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2011/01/21

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  • 辰刻の雫 ~蒼い月~ 第179回

    『辰刻の雫(ときのしずく)~蒼い月~』目次『辰刻の雫~蒼い月~』第1回から第170回までの目次は以下の『辰刻の雫~蒼い月~』リンクページからお願いいたします。『辰刻の雫~蒼い月~』リンクページ辰刻の雫(ときのしずく)~蒼い月~第179回『わらわの大事子』初代紫の声が紫揺の頭に響く。『あの者、我が子も同じなり。我らの祖と同じ血を引く者』青の力しか出していないが瞳を見ればわかる。黒い瞳、それは一人で五色を操る者。『五色の力により民に禍つを与うる者、我が祖の責は我らが負わねばならぬ』『はい』だがどうやって?『黄の力、其は天位の力。天位の力にて頭上より五色の力を出させよ。力はわらわの石が預かろう』出させる?頭上から?どうすれはいいのか?五色の力は理解。どう理解するかで変わる。よろよろと高妃が立ち上がった。まだ手に...辰刻の雫~蒼い月~第179回

  • 辰刻の雫 ~蒼い月~ 第178回

    『辰刻の雫(ときのしずく)~蒼い月~』目次『辰刻の雫~蒼い月~』第1回から第170回までの目次は以下の『辰刻の雫~蒼い月~』リンクページからお願いいたします。『辰刻の雫~蒼い月~』リンクページ辰刻の雫(ときのしずく)~蒼い月~第178回杠が馬を曳いてくると、そこに文官と武官がひしめき合っていた。「ど、どうされました?」手綱を手に杠が驚いた顔をした。顔だけではなく心底驚いている。文官より先に武官が口を開く。こういうところ、実力行使の武官が強いのかもしれない。「紫さまがお帰りになると、お聞きいたしましたが」「はい・・・そうですが」だから何なのだ?杠の疑問など知る由もない文官武官が混在する間にどよめきが波のように唸りを上げた。(な、なんだ?)「次はいつ来られるのでしょうか?」は?と言いたくなる。どういう意味だ。...辰刻の雫~蒼い月~第178回

  • 辰刻の雫 ~蒼い月~ 第177回

    『辰刻の雫(ときのしずく)~蒼い月~』目次『辰刻の雫~蒼い月~』第1回から第170回までの目次は以下の『辰刻の雫~蒼い月~』リンクページからお願いいたします。『辰刻の雫~蒼い月~』リンクページ辰刻の雫(ときのしずく)~蒼い月~第177回雲海に酒を渡したマツリ。「世話になったようで」ほっほ、と笑いながら「何のことでしょうかな?」と、一度断った酒を受け取り、半歩後ろに居た紫揺に目を転じると、紫揺がお辞儀をしてから口を開いた。「マツリへのご助力を頂いたようで有難うございました。それと先日は学び舎での道義を聞かせて頂き、有難うございました」(そのようにきたか。・・・杠は分かっていたということか。我には想像も出来んかったわ)「いやいや、知れたもので御座います。それより、よくお似合いで御座います」杠に無理矢理、市に放...辰刻の雫~蒼い月~第177回

  • 辰刻の雫 ~蒼い月~ 第176回

    『辰刻の雫(ときのしずく)~蒼い月~』目次『辰刻の雫~蒼い月~』第1回から第170回までの目次は以下の『辰刻の雫~蒼い月~』リンクページからお願いいたします。『辰刻の雫~蒼い月~』リンクページ辰刻の雫(ときのしずく)~蒼い月~第176回刑部舎では呉甚の取り調べがまだ続いていた。「いい加減、諦めたらどうだ」呉甚の前には刑部長が座っている。未然に防げたと言っても事は大きかった。行部長自らである。「なんのことだか」証人が証言したと聞いた。だがそれがなんだ、証拠はどこにもない。高姫もどこかに行ってしまった。部屋の戸が外から開けられた。三人いた刑部文官の一人が立ち上がり、外から入ってきた文官と小声で話している。聞こえたのは「承知した」それだけだった。呉甚に相対していた刑部長に小声で告げる。しっかりと呉甚に聞こえるよ...辰刻の雫~蒼い月~第176回

