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2010/08/09

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  • 第3374日目 〈永井荷風「元八まん」を読みました。〉

    永井荷風に「元八まん」という随筆がある。それを教えられたのは御多聞に洩れず平井呈一の文章であった。典拠を確かめるために該書を引っ張り出そうとしたが、あいにくダンボール箱の山の後ろの本棚にそれはあって出してくることができない。ただその文章が牧神社版『アーサー・マッケン作品集成』のどの巻かの解説であったのはまちがいない。創元推理文庫の『恐怖』でたしかめると、その文章は第2巻『三人の詐欺師』所収「赤い手」解説の一節であった。 かいつまんで申せばマッケン文学の特質の1つとして、世紀末ロンドンを隈なく歩きまわり、目にする風俗を捉えた一種の都市綺譚、の趣を呈すところがある。それが平井翁をして荷風の『濹東綺譚』や『日和下駄』、そうして「元八まん」などを想起させる、というのだ。思い出してみればわたくしが荷風散人の文学へ一歩足を踏み入れ、断続的ながら今日まで読み続けてきているのはこうした指摘に導かれて..

  • 第3373日目 〈東雅夫・編『文藝怪談実話』を読みました。〉

    『新耳袋』が導火線役を果たした今日の怪談実話ブームは日本各地に埋もれる怪談奇談口承の発掘を活発化させ、いまでは沈静の様子を見せているようだ──というのは見せかけで実際のところは深化と熟成の段階に差しかかっており、と同時に〈温故知新〉の風潮も顕在化してきているようである。 その風潮の好例が戦前まで文学・芸術・学問に携わる面々を主な出席者として頻繁に行われたという【百物語】や【怪談会】、或いは【怪異体験】の記録の掘り起こしではあるまいか。その音頭を取っているのが斯界にこの人ありと呼ばれるアンソロジスト、東雅夫だ。その氏が編纂した怪談実話アンソロジーとして特に名を挙げたいのが、『日本怪奇実話集 亡者会』と『文藝怪談実話』の2冊である。今回は後者の感想文を以下に稿す。 本書『文藝怪談実話』(ちくま文庫 2008/07)は、明治大正昭和三代の文豪たちの心霊随筆にサンドウィッチされて開陳され..

  • 第3372日目 〈ヒルティの言葉を、悪役を演じる心の支えとして。〉

    いつもながらの私事を話させてください。 ── このたびわたくしはふたたび、手酷い裏切り役を演じました。事実を伝えられぬ歯がゆさが残るとはいえ、正直なところを申せば悔いはまったくありません。あらかじめ周到な用意の下に準備された新規部署への道筋を付けるためには必要な通過儀礼だったのだ、と思うことにします。 ヒルティの言葉を引用して、きっと碌でもない老年期を過ごすに相違ない自分への慰めとし、いまは決起するための燃料投下としよう。曰く、── 神の怒りはとけ──戸は開かれた── あわれな魂は解き放たれた。 わたしの前途にはかぎりない希望と 奇跡にみちた時とがある。 ──と。ヒルティ『眠られぬ夜のために 第一部』九月一日の条(P248 草間平作/大和邦太郎・訳 1973/05)より。◆ 眠られぬ夜のために 1 (岩波文庫)出版社/メーカー: 岩波書店発..

  • 第3371日目 〈いまは04月11日。5月中旬までの原稿を完成させておきたいなぁ。〉

    「エズラ記(ラテン語)」再読ノートは全章完成させたあとで、ブログへの予約投稿を済ませました。そのためか、なんだか気持ちにゆとりが生まれたのです。 本稿は04月11日に書いておりますが、お披露目は2週間後ぐらいになっている筈。「エズ・ラ」最終章がお披露目される頃には、5月中旬あたりまでの分の原稿を書きあげ、同じように予約投稿を完了できるようにいま、スキマ時間を縫って執筆に励んでおります。 文章を書きあげるためにはまず書き始めよ。書いたものはそれずべて貯えとし、然る後は天に富を積め、ならぬ、cloudに富を積め。──至言ではありませんか、と自画自賛。◆

