〇補欠選挙自民全敗茂木とぼける〈長崎・島根・東京〉〇植田〈日銀総裁〉岸田〈総理大臣〉の泥田コンビに穂波ナシ〈理想とする経済成長は無理〉〇無理やりの指数かさ上げ国ガタピシ〈消費者物価指数の伸び続かずデフレ回帰〉〇5月から電気・ガス補助消え大幅値上げ〈おまけに暑い夏予報=気象庁〉〇解散の芽を摘み取られ打つ手なし〈内閣総辞職もの〉俳句川柳5『自民にお灸』
斬新な切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設17年目に入りました。
自然と共生しながら、生きてきました。 ここでは4,000字(原稿用紙10枚)程度の短い作品を発表します。 <超短編シリーズ>として、発表中のものもありますが、むかし詩を書いていたこともあり、コトバに対する思い入れは人一倍つよいとおもいます。
先週の興奮は、体の隅々に痕跡を残していた。四日ぶりに散歩に出ようとして、内耳のあたりでカサカサと音を立てるものがある。風を受けて左右に揺れる笹の葉が、花大根の風景に重なって視えた。それは、現実感に乏しい、もどかしいような眺めであった。同じように、あのとき暗い家の奥から桂木を見ていた黒い犬の記憶も、なぜか希薄になっていた。ただ、それぞれの気配だけは残っている。紫の花と笹の葉ずれの音は同調していて、背後の貧相な家の軋みと犬の放心を誘って、ひと時の白日夢のようだ。混在する意識の中で、唯一焦点の合った場所があり、そこで黒犬の目が点ったのかもしれなかった。人生のある瞬間、思いがけない形で日常が立ち上がるといった経験を、多くの人びとが味わっているはずだ。長年気付かなかった事柄が、突然変異のように意味を持つことがある。...思い出の短編小説『ヘラ鮒釣具店の犬』(4)全10回
〇「ご隠居、あれほどワグネルやプリゴジンのことを話題にしてきたのに、どうして沈黙していたんですか」「おっと、逆に質問してきたな。それはな、ワグネルもブリゴジンももうすぐ消滅するからだ」〇「プーチンはやっぱり策士ですね」「プリゴジンの責任を不問にすると言って兵を引き揚げさせたのに、その日のうちに掌返して反逆罪で捜査継続だからな」〇「ベラルーシのルカシェンコ大統領との約束が命綱ですか」「親友だからと言って当てになるもんか、いずれベラルーシから出国させて後はロシアの秘密警察が処分するんだろ?」〇「プリゴジンもプーチンの料理人のうちはよかったが、調子に乗り過ぎたようですね」「プーチンの怖さを読み違えたから料理されることになったんだな」〇「プーチン体制にガタが来た以上、少しでも反対の気配を見せた人びとは粛清されるん...紙上『大喜利』(27)
風の通っていった道は、クルマがやっと一台通り抜けられるほどの小道だ。公園側の木々が差し延べる影が、道はおろか向かいのトタン屋根の家まで被さっている。目が慣れると、薄暗い土間が奥の框に達していて、その手前のやや傾いたパイプ椅子の横に、首だけもたげた中型犬が、身じろぎもせずに桂木の方を見ていた。視られていたという思いが、桂木を動揺させた。たかが犬じゃないかと思い直したが、相手が誰かはたいした問題ではなかった。要するに自分の目であり、大げさに言うなら天なるものの目なのである。となれば、自分の行為が<花盗人>程度のものなのか、もっと罪深いものなのか、誰かに確かめたいと弱気な思いも湧いてくる。彼自身は、より強固な弁明を得ようと、脳をフル回転させている。・・・繁殖力に富んだこの花大根は、翌年にはもっと広範囲のテリトリ...思い出の短編小説『ヘラ鮒蔓具店の犬』(3)全10回
毎週水曜日の午後三時からと定まっているシナリオ講座を除いて、他の時間は基本的に自由であった。朝、ゆっくりと起きて、ホットミルクとトーストの朝食を摂る。副菜は、ボイルドエッグにロースハム、トマトにレタスといったサラダになることが多かった。妻がマンションを出て行ってそのままの独身生活だから、食事のメニューは単調になりがちだ。ミルク紅茶やスクランブルエッグ、ツナやグレープフルーツに変わるぐらいで、パン食主体の食事スタイルはずっと一貫している。その分、昼と夜は行きあたりばったりで、生徒と一緒に駅ビルのレストランで和風ハンバーグを注文したり、日本そば屋で天ざるを取ったりさまざまだった。その日、桂木は依頼された原稿を正午過ぎに書き上げ、郵便局に立ち寄って速達で差し出した。そのまま散歩に出るつもりで家を出たから、コット...思い出の短編小説『ヘラ鮒釣具店の犬』(2)全10回
