 番組は、アプリ「ど・ろーかる」でも配信しています。 問い合わせ先 源宗寺本堂保存修理委員会 事務局 山川宏之(山川会計事務所内) 電話 048-526-5874 ホームページ https://oobotoke.com/
1月26日、熊谷市妻沼の妻沼聖天山で令和3年文化財防火デー防災訓練が開催されました。国宝「歓喜院聖天堂」付近での開催を想定し、負傷者の移動と放水銃の稼働確認などを実施しました。近隣の住民などで組織される妻沼聖天山防災協力隊が、文化財をはじめとする当寺院の初期消火を担当する防災計画が構築されており、当日は25名の隊員の機敏な消火活動などが印象的でした。
1月25日夕方、市内平戸の源宗寺本堂跡地では、施工を担当する大島工務店が地縄張りを行っていました。 「地縄張り」とは、工事に着工する際、一番最初に行う作業で、建築予定の敷地に縄を張って、設計図通りに建物の大きさや配置を決めていく作業のことです。建物の角に当たる部分に木の杭を打って、建物の輪郭に沿ってビニール紐を張っていきます。地縄張りは、木造建築独自の作業のようです。 この地縄張りが行われた後に、地鎮式が行われます。地鎮式は、来週2月2日(火)の午前10時より源宗寺本堂跡地にて行われる予定です。
1月21日(木)、熊谷市指定有形文化財「木彫大仏坐像(平戸の大ぼとけ)」を収蔵する仮建屋にて、中央消防署の職員2名と江南文化財センターの担当職員、源宗寺本堂保存修理委員会から事務局長と地元在住のメンバー数名が集まり、防災設備の確認を行いました。 建物自体が文化財に指定されている場合、防災設備として①消火器、②自動火災報知機、③誘導灯の3つの設置が必要となります。 今回の場合は、建物ではなく中に収蔵されている仏像が文化財となっているため、消防署の判断により、消火器の設置のみで対応することとなりました。消火器は2本用意し、1本は仮建屋内に、もう1本は境内の桶置き場に設置します。 すでに委員会関係者の緊急事態時の連絡網を作成済ですが、今回の話し合いで、万一の際に地元在住の関係者がすぐに対応に当たれるよう、仮建屋のスペアキーを増やすことが決まりました。
1月19日、源宗寺本堂の建て替え現場の地質状況等を把握するため、地盤調査を実施しました。 過去の調査履歴によると、新たな建物を想定する位置の北西側が、安定地盤に至るまで地下約9メートルの深さを要するとされていたため、基礎構造の検討により、通常基礎より深度があるパイル工法を実施する予定となっています。 今回の調査では建て替える本堂の四隅付近の状況を把握することとなり、それぞれが安定地盤の層まで約4メートルという結果が出ました。このことから各点において地盤の過度に脆弱な箇所が無いことが分かりました。 通常基礎でも許容とされると考えられますが、新築後、二体の大仏を安全に保管するためには工法を変えず基礎の万全な方策で実施する見込みです。正確な結果報告は今後となりますが、建築上としては少し安心できるものであったと思われます。
文化遺産国際協力コンソーシアム 研究会「文化遺産とSDGs Ⅲ ―地域社会における文化遺産の役割を考える―」
文化遺産国際協力コンソーシアムでは、第28回研究会(ウェビナー)「文化遺産とSDGs Ⅲ ―地域社会における文化遺産の役割を考える―」を以下の要領で開催いたします。どなたでもご参加いただけます。ふるってご参加ください。 第28回研究会(ウェビナー) 「文化遺産とSDGs Ⅲ ―地域社会における文化遺産の役割を考える―」 日 時:2021年1月31日(日)13:00-15:15 場 所:オンライン(Zoom ウェビナー) 参加費:無料(要事前登録) 詳細、お申込方法はこちらをご覧ください。↓ https://www.jcic-heritage.jp/jcicheritageinformation20210108/ 問合せ 江南文化財センター 電話048-536-5062
本日1月20日は、1年で最も寒いといわれる二十四節季の「大寒」です。厳しい寒さのなか、市内平戸の源宗寺本堂の跡地では、埋蔵文化財の試掘調査が実施されました。 土器や石器などの遺物が出土したり、古墳や居住跡などの遺跡が土中に埋もれている土地のことを包蔵地といいます。源宗寺が所在するこの場所は、平戸遺跡という遺跡の包蔵地に該当しています。 今回は、熊谷市指定有形文化財である2体の木彫大仏坐像(平戸の大ぼとけ)が、かつて本堂内で安置されていた場所の真下を含め、遺物の出てくる可能性が高いと思われる計3ヶ所で試掘調査を実施しました。 ショベルカーを使い、少しずつ水平に地面を掘っていきます。 江南文化財センターの担当職員が、カマやスコップを使って地層がきれいに見えるよう、丁寧に土を削っていきます。 今回の調査では、源宗寺本堂建設当初のものと思われる礎石がいくつか出土..