  • 第3370日目 〈これからも書いてゆけるもの、もう書くことはできないもの。〉

    これからはいままで書こうと企んで(望んで)放置していたものを、資料を蒐めて検討し、メモを取り、書いては直しを繰り返して一編の文章を完成させてゆきたい、と思います。ずっと机上に辞書類と並んで置いてある『新潮日本美術文庫6 岩佐又兵衛』(新潮社 1997/03)を目繰っていて、そんな心を固めました。又兵衛絵画との出会いやド嵌まりぶりについては後日に、また。 もう書くことは不可能であろうジャンルやテーマもあるけれど、それでも少しずつ、残滓の如く澱の底へあり続けてふとした拍子にそれあることを意識する事柄に関しては、ゆっくりした歩みになろうとも一編一編、重ねて最終的に相応の量になることを期待したいのです。顧みるまでもなくそれが自分の生きた、唯一の証しとなるがために。 ちなみに書くことを諦めているテーマとは、H.P.Lovecraft論であります──10代の終わりからのテーマですが、いまのわ..

  • 第3369日目 〈YouTubeで懐かしい洋楽を視聴しよう!(その6)〜GO-GO'S"Vacation"〉

    GO-GO'Sからどの曲にするかと悩んだが、最初に聴いたアルバムの1曲目を飾るこの曲を選んだ。既に第3354日目ベリンダ・カーライルの回で簡単に触れたけれど、これを聴いたのは1990年代前半、都内のと或る区役所の視聴覚室から殆ど傷のないLPを借りて貸出期間1週間、たっぷり聴き耽った。 改めて書いておくと、1982年発表の2ndアルバム《Vacation》の1曲目を飾ったのが、今回の〈Vacation〉だ。これのオフィシャルMVがあるとは知らなかった。洋楽番組で観ていたかもしれないが、残念ながら当然の如く記憶にない。当時アメリカ在住だった親戚からの情報があと数年早ければ、ベリンダ・カーライルに気附いたと同じタイミングでGO-GO’Sにも関心を向けられたのかもしれないが……。 動いているGO-GO’S時代のベリンダを観たとき──スッゲーぽっちゃりさんだったことに吃驚!! まぁGO-G..

  • 第3368日目 〈エズラ記(ラテン語)第16章;〈エズラの哀歌〉、〈終末への主の僕の準備〉with「エズ・ラ」読了のご挨拶。〉

    エズラ記(ラテン語)第16章、「付録の諸預言」2/2です。 「付録の諸預言」2/2 エズ・ラ16:1-35〈エズラの哀歌〉 おお、アジアばかりか、バビロンもエジプトもシリアも、総じて不幸だ。神なる主の怒りがお前たちに突きつけられる。それから逃れる術はない。この災いが取り消されることも、また。 「見よ、飢えの打撃が襲って来る。その苦しみは鞭のようだ。それは戒めのための懲らしめ。それにもかかわらず、人々は不正を改めず、これらの懲らしめにもかかわらず、その懲らしめを永久に思い起こすことはない。」(エズ・ラ16:20-21) 平穏が訪れたかのような時が来る。が、それこそ始まりなのだ。飢えが多くの人々を苦しめて死なせ、剣が残った人たちを狩って屠る。自分以外に誰か生き残った者はいないだろうか、と捜すのは無駄なこと。町は滅び、地は荒廃の一途を辿ってゆくばかり。 エズ・ラ..

  • 第3367日目 〈エズラ記(ラテン語)第15章:〈近づく災難〉、〈恐るべき幻〉&〈アジアに対して〉with悪党との縁切りなった歓喜の日に綴る希望と栄光の歌。〉

    エズラ記第15章、「付録の諸預言」1/2、「第6エズラ記」の最初です。 「付録の諸預言」1/2 エズ・ラ15:1-28〈近づく災難〉 主がいった。 わたしが送りこんだ預言の言葉を民へ伝えなさい。その言葉を記録させなさい。預言の言葉は真実で、信頼できるものだから。 これからあなたは多くの、あなたをよく思わぬ衆から嫌がらせをされ、誹謗中傷を受け、痛めつけられるだろう。が、恐れるな。揺らぐな。かれらは不敬虔ゆえに滅びる。盗人を赦さない。仲間外れを赦さない。嘘つきを赦さない。わたしは、断じて連衆を赦さない。ゆえに滅ぼす、かならず。 わたしはかれらを赦さない。談じて、赦したりはしない。かれらの不正は既に行き着くところまで来ているから。「彼らが行う不敬虔に対して、わたしはもう黙ってはいない。わたしは、彼らの不正なふるまいを忍耐しないだろう。見よ、潔白で正しい者の血が、わた..