『ヘラ鮒釣具』と書かれた木製の看板と、暗い土間の奥に坐っていた黒い犬のことを、桂木はときどき思い出す。その仕事場とおぼしき空間を持つ貧相な家は、東京の区部に隣接する市政地域の公園近くにあって、一年前に都心のマンションから引っ越してきた桂木が、好んで通う散歩道に面していた。週一回、数駅離れた駅ビル内のカルチャーセンターで開く<シナリオ講座>の講師として、二十数名の受講生を指導することが、目下のところ桂木の定職になっていた。あとは雑誌や新聞の依頼で、たまに人を食ったような話を書くとか、映画会社が募集するシナリオの下読みや新作落語の審査をするなど、イレギュラーな仕事で食いつないでいた。講師として採用されるについては、多少の実績が求められることになる。桂木の場合、昭和五十年代の映画全盛の時期にかなり話題となったシ...思い出の短編小説『ヘラ鮒釣具店の犬』(1)全10回
〇「おい、タイタニックを見に行った潜水艇が遭難したらしいな」「ハイご隠居、大パニック(タイタニック)だったでしょうね」〇「大谷がファン投票ダントツ一位でオールスター出場が決まったぞ」「もちろん二刀流でね、投げる方は先発ですか救援(球宴)ですか」〇「男子バレーボールがブラジルに勝って大騒ぎしてるな」「そうですね。次の対戦がアルゼンチンらしいのでサッカーと勘違いしましたよ」紙上『大喜利』(26)
道端の白いタチアオイが花開き下から順に花開きすでに八個も花開き残る蕾がもうすぐ自分の番かと待っている咲き終えた白いタチアオイの花はしだいに茶色く萎れていき下から順に萎れていき咲き残ったツボミは誇らしげに輝いているハクモクレンほど短命ではないが白い花はいずれ哀れな姿になる運命なのかいやいやそんなことはない二か月近く咲き続け白を全うしたのだからごくろうさん梅雨アオイ梅雨の間鬱陶しい気分を明るくしてくれた白いタチアオイの蕾がてっぺんまで咲き終える頃梅雨が明けて空から太陽が照り付けるごくろうさん梅雨アオイその日が君の役目を終える日だ子どもたちが待っている夏休みが待っているポエム367『白いタチアオイ』
周平が商店街の歩道を歩いていると、車道を挟んだ向かい側のパチンコ店の前から軽快なテンポの音楽が流れてきた。(おっ、チンドン屋だ)思わず足を止めた。物珍しさというより、懐かしさが鼻の奥を刺激した。ここ数年、チンドンが練り歩く姿を見かけることがなかった。全国のチンドンマンが富山市に集まってコンテストをやったというニュースを、テレビの画面で見たのは五年も前のことだ。それ以降、チンドン屋の存在は周平の中でほとんど消えかけていた。下町の商店街でなら見られるかもしれないが、郊外のアパートに張りついて生きている周平には無縁のものだった。チンドンは、彼の意識の中ではほとんど絶滅危惧種に近い。だから、現実に営業しているチンドンマンを見てすっかり嬉しくなってしまったのだ。周平は、思いついて胸のポケットから携帯電話を取り出した...思い出の短編小説『すきま風』
〇「ホームラン数トップに立った大谷翔平のファン」とかけて「ネズミ捕りの警察官」とときますそのこころは「まだ加速するの?、ジャッジ(計測)できないほど飛ばさないでよ」と嬉しい悲鳴をあげるでしょう。〇「生成AIへの危惧」とかけて「原子爆弾を完成させたオッペンハイマー博士の後悔」とときますそのこころは「歯止めの効かない知識欲(禁断の木の実〉はやがて人類を滅ぼす」でしょう〇「キーウへの集中ミサイル攻撃」とかけて「ずばり、アフリカ諸国首脳とウクライナの接近阻止」とときますそのこころは「NOTOに入るかもしれないウクライナとアフリカの関係は喜望峰まわりの遠い国」にしておきたいからでしょう新企画『ととのいました』(21)
三が日が明けた仕事始めの日、出勤しようとしていた雅夫は賃貸マンションを経営する大家と珍しく顔を合わせた。「おはようございます」背後から声をかけられて振り向くと、膝上まである防寒コートを羽織り、そのくせ帽子もかぶらずにニコニコと立っていた。一度か二度すれ違ったことがあるが、その時は目を合わせることもなく、雅夫は内心愛想のないオヤジだなとこちらも無視する気持ちになっていた。だが、年が変わって心境が変化したように挨拶されてみると、もともと悪意を持っていた訳ではないから悪い気はしなかった。「おや、おでかけですか?」「うーん、・・・・二、三日留守にしますんでよろしく」返事とは裏腹に、どこか遠くを視るような目付きでぼそりと答えた。ふだん入居者のことなど無関心かと思っていたのに、どうした風の吹き回しか。家の中で雑煮など...思い出の短編小説『よたれそつね』
〇「台風は通り過ぎたけど、別の風が吹き始めたな」「解散風でしょう?内閣信任案が出たら刀を抜くらしいですよ」〇「立憲民主は不信任案を出す勇気があるかな?」「さあ、どうでしょう。今選挙をしたら遺骨も拾えないと言われていますが」〇「総理の息子が官邸でヘマをやっても秘書官を辞めさせただけで大丈夫か」「株も上がってるし、防衛予算は先送りして、選挙に勝ったら信任受けたと大手を振って増税するつもりですよ」紙上『大喜利』(25)
