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2010/04/16

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  • カラスとアメリカ

    年の終わりに犬が歩いて思いがけぬ棒に当たった。新聞の映画評論で藤原帰一さんが「私は、マリア・カラス」を高く評価されているのを読んだ。これは見なくてはと昨日有楽町の東宝シネマで見てきた。素晴らしい作品だった。マリアカラスはこんなに魅力ある優れたデイーバ、愛らしくひたむきな女性だったのかと感激した。その歌声は魂に響いた。この映画が素晴らしいのはとりもなおさずカラスが素晴らしいの人だったからだ。この映画を教えてくれ、歳の暮れを気持ち良いものにしてくれた藤原さんにも感謝しておきたい。もう一つの棒は考えさせられる本だ。「アメリカ」橋爪大三郎と大沢真幸、このお二人はいつも目を開かされる評論を書かれる。こうしたアメリカ理解があるのだと何か所も目から鱗が落ちる指摘、解釈があった。成程とアメリカだけなく日本の理解も深まったように...カラスとアメリカ

  • 世界は広い

    世界はあなたが思っているよりうんと広い。鴻上さんもそう言っているのだが、知らないことに気付いていない、知ろうとするのを忘れてしまったのかもしれない。不特定多数とお馴染みさん相手のサービス業、深刻な場面も多い、に携わってきたので、やや世間を広く渡ってきたように思っている私がおこがましくも、年の暮れ否人生の暮れに実感している。世の中に真理があるかどうか、いくつかの見解或いは信念があるだろう。科学の素養を身に付けたので真理に漸近してゆけるように思っているが、それには世界の広さを知り寛容の心が欠かせない気がしている。世界は広い

  • 一年を振り返る

    今日から六日間の休み、往診の重症患者さんは一人だけで、その方もこの一週間は大丈夫だろう。実際に呼ばれることは月に一回位でも、二十四時間何時呼ばれるか分からない生活というのはそれほど楽ではない。時間外の電話はそれこそ毎日掛かってくる。しかもインフルエンザの予約をしたいとか明日は診療しているかなど不急の用件が殆どだ。交代が居るわけではないので、本当に草臥れた。正直三十年近くやってきたこうした生活とはおさらばしたい。相手の身になって考えるという心遣いのない人が声を荒げる世の中になってきた。5、6%だと思うが、自分を棚に上げ相手の不手際は許さない人達が居る。諭すのは勿論宥めるのも難しいというか、危険というか、係わりたくない心境になっている。聞く耳を持たない人からどうやって逃れれば良いだろう。医院は誰にも開かれており、誰...一年を振り返る

  • 今日は仕事納め

    昨夜は友人達との今年最後の忘年会に参加した。亡くなったG氏の代わりという訳ではないが近しいM氏にも参加してもらい六名で忘年会が出来た。二十数年前自然発生的に気の合う仲間七人のグループができ、山小屋で食事しながら話をしたり、あちこちに旅行したりと楽しんできた。今は六十八歳から八十歳という年齢層で、世代ギャップを感じず気持ちよく話ができる。職種が違うので色々なことを教えられた。最初からのメンバーは四名に減ってしまったが、楽しい気の置けない雰囲気は保たれており、最良の友人達の気がしている。私だけが地元の生まれ育ちではないのだが、四十過ぎてこうした友人が出来た幸運に感謝している。今日は今年最後の診療日だ。いつも年末年始の休みをどうしようかと悩むのだが、今年は平凡に年末三日年始三日の六日間とした。どういう訳か最初と最後の...今日は仕事納め

  • ゴーンの何が問題

    新聞や週刊誌で騒がれている元日産会長のゴーン事件だが、一体何がどう問題なのかよく分からない。報道するマスコミによって大悪人から犯罪性の証明は難しいまで大きな幅がある。どうしてもゴーンが外国人で嫌われていたことや解雇されて恨んでいる人が居ることが、増幅逮捕要因になっているように見えてしまう。不思議なのは一流大企業?で会長単独で金銭のちょろまかしが出来るものだろうかということだ。出来るとしたら三流の見かけだけ大企業ということになるのではと思う。おそらく百分の一程度の規模なら、同じようなことをしている社長はかなりいるのではないかという気がするが、自分は会社経営や経営は全くの素人で間違った見方かもしれない。薬の使われ方を見ていてもわかるのだが、日本は一辺倒ユニゾンになりやすい。マスコミに嫌われ検察に睨まれたら蟻地獄のよ...ゴーンの何が問題

