我がスクールの講師が所用で3週間ほどオーストラリアに帰り、今週はじめに日本に戻ってきた。彼が残念がったのは、桜がすでに散ってしまっていたこと。「あ〜、今年の桜…
小さな外国語スクールの代表者が発信する日常的なエッセイ。 好奇心と知性的な笑いを心がけている。
2009年暮れよりはじめて、 どこまで続くかな? おっ、まだ続いている!
「敬老の日特集」などでは決まって、聖路加病院の理事長である日野原重明氏へのインタビューなどが紙面を賑わしていたが、もう亡くなってから5年余りが経過した。彼に代…
思えばコロナ発生から3年ほどが経過する。新型コロナ発生時は、様々なパニックを生んだ。人々が、日本のクルーズ船の様子を固唾を飲みながら見ていたこともあり、正体の…
哺乳動物には尻尾(しっぽ)があるのに、人間は尾てい骨あたりにそれらしい名残をとどめているだけで、それに類するものもない。あったからと言って、尻尾を使って木の枝…
トムとジェリー("Tom and Jerry")の漫画は、1940年代頃にアメリカでスタートし、一時期、テレビアニメでかなりの人気となったキャラクター。トムと…
人生の終盤を感じるのか、人の伝記物を読むことが多くなった。その一つ、コメディアンの榎本健一氏(エノケン)は、彼の自伝『喜劇こそわが命』に、エノケンの型やぶりの…
最近、歳のせいか運命論者になってきた。「運こそすべて」などと思えてくる。運命論を語ると言えば、京セラを創業し、日本航空を立て直し、名誉会長を務めた稲森和夫氏が…
古代ローマの五賢帝と呼ばれた皇帝の一人、ハドリアヌス帝は、古代ギリシャの彫刻をことのほか愛したという。別荘であるヴィッラ・アドリアーナ(Villa Adria…
『屋根の上のバイオリン弾き』は、帝政ロシア領となったウクライナ地方シュテットルに暮らすユダヤ人の生活を描いた物語。ロシアの政変と、それに巻き込まれ揺れるのユダ…
映画『男はつらいよ』シリーズは、全部で50作を数える。その中で、指を折っては数えきれないほど、かなりの本数を観た。山田洋次監督の映画では、このシリーズが格段に…
ゲーテと並び称される詩人であり劇作家のシラーが著した劇『群盗』の中で、主人公である医者のヒポクラテスが強い語調で語るセリフがある。「薬で癒(なお)らぬものは、…
1973年にホラー映画の魁となった『エクソシスト』が封切られた。タイトルは「悪魔払い祈祷師」の意味で、内容としては、イラクでの遺跡発掘の中から出て来た悪霊が、…
先週の日曜日にIKEA に出かけた。北欧家具やインテリア用品のショッピングゾーンで知られる大型店舗。立地は駅前ではなく郊外型。つい立ち寄ったり、ついでに来たと…
男というのは、馬鹿な生き物だと思うことがある。ちょっとしたところでプライドが傷つけられたと、矜持(きょうじ)の虜(とりこ)になったように反撃の行動をとってみた…
「21世紀は日本の世紀」と語ったアメリカの未来学者・ハーマン・カーン氏が、日本にやって来たのは1968年のこと。この言葉は、日本人を大いに喜ばせ、鼓舞し、誇ら…
マトリョーシカ人形は、ロシアの木製の民芸品。人形には、たいていロシア人少女の顔が描かれている。このマトリョーシカだが、歴代の大統領が描かれているのもある。この…
『ウルトラQ』というテレビ番組があった。あのウルトラマンがテレビに誕生する前作で1966年に放送された。1回完結のドラマで、1作について1つの怪獣ないし怪奇の…
夏の夜空を支配していた蠍(さそり)座が、西の方に傾き、天の川の延長線上にある”ティーポット”と呼ばれる星群の中に、射手(いて)座が見えるようになってきた。星座…
「夏になると、妻は、貝殻を窓辺に置いた」これは、アメリカの画家・アンドリュー・ワイエス(Andrew Wyeth)の『海からの風』と題する絵のキャプションとし…
我が人生の最初の海外旅行はインドだった。ビートルズがインド音楽に傾倒しているなど、世界的にインドブームを巻き起こしていた頃のこと。バックパッカー達がインドを目…
金子みすゞに『昼のお星は めにみえぬ。見えぬけれども あるんだよ』という詩がある。昼間の星は見えないけれど、そこには星は存在しているんだよ。金子みすゞの詩には…
小説『カモメのジョナサン』を書いたリチャード・バック氏は、操縦する飛行機で墜落する事故から10年が経過した。大事故ながら、一命をとりとめ現在は86歳だという。…
コストコ(Costco) やイケア(IKEA) などの外資系のマーケットに行くと、やたらとショッピングカートが大きく感じる。カートの大きさが違うのは、ひとつに…
