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大福 りす
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2011/01/21

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  • ハラカルラ 第14回

    『ハラカルラ』目次『ハラカルラ』第1回から第10回までの目次は以下の『ハラカルラ』リンクページからお願いいたします。『ハラカルラ』リンクページハラカルラ第14回「矢島との間にあったことは聞いた。矢島の書いたものも見た。それを水無瀬君に伝えるが、いいかね?」長が水無瀬の持っていた紙を卓の上に広げる。「いいかね・・・とは、どういう意味でしょうか?」何が書かれてあるのかは気になるところだが、聞いた以上は責任を取ってずっとここに居ろということなのだろうか。そうであるのならば聞かなくていい、聞きたくない。「まず、言葉の意味が分からないだろう。あとにこちらの言葉に変えて言うが、それでも分からないだろう」分からないことを今から言う、という意味の『いいかね』だったということか。ここまできて駄々をこねても始まらないし、分か...ハラカルラ第14回

  • ハラカルラ 第13回

    『ハラカルラ』目次『ハラカルラ』第1回から第10回までの目次は以下の『ハラカルラ』リンクページからお願いいたします。『ハラカルラ』リンクページハラカルラ第13回ライが水無瀬を戻している間にナギが連絡を取っていた。『そうか、やはり彼で間違いないということだな』「はい。とは言っても長に見てもらわなければ分かりませんが」矢島が書いたことは書いただろうし、矢島がこんな風に書いたものを無暗に渡すはずがない。『頼む』と言ってたそうだが気になるのはその内容である。水無瀬には後継者と言ったがその確証があったわけではない。たしかにこの書かれたものは大きく決定的なものとなるが、矢島が何を考えていたのか分からない。『彼の移動だが・・・』「はい、はい。はい、分りました。ではそのように」通話を終え、窓の外を見るとライが水無瀬の尻を...ハラカルラ第13回

  • ハラカルラ 第12回

    『ハラカルラ』目次『ハラカルラ』第1回から第10回までの目次は以下の『ハラカルラ』リンクページからお願いいたします。『ハラカルラ』リンクページハラカルラ第12回ライがティッシュを鼻に詰めると、そのまま鼻声で話し始める。「水無瀬が、あ、水無瀬でいいだろ?」もういい、どうでも。「ああ」とだけ答える。「こっちもライとナギでいいから」「ああ」だがもう関わるつもりはない。今日限りだ。「水無瀬がもし、矢島と接触していたのなら、って前提なんだけどな。向こうもこっちも」「なら、俺に訊くよりその矢島って人に訊けばいいだろ」「その矢島が死んだ」まさかそんな答が返ってくるとは思ってもみなかった。「・・・それは、ご愁傷さまで」「だから訊くことは出来なくなった。何もかも」何もかも?どういう意味だ。「それで、もし水無瀬が矢島と会って...ハラカルラ第12回

  • ハラカルラ 目次

    『ハラカルラ』目次第1回・第2回・第3回・第4回・第5回・第6回・第7回・第8回・第9回・第10回ハラカルラ目次

  • ハラカルラ 第11回

    ハラカルラ第11回開錠した手を下ろすがキツネ面は窓を開けようとしない。水無瀬がどう出るか窺っているのだろうか。水無瀬が自ら窓を開ける。「かなり疑心暗鬼になってるな」窓を開けるとキツネ面が喋った。(放っとけ、そうならない方がおかしいだろう)「表は見張られている」「え?」「見張られていただけじゃない、盗聴もされていた」思わず振り返って部屋を見る。「今はもう盗聴器はない。安心しろ」「なっ・・・」“な”の次に何を言おうとしていたのだろう、次の言葉が出てこない。「話がある。隣りの部屋に来てくれ」「え・・・」「あくまでもこっちからな」プラスティックキツネ面が何ということもなくベランダを移動した。(うそだろ?俺にそんなことが出来るはずがないだろ!)隣と水無瀬のベランダには高い壁のしきりがある。(え?いや待て、今なんて言...ハラカルラ第11回