  • 百人越え

    昨日は予想通り患者数が多く105名の来院数だった。往診が4名あったので、外来は101名と言うことになる。十年くらい前までは冬期、受診患者数が100名を越えることは珍しくなく一冬で二十回はあったと思う。七、八年前から徐々に100名を超える日は少なくなり、この二、三年は一冬で3,4回に減っている。近隣の新規開業の影響あると思うが、それだけではピークの患者数の減少は説明できないようで理由はよく分からない。軽い風邪では医者に掛からなくなったのかも知れない。唯、同じ100名でも診察の負担は大きく、十年前の120名くらいに感ずる。それは色々訴える患者さんが増えたからだ。どんなに混んでいても、言いたいことは言う患者さんが増えた。殆どが過剰な気にしすぎの訴えで、病気というほどの変化ではないのだが、そういう訴えは聞いて貰うことで...百人越え

  • 骨休み旅を夢見る

    年の暮れの連休明けで今日は忙しくなる。まだ腰が痛いので朝から時間内に数多い患者さんを診切れるか心配だ。おまけにと言っては何だが、今年は重症の往診患者さんが二人いて、年末年始がゆっくりできるか気がかりだ。こうやって働くのはもう限界のような気がする。引退はまだ早いとしても分担後任を確保しなければならない。当てはあるのだが、行動の時期だろう。本当にのんびりできるところを捜したい。唯、いつも女房と二人で行動するので選択が難しい。家内は大都会志向でホテルが大好きなので、鄙びた温泉となると一人でゆかねばなるまい。それも良いのだが、情けないことに家内の説得が一苦労しそうで気が重い。妻のトリセツを購入しなければなるまい。野田知祐氏や椎名誠さんのような国外一人旅の活力はもうないのでせめて川本三郎さんのような国内小旅行をしてみたい...骨休み旅を夢見る

  • 規範を持つ

    天皇陛下の記者会見のお言葉を感銘を持ってお聞きした。ご自身でお書きになったと推察する。これだけ深く国民を思い憲法を理解体現されようとされた方は居ないように思った。生まれた方の方が選ばれた人よりも圧倒的に優れておられるのに気付かされ、陛下のような規範を持つ事が出来た国民は幸いであると感じた。恐らくそれには共産党の人でさえ同意されるのではないか。むしろ煙たく感じているのは官邸かも知れない。トランプの出現よってあからさまになったPOSTTRUTHFAKENEWSの時代。そこに規範はなく己の私欲が優先し策略だけが交錯する混迷の社会。実は日本ではトランプに先駆けて言葉でまやかし印象操作をする官邸が有ったのに気付く。消費税増税の痛みをまやかし、駆け込み需要反動の落ち込みを先送りするための奇策に終始する官邸を見ていると策略は...規範を持つ

  • 私は泣いています椅子に座って

    今朝起きたら腰が痛かった。重い物を持ったわけでもなく捻ったわけでもない。たたらを踏んで痛くなったこともあったが、きっかけが不明なことも多い。もう十、二三回目になると思う。最初は四十歳くらいの頃だった。それこそ電撃痛で二三日はトイレに這って行った。比較的安静とコルセットで徐々に痛みは和らぎ、三週間くらいでほぼ元に戻った。以来、七八年、三四年と徐々に間隔が狭まり、最近はほぼ毎年ぎっくり腰に襲られる。間隔が狭まっただけやや痛みの強さは軽くなっているが、この暮れの忙しい時にと泣きたくなる。これだけ医学が進んだというのにぎっくり腰に整形外科医はMRIを撮って一寸ここがずれてますかねえと曖昧なことしか言わない。内科の風邪と同じで特効薬はなく安静にしていれば良くなりますよとコルセットをくれるくらいのもんだ、ニャロメ。広瀬新竜...私は泣いています椅子に座って