  • 第3366日目 〈エズラ記(ラテン語)第14章;〈序文〉、〈啓示の記録について〉with生前の誹り、死後の誉れはわが本懐。〉

    エズラ記(ラテン語)第14章、「第七の幻」です。 第七の幻 エズ・ラ14:1-17〈序文〉 3日が経った。灌木の茂みで炎が燃え盛っている。そのなかから私を呼ばわる声がした。はい、私はここにおります。そう返事した。 主がいった。曰く、── 私はかつてモーセに民のための戒めとふしぎな御業と、時の終わりと時の秘密を明かした。その際、公にして構わぬ言葉と秘匿しておくべき言葉を分けて与えた。モーセは民に別れを告げるとき、公にして構わぬ言葉(のみ)をかれらへ伝えた。 あなたも、あなたが見た夢、幻とその説きあかしを心へ留めておくように。わたしが示すことを書き留め、或るものは公にし、或るものは限られた相手にのみ読ませるように。 あなたは人々のなかからひときわ高くあげられる。時の終わりまで、あなたと同じように民のなかから一段高くあげられた人々と、わたしの子と、一緒に暮らす。..

  • 第3365日目 〈エズラ記(ラテン語)第13章;〈海から昇る人〉、〈幻の説明〉他with夢野久作「悪魔祈祷書」が最初だった。〉

    エズラ記(ラテン語)第13章、「第六の幻」です。 「第六の幻」 エズ・ラ13:1-13〈海から昇る人〉 7日目の夜であった。私はこんな夢を見た、── 嵐によって海は荒れている。その海のなかから、天の霊と共に人が現れた。かれに見つめられた者は皆、震えあがった。かれの声を聞いた者は皆、蠟のように熔けた。 多くの者が習合してかれに戦いを挑んだ。かれは武器も武具も持たずにかれらを撃破した。口からは火の流れのようなものを、唇からは炎の息を、舌からは稲妻の嵐を発した。それは混じりあって、かれに戦いを挑んだ者は皆、焼き滅ぼされた。灰の粉と煙の匂いだけがあとに残った。 そのあと、様々な表情を面に浮かべた人々が、かれの許へやって来た。山から降りてきたかれが、その人たち平和な群衆を招いたのである。 私はそら恐ろしくなって、いと高き方に祈った。曰く、── エズ・ラ13:..

  • 第3364日目 〈エズラ記(ラテン語)第10章2/2-第12章;〈鷲の幻〉他with趣味の怪談読み。〉

    エズラ記(ラテン語)第10章2/2、第11章、第12章、「第五の幻」です。 エズ・ラ10:60-12:3 1/2〈鷲の幻〉 2日目の夜である。こんな夢を見た、── 1羽の荒鷲が海から昇ってきて、瞬く間に全地をその翼の支配下に置いた。鷲には頭が3つあって微動だにせず、うち真ん中の頭は他にくらべて一際大きかったのである。また、羽の生えた翼が12,あった。その鷲が翼の下に全地を支配したのである。 「わたしは、天の下のものすべてが、鷲に従っている有様を見た。だれも、地上にある被造物のうち一つとしてこれに逆らうものがなかった。」(エズ・ラ11:6) 見ていると、右側から順番に羽が起きあがってきて、それぞれ全地を支配していった。1つの羽が消え失せるとすぐに次の羽が起きあがり、次々に地上の主権を行使していった。12枚の羽が消えたらば、羽と羽の間に生えた小さな逆毛の、8枚の羽がそ..

