「ブゥ~ォ~」「ブゥ~ォ~」「ド~ン」「ド~ン」静かな山里に重々しいホラ貝が響き、太鼓が鳴らされると三人の僧侶の読経が始まった。毎年三月の最終日曜日、横尾山・静圓寺塔頭寺院・地蔵院で行われる「人形供養祭」の始まりである。地蔵院は、江戸末期紀伊国の淡嶋神社の分身が祀られ創建し、所縁の寺とされている。淡嶋神社では雛納め雛流し、お焚き上げの神事があり、それに因み当院でも昭和62(1987)年より供養祭が行われるようになったという。寺の本堂に設けられた緋毛氈のひな壇には、夥しい数のひな人形、武者人形、かぶと飾り、羽子板、市松人形、西洋人形、様々なぬいぐるみ等が所狭しと並べられている。桜の咲き始めた人形塚のある境内にも緋毛氈が敷かれ、人形等が並び置かれている。境内中央には護摩壇が築かれ、ひな人形などが山積みにされて...人形供養の寺・地蔵院(チョット一息)