「イモの煮えたもご存じない」という言葉がある。これは『江戸いろはかるた』に出てくることわざ。いろはの「い」は、もちろん「犬も歩けば棒に当たる」。『江戸いろはか…
小さな外国語スクールの代表者が発信する日常的なエッセイ。 好奇心と知性的な笑いを心がけている。
2009年暮れよりはじめて、 どこまで続くかな? おっ、まだ続いている!
テレビのショーなどで催眠術 (hypnotism)をかけるシーンが映し出されることがある。簡単な催眠術で言えば、5円玉に糸を通した振り子を渡された被験者に催眠…
昔の運動クラブの定番と言えば「うさぎ跳び」。どんな運動クラブに所属していようと、このトレーニングが取り入れられていた。「うさぎ跳びでグラウンド1周」なんてこと…
「良薬は口に苦し」という諺がある。意味としては、「人の忠告など、よく効く薬は苦いもの。聞くに堪えない厳しいものほど自分にとってためになる」「苦味」などというと…
厳しい暑さのピークを過ぎ、季節は秋に向かってその歩みを深くしている。街を彩るブティックも、"SALE" の文字が消え、秋の香りのする色合いへと変化している。夏…
川柳は、俳句と同じく五七五の十七文字で詠むが季語を必要としない。両者の大きな違いは、作風。川柳には、チクリと風刺が入っている。江戸時代に流行したものに狂歌があ…
夏の夜空を見上げると、流れ星を見ることがある。不吉な象徴とされることが多い。『三国志演義』の中に、諸葛亮(孔明) の陣営に三度、赤く大きな流星があらわれるのを…
『源氏物語』を英訳した、アーサー・ウェイリーは、作者である紫式部を評して、「紫式部は、物語の中の出来事に主要な関心を抱いていない。むしろ、その事件が登場人物に…
♬Mama~ do you remember~こんな歌い出しから始まる歌が流れ、子供の声で、「母さん、僕のあの帽子、どうしたでしょうね?」というナレーション。…
1970年に出版されたイザヤ・ベンダサン著の『日本人とユダヤ人』は、300万部を売り上げるほどの大ヒットだった。ただ、イザヤ・ベンダサンなる人物とは?というこ…
わが生業の仕事場のテーブルの一つに地球儀が据えてある。30年以上前に、懸賞応募で当たったもの。さすがに年季が入っているように見えるが、まだ新しいもののように見…
ここしばらくで、様々な「エジプト展」が開かれた。そこでは、古代エジプトの秘宝などが展示されている。開催された「エジプト展」の中心に置かれるのは、歴代の王のミイ…
夏といえば、海水浴、花火大会、西瓜、かき氷、盆踊りなど次々挙げられる。さらに、怪談話というものがある。日本は気候風土のせいか、怪談話と言えば夏と決まっている。…
「光の速度は、宇宙を移動する物質の中で最も速い」ということになっている。そのため、宇宙空間の距離を表す尺度として光のスピードを使う。この尺度は驚くほど早いよう…
様々な色彩の美しさはもちろんだが、単色の儚(はかな)き「美」というものもある。『源氏物語』の「蛍」の帖に、光源氏が、愛する玉鬘(たまかずら) のいるところに数…
暑さのせいで夜の眠りが浅い。そのせいか、普段の生活を送りつつも、昼間はやたらと眠い。つい、うたた寝をすることがある。夏の日などは、椅子に座ったまま、いつの間に…
もはや、お盆も過ぎようとするこの頃だが、日中は灼けて、ジリジリする暑さに驚くばかりだ。夜は、ようやく澄んできて、星を眺めることができる状態になってきた。旧暦で…
パーティの中でもシャンパングラスを手にするパーティは、それだけで高級感が漂う。そのような雰囲気を醸し出すお酒は、シャンパン以外にはないだろう。みんなで楽しくゴ…
松本清張は、昭和を彩る推理小説家。人間の「業」や「秘密」を抱えた人間を描くのを得意としていた。彼の小説には、決まってマムシのように執念深い刑事(でか)や過去が…
ウィリアム・モリスWilliam Morris (1834–1896)は、19世紀のイギリスのデザイナー。詩人でもある。その生涯で、著書やデザインパターン図案…
囲碁や将棋の人気が高まってきている。人気の要因となる一つは、将棋界では藤井聡太氏が大きく寄与したということができる。囲碁の世界も、次々、若手の有力ヒーローが現…
鉄人28号という漫画があった。テレビアニメとして放映されていたのは、東京オリンピックを前後した頃。作者は、横山光輝氏。今も『三国志』などの作品で知られた漫画家…
スペインの画家サルバドール・ダリは、「胎内記憶」があると言っていた。彼は元々、ちょっと奇抜な人物。こんなことは、シュルレアリズムの旗手・ダリが言いそうなことで…
初めてイギリスの地を踏む日本人は、たいていその平坦さに驚く。特に山もなく、のどかな平野が広がっている南部地域に心地よさを見い出す。そこで暮らしていた友人は、「…