能の演目に『松風』というのがある。日本文学の研究者として知られたドナルド・キーン氏は、この演目に魅かれ、これほど優れた文学作品はないとまで言っているのを眼にし…
ここ暫く、フランスのエリック・ロメール(Éric Rohmer) 監督の映画作品を観ている。彼は、ゴダールやトリュフォーなどと同じ、いわゆる、ヌーヴェル・ヴァ…
「風刺の笑い」と「ユーモアから生じる笑い」は、どちらもゲラゲラ笑うことができる代物だが、微妙に違う。それを表す言葉に「風刺(サタイア)には日付があるがユーモア…
今は、さすがにネットの時代。古い映画を検索していると『本日休演(フランス語: Relâche)』という映画作品を見つけた。これは1920年代のパリが垣間見える…
アメリカのペンシルベニア州や中西部などにアーミッシュ(Amish) と呼ばれる人たちが生活している。ドイツ系移民を中心とする宗教集団で、基本的に、自然に即した…
成功する人には、共通する類型となるものがあるようだ。そのひとつは、信念とも言える大きな望みを持つこと。すなわち「大志を抱け」ということらしい。シェイクスピア『…
フェルメールの作品に『絵画芸術の寓意(ぐうい)』という一風変わった作品がある。寓意とは、ある意味を直接ではなく別の物事に託して表す意。まさしく、この絵は、様々…
わが生業とする外国語スクールでいつからスウェーデン語のレッスンが始まったか、記憶を辿ってみても朧げだ。おそらく30年近く前のことだろう。わがスクールは、創設か…
「ブログリーダー」を活用して、ALEXさんをフォローしませんか?
我がスクールの講師が所用で3週間ほどオーストラリアに帰り、今週はじめに日本に戻ってきた。彼が残念がったのは、桜がすでに散ってしまっていたこと。「あ〜、今年の桜…
「伯楽」は、中国、周の時代にいた馬を見分ける名人。普通の人が見たのでは、これが一日に千里を走る馬なのかどうかがわからないが、この伯楽が見立てをすると、馬の資質…
"ミーム(meme)" と呼ばれる現象がある。もともとは、人々の心から心へと伝えられる情報のこと。これは、1976年にイギリスの動物学者リチャード・ドーキンス…
とあるニュースに「自分の作品を有名な美術館に飾るという夢をほんの一瞬、実現したドイツ人の男がいた」と書かれていた。場所はドイツ・ミュンヘンのピナコテーク・デア…
エントロピーの法則といえば、思い出すものの一つに萩尾望都 が描いたSF 漫画に『百億の昼と千億の夜』というのがあったことが蘇ってくる。これは、光瀬龍の小説を原…
わが少年時代に話題となっていたものに「4次元の世界」というものがあった。英語表現では "Fourth dimension" 。「次元=dimension」を言…
かつて、マルチタレントとして活躍した今は亡きE・H・エリック氏は、耳たぶを動かすというCMがヒットし、一躍有名となった。彼が実際に動かせたかどうかは知らないが…
将棋の藤井聡太八冠の快進撃が止まらない。昨日は名人タイトルの初防衛をかけた一局があり、ほぼ劣勢をひっくり返しての勝利。強さを思い知らせた対局でもあった。チェス…
ギリシャ神話の中に、フェキオン山のスフィンクスが通りかかる人間に”なぞなぞ”を問いかけたというのがある。「朝は四本にして、昼は二本、夕は三本の足を持つ生き物と…
桜を詠んだ芭蕉の句「木(こ)のもとに 汁も膾(なます) も 桜かな」この俳句の意味は「花吹雪の舞う中、桜の木の下では花見の会や宴が催されている中で、無作法など…
「春眠 暁(あかつき)を覚えず」これは、中国の詩人・孟 浩然の詩『春暁』の一節。春になり、寒さを気にせずにウトウトとしてしまう事になる。そんな様子を表現したも…
「ウソから出たマコト」なる諺がある。つい大風呂敷を広げて発言したことが、意外なことに、そのまま成就することがある。スポーツ選手が時々、そのような強気発言をする…
世界中、至る所に古文書なるものがある。かつてはロゼッタストーンもその文字の解明に窮したものだったが、今は、コンピュータの進化にもより、様々な文字が解明されてい…
現在、ロンドンのサマセット・ハウス(Somerset House)で"Cute展" なるものが開催されている。様々な"Cute"を一堂に集めて、その意味を探ろ…
人間緊張すると思わぬ失敗をするもの。かつて、ドリフターズに「聖歌隊」が整列して歌うコントがあった。整列する中で一人が転んだり、いざ歌おうとするとクシャミをした…
商談を成功させるためには、よきプレゼンテーション、言葉遣い、身だしなみなど好印象を与えるために努力が必要なことは言うまでもない。男性ならば、髪型、スーツ、シャ…
