先月の「休筆」から1ヶ月ほど経ったことになる。医師が施すべき処置が済み、自然治癒に任せるほどになったということで、一応の「癒え」に入って2週間ほど経った。人か…
小さな外国語スクールの代表者が発信する日常的なエッセイ。 好奇心と知性的な笑いを心がけている。
2009年暮れよりはじめて、 どこまで続くかな? おっ、まだ続いている!
「残り物には福がある」という言葉がある。人が取り残して、最後に残った物には思わぬ利得があることを意味するが、それが事実かどうかよりも慰めの言葉として、使い勝手…
今年も余すところ、あとひと月。いよいよ12月。旧暦での月の異名は「師走」。教師が走る月のように思えるが、年の瀬となり、僧(=ぼんさん)がお経をあげるために,東…
最近は、おにぎりブームだという。かつては高級食パンのお店に行列ができたように、高級おにぎり店に行列ができているという。おにぎりは、いつでもどこでも気軽に食べら…
今年の話題の一つはビートルズの新曲"Now And Then" がリリースされたこと。何を今更?というところであるが、これは、ジョン・レノンの1970年代のデ…
日本には、怪異物語の伝統がある。その中でも際立って異彩を放っているのが、上田秋成の『雨月物語』。短編の怪異話を集めた小説集。かつて、溝口健二監督により『雨月物…
ステレオタイプ(Stereotype) という言葉がある。ものの考え方や表現が紋切り型で一様であることを表現する時に使われる言葉。元々は社会学の用語として使わ…
日本の俳句人口は、1,000万人などと言われたりする。世界で一番短い詩の形式で、簡単に作れる。別の表現で俳諧などと言われるように、どこか滑稽と戯れっぽい要素を…
選挙における名言の一つに「猿は木から落ちても猿だが、代議士は選挙に落ちればただの人」がある。落選議員ほど惨めなものはない。それまでは、先生と呼ばれて、数多くの…
しっとりと落ち着いた秋になると、何故か京都に行きたくなる。京都は、秋の風情がよく似合う。下鴨の糺の森(ただすのもり)に入り込み、枯れ葉が擦(こす)りあうような…
深い山を背景にしての時雨(しぐれ)は、いかにも寒々とした侘(わ)びの風情が漂っている。時雨は、一時的に降ったり止んだりする雨やみぞれのことで、おもに、秋や冬に…
「宵越しの銭は持たない」と、江戸の職人が啖呵をきるシーンがある。稼いだ金をその日の晩には、すべて使い切ってしまうことを言うセリフだが、その言葉が意味するのは、…
コメディアンにとって一番笑いが取れるのは、誰もが知っている人物を祭り上げて、ウラ話を暴露すること。アリストファネスが活躍した古代ギリシャ喜劇も、つまるところ、…
数学者や科学者には、時々、ちょっと愛嬌のある人が出現することがある。かた苦しい人間よりは、どこか失敗したりする人間が気にかかる。万有引力で知られるアイザック・…
かつて、『ビデオ戦争』なるものがあった。その音の響きから「バーチャルな戦争?」と思う人がいるかもしれない。それは1970年代のテレビ録画機器の規格を巡ってのエ…
2012年の11月のニュース記事を見ていると中国の共産党大会で、習近平総書記の就任が正式に決まったと出ていた。いわば、16億人の頂点ということになる。彼の就任…
中国の歴史物語は『三国志』を筆頭に日本でも馴染みのある作品も多い。その中で、漢の初代皇帝となった劉邦(高祖)の物語は、『漢楚軍談』に収められている。日本では、…
今年も余すところ1ヶ月と半分ほど。一年を振り返るような季節になってきた。毎年のように大きな災害が日本を襲ってきた。今年もなかったわけではないが、大地震のような…
小林一茶の俳句に、「大根(だいこ)引き 大根で道を 教へけり」というのがある。畑仕事で大根引きをしているお百姓さんに道を尋ねると、「あっちの方だよ」と抜いたば…
近くにある和菓子屋の前を通ると「亥の子餅」が売られていた。「亥の子」すなわち、イノシシの子供をかたどった餅。イノシシの子は、胴の部分が、濃い茶と薄い茶が縞にな…
今年の夏から続く高温現象は、つい先頃まで続き、秋になっても、季節に似合わぬ気温の高さに驚いていたが、ここに来て、いよいよ、絵に描いたような秋を感じさせるように…
『枕草子』を著した清少納言は、その時代を生きた人には、鼻持ちならぬ女性と映ったようだ。紫式部日記の中にも、「したり顔にていみじう侍りける人(わかった顔をして、…
ジンクス(jinx) は、一般的に縁起の悪い言い伝えのことを言う。特に、スポーツなどの解説で聞くことが多い。たとえば、1年目に活躍した選手が2年目には活躍でき…