何となく好感のもてる人がいる。すなわち、「いい人」と呼ばれているような人。そういった人を探ってみると、それとなく気配りができていたり、人柄がいいのか、いつの間…
世の中に迷信と呼ばれるものがある。「迷信」の定義は「人々に信じられていることのうちで合理的な根拠を欠いているもの」となる。そんなものだが、世の中に迷信は結構あ…
荒木村重をご存知だろうか?いわゆる戦国武将に列せられる人物。織田信長に気に入られ主従の関係を結ぶが叛逆する。籠城するが、織田一門に攻め込まれ残虐な形で一族郎党…
小説家のスタンダールが「知らぬ地に着いたら博物館へ行く労を厭(いと)うな」という言葉を残している。さすがにスタンダール、様々な美術館や博物館を訪ねた記録がある…
勝海舟と言えば、幕末における立役者のようなところがある。江戸城の無血開城に関わり、咸臨丸に乗って当時のアメリカにも行っている。明治の新政府では伯爵に任ぜられた…
『悪の華』で知られるボードレールの詩の一節に「酒は、ただ なしぬ 眼を明に 耳を 聡に」(堀口大学 訳)この一節は、明治時代の文学者の文語調の訳なので、少しば…
「食べる」と「おしゃべりする」とは、どうも同義語らしい。『駄弁』と書いて「食べる」と読む場合もあれば、おしゃべりを意味する『駄弁(だべ)る』も、この字を当てて…
フランスには、『モラリスト(moraliste)』の伝統がある。「モラリスト」と表現すれば道徳家と思うが、随分と違って皮肉っぽい文を書く人のことを言う。典型的…
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「イモの煮えたもご存じない」という言葉がある。これは『江戸いろはかるた』に出てくることわざ。いろはの「い」は、もちろん「犬も歩けば棒に当たる」。『江戸いろはか…
「煮ても焼いても食えない奴(やつ)」という表現がある。あまりに強情で 自分の考えを変えることも他人の言うことも聞かない。扱う方法がなく、どうすることもできない…
映画『PERFECT DAYS』は、役所広司主演の2023年の映画。実際に2023年をモデルとして描いている。主人公は東京の公園のトイレ掃除を職業とする初老の…
古代中国の思想家の一人に老子がいる。彼の考え方に「無為自然」というのがある。これは、自然の摂理に従い無理な力を加えないという考え方。もう少しわかりやすく言えば…
「乙(オツ)」という表現がある。昔の落語家なども、よくこんな言葉を使った。趣きがあって、ちょっといい感じ、と思わせるものに使う言葉。用法としては「乙(オツ)で…
「実存主義哲学」なるものがある。実存主義というので有名なのは、フランスの思想家J・P・サルトルだが、その祖とされるのは19世紀のセーレン・キェルケゴール。今は…
当方は四字熟語に、つい惹かれるところがある。漢字クイズなどで難解な文字が入った四字熟語が出題されると妙に燃える。例えば「喧々囂々(けんけんごうごう) 」と「侃…
先月の「休筆」から1ヶ月ほど経ったことになる。医師が施すべき処置が済み、自然治癒に任せるほどになったということで、一応の「癒え」に入って2週間ほど経った。人か…
こんなに暑くなるとビールが欲しくなる。ビールの誕生は、およそ紀元前4000年のメソポタミアでのことだという。誕生は、予期しないものが偶然生み出されるというセレ…
「なめんなよ」という表現は、あまり、紳士的な言葉とは言えない。今日の石破首相の発言「なめられてたまるか」という言葉が話題になっている。これは、トランプ大統領と…
我が地域の裏山に相当するところに六甲山(ろっこうさん)という山がある。931メートルという高さで、ケーブルカーなどもあり気軽に登れる山だが、意外に遭難も多々あ…
アイルランドと言えば、何かにつけてケルト人やケルト文化が取り上げられる。多神教の雰囲気を持った文化だが、そのケルトと言っても、それほどの昔の話ではなく、紀元後…
心の中にあることを言わないで溜めておくのは精神衛生上良くない。『徒然草』十九段に「おぼしき事言わぬは、腹ふくるるわざなり」と出てくる。著者・吉田兼好の時代には…
「もったいない」という言葉がある。漢字で表すと「勿体無い」となるが、この「勿体」という言葉はもともとは仏教用語で、「本来のあるべき姿」を意味する言葉。「もった…
芥川賞は、今はそれほど大きな話題とならないが、1969年の受賞作・庄司薫『赤頭布ちゃん気をつけて』は、大きな反響があった。この小説は、大学紛争のため東大の入試…