ガリラヤ湖はヨルダンの大地溝帯の端にある死海につぎ2番目に標高の低い湖だ魚がよく獲れるので30隻もの舟が操業していたというイエスはこの湖を見おろす丘の上に立って布教した漁師ペテロはそれを聞いてイエスの一番弟子になったたちまちガリラヤ湖周辺の人びとはイエスに帰依したガリラヤ湖西岸とイスラエルを結ぶ街道を通ってキリスト教は世界に広まっていったそれにしてもイエス・キリストの生涯は烈しすぎる現代に続く宗教戦争の原点はそこにある一神教ではないが他の神を従属させようとするゼウスを頂きながら宗派の違いをも受け入れない日本人はいいな自然崇拝が身に沁みているから森の木や川の水それに岩石にまで神が宿る八百万の神が身近にいる幸せよ古代からの太陽信仰が生きているんだろうなポエム366『ガリラヤ湖から』
〇「高齢者の自動車事故」とかけて「完全試合を達成した時の佐々木朗希」とときますそのこころは「全力でアクセルを踏み続けた」結果でしょう〇「梅雨前線」とかけて「能無し大臣の国会答弁」とときますそのころろは「どちらも湿舌(失舌)を伴なう」でしょう〇「立憲民主党」とかけて「弱虫の番犬」とときますそのこころは「吠えるだけで他に何もできない」でしょう新企画『ととのいました』(20)
<さくら貝の歌>美わしきさくら貝一つ去りゆけるきみに捧げんこの貝は去年の浜辺にわれ一人ひろいし貝よその子の名は、キララといった。入学式の日に、小学四年生として編入してきた。担任の先生は、キララが福島からの転入者であることを告げた。この町へ避難してきたのは、キララとお祖母ちゃんの二人だけだった。福島で海産物店をやっていた両親が津波に攫われ、行き場をなくして能登半島の親戚を頼ってきたのだ。親戚といっても、キララのお母さんの妹の嫁ぎ先だから受け入れの余裕がなかった。それで、町の施設がキララとお祖母ちゃんを受け入れたのだった。地域の人々は、キララたちをこぞって歓迎した。昔から日本海の漁業で生きてきた町に、真反対の太平洋岸から二人がやってきたことで注目を集めたのだ。先生は、震災の後始末が付くまで二人は志賀町に滞在す...思い出の短編小説『さくら貝の歌-異聞』
六合村の応徳温泉に行きたいな2年ほどご無沙汰だけど変わりないかな伝統的建造物群保存地区の清潔さも保っているかなおいしい蕎麦屋さんもまだやっているかなもう何十年も前に一年間湯治して糖尿病で瘦せ衰えた体を治してもらったぬるめだけど内臓の芯まで温めてくれる効能あらたかなあの温泉だ村の入り口に咲いていた黄花コスモスよいつもぼくを快く迎えてくれたね今はどんな花を咲かせているのかな村の中の道はどこも花に満ちていたな野草の宝庫で知られた野反湖への中継点登山やハイキングのグループがよく利用してたなみんな温泉から出た後ゴロンと横になって仮眠した食べ物の持ち込みも自由だったから人気があった六合村よ応徳温泉よもうすぐ行くからね黄花コスモスの時期には少し早いが新緑が滴るような木々の彼方から温泉を覗きに来る風と再会できるかもしれな...ポエム355『新緑の風』
〇「線状降水帯の被害は想像以上だったな」「ご隠居、特に愛知と静岡・埼玉がひどかったですね」〇「ところで戦場降参隊のほうはどうなっているんだ」「キウイも被害を受けましたけどロシアの領内まで反撃されてますからね、勝敗はまだ分かりません」〇「NHKはタレント総取りだな、タモリ・鶴瓶はもうなくてはならない存在だし」「ほんと、民放全盛時代には反NHK的スタンスをとるタレントも居ましたがね」紙上『大喜利』(24)
大蔵さと子が工房を辞めたのは、秋が本格化した九月下旬のことだった。ヨシキにとっては、先輩でもあり憧れの女性でもあった。ガラスの扱い方を丁寧に教えてくれただけでなく、仕事を超えて近しい存在になっていた。ヨシキが所属する工房では、主にアクセサリーに関する素材や技法を研究している。顧客のニーズを掘り起こして、さまざまな装飾品にトライする試作室みたいなものだった。経営者である寺田瑛彦は、奇抜なデザインと新旧の素材を融合したユニークな作品を発表して急速に頭角を現してきた装飾デザイナーだった。輝石をポイントにしたバッグやハイヒールなどを、一点物として女優やモデルに提供していた。さと子はもともとネイルサロンで働いていたのだが、客との会話の中で寺田瑛彦の存在を知り、創造的な仕事がしたいからと弟子になった。「給料なんて出な...思い出の短編小説『人生とんぼ玉』
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〇補欠選挙自民全敗茂木とぼける〈長崎・島根・東京〉〇植田〈日銀総裁〉岸田〈総理大臣〉の泥田コンビに穂波ナシ〈理想とする経済成長は無理〉〇無理やりの指数かさ上げ国ガタピシ〈消費者物価指数の伸び続かずデフレ回帰〉〇5月から電気・ガス補助消え大幅値上げ〈おまけに暑い夏予報=気象庁〉〇解散の芽を摘み取られ打つ手なし〈内閣総辞職もの〉俳句川柳5『自民にお灸』