  • 第3363日目 〈エズラ記(ラテン語)第9章2/2&第10章1/2;〈エズラの祈り〉他猫は嫌いだ、あっち行け。〉

    エズラ記(ラテン語)第9章2/2と第10章1/2、「第四の幻」です。 第四の幻 エズ・ラ9:26-9:37〈エズラの祈り〉 天使に命じられた通り、私は、まだ人の手が入ったことのない野原へ行き、花を食べて7日を過ごした。7日目の夜、心がまた騒いだので、いと高き方へ祈って曰く、── われらが祖先がエジプトを出てカナン目指して荒れ野を彷徨っているとき、主よ、あなたはかれらの前に御姿を現しました。そうして律法をお授けになった。 が、律法を受け取ったわれらの多くは滅びた。それを守ることがなかったからです。 その一方で律法それ自体は滅びることなく今日まで伝えられてきました。なぜか。当たり前です。それはあなたの律法なのですから。 「律法は滅びることなく、その栄光を保ち続けるのです。」(エズ・ラ9:37) ──と。 エズ・ラ9:38-10:24〈泣く女の幻〉 ..

  • 第3362日目 〈エズラ記(ラテン語)第7章2/2-第9章1/2;〈代願の不可能なこと〉他withBrand new days, (つぶやき・なう)〉

    エズラ記(ラテン語)第7章2/2、第8章並びに第9章1/2、「第三の幻」2/2です。 エズ・ラ7:102-115〈代願の不可能なこと〉 私は問うた、代願は可能か、と。 裁きの日、その日のために義人は、不敬虔な者たちのために執り成しをすることができるでしょか。かれらに代わって、かれらが救われる道が用意されるよう祈り、願うことはできるでしょうか。 天使が答えてそれに曰く、否、と。 誰かが誰かのために赦しを請うことは、けっしてできない。誰もが己の不正な行い、正しい行いの責任を持たねばならぬからだ。 私は問うた。 モーセ以来預言者や為政者は皆、自分のためではなく、他の者たちのために祈ってきました。「滅びる者がはびこり、不正が増し加わっている今、義人たちが不敬虔な人たちのため祈っているのに、どうしてあの裁きの日には、それができないのでしょうか。」(エズ・ラ7:111..

  • 第3361日目 〈エズラ記(ラテン語)第6章2/2、第7章1/2;〈エズラの問い──創造の意図と現実との開き〉他withあなたといっしょに暮らす夢を見た。〉

    エズラ記(ラテン語)第6章2/2と第7章1/2、「第三の幻」1/2です。 第三の幻 エズ・ラ6:35-59〈エズラの問い──創造の意図と現実との開き〉 7日の断食が終わって8日目の夜、私は問いかけた。 神よ、あなたは7日にわたって天地を想像し、闇と光を分け、陸と海を分け、生物を造り、人間を創造した。いずれもあなたが選んだ民のため、という。 ならばどうして取るに足りぬ存在であるはずの諸国民にあなたの民の命運を握らせたのか。われらはこの世を相続することはできないのでしょうか。こんな状況が果たしていつまで続くのでしょう。 エズ・ラ7:1-44〈天使の答え──裁きと相応の報い〉 以前と同じように天使ウリエルが現れて、こういった。 この世の出入り口は狭く、険しく、悲しみにあふれ、労苦の満ちたものである。が、大いなる世の入口は広く、安全だ。生きている者はこの狭..

  • 第3360日目 〈エズラ記(ラテン語)第5章;〈終末のしるし〉、〈エズラの問い──選びと苦悩について〉他with140字で宇宙を作り出すのは難しい。〉

    エズラ記(ラテン語)第5章と第6章1/2、「第一の幻」3/3及び「第二の幻」です。 エズ・ラ5:1-13〈終末のしるし〉 その日が来たら、と天使がいった。 その日が来たら、人々の心は恐怖に囚われ、真実は隠され、不義が全地にはびこる。お前が見る国々はいまでこそ世界の覇者の地位にあるが、やがて乱れて町は廃墟となり、終いにはその国土は荒れ野となる。 しかし、神がお許しになりお前が生き永らえられるならば、その3日後に天変地異が起こるのを見るだろう。誰も望まぬ者が支配者となり、口を開いた深淵から炎が湧きあがる。身重の女はこの世のものならざるを生み、人々はいがみあって殺しあう。星は軌道を外れてゆく。分別は隠れる、知性は姿をくらます。何人もそれを探し出せない。 「人々は望んでも得られず、働いても道は整えられない。」(エズ・ラ5:12) いまのお前に見せられるのはここまでだ。..