熊谷市拾六間にある徳蔵寺の南東に石造物が載る小さな塚があります。塚の上にある石造物は2つあり、昭和初期の供養塔と、「山神」と刻まれた道標です。この道標は江戸時代末期の嘉永年間に建立されたもので、同地域の旧拾六間村の落合氏などによって寄進されたものです。当時は、石に刻まれていたように「十六間村」と表記されていたことも分かります。道標の下部には東西南北に所在する地名が力強く彫られています。東には「熊ヶや(熊谷)」、西には「ふかや」、南には「よりゐ」、北には「めぬま」という地名が示されています。拾六間村から各地に向かう基点に置かれていたことが推定されます。または、この塚の位置がそれを意味し、「山神」という表記からも旅人の安全や地域の安寧を願って建立されたと考えられます。 嘉永の年号と地元寄進者の名前が記されている。 東 熊ヶや(熊谷) 西 ふかや ..
桐生天満宮は、群馬県桐生市に所在する神社で、北関東を代表する彫刻建築の一つです。寛政元年(1789)に建てられた社殿は、熊谷の国宝・歓喜院聖天堂と同様に、拝殿と本殿を石の間でつなぐ、いわゆる権現造りです。 社殿は本殿を中心に、緻密な彫刻が施され、うっすらと彩色が確認できます。建設当初は、歓喜院聖天堂のように極彩色に彩られていたと考えられます。これらの彫刻は、勢多郡黒保根村出身の彫刻師・関口文治郎他8名によって手掛けられました。文治郎は“上州の甚五郎”と称され、熊谷の国宝・歓喜院聖天堂の再建に携わった人物で、多くの県・市指定有形文化財にその名が刻まれています。 中国の故事に基づいた彫刻で埋め尽くされた本殿。龍が彫られた柱が特徴的です。 縁を支える組物は、黒漆に朱色で縁取られています。 柱や長押には、地紋彫りが施され、花頭窓の廻りには二匹の龍が絡み合っていま..
