小説置場。オリジナル世界のファンタジーものですが、大人がほぼ出てきません。少年少女ものです。
自作のファンタジー小説「Ourselves」。長いです。
2013年1月
—ああ、なんてことかしら、頭が痛いわ。シュルセルはなきべそをかいていた。—どうして姉さんったらいっつもこう、無計画なのかしら、胃も痛くなってきたわ。ああどうしよう。シュルセルは頭をふるふると振って、自分にできる精一杯で自分を支えて、乳姉に対
二、夢 少年が、まるで長い間止めていた息を吐き出すかのようにぜえぜえと喘ぐのを、ディルキエはきょとんとした顔で眺めていた。少年は呼吸を整えると、困惑したような目でキッと睨んできた。「あなた、なんなんですか…!どういう神
一、ダゲル 【世界のことを知るために、我々はまず、ある一つの物語を語らなければならない。 ある一人の少年の、世界への呪いを受け止めなければならない。 彼の者ほどに世界の理不尽を一身に受けている者はなし。 彼の者を本当に
第二章 篝火 シリアの回廊が、他の二人にとってどんな世界だったのかは、カナタにはわからない。けれど少なくともカナタにとっては、そこはただの美術館のような陳腐な空間だった。けれど、そこに並べられた絵も、詩も、
一、明瞭 それは、ただの願望だったかもしれないし、諦めだったかもしれない。せめてもの慰みだったのかもしれない。夢だ、これは夢なのだな、と初めからわかっていた。世界には、ラベンドューラの花の、淡い紫の花粉が、
2013年1月
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