フランス語の表現に "Toucher du bois" なるものがある。直訳すれば「木に触れる」。何の変哲もない言葉だが、これの意味するところは、悪い縁起物に…
阪神タイガースが38年ぶりの日本一となった。今、その熱狂に溢れている。関西ではダントツの人気球団だが、今回が2度目の日本一。ほぼ関西圏で過ごしたわが半生を振り…
最近、本の出版のことでお話がしたいという連絡が入った。ブログを書いているせいなのだろうか。このブログを書き始めたのは2009年の暮れ。もう14年にもなる。それ…
最近、同世代が亡くなってゆく。わが知人然り、芸能人も然りといったところ。そんな人の死に接すると、「終活」しなければという意識が湧き上がってくるこの頃である。ま…
「人は権力を持つと、他人に対する思いやりを失ったり、他人の立場に立って考えることができなくなるのは、脳の仕組みに因るもの」カナダのウィルフリッド・ローリエ大学…
日本では高校野球で敗れた時に、選手たちが悔し涙を流すことを当然のことのように受け止めているところがある。プロ野球でも、選手が涙を流すシーンも少なからずあった。…
日本の農村風景の中に決まって鎮守の森がある。どんな農村に行っても、すべてを田や畑にしてしまわないで、祠(ほこら)を建て、木が生い茂った状態の鎮守の森がある。ド…
映画『男はつらいよ』のフーテンの寅さんの口上は、「 帝釈天(たいしゃくてん)で産湯(うぶゆ)を使い、姓は車、名は寅次郎、人呼んでフーテンの寅と発します」という…
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先月の「休筆」から1ヶ月ほど経ったことになる。医師が施すべき処置が済み、自然治癒に任せるほどになったということで、一応の「癒え」に入って2週間ほど経った。人か…
こんなに暑くなるとビールが欲しくなる。ビールの誕生は、およそ紀元前4000年のメソポタミアでのことだという。誕生は、予期しないものが偶然生み出されるというセレ…
「なめんなよ」という表現は、あまり、紳士的な言葉とは言えない。今日の石破首相の発言「なめられてたまるか」という言葉が話題になっている。これは、トランプ大統領と…
我が地域の裏山に相当するところに六甲山(ろっこうさん)という山がある。931メートルという高さで、ケーブルカーなどもあり気軽に登れる山だが、意外に遭難も多々あ…
アイルランドと言えば、何かにつけてケルト人やケルト文化が取り上げられる。多神教の雰囲気を持った文化だが、そのケルトと言っても、それほどの昔の話ではなく、紀元後…
心の中にあることを言わないで溜めておくのは精神衛生上良くない。『徒然草』十九段に「おぼしき事言わぬは、腹ふくるるわざなり」と出てくる。著者・吉田兼好の時代には…
「もったいない」という言葉がある。漢字で表すと「勿体無い」となるが、この「勿体」という言葉はもともとは仏教用語で、「本来のあるべき姿」を意味する言葉。「もった…
芥川賞は、今はそれほど大きな話題とならないが、1969年の受賞作・庄司薫『赤頭布ちゃん気をつけて』は、大きな反響があった。この小説は、大学紛争のため東大の入試…
「ここがロードスなり、ここで跳べ」という言葉がある。これは、イソップの寓話に出てくる話。あるホラ吹きの男がいて「オレは、(ギリシャの)ロードス(島)にいた頃、…
いつの頃からか、スポーツニュースが始まると大谷選手の活躍から放映される。メジャーの選手とも伍して戦える日本の選手がいることが素直に誇らしく思える。もう、メジャ…
「不如意」という言葉がある。これは、漢文のように返り点をつけて読み下すと「意の如くなら不(ず)」となり、これを簡単に表現すれば「思い通りにならない」。この「不…
今年のカンヌ映画祭、最高賞のパルム・ドールは、イランの映画監督ジャファール・パナヒ氏の"Un Simple Accident" が受賞して閉幕した。世界には、…
「何もなければ、また来週」先週、わが外国語スクールの生徒さんが帰り際に外国人講師に発した言葉。言われた時には、その講師は真意が良くわからなかったが、すぐに納得…
時々話題になるものに学歴詐称がある。こと選挙になると、その時に提出した学歴に偽りがあると、当選しても無効となる。何人かの国会議員としての当選者が職を追われたの…
近未来を扱った映画の中でアンドロイドに向かって"Are you Real (human being) ?" と訊くシーンがある。本物の人間か、それともアンドロ…
このたび、肺炎のため10日間の休筆を行い、その間、皆様の応援がありましたことに感謝したいと思います。だけども、まだ快癒とまでは行っていなく、いまだにモヤモヤと…
