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大福 りす
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2011/01/21

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  • 辰刻の雫 ~蒼い月~ 第170回

    『辰刻の雫(ときのしずく)~蒼い月~』目次『辰刻の雫~蒼い月~』第1回から第160回までの目次は以下の『辰刻の雫~蒼い月~』リンクページからお願いいたします。『辰刻の雫~蒼い月~』リンクページ辰刻の雫(ときのしずく)~蒼い月~第170回武官所では青翼軍六都武官長が渋い顔を作っていた。「何名動かされますか?」「百二十七名を捕らえる、か」六都武官長宛には、杠の意見を取り入れるようにと書かれていた。武官長が腕を組んで顔を上げたが、その目は閉じられている。これが冬なら悪さをする者も少ないが、運悪く蒸し暑さもなくなって過ごしやすい。「一気にその人数ではありません。明後日、陽が昇り始めてから徐々にです」確かに六都武官長宛の文にもそう書かれていた。武官長がゆっくりと目を開いて顔を戻す。「ご提案で御座いますが、自警の群を...辰刻の雫~蒼い月~第170回

  • 辰刻の雫 ~蒼い月~ 第169回

    『辰刻の雫(ときのしずく)~蒼い月~』目次『辰刻の雫~蒼い月~』第1回から第160回までの目次は以下の『辰刻の雫~蒼い月~』リンクページからお願いいたします。『辰刻の雫~蒼い月~』リンクページ辰刻の雫(ときのしずく)~蒼い月~第169回武官舎の一室。「まだ見つからんのか!」呉甚は勿論の事、柴咲も。待つことばかりに耐えられず四方が声を荒げる。「柴咲が見つからないということは、あの似面絵で足止めを食っているのでしょう。いったいどこで止まったか・・・」四方の相手をしているのはマツリ。似面絵で足止めを食らっているとすれば二三四都のいずれかになる。足止めがある以上は決起が予定通りにはならないだろうが、何より捕まえなくてはならない。宮で似面絵を描いていた絵師も文官も仮眠室で寝させている。最後に描いた束はいま一都に向か...辰刻の雫~蒼い月~第169回

  • 辰刻の雫 ~蒼い月~ 第168回

    『辰刻の雫(ときのしずく)~蒼い月~』目次『辰刻の雫~蒼い月~』第1回から第160回までの目次は以下の『辰刻の雫~蒼い月~』リンクページからお願いいたします。『辰刻の雫~蒼い月~』リンクページ辰刻の雫(ときのしずく)~蒼い月~第168回「ああ、マツリ様が第一に考えられたことだ。この六都の学び舎は百の年以上も前に廃れてしまっていて、新しい場所も含めて十二棟の建て替えをされた。子たちに道義を教え、根本からこの六都を作り替えようとされている。幼い子たちには優しい師を、もう口達者でどうにもいかない歳の者には、ガツンと拳を落とす師を六都の外から来てもらった」「六都の外から?」「ああ、ここはまともな者が少ないからな、人の物を盗んだりするのは平気だ。道義なんて教えられる者はまずいない」「へぇー」道義とは道徳のことだろう...辰刻の雫~蒼い月~第168回

  • 辰刻の雫 ~蒼い月~ 第167回

    『辰刻の雫(ときのしずく)~蒼い月~』目次『辰刻の雫~蒼い月~』第1回から第160回までの目次は以下の『辰刻の雫~蒼い月~』リンクページからお願いいたします。『辰刻の雫~蒼い月~』リンクページ辰刻の雫(ときのしずく)~蒼い月~第167回杠が男の後を追って行くと何もなかったように家に戻って行った。さて、どうする。このまま見張っているか男が寄った家のどれかを見張るか。逡巡は一瞬で終った。男が寄った家の様子は享沙と柳技に任せよう。十二軒もの家に寄っていたのだ、その内の一軒が増えたとて変わるものではないだろう。男はもう家を出ないだろう。だが来る者はあるかもしれない。キレイなお姉さんと別れてまたもや三人で歩きだした。「お姉さん、紫揺のことが気に入ったみたいだったね」「私もお姉さんのおムネ気に入った」「は?」二人が声...辰刻の雫~蒼い月~第167回

  • 辰刻の雫 ~蒼い月~ 第166回

    『辰刻の雫(ときのしずく)~蒼い月~』目次『辰刻の雫~蒼い月~』第1回から第160回までの目次は以下の『辰刻の雫~蒼い月~』リンクページからお願いいたします。『辰刻の雫~蒼い月~』リンクページ辰刻の雫(ときのしずく)~蒼い月~第166回マツリの部屋に紫揺を寝かせると己の部屋に戻り策を講じる。「あと四日・・・」紫揺が床下に潜り込んだ家の主を何らかの手で捕らえて吐かすより・・・泳がす方を取るか・・・。だが武官所に行った時、応援の武官たちが早朝六都を出ると言っていた。簡単に武官の手を借りることはまず出来ない。・・・六都だけでも何とかしたい。いつ馬鹿者どもからの夜襲があるか分からない。隣りの部屋で眠る紫揺が心配だが、さっと地図を書くと腰を上げた。享沙が朝起きると戸の隙間から文が入れられていたのに気付いた。開いてみ...辰刻の雫~蒼い月~第166回

