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  • 下肢~足の筋膜症アプローチ(その4)モートン病

    1.病態足の5つある中足骨の基部は深横中足靱帯により固定され、足底の横アーチを形成している。横アーチの下には足趾間の知覚をつかさどる内側足底神経・外側足底神経などが走行している。モートン病の痛みはこれらの神経興奮によるもので、足裏の足趾にピリピリした感じが出現する。足底趾神経圧迫は、第3趾第4趾の間に最も多い。その理由は、内側足底神経と外側足底神経枝が交わる部位という解剖学的特徴による。ただし他の足趾間にもモートン病は生じる。モートン病の誘因となるのは開張足である。開張足になると中足骨間が開大し、深横中足靱帯が伸張する。するとこの靱帯を貫通する足底神経が絞扼され、神経痛を生ずるようになる。圧迫されている部の近くには仮性神経腫と呼ばれる神経腫ができ、この神経腫は痛みを生じる。2.症状跪座位(座位で踵を上げて...下肢~足の筋膜症アプローチ(その4)モートン病

  • 下腿から足の筋膜症アプローチ(その2)外反母趾 ver.1.1

    1.外反母趾の概要1)定義母趾がMP関節で小趾側に曲がり、第1中足骨と母趾基節骨の角度(HV角Halluxvaigusangle)が20度を越えた状態。外反母趾は中高年の女性に多い。※バニオンbunion:第1中足骨頭の内側部分の隆起。摩擦により生じた滑液包炎。発赤・腫脹・疼痛。2)外反母趾の病態生理深横中足靱帯(MP関節の近位部の足根骨と足根骨を結合する靱帯)のゆるみ↓足の横アーチ消失して開張足。靴幅が狭く感じる↓第2趾MP関節底部趾基部で接地し、床を蹴って前進するという習慣(接地部に鶏眼や胼胝が好発)↓歩行時に母趾屈曲力(長・短母趾屈筋収縮)を必要としなくなり、浮き趾になる。↓母趾の存在がかえって歩行の妨げになり、徐々に母趾が外反する。3.外反母趾の治療1)運動療法ゴムバンドを両足の母趾にかけて離す動...下腿から足の筋膜症アプローチ(その2)外反母趾ver.1.1

  • 下腿から足の筋膜症アプローチ(その3)足底筋膜炎

    1.足底筋膜炎の概要1)解剖①足底の筋は、表在性の足底筋膜に覆われている。足底筋膜は踵骨隆起から起こり、足の指に至って足底の縦のアーチ維持に貢献している。②足底筋膜に加わる張力の反復により、足底筋膜の付着部に牽引ストレスが作用し、また足底筋膜の微小断裂を起こす。長距離走の選手に多い。2)症状痛みの直接原因は足底を走行する脛骨神経分枝の神経痛による。①足底部の脛骨神経分枝刺激歩行開始時や走行中に、踵骨前縁(失眠穴前方)や土踏まず部(足根穴)が、ビリビリと痛む。※足根穴とは聞き覚えのある奇穴だが、本穴がどこに位置するか、いろいろ調べても分からなかった。中国の記事で<足根穴は湧泉穴の別称>との記述を発見したのだが、足心と湧泉は明らかに位置が異なる。困っていたが、ついに間中喜雄訳「奇穴図譜」(医道の日本社編)に、...下腿から足の筋膜症アプローチ(その3)足底筋膜炎

  • 下腿から足の筋膜症アプローチ(その1)全体像

    1.前腕筋の構造と針灸治療理論下腿の筋構造と筋膜症状について記す前に、前腕の筋構造と筋膜症状について整理する。前腕には手関節と手指関節を動かす筋が収まり、下腿は足関節と足趾関節動かす筋が納まるという構造的共通性があるためである。前腕部の屈筋には浅層と深層に分かれ、浅層は手関節背屈作用がある。深層は指を屈曲作用がある。たとえばバックハンドテニス肘には、短橈側手根伸筋(手三里外方)を施術するとよい。第2~5指バネ指に対しては、浅・深指屈筋(郄門の内方で心経上)への施術を行う。つまりつまり前腕症状はもちろん、手指症状であっても、前筋に対して針灸施術することになる。前腕屈筋で、浅層筋は手関節の屈曲に関係し、深層筋手指の屈曲に関係する。バネ指の針灸治療ver.3.3https://blog.goo.ne.jp/an...下腿から足の筋膜症アプローチ(その1)全体像

  • 脳清穴の臨床応用例 ver.2.0

    「脳清」という奇穴があることを知ったのは、月刊誌「針灸OSAKA」の特効穴特集の記事による。今から40年も昔のことであった。特別に運動した訳でもないのに、私はたまにこの部位に鈍痛を感じることがあった。この圧痛反応は、足三里の圧痛とは無関係だったこと。また「脳清」という名称が脳や精神に効きそうなイメージもあり現在でも興味をもっている。1.脳清穴について足関節背面には内側から順に、前脛骨筋腱、長母趾伸筋腱、母趾伸筋腱の3腱が並ぶ。これら3筋腱は歩行やランニング等で協調的に機能する。臨床上しばしば観察するのは、脳清穴部の鈍痛を訴える例で、長母趾伸筋力が低下し母趾背屈力ができない状態である。長母趾伸筋の大部分は前脛骨筋と長腓骨筋に覆われ、その遠位部のみ表層で確認できる。したがって長母趾伸筋腱を刺激するには脳清穴(...脳清穴の臨床応用例ver.2.0

  • 第9期針灸奮起の会「整形外科の現代針灸」実技講習会、無事終了しました。

    針灸臨床を初めて早や40年が経過しました。先輩方の模倣からスタートした治療でしたが、少しづつ自分なりの治療体系を構築し続けて現在があります。私の治療もベースは現代針灸ですが、現代針灸治療を実践されている先生方は他にも大勢いらっしゃるわけです。そこで私の現代針灸スタイルを、AN現代針灸(英語名ANmodernacupuncture)と標榜することにしました。AAとはATSUSHINITADAすなわち似田敦のことです。この変更に伴い、本ブログは「現代針灸治療」から令和6年7月6日より「AN現代針灸治療」とタイトルを変更しました。先回の令和5年春には、第7期針灸奮起の会「五官科の現代針灸」を、同年秋には「内科症状の現代針灸」の針灸実技講座を実施しました。今回は一周回って元に戻り令和6年「整形外科の現代針灸」の実...第9期針灸奮起の会「整形外科の現代針灸」実技講習会、無事終了しました。

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現代医学的鍼灸治療
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