  • 辰刻の雫 ~蒼い月~ 第175回

    『辰刻の雫(ときのしずく)~蒼い月~』目次『辰刻の雫~蒼い月~』第1回から第170回までの目次は以下の『辰刻の雫~蒼い月~』リンクページからお願いいたします。『辰刻の雫~蒼い月~』リンクページ辰刻の雫(ときのしずく)~蒼い月~第175回「あれま、どうしたんだい?」水を汲みに外に出ると誰かが座り込んでいた。綺麗ではあるが変わった衣を着ている、それなのに足元を見ると何も履いていない。裸足で長く歩いてきたのだろう、柔らかな足の裏から血が出ている。疲れて座り込んでしまったようだ。「お、空・・・」可愛い顔をして空を見上げている。長い睫毛に囲われた黒く大きな瞳がゆらゆらと揺れ、零れ落ちそうになっている。その瞳にゆっくりと瞼が落ちた。「ちょ、ちょっと。あんたー!」女が家の中に居る亭主を呼んだ。翌朝、早朝から杠と二人乗り...辰刻の雫~蒼い月~第175回

  • 辰刻の雫 ~蒼い月~ 第174回

    『辰刻の雫(ときのしずく)~蒼い月~』目次『辰刻の雫~蒼い月~』第1回から第170回までの目次は以下の『辰刻の雫~蒼い月~』リンクページからお願いいたします。『辰刻の雫~蒼い月~』リンクページ辰刻の雫(ときのしずく)~蒼い月~第174回こんな時に!呉甚が女を見て顎をしゃくると自分は奥の部屋に隠れる。女が戸を開けると、そこには肩を下げ目の下にクマを作った男が立っていた。「ここに呉甚という者はおられませんか・・・」声が枯れている。女が振り返った。聞き覚えのある声に奥の部屋から顔を出し、女に首を振ってみせる。「あ、居りませんが・・・」「そうですか」より一層肩を下げた男が向きを変えた。女が戸を閉めると呉甚が奥の部屋から出てきた。どうしてあの男が自分を探しているのだろうか。それに高妃を探さねばならない。「この家のど...辰刻の雫~蒼い月~第174回

  • 辰刻の雫 ~蒼い月~ 第173回

    『辰刻の雫(ときのしずく)~蒼い月~』目次『辰刻の雫~蒼い月~』第1回から第170回までの目次は以下の『辰刻の雫~蒼い月~』リンクページからお願いいたします。『辰刻の雫~蒼い月~』リンクページ辰刻の雫(ときのしずく)~蒼い月~第173回「武官殿は持ち場に戻って下さい。暗くなりましたら気を付けてこの辺りまで出てきて下さい」残り一人を捕らえるだけ。四人と五人で挟み撃ち。暗がりとはいえじっとしてさえいれば岩から体がはみ出していても気付かないだろう。武官達が持ち場に戻っていった。ほどなく一人がともした灯りをもって川岸に置いた。二人で川の方に歩いて行く。「サワガニ寝てるかな?」「そうだな、起こしてしまうな」「あ、そうだ干し肉」ごそごそと懐を探ると食べ残していた干し肉を出してきた。「なんだ?全部食べなかったのか?」「...辰刻の雫~蒼い月~第173回

  • 辰刻の雫 ~蒼い月~ 第172回

    『辰刻の雫(ときのしずく)~蒼い月~』目次『辰刻の雫~蒼い月~』第1回から第170回までの目次は以下の『辰刻の雫~蒼い月~』リンクページからお願いいたします。『辰刻の雫~蒼い月~』リンクページ辰刻の雫(ときのしずく)~蒼い月~第172回「真上に上げるのではいけないのかですか?」武官達が話しているのを聞いて、ついうっかりいつものように話していたことに気付いて言葉を直す。「真上はあんまり得意でないから」握力がないのは自分でよくわかっている。真上にあげられてしまうと枝を持った途端、自分の体重と下に落ちていく落下の重さも加わり、到底自分の握力では枝をつかんではいられなくなる。それなら斜めに上げてもらって、その推力で体を振り真下へかかる重さをなくす。「あの一番下の枝をつかめるくらいの高さにあげて」「承知しました」紫...辰刻の雫~蒼い月~第172回

  • 辰刻の雫 ~蒼い月~ 第171回

    『辰刻の雫(ときのしずく)~蒼い月~』目次『辰刻の雫~蒼い月~』第1回から第170回までの目次は以下の『辰刻の雫~蒼い月~』リンクページからお願いいたします。『辰刻の雫~蒼い月~』リンクページ辰刻の雫(ときのしずく)~蒼い月~第171回今日最後になる言葉を発した。「ここに呉甚という者はおられませんか?」居なかった。男がその場に崩れるように座り込んだ。「・・・もう遅い」明日には早朝から六七八都の仲間が動きだす。受け入れが全く出来ない。俯いていた男の目に長靴が映った。ゆるゆると顔を上げる。「明日も続けてもらう」冷たい声が降ってきた。明日から事が動くことは分かっている、男が諦めたのだろう。だが事が動くことと、この男が呉甚を探すことは別問題。この男は呉甚と繋がりを持っているのだろうから。「二都の七坂の者、明日も呉...辰刻の雫~蒼い月~第171回

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