解体された源宗寺本堂の跡地に新たな本堂建立に向けた動きがスタートしました。その一つが、瓦の再利用についての検討です。旧来の本堂に付けられていた瓦を新たな本堂においても使用する計画です。1月14日、保存修理委員会・建築小委員会の細川末廣一級建築士、内島章雄一級建築士、江南文化財センターの山下祐樹主任と、施工する大島工務店と瓦業者が既存の瓦の状況を確認しました。鬼瓦の再利用可能であることが分かりましたが、鬼瓦に接続する龍の残存状況が芳しくなく、新たなものを製作する必要があり、意匠デザインから開始し模索することになりました。また、家紋が残す瓦を屋根の四方の縁に置く予定で、3つ現存し、不足している1つの瓦を再現作製することになりました。これらの内容について保存修理委委員会に諮り、同意を求めるほか、瓦の設置に関わる方策を検討していく予定です。
1月7日からはじまった源宗寺本堂の本解体は、昨日13日にほぼすべての作業が終了しました。解体は、彫刻や鬼瓦などの保存部材を一つ一つ確認しながら慎重に行われました。 本堂の柱には新材が使用されている箇所が所々に見受けられ、屋根瓦のほとんどが昭和期のものであることから、昭和期に比較的大規模な改修が行われたのではないかと考えられます。 1月7日撮影 1月8日撮影 1月9日撮影 1月12日撮影 1月13日撮影 保存のため、取り外した彫刻部材(蟇股) 鬼瓦 本堂下の基礎
東京藝術大学研究者による熊谷市指定文化財「八幡神社古絵図」の調査
熊谷市指定文化財「八幡神社古絵図」を調査する東京藝術大学の小柏典華さん(奥)ら 展示した二作 熊谷市指定有形文化財(絵画)の「八幡神社古絵図」について、東京藝術大学美術研究科文化財保存学専攻保存修復建造物研究室の博士(文化財)の小柏典華さんと、文化財建造物の保存修理を専門とする株式会社安田工務店の技術者が調査に来訪しました。同作は熊谷市の妻沼地域で個人所有されていましたが、江南文化財センターに移管され、展示室内に仮展示して対応しました。顔料などを紙面に塗り上げる高度で精緻な表現がいかんなく表現された絢爛豪華な作品で狩野派のエッセンスを感じることができます。小柏さんは、歴史的建築を専門としており、建築の設計図面の要素を持ち合わせながら、細微な塗抹の技法について高く評価していました。 この「八幡神社古絵図」は、徳川家御用工匠であった藤原正清が、徳川家光の依頼に..
東京藝術大学研究者による熊谷市指定文化財「八幡神社古絵図」の調査
熊谷市指定文化財「八幡神社古絵図」を調査する東京藝術大学の小柏典華さん(奥)ら 展示した二作 熊谷市指定有形文化財(絵画)の「八幡神社古絵図」について、東京藝術大学美術研究科文化財保存学専攻保存修復建造物研究室の博士(文化財)の小柏典華さんと、文化財建造物の保存修理を専門とする株式会社安田工務店の技術者が調査に来訪しました。同作は熊谷市の妻沼地域で個人所有されていましたが、江南文化財センターに移管され、展示室内に仮展示して対応しました。顔料などを紙面に塗り上げる高度で精緻な表現がいかんなく表現された絢爛豪華な作品で狩野派のエッセンスを感じることができます。小柏さんは、歴史的建築を専門としており、建築の設計図面の要素を持ち合わせながら、細微な塗抹の技法について高く評価していました。 この「八幡神社古絵図」は、徳川家御用工匠であった藤原正清が、徳川家光の依..
緊急事態宣言を受けての熊谷市名勝「星溪園」の室内利用休止について
新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言を受け、熊谷市名勝「星溪園」における令和3年2月7日(日曜日)までの星溪寮・松風庵・積翠閣の室内利用およびそれに係る予約を休止しています。2月8日(月曜日)は通常休園となります。休止期間中も庭園見学は可能です。皆様のご理解、ご協力をお願い申し上げます。なお、感染の状況により期間等が変更される場合がありますので、ご了承願います。
彫刻解説会 2020年12月25日に星川の彫刻を学ぶ現地解説会が開催されました。 熊谷市の市街地を流れる星川には7つの広場があり、一番上流にある「いこいの広場」には北村西望「戦災者慰霊の女神」が昭和50年(1975)、戦災30周年に建立されました。熊谷駅前に建立された北村西望「熊谷次郎直実像」とともに、星川を印象付ける彫刻通り(プロムナード)として文化芸術の顕彰を進めてきました。 昭和56年(1981)春に「星川に水と緑と芸術を、そしてメルヘンの道に」との願いで、市による彫刻像設置事業が決定。以降、星川彫刻プロムナードが徐々に具現化されることになり、昭和57年(1982)、「太陽の広場」に桜井祐一「レダ」と「緑の広場」に千野茂「やすらぎ」の作品が設置され、大きな注目を集めました。 2020年、「戦災者慰霊の女神」の建立から45年を経過し、星川彫刻プロムナードの..