  • スタバの謎

    スタバとして知られるスターバックスは1971年にシアトルに生まれた。今や全世界二万店の店舗数を誇るダントツのコーヒーチェーン店である。自分は深入りのスターバックスのコーヒーをさほど旨いとは思わないが、その盛況には恐れ入っている。タリーズとかドトールとか類似店が出てきたが、スタバには追い付けないようだ。個人的にはコーヒーそのものはドトールの方が美味しいと思うが、何が足りないのかスタバの勢い華はない。おそらくコーヒー通と言われる人のスタバのコーヒーの点数は70点くらいの評価だろうと思う。値段も決して安くない。では一体なぜスタバが日本のコーヒーチェーンを制覇しているのだろう。味や値段ではないのはほぼ間違いない。漠然とした言い方だが、結局はそのスタイルということになると思う。端的には洒落た複数でのおしゃべりや、独りでパ...スタバの謎

  • 個性と相性

    次は「ゲートウエイ」のアナウンスで席を立つ人、電車が速度を緩めると席を立つ人、電車がプラットフォームに掛かると席を立つ人、電車が止まると漸く席を立つ人。電車の降り方にも色々な個性がある。私は電車が速度を緩めると席を立つのでせっかちな方だろう。同じ駅で降りる職人風のお兄さんはプラットフォームに入るとおもむろに席を立つ、通い慣れればこれが普通だろう。人間にはいろいろな個性がありこれが組み合わさって相性が生まれる。毎月千人、年間では数千人の患者さんを診ている。診療は分け隔てなくどなたにも最善を尽くしているが、会えてほっとする患者さん、又この人かと楽しくない患者さんと色々だ。この会えてうれしい方が相性のように思う。苦手な患者さんは、多分何処に行っても嫌われるタイプの人で、当院へ流れ着いた?ような人が多い。元市議会議員の...個性と相性

  • 建設が非建設的になるのは

    よく行く寿司屋の若大将は東京で修業したせいか、懐かしいようで年に数回築地に出かける。もう築地はなくなり豊洲になったので、先日豊洲に行ってきた話を聞いた。意外なことに狭いという。何だか通路が狭くなり、移動車による事故も起きているという。それと換気が悪くちょっと臭うという。生魚を扱いつけている鮨屋がそういうのだから、かなりのもんだろう。アクセスが悪くてごちゃごちゃ居た見学者が少ないという。狭いのは一階と二階に分ける予定の仲買が不公平だというので一か所に集めたせいもあるという。見学者のアクセスが悪いのはある程度仕方ないにしても、仕事で来る人が大変なのは拙いのではないかと聞いた。総じていくつか不備不満があるようだが、できてしまったものはしょうがないという雰囲気らしい。良くなったところは聞き損ねたがいくつかはあるだろう。...建設が非建設的になるのは

  • 見知らぬ世界

    一昨日のNHKの将棋講座で視覚障碍者の方の将棋大会の様子が放送された。皆さん実に楽しそうに将棋を指されていた。優勝された方など対局姿勢も立派で実力も高段者と見受けた。私など目が見えていてもへぼなのに目が見えないのによく指せるなあと感心した。盲人用の将棋盤はマス目が盛り上がり触って駒の位置が分かるようになっている。駒は勿論触って、これは歩これは銀と確認できる。おそらく頭の中に将棋盤が思い浮かんでいるのだろう。プロの中には目隠し将棋が指せる人が居るので同じ理屈なのかもしれない。参加者が音楽と将棋は健常者と同じように楽しめますからと嬉しそうに話されるのを見て、目の見える自分の方がよほど世界が見えていない気がした。人間は五感から情報を入れ、それを脳で処理して世界を理解していると思われるが、その中で視覚の果たす役割は大き...見知らぬ世界