  • 第3359日目 〈エズラ記(ラテン語)第4章:〈天使の答え〉、〈人の思いと神の計画〉with労働とはなおざりにするべからざる<義>である。〉

    エズラ記(ラテン語)第4章、「第一の幻」2/3です。 エズ・ラ4:1-21〈天使の答え〉 この世の罪についてのわが問いに答えたのは、天使ウリエル(神の前に仕える4大天使の1人)であった。 天使が曰く、これから3つの譬えを、お前の前に提示する。1つでも解き明かせたら、お前が見たい道を示そう。邪な心についても教えよう。これが譬えである、── 炎の重さを量れ。 風の大きさを測れ 過ぎ去った歳月を取り戻せ。 ──どうだ、お前が解き明かせる譬えはあるか。 頭を振るよりなかった。それは無理です、と私は答える。斯様なことが人間に出来ましょうか。 それを聞いて天使がいった。曰く、── 「あなたは、生涯自分にかかわりをもつ事柄さえ知ることができないのだ。それなのにどうしてあなたの力量で、いと高き方の道を理解できよう。腐敗した世にさえ恐れおののく者が、どうして不..

  • 第3358日目 〈エズラ記(ラテン語)第3章;〈第一の幻〉、〈エズラの問い──この世の罪について〉withはっきりいう、続編を──〉

    エズラ記(ラテン語)第3章、「第一の幻」1/3です。 「第4エズラ記」 エズ・ラ:1-2〈第一の幻〉 都が陥落して30年が経った頃、エズラこと私サラティエルは独りしバビロンに在った。胸騒ぎに怯える夜、種々の思いが心のなかを通ってゆく。シオンは荒廃し、バビロンは繁栄している。 エズ・ラ3:3-36〈エズラの問い──この世の罪について〉 私はおそるおそる主なる神に問いかけた。曰く、── 自らに形を擬してアダムを作り、それに命を吹きこみ、あなたは人間を作った。アダムはあなたの掟を破り、楽園を追放されて、人間は罪を負う者、罪を犯す存在となった。 あなたは地上に増えすぎた人間を、義人ノアとかれの家族を残して他は洪水の犠牲とした。ノアの系譜から幾人かの義人現ると雖も人々は変わることなく罪を犯し、重ね、あなたを顧みることもなくなった。 やがてあなたはアブラハムを..

  • 第3357日目 〈エズラ記(ラテン語)第2章;〈エズラへの主の言葉〉2/2、〈ホレブの山のエズラ〉&〈シオンの山のエズラ〉with言葉は災いも招くのだから。〉

    エズラ記(ラテン語)第2章です。 エズ・ラ2:1-32〈エズラへの主の言葉〉2/2 斯様な次第でわたしはわたしの民を捨てる。かれらを生んだ母の嘆きを聞け。喜び持てかれらを育てたにもかかわらずかれらを悲痛と悲嘆のなかに失う母の嘆きを聞け。 お前エズラは証言せよ。かれらが父の契約に背き、母を悲痛の極みへ追いこんだことを。かれらはそれゆえ異邦人のなかに散らされる。 エズラよ、わたしの民に告げなさい。わたしはイスラエルに与えた栄光を、イスラエルに与えるはずだった王国を、用意しておいた永遠の幕屋を、わが民から取りあげ、わたしの言葉に聞き従う者たちに与える、と。 わたしの言葉に聞き従って生きる者はそのとき、命の木が薫らせる香油の香りに包まれ、労苦から切り離されて生きる。かれらのなかにはわたしの名が刻まれている。それゆえかれらは死して後よみがえる。 捨てると決めたわが民よ..