「ここがロードスなり、ここで跳べ」という言葉がある。これは、イソップの寓話に出てくる話。あるホラ吹きの男がいて「オレは、(ギリシャの)ロードス(島)にいた頃、…
いつの頃からか、スポーツニュースが始まると大谷選手の活躍から放映される。メジャーの選手とも伍して戦える日本の選手がいることが素直に誇らしく思える。もう、メジャ…
「不如意」という言葉がある。これは、漢文のように返り点をつけて読み下すと「意の如くなら不(ず)」となり、これを簡単に表現すれば「思い通りにならない」。この「不…
今年のカンヌ映画祭、最高賞のパルム・ドールは、イランの映画監督ジャファール・パナヒ氏の"Un Simple Accident" が受賞して閉幕した。世界には、…
「何もなければ、また来週」先週、わが外国語スクールの生徒さんが帰り際に外国人講師に発した言葉。言われた時には、その講師は真意が良くわからなかったが、すぐに納得…
フランスの劇作家・ジャン・ジロドゥの劇『オンディーヌの呪い』というのがある。この主人公となるオンディーヌは、美しい妖精のこと。オンディーヌは、水の世界に住む妖…
いよいよ梅雨明け。本格的な日差しが照りつけるようになった。日傘は必需品。百貨店での商戦では、男性用の日傘が人気のようだ。そして、目立つのはインバウンドの観光客…
時々、書棚に並ぶ夏目漱石の小説を開いて拾い読みをすることがある。読めば「やっぱり漱石らしい」と感じさせられる。その当時の小説家は、それぞれに個性的な文体を持っ…
「もうどうしようもない」という意味を表わすフランス語に"ニンジンが煮えてしまった(Les carottes sont cuites)" という表現がある。様々…
パリ・オリンピックも、いよいよ開幕間近となる。今回は、32競技329種目で熱戦が繰り広げられる。ロンドンでは、26競技302種目であったことから思えば、ブレイ…
松尾芭蕉の句に「這(は)い出(いで)よ かいやが下の ひきの声」とある。「かいや」は養蚕部屋。「ひき」とは蟇(ヒキガエル)のこと。これは、『奥の細道』の中で詠…
高村光太郎は彫刻家でもあるが、詩人としても知られる人物。彼の詩に「根付(ねつけ)の国」というのがある。「根付け」とは印籠(いんろう)などを帯と結ぶための紐(ひ…
四字熟語に『捲土重来 (けんどちょうらい)』 というのがある。ちょっとむずかしい表現だが、意味としては、「一度失敗した者が、再び勢力を盛り返してやって来る」こ…
イタリア料理のお店で「リストランテ」と呼ぶのは、高級なレストランで、大衆的な食堂は「トラットリア」と呼ばれるのが通例。「オステリア」は居酒屋を意味する言葉だが…
バイデン大統領の次期大統領選への出馬に関して日増しに反対の声が高くなってきている。現在81歳。もしトランプ大統領が返り咲いたらそれも恐怖だが、バイデン大統領が…
いよいよ大阪万博が近づいてきた。その大阪だが、江戸時代は、庶民が作った自由な街。幕府のお膝元、官僚的な江戸とは違う文化が形成された。当時の大坂は、公共事業に関…
思いを寄せている人に、「あなたのことは忘れました」と言われるとショックだろう。ところが、これを逆手に取ることによって、かえって想いの深さを表現する場合もある。…
『奇貨居(きかおく)べし』という言葉がある。「奇貨」とは、めずらしい貨幣のことで、これをとって置いておけば、値打ちが上がり大変なものとなるという意味。この言葉…
日本のプロ野球の優勝チームは、健闘を讃えて”ビールかけ”を催すが、アメリカのメジャーリーガーたちは、ビールではなくシャンパン。すなわち、"シャンパン・ファイト…
アフリカのタンザニアで1936年に撮られた写真には、奇妙な二人が写っている。これは、この地方に古くから伝わる呪術師。今でもタンガニーカと呼ばれる地域では様々な…
新紙幣がスタートした。20年ぶりとなる新紙幣。今日、銀行で預金を引き出すと全て新紙幣になっているのに驚いた。それで当然なのだが、こうやって少しずつ変えられてい…
オーロラや流星群など、自然が織りなす現象と都会とは相容れないところがある。自然現象を見たければ、極地の大平原に限るが、都会にあるビル群と自然とがタッグを組んで…
「洛陽(らくよう)の紙価を高める」という表現がある。これは、ベストセラーの本になることを婉曲的に表現する言葉。この語源となったのは、中国、魏蜀呉が擡頭していた…
「あべこべ」という意味をあらわす英単語に"topsy-turvydom" というのがある。明治時代になって日本を訪れたアメリカ人は、よくまあ、これだけ逆なもの…
初代・引田天功氏は、水中や爆発などの極限状態から脱出するというマジックで知られ、1970年代に命からがら「脱出」するといったパーフォーマンスで人気をさらった。…