  • 折角のご馳走が

    風がなく冷え込みがさほどでもないのは救いだが、冬の雨の日に駅まで二十分の道のりを歩くのはちょっと辛い。雨天で七時はまだ暗く、車は皆ヘッドライトを点けており、濡れた歩道で反射し映画の一シーンのようだ。残念ながらジェイムスディーンならぬ年寄りが歩いていは様にならない。果て何時までこの道を歩いて仕事に通えるだろうかと思ったことだ。一昨日は妻と二人で街に夕食に出たのだが、入ったイタリアンの店が結構騒がしく、私が妻のオーダを中継した。フレッシュトマトとモッツァレラチーズとはいつもと違うなあと思いながら伝えた。私はトマトベースが好きなのでペンネアラビアータにした。ところが出てきたスパゲッティを見て妻が怒り出した。私はゴルゴンゾーラノ何とかかんとかを頼んだのよ、いやフレッシュトマトと言ったと口喧嘩になった。いつもと違うから変...折角のご馳走が

  • 消費税小考

    来年(2019年)の10月に消費税が10%になります。これは昨年(2017年)4月に10%に上げる予定だったのを安倍首相が国内の個人消費の低迷が続いているため、増税すればさらに消費が冷え込み、日本経済が再びデフレに逆戻りするかもしれないと判断したのが理由です。そのとき奇妙なことに二年半後にリーマンショックや東日本大震災のようなことが起きない限り上げると断言しています。消費税増税が必要かどうか、又その率や実行する時期については経済学者の間でも意見が分かれていますが、安倍首相の判断はそうした経済学的な考察の結果ではなく極めて政治的なものだったと思われます。それは二年半後に必ず上げると口約束したことからも読み取れます。そして今現在企てられている、様々な消費税アップに伴う変化を和らげようとする複雑な政府の施策は、やはり...消費税小考

  • バウワウと今年も暮れ行く

    戌年がもうすぐ終わる。今年の漢字が「災」では何とも残念だ。干支は十二年に一度だからまた良い戌年も巡ぐって来ると簡単には言えない。次の戌年まで生きて居られるか分からないのだ。干支というものを知った七、八歳の頃には十二年なんて殆ど永遠に感じられたものだが。一ダースは十二なので、洋の東西を問わず、十二には何か特別な意味が感じられたらしい。世の中は猫好きと犬好きとに分かれるらしいが、残念ながら干支には猫年がない。これにまつわるいろいろな話があり、猫が鼠を追いかける理由の一つがあるらしい。猫の代わりに架空の龍が入っている。龍を追い出して猫をという運動はないようだが、辰年の人は本物を見たことがないので、自分の干支を想像しにくいだろうと思う。そうかといって猫でもよいとはならないだろう。変えても良いと投票すると猫よりも像とか熊...バウワウと今年も暮れ行く

  • 想像力の働き方

    直に会って話せる人の数は限られている。どんなに多い人でも一生に百万人は行かないだろう。握手して回る政治家でも難しいだろう。それにただコンニチワと二秒握手するだけでは、会って話したと言えるかどうか怪しい。街中の医者は数多い人に会って話をしている方だと思う。初診では最低十分は使うので、ある程度のことは分かる。昔は最初の二分でこの人は普通でないと統合失調の患者さんを見抜けたものだ。最近は軽症が多く、良い薬が出来ているので二分では分からない。どういう訳か最近は、初診時マスクを取らない人も多い。色々問診をしてさて診察となってマスクを外してもらうのだが、90%予想と違った顔が現れる。男性はさておいて、女性の場合はどちらかと言えばがっかり側に外れることが多い。失礼かもしれないが、顔には出さず内心のことでお許し願いたい。それは...想像力の働き方