〇「おばあちゃんの飴玉」とかけて「後半に強いマラソンランナー」とときますそのこころは「どちらも老い〈追い〉あげます」〇「ゴールデンウィークの年金生活者」とかけて「立ちしょん」とときますそのこころは「チン上げがないので〈世間から〉漏れます」〇「もて男のデート」とかけて「無能な芸能マネージャー」とときますそのこころは「どちらもダブルブッキングの恐れ」があります〇「大谷7号」とかけて「アイスキャンデー」とときますそのこころは「夏場にかけて量産する」でしょう〇「山本由伸2勝」とかけて「ダルマさん」とときますそのこころは高速スプリットに「手も足も出ない」でしょう新企画『ととのいました』〈25〉
〇「最近、麻生元総理の動きが目立つな」「皇位継承会議の自民党側重鎮としても目立ちますね」〇「しかも訪米してトランプとヒソヒソ会談だ」「11月のアメリカ大統領選を睨んでの行動でしょう」〇「トランプが勝つと見込んだのか」「岸田総理がバイデン大統領とフィリピン含めての三者会談をやってますからバランスがとれてます」〇「どっちが勝っても米国とつながっていたいのか」「もしかしたら外務省の戦略かもしれませんね」〇「森元総理が安部派の政治資金問題でポシャッタから新フィクサーだな」「まともな政治ができるわけありませんね。紙上大喜利56『じじいの時事ばなし』
長いこと中断されていた川辺川ダム計画が動き出そうとしている。村の一部が水没するため住民が反対していたが、先ごろ貯水ダムとしての受け入れを半世紀ぶりに表明した。関係する五木村長や県・国が地域振興策の一環として合意したことがニュースで報じられたから、実現性はかなり高くなった。五木村といえばほとんどの人が「五木の子守歌」を思い出すのではないだろうか。物悲しい旋律と方言主体の歌詞が響きあって一種重苦しい日常を想起させる。子守歌の安らぎどころか鬼気迫る怖ささえ感じさせる。<おどまぼんぎりぼんぎり盆からさきゃおらんど盆が早よ来りゃはよ戻る<おどまうっ死んちゅうて誰が泣いて呉りょか裏の松山蝉が鳴く・・だが五木村の歴史をさかのぼるともう一つよく知られた民謡がある。それは「ひえつき節」である。歌詞を見てみると椎葉村の平家落...新作KAIDANその5『五木村の歴史ロマン』
島原の乱を起こした天草四郎は、幕府軍に取り囲まれて討ち取られえたといわれているが、一方で城の井戸を抜け穴に外部に逃げ延びたとする説が残っている。当時交流のあったインドネシアの日本人街にひそかに船で運ばれたという話は、まったく信ぴょう性がないわけではない。天草四郎時貞はそもそも誕生の時から数奇な運命を背負っていた。紅蓮の炎に包まれて海上に現れたと信じる者もいる。イエス様の生まれ変わりと信じる信奉者は天草四郎にすべての望みを託した。当時から過酷な年貢取り立てに不満を募らせていたキリシタンたちは一揆軍として立ちあがった。その先頭に立って戦ったのが天草四郎時貞であり島原の乱であった。幕府軍に取り囲まれ廃城に立てこもって戦ったが、天草四郎はうまうまと脱出したと信じられている。根拠として、天草四郎の首級が見つからなか...新作KAIDANその4『四郎の末裔』
岩手県のある地方で、学校帰りの小学生が男女合わせて6名ほどでかくれんぼをして遊んでいた。その日は昼過ぎから風が強くなり、先生が早く家に帰るようよう言い渡しておいたのに気象の変化が逆に生徒たちを興奮させてしまったようだジャンケンで鬼になった三郎くんは、ほかの5人から離れて近くの芦原の中に駆け込んだ。「もう、いいかい」「まあだだよ」「もう、いいかい?」「もういいよ」と、三郎くんの声が聞こえたとき、突然芦原の中でつむじ風が渦を巻いた。5人の小学生はその場でひっくり返り、つむじ風に巻きもまれずに済んだが、芦原の中にいたはずの三郎くんの姿はなかった。話を聞いた先生方がまず駆け付け、連絡を受けた父兄や駐在のおまわりさんが次々に集まった。つむじ風に吹き飛ばされたのならその辺に倒れているのではないかと手分けして探したがど...新作KAIDANその3『帰ってきた三郎くん』
修二さんは秋になると零余子〈むかご〉の収穫をしながら自然薯の蔓の位置に目印の竹竿を刺ししっかりと記憶しておく。晩秋から冬にかけて本命の自然薯を掘るために欠かせない作業である。修二さんの家の裏山は大昔、合戦に敗れた坂東武者が逃げ込んだ場所と言い伝えられていて、武具が持ち去られた後には亡骸が放置されていたとも言われている。時代を経て亡骸は海に近い湿地に集められ、その場所はしばらく白骨が砕けて夜目にも白く光って見えたという。修二さんはこれまでに草の下から何かが出てきたといったことがなかったもので、気にすることもなく自然薯掘りに熱中した。この日も印をつけておいた蔓を探し出し、長柄のスチール製自然薯掘り器で周囲を掘りはじめた。やがて蔓の先に細い自然薯が現れた。修二さんは鎌で穴の一方を切り崩し、自然薯の全容が見えるよ...新作KAIDANその2『自然薯の涙』