  • 第3356日目 〈エズラ記(ラテン語)第1章;〈エズラの略歴〉、〈エズラへの主の言葉〉1/2with吉川忠臣蔵、読書再開。〉

    エズラ記(ラテン語)第1章です。 「第5エズラ記」 エズ・ラ1:1-3〈エズラの略歴〉 預言者エズラはアロンの家系に列なる祭司である。ペルシア王アルタクセルクセス王の御代、エズラはメディア人の地で捕囚となっていた。 エズ・ラ1:4-40 わたしはイスラエルの民の主である。わたしはエズラを預言者に立てて、わたしの言葉を預ける。エズラよ、行って民に伝えよ。即ち、── お前たちは先祖よりも多くの罪を犯し、わたしを忘れた。異民族の神を崇め、献げ物をささげ、わたしの目に悪と映る行いにばかり耽ってわたしを顧みようとしなかった。エズラよ、行ってわが民に災いを投げつけよ。わたしに律法にかれらが従おうとしなかったからだ。 わたしはお前たちに、エジプトを脱出する算段を授けた。割れた海を逃れて荒れ野に入り、飢えれば水と食べ物を与え、カナンへの途を示した。しかしお前たちはわた..

  • 第3355日目 〈「エズラ記(ラテン語)」前夜〉

    旧約聖書外典とされながらカトリックでは第二正典と扱われず、プロテスタントでも退けられている「エズラ記(ラテン語)」(以下、「エズ・ラ」)でありますが、ギリシア語訳からラテン語に重訳された本書は長く中世のカトリック教会では読まれてきた書物でありました。「正典とは認めていないけれどそれに準ずる書物」という受け取られ方だったようです。 今日では新共同訳と聖書協会共同訳に「続編」の1冊として読むことのできる「エズ・ラ」ですが、これを取りあげた研究書や概説書は数多あれど所謂註解書の類を持たぬことが、余り読まれていない最大の理由なのかな、と思います。依拠するに足るのが此度の再読テキストに採用した『旧約聖書続編 新共同訳 スタディ版』(以下、『スタディ版』)だけとあっては読者層の広がりは到底望み得ぬことではあるまいか、などと心配になってしまいます。 前置きはこのぐらいにして、それでは「エズ・ラ..

  • 第3354日目 〈YouTubeで懐かしの洋楽を視聴しよう!(その5)〜ベリンダ・カーライル”輝きのままで(Leave A Light On)”〉

    毎週のようにTVKの洋楽番組を観ていた。お小遣いもアルバイト代もたかがしれている高校生にとって、EPもLPも吟味に吟味を重ねたうえで購入するものであったから、『SONY MUSIC TV』や『ミュージックトマト』、テレ朝『ベストヒットU.S.A』は海彼の未知のアーティストを知る限られた手段であった。勿論、FM放送は除いている。本稿はあくまで映像のお話なのだ。 1989年である(らしい)。ボンヤリ観ていた『SONY MUSIC TV』で1人の女性アーティストの新曲MVが流れた。釘付けになった。耳が、ではない、目が、である。本稿は。ずっと活動していた人であったが未知未聴、未見の人であった。名前をベリンダ・カーライル、という。かつてGO-GO’Sでヴォーカルを務めた女性。 そのとき流れたのは「Leave A Light On」。ソロに転進して3枚目のアルバム、《Runaway Hors..

  • 第3353日目 〈田中河内介は最強クラスの怪談ですね。〉

    言葉の由来が気になって、手持ちの辞書を総動員し、図書館へ籠もって調べる時期が、その昔あった。為、『氷菓』千反田える嬢の台詞でお気に入りの1つが「ところで『キナ臭い』の「きな」ってなんでしょうね?」なのだ、というても、ああ成る程、と納得してもらえるように思う。 ……まこと、好奇心は知識を獲得する原動力だ。時に人の憎しみを誘い、怨恨の連鎖に巻きこまれることありと雖も、好奇心は人を駆り立てる。田中河内介から寺田屋騒動に興味を持ったらば、教科書や用語辞典を繙き概略を得、関心あらば根掘り葉掘り調べてもよろしかろう。 が、その作業をしていてどうあっても、田中河内介に帰り着くならば、……これはもうやはり、河内介の祟りがまるで関係ない人にまで及んでいるンじゃぁないか、と不気味な想像が働く。 語っても聞いても祟られる、とは『残穢』の一節と記憶するが、わたくしは田中河内介の話を読んでいるといつも..