  • 肝心なことは難しい

    今の世を見て、小人閑居にして健康志向となると孔子様が言われるかどうか分からないが、テレビを見ているとそんなことを想像してしまう。死んでもいいから健康が大切なんだと揶揄する人までいる。ためしてガッテンという番組がNHKにある。営利目的のスポンサーは居ないので、偏向はなさそうでも断片的で一部を取り上げるので有意義な所はあるが鵜呑みにされては困ると医師仲間から聞く。健康に良さそうなことを取り上げる番組が目白押しだが、肝心な生活習慣の改善にどれほど役立っているだろうか知りたい気がする。勿論、無意味ではなくかなり有用なのだろうと思うが、大切な視点が抜けているような気がする。科学的な裏付けのある身体に良いことは成る程と思っても実行が難しいものが多い。実行するのが難しい人達が多い。毎日三十分の運動、動物性脂肪や塩分は控えめに...肝心なことは難しい

  • 問答無用はいかがなものか

    冷たい雨が降っている、寒いのだが十二月らしくない。北国は雪なのだろうか。河野外相の「次の質問どうぞ」には嫌な感じがした。外交には秘密があるとしても、何一つ話せないわけはなく、問答無用は国民を馬鹿にした答え方だ。安倍首相ならこういう答え方はしない。この答え方は不適切だという批評には、内容を吟味せず外交には秘密があるから当然と河野外相の答え方を擁護する書き込みが多い?。過剰短絡した敵味方感覚で、問題の内容を検討することなく敵と見なす人達の言論を叩く。それが快感なのだろうか。河野さんはこんな人だったのだろうかと感じることがある。自分には人を見る目がなかったのか、立場で豹変する人だったのだろうかよくわからないが、外交には向いていない感じがしてきた。デジタルの時代だから白黒しか分からない人が増えたのだろうか?。過剰な敵愾...問答無用はいかがなものか

  • 先人の言葉を味わう

    継続は力なりと言う。誠にその通りで、おそらくどんな仕事にももっと大きくどんな人生にも真実だろうと感じている。好奇心が強く多趣味なので、あれこれ手を出して何でもほぼ初段くらいまでで次に手を出して生きてきたが、診療だけはもうすぐ三十年、倦まず弛まずやってきた。これは仕事だから何段とかいう目安はないし人と比べるものではないから、何とも言えないが、続けたからここまで来れたという気持ちはある。先生がここに居ると思うと安心できると言って下さる患者さんが居る。冥利に尽きる気がする。これも続けてきたからこそと思う。おこがましいかもしれないが私は先人の言葉に、継続は美しいを付け加えてみたい。先人の言葉を味わう

  • 変わる繁華街事情

    もう師走も十日になるが、今朝は風がなかったせいか予報にに反し寒くなかった。夜は冷え込み、街中はイルミネーションが輝き、そこそこ賑わって師走の雰囲気が出ているようだ。街も生きており、少しずつ繁華街の勢力図が変わってきている。三十年前の所謂繁華街がちょっと寂れ、純粋にアルコールや食事を楽しもうという店は五十メートルばかり周辺に移動し、中に何だか怪しげな店が残った。まあ、全体としては夜半の人出は減って芋を洗うような混雑はなくなってきている。店の種類も変わり、市内で河豚を食べさせる店は一軒だけになり、其れも規模を縮小している。正式のすき焼きを食べさせてくれる料亭も老舗が一軒残っているだけだ。接待がなくなったからですよというのが、同年代の医者仲間の診断だ。確かに十年くらい前までの医療界には濃厚な接待習慣が残っていた。おそ...変わる繁華街事情

  • 世界の流れに

    師走はなんとなく気ぜわしいのだが、締めくくりとして一年を振り返って考えてみる良い機会でもある。フランスでは燃料税増税をきっかけに大規模なデモが起き、ドイツでは移民政策への反発からメルケル首相が退き、米中対立に火花が飛び、日本では国会が機能せず入管法が碌な議論もなく国会で成立してしまった。これだけ大きな問題を一纏めに議論理解するのは非常に難しいが、通底するものはある。まず現象としては社会の不安定化とそれから生まれる不信恐怖、そして短絡と力依存だと思う。無知の知の自覚、謙虚な視点が戦後今ほど求められる時はないのではないか。碌な知識もないのに、憎悪嫌悪で物事を判断してしまう。そういう人達はさほど多くないような気もするが、その大声と勢いに流されてしまう人達が多い?ように見える。どうすればに対する私、一介の臨床医にすぎな...世界の流れに