喜一さんはヘラブナ釣りの名人である。ふだんは僅かな田畑を耕して生計を立てているが、冬場は釣ったフナの甘露煮を作って貝の佃煮とともに引き売りしていた。喜一さんが活動する場所は茨城県の牛久沼、流れ込む大きな川がないことから湖ではなく沼と呼ばれている。フナは溜まり水のような環境のほうが生息しやすい。県外からもヘラブナ釣りに訪れる客がいるぐらい有名な場所であった。最近では釣った魚をリリースして帰るのがマナーになっているが、喜一さんが活動した昭和の中頃には捕った魚は当然食用にされていた。ついでながら入漁料などを払う習慣もなかった。制度はあったのかもしれないが地元の人間は払わなくてよかったのだろう。ともあれ喜一さんは週に何回かはヘラブナ釣りに出掛けた。午前中から夕方まで田舟を操ってヘラブナとの駆け引きを楽しんだ。春と...新作KAIDAN①『忘れ物』
〇「おい、シーチキンて海の鶏肉という意味にとれるがおかしくないか」「マグロなど魚肉のオイル漬けなのにね」〇「知ってるな、それなら海ブドウはどうだ」「プチプチした食感の海藻ですよね、グリーン・キャビアという別名でも呼ばれています」〇「知っているのか、じゃあ何食わぬ顔ってどんな顔だ」「来た来た、大谷翔平に寄り添ってたあの人のことでしょう?」〇「信頼するのもいい加減にしないとな」「その点ご隠居は心配いりませんね」〇「トンコロとかトンずらとか、豚を馬鹿にしてないか」「知りませんよ、それよりトン死〈頓死〉しないように気を付けてくださいね」紙上大喜利55『じじいの時事ばなし』
〇歯医者で治療が終わったのでカッターやドリルの音がすごくて道路工事みたいだったと言ったらフフフと笑った。〇大谷翔平の主張が捜査当局によって裏付けられたとか。〈水原一平氏が罪を認め起訴される見通し・よかったけど一抹の疑念〉〇二階さんの後釜候補は世耕さんの鞍替え出馬のうわさに戦々恐々らしい。〈血で血を洗う抗争とか〉〇岸田総理が国賓待遇で訪米だと。〈そりゃ大変だ。マイクロソフトなど巨大企業の日本招へいは実質占領だ〉〇自衛隊と米軍の連携強化もヤバいぞ。〈指揮系統を握られ先兵として出撃だ〉〇自民党のゴタゴタ騒ぎの隙にゴールド球をにぎられたか。〈国が敗れても権力維持にいそしむ人〉〇憲法審査会が開催されたらしい。〈誰の思惑か岸田総理のうちに改正=改悪?を目論む〉ありえへん話1『国破れて山河ナシ』
堤防沿いの桜並木が満開になったばかりの今日冷たい風雨にさらされたたくさんの花びらが散歩道を覆い水面に飛んだ花が川岸に吹き寄せられる花筏になって川岸にまつわりつく乗ってみたいなあ花筏幾重にも重なり分厚い布団のよう花筏の上で眠ったらいい夢見るだろうなポエム378『花筏』
先にポムに登場したアライグマの画像です。スマホの写真ではわかりづらいでしょうが、とりあえず見てください。捕まって観念したのかおとなしくしていました。そろそろ畑に出たくなってきました。時期遅れのフキノトウの画像を載せておきます。どうぶつ番外物語トピックス1『アライグマ』
〇「とうとう出たな」「大谷翔平のホームラン第1号ですね」〇「高めが打てたから今度は膝つきスウィングだな」「昨年の活躍を思い出しますね」〇「世耕さんにも処分が出たな」「離党勧告でしょう?自民党を追い出されたら困るでしょうね」〇「萩生田殿下と松野アルマジロは御咎めなしか」「組織がしっかりしているので切るに切れないんでしょう」〇「岸田総理も処分対象のはずだがほっかむりか」「職にとどまって改革するという決まり文句で逃げましたが国民は納得していませんよ」紙上大喜利54『じじいの時事ばなし』
仕掛けた罠にアライグマがかかった覗きに行くと織の奥で蹲っている夜行性だから昨夜のうちの出来事だろう観念したのか暴れることもないおいラスカルこっちを見ろよ案外可愛い顔をしているじゃないかお前がやった所業は人間の仕業なみだゴミを収納する戸棚の戸を引き開け袋を外へ出してひっかき食い破る最初は悪意のある人間がやったと疑った市役所の開庁を待って電話をした環境保全課に回されて10時には係が来た書類を何枚も書かされ張本人は業者の手にそうかお前は特定外来生物か在来種じゃないから立場悪いなハクビシンや台湾リスと同じ扱いだ確認書を渡されてお前とはバイバイだラスカルみたいな顔で訴えたってどうにもならんわしゃ知らんそれが法治国家の定めだ許せよ人間だって入管法で隔離されるんだ日本にやってきたのが運の尽きだ・・ポエム377『アライグマ御用!』
〇元気くん〈健大高崎のピッチャー〉が今朝丸〈報徳学園ピッチャー〉破って初優勝〇健大高崎ツワモノの名が並びおり〈石垣元気のほか佐藤龍月、箱山遥人など〉〇佐藤龍月上州気質の不敵な笑み〈決勝戦でリリーフに回った〉〇国定の忠治魂直球ズバ〈決め球で見逃し三振〉〇優勝校と準優勝校は紙一重〈報徳学園も強かった〉俳句川柳5『センバツ春は健大高崎』