「サバを読む」という表現がある。これは数を誤魔化したりするときに使われる表現だが、この言葉の元になったのは、江戸時代というから、まだ新しい。魚市場のことを「い…
マルクス、エンゲルスと一括りで表現されることもあるが、そのエンゲルスに『空想から科学への社会主義の発展』と題する著書がある。この本の言わんとするところは、自分…
長かった冬から解放され、いよいよ時は桜の季節へ。開花を待ち侘び、やっと訪れた花便り。この暖かな便りは、おそらく、遠くからの訪問者。今日は、海の見えるホテルでの…
20世紀の終わりごろの時代、「世紀末」という言葉を好んで使ったものだった。ちょっと退廃的な香りのする表現でもあるが、その頃の日本は、バブルがあり、その崩壊も味…
日本の物価は上がり続けている。だけども、まだ世界から見ればかなり安いそうだ。とは言え、こと宅配ピザは世界の料金と比べて格段に高いという。高額なのに、郵便受けに…
漁師が海で捕獲した魚は今ではすぐに冷凍したり氷漬けにして鮮度を保つようにしている。氷や冷凍設備のなかった時代の漁師は鮮度を保つために幾つかの工夫があった。一つ…
落語の人間国宝だった桂米朝さんが語った言葉に「落語が面白話であれば『楽話』となるハズだが、語るところに妙味があり、そのために『落語』という名称がついている」と…
桜前線上昇中。桜は日本の風景の大きな一部になっている。『徒然草』の第一三七段に「花は盛りに月は隈(くま)なきを見るものかは」とある。意味としては、「満開の桜や…
判官贔屓(ほうがんびいき)というのがある。弱い立場にある人をつい応援してしまう気持ちのことを言う。この贔屓(ひいき)の志向が如実に現れるのが高校野球。かつては…
18世紀あたりがモデルなのだろうか?イタリア歌劇『セビリアの理髪師』やフランス劇の『シラノ・ド・ベルジュラック』では、名家の娘がバルコニーのある2階部分に住ん…
『踊り字』というのがある。あまり馴染みのない言葉だが、繰り返しの時に使われる「々」、「ゝ」、「〃」などの記号のことをそう呼んでいる。「時々」などのように、現代…
今から千年も昔に書かれた『枕草子』には、様々な色彩が出てくる。そこで単に色として使われた色彩は、緋 蘇芳 紫苑 麹塵 柚葉 薄墨など37色。そのほか、桜の五重…
歴史上で称賛されている人でも一皮剥けば食わせ者、という人物も少なからずいる。そんな一人として挙げたいのはハインリッヒ・シュリーマン。今なお、遺跡発掘でその名を…
19世紀初頭のイギリス・ロマン派詩人・ワーズワース( Wordsworth) は、以前は、多くの訳詩が出ていたが、最近、あまり眼にしない。彼の詩を原文で読もう…
子門真人(シモン マサト)が歌う『およげ!たいやきくん』が爆発的にヒットしたのは、1975年のこと。「毎日、毎日ボクらは鉄板の~上で焼かれてイヤになっちゃうよ…
商談を成功させるために、よきプレゼンテーション、言葉遣い、身だしなみなど相手に好印象を与える努力が必要なことは言うまでもない。男性ならば、髪型、スーツ、シャツ…
芥川龍之介『或旧友へ送る手記』は、「ぼんやりとした不安」を語っている。はっきりとした不安ではなく、どこか朧げな要素を含んだ不安。これの方がはっきりとした不安よ…
世の中には、何やら、ひと癖、ふた癖ある人物がいる。思えば、野球の野村克也氏も、そんな一人だった。監督時代には、手練手管(てれんてくだ)を駆使。エピソードの一つ…
世にハゲタカファンド(Vulture fund)なるものがある。これは!と思える企業に目をつけ、株式を買い集めて企業そのものを買収し、社長を解任して実権を奪っ…
映画やドラマの端に映り込んでいたものが、「あれは何?」と注目を浴びたり、また時には、ちょい役やエキストラが人気を得たりする。こんな現象を一般的「スピンオフ(s…
今日のネットニュースで目を惹いた記事は、「パリ・サンジェルマンに所属するブラジル代表FWネイマールが、オンラインカジノで大負けした」というもの。その情報による…
「民間にできることは民間に」こんな言葉が主流になったのは、いつだっただろうか?と調べてみると2001年の小泉首相の時代。「小さな政府論」が元になった考え方。「…
『江戸いろは かるた』の中にも収められていることわざに、「背に腹は かえられない」という言葉がある。これは、背中も大切だが、その背中を守るためといって、五臓六…
中国の北宋時代の思想家であり、唐宋八大家の一人に数えられる欧陽 脩(Ouyang Xiu) が唱えたものに、”三上(さんじょう)” なるものがある。これは、す…