昨年12月23日、無事に仏像と蓮華台の移動を終え、薬師如来と観世音菩薩の2体の大ぼとけさまは、仮小屋のなかで新年を迎えられました。 1月7日午前、本堂の本解体を前に、現地にて源宗寺本堂保存修理委員会建築小委員会が開かれ、今後保存が必要となる既存部材の確認を行いました。 向拝部分の獅子の木鼻や正面の蟇股、大瓶束などの彫刻部材、さらに向拝の格天井には絵が描かれていた痕跡があり、これらは源宗寺本堂の貴重な資料として保存します。 獅子の木鼻 蟇股 大瓶束 絵画の痕跡が見られる格天井 また、漆喰壁の一部や、本堂内部の壁板、小舞の竹素材など数点を保存し、立正大学による部材の年代測定が実施される予定です。
「妻沼の聖天さま 埼玉県内唯一の国宝建造物「歓喜院聖天堂」映像作品完成フォーラム」の映像配信
2020年2月20日に熊谷商工会館で開催した「妻沼の聖天さま 埼玉県内唯一の国宝建造物「歓喜院聖天堂」映像作品完成フォーラム」の様子を収録し、動画共有サイトのYouTubeにおいて配信しています。このフォーラムは国宝「歓喜院聖天堂」をテーマとした映像作品の完成を記念して開催されものです。 同作品は、国宝「歓喜院聖天堂」の極彩色彫刻や建築美などとともに、妻沼地域の歴史や文化などを紹介しているほか、妻沼聖天山の鈴木英全院主、「平成の大修理」での彩色復元を担当した小西美術工芸社の横田敏行副社長、国宝指定に向けた調査研究を担当した熊谷市教育委員会・江南文化財センター担当者などのインタビューを収録。監督はソニーPCLの稲葉正広さんが務めました。 当日は映像作品の上映、江南文化財センターの山下祐樹主任による「『歓喜院聖天堂』の技と美-国宝指定への道-」と題した講演会のほか、稲葉正広監..
世界かんがい施設遺産登録記念講座「備前渠用水路と熊谷の土木遺産」
12月24日、熊谷市太田公民館の歴史講座として世界かんがい施設遺産登録記念講座「備前渠用水路と熊谷の土木遺産」を開催しました。12月上旬に熊谷市の妻沼地域を流れる「備前渠用水路」が世界かんがい施設遺産に登録されたことを記念して行われ、熊谷市立江南文化財センターの山下祐樹主任(埼玉建築士会歴史的建造物保全活用専門家)が講師を担当しました。講座では「備前渠用水路」と熊谷の土木遺産をテーマに、備前渠用水路の概要と、再興のための努力などについて解説しました。備前渠用水路は利根川から取水し、埼玉県北部の本庄市、深谷市、熊谷市を流れる延長約23kmの農業用水路です。1604年に伊奈備前守忠次によって作られた埼玉県で最古級の用水路で、「備前堀」の愛称で親しまれています。15名の受講生が参加し、世界に誇る熊谷の土木遺産について熱心に学ばれていました。講座後、近隣の備前渠用水路脇に天保4年(1833..
あけましておめでとうございます。 2021年が幕をあけ、未だ新型コロナウイルス終息の兆しは見えません。コロナ禍のなかで初めて迎えた年末年始、みなさんはどのように過ごされましたか? 写真は、市内中奈良の奈良神社です。この日は元日にも関わらず、参拝者の姿はまばらで、境内は閑散としていました。参道には、1mほどの間隔で白線が引かれ、参列者同士の密を避けるための対策が取られていました。 各地の神社仏閣では、コロナ禍での初詣や参拝に、感染対策のための新たな様式を取り入れる動きが出てきています。 このほか、市内でもホームぺージなどで事前に分散参拝を呼びかけたり、お札やお守りなどを郵送で受け付けているところもあるようです。 新型コロナウイルスが一日も早く終息し、穏やかな日常が戻り、2021年が明るい年となることを心から祈ります。
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