母は鬼無里から逃げ帰るとき幾つか渡った川の土手で幽霊草を見た旦那様に離縁されたとも知らず盆休みを口実に生家へ戻された父には後添いがいて手紙を見ると烈火のごとく怒りだしたおまえ誰と乳繰り合ったんだ旦那には子種がないはずだと書いてある母は身ごもった腹を抱え善光寺裏の口入れ屋に泣きついた後継者を欲しがる銀座の国旗屋に雇われ僕が生まれて老夫婦に可愛がられた母さんその後どうしていますか養子になった僕と以後一切の縁を絶たれた母いつか探し出して銀座で余生を送ってもらいます満月に照らされて揺れていた幽霊草の話も恐ろしかった気持ちとともにもう一度僕に聞かせてください*幽霊草という学名はありませんポエム376『幽霊草』
〇報徳〈学園〉と大阪桐蔭死闘終わる〈4対1で報徳の勝ち〉〇報徳の今朝丸〈ピッチャー〉午後の試合も丸〈正確なコントロール〉〇トケマッチ時計〈ロレックス〉預かり溶けマッチ〈消えちまった代表らを国際手配〉〇東京はあと一輪で二日待ち〈標本木に4輪のままで開花宣言なし〉〇宝ジェンヌの後輩いじめで火傷する〈阪急宝塚側が被害者へのいじめ認め謝罪〉俳句川柳4『センバツ高校野球ほか』
リビングルームのsファーの陰から『獺祭』の2お22年物が出てきたすわッ、プレミアム価格はいくらぐらい?調べてみたら大したことはない我が家ののん兵衛がいつか飲もうと大事にしすぎて家族が偶然見つけてしまったようだ我が家に『獺祭」ねえ似合わない似合わないそう思いつつまんざらでもない気持ち日本酒は若いうちに消費するもの洋酒のように古さが価値を上げるものではないスコッチでいえばシーバースリーガル12年物これなら秘蔵の価値もあるともあれそうした趣向は我が家にはないお祝いの時に多少グレードの高いサジェをグラスに分けてまずk時パイ獺祭の発見などまれなハプニングなのだポエム375『獺祭』
〇「おい、尊富士が優勝したぞ」「新入幕力士が優勝するのは110年ぶりの快挙だそうですね」〇「前日の相撲で足を怪我してたのに気力で勝ち取った優勝だ」「見上げたものです、尊富士もご隠居も」〇「大の里も石川県を代表して健闘したな」「ご隠居が10日目に予想した尊富士と大の里の直接対決が事実上の優勝戦でした」〇「錦木も最後2連勝して3勝12敗だった」「そうそう錦木は足とか腰とかどこかケガしていませんか」〇「大関陣のもろさも目立ったな」「霧島が崩れて貴景勝もバタバタ琴ノ若も伸び悩み強さを見せたのは豊昇龍だけでした」紙上大喜利53『じじいの時事ばなし』
〇大谷の飛球ショックで塀越せず〈水原イッペイ違法賭博・解雇〉〇世耕さんついに証人喚問か〈政倫審では安部派5人衆は誰も責任をとらず〉〇尊富士上位者〈大の里・琴ノ若・若元春〉破って2差を維持〈きょう勝てば新入幕優勝〉〇ロレックス預かりトンズラあれッ?クス〈客の気持ち〉〇口封じ圧政強める習・プーチン〈権力維持のため悪法連発〉俳句川柳3『ショック』
〇「おい、大谷翔平が猛打賞&2盗塁、トラウトが2発も…“なおエ”だってよ」「ご隠居、これからは救援というのをよしましょう。休演にしちゃうんだから・・・・」〇「AI論議が盛んにおこなわれているが、この先どうなると思う?」「あっしにはわかりません。藤井聡太6冠を諮問会議に呼んだらどうでしょう」〇「フィリピンから強制送還された強盗指示の容疑者4人はどうなった?」「さあ、ルフィに聞かないと何もわかりません」紙上『大喜利』(20)
ミライへ育む予算ある広報に載っていた言葉だ子供たちの未来へ予算を増やしていくという意味だろうがミライへ育む予算・・・・といわれると自信無げに聞こえる目の前に組まれた予算ではなくこれから育む予算のようだ意気込みはいいが当てにできるのだろうか市の行政にまやかしはないだろうが岸田総理の「異次元の少子化対策」には期待より疑念ミライと片仮名で表記される違和感はキツネとタヌキの親分子分に見えるからここで本気にならないと子どもの数はどんどん減っていくミライがミイラにならないように総理も市長さんも頼みますよポエム353『未来という危うきもの』
〇「おい、屋根裏の散歩者が捕まったらしいな」「ご隠居、まさかの江戸川乱歩ですね。アパートの仕切り板を壊して隣の女子大生の部屋を盗撮してたんですから」〇「それだけじゃないだろ?」「知ってますけど、それ以上はネ」〇「ところで、月面着陸は失敗したようだな?」「惜しかったですね、寸前で燃料が切れたらしいですよ」〇「民間企業で初めての月面着陸は来年きっと成功するよ」「月周回軌道から着陸予定地点まで近づけたデータは貴重ですよね」紙上『大喜利』(19)
銀座にある東方画廊での従業員同士の会話。「ちょっとさん、さっき外国人のお客様が入ってきたんだけど、あなたが爆睡していたので帰っちゃいましたよ」「あら、やだ。起こしてくれればいいのに」「それがさ、ぼくが起こそうとしたら唇に指をあてて制止するんだ。寝かせておけと言われちゃどうしようもない」「へえ、いくつぐらいの人?」「40歳ちょっとぐらいかな。ブラビに似た人だった」「わオ、起こしてよ。ほんものだったらどうするのよ」「ぼくだって、蹴り飛ばしてやりたかったさ。客逃したかもしれないぜ」7月の昼下がりの事である。ちょっとさんと呼ばれた従業員は、何か用事を言いつけられると必ず「ちょっと待って」というのでつけられたあだ名である。画廊主の友人の娘で、最初はアルバイトで入ってきたのだが、ちょっとさんの知人がボチボチやって来て...新作短編小説『指』