  • 峠からの眺め

    Fさんは91歳、独り暮らしのお婆さん。院内は杖歩行だが一人で歩ける。診察室に入る時、少しよろけた。「この頃よろけてよろ子さんになってしまったわ」とにっこりされた。品の良いお婆さんというより老婦人という方で、お頭の方はまだまだしっかりしている。漸く介護を申請される気になり、ホーム入所も考え始めておられるようだ。Nさんは89歳、一年前までは一人で来れたのだがこの頃はアラカンといっても女優並みに美しい娘さんに連れられてやってくる。息子さんはNさんに似ているのだが、お嬢さんはちょっとクオーターのようで大柄だ。「娘は主人に似たのね」と言われる。だいぶん背中が丸くなり、診察する時ベットにあおむけになれない。「背中が丸くなりましたね」に「人間が丸くなればいいんだけど」とにっこりされた。Tさんは92歳、分限者で駅前に広い土地を...峠からの眺め

  • 最後の砦?

    介護療養型病院というものがある。ホームページを見ると医療介護の統合と言った理想的な事が書いてあるが、実態はどうもちょっと違うようだ。慢性的に人手不足で、医師の労働環境は厳しいものらしい。二百床の病院で常勤医が五名以下となれば推して知るべしで、月に六七回当直であんまり家に帰れませんと聞くと「先生、大丈夫ですか」と声を掛けたくなる。病院の性質に加え経営があるからできるだけ介護度の重い患者を受け入れている。そのため判定会議というものがあって、入院の可否を決めている。介護度Ⅲ以下では入院は難しいと言われる。生活保護も受け入れていないと言う。数年前までは何十人も希望者がいて何か月待ちの状態のようだったが、最近は競合施設ができ数週間待ちになり、事務長は遠慮なく相談してくださいと言われる。入院してくるのは病院で治療の限界を迎...最後の砦?

  • 七十後半はまだ若い

    今朝は寒かったがそれは昨日に比べてのことで十二月始めの平均気温らしい。何百枚もの死亡診断書を書いてきた。内科医の大きな仕事の一つだと思っている。亡くなる時も人さまざまと言えるだけの症例を見てきた。開業してからは高齢者が殆どで、この十年ほどは九十代も多い。枯れて火が消えるように亡くなり、家族の方も静かに見守られる。月曜の夜、H氏が亡くなった。忘年会の合間で家に居たので臨終に間に合った。享年七十八歳。亡くなったことを告げるとご家族が号泣され、こちらまで言葉に詰まってしまった。質の悪い病気で本人もご家族も覚悟されていたようだったが、別れは辛く悲しみは大きかったようだ。これが私が医者に成りたての四十年前だと、少し違ったような気がする。七十半ば過ぎ八十近ければ勿論悲しみは大きいのだが、どこかに十分生きたという感覚があった...七十後半はまだ若い

  • 立ち止まってちょっと考えたい

    昨日は暖かいを通り越して暑いくらいだった。クーラーを入れたという患者さんまで居た。12月にクーラーは夜明けにバナナ並みにおかしい。世の中なんだかしっちゃかめっちゃかで、真面目に取り組むのを放棄したくなる。インフルエンザワクチンだけ私の所に打ちに来る患者さんが数十名居られる。他の医院に掛かられているのは現在服用中の薬を確認するので分かる。どこですかとは聞かないが、なんでそこで打たないのだろうと内心思うこともある。昨日はコレステロールの薬を飲んでいますと申告される人が居た。ああそうですかと答えると毎月通って毎回血液検査をしていますと言う。えっ毎月通って検査しているのと思わず口に出た。内心、過剰だと思ったが業界の掟で論評はしなかった。そうかと思うと胸が重苦しいのでK医院へ行ってきた。心電図胸の写真骨密度を検査したが異...立ち止まってちょっと考えたい

