辰刻の雫 ~蒼い月~ 第170回
『辰刻の雫(ときのしずく)~蒼い月~』目次『辰刻の雫~蒼い月~』第1回から第160回までの目次は以下の『辰刻の雫~蒼い月~』リンクページからお願いいたします。『辰刻の雫~蒼い月~』リンクページ辰刻の雫(ときのしずく)~蒼い月~第170回武官所では青翼軍六都武官長が渋い顔を作っていた。「何名動かされますか?」「百二十七名を捕らえる、か」六都武官長宛には、杠の意見を取り入れるようにと書かれていた。武官長が腕を組んで顔を上げたが、その目は閉じられている。これが冬なら悪さをする者も少ないが、運悪く蒸し暑さもなくなって過ごしやすい。「一気にその人数ではありません。明後日、陽が昇り始めてから徐々にです」確かに六都武官長宛の文にもそう書かれていた。武官長がゆっくりと目を開いて顔を戻す。「ご提案で御座いますが、自警の群を...辰刻の雫~蒼い月~第170回
2023/05/29 21:05