おいしい味を消したくないからぼくはお茶を飲まない初めて就職した会社の社員食堂で同期入社のその男はそう言った意想外の独白を聞いて頭の中が混乱したえ?そんなこと考える人いるの?緑茶の旨味に慣れ親しんできた身にはとても耐えられない発言だったその人のせいとは言わないが入社して一か月で退職した紆余曲折のあった人生だが昨夜ふとあの時の感覚を思い出した半世紀ごしの感覚がまだ納得のいかないまま残っていた人間っておかしな生き物だねこんな些細なことを引きずってきてあと何年あるかわからない余生をかさぶたを抱えたまま生きるのだろうかポエム352『半世紀ごしの思い』
〇「大谷翔平の5号ホームランは幻に終わったな」「ヤンキースのジャッジがジャンプして捕ったんですよね」〇「それだけじゃないぞ、グラブで弾き落として素手でキャッチしたんだ」「一瞬落としたかと思ったのにしっかり掴んでましたね」〇「おまけにジャッジは6号ホームランだ、すごいね」「ご隠居、ジャッジにほれ込んでますね、だけど大谷は2本差ならまだいけますよ」紙上『大喜利』(18)
別部刑事は容疑者のアパートに踏み込んだ際、包囲網をすり抜けられるという失態を演じた当事者である。容疑者のヤマワキは同棲していた女性の首を絞めて殺し、深夜JRの線路に死体を横たえて轢死に見せかけた知能犯でもある。遺体の検証は困難を極めたが、司法解剖によって轢死する前に遺体の一部に皮下出血の痕跡があることがわかった。所轄署の刑事4名は逮捕状を取るなど準備を整えて翌々朝容疑者のアパートを急襲したのだが、すばしっこいヤマワキの動きに幻惑されて取り逃がしたのは前述したとおりである。すぐに非常線を張ったもののヤマワキは網にかからず、行方知らずの状態が幾日も続いた。警察への批判が相次ぎ、まもなく公開捜査に踏み切った。モンタージュ写真を載せたビラを大量に刷って主要駅やバスターミナルで配布する一方、テレビや新聞で公開手配し...新作短編小説『耳』
トケイソウ画像は(季節の花300)より時計草は大地の腕に巻いた腕時計めしべにはお洒落な長針と短針スイス製の奇抜な職人の最高傑作どうやって時間を見るの?現代人はいつも「時」に縛られているこれは時を忘れるために創った時計だ大地の腕に巻いた腕時計には聖なる愛の花言葉が送られた八月の太陽にも平然と咲く大地の花大地はなんて素敵な存在なんだこんな腕時計を贈られて時を忘れられたらあなたにも贈呈します、とスイスの奇抜な時計職人の元にはまだ9個の腕時計が残っていて遺言と共に保管されているそうだポエム351『時計草』
〇「腹立つなあ」「わかった、原辰徳監督にハラ立っているんでしょう」〇「あれだけの戦力を持っているのに中日にも負けて最下位だぞ」「どうしてクビにならないのか不思議ですね」〇「佐々木朗希は山本由伸に投げ勝ったな」「長いイニング163キロのストレートを投げさせて労基法違反じゃないですか」紙上『大喜利』(17)
菜の花畑(季節の花300)一面にひろがる菜の花畑きれいに咲いた菜の花を見ているうちにやがて実になって油を出すんだよなどこに油が潜んでいるのだろうと疑問を持ったそういえば胡麻でも大豆でもエゴマでも植物の種はみな油分を含んでいるんだ子孫のために必要な油なんだろうな将来子孫が生きるために歯車をまわすんだこうした植物の栄養をいただきながら人間はその生態を真似するだけ脂汗をかく油を搾られるすみません何一つ実態の伴わない空虚なことばプラファスナーでも飛行機でも先生は自然界人間は飛びぬけた真似し小僧のほっかむり発明だ特許だと我が物のように主張して自然界から搾取するだけまあいいさ花や実に畏敬を抱き称え続ける謙虚さがあるうちは菜の花の黄色は幸運のシンボル菜の花畑を眺めて今日も幸せポエム350『菜の花』
〇「おい、サクラも終わったな」「ご隠居、連日花見に行ってましたがどこが良かったですか」〇「どこの桜を見てもクラサを感じてな・・・・」「やだやだ、ご隠居もっと陽気にいきましょうよ」〇「千鳥ヶ淵を見てみろよ、戦没者を慰霊する場所だぞ」「そりゃそうですけど、楽しむだけのために植えたサクラの名所がたくさんありますよ」紙上『大喜利』(16)
シャガ画像は(ウィキペデイア)よりシャガの咲く季節になってこの花は幾多のイクサを鎮撫して長い歴史を見守ってきた花だと実感するなにかの縁でこの地に移り住んで山襞に群生するシャガを愛でてきたが天然の要塞を彩るにふさわしい慰撫の花だとも戦にスポットを当てれば歴史はイクサ少ない耕作地を耕して実りを得た人びとは歴史からは記録をたどれない山では狩猟海では魚や貝や海藻をもくもくと採る生活を営んできた関東武士が開府した六百年前の記憶の裏でなんと哀れなイクサ人よ墓もつくれずに野ざらしとなるしゃれこうべいつの世にも繰り返される闘争の成れの果て安らかに眠れ鎮撫の花シャガが休みなく咲く小止みなく降り雪ぐ梅雨前(さき)の雨ああ忍耐の花シャガに雨が降るポエム349『シャガに雨』