  • 何だねー、何だとー

    三浦雄一郎さんが86歳でアコンカグア登頂を目指すとのこと、アコンカグアと言えば南米最高峰、生半可のことでは登れない強風渦巻くアンデスの高峰だ。何で又という気がしないでもない。何か難しい目立つ目標を立てて、傍迷惑は顧みずやらずにはいられないらしい。申し訳ないが一種の病気ではないだろうかという考えが一瞬頭を掠める。そういえば太平洋一人ぼっちの堀江さんも二番煎じ三番煎じの大洋横断をやられている。どちらも最初は偉い凄いと思ったが、繰り返されると何だねー又かねーという印象も生まれる。なんだねーはご愛敬だが、東名煽り運転で死亡事故を起こした石橋和歩の無罪主張には何だとーと言いたい。懲役十年でも甘いと思う。懲役の趣旨は教育刑というが、性根が叩き直せるだろうか、閻魔様でないと難しい気もする。今朝は小雨がちょっとぱらついたが氷雨...何だねー、何だとー

  • 惜別の言葉

    「先生、随分大きくなったなあ」、ここにお掛けと寝たきり爺さんがベットの脇の隙間をポンポンと叩く。確かに九十過ぎのあなたから見ればうんと若いけれども、もう孫も居る前期高齢者ですから、そんな小さな場所には座れません。ええっ、寝ろですって、冗談もほどほどにしてください。昨晩はここは何処だと騒いでお嬢さんを困られたそうじゃあないですか。ベットの柵を揺すって大声を出すなんて、プロレスラーのつもりですか。親子は似ているので、娘さんも遂に怒り出し、空手チョップをお見舞いしたようで、すわ虐待ではとケアマネが騒いでいるようですが、私はそうは思いません。これは痛み分けです。そうやって3年半、掛かりつけ医に往診を断られお鉢が回ってきた私がお引き受けし往診で面倒を見させていただきましたが、今度はあなたの奥様、お嬢さんのお母さんが倒れら...惜別の言葉

  • 知らない世界

    先日、絵の仲間に連れられて珍しくバーへ行った。アルコールは月に一二度少量飲むだけで、居酒屋とかバーには滅多には行かない。当然なじみのバーや居酒屋はない。入り組んだビルの隙間を抜けて辿り着いた一枚のドアの向こうにはほの暗い別世界があった。7,8メートルはありそうなカウンターの向こうに蝶ネクタイのバーテンダーが佇ずみ、背後には百本はあろうかというウイスキーバーボン・・の酒瓶が勢揃いしていた。窓外には夜の闇にネオンが浮かび、室内には先客の声が浮かんでいる。よく読むダンチュ-の最後にバーテンダー紹介のページがあるが、こういう人達や店があるんだと斜め読みするだけで、なかなか足が向かうことはなかった。目立たないドアの向こうに知らない世界がいくつもあるのだろうなと思った。それらを知らずに生きて来たことがちょっと残念な気がした...知らない世界

  • 妻のトリセツに何と書いてあるのだろう

    このところ晴天が続いている。さほど寒くない。今日から師走、いつもながら一年は短い。正確にはますます短くなる。父も母も短命ではなかったが長命でもなかった。それでも老いというものは見せておいてくれた。毎日高血圧コレステロール前立腺と4種類の薬を飲んでいる。これは錠剤だからうまく飲める。昨日からなんとなく風邪っぽいので、今朝は追加で葛根湯を飲んだのだが、これは顆粒で四分の一くらいこぼしてしまった。ズボンにこぼれた細かい粒を払いながら、情けないというか年を取ったと思った。幸い女房が見ておらず余計な一言がなくて良かった。貴乃花夫妻が離婚した、残念な気がするがいろいろ事情があったのだろう。この年になってもというか、勉強会の後で後輩たち(同年配で勉強会に出る仲間は激減した)とビールを飲みながら連れ合いの話になることがある。も...妻のトリセツに何と書いてあるのだろう

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