  • 辰刻の雫 ~蒼い月~ 第165回

    『辰刻の雫(ときのしずく)~蒼い月~』目次『辰刻の雫~蒼い月~』第1回から第160回までの目次は以下の『辰刻の雫~蒼い月~』リンクページからお願いいたします。『辰刻の雫~蒼い月~』リンクページ辰刻の雫(ときのしずく)~蒼い月~第165回右の眉の上を人差し指で押さえていた紫揺。「あ・・・」尻もちをついた紫揺に屈んできた官吏。地下の者たちに囚われていた官吏たちの家族が戻ってきた時、尾能の母を心配してマツリの後を追った。尾能の母に傷は増えていなかった。安堵して・・・すぐに杠に会いたいと思った。一人で走り戻った時、あの時ぶつかった官吏に・・・文官に黒子があった。あの場所は初めて行った場所だった。あれはどこだったのだろうか。門を二つ潜った記憶しかない。「地下に囚われてた家族の人たちが戻ってきたでしょ?馬車で」「ああ...辰刻の雫~蒼い月~第165回

  • 辰刻の雫 ~蒼い月~ 第164回

    『辰刻の雫(ときのしずく)~蒼い月~』目次『辰刻の雫~蒼い月~』第1回から第160回までの目次は以下の『辰刻の雫~蒼い月~』リンクページからお願いいたします。『辰刻の雫~蒼い月~』リンクページ辰刻の雫(ときのしずく)~蒼い月~第164回男の家を教え、宿に戻って来てからも似面絵を描き続けたが、宿の紙だけでは十分ではなかった。紙がなくなった時点でコクリと舟をこぎ出した紫揺をマツリの部屋に寝かせると、杠の部屋でマツリと杠がゴロ寝をした。「べつに宜しいでしょうに。初心男みたいに・・・」紫揺と同じ部屋で寝ても。「・・・殴られない自信が無い」横に転がるマツリを眼球だけ動かしてチロリと見る。別にいいんじゃありませんか?と言いたいが相手は紫揺だ、他の女人のように簡単にはいかないだろう。それに紫揺を寝させてやりたい。これ以...辰刻の雫~蒼い月~第164回

  • 辰刻の雫 ~蒼い月~ 第163回

    『辰刻の雫(ときのしずく)~蒼い月~』目次『辰刻の雫~蒼い月~』第1回から第160回までの目次は以下の『辰刻の雫~蒼い月~』リンクページからお願いいたします。『辰刻の雫~蒼い月~』リンクページ辰刻の雫(ときのしずく)~蒼い月~第163回床下で聞いていた話を思い起こしながら話し始め、そして話し終えると丁度、膳が運ばれてきた。紫揺がもくもくと食べ始めた一方で、マツリと杠が眉を寄せている。「決起とはそういうことだったのか・・・それらしい動きを剛度の女房が見たということか」絨礼と芯直から聞いていた決起、それは六都内でのことだと思っていたが宮を襲うということだったのか。六日後には動く、ということはあと五日。今日はもう終わっている。「あ、それでね、最後に入ってきた、しばさきって人の声をどっかで聞いたことがあるなぁ、っ...辰刻の雫~蒼い月~第163回

  • 辰刻の雫 ~蒼い月~ 第162回

    『辰刻の雫(ときのしずく)~蒼い月~』目次『辰刻の雫~蒼い月~』第1回から第160回までの目次は以下の『辰刻の雫~蒼い月~』リンクページからお願いいたします。『辰刻の雫~蒼い月~』リンクページ辰刻の雫(ときのしずく)~蒼い月~第162回朱色の革鎧を着た武官が、手を震わせながらマツリの前に似面絵を差し出す。差し出された似面絵受け取りもう一度まじまじと見てから武官をジロリと睨め付け、ガマガエルの額を指さした。「これはなんだ」問われた武官が黄翼軍六都武官長をちらりと見ると頷いている。話しても良いということである。「はっ!護衛をしていた者が言うには、飾り石をお着けになっておられたそうです」話は本当らしい。だがどうしてガマガエルの額に額の煌輪を描かなくてはならないのか。「詳しい話を聞こう」詳しくと言われても長々と話...辰刻の雫~蒼い月~第162回

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