  • 第3352日目 〈初代円朝『怪談乳房榎』が読める。〉

    怪談落語の雄といえば、六代目三遊亭圓生である。三遊亭、つまり三遊派は初代三遊亭圓生を祖として今日まで錚々たる実力者をいつの世代にも輩出した、文化年間から令和まで続く名派。此度ご紹介する初代三遊亭円朝は六代目圓生から遡ること60年以上前にお江戸は湯島で産声をあげた。 三遊亭円朝は従来の人情噺のみならず、自身創作の筆を執って高座へ掛けた人。創作落語で最も有名かつ代名詞なのが怪談噺、つまり『真景累ヶ淵』、『怪談牡丹灯籠』と『怪談乳房榎』だ。 名作ゆえにこの3作、これまで何回となく各出版社から活字本が出版されてきた。ちかごろも2018/平成30年06月と07月、角川ソフィア文庫で刊行された。これ以前には岩波文庫で『牡丹灯籠』を除く2作が読めた。筑摩叢書の『円朝怪談集』では『怪談牡丹灯籠』と『怪談乳房榎』が収められていた(筑摩叢書87 筑摩書房 1967/08)。 学生時代に古本屋で購..

  • 第3351日目 〈未来を模索しよう。〉

    旧約聖書「箴言」にある、「働くものの渇望が、自分のために働く」(16:26)と。渇きを癒やすために人は働く。 好い言葉ではないか。企業側には願っても見ぬ人材あらわる、だ。目的はどうあれ、目の前に好物をぶら下げられたら、それを手に入れるため仕事に励むのは当然だろう。が、それは世情はどうあれ相応に安定した人生を送れる環境にある人ならば、てふ前提あってのこと。 昨日04月05日、ウクライナ避難民が政府専用機で到着した。テレヴィに映るかれらの顔には、安堵と疲労と不安が混じりあった色が浮かんでいる。言葉も習慣も異なるかれらが、兎角この、その実排他的で保守的な国でどう生きてゆくのか。 来日しても日々の糧は自分で得なくてはならないのだ。先の「箴言」はこう続く、「彼の口が、彼を駆り立てるからだ」と。食べるために働く、生きるために働く、という意味だ。 IS、過激派組織”イスラミック・ステイ..

  • 第3350日目 〈好奇心を失わない。〉

    知らなかったことを知る、調べて己のなかに蓄える。それが喜びの一つだ。 旧約聖書続編の読書に触発されたローマ帝国史ヘの関心。秋成の交友関係に名前を残す江戸文芸、学芸の才人たちの生涯と作品、その作風。 専らこの点にいま学ぶこと、知ること、蓄えること、の愉悦を感じている。 仕事の帰りに本屋で塩野七生の文庫を買った。帰宅して秋成交遊録の旧稿へ目を通した。わからぬこと、知らぬこと、納得ゆかぬ点、幾つもある。メモを取り、調べて知らなかったことを知り、蓄えて、一本の稿と成す。 大田南畝と秋成の間にあった清冽な交流録(新稿)はそうやって成る一本。お披露目できるはずだ。◆

  • 第3349日目 〈「読了」ツイートを本ブログに転載してゆきます。〉

    Twitterでは能う限り報告している「読了」報告。ブログには殆ど反映されぬ報告でもある。わたくしの意識ではあくまでTwitterはブログの補助ツールだ。されどTwitterで報告してもブログに反映されること、極めて僅か。 そんな不備解消を主目的に今後、本ブログでもTwitterで行った読了報告を転載してゆく。これまでドストエフスキーの短編でしか行ったことのない転載を、暫時実施してゆく。但し後日感想文となって昇華されたものはその限りでない。写真の転載も行わぬ。 また予めお断りしておくと、これは手抜きではない。統合、である。──これまで自分が書いてきた一切合財を本ブログに集約、最終的に統合してゆく、という。 明日以後、気儘に上記作業へ着手してゆくので、どうぞ宜しく。◆