クルマを車検に出した。いつもお願いする自動車整備工場は、いかにも車好きのメンバーで構成されている。車検が通るまでの間、いつも代車を用意してくれるが、そこの整備…
先日の日曜日、近所散策をしていると、向かいからくるTシャツ姿の男性の顔に見覚えがある。誰だっけ? 最近、半ボケのせいか思い出せない。と、そばを歩いていた若い男…
最近、Facebook の友人申請があり、「おっ、昔馴染みだ」と思って開いてみると、最終投稿が10年前というのがあった。こんな調子だとすると、本人死亡のままF…
映画などのワンシーンに出てくるチョッとしたものが多くを語っている場合がある。先日観た映画『PERFECT DAYS』(2023年) にそんなシーンが出てくる。…
四字熟語に『捲土重来 (けんどちょうらい)』 というのがある。ちょっとむずかしい表現だが、意味としては、「一度失敗した者が、再び勢力を盛り返してやって来る」こ…
イタリア料理のお店で「リストランテ」と呼ぶのは、高級なレストランで、大衆的な食堂は「トラットリア」と呼ばれるのが通例。「オステリア」は居酒屋を意味する言葉だが…
バイデン大統領の次期大統領選への出馬に関して日増しに反対の声が高くなってきている。現在81歳。もしトランプ大統領が返り咲いたらそれも恐怖だが、バイデン大統領が…
いよいよ大阪万博が近づいてきた。その大阪だが、江戸時代は、庶民が作った自由な街。幕府のお膝元、官僚的な江戸とは違う文化が形成された。当時の大坂は、公共事業に関…
思いを寄せている人に、「あなたのことは忘れました」と言われるとショックだろう。ところが、これを逆手に取ることによって、かえって想いの深さを表現する場合もある。…
『奇貨居(きかおく)べし』という言葉がある。「奇貨」とは、めずらしい貨幣のことで、これをとって置いておけば、値打ちが上がり大変なものとなるという意味。この言葉…
日本のプロ野球の優勝チームは、健闘を讃えて”ビールかけ”を催すが、アメリカのメジャーリーガーたちは、ビールではなくシャンパン。すなわち、"シャンパン・ファイト…
アフリカのタンザニアで1936年に撮られた写真には、奇妙な二人が写っている。これは、この地方に古くから伝わる呪術師。今でもタンガニーカと呼ばれる地域では様々な…
新紙幣がスタートした。20年ぶりとなる新紙幣。今日、銀行で預金を引き出すと全て新紙幣になっているのに驚いた。それで当然なのだが、こうやって少しずつ変えられてい…
オーロラや流星群など、自然が織りなす現象と都会とは相容れないところがある。自然現象を見たければ、極地の大平原に限るが、都会にあるビル群と自然とがタッグを組んで…
「洛陽(らくよう)の紙価を高める」という表現がある。これは、ベストセラーの本になることを婉曲的に表現する言葉。この語源となったのは、中国、魏蜀呉が擡頭していた…
「あべこべ」という意味をあらわす英単語に"topsy-turvydom" というのがある。明治時代になって日本を訪れたアメリカ人は、よくまあ、これだけ逆なもの…
初代・引田天功氏は、水中や爆発などの極限状態から脱出するというマジックで知られ、1970年代に命からがら「脱出」するといったパーフォーマンスで人気をさらった。…
梅雨の雨のことを五月雨(さみだれ)と呼ぶ。特に、静々と屋根を濡らすような雨のことをこう表現するようだ。今日も、五月雨の一日。こんな日は、ちょっと足を伸ばして海…
イタリアの映画監督フェリーニは、数ある映画監督の中でも、かなり特異な人物。その言動に含蓄があり、ふんだんに哲学的断片を感じさせる人物でもある。そんな彼の代表的…
"Longevity" なる単語がある。これは日本語にすると不老長寿の意味となる。この"Longevity" の名を冠した企業が誕生したりと、世のキーワードの…
白眼視という表現がある。これは、無視したり、冷たい視線を投げかけることを言う。逆に、愛想よく迎えることを青眼視と呼ぶ。この「白眼」「青眼」という表現は、中国の…
パリ・オリンピックが近づいてきた。フランスは長い歴史がある国だが、大きな出来事として挙げられるのに紀元800年のシャルルマーニュ(シャルル大帝)の西ローマ皇帝…
ビールの季節になってきた。果たしてビールはいつ頃から作られているのか?それを探れば、いわゆるメソポタミア時代まで遡(さかのぼ)ってしまうようだ。ハンムラビ法典…
「如何に生きるか?」その処世術を語るものとして残されたものに『徳川家康遺訓』なるものがある。これは江戸幕府を作った徳川家康が残したもの。遺訓とするには短いが、…