裏山に目を転じるとシャガの花がポツポツと咲き出した。これがあっという間に群生になるのだから、うかうかしていられない。追いかけるように山吹の花が光を集めている。山吹色には縁がないが、なんとなく安心な古風植物。ちなみに上記画像は2020年5月初めにアップしたものです。今年は20日ばかり早い感じです。(春・2)裏山にシャガの花
冬の間ごぶさたしていた庭畑は、ほぼ野生化していた。クワを入れていないので、去年の野草や花たちが好き放題に咲いている。スイセンは西洋スイセン、スズランスイセンが花を競っていたが、あまり注目されないうちに季節が過ぎた。ふと目の高さに新芽をつけたキウイの枝が・・・・。冬の間に追肥をあげなくちゃと思いつつ、何倍にも薄めた液体肥料で事を済ます横着者。それでも自然な落葉をたい肥にして新芽をつけてくれた。葉っぱの下にはもう花の蕾もビッシリと。これが実になるのだからけなげなもんだ。蔓は上へ下へと勢いのまま伸びるから、地面を這う枝は支柱を入れて持ち上げなければなるまい。いやでも元気を見せなければならない季節の到来だ。(春・1)キウイがくれる元気の素
撫子の花画像は(季節の花300)よりなでしこは撫子色に咲くむかしから変わらない優しい色しとやかで慎ましくお嫁さんに最も望まれた女性の象徴ひとの通る散歩道の傍らでくさに紛れてひっそりとうえを見る者には気づかれないしたを見る者には嬉しい足もとの花おもいでは数知れずいまさら披露するのは恥ずかしいあなたに学んだ生き方だからあなたにだけは耳打ちするねなでしこさん撫子さんまた会えるといいねさようならポエム348『撫子の歌』
〇大リーグ開幕大谷(翔平)零封も逆転負け〇いつか来た道天使はいるのかエンゼルス〇弱すぎるリリーフ陣に特大ため息〇9回まで投げなきゃ勝てない?嘆き節(大谷ファン)〇エンゼルスはジャパン(WBC)のストッパー誰か買え〇大谷の降板待ってひと仕事(相手チーム)〇吉田正尚(レッドソックス)マルチヒットで好調維持〇三振をしない男の異名も冴え(吉田正尚)〇ヌートバー(カージナルス)もヒットを打ってクールな顔(ペッパーミル卒業)〇千賀(メッツ)に期待ケガ完治して4番手先発?川柳復活5『大リーグ開幕』
東の空が明るみはじめると田舎の集落は賑やかになるコケコッコーウウウー雄鶏が首を伸ばして声を振り絞るオンドリャー早く鳴かんかいボスが若いオスをひと睨みするとどの家の鳥小屋からも騒がしい足踏みが始まり時告げ鳥の声で夜の幕を巻き揚げられるつられて若い女房たちが夜具を抜け出し竈に松葉を突っ込んでマッチで火をつける細く割った薪をくべ火吹き竹で風を送るいっせいに立ち昇る白い煙の揺らぎ何百年続いてきた万葉の風景めんどりは卵をポトンと生み落とし腹が減ったと地面をつつきまわるああ夢の中のことではなくそのままでいい目覚まし時計など必要ないよ時告げ鳥がいるじゃないか少々眠い目をこすりながら火加減を見るやがて重い蓋を突き上げる湯気の匂い米が飯になる甘いかおり腹がグーッと鳴りこちらも時を告げるああなんという健康な集落よ忙しい世の中...ポエム347『時告げ鳥』
〇「ロシアがベラルーシに戦術核を供与したな」「戦況が行き詰ると核をちらつかせる、プーチンの常套手段でしょ?」〇「心配しなくていいのか?」「ご隠居、ものごとはどこでどう変化するかわかりませんからね」〇「英国がウクライナに劣化ウラン弾を供与したのも問題だろ?」「ロシアに口実を与えましたからね。紙上『大喜利』(15)
絶望の海に青い月が昇る海霧が後退し混沌の海が明らかになる人間は何万年もかけて蠢いてきたが遂にまた絶望の海を目前にしているもっと賢く進化すると夢見て来たのに手にしたのは究極の鉄器だった火と石斧に歓喜の涙を浮かべ踊り狂った記憶はまだ能皮質にあるのに月は嵐の予感に震えている海霧は跡形もなく消え去ったというのにますます濃くなる原始の海波もなく絶望の気配だけが満ちている青い月よ三日月のまま照らす月よ人間はまた原始の海に舞い戻ってきたふたたび箱舟を造る気力などあるわけはなくただただ究極の鉄器の感触を撫でさする絶望の海に青い月が昇る何万年も蠢いてきた記憶も今夜雲散する希望の欠片が残るかどうかなどもはや意中にない月夜が青く広がるポエム346『絶望の海』
〇「WBCは世界一を勝ち取って国中大フィーバーだけど、その後いく日焼き直し画像を見させるんだ?」「そういうご隠居も朝から晩まで見ていたじゃないですか」〇「翠富士は連日がんばっているけど2連敗しちゃったな」「大相撲ですか、ドングリを並べたようなものですから誰が転がっても不思議はありませんよ」〇『この次はサッカーで盛り上がるか」「そうですね。ウルグァイ戦に三苫が先発するそうですし」紙上『大喜利』(14)