  • 第3348日目 〈資料再蒐集収集の溜め息。(つうやき・なう)〉

    落ち着かぬ気持ちを宥めんと柏木如亭の詩集を読む。詩に詠われた地名から連想が働き、幕臣・国学者の詠歌へ至る。 斯くして一編のエッセイ、プロット成るも地名辞典、人物辞典、書物総目録の架蔵せざるに気附いて手痛さを覚える。 執筆のため好学のため神保町再訪予定。仕事の合間の資料再蒐集である。◆ 柏木如亭詩集 1 (東洋文庫0882)出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2020/09/30メディア: Kindle版 柏木如亭詩集 2 (東洋文庫0883)出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2020/09/30メディア: Kindle版 江戸漢詩選 ((下)) (岩波文庫 黄 285-2)出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2021/03/15メディア: 文庫

  • 第3347日目 〈連れ添ってくれる奥方様と、もうすぐ生まれてくる娘へ。〉

    いちねん前のブログ原稿を点検していて、ああもう1年が経ったのか、と感慨を深うせざるを得ませんでした。 エイプリル・フールのジョーク記事のつもりがやはり土壌はあったせいで間もなく現実となり、あの場にはびこっていたすべての淫悪、下人から遁れおおせて、いまは春の陽光のなかで過去を精算、切り棄てて得た代償──恩恵に身も心も浸してささやかな幸せを甘受できている。そうしていまは、お姫さまのお出ましを緊張しつつ待っています。 正直なところ、彼女はわたくしには過ぎたる存在であります。日常を共に営む盟友として、わずらわしくも務めねばならぬ世事に対する戦友として、仕事の疎ましさや憂鬱の愚痴を聞いてくれる慈母として、書き物のインスピレーションを与えてくれる女神として、およそ奥方様に優る女性があろうとは思えない。 生者のうちで1人だけ匹敵し得るのがいたけれど、自らの愚を白昼曝してわが人生から退場..

  • 第3346日目 〈日本語聖書・英訳聖書の各書物表記一覧。〉

    整理を兼ねて今日は聖書各巻の日本語書名に並べて、英語の表記を書き留めておきます。日本語書名は新共同訳に準じます。()内の表記は別称であります。 旧約聖書 Old Testament(Old Testament canon) 〈律法〉Torah、〈五書〉Pentateuch 創世記 Genesis 出エジプト記 Exodus レビ記 Leviticus 民数記 Numbers 申命記 Deuteronomy ヨシュア記 Joshua 士師記 Judges ルツ記 Ruth サムエル記・上 1 Samuel サムエル記・下 2 Samuel 列王記・上 1 Kings 列王記・下 2 Kings 歴代誌・上 1 Chronicles 歴代誌・下 2 Chronicles エズラ記 Ezra(1 Ezra) ネヘミヤ記 Nehemiah(2 Ezra..

  • 第3345日目 〈コールセンター業界へどっぷり浸かった10年間で体得したこと。〉

    役者さんと営業マン、コールセンターのオペレーターは似ている、という話をしたことがあります。また、コールセンターのオペレーターは探偵でもある、と。誰に? 馴染みのクラブのお嬢さんに。 こういうわけなのです。 与えられた役を演じる、素の自分ではない<誰か>を演じる。これが役者さんのお仕事です。営業マンも然り。自社製品を、自社取扱いサービスを売りこむためにかれらは仮面をかぶる。表情と声に磨きをかけ、相手の心理をたくみに操って成果へ結びつける。 これは、コールセンターのオペレーターにも当てはまることなのです。ただ、こちらの場合は顔の表情や身振り手振り、その場の空気というか相手との距離感に頼ることが難しい職種です。そのためにコールセンターの研修では必ずというてよいぐらい、「声の表情」と「受電中/待機中の姿勢」について口ウルサク指導されるわけです。 「受電中/待機中の姿勢」については..

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