  • ハラカルラ 第10回

    ハラカルラ第10回水無瀬だってクナイくらい知っている。現物を見たことは無いがアニメで見た。そのクナイが転がっている。さっきの音はクナイがアスファルトに弾けた音?足音が耳に響いた。顔を上げて見ると数人の男が水無瀬を目がけて走って来ている。「入って来た方に走れ!入口を出た看板の後ろにバイクが隠してある、それに乗っていけ!」「え?」振り向いた。どこから聞こえてきた声だ、誰の姿もない。「早く!」逃がそうとしているのだろうか。ということはキツネ面の仲間ということなのだろうか。それともまた違う団体か。(どうすればいいんだよ・・・)入口くらい迄なら走れることは走れる。どうする・・・。俺はどうすればいい。下げていた顔に誰かの足元が見え顔を上げる。カオナシに似た面をつけた男が目の前に立っている。「逃げられると困るんだよな」...ハラカルラ第10回

  • ハラカルラ 第9回

    ハラカルラ第9回通勤による車の渋滞は丁度緩和されたところなのだろう、特に巻き込まれることもなく進んで行く。間に挟んでいた車が何台か入れ替わった中、水無瀬の乗った車が左にウインカーを出した。幹線道路から外れていくつもりだ。これでついて行けば完全に怪しまれることになってしまう。こちらに気付いて試しているのか、それとも目的地に向かっているのか。「左に曲がった」身体を横に倒して後ろから見ていたナギが言う。「いけるか?」「可能な限り」ヘルメットを外すと手探りでメットホルダーに掛ける。車が曲がり切ったところで端に寄せながらブレーキをゆっくりとかける。スピードが緩むとナギが飛び降りた。何度か横回転しながら立ち上がる。後続車が驚いて急ブレーキを踏んだが、ナギは素知らぬ顔で走り去って行き、ライの運転するバイクがスピードを上...ハラカルラ第9回

  • ハラカルラ 第8回

    ハラカルラ第8回水無瀬が近づいて行く。「よー、こんなとこで何してんの?」「あれー?水無瀬っち?」だから水無瀬さんと呼べ。バイト先の敬語を知らないやつである。「やっぱ、ハワイじゃなかったんだ」「だから違うって言っただろ。何してんだよこんなとこで」「迷子犬の届け出」「犬?犬なんて飼ってたのか?って、届け出って、あそこ落とし物の係りじゃねーの?」「犬は物扱い。で?水無瀬っちは何でこんなとこに居んの?」「あ、うん、ちょっとな。でも空振りに終わった」「ふーん。ね、俺、昼食べそこなったんだけど水無瀬っちは?」「俺もまだ」「なんか食べに行かねー?」幕の内弁当を買おうとは思っていた。だが食べに出るとなるとそれ以上になる可能性はあるが、こいつをボディーガードにしても良いのではなかろうか。ボディーガードになるかどうかは分から...ハラカルラ第8回

  • ハラカルラ 第7回

    ハラカルラ第7回「どうして連絡がなかった」後ろと横には何人もの爺(じい)が座り、そして中年以降の男たちが囲うように土間に立っている。その中、目の前には一人が背を丸め胡坐をかき、もう一人が背筋を伸ばし端座している。それぞれの傍らにはキツネの面が置かれているが、片方は面が負傷しているようでテープで貼り付けてある。だがそのテープからは簡単に剥がれ落ちるだろう。「あ、えと・・・、ちょいバイクが故障しちゃって・・・」「単車が故障したとて、敵に攫われたと連絡くらいは出来ただろう」「いやー・・・それがぁ・・・」言いにくくはしているが、水無瀬が敵に攫われたことにさほど責任を感じていないのか、小さくなることもなく胡坐の中でヘラッとしている。そんな中、隣で端座していたもう一人が口を開く。「申し訳ありませんでした。簡潔に言いま...ハラカルラ第7回

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